2026年6月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 710 100.0 -71 - -10.1

3【事業の内容】

 当社は、「独自の技術とノウハウを開発し、地域社会にとって価値のある新しいインターネットサービスを提供する」を企業理念として掲げており、この理念に基づき、インターネットユーザーの位置情報を活用した、効果的なウェブマーケティングを実現するサービスや不正アクセスを防止するサービスの開発・提供に取り組んでおります。

 

 当社は、IPアドレス*1を活用したデータベース「SURFPOINT™」を構築し、その運営及び利用による各種サービスの提

供を行うIP Geolocation事業と、これに区分されないその他事業の2つのセグメントを運営しており、各事業の特徴は以下のとおりです。

 

<IP Geolocation事業>

 IPアドレスに、位置情報、組織属性、回線情報、気象情報等100種類以上のデータを組み合わせた当社のデータベー

スである「SURFPOINT™」を維持管理し、これをベースに顧客のサイト閲覧者の属性に合う各種サービスをSaaS*2又は

API*3で提供しております。それらのサービスは、インターネットユーザーの位置情報を把握する技術であるIP

Geolocation(位置情報認識技術)を土台としており、顧客のニーズに応じて、ジオターゲティング、BtoBマーケティング、不正検知、コンプライアンス(DRM)、インターネット広告プラットフォームの提供をしております。

 

 

(1)「SURFPOINT™」について

 「SURFPOINT™」は当社の各種サービスの土台となるデータベースです。当社は、IPアドレスの利用環境の変化に対応

して自動分析プログラムを常時稼働させており、ネットワーク環境を熟知した専門調査員(ネットトレーサー)が、情

報の分析・検証を行っております。このようにしてデータベースの精度を高めているほか、顧客の利用の際に対象デー

タ範囲の絞り込みや、特定の属性データの取得を可能とするために、適宜組み合わせる情報の種類を増やしてより精緻

なバージョンへの更新を行っております。また、顧客のニーズに応じて「SURFPOINT™」の中から必要とされるデータを

販売しております。

 

 

(2)ジオターゲティング

 ウェブサイト閲覧者のいる地域を特定することで、以下のことを可能にしております。

・顧客のウェブサイトをその地域に合った表示にする

・広告や告知内容を地域別に表示する

・閲覧者に一番近い顧客の店舗やアクセスルートを示す

 閲覧者のウェブサイトからの離脱を防ぎ、効果的な販売促進のためのウェブサイト作りに貢献するツールとして、当該機能を顧客に提供しております。

 

(3)BtoBマーケティング

 ウェブサイト閲覧者が属する企業等団体の業種、規模から場合によっては企業名を判別し、効果的なマーケティング

を実施するために必要なデータを提供しております。アクセス分析ツールとの連携により、顧客のウェブサイトに訪問

した企業を可視化することで、営業活動の効率化に役立つデータを提供しております。また、国内、海外の主要なマー

ケティングオートメーションツール*4との連携を可能としており、「SURFPOINT™」を搭載した当社のアプリケーション

である「どこどこJP」によって連携先の機能を補完し、アクセス分析に組織名(法人名)・組織URL・業種・従業員数等

の分析軸を加えることができ、BtoBアクセス解析ツールにカスタマイズできる機能を提供しております。

 

(4)不正検知・コンプライアンス(DRM)

 インターネット上の不正やなりすまし等の詐欺行為を検出することにより、不正アクセスから顧客のアカウントを守

る機能を提供しております。また、ウェブサイトへのアクセスが正しい権利を持ったユーザーからのものか否かを判別

し、当該コンテンツの配信管理を行うことが可能です。これらの特徴によって、複数の金融機関、コンテンツ配信事業

者、その他不正アクセスの防止を望む企業や団体が、当社の顧客となっております。

 

 

(5)インターネット広告プラットフォームの提供

 IPアドレスの活用によって閲覧者の選別・絞り込みが可能な配信サービスである「どこどこad」プラットフォームを提供しております。これは業種・規模・従業員数・社名等の企業属性、気温・天気等の気象情報、利用されている回

線、都道府県、市区町村といったターゲティングの切り口で選択したサイトの閲覧者に対してバナー広告を配信するも

のです。

 「どこどこad」プラットフォームは、当社の「SURFPOINT™」を利用することにより、インターネット広告の配信効果

の最大化を目指し、最適な人や場所に広告を配信するプラットフォームを提供しております。

 

(6)当社の提供するサービスの内容

  当社は、次のサービスを提供しております。

 

① 「どこどこJP」

  「SURFPOINT™」をウェブサイトやアプリケーション上で利用できるサービスで、その用途はマーケティングからセ

 キュリティまで幅広く、IPアドレスから利用者の地域を認識するジオターゲティングの技術や、ウェブアクセス解

 析、金融や証券分野でのオンライン取引時における不正アクセス対策、デジタル配信される映像や音楽等の著作権管

 理に役立てられています。

② 「らくらくログ解析」

  簡単な操作でウェブアクセス解析を行うことのできるツールであり、基本的なアクセス解析機能に加えて、ウェブ

 サイトを訪問した企業のリスト化や経路分析等の本格的な解析も可能なサービスとなっております。

③ 「IPひろば」

  IPアドレスやドメイン名を入力して、検索ボタンをクリックするだけで、簡単に位置情報や組織情報を調べること

  ができるサービスです。検索結果として都道府県名や市外局番、接続回線情報を表示します。ウイルスの発信元調査

  やネット犯罪の初期調査にも活用されております。

④ 「どこどこad」

  IPアドレスから判定される位置情報、企業情報、気象情報、回線情報等で、配信する対象の絞り込みやターゲティ

 ングができるインターネット広告配信サービスです。現在提供している主なターゲティングメニューは、次のとおり

 です。

 ・BtoBターゲティング(上場・非上場の区分、資本金区分、従業員区分、売上高区分、業種区分等により対象となる

  配信先企業を絞り込みます)

 ・回線ターゲティング(特定のインターネット回線、インターネットサービスプロバイダを経由した先のユーザー向

  けに広告配信をします)

 ・気象ターゲティング(天気、気温、湿度、紫外線量により配信先を絞り込みます)

 ・どこどこJP連携データターゲティング(「どこどこJP」との連携により、「どこどこJP」にリクエストが来たIPア

  ドレスに対して広告配信をします)

 ・ジオターゲティング(接続元のIPアドレスから地域を判定し、都道府県、市区町村や郵便番号を指定し広告配信

  をします)

 ・Wi-Fiスポットターゲティング(特定のWi-Fiスポットに接続しているユーザーに対して広告配信をします)

 

(7)web制作・各種受託開発

 各種ウェブサイト制作等のウェブマーケティングサポートや、自治体向けの観光アプリ等の受託・開発及びwebベー

スでの非接触型スタンプラリーのサービスである「てくてくスタンプ」の提供を行うシティプロモーション*5を支援す

るサービスも提供しております。

 

(説明事項)

(*)1.IPアドレスとは、インターネットにつながっているネットワーク上の機器を識別するために割り当てられ

ている識別子で、インターネット上でのいわば住所のような役割を担っています。数字の羅列から構成されており、IPv4規格では32ビットの2進数で表記されています。

2.SaaSとは、クラウド経由で提供されるソフトウエアのことを指します。

3.APIとは、プログラムから当該ソフトウエアを操作するためのインターフェイスのことを指し、ソフトウ

エアの一部をウェブ上で公開して他のソフトウエアの機能を埋め込んで利用できるようにしたものです。

4.マーケティングオートメーションツールとは、顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化・自動化す

るツール(ソフトウエア)であり、見込顧客の固有情報や、見込顧客から収集した各種情報の一元管理、購買意欲の高い見込顧客の絞り込み等の活動を自動的に行うことができるものです。

5.シティプロモーションとは、自治体が行う宣伝活動・広報活動・営業活動のことを指します。

 

<その他事業>

 法人や各種団体等が保有する未使用のIPアドレスについて、必要とする企業等への移転仲介サービスを提供しております。

 

 以上、述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 

 

業績状況

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりで

あります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

 流動資産は前事業年度末と比較して132,595千円減少し、605,601千円となりました。これは主に、前払費用が12,448千円増加した一方、現金及び預金が142,663千円減少したことによるものであります。

 固定資産は前事業年度末と比較して71,866千円増加し、106,013千円となりました。これは主に、長期前払費用が18,856千円減少した一方、建物が9,934千円、繰延税金資産が10,335千円、ソフトウエア仮勘定が63,746千円増加したことによるものであります。

 この結果、総資産は、前事業年度末と比較して60,728千円減少し、711,615千円となりました。

 

(負債)

 流動負債は前事業年度末と比較して10,065千円増加し、178,796千円となりました。これは主に、前受金が8,373千円、その他に含まれる未払消費税等が5,352千円減少した一方、未払金が21,921千円増加したことによるものであります。

 この結果、負債合計は、前事業年度末と比較して10,065千円増加し、181,136千円となりました。

 

(純資産)

 純資産合計は前事業年度末と比較して70,793千円減少し、530,479千円となりました。これは主に、剰余金の配当15,859千円及び当期純損失55,458千円の計上により利益剰余金が減少したことによるものであります。

 

② 経営成績の状況

 当事業年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策への期待感を背景に、株式市場は高水準で推移し、景気は緩やかな回復傾向にありました。一方で、急激な為替変動による資源価格の高騰や金利上昇が個人消費に与える影響などから、経済の先行きには依然として不透明感が残る状況が続いております。

 情報通信業界においても、生成AIやビッグデータ、クラウド技術の進展により新たなサービスの創出が求められる一方、個人情報保護規制やCookie規制の強化といった環境変化への対応が急務となっております。

 このような状況の中、当社は「独自の技術とノウハウを開発し、地域社会にとって価値のある新しいインターネットサービスを提供する」という企業理念のもと、インターネットを通じて「地域社会の活性化」を使命として事業活動を行っております。

 当事業年度は、前事業年度より継続して取り組んでいるIP Geolocation技術を軸としたサブスクリプションサービスの強化に加え、プロダクト及び営業活動の改善に注力してまいりました。また、第1四半期に提供を開始したマルチサイトプラン及び「SURFPOINT™ BtoB2」を中心とした施策の定着と拡販に取り組んでまいりました。

 これらの取り組みの結果、主力であるIP Geolocation事業が売上を牽引し、「SURFPOINT™」及び「どこどこJP」を中心としたサブスクリプションサービスが堅調に推移いたしました。

 一方で、将来の成長に向けた人員増強に伴う人件費の増加に加え、本社の拡張及び改修に係る費用の発生により、製造原価並びに販売費及び一般管理費が増加いたしました。

 この結果、当事業年度の売上高は710,496千円(前事業年度比3.6%増)、営業損失は71,488千円(前事業年度は37,501千円の営業利益)、経常損失は64,639千円(前事業年度は38,082千円の経常利益)、当期純損失は55,458千円(前事業年度は18,636千円の当期純利益)となりました。

 

 セグメント別の状況は次のとおりであります。

 

(IP Geolocation事業)

 IPアドレスに様々な情報を紐付けたデータベースの利用サービスである「SURFPOINT™」は、当事業年度においても安定的に推移いたしました。新規の大型案件の獲得には至らなかったものの、第1四半期より拡販を進めている「SURFPOINT™ BtoB2」を含め、広告分野を中心としたエンドユーザーにおけるデータ利用の増加に伴い、従量課金による売上が増加いたしました。

 また、第1四半期に引き続き、金融機関やセールス・マーケティング分野の企業における利用が堅調に推移しており、API連携を前提としたデータ提供や複数システムとの連携案件が徐々に増加いたしました。今後は、「SURFPOINT™ BtoB2」を軸に、データ利活用を目的とした法人顧客への提案を強化してまいります。

 

 「SURFPOINT™」をWeb上で利用できる「どこどこJP」は、当事業年度においても概ね安定して推移いたしました。解約件数は想定を上回ったものの、第1四半期に提供を開始したマルチサイトプランに加え、通信キャリア向けを中心とした比較的受注単価の高い案件の獲得が寄与し、売上高は増加いたしました。

 「Web制作・各種受託開発」につきましては、当事業年度において、売上高に大きく寄与する大型案件の獲得には至らなかったものの、当社がDX(デジタルトランスフォーメーション)支援メニューの一環として提供しているSEO支援案件の受注が堅調に推移し、売上高に一定程度寄与いたしました。「てくてくスタンプ」につきましては、自治体向けに加え、民間企業向けの営業活動も継続して実施いたしましたが、当事業年度においては大型案件の獲得には至らず、業績への寄与は限定的となりました。

 これらの結果、当事業年度における同事業の売上高は708,740千円(前事業年度比3.3%増)、セグメント損失は73,197千円(前事業年度は37,501千円のセグメント利益)となりました。

 

(その他事業)

 当事業年度において、期初時点では見込んでいなかった顧客案件を新たに獲得したことにより、同事業の売上高は1,756千円、セグメント利益は1,709千円となりました。なお、前事業年度における売上高及びセグメント利益の計上はありませんでした。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末と比較して142,663千円減少し、478,660千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及び主な変動要因は、次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、52,629千円の支出(前事業年度は16,074千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純損失64,639千円に対し、増加要因として、減価償却費の計上5,491千円、未払金の増加9,705千円があった一方、減少要因として、前受金の減少8,373千円、法人税等の支払額7,793千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、74,859千円の支出(前事業年度は1,497千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出15,416千円、無形固定資産の取得による支出55,898千円、敷金の差入による支出3,372千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、15,174千円の支出(前事業年度は7,557千円の支出)となりました。これは、増加要因として、新株予約権の行使による収入525千円、減少要因として、配当金の支払額15,699千円があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社の事業は、サービスの提供にあたり、製品の生産を行っていないため、記載しておりません。

 

b.受注実績

 当社の提供する主要サービスは、顧客の申込み又は契約締結から売上計上までの期間が短期間であるため記載

しておりません。

 

c.販売実績

 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2025年7月1日

    至 2026年6月30日)

金額(千円)

構成比(%)

前年比(%)

IP Geolocation事業

708,740

99.8

3.3

その他事業

1,756

0.2

-

合計

710,496

100.0

3.6

(注)1.セグメント間の取引は発生しておりません。

   2.当社では相手先別の販売実績において総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先は存在しな

     いため、主要な相手先の販売実績の記載は省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成に当たっては、当事業年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要とされております。当社は過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づいて、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において判断したものであります。

 

a.売上高

当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ24,408千円増加し、710,496千円となりました。セグメント別の内訳としては、IP Geolocation事業が708,740千円(前年同期比3.3%増)となり、その他事業が1,756千円(前年同期は売上は発生しておりません)となりました。

IP Geolocation事業においては、当社の基幹サービスである「SURFPOINT™」及び「どこどこJP」のサブスクリプションサービスがいずれも堅調に推移し、前事業年度を上回りました。「SURFPOINT™ BtoB2」を含め、広告分野を中心としたエンドユーザーによるデータ利用の増加に伴い、従量課金による売上高が増加いたしました。

 また、金融機関やセールス・マーケティング分野の企業における利用が堅調に推移しており、API連携を前提としたデータ提供や複数システムとの連携案件が徐々に増加しました。

 「SURFPOINT™」をWeb上で利用できる「どこどこJP」は、当事業年度においても概ね安定して推移いたしました。解約件数は想定を上回ったものの、第1四半期に提供を開始したマルチサイトプランに加え、通信キャリア向けを中心とした比較的受注単価の高い案件の獲得が寄与し、売上高は増加いたしました。

 「Web制作・各種受託開発」については、当事業年度において、売上高に大きく寄与する大型案件の獲得には至らなかったものの、当社がDX(デジタルトランスフォーメーション)支援メニューの一環として提供しているSEO支援案件の受注が堅調に推移し、売上高に一定程度寄与いたしました。

 「てくてくスタンプ」につきましては、自治体向けに加え、民間企業向けの営業活動も継続して実施いたしましたが、当事業年度においては大型案件の獲得には至らず、業績への寄与は限定的となりました。

 

b.売上原価、売上総利益

当事業年度の売上原価は、主に技術開発部門の人員不足を補うために外部委託を積極的に活用したことにより、外注費が増加しました。この結果、前事業年度に比べ36,617千円増加し、286,698千円となりました。

この結果、当事業年度の売上総利益は、前事業年度に比べ12,208千円減少し、423,798千円となりました。

 

c.販売費及び一般管理費、営業損失

当事業年度の販売費及び一般管理費は、アウトバウンドコールの外部委託により外注費が23,180千円増加したほか、本社の拡張費用等により消耗品費が11,140千円増加し、また、新入社員に対する教育研修を集中的に実施したことにより研修費が12,579千円増加しました。この結果、前事業年度と比べ96,781千円増加し、495,286千円となりました。

この結果、当事業年度の営業損失は、71,488千円(前事業年度は37,501千円の営業利益)となりました。

 

d.営業外収益、営業外費用、経常損失

当事業年度の営業外収益は8,114千円となり、これは主に人材開発支援助成金の計上によるものであります。

また、当事業年度の営業外費用は1,265千円となり、これは主に固定資産除却損の計上によるものであります。

この結果、当事業年度の経常損失は、64,639千円(前事業年度は38,082千円の経常利益)となりました。

 

e.当期純損失

以上の結果、当事業年度の法人税、住民税及び事業税は1,155千円、繰延税金資産の計上に伴う法人税等調整額は△10,335千円となり、当期純損失は、55,458千円(前事業年度は18,636千円の当期純利益)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。

 

④資本の財源及び資金の流動性

当社は、資金の源泉と流動性を安定的に確保することを基本方針としております。現状、新規拠点の設置やソフトウエア開発は、内部留保の資金によって賄っており、資金の源泉は営業活動によるキャッシュ・フロー及び過年度の財務活動によるキャッシュ・フローによるものであります。

 

⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、目標とする経営指標として売上高並びに主力事業であるIP Geolocation事業の売上高及び売上高成長率を掲げております。当事業年度の売上高は710,496千円となり、前事業年度に比べ24,408千円増加しました。このうち、IP Geolocation事業の売上高は708,740千円となり、前事業年度比3.3%増となりました。

同事業では、「SURFPOINT™」及び「どこどこJP」を中心としたサブスクリプションサービスが堅調に推移しました。「SURFPOINT™」では、広告分野を中心としたデータ利用の増加に伴い従量課金売上が増加しました。また、「どこどこJP」では、解約件数が想定を上回ったものの、マルチサイトプラン及び比較的受注単価の高い案件の獲得が売上高の増加に寄与しました。

今後も、「SURFPOINT™」及び「どこどこJP」を中心に、ストック収入の拡大に向けた事業基盤の強化を図っていくとともに、「web制作・各種受託開発」についても複合的な提案営業を推進し、収益の拡大に取り組んでまいります。

 

⑥経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の経営成績は、取引先のニーズ、当社データベースへの情報の集積状況、人材の確保、競合先等、様々な要因による影響を受ける可能性があります。このため、当社事業を取り巻く環境に注視し、営業努力及び開発・運用の体制強化、内部統制システムの強化等によりこれらのリスク要因に対応していきます。

 

⑦経営者の問題意識と今後の方針について

 当社を取り巻く事業環境においては、生成AI、ビッグデータ及びクラウド技術の進展により、企業におけるデータ活用の重要性が一層高まっております。また、オンラインサービスの高度化に伴い、アクセス元の地域、企業・組織、利用回線及びリスク等を把握し、マーケティング、不正アクセス対策、コンテンツ配信等に活用する需要も拡大しております。一方で、類似するデータ及びサービスとの競争も進展しており、当社独自の技術及びデータを継続的に高度化し、顧客への提供価値を高めることが重要であると認識しております。

 当事業年度においては、「SURFPOINT™」及び「どこどこJP」を中心とするサブスクリプションサービスが堅調に推移した一方、将来の成長に向けた人員・開発・拠点への先行投資により営業損失を計上しました。このため、整備した事業基盤を収益へ結び付け、売上高の成長と収益性の改善を両立することが重要な経営課題となっております。

 今後は、「SURFPOINT™」に蓄積する地域、企業・組織、回線、利用環境及びリスク等の情報を拡充するとともに、AIや外部システムが参照・活用しやすいデータ基盤への進化を図ってまいります。また、社内で蓄積した技術及びデータのサービス化、顧客課題を起点とした提案型営業並びに複数サービスを組み合わせた提案を推進し、新たな収益機会の創出、顧客単価の向上及びストック収益の拡大に取り組んでまいります。

 さらに、AIを活用できる人材の育成並びに業務の標準化及び効率化を進め、人員数の増加のみに依存しない成長体制を構築してまいります。これらの取組を通じて、営業黒字への転換を図るとともに、継続的に利益を創出できる事業構造への転換を進め、持続的な成長及び企業価値の向上を目指してまいります。