事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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AI Research and Solution | 10,009 | 58.7 | 1,956 | 43.9 | 19.5 |
AI SaaS | 7,032 | 41.3 | 2,495 | 56.1 | 35.5 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループ(当社、子会社13社、関連会社及び共同支配企業8社を中心に構成)は、「未来のソフトウエアを形にする」をコーポレートミッションに掲げ、社内で開発したアルゴリズムモジュールを用いて、様々な社会課題を解決し社会へ付加価値を提供すべく、さまざまな事業に取り組んでおります。
技術分野としては、主に自然言語処理、音声認識、画像認識、機械学習/深層学習を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。アルゴリズムモジュールは、様々なソフトウエア及びハードウエア上に組み込まれ、動作いたします。当社グループは、それらの研究開発、ソリューション提供及びソフトウエアプロダクトの拡販を通じて、顧客企業の業務の自動化・半自動化を通じた業務効率化、又はサービス・製品の付加価値の向上、サービス自体のモデル革新の実現支援等を行っております。
当社グループは、AI Research & Solution事業、AI SaaS事業から構成されており、セグメント情報はこれらの区分により開示されております。
(1)AI Research & Solution事業
アルゴリズム・知能化技術の事業化を行っており、パートナー企業のニーズに合わせて共同研究開発からソリューションの提供までを一気通貫で実施しております。また、連結子会社である株式会社アイテックでは、実オペレーションを通じた製品/サービス開発の一環で、IoT機器からリアル空間のデータをクラウド上に収集し顧客への価値提供を実現するサービスの開発を、駐車場機器の製造販売事業を通じて行っております。さらに、当連結会計年度において子会社化いたしました株式会社トライアンフでは、当社AI技術も活用しながら顧客企業の人事領域における戦略立案から実行までをワンストップで支援する、幅広いソリューションを提供しております。
(2)AI SaaS事業
AI Research & Solution事業におけるアルゴリズムの開発成果をもとに、汎用的なニーズに対応するソフトウエアプロダクトを販売しております。当事業は株式会社PKSHA Workplace、株式会社PKSHA Communication、株式会社PKSHA Associates(旧社名 株式会社アシリレラ)の3社で構成されており、自動応答エンジン「PKSHA Chatbot」や「PKSHA Voicebot」、FAQシステム「PKSHA FAQ」、RPAソフトなどのプロダクト群を展開しております。企業における「顧客接点」及び「社内業務」領域向けにソフトウエアプロダクトを提供することで、労働力不足を背景とした業務の自動化/高度化ニーズの高まりの中、人の業務を効率化し能力を拡張していく形で、ビジネス支援や課題解決のサポートをしております。
[アルゴリズムモジュールの内容と販売形態]
(1) 当社グループが提供するアルゴリズムモジュールについて
当社グループは技術分野としては、機械学習技術・自然言語処理技術・深層学習技術を中心にアルゴリズムモジュールを複数開発しております。当社の主なアルゴリズムモジュールは、以下のとおりであります。
アルゴリズムモジュールの販売形態は、AI Research & Solution事業では、主に顧客企業が保有するソフトウエアもしくはハードウエアに組み込む形態、AI SaaS事業では、自社のソフトウエアに組み込みアルゴリズムソフトウエアとして販売する形態となっております。なお、収益構造は、いずれの場合でも同様に初期設定時に受領するイニシャルフィーと、設定後月額で受領するライセンスフィーの2つから構成されておりますが、AI Research & Solution事業では、当社グループのアルゴリズムモジュールを組み合わせたカスタマイズ開発を経て、アルゴリズムモジュールの利用が開始され、業務の一部に組み込まれることとなります。
(2) 当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアについて
当社グループはアルゴリズムモジュールを活用した複数のアルゴリズムソフトウエアを開発しており、各業界に付加価値を創造するために、AI SaaS事業では、アルゴリズムソフトウエアの販売という形態でサービス提供を行っております。なお、当社グループの代表的なソフトウエアは次のとおりであります。
① 「顧客接点」領域
ユーザーから入力されたテキスト及び音声を認識し、当社グループが保有する業界固有表現辞書(日本語)と、システム構成を業界別に汎用的にすることで、これまで人手で行われていた接客・コールセンター・FAQ対応の自動化・半自動化を実現しております。製品としては連結子会社の株式会社PKSHA Communicationが提供する自動応答エンジン「PKSHA Chatbot」や「PKSHA Voicebot」、FAQシステム「PKSHA FAQ」などがあります。
② 「社内業務」領域
業務関連の質問として入力されたテキスト及び音声を当社システムにて認識し、自動で回答することで、社内業務の効率化/高度化を実現します。さらには業務部門に特化した自動化ソフトウエアを提供することで、ビジネスプロセスの自動化や生産性向上を実現します。製品としては連結子会社の株式会社PKSHA Workplaceが提供する自動応答エンジン「PKSHA Chatbot」や 同じく連結子会社の株式会社PKSHA Associatesが提供するRPAソリューションなどがあります。
(3) アルゴリズムモジュールの技術的な特徴
当社グループがアルゴリズム開発に用いる機械学習技術について、特徴を以下のとおりご説明いたします。
機械学習技術とは、データを蓄積・活用しアルゴリズムの性能を向上させる技法のことであり、デジタルデータが急増している情報化社会において重要性が急速に高まっております。これまで、ソフトウエアはソフトウエア技術者が一行一行プログラミングを行うことにより作られるのが一般的でしたが、機械学習技術を用いると、データを活用して人が記述することが困難な複雑なソフトウエアプログラムをコンピューターにより自動的に記述することができます。
特に、画像認識、言語解析、音声認識などの人工知能技術分野のソフトウエアは、ソフトウエア技術者がプログラミングを行うことで地道に精度向上を図ってきた長い歴史がありますが、2012年に機械学習技術の研究分野で起こった技術革新以降、ソフトウエア技術者はアルゴリズムの大枠のみを記述すればよく、後は大規模なデータをソフトウエアに入力し学習させることで多くの変数の値が最適化されていくことを通じ、アルゴリズムの大部分をコンピューターにより自動的に記述することが可能になりました。また、このような手法で構築されるアルゴリズムは、旧来的な手法で構築されていたアルゴリズムよりも大幅に精度向上することがわかっており、近年様々な領域で研究と産業応用が進んでおります。
[一般的なアルゴリズムと機械学習アルゴリズムの違い]
このように、機械学習技術とは、ソフトウエア技術者により一行一行全て記述される一般的なアルゴリズムとは異なり、データを集め、それを学習させることでパラメータ調整を行い、ソフトウエアを構築する技法になります。従って、よい機械学習アルゴリズムを開発するには、目的に沿ったデータを集めることが重要であり、また使えば使うほど(データが増加すればするほど)精度が向上していくという好循環構造を持ちます。当社グループはこの技術特性を正しく理解し、事業成長に効率的につながる事業展開の戦略・戦術を採用していくことを目指しております。
また、当社グループが開発しているアルゴリズムには自然言語処理技術や深層学習技術を用いたものもあります。自然言語処理技術とは、人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術を指しますが、当社グループでは特に、機械学習技術を用いたアプローチを採用しており、自然言語を対象に機械学習技術を用いたアルゴリズムを事業対象としております。深層学習技術とは、機械学習技術の一分野であり多層のニューラルネットワークを用いた機械学習手法であり様々な分野でのアルゴリズムの精度が向上し、多様な分野で活用が進んでおります。この領域も当社グループは重要な技術領域と捉え技術開発・研究開発・製品化を進めております。
(4)事業の特徴
当社グループ事業の主な特徴としては、以下のとおりであります。
① パートナーシップ戦略:業界のリーディングカンパニーとの事業提携
当社グループが提供するアルゴリズムソフトウエアは、データを繰り返し学習しながらより自ら精度を高めていくソフトウエアであります。業界最大規模の教師データを持つ業界のリーディングカンパニーとの連携により、当該業界におけるソフトウエアを開発しております。それらの研究開発の中から、汎用性のある技術やノウハウをモジュール化し、ソフトウエアを開発し提供することに当社グループの強みがあり、当社グループの特徴があります。
② アルゴリズムソフトウエアならではの高い継続率
アルゴリズムソフトウエアはユーザーが使うとデータがアルゴリズムにフィードバックされ、アルゴリズムの精度が向上するという特徴を持ちます。その好循環のデータの流れがプロダクトの品質を高めるため、一般的なソフトウエアに比べ、高い継続利用率を維持することが可能となっております。
③ SaaSモデルとしての高い収益率
当社グループは、前述のとおり、複数のアルゴリズムソフトウエアを開発し、当ソフトウエアを主に月額課金の形態にて提供しております。解約率が低いことから、新規ユーザーの増加に従い収益がストック型で逓増するモデルとなっており、高い収益率を維持しております。
④ エンジニア・研究者の獲得・育成
機械学習技術/深層学習技術領域のアルゴリズム構築技術を有するアルゴリズムエンジニアや、莫大なトラフィックを捌くことができるソフトウエアエンジニアは、国内において多くないと考えております。当社グループの事業においては、エンジニア・研究者コミュニティへのアクセスをもとに、大多数を社員紹介によるリファラル採用を実現しております。また、エンジニアの働きやすい、また働きたい環境を整えることを通じて、エンジニアの獲得・育成を行っております。
⑤ 組織構造等
当社グループは、各業界が持つ自動化や高品質化のニーズに対するソリューションを、アルゴリズムモジュールの機能を「組み合わせる」ことで効果的・効率的に実現することを目指しており、そのために必要なアルゴリズムモジュール群を保有していること、及びエンジニア中心の組織構造を構築していることが、当社事業の独自性であると認識しております。
<事業系統図>
用語解説
本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
※当社グループは当連結会計年度(2023年10月1日から2024年9月30日まで)より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値をIFRSに組み替えて比較分析を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当社グループは、「未来のソフトウエアを形にする」というミッションのもと、自然言語処理、画像認識、機械学習/深層学習技術を用いたアルゴリズムの研究開発、ソリューション提供、プロダクトの拡販による社会実装を進めております。
AI Research & Solution事業では、アルゴリズム・知能化技術の事業化を行っており、パートナー企業のニーズに合わせて共同研究開発からソリューションの提供までを一気通貫で実施しております。また、実オペレーションを通じた製品/サービス開発の一環で、IoT機器からリアル空間のデータをクラウド上に収集し顧客への価値提供を実現するサービスの開発を、モビリティ事業(駐車場機器の製造販売事業)を通じて行っております。
AI SaaS事業では、AI Research & Solution事業におけるアルゴリズムの開発成果をもとに、汎用的なニーズに対応するプロダクトを販売しております。企業における「顧客接点」及び「社内業務」領域向けにソフトウエアプロダクトを提供することで、人の業務を効率化し能力を拡張していく形で、ビジネス支援や企業の課題解決を実現しております。
当連結会計年度は、深刻化する人材不足とAIの技術進化による顧客ニーズの高まりを背景に、顧客基盤の拡大、及びAI Research & Solution事業とAI SaaS事業の両輪での事業拡張を目指す成長戦略のもと、当社内の事業間連携の強化及び顧客への未来提案を推進してきた結果、AI Research & Solution事業におけるソリューション案件数、並びにAI SaaS事業におけるプロダクトの導入社数及び年間経常収益の積み上げを着実に実現しております。また、今後の成長に向けて優秀な人材の採用を進めるとともに、ソフトウエアプロダクトの強化や研究開発などの先行投資に注力してまいりました。さらに、当連結会計年度において、人事ソリューションを提供する株式会社トライアンフ(以下「トライアンフ」という。)を子会社化いたしました。トライアンフの有する人事領域の専門性と当社AI技術を活用したソリューションの高度化、AI SaaSの人事領域における機能拡張等を通じて、当社グループの事業規模を一層拡大させてまいります。
この結果、当連結会計年度の売上収益は16,893,185千円(前年度比21.5%増)となりました。これは主に、AI Research & Solution事業におけるソリューション案件の獲得とAI SaaS事業におけるプロダクトの販売が拡大したこと、及びトライアンフが連結業績に寄与したことによるものであります。また、モビリティ事業につきましても前年度比で堅調に推移しております。
事業利益は3,148,895千円(前年度比266.7%増)となりました。これは主に売上収益が増加したことに加えて、第2四半期会計期間において、過年度に計上した信託型ストックオプション関連損失について、支払実務の進捗に伴う金額精緻化により差益(342,631千円)が発生したことによるものであります。
税引前当期利益は3,343,266千円(前年度比842.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,100,104千円(前年同期は4,711千円)となりました。これは事業利益の増加に加えて、持分法による投資損益及び投資有価証券運用損益が改善したこと等によるものであります。
なお、前年同期において、特殊要因として信託型ストックオプション関連損失(事業利益段階:1,083,800千円、その他の費用:361,888千円)が計上されております。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(AI Research & Solution事業)
AI Research & Solution事業につきましては、生成AIの出現に伴って当社の強みである自然言語処理技術の適応範囲が拡張しており、パートナー企業からのニーズに対応したアルゴリズムソフトウエアの研究開発やソリューション案件が継続して増えていることから、売上は堅調に推移いたしました。また、モビリティ事業において、顧客である駐車場運営会社の新規駐車場開設への投資意欲が改善しており、前年度比で駐車場機器の販売が増加しているとともに、子会社化したトライアンフも連結業績へ寄与しております。
この結果、売上収益は10,008,806千円(前年度比27.7%増)、セグメント利益は1,956,217千円(前年度比262.7%増)となりました。
(AI SaaS事業)
AI SaaS事業につきましては、AI SaaSの導入による業務の高度化・自動化を進めるニーズが拡大している環境の中で、自動応答エンジンを中心にAI SaaSの新規受注とライセンスの積み上げを進めてまいりました。AI SaaS事業下にある連結子会社間及び事業間での連携を推進し、新規顧客の獲得及び既存顧客への相互送客等を通じて売上並びに利益の成長に繋げております。
この結果、売上収益は7,031,959千円(前年度比15.8%増)、セグメント利益は2,495,122千円(前年度比50.6%増)となりました。
② 財政状態の状況
資産の状況
当連結会計年度末における資産合計は41,696,338千円となり、前連結会計年度末に比べ2,821,664千円増加いたしました。主な増加要因は、のれんが1,528,532千円、その他の金融資産が1,435,427千円増加したことによるものであります。
負債の状況
当連結会計年度末における負債合計は9,363,281千円となり、前連結会計年度末に比べ57,184千円減少いたしました。主な減少要因は、借入金(非流動)が408,930千円、借入金(流動)が257,660千円、契約負債が161,808千円、繰延税金負債が116,948千円増加したものの、営業債務及びその他の債務が1,023,919千円減少したことによるものであります。
資本の状況
当連結会計年度末における資本合計は32,333,057千円となり、前連結会計年度末に比べ2,878,848千円増加いたしました。主な増加要因は、利益剰余金が2,099,840千円、資本剰余金が550,989千円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は15,265,932千円(売却目的で保有する資産へ220,228千円振替後)となり、前連結会計年度末に比べ246,748千円減少いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は3,013,338千円(前年同期は3,084,975千円の増加)となりました。主な増加要因は税引前当期利益3,343,266千円、減価償却費及び償却費1,701,300千円、主な減少要因は法人所得税の支払額1,441,064千円、営業債務及びその他の債務の減少額983,572千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は3,077,715千円(前年同期は2,927,364千円の増加)となりました。主な減少要因は子会社の取得による支出1,320,924千円、その他の金融資産の取得による支出1,187,660千円、無形資産の取得による支出609,545千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は37,857千円(前年同期は2,995,282千円の減少)となりました。主な増加要因は借入れによる収入1,800,000千円、主な減少要因は借入金の返済による支出933,410千円、リース負債の返済による支出712,436千円であります。
(資本の財源及び資金の流動性について)
当社グループの資金需要のうち主なものは、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金であります。これらの資金需要に対して当社グループでは、主として手元の資金及び金融機関からの借入金によって資金を確保しております。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
生産実績においては、当社グループの業務形態上、重要性が乏しいため記載を省略しております。
b. 受注実績
提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づいて作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況」に記載のとおりであります。
また、連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (5) 重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上収益
当連結会計年度の売上収益は、16,893,185千円となりました。これは主に、新規案件の獲得及びアルゴリズムライセンスの積み上げ、各種プロダクトの拡販が進んだこと、及びトライアンフが連結業績に寄与したことによるものであります。
b. 売上原価、売上総利益
当連結会計年度の売上原価は、8,361,553千円となりました。これは主に、事業規模拡大に伴う人員増加により人件費・外注費等が増加したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の売上総利益は、8,531,631千円となりました。
c. 販売費及び一般管理費、事業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、5,382,736千円となりました。これは主に、事業規模拡大に伴う人員増加により人件費・採用教育費等が増加したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の事業利益は、3,148,895千円となりました。
d. その他の損益、営業利益
当連結会計年度のその他の収益は、119,067千円となりました。これは主に、信託型ストックオプション関連損失戻入益によるものであります。一方で、その他の費用は、32,268千円となりました。これは主に、支払手数料によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、3,235,694千円となりました。
e. 金融損益、持分法投資損益、親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度の金融収益は、122,714千円となりました。これは主に、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の評価益によるものであります。一方で、金融費用は、38,827千円となりました。これは主に、支払利息によるものであります。また、23,685千円の持分法による投資利益を計上しております。
以上の結果、当連結会計年度の税引前当期利益は、3,343,266千円となり、法人所得税費用1,240,558千円を計上したこと等により、親会社の所有者に帰属する当期利益は、2,100,104千円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの将来の財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
(3) 並行開示情報
「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、次のとおりであります。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
また、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、千円未満を切り捨てて記載しております。
① 要約連結貸借対照表
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書
要約連結損益計算書
要約連結包括利益計算書
③ 要約連結株主資本等変動計算書
前連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)
当連結会計年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書
⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更
前連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)
(持分法適用の範囲の変更)
PKSHAアルゴリズム2号投資事業有限責任組合、PKSHAアルゴリズム2号有限責任事業組合及び株式会社Mellowは、株式又は出資持分の取得に伴い、当連結会計年度より持分法の適用範囲に含めております。
(会計方針の変更)
(時価の算定に関する会計基準の適用指針の適用)
「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第31号 2021年6月17日。以下「時価算定会計基準適用指針」という。)を当連結会計年度の期首から適用し、時価算定会計基準適用指針第27-2項に定める経過的な取扱いに従って、時価算定会計基準適用指針が定める新たな会計方針を将来にわたって適用することとしております。これによる連結財務諸表に与える影響はありません。
当連結会計年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)
(連結範囲の変更)
当連結会計年度より、株式の取得に伴い、株式会社トライアンフ他1社を連結の範囲に含めております。
(持分法適用の範囲の変更)
当連結会計年度において、会社清算に伴い、関連会社1社を持分法の適用範囲から除外しております。また、当連結会計年度において、株式の取得に伴い、関連会社1社を持分法の適用範囲に含めております。
(4) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
前連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「37.初度適用」をご参照ください。
当連結会計年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)
(のれんの償却)
日本基準では合理的に見積られたのれんの効果が及ぶ期間にわたって定額法により償却しておりましたが、IFRSでは償却せずに毎期減損テストを行っております。
この結果、IFRSでは日本基準に比べて、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」が580,189千円減少しております。
(持分法で会計処理されている投資)
持分法適用被投資企業の純損益及びその他の包括利益の金額に、日本基準とIFRSでは相違があります。また、持分法で会計処理されている投資に関連するのれん相当額については、日本基準では効果が発現すると合理的に見積られる期間にわたって規則的に償却しておりましたが、IFRSでは償却せず、のれん相当額を含む投資全体の減損テストを実施しております。さらに、持分法で会計処理される対象の範囲が日本基準とIFRSで一部異なっております。
この結果、IFRSでは日本基準に比べて、連結損益計算書の持分法による投資利益が311,628千円増加しております。
(未払有給休暇)
日本基準では未払有給休暇を計上しておりませんでしたが、IFRSでは負債計上し、その他の流動負債に含めております。
この結果、IFRSでは日本基準に比べて、連結財政状態計算書の流動負債が408,999千円、連結損益計算書の「売上原価」が27,254千円それぞれ増加し、「販売費及び一般管理費」が1,336千円減少しております。
セグメント情報
4.セグメント情報
(1) 報告セグメント
当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、経営者が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループはサービス別のセグメントから構成されており、報告セグメントは、「AI Research & Solution事業」及び「AI SaaS事業」で構成されております。
「AI Research & Solution事業」では、アルゴリズム・知能化技術の事業化を行っており、パートナー企業のニーズに合わせて共同研究開発からソリューションの提供までを一気通貫で実施しております。また、実オペレーションを通じた製品/サービス開発の一環で、IoT機器からリアル空間のデータをクラウド上に収集し顧客への価値提供を実現するサービスの開発を、駐車場機器の製造販売事業を通じて行っております。
「AI SaaS事業」では、AI Research & Solution事業におけるアルゴリズムの開発成果をもとに、汎用的なニーズに対応するプロダクトを販売しております。AI SaaSプロダクトは「顧客接点」・「社内業務」領域で利用されており、人の業務を効率化し能力を拡張していく形で、ビジネス支援や企業の課題解決を実現しております。
(2) 報告セグメント情報
報告セグメントの会計処理の方法は、当社グループの連結財務諸表における会計方針と同一であり、報告セグメントの利益は、事業利益ベースの数値であります。事業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除して算出しております。また、セグメント間の取引は市場実勢価格に基づいております。
前連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)
(注) 1.セグメント利益の調整額△1,337,991千円は主に各報告セグメントに配分していない全社費用であり、主に 報告セグメントに帰属しない連結財務諸表提出会社の一般管理費であります。
2.その他の項目「減価償却費及び償却費」には使用権資産の減価償却費は含まれておりません。
当連結会計年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)
(注) 1.セグメント利益の調整額△1,302,445千円は主に各報告セグメントに配分していない全社費用であり、主に 報告セグメントに帰属しない連結財務諸表提出会社の一般管理費であります。
2.その他の項目「減価償却費及び償却費」には使用権資産の減価償却費は含まれておりません。
(3) 製品及びサービスに関する情報
前連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
(4) 地域に関する情報
前連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)
本邦以外の顧客、所在資産がないため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)
本邦以外の顧客、所在資産がないため、記載を省略しております。
(5) 主要な顧客に関する情報
前連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)
外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手がいないため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)
外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手がいないため、記載を省略しております。