人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数305名(単体) 311名(連結)
-
平均年齢35.6歳(単体)
-
平均勤続年数4.8年(単体)
-
平均年収8,270,000円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
(注) 1.当社グループは単一セグメントであるため、事業部門別の従業員数を記載しております。
2.従業員数は就業人員であり、正社員及び契約社員の合計であります。なお、従業員数の( )は臨時雇用者数(アルバイト)の最近1年間の平均人員を外数で記載しております。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、営業部門及び研究開発部門以外に所属しているものであります。
4.前連結会計年度末に比べ従業員数が28名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴い採用が増加したことによるものであります。
(2) 提出会社の状況
(注) 1.当社は単一セグメントであるため、事業部門別の従業員数を記載しております。
2.従業員数は就業人員であり、正社員及び契約社員の合計であります。なお、従業員数の( )は臨時雇用者数(アルバイト)の最近1年間の平均人員を外数で記載しております。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.全社(共通)として記載されている従業員数は、営業部門及び研究開発部門以外に所属しているものであります。
5.前事業年度末に比べ従業員数が27名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴い採用が増加したことによるものであります。
(3) 労働組合の状況
当社グループの労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
当連結会計年度の多様性に関する指標は、以下のとおりであります。
①提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.当社では、男女同一の賃金制度を適用しており、同等級内において共通の処遇を行っております。また、人事評価に関しても男女共通の基準で実施しており、人事制度上の男女間の差異は設けておりません。現在生じている差異は職務、等級、年齢構成、労働時間の違いによるものです。
②連結子会社
連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、「(3) 戦略」及び「(5) 指標及び目標」に記載されている内容および各種指標は、提出会社単体におけるものであり、明記されていない限り、「従業員」は正社員および契約社員を指します。
(1) サステナビリティに関する基本方針
当社グループは「テクノロジーの解放」の経営理念のもと事業を推進しております。テクノロジーの恩恵が拡がることで、地域・年齢・ジェンダー・人種・民族に関わらず多くの人々が、より創造的に活動できる社会に近づいていくものと信じております。私たちはまず自らの変革を起点とし、それを元にお客様に価値提供をしていくことで、広くテクノロジーの解放を追求します。さらに、100年単位での長期をイメージし、「SUSTAINABLE HENNGE」として、こうした社会変革活動を推進し続けます。この活動を、私たちのサステナビリティ活動と位置付け、持続的な人類の発展を支える地球環境や社会の実現に向けて推進してまいります。
(2) ガバナンス
当社グループでは、取締役、執行役員から構成される会議体において、サステナビリティに関する方針及び重要事項について、リスクと機会の両側面を踏まえ協議のうえ、取締役会にて審議・決議し、当該決議事項を周知するとともに、対応指示を行う体制を構築、運用しております。加えて、サステナビリティに係る取り組みに関し、IR、広報、人事及び管理等のコーポレート部門を中心とするメンバーで協議、検討を行い、その実施について、上位機関に報告または上申する体制も、併せて構築しております。
(3) 戦略
「テクノロジーの解放(Liberation of Technology)」という企業理念のもと、長期にわたって事業を成長させ続け、社会をより良いものにしていくためには、社会の変化とともに、あるいはそれに先んじて、私たち自身が変化し続ける企業である必要があると考えております。当社にとって、人と組織は変化の中核を担う、最も重要なものです。
当社は、1996年創業以来、インターネットバブル崩壊やリーマンショックなど、目まぐるしく変わる社会情勢に翻弄されながらも、自らが変化し続けることが最も重要であること、そのための基盤として「失敗を恐れず変化に挑戦しつづける文化」が必要であることを学んできました。コア・バリューを共有する多様な人材が、共通の目的に向かって活発にコラボレーションし、圧倒的な価値を共創していける組織であることが、こうした文化を醸成し、持続的に事業成果を生み出す上で重要であると考えており、そのことに資する様々な取り組みを実施しております。
2013年にはグローバル採用を開始し、多様なバックグラウンドと価値観を持つ人材が仲間に加わりはじめました。2016年には社内の公用語を正式に英語とし、多様性を牽制する管制型の組織から、多様性を受け入れる信頼型の組織に生まれ変わるために、従業員全員で英語を猛勉強しながら、新しい企業風土の構築に奔走してまいりました。また、優秀な人材を継続的に獲得していくための採用力強化、報酬水準の継続的な引き上げや評価基準の見直し、事業的価値を共創していく上で必要となる、役割を超えたコラボレーションや個の成長に資する施策など、幅広い領域で、多角的に施策を実行しております。
当社では、人と組織がもつ力を、持続的な事業成長に接続していく上で、以下の4つのテーマを特に重視しております。
1. 多様性の確保とインクルージョン
2. One HENNGEとして、価値と勝ちにこだわるコラボレーション
3. 質量ともに妥協しない採用
4. 個の学びと組織としての成長
これらの重要テーマに関する人的資本投資を、戦略的かつ網羅的に行いながら、事業と組織の持続的な成長をはかります。
(1) 多様性の確保とインクルージョン
(1.1) 民族・文化的多様性
バックグラウンドの違う人間が、課題に対し、いろいろな角度から議論を深めることにより、イノベーションが起こり、革新的なプロダクト価値が生まれます。テクノロジーの解放を掲げる当社にとって、多様性は変化の原動力であり、大切な成長基盤です。地域・年代・ジェンダーのみならず、人種・民族・文化を含む包括的な多様性を組織的に確保し、全員で全員を尊重しようとする当社の文化は、組織の同質化力学に抗いながら、一人ひとりが熱意ある挑戦をし、失敗から学び、組織全体として変化、成長していくための苗床であると考えております。また、多様な人材一人ひとりが、それぞれの領域でパフォーマンスを発揮していくことは勿論、個々の視点や能力を、組織全体のパフォーマンス、ひいては事業の成果につなげていくためには、各自の領域を超えたコラボレーションが必要不可欠であり、公平性とインクルージョンはそれらの実現に向けた重要テーマであると捉えております。
多様性を確保し、インクルージョンを加速させるためのキードライバーとして、当社では特に民族・文化的多様性に注目しております。世界中から多様な文化的背景を持つメンバーが加わることによって、様々なテーマにおける多様な価値観や当たり前が組織に持ち込まれ、異なるジェンダー観、宗教観や人生観など、多角的な視点や考え方が組織内に広がっていきます。インクルージョンが加速し、多様な価値観の存在が組織にとっての大前提として織り込まれていくことが、幅広い意味での多様性を、本質的かつ実効的に推進することに繋がると考えております。当社では、民族・文化の多様性の状態を把握するために、その近似指標となる出身国や地域の数の多様性をモニタリングしております。
2013年にグローバル採用を開始して以来、様々な国や地域の人材が仲間となり、現在、約25の国や地域からくる従業員が在籍しています。全従業員における外国籍従業員の比率は約20%となっておりますが、言語や価値観の異なる多様な人材が協働していくことのすばらしさとともに、その難しさも体験してまいりました。当社が得た学びの中で、特に重要視しているのは透明性であり、情報の公平性です。当社は、厳格な指揮命令系統と規律を基本とした組織運営ではなく、自主性と自律を基本とした組織運営を行っており、社内の至る所で様々なアイデア出しや課題提起、議論や意思決定がなされます。そこで発生するコミュニケーションや情報共有、意思決定の経緯などがブラックボックス化しないよう、全員で透明性の維持に向き合い、努力、投資し続ける事が、情報へのアクセス機会の平等に繋がります。各従業員の属性によらず、情報へのアクセス機会が平等に与えられていることは、多様な人材が自律的に考え、行動していくための基盤として重要であると考えております。
例えば、社内コミュニケーションツールであるSlack上のコミュニケーションは、センシティブ情報や機密情報が含まれない限り公開チャネルで行う、あるいは経営幹部・役職者も含め全従業員のカレンダーは公開するなどといったPublic by defaultの考え方の浸透、自身がキャッチしたい情報源には自身でOpt-inすることを期待するサブスクリプション型のコミュニケーションスタイルの推奨、会議室はガラス張りにして社内からクローズドな空間を極力廃するなど、コミュニケーションや情報共有に関する様々な社内ベストプラクティスを模索しております。
また、従業員と会社間での直接的な対話を透明性をもって行うコミュニケーションプラットフォーム「Transparency Talk」では、毎月実施しているエンゲージメントパルスサーベイに対する回答とあわせて、会社に対する疑問や意見などを匿名で自由に投稿することができ、投稿された全てのコメントに対して、毎月、マネジメント層やその他適切な担当者がパブリックに回答するという運用を行っております。
(1.2) 性別や世代、ライフステージの多様性
労働人口減少が危惧される日本で持続的な事業運営を行っていく上で、出産・子育て世代や介護世代といった、ライフステージにおける多様性をいかに包摂し、事業成果につなげていくかという観点も重要です。特に、20代から30代前半の世代が全従業員の約50%を占める当社にとって、未来のリーダーシップ人材が育休や産休などのライフステージの変化を経てなお復帰し、性別を問わず思い切り活躍できる状態をいかに創出していくかは重要なテーマの一つであると考えており、育休の取りやすさや復職のしやすさ、復職後の活躍のしやすさに注目しております。2024年9月期末には、育児短時間勤務におけるフレックス制度の導入や、育休復職時に一定の条件を満たすと最大120万円支給される復職応援手当の新設、育休復職者がいるチームメンバー全員に対して支給される育休復職者サポーター手当の新設など、性別や世代、ライフステージによらず、思い切り働きたいという意思のある従業員を応援する制度を拡充しております。
男女賃金差は78.7(女性従業員の賃金が男性従業員の賃金よりも約21%低い)となっており、その差の理由として、上位のジョブグレード*3における男女比の偏りが認められています。当社は職能資格制度を導入しており、上位のジョブグレードにおいては周囲を巻き込むリーダーシップの発揮が求められますが、この上位ジョブグレードの保有者における女性比率は17.3%であり、全従業員の女性比率40.3%と比較して低くなっています。また、女性管理職比率は29.6%であり、こちらも全社の女性比率と比較して低い状態にあります。当社では、給与水準はジョブグレードと連動し、役職とは連動しない報酬設計となっているため、管理職における性別の偏りは、必ずしも男女賃金差を説明する理由とはなりませんが、上位の役職者には高いジョブグレードを保有している者が多いという事実を踏まえると、二つの事象には相関があると考えております。
世代やジェンダーにおけるこのような偏りを生む根本的な要因は、当社を含む社会全体の役割分担意識に根付くものであると認識しておりますが、当社では、民族・文化的多様性を推進することでそれらを解決していきたいと考えております。民族・文化的多様性に富んだ組織には、属性の違いに対する意識そのものが希薄化し、一生懸命頑張る仲間を応援する自然な気持ちと、文化・性別・民族・人種・年齢の壁を超えたボーダレスな尊敬と共感がもたらされ、また、世界中から様々なジェンダー観が「輸入」されます。私たちはそれらをもって、昭和から平成時代に日本社会で育った男女双方の無意識下に、好むと好まざるとにかかわらず沈着してしまった因習的な年齢・性別役割分担意識を克服したいと考えております。
このような組織的な意識改革と並行して、当事者とその周囲に対する物理的な働きかけや、直接的な啓蒙活動を行っていくこともまた重要であると考えております。人材の採用や役職者の人選などといった重要な意思決定に、ジェンダー多様性の観点を徐々に取り入れ、また、次世代の女性リーダー育成を視野に、一部の希望する女性従業員に対して外部の女性顧問によるメンタリングセッションを提供するなど、物理的な働きかけも行っております。同時に、幅広い層に対する啓蒙活動として、国際女性デーや女性歴史月間を祝う社内イベントの開催や、WomenHack Tokyoへの協賛、さらには有志による女性アフィニティグループの運営やプライド・パレードへの参加などといったボトムアップな活動も含め、女性活躍と多様なジェンダー観に関する様々な学びの機会が広く創出されております。
上位のジョブグレードにおける男女比率、女性管理職比率、そして男女賃金差における偏りは年々改善されてきておりますが、今後の更なる改善に向けて、組織としての意識改革、女性活躍や多様なジェンダー観についての理解促進のための取り組み、そして性別・世代・ライフステージを越えた活躍機会の平等に焦点を当てた取り組みを、引き続き行ってまいります。
(2) One HENNGEとして、価値と勝ちにこだわるコラボレーション
人と組織の力を事業成果に結びつけていくためには、多様性を歓迎しながらも、全員で共有するべき価値観と目的は明確にし、団結して目標達成に向かうことが重要です。当社では、全社的な行動指針をHENNGE WAYとして明文化しており、採用や昇格における基準にも反映しております。HENNGE WAYは、適宜アップデートされていくことを前提としており、2019年初版リリースから現在のHENNGE WAY 2024に至るまで、3回のアップデートが行われています。直近のアップデートでは、各々の役割を超え、勝ちにこだわるコラボレーションをさらに促進していくために、「Win Together」という行動指針が新たに追加されました。
団結して目標に向かうための前提として、「メンバー間の良好な関係性」と「各部門や役割間での相互理解」が重要であると考えており、様々な施策を通して、横断的・縦断的なコミュニケーションと関係性の構築、および相互理解の機会を積極的に創出しております。Communication Lunch(毎月開催される全社ランチ会)やfun donuts(ランダムに選択されたメンバー数名が、毎週自動的に30分の雑談会に招待される仕組み)、Bukatsu(共通の趣味や関心事をもつメンバーで集まって行う業務外の活動費用を、会社が一部負担する制度)などといった施策を通して、所属や役職を超えた業務外の関係性構築を後押ししております。また、Inspire Matsuri(年に1回行われる社内のビジネスアイデアコンテスト)やUnity & Insight(四半期毎に行われる各部門からの情報発信を目的とした全社会)など、ビジネストピックを軸にした施策も実施し、業務や事業文脈での相互理解を深めています。その他にも、Location Does Not Matter(異なる拠点間の意見交換を目的とした、出張を伴う交流会)や社内Hackathonなどといったボトムアップで企画・運営されている施策も含め、社内のいたる所で様々な試みが行われています。
また、組織として団結してプロダクト価値を共創し、高い事業目標を達成していくために、物理的なコミュニケーションとコラボレーションが効果的であると考えております。場所や時間に捉われないリモートワークという働き方が有効な場面やライフステージは、確かに存在する一方で、熱を帯びるような踏み込んだ議論や周囲を巻き込むリーダーシップの発揮など、オンサイトで物理的に行う方が効果的なこともあります。社内で物理的かつ直接的なコミュニケーションがしっかりと取られている状態が、プロダクト価値向上と未来のARR創出の基盤になると考えており、2023年7月には、同僚やお客様などと対面コミュニケーションを行った業務日数に応じて支給される「物理コミュニケーション手当」を導入しました。
当社の人材は、事業の成長、ひいてはHENNGEという会社そのものをともに作っていく仲間です。成長の果実を皆で共有したいという想いのもと、従業員持ち株会制度の運用を行い、35%の奨励金を設定しております。また、2022年10月には全従業員を対象としたストックオプション制度の導入を行い、2023年2月と2024年7月に、それぞれ特定のタイミングで在籍していた全ての従業員に対して、新株予約権の付与を行っております。
今後も引き続き、One HENNGEとして、価値と勝ちの共創に取り組んでまいります。
(3) 質量ともに妥協しない採用
スピード感をもって事業を成長させていくために、必要なスキルや経験を持った人材をタイムリーに獲得していくことが重要であることは言うまでもありませんが、平均利用期間が数十年単位であるSaaS製品を通してお客様に価値を提供する当社においては、長期視点で、仲間と共に価値を共創できる人材に拘って採用していくことが特に重要です。当社のカルチャーや国際化された社内環境へのフィット、中長期での価値創出ポテンシャルに拘りながらも、増え続ける人材需要にスピーディーに応えられるよう、採用チームと事業部門とが一丸となり、共に採用活動に取り組んでいくことが重要であると考えております。激化する人材獲得競争に勝ち抜くため、採用体制の拡充や採用プロセスの改善、企業としての認知度の向上や報酬体系の見直しなど、採用競争力の強化に向けて包括的な取り組みを行っております。
また、後述する「学び」を通して増幅された個々人の能力と、コラボレーションの力によって、お客様に提供する価値が創出され、事業成果が生まれていることを確認するための指標の一つとして、一人当たりの売上総利益をモニタリングするとともに、これを原資に報酬水準が上昇し、より豊かな人材が獲得されることで、さらなる事業成果が生まれるというサイクルの構築を目指しております。2024年9月期における当社の平均年収は約827万円となっております。
即戦力人材の採用に加え、人材の多様性確保に寄与する採用活動を行っていることも、当社の採用における特徴であると考えております。変わりゆく新たな時代を切り拓いていくために、新しい価値観を持つ世代の人材を継続的に組織に取り入れ、世代と価値観における多様性を担保していくことが重要であると考えており、その手段の一つとして新卒採用を位置づけております。また、2013年からは、全世界からのエンジニア採用を開始すると共に、社内国際化に関する取り組みを行ってまいりました。全世界を対象に、日本語能力ではなくスキルを重視したエンジニア採用を行うために、世界中のエンジニア学生を対象とする職業体験プログラム「Global Internship Program」を通年で運営しており、当社で就業している外国籍エンジニアの多くが、本プログラム経由で入社しております。国や地域にとらわれない採用は、エンジニアやデザイナーにとどまらず、バックオフィスの中途採用にも広がっており、プロダクト開発に必要不可欠な人材を継続的に獲得していくための手段としてのみならず、組織に多様な文化や価値観をもたらす手段としても、大きな役割を担っております。
採用は当社にとっての積極投資領域です。引き続き、採用施策や戦略に関する様々な挑戦と改善を積み重ねながら、採用力の強化に取り組んでまいります。
(4) 個の学びと組織としての成長
優秀な人材の採用に加え、従業員一人ひとりが学び続け、組織として成長していくことが、当社の企業理念を永続的に実践していく上で必要不可欠であると考えており、個の学びを加速するための様々な機会提供を行っております。この学び続ける精神は、当社の共通行動指針であるHENNGE WAYにも、「Be a learnaholic」と掲げられています。コンプライアンス研修やマネジメント研修などといった全社共通の機会提供に加え、特定のソフトスキルやハードスキルであったり、個別のトピックに関する研修やワークショップを提供しており、原則、部門または個人による手挙げでの参加を前提とすることで、各人の担当業務や役割、直面している課題に直結するような、効果的な学びの機会の提供を目指しております。
特に英語に関しては、世界中から集まる多様な仲間達と役割を超えて協働していくための必須スキルとして捉え、幅広い学習支援を提供しており、全社の英語力は順調に向上しております。2021年には、実践的な言語力の指標であるCEFR-Jを当社の英語力評価基準として採用し、東京外国語大学 投野 由紀夫教授の監修のもと、当社内の具体的な業務やコミュニケーションの場面を想定したCan do(英語を用いて、どのようなことができるのか)を示す「CEFR-J HENNGE Descriptor」を策定しております。高い英語力を有する人材の採用獲得力強化、そして社内の英語力向上におけるインセンティブ付与を目的として、英語力を昇格要件に加えたり、英語手当(年間12万円から156万円)を設けるなど、全社のさらなる英語力向上に向けて、包括的な取り組みを行っております。
このような定型的な学習機会の提供に加えて、コーチングサービスの提供や、Fail Fail Fail LT Night(各々の失敗と学びをライトニングトークで共有し合い、組織としての学びに繋げるイベント)の開催など、非定型的な学習や気付きの機会の創出にも、積極的に取り組んでおります。
(4) リスク管理
当社グループは、事業を推進するうえでリスクが伴うことを認識し、これを適切に評価、コントロールすることに努めております。また、当社グループにおいては、リスクを単に回避すべき負の影響だけを生じさせる性質のものではなく、事業成長を促す機会であると捉え、リスクと機会の両側面を適切に評価したうえでコントロールしていくことが重要であると考えており、業務分掌規程、組織規程及び権限規程等の社内規程で定めるプロセスに従い、各事案のリスク及び機会を識別・評価しております。
(5) 指標及び目標
① 「テクノロジーの解放」
当社グループが獲得する契約の総価値、すなわちLTV (Life Time Value)で表せると考えております。LTVは、ARR、売上総利益率、平均契約年数、これら3つの値の積で算出することができます。2024年9月期末現在、売上総利益率は84.1%と高い水準を維持しており、HENNGE Oneの直近12か月の平均月次解約率0.54%から算出する理論上の平均契約年数も高い水準を維持しております。そのため、現在はARRの最大化に努めることで、LTV最大化を目指しております。2024年9月期末のARR及び各種KPIにつきましては、本書「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。2025年9月期中にHENNGE One のARRを100億円以上、そして2029年9月期でのグループ全体のARRを200億円にすることを目標としております。
② 人的資本に関する取り組み
当社が、持続的な事業成長を実現する上で特に重要視している「多様性の確保とインクルージョン」、「One HENNGEとして、価値と勝ちにこだわるコラボレーション」、「質量ともに妥協しない採用」、そして「個の学びと組織としての成長」という4つのテーマにおける状況と、取り組みの進捗を確認するために、人や組織に関する様々な指標を観測しております。
「テクノロジーの解放(Liberation of Technology)」という当社の企業理念に基づいた事業を通して、より良い社会作りに貢献していくということに加えて、コアバリューを共有する多様な人材が、共通の目的に向かって活発にコラボレーションし、圧倒的な価値を共創しているという組織状態を目指して、人的資本に関する挑戦的な取り組みを続け、その中で当社に蓄積される多くの失敗と学びを、企業や社会に幅広く還元していきたいと考えております。
*1 当社の営業日数に対する、従業員が出社や外出を通して同僚やお客様などと対面コミュニケーションを取った業務日数の比率です。
*2 有給休暇取得率および育児休業関連の指標は、厚生労働省による指針に基づき、指定の集計基準に該当する労働者(パートタイマーを含む)を対象に、指定の方式を用いて算出しています。
*3 当社は職能資格制度を導入しており、一定以上のジョブグレードにおいてはリーダーシップの発揮が求められる設計になっています。ここでは、リーダーシップの発揮が求められるジョブグレードを上位ジョブグレード、それらより下位に位置するジョブグレードを下位ジョブグレードと表現しています。
*4 教育費として計上される研修などには一部、パートタイマーも参加可能なものも含まれます。また、英語学習プログラムはパートタイマーも利用可能となっており、英語関連教育費および英語学習プログラム利用者数は、パートタイマーも含みます。