2024年8月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 2,977 100.0 34 100.0 1.2

事業内容

3【事業の内容】

 当社の事業は、広告関連事業(新聞等発行事業、折込チラシ配布事業及び販売促進総合支援事業)及びその他の事業により構成されております。

 なお、当社はセグメント情報を記載していないため、事業別に記載しております。それぞれの事業の内容は次のとおりであります。

 

(1)新聞等発行事業

 当社が発行する「ちいき新聞」は購読料のかからない地域情報紙(以下「フリーペーパー」という。)であり、当社は「ちいき新聞」紙上に発行エリア(版、注1)ごとの地域のイベント、社会、文化、スポーツ等に係る身近な情報(記事)を載せ、毎週継続的に発行しております。当該事業は紙面に掲載する広告枠を販売し、かつ、当該広告を当社が制作し配布する一連のサービスの対価を当該顧客から収受する事業であります。その広告枠は、5か所の事業所(八千代支社、成田支社、船橋支社、千葉支社、柏支社)の営業担当者が広告主に直接販売する場合と、広告代理店を経由して販売する場合があります。その他にも、当社が発行する求人情報紙「Happiness」の発行事業がございます。当該事業は「ちいき新聞」とは別に求人広告紙を制作し、当該サービスの発行スケジュールに則り継続的に発行しております。「Happiness」の紙面に掲載する求人広告枠を販売し、かつ、当該広告を当社が制作し「ちいき新聞」に折込配布する一連のサービスの対価を当該顧客から収受する事業であります。その広告枠は、「ちいき新聞」と同様に5か所の事業所の営業担当者及び「Happiness」の販売専門部署の営業担当者が広告主に直接販売する場合と、広告代理店を経由して販売する場合があります。

 当社は行政区画と広告主の商圏を考慮し、「ちいき新聞」の1発行エリア(版)当たりの標準世帯数を4万世帯前後としており、当該前提に従って当社の事業エリアである千葉県(主に千葉県北西部地域を中心として)、茨城県(主に茨城県南西部を中心として)を40版に細分し、1発行当たり173万部(2024年8月31日現在、注2)の「ちいき新聞」を発行しております。このため、広告主は広範囲を対象にした広告から、地域を限定したピンポイントの広告まで、販売促進対象エリアの広さを柔軟に変えることができます。「Happiness」におきましては、「ちいき新聞」の配布エリアを15エリアに分割し、各エリアで約10万部発行し「ちいき新聞」に折込配布しております。

 なお、「ちいき新聞」及び「Happiness」の印刷作業は印刷会社に全て委託しております。また、「ちいき新聞」及び「Happiness」の配布方法は、原則として戸別配布員(ポスメイト、注3)によって構成される当社独自の配布組織を組成及び活用し、一般の新聞を購読していない家庭にも戸別配布しております。

 

[事業系統図]

 

(2)折込チラシ配布事業

 折込チラシ配布事業とは、当社が発行する「ちいき新聞」にチラシを折り込んで配布する事業であります。チラシはあらかじめ顧客が制作して当社に持ち込むケースと、当社が顧客の依頼を受けて制作まで請負うケースがありますが、チラシの制作を顧客から請負う場合、その制作請負に係る売上高は後述の販売促進総合支援事業売上高として計上いたします。

 また、当社は折込チラシの配布エリアを500から1,000世帯単位に細分しており、「○○町だけ配布」といった地域を限定したものからより広範囲を対象にしたものまで、広告主のチラシ配布エリアに係るニーズにきめ細かく対応した配布が可能となっております。

 

[事業系統図]

 

(3)販売促進総合支援事業

 販売促進総合支援事業は、行政機関の刊行物制作・配布の受託や、前述の新聞等発行事業や折込チラシ配布事業の領域に属さない販売促進関連業務(展示会等の広告イベントの企画及び運営、配布チラシやポスターの編集及び制作、店舗ディスプレイ計画の立案等)を通じて、広告主の様々な販売促進活動を支援する事業であります。

 

[事業系統図]

 

(4)その他の事業

 その他の事業として、当社WEBサイト「チイコミ!」の運営、WEB広告及びホームページ作成などのWEB事業、教養、趣味及び娯楽等を顧客に教授し入会金及び受講料を収受するカルチャースクール運営事業等、当社加盟基準を満たした優良な外壁塗装工事等の業者をお探しの依頼者に紹介するマッチング事業、地域性のある商品や千葉県内で採れた野菜やお米を販売する通信販売事業、富裕層や子育て層をターゲットとしたセグメント媒体の発行、「ちいきとつながる」をコンセプトに掲げる放課後等デイサービス事業を行っております。

 

(注)1.「ちいき新聞」の発行に係る最小単位であります。

2.「ちいき新聞」2024年8月30日発行号に係る発行実績であります。

3.「ちいき新聞」を戸別配布する要員の呼称であります。地域在住の方に配布委託を行っております。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に社会経済活動が緩やかに回復し、物価上昇の影響から足踏みが続いていた個人消費も持ち直しの傾向が見られました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の不安定化、エネルギーを始めとした原材料価格の高騰、地震や豪雨といった自然災害のリスク増加等、先行き不透明な状況が続いております。

そのような環境の中、当社は2024年6月3日に「今後の戦略に関する基本方針」を発表し、当社が保有する170万世帯への配布網、2,500人の配布スタッフ、年間8,000社の取引企業等のアセットを活用した他社との事業アライアンスによる新サービスの創出、いわゆるシーパワー・ストラテジーへの転換を掲げ、社内体制の構築とアライアンス候補企業との間でのアセット活用方法を策定する取り組みに注力しました。

広告関連事業におきましては、イベント集客による広告需要の増加を背景に引き続き回復傾向が続いております。

新聞等発行事業のうち「ちいき新聞」の発行事業におきましては、2024年8月末現在で、2県40エリアで40版を発行、週間の発行部数は約173万部となりました。中大口クライアント獲得に営業リソースを集中し顧客単価の向上を図る施策は結果として表れており、当第4四半期会計期間では修理業、買取業、保険業、セミナー告知といったセグメントの需要が高まりました。その他にも、富裕層向け情報誌「AFFLUENT(アフルエント)」、子育て支援情報誌「ままここっと®」、求人情報紙「Happiness」など、「ちいき新聞」以外の媒体も発行し利益創出に努めております。「Happiness」は求人需要の高まりを受け引き続き好調に推移しており、2024年8月9日に発表しておりますとおり、株式会社ツナググループ・ホールディングスと業務提携をすることにより紙とWEB両面での質の高い提案ができるようになりました。キャリア教育副教材「発見たんけん」におきましては、配布対象の小中学校を拡大するとともに、各学校での企業との交流授業を企画することで教材の利用を促進し、掲載企業の継続率向上を図っております。

折込チラシ配布事業におきましては、それぞれの地域にカスタマイズされた独自の地図情報システム(GIS)を活用することにより、広告主の顧客ターゲットが明確となり効率的かつ広告効果の最大化を図るサービスを実現しております。当第4四半期会計期間におきましては、主に不動産業、冠婚葬祭業、宅配業、リユース業などの業種が折込チラシ配布事業の売上を牽引しました。今後の施策といたしまして、2024年9月より折込価格の改定を行い、コスト上昇への対策と収益力強化を図ります。

販売促進総合支援事業におきましては、「ちば市政だより」の配布業務受託を中心とした行政自治体の刊行物制作・配布の受託増加に加え、ショッピングセンターにおけるイベント企画・運営についても実績を元に取引が拡大しています。

その他事業につきましては、WEB事業の方向性を見直し、メインコンテンツであるコミュニティサイト「チイコミ!」をプラットフォームとして保持しながらユーザー情報やインフラ機能等の自社アセットを活用して他社サービスとのアライアンスによる新サービスをプラットフォーム上に充実させていくことを目指します。本件につきましては2024年6月3日発表の「今後の戦略に関する基本方針」の中で「WEB版港町構築プロジェクト」として記載しております。

なお、当社は資本政策の一環として新株予約権を発行しており、係る費用として営業外費用の新株予約権発行費を14,722千円として計上しております。

以上の結果、当事業年度における売上高は2,977,195千円(前期比101.7%)、経常利益は16,988千円(前期は47,664千円の経常損失)、当期純利益は3,476千円(前期は51,328千円の当期純損失)となりました。

 

② キャッシュ・フロー状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、98,049千円増加し572,176千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フロー

当事業年度末において営業活動の得られた資金は、127,867千円となりました。これは、主に税引前当期純利益1,748千円、未払金の増加35,098千円、未払消費税等の増加29,706千円、減価償却費28,556千円、売上債権の増加21,258千円、新株予約権発行費14,722千円によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フロー

当事業年度末において投資活動の結果使用した資金は、59,531千円となりました。これは、主に定期預金の払戻による収入200,000千円、定期預金の預入による支出200,000千円、無形固定資産の取得による支出32,642千円、有形固定資産の取得による支出18,456千円によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フロー

当事業年度末において財務活動の得られた資金は、29,713千円となりました。これは、主に新株予約権の行使による収入130,547千円、長期借入の返済による支出100,852千円によるものであります。

(資本の財源及び資金の流動性について)

当社の資金需要のうち主なものは、当社の成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金であります。これらの資金需要に対して当社では、自己資金、金融機関からの借入、増資といった資金調達方法の中から諸条件を総合的に勘案し、最も合理的な方法を選択して調達する方針であります。当事業年度におきましては、ノンコミットメント型ライツ・オファリングの実施により、144,610千円の資金を調達いたしました。

なお、当事業年度末において、借入金残高365,878千円、現金及び預金残高772,176千円となっております。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 当社は、生産、受注及び販売の状況については、セグメント情報に代えて事業別に記載を行っております。

 

a.生産実績

 当事業年度の生産実績を事業別に示すと、次のとおりであります。

事業別

当事業年度

(自 2023年9月1日

至 2024年8月31日)

前年同期比(%)

新聞等発行事業(千円)

604,700

103.2

販売促進総合支援事業(千円)

138,248

133.9

その他の事業(千円)

106,088

98.7

合計(千円)

849,037

106.6

(注)金額は、売上原価によっております。

 

b.受注実績

 当社は、受注から販売までの所要日数が短く、常に受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当事業年度の販売実績を事業別に示すと、次のとおりであります。

事業別

当事業年度

(自 2023年9月1日

至 2024年8月31日)

前年同期比(%)

新聞等発行事業(千円)

1,264,078

105.8

折込チラシ配布事業(千円)

1,229,565

91.8

販売促進総合支援事業(千円)

331,922

134.6

その他の事業(千円)

151,629

104.3

合計(千円)

2,977,195

101.7

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択及び適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 なお、当社が財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5[経理の状況] 1[財務諸表等] (1)[財務諸表][注記事項]の(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社の当事業年度の経営成績等は、売上高2,977,195千円(前期比101.7%)と前期の実績を上回りました。これは、「新聞等発行事業」に含まれるヒューマンリソース事業への需要が継続して高く、求人情報紙「Happiness」の発行回数を増加したことや、「ちば市政だより」の配布業務受託を中心とした行政自治体の刊行物制作・配布の受託増加に加え、ショッピングセンターにおけるイベント企画・運営についても実績を基に取引が拡大し「販売促進総合支援事業」において受注が増加したことによるものであります。

 以上の結果、売上高が2,977,195千円(前期比101.7%)と増収となり営業利益は34,307千円(前事業年度は20,906千円の営業損失)となりました。

 当事業年度は、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて127,867千円の収入となり、投資活動におけるキャッシュ・フローにおいては、主に無形固定資産の取得による支出があり59,531千円の支出となり、財務活動によるキャッシュ・フローにおいては、主に新株予約権の行使による収入があり29,713千円の収入となりました。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5[経理の状況] 1[財務諸表等] (1)[財務諸表][注記事項]の(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。