リスク
3 【事業等のリスク】
以下において、当社の事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に対する投資判断は、以下の記載事項及び本書中の本項以外の記載事項を、慎重に検討された上で行われる必要があります。また、以下の記載は本株式への投資に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。
(1) 自社によるもの
① 開発期間の長期化について
当社の場合、ゲームソフト制作の開発期間は半年から長いもので2、3年を要します。開発期間が長期にわたるため、計画段階における開発期間と実際の開発期間に差異が生じる可能性があります。また、昨今の技術革新により、製品に求められる機能が高度化した場合、開発期間が長期化し、当社の業績に影響を与える可能性があります。
当社は、スケジュール管理を徹底し、開発の遅れを社内全体でカバーできる体制づくりに努め、新技術の情報収集や自社開発エンジンの構築、効率的な開発体制を整備することで、開発期間が長期化しないよう努めています。
② 製品の販売推移の傾向について
当社の製品の販売推移については、ゲームソフトの販売開始時に売上の多くが集中するため、新製品を発売した四半期に製品部門の売上高が大きく計上される傾向にあります。
そのため、新製品の発売の時期により四半期ごとに業績が大幅に変動する可能性があります。
③ 特定のタイトルへの依存について
当社の業績は、「イース」シリーズや「軌跡」シリーズ等、特定のゲームソフトへの依存度が高くなる傾向にあります。シリーズ作品は固定ファンが多く、業績の安定化に寄与しますが、市場環境に変化が生じた場合は、ユーザー離れが起きたり、当社のゲームコンテンツ(IP)が陳腐化したりすることで、ライセンス許諾を含めた当社の業績に影響を与える可能性があります。
当社は、引き続き既存タイトルを投入しながら、新規IPの創出やゲームソフトの開発も進めてまいります。
④ 知的財産について
当社では、新規開発製品に関するもので知的財産の保護の対象となる可能性のあるものについては、必要に応じて特許権・商標権などの取得を目指しておりますが、必ずしもかかる権利を取得できるとは限りません。当社の技術、ノウハウ又はタイトルなどが特許権又は商標権などとして保護されず他社に先んじられた場合には、当社製品の開発又は販売に支障が生じ、当社の業績に影響を与える可能性があります。
なお、現在において当社製品による第三者の知的財産権の侵害は存在していないと認識しておりますが、今後も知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提起されないとは限らず、かかる事態が発生した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
⑤ 人材の確保・育成について
当社は人材戦略を事業における最重要課題のひとつとして捉えており、今後の事業拡大には既存のスタッフに加えて、特に開発の分野で十分な知識と技術を有する人材の確保・育成が不可欠であるという認識に立っておりますが、適格な人材を十分確保できなかった場合には、当社の事業拡大に制約を与える可能性があり、また、機会損失が生じるなど当社の業績その他に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、優秀な人材を確保するために、また、現在在籍している人材が退職又は転職するなどのケースを最小限に抑えるため、基本報酬について軽視せず、さらに、業績に応じた報酬プログラムを実践しております。また、人材紹介サービスなどの活用により、必要な人材の確保に努めていく方針であります。
(2) 環境によるもの
① 法規制などについて
健全なコンテンツの開発及び販売を業容として掲げる当社は、「R18(映画倫理規程管理委員会の規程のひとつ。18歳未満の鑑賞が不適切であることを示す。)」などで規制される事業の展開や商製品の取扱いは現在行っておりません。しかしながら、将来的にコンピュータ又はデジタルコンテンツ関連業者を対象とした法規制が強化された場合、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。
② ゲームソフトの違法コピーや海賊版について
ゲームソフトに関わる知的所有権を巡って発生している懸案としては、無許諾の不正コピーや海賊版に関する問題があります。
違法コピーや海賊版につきましては、未だこれといった決め手が無いのが現状であるため、無許諾の不正コピーや海賊版が氾濫することにより当社の販売機会が損なわれた場合には、当社の業績に悪影響が出る可能性があります。
当社は、ACCS(一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会)やライセンス許諾先と情報共有を行いながら、必要に応じて対応を進めてまいります。
③ 個人情報の取扱いについて
当社は売上の一部を通信販売によっていることから、顧客の個人情報を保有しております。また、今後当社ホームページを通じた通信販売の増加も予想され、個人情報については社内管理体制を整備し、情報管理への意識を高めるとともに、アクセス権を制限する等個人情報が漏洩することの無いように、取扱いには留意しております。
しかしながら、外部からのハッキングなど、不測の事態により、万が一、個人情報が外部に漏洩するような事態となった場合には当社の信用失墜による売上の減少、又は損害賠償による費用の発生等が起こることも考えられ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 感染症について
新型コロナウイルスやインフルエンザ等の感染症に関しては、現時点において開発スケジュールや販売スケジュールに大きな影響はないものの、想定以上の感染拡大により職場内において感染者が発生し、開発・販売をはじめとする各種事業活動を停止せざるを得ない状況に陥った場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。
当社は感染症対策を徹底することはもちろん、オフィスフロアを増床し従業員同士の座席間隔を確保したり、一部在宅勤務を併用することで、感染症の影響を最小限に抑えることに努めています。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主各位に対する利益還元を経営の最重要課題としてとらえております。利益配分につきましては、将来の事業展開と経営基盤の強化のために必要な内部留保資金を確保しつつ、各期の経営成績を考慮の上、年1回の期末配当にて適切な剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
剰余金の配当決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
当事業年度の配当につきましては、配当金総額205百万円、1株当たり10円(普通配当)に、記念配当10円(「イースⅩ」記念配当及び「上場20周年」記念配当)を加えた20円の期末配当を、2023年12月15日の定時株主総会で決議いたしました。また、次期の配当につきましては、期末配当として1株当たり普通配当10円に加え、業績に応じて記念配当を実施する予定であります。
当社は、「取締役会の決議によって、毎年3月31日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。
内部留保資金につきましては、経営基盤の強化を図りながら、将来の事業展開に役立ててまいりたいと考えております。