事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
売上
-
利益
-
利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
| セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
|---|---|---|---|---|---|
| (単一セグメント) | 497 | 100.0 | -330 | - | -66.4 |
3 【事業の内容】
(1) ビジネスモデルの概要
当社は、「ICT(※1)の活用によって持続可能な医療サービスを社会に提供し続けること」をミッションに、医薬品、医療機器に次ぐ第三の治療法として注目されている「デジタル治療(Digital Therapeutics、以下「DTx」といいます。)」の開発を中心として事業展開を行っております。また、DTxの開発にあたって独自に構築した臨床試験システムを汎用化し、製薬企業、学術研究機関、医療機関、医薬品開発業務受託機関(Contract Research Organization、以下「CRO」といいます。)等の第三者へ提供することで業界全体での創薬プロセスの効率化を、加えて、世の中に膨大に蓄積されている医療データの利活用を目的として開発した機械学習による自動分析システムを製薬企業、学術研究機関等へ提供することで効果的・効率的な医療サービスの実現を目指しております。
当社のセグメントは①治療用アプリの開発と提供を行う「DTxプロダクト事業」、②汎用臨床試験システムと機械学習自動分析システム並びにこれらシステムを活用したDTx開発支援から構成される「DTxプラットフォーム事業」の2つとなります。
なお、「DTxプロダクト事業」のうち、「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」については、2026年5月に保険収載(※2)が了承され、2026年6月より販売を開始いたしました。
(ビジネスモデルイメージ図)
(2) 医薬産業を取り巻く現状と課題
2015年9月の国連サミットにおいてSDGs: Sustainable Development Goalsが採択され、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するための目標が掲げられました。SDGsの目標の中の1つに「すべての人に健康と福祉を」という項目が挙げられており、「持続可能な医療」が世界的にも求められております。
一方で国内に目を向けると、2024年度の医療給付費は44.8兆円、GDPの7.0%に相当する規模となっており、高水準で推移しております(出典:国立社会保障・人口問題研究所「令和6年度 社会保障費用統計」)。この高い医療費水準は高齢化の進行によって医療を必要とする人口が増加したこと及び長期の療養が必要になる慢性疾患が増加したことに加えて、高額な医薬品の普及など医療の高度化による影響も強く受けております。
慢性疾患への対応では、DTxと呼ばれる新しい治療法が、コストを抑えながら適切な医療を患者に提供する手段として注目されております。DTxは、スマートフォンのアプリケーションなどの形態をした、ソフトウェアによる治療手段で、規制当局の承認を得た科学的根拠に基づく医療機器である、という点で一般的なヘルスケアアプリケーションとは異なります。DTxでは、患者の医療へのアクセスが通常の医療と比べて容易になり、加えて医療機関外での活動データの蓄積が可能となることから、「治療中断率が高い」「適切/適時/適量の治療介入が行えず、結果として療養が長期にわたる」という慢性疾患特有の課題解決につながることが期待されておりますが、ようやく導入期に差し掛かった段階にあります。
(治療用アプリの立ち位置)
(治療用アプリと一般的なヘルスケアアプリの違い)
一般的に有体物である医薬品や医療機器では、非臨床試験(※3)として、人体への投与・使用の可否判断を目的とした動物実験等の生物医学的試験の実施が必要となりますが、治療用アプリでは、それらが省略できるほか、医療機器承認後の製造過程においても、ソフトウェア自体が製品となるため製造設備が不要であることに加え、工程管理や品質管理などが比較的容易であり、開発コスト、開発期間、販売後の収益性といった多くの面で大きくリスクを低減できます。
(治療用アプリ開発のプロセス:コストと期間)
医療の高度化に関しては、近年、新しい医薬品・医療機器の開発コストが高騰し続けており、グローバルの大手製薬企業から収集したデータによる推計に基づいて医薬品の開発コストを一剤当たりで比較すると、1990年代に3億1千8百万ドルだったものが2010年には17億7千8百万ドルと5倍以上に膨れ上がっております(出典:医薬産業政策研究所「製薬産業を取り巻く現状と課題」(2014))。そして、このような開発コストの高騰は、高額な薬価に繋がり、最終的には社会保障費の増加を引き起こします。そうした中、厚生労働省を中心に後発医薬品の使用が継続的に推進されておりますが、後発医薬品の普及は社会保障費の抑制につながる反面、新薬の開発に対する民間企業のインセンティブを減少させる可能性もあります。製薬産業については、2024年時点での売上上位100品目の医薬品に関して特許発明者の所在地を創出国として定義した場合、日本の新薬創出能力はアメリカ、スイス、ドイツに次いで世界第4位(出典:医薬産業政策研究所「世界売上高上位医薬品の創出企業の国籍 -2024年の動向-」(2026))に回復しておりますが、国際競争力の維持は引き続き我が国にとって最重要課題の1つとなっております。新しい医薬品・医療機器を開発する際には、臨床試験・治験といった臨床開発が行われますが、労働集約的で煩雑なプロセスやそれに伴う実施費用の高額化が開発コストの高騰に直結する課題とされており、近年は、臨床試験データをリモートで取得する「リモート治験」が欧米の製薬企業を中心に取り組まれております。リモート治験においても、被験者の識別(なりすまし防止)、医療データの安全な取得・保管・利用など、通常の臨床試験とは異なる課題があり、解決のための手段が求められております。
日本では、新薬開発前のシーズ発掘、新薬開発プロセスや市販後調査の効率化を目的として、リアルワールドデータ(以下、「RWD」といいます。)(※4)と呼ばれるレセプト(※5)や電子カルテなどの匿名化された患者単位の医療データを分析する専門部署を2015年ごろから製薬企業が立ち上げ、それに呼応する形で2016年に厚生労働省がレセプトデータベースを公開、2018年には独立行政法人医薬品医療機器総合機構がMID-NET(※6)の本格運用を開始するなど、既に海外では活用が進んでいるRWDを我が国でも活用しようという動きになっております。新薬開発に関しても、医薬品・医療機器の開発にRWDの活用を可能とするためのガイドラインとして「承認申請等におけるレジストリの活用に関する基本的考え方」や「レジストリデータを承認申請等に利用する場合の信頼性担保のための留意点」が厚生労働省より発出されています。このようなRWDの分析・活用には、分析担当者が日常使用しているような表計算ソフトウェアでは機能・容量面で不十分であり、巨大なデータセットでも取扱可能な統計分析専用のツールやAI(人工知能)機能を組み込んだソフトウェアなどが使用されておりますが、分析結果の根拠が不明確など、医療業界で求められる水準への対応が難しいことや、分析結果の利用に際して後処理に多大な工数を要することが課題となっております。
(3) 具体的な製品又はサービスの特徴
当社は、前項で述べてきた「医療に対する国家歳出の増大」という課題に対して、「治療用アプリ開発」による新しい治療法の提案、「汎用臨床試験システム」の提供による創薬プロセスの効率化による開発コストの適正化、「機械学習自動分析システム」の提供による医療データの活用による医薬産業のバリューチェーン全体の効率化という大きく3つの方向性から課題を解消すべく事業活動を行っております。
①「DTxプロダクト事業」セグメント
〔治療用アプリ開発〕
当社は、アンメットメディカルニーズ(※7)への解決策の提案を目指して、慢性疾患や認知行動療法(※8)、運動療法(※9)が有効とされる疾病に対する複数のDTxの開発を行っております。2026年6月より「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の販売を開始し、採用医療機関の拡大や医療機関及び患者に対する認知度の向上に取り組んでおります。本書提出日現在における開発中のパイプライン(※10)は以下のようになっており、中でも耳鳴治療用アプリは検証的試験(※11)を開始しており、開発が最も進捗しております。また、乳がん運動療法や慢性腎臓病、月経前症候群・月経前不快気分障害を対象とした治療用アプリは次の試験に向けて準備を行なっております。
(当社の治療用アプリの開発パイプライン)
厚生労働省の調査によると、日本人の5人に1人が「睡眠で休養が取れていない」「何らかの不眠がある」と調査に回答しております(出典:厚生労働省「e-ヘルスネット」不眠症)。また、睡眠障害による日本の経済損失は年間880~1,380億ドルに上るという試算もある(出典:RAND Corporation 「RAND Health Quarterly, 2017; 6(4):11」)ため、睡眠障害の治療は医療経済的観点での喫緊の課題となっております。中でも不眠障害(不眠症)に対する治療法は、米国国立衛生研究所(NIH)の指針では認知行動療法(CBT-I)が第一選択とされておりますが、日本は睡眠薬による治療が中心であり、その処方量が先進国の中でも多く、厚生労働省が多剤処方(※12)に対して保険点数を減算するなどにより処方減に取り組んでおりますが結果として中小規模の医療機関の経営に大きな影響を及ぼしております。
不眠障害に対する認知行動療法は2026年6月から国内でも保険適用対象となり、これからの普及が期待されているところです。
このような外部環境の中、当社は、薬物治療や対面式の認知行動療法とは区別された新たな治療選択肢の確立を目指して、認知行動療法をコンセプトとした治療コンテンツを提供するプログラム医療機器(※13)の開発を進めておりましたが、2026年6月より、「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の販売を開始いたしました。事業推進上、対処すべき課題としては、「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の採用医療機関の拡大や認知度の向上に加え、開発中の他のパイプラインの治験の成功による医療機器承認と、保険収載及び収益確保が可能となる保険点数の実現が挙げられます。
(「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の提供プロセス)
「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」については、学会での展示やウェビナーの実施等のプロモーション活動に取り組むことで医療機関に対する働きかけを推進し、いち早く普及させてまいります。具体的に、医師向けには一般社団法人日本睡眠学会で臨床試験の成果に関する解説並びに認知行動療法をコンセプトとする治療コンテンツを提供するアプリに関する啓発を代表取締役社長の上野を中心に行い、潜在患者を含む一般消費者向けには睡眠薬を使用しない不眠障害の治療に関する情報提供として、当社が開設した不眠症に関する疾患啓発サイト「眠りの道しるべ」を通じて信頼性の高い情報を積極的に発信してまいります。
「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」以外のパイプラインとしては、乳がん患者向けの運動療法を国立研究開発法人国立がん研究センターと、「人生会議」という愛称でも知られるアドバンス・ケア・プランニング(以下、「ACP」といいます。)を提供する治療用アプリを東京慈恵会医科大学と共同で開発しております。
2023年には男女合わせて103,424人が乳がんに罹患しており(出典:国立研究開発法人国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録))、2024年には男女合わせて16,005人が乳がんによって死亡しています(出典:国立研究開発法人国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省 人口動態統計))。累積罹患リスクで見ると女性の9人に1人が生涯で乳がんに罹患するとされており、部位別では最も罹患率の高い疾患となっています(出典:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター「累積罹患リスク」)。
海外の論文では、運動療法の実施によって死亡率が低下することが実証されており(Holmes MD et al. JAMA 2005;293:2479-2486)、一般社団法人日本乳癌学会が発行している「乳がん診療ガイドライン」でも運動療法が推奨されていますが、医療者の時間的リソースに対する負担が大きく、現状は普及に課題を抱えています。
当社は、現状のリソース面での課題を克服しつつ効果の実証された運動療法を患者に提供するために、国立研究開発法人国立がん研究センターと共同で治療用アプリを開発しております。臨床研究では、身体機能や予後(※14)の指標である最高酸素摂取量がアプリでの介入により有意に改善し、その結果について論文を発表いたしました(Ochi et al.,2021, BMJ Support Palliat Care)。現在は、今後の臨床試験に向けてプロトコル(※15)の検討を行っております。
ACPは、人生の最終段階における治療や療養についてあらかじめ考え、患者やその家族と医療者の間で繰り返し話し合い共有する自発的な取り組みのことです。ACPの実施によって早期に緩和ケアに取り組んだ結果、予後の延長やQOL(※16)の改善といった効果が実証されており(Temel JS et al. N Engl J Med. 2010 Aug 19;363(8))、アメリカや台湾では医療保険の適用対象としてACPが実施されています。日本でも、ACPによる早期緩和ケアと意思決定支援による患者の不安・抑うつ症状の改善、加えて死亡直前の抗がん剤投与の減少による医療費の適正化を目的として、国全体でACPの普及啓発に努めています。そのような環境の中、当社は、東京慈恵会医科大学との共同研究において、進行がん患者に対するACP用プログラム医療機器を開発しており、2020年から厚生労働科学研究費「がん対策推進総合研究事業」に採択されております。PoC(※17)取得に向けた探索的試験(※18)を完了しており、その結果については米国臨床腫瘍学会のオーラルセッションで発表を行っております。現在は、企業治験(第Ⅱ相臨床試験に相当)を実施しており、引き続き、ACP用プログラム医療機器の提供によって、不適切な治療の中止と患者自身の不安・抑うつ症状の改善を目指し、取り組みを進めてまいります。
また、慢性腎臓病患者向けに運動療法を提供する治療用アプリを国立大学法人東北大学並びに一般社団法人日本腎臓リハビリテーション学会と共同で開発しております。
慢性腎臓病は心不全、心筋梗塞、脳血管障害などのリスク因子であり、その患者数は日本国内で1,300万人と推計されています(出典:厚生労働省「腎疾患対策検討会報告書~腎疾患患者対策の更なる推進を目指して」2018年7月)。慢性腎臓病患者の発症要因としては糖尿病や高血圧などの生活習慣病が挙げられ、生活習慣の変化とともに患者数が増加しております。また、国内の透析患者数は約33万人、透析治療にかかる医療費は患者1人あたり年間500万円と高額であり、総医療費の4%(約1兆6,000億円)を占めている(出典:ニッセイ基礎研究所「人工透析の増加-慢性腎臓病の早期発見は進むか?」2018年)ことから、日本の社会保障費の適正化を図る上で慢性腎臓病患者の透析治療への移行を食い止めることが喫緊の課題となっております。
慢性腎臓病患者の腎機能の改善もしくは悪化抑制においては、腎臓リハビリテーションが有効であることが示され、一般社団法人日本腎臓リハビリテーション学会が発刊したガイドラインでも推奨されていますが、その普及にあたっては、各医療機関での医師や理学療法士などのリソース不足が課題となっています。
当社は、現状のリソース面での課題を克服しつつ効果が示されている腎臓リハビリテーションを患者に提供することを目指して、治療用アプリを開発しております。現在は、PoC取得に向けた探索的試験を完了し、今後の臨床試験に向けたプロトコルの検討を行っております。
また、2022年11月には杏林製薬株式会社(本社:東京都千代田区、以下「杏林製薬」といいます。)との間で、耳鼻科領域において、耳鳴に対する新たな治療選択肢の提供を目指し、治療用アプリの共同研究開発及び販売に関する契約を締結いたしました。本書提出日現在、検証的試験を開始しております。
さらに、2023年9月にあすか製薬株式会社(本社:東京都港区、以下「あすか製薬」といいます。)との間で、産婦人科領域における治療用アプリの共同研究開発及び販売に関する契約を締結し、2025年1月より開始した特定臨床研究(※19)において期待する有効な結果が確認できたことから、次の開発段階に進むことに合意しております。
加えて、持続性知覚性姿勢誘発めまいに対して国立大学法人新潟大学と共同開発を行っている治療用アプリに関して、2024年8月より実施していた臨床研究の結果が2026年5月の「第127回日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会総会・学術講演会」において報告されております。
②「DTxプラットフォーム事業」セグメント
〔汎用臨床試験システム〕
前項で記載した「サスメド 不眠障害用アプリ Medcle®」の開発過程において獲得したノウハウをベースに、効率的な臨床試験を実施するためのシステム開発を行っております。リクルーティング(※20)の効率化やモニタリング(※21)コストの削減などを通じて医薬品・医療機器の開発コストの適正化が期待できる「リモート治験」が2017年頃から欧米を中心に広がってきていますが、日本では試験データの真正性の確保に課題を残しており、ごく限定的な範囲でのみ実施されている状況です。
当社のシステムには、リモート治験における上記の課題を解決するために、被験者として適切な対象かどうかを判定する「適格性判定」、データ入力者の本人性を確認する「なりすまし防止」、ブロックチェーン技術(※22)(特許第6563615号、特許第6245782号、特許第6340494号、特許第6530578号、特許第6245783号、ほか)を用いた「データ改竄耐性」、臨床試験データの欠損を防ぐ「デジタル指導」など、リクルーティングから臨床試験データの解析まで、一貫してデータの真正性を確保するための幅広い機能に関する特許技術を実装しております。
「データ改竄耐性」の機能に関しては実証実験結果を国際医学雑誌上で論文として発表しており(Motohashi et al., 2019, JMIR)、労働集約的になっている実地でのモニタリング業務の代替によって大幅な臨床試験コストの削減を目指しております。
本システムに関しては、共同研究契約を国立がん研究センター中央病院と締結後、乳がん患者に対する運動療法アプリを構築し、2019年5月より臨床研究を行っておりました。本臨床研究の実施にあたって採用したシステム構成では、臨床研究データの効率的な信頼性担保を目的としてインフラ部分に上記ブロックチェーン技術を採用しており、経済産業省・厚生労働省の大臣認証を得た上で内閣府の規制のサンドボックス制度(※23)に採択されております。GCP省令(※24)第21条において「1.治験依頼者は、モニタリングに関する手順書を作成し、当該手順書に従ってモニタリングを実施しなければならない。2.前項の規定によりモニタリングを実施する場合には、実施医療機関において実地に行われなければならない。ただし、他の方法により十分にモニタリングを実施することができる場合は、この限りではない。」とされているものの、「他の方法」にどのようなものがあるか、「十分にモニタリングを実施することができる」とはどのような状態か、が不明確な状況でした。当社は、規制のサンドボックス制度の中で①ブロックチェーン技術の実装により当社が構築したシステムを使用して適切な改ざん防止措置が講じられ、②被験者や医療機関(利害関係者でないもの)が入力した情報(原資料等)が直接的に報告データに反映される等の手法を用いることが「十分にモニタリングを実施することができる」場合に該当することを確認し、報告を行いました。この報告を受けて、内閣府が「治験データ等と原資料との一致性が確保できるようブロックチェーン技術を活用するときは、その一致性を確認するための実地でのSDV(Source Data Verification)(※25)が求められないことが治験依頼者等にあらかじめ明らかとなるよう、解釈の明確化その他必要な措置を講じる」ことを成長戦略フォローアップの中で明示しました。サンドボックス制度の研究成果については、国際医学雑誌上で論文として発表しております(Hirano et al., 2020, JMIR)。その後、グレーゾーン解消制度(※26)において、当社システムの利用によって実地での照合作業を省略したとしてもGCP省令第21条に違反するものではないこと、並びにこの解釈が医薬品のみではなく、医療機器や再生医療等製品の治験、特定臨床研究でも適用可能であることの確認を要請し、2020年12月には厚生労働省から、当該システムを利用することで実地での照合を省略することはGCP省令に違反するものではなく(ただし、データを直接連携・同期していない部分についての一致性の確認まで一概に不要とは言えず、データの一致性の確認以外の業務については引き続き適切に実施する必要がある)、また、医薬品以外にも本件の解釈が適用可能であるという回答を得ました。
(臨床試験における業務フローの比較)
2022年6月には、アキュリスファーマ株式会社(現 ヴィアトリス製薬合同会社、本社:東京都港区、代表者:ソナ・キム)との間で企業治験としては世界初となるブロックチェーン技術を活用した治験の実施に関する業務委託契約を締結し、同社においてナルコレプシー患者を対象としたヒスタミン H3 受容体拮抗薬/逆作動薬 Pitolisant の国内第Ⅲ相臨床試験、ならびに閉塞性睡眠時無呼吸症候群に伴う日中の過度の眠気が残存する患者を対象としたヒスタミン H3 受容体拮抗薬/逆作動薬 Pitolisant の国内第Ⅲ相臨床試験が実施され、本書提出日現在、当該医薬品の製造販売承認が取得されたことが報告されております。また、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターが実施する筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群を対象とした医師主導治験や杏林製薬と共同研究開発を進めている耳鼻科領域での治療用アプリ、Heartseed株式会社(本社:東京都港区、代表者:福田 惠一)の虚血性心疾患及び拡張型心筋症による重症心不全を対象にした心筋再生医療HS-005(カテーテル投与)の第I/II相試験などの企業治験においても当社の臨床試験システムが活用されています。そのほか2023年10月には、2021年に採択された国立大学法人東京医科歯科大学(現 国立大学法人東京科学大学)とのAMED「研究開発推進ネットワーク事業」において、当社のブロックチェーン技術を活用した手法が従来の手法に比してモニタリング業務にかかる工数を削減する旨の成果が報告されており、今後も、アカデミア及び製薬企業を中心とする事業会社を対象に本システムの普及に努め、臨床試験の効率化を目指してまいります。
加えて、当社のブロックチェーン技術の臨床試験以外での活用を目指し、2022年5月には国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターとの間で共同研究を開始しております。本共同研究は、ブロックチェーン技術を精神疾患レジストリ(※27)に拡大適用することによりRWDの質の担保をシステムで実現することを目的としたもので、AMEDの「データ利活用を推進するための臨床データの加工手法と質の担保に関する研究開発」に採択されております。また、2023年9月には国立大学法人東北大学と静脈疾患レジストリの構築に関する基本合意を締結し、2024年12月には統合型静脈疾患レジストリシステムを構築し、現在、企業へ提供しております。
〔機械学習自動分析システム〕
医療業界で求められているRWDの活用に向けて、Awesome Intelligenceという名称で分析基盤を開発し、クラウドサービス(※28)としての提供を開始しております。
既存のAIシステムでは、その判断基準がAI内で学習データと呼ばれる大量のデータに基づいて自律的に構築されるため、システムを操作する人間側には判断基準やその根拠が示されず、ブラックボックス型(※29)になってしまうことが医療分野での利用に際して課題となっております。一方で、当社が開発したAwesome Intelligenceでは、分析結果を導き出す際にシステムが注目した特徴量(※30)の寄与度を明示するようなホワイトボックス型(※31)の機械学習をコアアルゴリズムとすることで、医療分野で求められる判断理由の説明を可能としております。また、データサイエンス領域での経験が十分でない医療関係者でも柔軟に分析が行えるように、データの前処理の自動化や分析結果の出力などにより利便性を高めた仕様としております。当期においても、因果探索基盤技術の開発に関する国立大学法人滋賀大学との共同研究をはじめ、複数の製薬企業や学術研究機関、医療機関において活用されました。
(Awesome Intelligenceの概要)
〔DTx開発支援〕
自社での治療用アプリ開発並びに治療用アプリを対象とした臨床試験実施の経験に基づいて、治療用アプリの開発を目指す企業を支援しております。
治療用アプリを開発するためには、その制作段階において、臨床ニーズの特定から治療アルゴリズムの検討、及びアルゴリズムのアプリケーションへの実装が必要となり、加えて、治療用アプリの制作が完了した後も臨床試験のプロトコル検討、治療用アプリの管理システムの構築、実際の臨床試験の運用までが求められます。アプリケーション開発と臨床開発という異なる専門性をワンストップで提供することで、既にシーズを保有している企業の効率的な治療用アプリ開発を実現しております。
また、治療用アプリの制作においては、患者への介入方法、介入を決定するアルゴリズム、患者データの取得といった複数の機能を汎用的なモジュールとして用意し、それらモジュールの組み合わせだけで迅速にアプリケーションの開発を行うことができるシステム基盤を構築しております。当該システム基盤の活用によってアプリケーションの開発期間が短縮できるため、PoC取得に要する時間も短縮が可能です。
<用語解説>
業績状況
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社は、治療用アプリ開発及び製造販売を行う「DTx(デジタル治療:Digital Therapeutics)プロダクト事業」、並びに汎用臨床試験システム、機械学習自動分析システムの提供及びこれらシステムを活用したDTx開発支援から構成される「DTxプラットフォーム事業」の2つの事業を展開し、ブロックチェーン技術やAI(人工知能)技術の応用で業界に新たな価値を生み出し社会課題を解決することを目指して事業を推進しています。
DTxプロダクト事業では、不眠障害の治療支援を行うプログラム医療機器として開発しておりました不眠障害用アプリについて、2026年6月1日より保険適用となり、同日より販売を開始しております。本アプリに関しては、2026年8月26日付で、塩野義製薬株式会社との間で締結しておりました販売提携契約に基づく保険収載に伴うマイルストン収入の額を2億円とすることで合意するとともに、当該販売提携契約の終了に関する合意書を締結しました。今後は、当社単独で本アプリの販売を推進してまいります。また、杏林製薬株式会社と共同開発を行っている耳鳴治療用アプリにおいては、検証的試験を開始し、最初の被験者により本アプリの使用が開始されたことによるマイルストン2.4億円を受領いたしました。今後は、共同研究開発及び販売に関する契約に基づき、開発進展などに応じたマイルストン収入の受領を予定するとともに、製品上市後はその販売額に応じたロイヤリティを受領する予定です。さらに、あすか製薬株式会社と共同開発を行っている月経前症候群・月経前不快気分障害を対象とした治療用アプリでは、特定臨床研究で期待する有効な結果が確認されたことに伴い、マイルストン1億円を受領いたしました。今後は開発段階などに応じたマイルストン収入として総額最大23億円の受領を予定するとともに、製品上市後はその販売額に応じたロイヤリティを受領する予定です。進行がん患者向けのアドバンス・ケア・プランニングを支援するアプリでは、企業治験(第Ⅱ相臨床試験に相当)を行っております。本アプリについては、東京慈恵会医科大学と産学連携講座を開設し、社会実装を目指していくこととしています。その他のパイプラインにつきましても、慢性腎臓病患者向けの腎臓リハビリアプリでは、探索的試験(第Ⅱ相臨床試験に相当)を完了し、次の試験に向けて準備を進めております。さらに、国立大学法人新潟大学と共同開発を行っている持続性知覚性姿勢誘発めまいに対する治療用アプリについては、臨床研究を完了し、その結果が「第127回日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会総会・学術講演会」において発表されるなど、開発は順調に進捗しております。今後も長期的視点での収益の最大化のために、財務指標に先行する開発パイプラインの件数や、臨床試験の進捗を重要な経営指標と位置付けて事業運営を行ってまいります。
DTxプラットフォーム事業では、当社のブロックチェーン技術を活用した治験管理システム(SUSMED SourceDataSync®)を利用し、アキュリスファーマ株式会社(現 ヴィアトリス製薬合同会社)において、ナルコレプシー患者を対象としたヒスタミン H3 受容体拮抗薬/逆作動薬 Pitolisant の国内第Ⅲ相臨床試験及び閉塞性睡眠時無呼吸症候群に伴う日中の過度の眠気が残存する患者を対象としたヒスタミン H3 受容体拮抗薬/逆作動薬 Pitolisant の国内第Ⅲ相臨床試験が実施され、本書提出日現在、当該医薬品の製造販売承認が取得されたことが報告されております。また、国立大学法人東北大学と進めていたSUSMED SourceDataSync®の活用による統合型静脈疾患レジストリシステムの構築が完了し、企業へ提供しております。本レジストリシステムを医療機器の使用成績調査で利活用することにより、効率的に医療機器の使用成績の評価や適正使用の推進が可能となり、医療現場での作業負荷が大幅に軽減することが期待されます。さらに、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターが実施する筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群を対象とした医師主導治験、Heartseed株式会社が実施する虚血性心疾患及び拡張型心筋症による重症心不全を対象にした企業治験並びに杏林製薬株式会社と共同開発を行っている耳鳴治療用アプリの検証的試験においても、SUSMED SourceDataSync®を活用しております。今後も医療分野においてブロックチェーン技術を活用することで、医療データの信頼性向上及び臨床開発コストの適正化の実現を目指してまいります。
アカデミアとの取り組みにつきましては、今後もアンメットニーズや医療の持続可能性に寄与する研究開発活動を引き続き強化してまいります。
こうした事業活動の結果、当事業年度における業績は、事業収益497,211千円(前事業年度比7.4%増)、営業損失330,161千円(前事業年度は299,479千円の損失)、経常損失325,530千円(前事業年度は294,673千円の損失)、当期純損失382,691千円(前事業年度は298,404千円の損失)となりました。
なお、東京都の働くパパママ育業応援奨励金制度に係る交付額確定などによる「助成金等収入」4,736千円を営業外収益に計上しております。
また、当社は、営業キャッシュ・フローが継続してマイナスとなり、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回ることが見込まれるため、全社資産について「減損損失」67,471千円を特別損失に計上しております。減損損失の金額の内訳は工具器具備品3,449千円、建設仮勘定64,021千円となります。
セグメント別の概況は、以下のとおりです。
(DTxプロダクト事業)
当セグメントは、治療用アプリ開発及び製造販売で構成されております。治療用アプリ開発では、杏林製薬株式会社と共同開発を行っている耳鳴治療用アプリにおいて、特定臨床研究が完了し、その結果を踏まえて開始した検証的試験において、最初の被験者により本アプリの使用が開始されたことによるマイルストン2.4億円を受領いたしました。さらに、あすか製薬株式会社と共同開発を行っている月経前症候群・月経前不快気分障害を対象とした治療用アプリでは、特定臨床研究で期待する有効な結果が確認されたことに伴い、マイルストン1億円を受領いたしました。進行がん患者向けのアドバンス・ケア・プランニングを支援するアプリでは、企業治験(第Ⅱ相臨床試験に相当)を行っております。その他のパイプラインにつきましても、慢性腎臓病患者向けの腎臓リハビリアプリでは、探索的試験(第Ⅱ相臨床試験に相当)を完了し、次の試験に向けて準備を進めております。また、国立大学法人新潟大学と共同開発を行っている持続性知覚性姿勢誘発めまいに対する治療用アプリにおいては、臨床研究を完了し、その結果が「第127回日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会総会・学術講演会」において発表されました。治療用アプリの製造販売では、不眠障害の治療支援を行うプログラム医療機器として開発しておりました不眠障害用アプリについて、2026年6月1日より保険適用となり、同日より販売を開始しております。
この結果、本事業の事業収益は340,234千円(前年同期は300,000千円)、セグメント利益は103,418千円(前年同期は118,092千円)となりました。
(DTxプラットフォーム事業)
当セグメントは、汎用臨床試験システム及び機械学習自動分析システムの提供、並びにこれらシステムを活用したDTx開発の支援で構成されております。汎用臨床試験システムの提供に関しては、アキュリスファーマ株式会社との間で締結した、治験実施に関する契約に基づき、企業治験としては世界初となるブロックチェーン技術を活用した治験を実施しました。その他、SUSMED SourceDataSync®を活用した臨床試験の実施に関する提案活動を積極的に展開しております。機械学習自動分析システムの提供に関する活動につきましては、継続利用に支えられ、収益は安定的に推移しております。
この結果、本事業の事業収益は156,977千円(前年同期は162,988千円)、セグメント利益は76,958千円(前年同期は33,133千円)となりました。
(資産)
当事業年度末における流動資産合計は、4,027,580千円となり、前事業年度末に比べ435,048千円減少いたしました。これは主に売掛金及び契約資産が258,359千円、前払費用が1,781千円増加した一方、現金及び預金が699,836千円減少したこと等によるものであります。
当事業年度末における固定資産合計は、190,526千円となり、前事業年度末に比べ150,182千円増加いたしました。これは無形固定資産が72,424千円、投資その他の資産が71,356千円、有形固定資産が6,402千円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における流動負債合計は、147,943千円となり、前事業年度末に比べ22,002千円増加いたしました。これは主に未払消費税等が10,124千円減少した一方、未払金が17,172千円、未払費用が6,269千円、契約負債が5,561千円増加したこと等によるものであります。
当事業年度末における固定負債合計は、零となり、前事業年度末に比べ6,390千円減少いたしました。これは、資産除去債務の減少によるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は4,070,163千円となり、前事業年度末に比べ300,478千円減少いたしました。これは主に譲渡制限付株式報酬としての新株発行等により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ17,876千円、新株予約権が46,553千円増加した一方、当期純損失の計上に伴い利益剰余金が382,691千円減少したこと等によるものであります。なお、2026年5月25日効力発生の減資により、資本金が107,104千円減少し、資本剰余金が107,104千円増加しております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は3,698,300千円(前事業年度は4,398,137千円)となりました。当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は474,454千円(前事業年度は432,477千円の支出)となりました。これは主に、減少要因として、税引前当期純損失378,891千円、売上債権及び契約資産の増加額258,359千円、未払消費税等の減少額10,124千円があった一方、増加要因として、株式報酬費用84,074千円、減損損失67,471千円、未払金の増加額17,077千円、減価償却費10,174千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は228,130千円(前事業年度は19,970千円の支出)となりました。これは、無形固定資産の取得による支出82,334千円、有形固定資産の取得による支出74,042千円、敷金及び保証金の差入による支出71,753千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は2,747千円(前事業年度は3,665千円の増加)となりました。これは主に、株式の発行による収入3,167千円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社は受注生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b 受注実績
当社は受注生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
c 販売実績
当事業年度における販売実績は、以下のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。その作成において、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を及ぼす見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは固定資産の減損損失であり、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (損益計算書関係) ※4 減損損失」に記載しております。
② 経営成績等に関する分析
(事業収益)
当事業年度の事業収益は、497,211千円(前事業年度は462,988千円)となりました。これは主に、DTxプロダクト事業において、耳鳴治療用アプリの検証的試験において当該アプリの利用が開始されたことによるマイルストン収入及び月経前症候群・月経前不快気分障害を対象とした治療用アプリの特定臨床研究において期待する有効な結果が確認されたことに伴うマイルストン収入を収益計上したこと、並びにDTxプラットフォーム事業における汎用臨床試験システムに係る収益が順調に推移したこと等によるものです。
(事業費用、営業損失)
当事業年度の事業原価については17,387千円(前事業年度は12,264千円)となりました。これは主に、DTxプラットフォーム事業における臨床試験システムの提供・利用による事業収益の増加に伴い事業原価が増加したこと等によるものです。当事業年度の研究開発費は247,459千円(前事業年度は273,634千円)となりました。これは主に、DTxプロダクト事業における既存パイプラインの開発に係る人件費が増加した一方で、DTxプラットフォーム事業における汎用臨床試験システムのソフトウェア開発に係る人件費を資産計上したこと等によるものです。当事業年度の販売費及び一般管理費は、562,525千円(前事業年度は476,569千円)となりました。これは主に、事業規模の拡大による人件費の増加等によるものです。
その結果、営業損失は330,161千円(前事業年度は299,479千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
当事業年度の営業外収益は、5,026千円(前事業年度は11,815千円)となりました。これは主に、助成金等収入4,736千円等によるものです。また、当事業年度の営業外費用は395千円(前事業年度は7,009千円)となりました。これは主に、株式交付費338千円等によるものです。
その結果、経常損失は325,530千円(前事業年度は294,673千円)となりました。
(特別利益、特別損失、法人税等合計、当期純損失)
当事業年度の特別利益は、14,137千円(前事業年度は2,234千円)となりました。これは、新株予約権戻入益7,747千円、資産除去債務戻入益6,389千円によるものです。また、当事業年度の特別損失は、67,498千円(前事業年度は4,755千円)となりました。これは主に、固定資産の減損損失67,471千円等によるものです。当事業年度における法人税等合計は3,800千円(前事業年度は1,210千円)となりました。
その結果、当期純損失は382,691千円(前事業年度は298,404千円)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因に関しては、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性について
当社の最重要課題は、販売を開始した不眠障害用アプリの普及及び収益拡大を図ることです。また、治療用アプリ開発のプラットフォームを活用して複数のパイプラインを組成し、治療用アプリの開発に取り組むとともに、汎用臨床試験システム及び機械学習自動分析システムの開発も継続してまいります。これらの研究開発に必要な資金については、自己資金を充当する方針です。加えて、今後、不眠障害用アプリの販売拡大により得られる収益を研究開発へ再投資することで、企業価値の最大化を目指してまいります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針に関しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。