2025年2月期有価証券報告書より
  • 社員数
    3,911名(単体) 9,075名(連結)
  • 平均年齢
    32.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    9.0年(単体)
  • 平均年収
    4,247,625円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年2月28日現在

セグメントの名称

従業員数

国内

4,074

1,900

名]

海外

5,001

1,113

名]

合計

9,075

3,013

名]

 

(注) 1 当社グループは、地域別のセグメントで構成されており、「国内」及び「海外」の2つを報告セグメントとしております。

2 従業員数は就業人員であり、アルバイト・契約社員数は[ ]内に年間の平均雇用人員を外数で記載しております。

3 当連結会計年度において、海外生産工場を所有する在外非連結子会社を連結子会社としたことから、海外従業員数が前連結会計年度末に比べ2,765名増加しております。

 

(2) 提出会社の状況

2025年2月28日現在

従業員数

平均年齢

平均勤続年数

平均年間給与

3,911

1,844

名]

32才0ヶ月

9年1ヶ月

4,247,625

 

(注) 1 提出会社は、「国内」セグメントに属しております。

2 従業員数は就業人員であり、アルバイト・契約社員は[ ]内に年間の平均雇用人員を外数で記載しております。平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

連結子会社LaCrosse Footwear, Inc.においては、労働組合(the United Food and Commercial Workers Union)が結成されております。労使関係は良好な状態であり、特記すべき事項はありません。

当社及びその他の連結子会社においては、過半数労働組合は結成されておりませんが、労使関係は良好な状況であります。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

2025年2月28日現在

提出会社及び連結子会社

当連結会計年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)(注)3

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

提出会社

15.9

60.5

63.1

78.5

105.2

株式会社オッシュマンズ・ジャパン

15.2

-

66.0

85.6

114.0

 

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 男女同一の賃金制度を適用しており、同等級内において共通の処遇を行っております。また、人事評価に関しても男女共通の基準で実施しており、人事制度上の男女間の差異は設けておりません。現在生じている格差は職務、等級、年齢構成、労働時間の違いによるものであります。

4 その他国内2社及び海外子会社は、公表義務の対象ではないため記載を省略しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、靴を中心に「ライフスタイル創業企業」として、お客様にご満足いただける商品やサービスの提供を通じて、当社グループの持続的な成長が社会貢献に繋がるような世界、具体的には、ファッションを通じて様々な人が集まり地域社会が活性化されるような世界を目指しております。

 当社グループでは、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視・管理するためのガバナンス体制として、経営幹部が出席する経営会議において各種戦略とサステナビリティを巡る様々な課題について検討を重ね、業務執行取締役主導の下、稟議決裁を経て各部門で実行しております。取締役経営企画室長が進捗状況のモニタリングを行っており、半期に一度、当社取締役会へ報告する体制を取ることでリスクマネジメントの統制を図っております。なお、当社代表取締役社長がサステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任を有しております。

 

(2)戦略

 当社グループにおけるサステナビリティを巡る重要課題として、「地域社会とのつながり」「誰もが働きやすい環境づくり」「サステナブルな商品セレクト」「エコロジカルな店舗運営」「ロスをうまない経営」の5つを掲げ、人的資本と気候変動への対応に取り組んでまいります。

 

① 人的資本

当社グループは、多店舗展開を成長戦略の柱としております。都市部や地方郊外への出店を通じてその地域における雇用を生み出し、様々な人々に必要なモノ(日用品・嗜好品)の提供を行うことで地域経済を活性化させる役割を担っております。当社グループの主なステークホルダーは、お客様、従業員、お取引先様、株主様であります。お客様との接点となる「ABC-MART」を通じて地域社会とのつながりを強固にするためには、まずは「ABC-MART」で働く人一人ひとりのために働きやすい環境づくりを行うことが重要であります。このことから、人的資本経営を最重要視し、「マルチステークホルダー方針」「人材育成に関する方針」「社内環境整備に関する方針」を定め、推進してまいります。

 

1) マルチステークホルダー方針

 当社は、企業経営において、株主にとどまらず、従業員、取引先、顧客、債権者、地域社会をはじめとする多様なステークホルダーとの価値協創が重要となっていることを踏まえ、マルチステークホルダーとの適切な協働に取り組んでまいります。その上で、価値協創や生産性向上によって生み出された収益・成果について、マルチステークホルダーへの適切な分配を行うことが、賃金引上げのモメンタムの維持や経済の持続的発展につながるという観点から、従業員への還元や取引先への配慮が重要であることを踏まえ、各種取組を進めてまいります。

 

詳細につきましては、

当社ホームページ「https://www.abc-mart.co.jp/ir/sustainability/social.html」に掲しております。

 

 

2) 人材育成に関する方針

(a) 現場での経験と“共育”

お客様との対面販売による現場での経験が人材育成の基本となり、当社グループの強力な販売力の源です。新人スタッフの育成にあたり、現場経験豊富な先輩スタッフによるコーチングは不可欠であり、ときに先輩スタッフも“自らを知る”機会を得て、共に成長できる環境をも育てます。そして、こうした環境下で“ライバル心”を育てることで、販売力の最大化を目指します。

 

 

(b) 雇用の多様化とワークライフバランスの充実

当社グループでは、ライフスタイルの変化に対応し、雇用形態の多様化を進めております。女性やパート・アルバイトの積極採用はもとより、地域限定社員やショートタイム社員の登用など、地域や目的に応じた雇用を確立しております。こうした取り組みにより、経験を積んだスタッフが継続して働ける環境づくりを行い、ワークライフバランスの充実を図ります。

 

(c) キャリア開発とチームづくり

社員数が増え、顔が見えづらい環境下において、社員の潜在能力を見出し、適切な場所でその能力を十分発揮させることはとても重要な課題です。各人の能力・実績・経験・志向等を把握し、適切なキャリア開発を行うため、人事部と現場を良く知るエリアスーパーバイザーとでキャリア開発チームをつくり、当社グループの将来の担い手を発掘してまいります。

 

3) 社内環境整備に関する方針

(a) ダイバーシティと人権の尊重

当社グループには、国籍、人種、性別、年齢等の属性面に加え、キャリア、考え方、価値観、ライフスタイル等も含んだ多様な社員が共存しております。社員一人ひとりの持つ個性を多様性として理解し、全ての社員が受け入れられ、尊重し合いながら、それぞれの特性や能力を最大限に活かすことが、新たな発想や価値の創造に繋がると考えております。

これらのことから、当社グループでは、個々を尊重し、以下の対応を行ってまいります。

・女性が当たり前に活躍できる環境づくり

・将来的に組織の意思決定に関わる女性役職者を増やしていく取り組み

・障がいの有無に関わらず、全ての従業員が自身の強みを活かして永く活躍できる環境づくり

・外国人の積極雇用と異文化コミュニケーションの促進

・LGBTQへの理解と対応、相談窓口の設置

 

(b) 研修制度とサポート体制

当社グループの人材育成は、「教育=共育」を全社共有のテーマとしており、OJTによるコーチングを実務スキル教育の軸としております。集合研修においては、マインドセットを目的に人事部主導で実施する研修と、全国各地の店舗社員から人事部が任命したファシリテーター(研修講師)が地域毎に実施する研修に分けております。店舗社員が研修講師になる仕組みにより、現場で獲得したノウハウが社内に蓄積され、また共有化されることで販売力の強化を図る取り組みです。

将来的に組織の意思決定に関わる女性社員を育成する目的で、女性役職者育成研修、選抜女性店長研修を実施してまいります。また様々な価値観を持った人材がモチベーション高く働ける職場環境をつくるため、エリアを管轄するスーパーバイザーを対象に、アンコンシャスバイアスの理解を深めるための研修を実施してまいります。

障がいのある社員も“チームの一員(ONE TEAM)”として活躍できるような環境づくりを行います。2025年2月末現在、156名が在籍(雇用率2.54%)しております。障がいに関する専門知識を持つ支援チームが配属店舗に定期的に訪問し、また管理者を対象にした研修を実施することで、特性や個性に合わせた指導方法のサポート体制を確立してまいります。

外国人の雇用を積極的に行ってまいります。2025年2月末現在、20の国又は地域(中国、韓国、台湾、ミャンマー、ベトナム、フィリピン、ペルーなど)からグローバルな人材を採用しており、171名が在籍しております。グローバル企業として異なる文化や価値観を受け入れるための取り組みとして、異文化コミュニケーション研修やフォローアップ研修を実施してまいります。

LGBTQに対する理解を深め、全ての社員が働きやすい環境づくりを目指してまいります。2023年度において、LGBTQ相談窓口を設置し、社内管理上の性別選択項目が変更できる体制に変え、そしてパートナーシップ登録制度を導入いたしました。

 

 

 

② 気候変動への対応

当社グループは、世界的な平均気温4℃上昇による気候変動が社会経済活動に及ぼす影響は甚大であると認識し、気温上昇を1.5℃以下に抑制することを目指す動きに貢献していくことが重要であると考えます。これらの気候変動への対応を強化するため、4℃シナリオ及び1.5℃シナリオに基づくシナリオ分析を実施しております。

 

1) シナリオ分析プロセス

シナリオ分析のプロセスは、次のStep1からStep4までの4段階になります。

Step1

リスク・機会の特定

幅広く抽出した気候関連リスク・機会の中から、想定される事業影響の大きさに基づいて、重要度の高いリスク・機会を特定

Step2

シナリオの定義

特定したリスク・機会に関連するパラメータの将来情報を入手し、シナリオを定義

Step3

財務影響の把握

定義したシナリオにおける、リスク・機会に関する2030年度の財務影響を測定

Step4

対応策の検討

把握した財務影響に基づき、リスクの軽減や機会の獲得のための対応策を検討

 

 

 <シナリオ分析の前提>

対象事業

靴、衣料、雑貨などの小売、靴の商品企画、製造及び販売

参照した主なシナリオ

4℃: IPCC RCP8.5、IEA WEO STEPS

1.5℃: IPCC RCP1.9、IEA WEO NZE

時間軸

短期:1年未満 中期:1~10年未満 長期:10~30年

財務影響

小:10億円未満 中:10~100億円未満 大:100億円以上

 

 

 

2) 気候関連リスク・機会

当社グループが特定した重要性の高いリスク・機会と定義したシナリオにおけるリスク・機会に関する2030年度の財務影響は、以下の表のとおりであります。

当社グループは、把握した財務影響に基づき、リスクの軽減や機会の獲得のための対応策を講じております。

 

(気候関連リスク)

 シナリオ

分類

 想定

事業への影響

顕在時期

財務影響

主な対応策

1.5℃

政策・

法規制

炭素税・排出量取引制度の新設・厳格化

・サプライヤー、輸送業者による炭素排出負担の価格転嫁

・Scope1,2に関する炭素排出負担の発生

中~長期

・サステナブルな商品セレクト

・低炭素ショップバッグへの変更(石油由来のポリエチレン製から紙製又はリサイクルポリエチレン製へ)

・物流効率化

・LEDへの切り替え(2027年までに全店舗導入予定)

・再生可能エネルギー電力の導入

リサイクル規制の厳格化

・リサイクル規制対応商品の調達増加

・売れ残り在庫廃棄禁止に伴う在庫寄付に係る輸送の発生

中~長期

・サステナブルな商品セレクト

・長期滞留在庫の廃棄ゼロ化(大型店舗やアウトレット店における滞留商品集約等)

市場

お客様の気候変動課題意識の向上

・サステナブルな商品の調達増加

・サステナブルな内装材を用いた店舗開発の要請

中~長期

・サステナブルな商品セレクト

・環境に配慮した内装材の使用

小売電力価格の上昇

・サプライヤーや当社における電気代の増加

中~長期

・LEDへの切り替え(2027年までに全店舗導入予定)

 

 

 シナリオ

分類

 想定

事業への影響

顕在時期

財務影響

主な対応策

4℃

物理

(急性)

自然災害・異常気象の激甚化

・当社拠点の気象災害被災による棚卸資産・固定資産の災害損失及び店舗営業停止に伴う売上逸失

中~長期

・店舗/外部倉庫の分散化

・デジタル基幹システムの構築とオムニチャネル戦略の強化

・店舗新設や移転時における気象災害リスクの評価

・洪水/高潮の影響を受けやすい拠点における在庫保管場所の見直し

物理

(慢性)

平均気温の上昇による感染症の増加

・感染症流行による店舗営業停止に伴う売上逸失

中~長期

・店舗/外部倉庫の分散化

・デジタル基幹システムの構築とオムニチャネル戦略の強化

ブーツなどの冬季製品を使用する頻度の減少

・冬季製品に関する売上減少

中~長期

・売上分析に基づく地域毎の商品供給・販売体制の構築

・気温や季節に応じた売り場づくり/販売促進活動

 

 

(気候関連機会)

 シナリオ

分類

 想定

事業への影響

顕在時期

財務影響

主な対応策

1.5℃

資源効率/エネルギー源

エネルギー効率性の向上や低炭素エネルギーの使用

・Scope1,2削減により、炭素排出負担の減少

中~長期

・LEDへの切り替え(2027年までに全店舗導入予定)

・再生可能エネルギー電力の導入

製品とサービス

サステナブルな商品を志向するお客様の増加

・サステナブルな商品の売上増加

中~長期

・サステナブルな商品セレクト

4℃

製品とサービス

サンダルなどの夏季製品を使用する頻度の増加

・夏季製品に関する売上増加

中~長期

・売上分析に基づく地域毎の商品供給・販売体制の構築

・気温や季節に応じた売り場づくり/販売促進活動

 

 

 

3) 主な対応策

具体的な対応策は以下のとおりであります。

 

(a) サステナブルな商品セレクト

 当社グループでは、ナショナルブランドの環境に配慮した商品を数多く扱っており、例えば、サステナブルな手法で綿花栽培を行ったコットン100%のTシャツや靴のアッパーに50%以上のリサイクル素材を使用したスニーカー等の品揃えを拡充しております。メーカー各社様と共同で開発しているABC-MART限定商品においても、サステナブルな素材を用いて開発された商品が多くあります。

 これらリサイクル素材を用いた商品の製造コストは通常よりも非常に高く、販売価格に影響をもたらします。そのため、環境に配慮した商品に対するお客様のニーズと購買価格帯を見極めながら企画開発を続けてまいります。

 

(b) エコロジカルな店舗運営

(電気使用量の削減)

 当社グループ(当社単体及び韓国・米国・台湾の在外子会社3社)の2023年度の年間電気使用量は106,492千kWhでCO2排出量は48,278トンでした。Scope1及びScope2のCO2排出量は51,177トンとなります。

 当社は、2023年から2027年までの5年間に全店舗の照明をLEDに替える計画を実施しております。5年間のLEDに係る投資総額は、12億30百万円と想定しており、1店舗当たりの投資回収期間はおよそ4年となります。非対応店舗全店の節電効果は、概算で年間4億円程度と試算しております。2023年2月末時点のLED非対応の店舗数は1,074店舗中412店舗ありましたが、毎年90店舗前後の対応を進めた結果、2025年2月末現在の非対応店舗数は230店舗となりました。

 

 

(環境に配慮した内装材等の使用)

 当社グループの国内の店舗戦略においては、年間40店舗の新規出店、40店舗の改装をベースとした出店を計画しております。土地・建物の取得を除いた店舗造作に係る年間の設備投資総額はおよそ35億から40億円程となります。現在、新業態店舗を中心に、環境に配慮した内装材の使用を始めております。具体的には、壁面にエコ素材のクロスを用いたり、ABC-MART2.0業態でパネコ(廃棄衣類繊維)やOSB(間伐材等の再利用)ボードを用いた棚板や什器を使用しております。これらのエコ素材は通常の棚板や什器に比べ非常に高価なことから、PRコーナーの一角などで用いております。

 当社グループでは、2021年10月より、石油由来のポリエチレン製ショップバッグを廃止し、植物由来のボタニカルインキを使用した再生紙のショップバッグとリサイクルポリエチレン製ショップバッグを全店で使用しております。2022年2月期において、出荷ベースで1,738万枚のうち紙袋の使用は38.4%でしたが、2023年2月期においては、出荷ベースで2,089万枚のうち紙袋の使用を77.3%に高めた結果、CO2排出量をおよそ3トン削減することができました。

 

(c) ロスをうまない経営

 当社グループの考えるロスには、商品がないことによる販売機会のロスと在庫のロスがあります。

コロナ禍、積極的なIT投資によりデジタル基幹システムの構築とオムニチャネル戦略の強化を行ってまいりました。店舗において倉庫在庫の販売が直接できるようになり、またオンライン販売においては店舗での商品受け取りが可能となり、欠品時の販売機会のロスが低減できるようになりました。さらにスマホアプリによる自店在庫の見える化により、お客様の利便性が増したことに加え、生産性の向上による売上拡大と業務効率の改善による人件費の圧縮が可能となりました。

 次の目標としては、将来の在庫処分をうまないために、売上分析に基づき、需要のある地域に適切な分量の商品を供給し、販売していく仕組みをつくることにあります。滞留商品については、地域の拠点となる大型店舗やアウトレット店に商品を集約することで、在庫の消化を促進する取り組みも行ってまいります。さらに、外部での販売会や催事などを企画し、徹底して売り切る体制を整えてまいります。このようにして、長期滞留在庫(使用不可商品を除く。)の廃棄ゼロを目指します。

 

これらのシナリオ分析の結果は、当社グループの経営戦略へ反映するとともに、対応策の実行や進捗状況のモニタリングを行います。また、今後も定期的にシナリオ分析を行い、リスク・機会の見直しを実施してまいります。

 

 

(3)リスク管理

 当社では、企業価値を形成する有形無形資産や企業の成長戦略を脅かす事業リスクを適切に管理するため「リスク管理規程」「コンプライアンス管理規程」「行動指針」を定めております。当社のリスク管理体制は、代表取締役社長をリスク管理統括責任者として、関係各部署の役職者で構成されるリスク管理委員会を設置して対応に当たっております。リスク管理委員会においては、事業活動に伴う重大なリスクの顕在化を防ぐための対策や、万一リスクが顕在化した場合でも被害を最小限に留めるための対応策を協議、検討し、実行しております。サステナビリティ関連のリスク及び機会や優先的に対応すべき事業等のリスクについては、役員をはじめ経営幹部が集まる週次の経営会議で識別し、リスクの影響度に応じて、部長会やリスク管理委員会で必要な検討を重ね、対応していきます。経営会議においては、経営戦略の実効性と合わせてこれらのリスクや機会の評価を適宜行っており、評価の結果は部長会を通じて下位の者に伝達する仕組みとなっております。コンプライアンスに関する問題に関しては、必要に応じて外部の有識者の助言を受けて対応しております。

 当社グループの主なリスクとその対応につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。

 

 

 

(4)指標及び目標

 

① 人的資本

 当社グループの人的資本に関する測定可能な指標は、以下のとおりであります。

 なお、上記「(2) 戦略」において記載した「人材育成に関する方針」「社内環境整備に関する方針」に係る指標については、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける指標の記載は困難であります。このため、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 

提出会社

 

2022年度実績

(2023年2月期)

2023年度実績

(2024年2月期)

2024年度実績

(2025年2月期)

2030年度目標

女性管理職比率   ()   (注)2

14.5

15.5

15.9

17.7

男女賃金格差(男性100%に対し)()

77.4

77.3

78.5

90.8

男性育児休業取得率 ()

26.0

31.3

60.5

100.0

 

 

 (注)1 上記は全正社員を対象としております。

   2 管理職は、店舗においては店長職以上、本社においてはチームマネージャー職以上としております。2024年度における次期管理職候補である店舗役職者(副店長職)の女性比率は42.8%となりました。

 

 

② 気候変動への対応

 当社グループの気候変動に関する測定可能な指標は、以下のとおりであります。

 

(温室効果ガス排出量)

                                     (単位:t-CO2)

区分

2023年度実績

(2024年2月期)

Scope1

122

Scope2(マーケット基準)

51,054

 

 (注)1 集計対象範囲: Scope1,2: 連結対象4社(株式会社エービーシー・マート、ABC-MART KOREA,INC.、LaCrosse Footwear,inc.、ABC-MART TAIWAN,INC.)

   2 排出係数の出典:

区分

排出係数の出典

Scope1

・環境省「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル(Ver4.9)」

Scope2(マーケット基準)

・日本: 環境省「電気事業者別排出係数一覧」 調整後排出係数

・海外: IEA「CO2 Emissions from Fuel Combustion 2019」国別排出係数