2023年9月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。

 

①少子化リスク、当社グループの出店計画について
 当社グループの教育サービス事業における現時点でのメインターゲットである日本国内の小学生、中学生、高校生の数(以下、小学生、中学生、高校生を「生徒」といい、その数を「生徒数」という。)は、いわゆる「少子化」の進行により漸減しており、今後もこの傾向は確実に続くものと予想されております。
 当社グループは、今後も積極的な新規開校と、展開エリアの拡張により事業規模の拡大に努める方針でありますが、生徒数の減少や新規の開校が計画通り進捗しなかった場合及び展開エリアの拡張が計画通り進捗しなかった場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

②フランチャイズ契約について
 当社グループは、自立学習型の学習塾「自立学習RED」をFC展開しております。FC加盟者とFC契約を締結し、加盟者に対し継続的な教室運営指導等を行っておりますが、当社グループの指導の及ばない範囲で加盟者の契約違反等が発生した場合、当社グループの業績及びブランドイメージに影響を与える可能性があります。

 

③ブランド価値の低下について

 当社グループは中核事業であります「森塾」のブランド価値の向上に努めておりますが、顧客が満足する教育サービスを提供できない場合、風評や不測の事態によるブランド価値の低下が発生した場合には、生徒数が減少し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

④競合、新規参入について

 当社グループは、生徒の学校での成績の向上を追求し、定量的な分析結果に基づく指導オペレーションや教材の改善及びシステム化を進め、指導力の向上を図っており、当社グループの提供する教育サービスの高品質化と高付加価値化に努めております。
 当社グループは、今後も競争力の維持・拡大に尽力してまいりますが、当社グループの営む教育サービス事業は参入障壁が低く、多数の既存事業者により競争が激化しており、数多くの新規参入事業者も出現しております。
 そのため、競合他社の状況及び動向によっては競争力を維持することができず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤教育制度について
 入試制度の変更、学習指導要領の改訂等、行政による教育制度の変更が度々行われております。
 そのような環境の下、当社グループでは、教育制度の変化の方向性や、それに伴う顧客ニーズの動向と変化に関する調査及び情報収集を実施し、個別指導用テキストの改訂、顧客ニーズに対応した教育サービスへの改善、より顧客ニーズに合致した新しい教育サービスの開発・提供に努めてまいります。
 しかしながら、当社グループが教育制度の変化の方向性や、顧客ニーズの動向を掴み切れない場合、当社グループの改善・開発等の対応を上回る想定以上の規模で教育制度や顧客ニーズが変化した場合等は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥新規事業について
 当社グループでは、今後も持続的な成長を実現するために、新規事業への取り組みを進めていく方針ですが、新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の時間を要することが予想されます。このため、当社グループ全体の利益率を低下させる可能性があります。また、将来の経営環境の変化等により、新規事業が当社グループの想定どおりに進行せず、新規事業への投資に対し十分な回収を行うことができなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑦災害や感染症の発生について
 当社グループが事業を展開している地域において、地震等の、予測の範囲を超える災害の発生により、被災地域における事業活動の停止や事業運営への重大な支障が生じた場合等は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、今後新たな感染症が発生した場合、新規入塾生の減少、退塾生の増加などが発生し、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑧個人情報の保護について
 当社グループは、顧客の氏名・性別・生年月日・住所・電話番号・成績等の個人情報、その他業務上必要となる各種情報に接する機会があります。このため、「個人情報取扱規程」、「情報システム管理規程」等の関連規程の整備・運用、従業員への教育により、全社的に個人情報の保護、漏洩防止に取り組んでおりますが、個人情報が当社の関係者等の故意又は過失により外部に流出した場合には、当社グループが損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があり、当社グループの信頼性が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑨情報セキュリティについて

 当社グループはシステムトラブルの発生可能性を低減させるために、システム強化やセキュリティ対策を講じております。しかしながら、大規模な自然災害や事故(人為的な要因含む)、ランサムウエアや不正アクセス等の外部からのサイバー攻撃等が発生した場合、当社グループのシステムへの重大な被害や情報漏えい、当社グループの社会的信用の棄損により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑩知的財産権について
 当社グループでは、第三者の知的財産権等を侵害しないよう可能な範囲で対応を行っております。しかしながら、当社グループの事業分野で当社グループの認識していない知的財産権が既に成立している可能性又は新たに第三者の知的財産権が成立する可能性もあり、当該侵害のリスクを完全に排除することは極めて困難であります。万一当社グループが第三者の知的財産権等を侵害した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 また、当社グループは必要に応じて商標権等の知的財産権の申請を行っておりますが、当社グループの知的財産権が第三者に侵害された場合には、解決までに多くの時間や費用を要する等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑪人材の確保及び育成について
 当社グループにおいては人材が重要な経営資源であり、当社グループの中長期的な成長のためには、採用計画に沿った人材の確保が不可欠な要素となっております。また様々な教育・研修制度や各種インセンティブ制度を用意し、それらの人材の入社後においても、人材の動機付けと、徹底的な教育・育成を行っております。
 しかしながら、今後の経営環境の急激な変化等により、人材の確保や育成が計画通りに進まない場合や、予測の範囲を超える多数の退職者が同時期に発生した場合等は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑫業績の季節変動について
 学習塾サービスにおいては、夏期、冬期、春期の講習実施時期に、他の月と比較して売上高が増加する傾向にあります。また、教育関連サービスのテキスト販売においては、新学期開始前の3月前後に売上高が集中する傾向にあります。
 したがって、上記の時期の講習売上やテキスト販売売上の増減に応じて、当社グループの各四半期連結会計期間の業績に大きな影響を与える可能性があります。

 

⑬減損損失について

 当社グループは、有形固定資産やのれん等の無形固定資産を保有しております。これらの資産については減損会計を適用し、毎年、減損の兆候について精査し、減損処理が必要と判断される場合は適切に処理することとしております。

 したがって、将来において、当社グループの事業の収益性が著しく低下した場合には、保有する有形固定資産やのれん等の無形固定資産に係る減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、株主の皆様への利益還元を経営上の重要課題と認識しております。したがいまして、将来における安定的な当社グループの成長と、経営環境の変化に対応するために必要な内部留保資金を確保しつつ、業績への連動性の高い利益配分を継続的に行うことを基本方針としております。安定的な配当を実施することにより、着実な株主還元を実現してまいります。

 当該方針に基づき、当事業年度の期末配当につきましては、普通配当19円といたしました。中間配当19円とあわせて、年間配当は1株当たり38円となります。

 当社は、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず、取締役会の決議によって、会社法第459条第1項各号に掲げる事項を定めることができる旨を定款に規定しております。また、当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。

 内部留保資金につきましては、今後の事業展開と経営環境の変化に対応するための資金として有効に活用したいと考えております。

 なお、基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2023年5月11日

328

19

取締役会決議

2023年11月10日

328

19

取締役会決議