2025年10月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 1,389 100.0 174 100.0 12.6

3【事業の内容】

(1)ミッション

当社は、少子化や慢性的な労働力不足に直面する教育業界において、「『教える』をなめらかに~みんなの“かわる”に寄り添う~」をミッションに掲げ、教育現場における本質的な価値創出を阻害する構造的課題の解決を目指しております。

現在の教育現場では、講師等(注1)が煩雑なバックオフィス業務に追われ、生徒一人ひとりと向き合う時間や心理的な余裕が不足しているという課題があります。当社は、学習塾を中心とする教育事業者等(注2)が抱えるアナログな業務プロセスを、教育事業者等向けSaaS(注3)型業務管理プラットフォーム「Comiru」及び「BIT CAMPUS」を通じてデジタル化(DX)(注4)することで、現場の生産性を向上させております。これにより、講師等が本来の価値である「教える時間」に専念できる環境を創出しております。

2025年1月に迎えた創業10周年を契機として、当社は創業当時からのビジョンをさらに進化させ、ミッションを「『教える』をなめらかに~みんなの“かわる”に寄り添う~」へと刷新いたしました。これは、業務の効率化という「手段」の提供に留まらず、教育を通じて生徒、保護者及び講師等のステークホルダーの皆様にポジティブな変化をもたらすという価値へのコミットメントを明確にしたものです。

当社は、「教える」という行為の本質は、講師等と生徒の関係性にあると考えています。このミッションのもと、学習塾領域で培った知見を習い事教室や学校領域へと横断的に展開し、教育に関わる全ての人の可能性を最大化する「教育プラットフォーム」の構築を推進してまいります。

なお、当社の事業は、教育事業者等向けSaaS型業務管理プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

 

(2)サービス概要

当社は、学習塾を中心とする教育事業者等のバックオフィス業務における生産性向上及び、教育の質の根幹となるコミュニケーションの最適化を実現するSaaS型サービスを開発・提供してまいりました。

中核サービスであるSaaS型業務管理プラットフォーム「Comiru」(2015年12月リリース)は、教育事業者等の煩雑なバックオフィス業務の効率化のみならず、保護者との円滑なコミュニケーションをデジタル化し強化する機能を有しております。

当社は「Comiru」を基盤とし、顧客の多様なニーズに応えるべく、以下のとおり、機能拡充とサービス領域の拡大を推進してまいりました。

機能拡張サービス

2020年には、「Comiru」と連動する形で、オンライン授業および自宅学習の支援に特化した「ComiruAir」、並びに講師等の労務管理・コミュニケーションを支援する「ComiruHR」をリリースし、教育現場のデジタル化を多角的に支援する体制を構築しました。

M&Aによる顧客基盤の承継

2024年5月には、株式会社ティエラコムより、長年の実績を有する学習塾経営支援システム「BIT CAMPUS」の事業を承継しました。これにより、強固な顧客基盤を獲得するとともに、幅広いユーザーニーズに対応する体制を強化しております。

フィンテック領域への展開

2025年1月には、教育事業者等の大きな経営課題である請求・決済業務を効率化する「ComiruPay」をリリースしました。本サービスは、利便性の向上を通じて既存顧客の利便性を高めるだけでなく、決済手数料を通じた新たな収益源の構築と、スイッチングコスト(他社サービスへの乗り換え障壁)の向上に寄与しております。

これらのサービス群を有機的に連携させることで、教育事業者等の経営効率化を全般的に支援する「教育プラットフォーム」としての価値提供をさらに加速させてまいります。

各サービスの収益モデルは以下のとおりです。

サービス名

プラン名

初期費用

月額費用①

(単価)

月額費用②

(基本料金)

追加料金

30,000円

(教室単位)

300円/生徒

応相談

500円/生徒

 

30,000円

(教室単位)

3,000円~

(3,000分)※

500円

(500分)

 

300円/講師

決済手数料

58円/件

500円

(教室単位)

口座登録手数料250円/件

 

100,000円

(法人単位)

858円/生徒

※分数カウントは参加生徒と講師全ての利用時間の合算となります(例:60分の授業に講師1人、生徒3人参加の場合は240分利用)。

 「Comiru」サービスの収益モデルは、教育事業者等がサービス導入時の初期費用、及びその後利用生徒ID数×ID単価に応じた月額費用によって構成されております。

 

① SaaS型業務管理プラットフォーム「Comiru」

バックオフィス業務の効率化及び保護者とのコミュニケーション強化のために、教育事業者等に活用して頂くSaaS型サービスです。教育事業者等における利用生徒のID数に応じて利用料を頂戴しております。

教育事業者等は、以下の機能を活用することにより、バックオフィス業務に費やした作業時間や関連コストの削減が期待できます。また、各種経営数値を迅速に集計することができるようになり、早期の意思決定ができるようになります。

さらに、教育事業者等は、「Comiru」を通じて保護者向けには生徒の教育事業者等での勉強の様子や進捗、今後の学習計画、及び教育事業者等からのお知らせ等を従来の手紙配布よりもタイムリーに配信することが可能となり、保護者満足度の向上に繋がることが期待できます。

本書提出日現在において、「Comiru」は、教育事業者等の事業規模、利用されたい機能に応じて、「Comiru FREE」、「Comiru BASIC」及び「Comiru PRO」の3プランを提供しております。「Comiru FREE」に関しては、デジタルツールを初めて導入する教育事業者等向けに提供する無料のサービスであり、Web申込み(エントリーフォーム)の作成、見込み顧客管理、口コミ収集&掲載などの生徒集客機能にフォーカスしたサービスです。「Comiru PRO」に関しては、大手教育事業者等向けに基幹システムの機能を提供するサービスであり、一般的に在籍生徒・契約情報・問い合わせ数、請求情報、退塾数、弟妹通学率など、多岐に渡るデータを各教室で保有・管理していましたが、全データを1つのサービスで包括的に本部が一元管理することで、各教室のデータをリアルタイムで集計することが可能となりました。その結果、教室間での数値比較を通じて、状況の芳しくない教室のフォローが可能となります。

これらにより、導入教育事業者等における業務時間の短縮と運営コストの低減、経営の意思決定の迅速化、及び保護者とのコミュニケーション強化による満足度の向上を実現することが可能となります。

●コミュニケーション機能:

専用アプリ&LINE連携

専用アプリやLINEとの連携で教育事業者等からの連絡・共有事項を保護者のスマホに直接伝達

指導報告書・お知らせ

テンプレートを使うことで、品質を落とすことなく手書きよりも早く簡単に指導報告書やお知らせを作成することができるほか、保護者の既読や未読等の閲覧状況も確認可能

入退室管理

教育事業者等による機器購入費やカード発行費は不要、生徒の入室・退室の情報を自動的に記録し、保護者と共有

面談予約記録・管理

入会時の面談や講習会前の面談など、保護者・生徒と実施した面談内容を記録・管理

●業務改善機能:

請求書

教育事業者等から保護者に送付する毎月の請求書を自動で作成。入金状況の確認や未入金の再依頼も対応可能

口座振替

保護者が授業料等の支払いをインターネット経由で口座引落しに設定した場合、教育事業者等から決済銀行への支払手数料を決済(注5)。教育事業者等と保護者の双方にとって面倒な書類の手続きも不要で、オンラインで完結

成績管理

生徒ごとのテストの結果をデータ管理。保護者にテスト結果のデータを報告することも可能。保護者による生徒の学校成績等の直接入力も可能であり、面倒な学校のテスト結果等の回収作業も容易

カード決済

クレジットカード決済にかかる決済代行業者等への支払手数料を最低1.7%(注6)で提供。これにより、教育事業者等が決済代行業者等と個別契約を締結する場合よりも安価な手数料水準でクレジットカード決済を導入可能。また、教育事業者等は請求書機能との連動で簡単に請求・管理することが可能

座席管理

授業のコマ管理をサポート。季節講習も座席自動配当でより教育事業者等の業務負担を軽減

分析

保護者のお知らせや指導報告書の閲覧情報、生徒の遅刻・欠席、学習進捗及び宿題の提出状況等の利用状況を詳細にデータ化。教育事業者等へのアラート機能の設定により、退会傾向のある生徒を早期に発見し、ケアすることが可能

学習進捗管理

各学習計画・科目、教材ごとの学習時間やその進捗を管理し、学習計画に関して講師と保護者・生徒のコメントのやり取りが可能。

共同購買

コピー用紙や文房具など教育事業者が教室運営に必要な各種備品を大手備品サプライヤーと連携して、割引価格にて購入できる。

●生徒集客管理機能:

見込み顧客管理

見込み顧客情報のデータベース化やステータス及びアクション管理が可能

口コミ収集&掲載

入会の決め手となる口コミを従来の手書きの口コミや講師の聞き込みによる方法よりも効率的・効果的に収集及び掲載することが可能

Web申込み

ホームページに申込フォームを設置することで電話のやり取りを介さず、見込み顧客への対応が可能

 

② オンライン授業・自宅学習支援サービス「ComiruAir」

オンライン授業及び生徒の自宅学習をサポートするSaaS型サービスです。教育事業者等における利用教室数及び利用時間に応じて教育事業者等から利用料を頂戴しております。

通常のWeb会議ツールの場合、個別生徒に合わせた画面共有やコミュニケーションが難しく、授業前後の連絡や報告も別システムを利用する必要があります。この課題に対し、教育事業者等は「ComiruAir」の以下の機能の利用及び「Comiru」との機能連携により、オンライン授業の利用だけではなく、授業の前後の業務をオンライン化することができ、より効率的なオンライン学習運営を実施することが可能となります。授業自体も生徒それぞれに合わせた画面共有やコミュニケーションが可能となり、講師等と生徒が1対1の個別指導に近い環境を実現することができます。また、生徒の自宅学習のサポートとして、動画コンテンツの視聴履歴の記録や理解度テスト、問題集の質疑応答も「ComiruAir」を通じて応対することが可能となります。

 

●オンライン授業機能:

個別対応

特定の生徒を指定して、その生徒のみと会話や画面共有、講師側からの音声切替等を行うことが可能

レッスン通知

教育事業者等でレッスン作成時に、生徒個別に授業のURLを送る必要なく、自動で生徒へ通知

オンライン面談

保護者面談の予約と実施及び記録は、全てオンライン上で実施

●自宅学習支援機能:

学習支援ルーム

生徒自宅学習時の質疑応答もオンラインで対応可能。また、対応履歴は保護者にも通知

動画レッスン

動画コンテンツを指定した生徒のみに視聴させ、視聴履歴の記録や理解度テストも実施可能

 

③ 講師等の労務管理・コミュニケーションサービス「ComiruHR」

講師等のシフト調整、給与労務の集計、及びこれらに関連するコミュニケーションを効率的に行うSaaS型サービスです。教育事業者等における利用講師等ID数に応じて利用料を頂戴しております。

教育業界の勤務形態に最適化されていない一般的な勤怠管理ツールの場合、教育事業者等に特有の授業種類別、作業種類別の賃金体系や授業時間と連動したシフト調整が難しく、アナログな集計・調整作業が必要となります。「ComiruHR」の以下の機能を利用することにより、他社の勤怠管理ツールではフォローしきれない講師等の勤怠管理や給与管理への「ComiruHR」による一元管理が可能となります。

●労務管理機能:

シフト管理&教室入退室管理

講師等のシフト集計から、授業単位での出勤記録、一日複数回の出退勤、事務作業時間記録などの教育事業者等特有の勤務体系に対応

講師等の給与計算のアシスト

コマ給、時間給等の学習塾特有の給与形態に合わせて給与計算の基礎となる支給額を自動で算出し、社会保険料や各種税金などの控除額を別途算出していただくことで、給与明細への反映や電子で送付可能

講師等連絡

講師等への連絡もスマートフォンから簡単送信。既読/未読が確認可能

 

④ 請求・決済管理サービス「ComiruPay」

教育事業者等の請求・決済業務を効率化するComiru独自の口座振替サービスです。教育事業者等における授業料・利用料等の集金件数に応じて利用料を頂戴しております。

塾・スクール運営において、毎月の請求業務は欠かせません。しかし請求業務には、請求書類の作成や手書きの申込書の記入、金融機関への届出といった煩雑な手続が多く、重い事務作業負担が課題となっています。また口座振替等の集金手数料は、1件1件は少額でも塾・スクール運営においては毎月相応の負担となります。

集金代行業者と提携したサービス提供により教育業界最安値水準の手数料を実現した「ComiruPay」をご利用頂くことで、決済コストの大幅な削減及び教育事業者の事務作業負担の軽減が可能となります。

●「ComiruPay」により解決できること

手数料コストの削減

業界屈指の決済手数料の安さを実現、塾・スクール運営にかかる決済コストを大幅に削減し、教育事業者等の成長を力強く後押し

保護者の口座登録の負担軽減

24時間いつでもスマホやPCから口座登録手続を完了できるため、金融機関への書類提出等の手間が一切不要。時間や場所を選ばずに手続を進められるため、忙しい保護者の満足度向上にも貢献

請求業務の効率化

請求書作成や未収対応などの手間を減らし、事務作業時間を大幅に削減。手入力ミスも防ぎ、講師等は生徒指導や保護者対応といった本来の業務に集中

 

 

⑤ 学習塾経営支援システム「BIT CAMPUS」

学習塾の営業支援及び業務効率化をサポートするSaaS型サービスです。教育事業者等における利用生徒のID数に応じて利用料を頂戴しております。

学習塾が事務支援機能を活用することで、講師を重い事務作業から開放されることを期待できます。また、営業支援機能を活用することで、各種営業活動や意思決定が効率的に行うことができます。

 

<事業系統図>

 

(3)「Comiru」サービスの特徴

① 教育業界に特化したサービスのUI/UX(注7)

教育業界の業務管理の特性、あるいは煩雑さから業界横断型のSaaS型サービスでは、最適な管理が難しく、UI/UX面において、改善の余地が残っている状況です。

当社は、教育業界に特化したサービスであり、とりわけ教育業界の中でもバックオフィス等の業務が煩雑である学習塾業界にフォーカスして、サービスのUI/UXを進化し続けてまいりました。

具体的には、当社代表取締役の栗原慎吾をはじめとする社内の学習塾経営経験者の知見に基づき、教育事業者の運営に最適な業務プロセスと各種機能や帳票のフォーマットを洗い出し、サービス化してまいりました。また、サービスローンチ後も、開発部門やカスタマーサクセス部門等を中心に、教育事業者等からの要望や改善要請を常にヒアリングし、絶えずアップデートし続けてきました。その結果、サービスローンチ当初は指導報告書の1機能のみの提供から、2025年10月末現在で教育事業者等の運営に必要な15機能まで拡大し、当社サービスの月間解約率は0.6%(2025年10月末現在)に留めることができました。

② 教育事業者等の要望等に合わせたスピーディ且つ安定的な開発の実現

今日のデジタル経済の急速な発展により、様々な業界において、これまで作業効率化の手段であった情報システムが、重要な経営戦略の実現手段の一つとなりつつあります。これによりシステム開発は、コストパフォーマンスだけでなくタイムパフォーマンスも重要視されるようになり、当社では、少人数かつ短期間で情報システムを開発できるアジャイル手法(注8)を採用しております。

一般的にアジャイル手法は、ウォーターフォール型(注9)と呼ばれる従来型の手法と比較して、業務分析や要件定義等の上流工程に関する手法が定義されていません。このため、ウォーターフォール型と比較して、プロジェクトの管理が困難であることから、国内企業においては広く活用されていないのが現状です。

国内のシステムインテグレーター(注10)が提供する受託開発サービスの多くは、ウォーターフォール型のスクラッチ開発(注11)で実施されることが多く、アジャイル手法を活用する場合でもスクラッチ開発が採用されています。これは国内のシステムインテグレーターのほとんどが、これまでの豊富なシステム開発経験をもとに、ゼロから情報システムを作り上げるスクラッチ開発の膨大なノウハウを蓄積し、それらを活用したシステム開発を実施していることが要因であると考えられます。

当社では、教育事業者等からの要望や改善要請のヒアリングを常に行い、当社サービスに欲しい機能や足りない機能などの情報収集を欠かさず、その要望等をスピードとテストを重視したアジャイル手法による開発で、且つアジャイル手法に不足している上流工程とテスト工程の作業を標準化した安定的なアジャイル手法によるシステム開発を実現しています。

③ 教育業界における業務効率化・コスト削減及び売上向上への貢献

教育事業者等が「Comiru」を導入することにより、保護者への連絡や請求、授業編成等のバックオフィス業務にかかる作業時間を削減することができ、請求書の送付、口座振替及びクレジットカード決済費用等の支出の削減も期待できます。

また、教育事業者等の講師等は、上記業務効率化により捻出された時間を生徒への授業や、保護者とのコミュニケーションの活性化等の時間に充当することが可能となり、その取り組みにより、生徒及び保護者が教育事業者等に対して満足度の向上や信頼関係が構築され、生徒の継続学習期間の延伸、退塾率の低減が期待できます。

④ 教育事業者等に寄り添った価格設定とAPI化(注12)によるシステムの拡張性

従来の教育事業者等においては、個社ごとに独自のシステムを開発するしかありませんでした。しかし、独自のシステム開発は多額な開発コストとメンテナンスコストがかかり、IT投資の体力が限られる教育事業者等にとって、大きな負担となっていました。また、独自のシステム開発自体が難しい規模の企業においては、市販のソフトウェアにアナログのプロセスを加えて補う運用がなされてきました。こうした市販のソフトウェアは、価格的に安いものではなく予算の限られる学習塾には広く普及していなかったのが実情です。

当社は、「Comiru」サービスを幅広い教育事業者等に利用して頂き、業務効率化を図って頂くために、生徒1名につき1IDを付与し、月額300円/ID(「Comiru BASIC」プラン利用時)とし、小規模の教育事業者等でも利用しやすい価格設定となっております。

また、教育事業者等の社内業務のための独自のシステムやソフトウェア開発にかかる負担軽減及び当社サービスの導入ハードルの抑制のために、「Comiru」サービスの各機能をオープンAPI化しております。これにより、教育事業者等が自社の業務プロセスに合わせて、必要な部分のみ当社サービスを取り入れることができ、カスタマイズ開発を従来よりも簡単に行うことができます。

(4)「BIT CAMPUS」サービスの特徴

「BIT CAMPUS」は、学習塾業界に特化したサービスであり、大手学習塾の営業支援及び事務処理のノウハウを活かし、直感的で使いやすいUI/UXを提供しております。これにより、教育事業者等は、講師等を煩雑な事務作業から解放し、営業活動や意思決定を効率的に行うことができるとともに、教育成果の向上や経営の効率化を実現し、事業成長をサポートしております。

具体的には、「BIT CAMPUS」は以下のような機能を提供しています。

営業支援機能

顧客管理や営業活動の効率化を図るためのツールを提供し、営業担当者がより効果的に業務を遂行できるようサポート

事務処理自動化

出席管理や成績管理、請求書発行などの事務作業を自動化し、講師やスタッフの負担を軽減

データ分析機能

学習塾の運営に必要なデータを収集・分析し、経営判断をサポート。これにより、より効果的な教育プログラムの開発やマーケティング戦略の立案が可能

また、「BIT CAMPUS」はセキュリティ面でも優れており、個人情報の保護やデータの安全性を確保しており、教育事業者等は安心してシステムを利用することができます。さらに、導入後のサポート体制も充実しており、専任のサポートチームが迅速かつ丁寧に対応していることから、システムの導入から運用までスムーズに進めることができます。

以上の特徴を踏まえ、「Comiru」と「BIT CAMPUS」は、それぞれ異なる強みを持つことで、学習塾を中心とする教育事業者等の多様なニーズにきめ細かく対応し、成長をサポートしております。「Comiru」は、コミュニケーションと業務管理の一体化により、教室運営の効率化と生徒・保護者との連携強化を追求する事業者様に最適です。一方、「BIT CAMPUS」は、長年の学習塾運営のノウハウを基に開発されたシステムであり、特に学習塾経営のノウハウの獲得やWebテストを重視する事業者様にご支持を頂いております。

当社は、これらのサービスを独立して展開することで、各教育事業者等の状況や課題に合わせた最適なソリューションを提供することを可能としています。これは、単一のサービスでは捉えきれない、教育業界特有の複雑なニーズに応えるための戦略であると考えております。

この事業戦略の有効性を示す重要な指標として、以下の経営指標を注視しております。これらの指標は順調に推移しており、当社の成長を裏付けていると考えております。

 

項目

事業年度

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

有料契約企業数(社)

2024年10月期

1,349

1,423

1,634

1,689

2025年10月期

1,731

1,806

1,890

1,939

課金生徒ID数(千ID)

2024年10月期

354

360

426

444

2025年10月期

459

453

485

505

ARPU(円)(注13)

2024年10月期

51,516

49,615

54,476

54,365

2025年10月期

55,160

50,858

52,061

51,816

ARR(千円)(注14)

2024年10月期

833,954

847,228

1,068,173

1,101,862

2025年10月期

1,145,780

1,102,202

1,180,738

1,205,649

広告宣伝費/売上高比率(%)

2024年10月期

4.2

4.2

5.0

4.5

2025年10月期

3.2

3.9

3.8

4.9

顧客の解約率(%)

(注15)

2024年10月期

0.4

0.5

0.4

0.4

2025年10月期

0.4

0.5

0.6

0.6

売上総利益(千円)

2024年10月期

171,835

352,306

559,409

797,592

2025年10月期

263,010

527,416

781,207

1,044,392

営業利益率(%)

2024年10月期

5.3

5.0

3.9

6.8

2025年10月期

18.4

17.2

15.9

12.6

(注)1.「講師等」とは、学習塾や予備校の教員や教育機関の講師の他、講義を行う主体全般を指します。

2.「教育事業者等」とは、学習塾や予備校といった学習支援機関や教育機関の他、教育に携わる主体全般を指します。

3.「SaaS」とは、「Software as a Service」の略称で、IDを発行されたユーザー側のコンピュータにソフトウエアをインストールするのではなく、ネットワーク経由でソフトウエアを閲覧する形態のサービスです。

4.「DX」とは、「Digital Transformation」の略称で、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」(「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)Ver.1.0」経済産業省、2018年12月)を指します。

5.支払手数料は決済銀行に教育事業者等から直接支払いを行うため、当社の収益への計上はされておりません。

6.クレジットカード支払手数料に関しては、クレジットカード決済機能を利用する教育事業者等から決済代行業者等に支払われる手数料であり、当社の収益への計上はされておりません。

7.「UI/UX」とは、UIは「User Interface」の略称で、デザインやフォント、コンピュータシステムあるいはコンピュータプログラムと人間(ユーザー)との間で情報をやり取りするための方法、操作、表示といった仕組みの総称です。UXは「User Experience」の略称で、製品やサービスの利用を通じて得られる体験の総称です。

8.「アジャイル手法」とは、現在主流になっているシステムやソフトウェアの開発の手法のひとつであり、要件定義、設計、開発、テストといった開発工程を機能単位の小さなサイクルで繰り返す手法のことです。

9.「ウォーターフォール型」とは、1970年代に提唱された、大規模なシステム受託開発を行う場合の作業の流れのことであり、日本のシステム受託開発において主流となっている手法です。具体的には、まず作りたいソフトウェアの要求を全て定義して合意し、それを基に設計を全て行い、それに基づくプログラムを全て製造し、最後にそれらが正しく動作するかを検証する手法です。この手法は、作りたいソフトウェアの要求を最初に全て決定する必要があるため、要件定義後に発生する要求の変更に対応することができません。このためこの手法では、昨今の急速な社会環境の変化や技術の進化による要件の変化や新規追加に対応することが難しくなっています。

10.「システムインテグレーター」とは、主として情報システムの開発、運用などの業務をシステムのオーナーとなる顧客から一括して請け負う企業のことです。

11.「スクラッチ開発」とは、一般的に製品を開発する際に、すでに存在する何かを土台とせずにゼロから新たに作り上げることを指します。情報システム開発においては、システム全体をゼロから手作業でプログラミングを行うことで、新規に作成する、あるいは作り直すことを指します。

12.「API」とは、「Application Programming Interface」の略称で、ソフトウェアの機能を共有する仕組みであり、異なるサービスをAPIで連携することで、ユーザーの承諾のもとサービス間でのユーザーデータの共有等が可能となります。

13.「ARPU」とは、「Average Revenue Per User」の略称で、四半期末(期末)の「MRR」を有料契約企業数で除して算出。「MRR」とは、「Monthly Recurring Revenue」の略称で、対象月の月末時点における顧客契約プランの月額利用料の合計額(一時収益は含みません)です。

14.「ARR」とは、「Annual Recurring Revenue」の略称で、四半期末(期末)時点の「MRR」を12倍して算出しております。

15.「顧客の解約率」は、「月中に解約した有料契約企業数÷前月末時点での有料契約企業数」の月間解約率をベースとした直近12か月の平均月次解約率です。

16.「課金生徒ID単価」は、2024年10月期第2四半期より営業戦略上の観点から非公開としております。

17.上記経営指標の2024年10月期第3四半期より、吸収分割により承継した「BIT CAMPUS」サービスの実績が含まれております。

業績状況

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。

 

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態の状況

(資産)

当事業年度末の資産については、総資産が1,242,778千円となり、前事業年度末と比較し172,192千円の増加となりました。

流動資産の残高は、前事業年度末に比べ145,259千円増加し、998,508千円となりました。主な増減内訳は、「Comiru」の販売拡大に努めた結果、売上が増加し売掛金が12,428千円、現金及び預金が142,942千円増加したことによるものであります。

固定資産の残高は、前事業年度末に比べ26,932千円増加し、244,270千円となりました。主な増減内訳は、繰延税金資産の計上等により投資その他の資産が21,896千円増加したことによるものであります。

(負債)

当事業年度末の負債については、367,079千円となり、前事業年度末と比較し19,884千円の増加となりました。

流動負債の残高は、前事業年度末に比べ55,308千円増加し、296,193千円となりました。主な増減内訳は、返済期日到来に伴い1年以内返済予定の長期借入金が45,000千円減少した一方で、事業拡大に伴う支出の増加などにより未払金が44,374千円、新規借入により短期借入金が22,500千円増加したことなどによるものであります。

固定負債の残高は、前事業年度末に比べ35,424千円減少し、70,886千円となりました。その増減内訳は、長期借入金の返済によるものであります。

(純資産)

当事業年度末の純資産については、875,698千円となり、前事業年度末と比較し152,308千円の増加となりました。主な増減内訳は、新株予約権の行使に伴い資本金が4,690千円、資本準備金が4,690千円増加したことや当期純利益の計上により繰越利益剰余金が138,756千円増加したことによるものであります。

② 経営成績の状況

当事業年度におけるわが国の経済は、雇用環境の改善が見られる一方、米国の通商政策や物価高に起因する実質購買力の低下懸念から、先行きは不透明な状況が続いております。家計の防衛意識の高まりは、教育支出における費用対効果への意識をより一層高めており、学習塾等の教育事業者には、選ばれるためのより高い付加価値の提供が迫られております。

教育業界においては、少子化と慢性的な労働力不足に加え、市場環境の変化に対応するため、ICT活用による生産性向上とサービス差別化が喫緊の経営課題となっております。また、政府の「GIGAスクール構想」による端末普及が一巡し、教育現場のDXは「導入」から「利活用・定着」の実践フェーズへと移行しました。AIやIoTを活用した個別最適化された学習環境の提供や、業務効率化による労働生産性の改善は、教育事業者が安定的な教室運営と持続的な成長を実現するための不可欠な要素として、その重要性が増しております。

このような状況のもと、当社は、「『教える』をなめらかに~みんなの“かわる”に寄り添う~」をミッションに掲げ、先生、生徒、保護者をはじめとする全てのステークホルダーの関係性を豊かにし、誰もが成長し合える社会(世界観)の実現を目指しております。このミッションに基づき、当社は学習塾を中心とする教育事業者が、煩雑なバックオフィス業務から解放され、本質的な価値である「教える」ことに専念できるプラットフォーム「Comiru」を主軸として事業を展開しております。今後も、この世界観を社会に実装し続けるため、更なる顧客基盤の拡大および顧客エンゲージメントの深化を図り、既存機能の磨き込みとともに、市場ニーズに即した新機能の開発・実装を推進してまいります。

当事業年度においては、主力であるSaaS事業の持続的な成長と、サービスラインナップの拡充による提供価値の向上に注力しました。中核サービスである「Comiru」においては、効果的なマーケティング投資により中小規模の学習塾を中心とした新規顧客獲得が奏功し、有料契約企業数は1,939社(前年同期比14.8%増)へと拡大、安定した顧客基盤の拡大が継続しております。また、2025年1月にリリースした新サービス「ComiruPay」は、教育事業者の課題である決済業務の効率化と手数料負担の軽減といったニーズを的確に捉え、当事業年度末時点の申込社数は405社に達するなど、垂直的な立ち上がりを見せております。現時点での収益貢献は限定的ではありますが、この力強い導入ペースは、本サービスが他社との構造的な差別化要素として、主力サービス「Comiru」の導入促進及び解約抑止に資する重要な戦略的役割を担いつつあることを示唆しているものと考えております。

事業の先行指標となる課金生徒ID数については、既存顧客基盤の拡大に加え、夏期講習等に伴う季節的な需要増も寄与し、505千ID(前年同期比13.6%増)へと順調に増加し、これに伴いARRは1,205,649千円(前年同期比9.4%増)へと伸長しております。四半期ごとの推移においては、5月から6月にかけて新年度の入塾が一巡したことに伴う一時的な落ち着きが見られましたが、これは学習塾業界固有の季節性によるものであり、想定の範囲内で推移しております。7月以降は夏期講習に向けた生徒募集が本格化したことで再び成長軌道へと回帰しており、こうした短期的な季節変動を吸収しつつ通期を通じてKPIの拡大基調を維持しました。今後も、短期的な指標の変動に左右されることなく、顧客への提供価値向上を通じて、教育業界におけるリーディングカンパニーとして持続的な成長を実現してまいります。

教育事業者のDX進展を追い風に、当社は教育業界における存在感の向上を図っております。教育事業者等向けSaaSで培った豊富なノウハウを活かした「ComiruERP」への需要拡大に加え、既存顧客へのアップセル・クロスセルのみならず、習い事領域への展開を加速させており、新たな顧客層の開拓と事業領域の拡大を図り、教育業界におけるプラットフォーマーとしての基盤を強化してまいります。

顧客基盤別の取り組みとしては、以下のとおりであります。

(学習塾領域)

学習塾領域において、中小規模の学習塾向けに開催している経営セミナーが平均参加者数200名以上と好調に推移しており、これが新規顧客獲得の強力な牽引役となっております。Web広告等においてもPDCAサイクルを徹底することで、広告宣伝費を売上高の4.9%という低水準に抑制しつつ高い商談化率を維持しており、高効率な顧客獲得モデルを確立しております。

一方、大手学習塾においては、「ComiruPRO」の導入と基幹システムとの連携等の有償開発を組み合わせたソリューション提案に加え、「ComiruERP」への引き合いが前事業年度から継続して増加しております。進捗としましては、前事業年度からの継続案件を含め、現状21社と商談を進め、9社から受注、内2社が課金開始に至っております。これらの高単価案件は、リードタイムを要するものの、導入後は強固な収益基盤となるため、将来的なARPUを押し上げる重要なドライバーとして注力しております。

また、「BIT CAMPUS」においては、既存顧客へのサービス提供体制を維持しながら、開発体制の内製化によるコスト構造の最適化に注力し、事業としての収益性の確保に努めております。

(習い事領域)

学習塾以外の習い事領域(英会話教室、プログラミングスクール、書道教室等)においては、活用事例の共有や業界特化型のセミナーの開催等の戦略的なマーケティング施策が奏功し、新規顧客の獲得が加速しております。結果として、当領域の有料契約企業数は286社(前年同期比79.9%増)へと飛躍的に伸長しました。この高い成長率は、当社のSaaSプロダクトが特定の教育形態にとらわれず、幅広い教育サービスに適用可能であることを示唆しており、事業領域の多角化と成長機会の創出を推進しております。

(学校領域)

公教育の学校領域においては、2024年度に続き、2025年度も八千代市、習志野市、及び大阪市教育委員会において、部活動地域移行に関するコミュニケーションツールの提供を継続しております。これらに加え、当事業年度においては、千葉県印西市や栄町と新たに連携協定を締結し、GaaS(注)領域での展開が進展しました。

さらに、千葉県教育委員会の「業務改善DXアドバイザー配置事業に関する業務委託」プロジェクトにおいて、引き続き受託者である株式会社マイナビの専門アドバイザーとして、各市町村及び対象校の校務DX化推進を支援しております。これらの取り組みは、即座に収益に直結するだけでなく、公教育現場における信頼とブランド価値を醸成するものであり、将来的なBtoG(行政向け)ビジネスの基盤構築に寄与するものと考えております。

「Comiru」は、安定的な収益が見込めるサブスクリプション型のリカーリングモデルであり、また顧客である教育事業者等の生徒集客がID数増加を牽引するビジネスモデルでもあります。これらの特性を踏まえますと、持続的な成長には、新規顧客の獲得に加え、既存顧客からの追加ID獲得が重要であり、そのためには顧客ニーズに即した魅力的なプロダクトを提供し続ける必要があると考えております。従いまして、システム開発及び営業体制の強化を目的とした人件費への投資、並びに新規商談数獲得や認知度向上のためのマーケティング活動(広告宣伝費)への先行投資を継続的に実施してまいります。

これらの結果として、当事業年度における売上高は、「Comiru」の課金生徒ID数の着実な積み上げに加え、一部の大手教育事業者向けのカスタマイズ案件等の検収が完了し、売上計上されたことにより、1,389,448千円(前年同期比29.7%増)と力強い成長を実現しました。売上総利益については、増収効果に加え、開発部門における生産性向上の取り組みが奏功し、1,044,392千円(前年同期比30.9%増)を達成しております。利益面においては、事業拡大に伴う人件費等の増加を吸収しつつ、費用対効果を重視したマーケティング施策の徹底等により販管費率が改善した結果、営業利益は174,426千円(前年同期比138.2%増)と大幅な増益となりました。これに伴い、借入金の支払利息等の営業外費用の計上はあったものの、経常利益は172,595千円(前年同期比145.5%増)となりました。なお、特別損益においては、前述の「BIT CAMPUS」の開発体制内製化及びコスト構造の最適化の一環として、「システム移行関連費」を特別損失として計上しました。この一過性の費用負担はありましたが、高い本業の収益力がこれを吸収し、当期純利益が138,756千円(前年同期比65.9%増)となり、すべての段階利益で前年同期を大きく上回る結果となりました。これは当社の強固なストック収益基盤の上に、高付加価値サービスの提供や規律ある費用コントロールが結実した結果であり、当社の事業モデルが持つ本質的な収益性の高さを示すものであると認識しております。

なお、当社の事業セグメントは教育事業者等向けSaaS型業務管理プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

(注)「GaaS」とは、「Government as a Service」の略で、当社のような民間企業が、SaaSのビジネスモデルを活用して、地方自治体等が抱える課題解決や行政サービスのDX(デジタル・トランスフォーメーション)化を支援する取り組みを指します。

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、848,903千円となり、前事業年度末に比べ142,942千円増加しました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、213,213千円(前事業年度は61,005千円の獲得)となりました。これは主に、売上増加による売上債権の増加額11,478千円、法人税等の支払額20,906千円等があったことにより減少した一方で、税引前当期純利益145,939千円の計上や未払金の増加額42,666千円があったことにより増加したものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は21,457千円(前事業年度は87,801千円の使用)となりました。これは主に、当社事業に必要なソフトウエアの開発に伴う無形固定資産の取得による支出22,228千円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は48,813千円(前事業年度は73,160千円の獲得)となりました。これは、増加要因として、短期借入金の借入による純増22,500千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入9,219千円、減少要因として、長期借入金の返済による支出80,424千円によるものであります。

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載にはなじまないため、記載を省略しております。

b.受注実績

当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載にはなじまないため、記載を省略しております。

c.販売実績

当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2024年11月1日

至 2025年10月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

教育事業者等向けSaaS型業務

管理プラットフォーム事業

1,389,448

129.7%

合計

1,389,448

129.7%

(注)1.当社の事業区分は「教育事業者等向けSaaS型業務管理プラットフォーム事業」の単一セグメントであります。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社の財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。

② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載しております。

b.経営成績の分析

(売上高)

当事業年度における売上高は、前事業年度に比べ318,362千円増加し、1,389,448千円(前年同期比29.7%増)となりました。これは主に、主力サービスである「Comiru」の課金生徒ID数の着実な積み上げに加え、一部の大手教育事業者等向けのカスタマイズ案件等の検収が完了し、売上計上されたことによるものであります。

(売上原価、売上総利益)

当事業年度における売上原価は、前事業年度に比べ71,562千円増加し、345,056千円(前年同期比26.2%増)となりました。これは主に、主力サービスである「Comiru」のエンジニア人員及び開発にかかる外部協力者への外注費が増加した結果によるものであります。売上原価は増加したものの、売上高の増加及び開発部門における生産性向上の取り組みが奏功し、売上総利益は前事業年度に比べ246,799千円増加し、1,044,392千円(前年同期比30.9%増)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ145,614千円増加し、869,965千円(前年同期比20.1%増)となりました。これは主に、Web広告を中心としたオンラインマーケティングの拡充による広告宣伝費や、営業体制の強化による人件費の増加により販売費が99,791千円、管理体制の強化による人件費及び支払手数料等の増加により一般管理費が45,823千円増加したことによるものであります。

以上の結果、営業利益は174,426千円(前年同期比138.2%増)となりました。

(営業外損益、経常利益)

当事業年度における営業外収益は、前事業年度に比べ949千円増加し、1,045千円(前年同期比989.4%増)となりました。また、営業外費用は、前事業年度に比べ166千円減少し、2,876千円(前年同期比5.5%減)となりました。これは主に、金利の上昇に伴う受取利息の増加949千円があった一方で、前事業年度に計上していた資金調達費用1,000千円が当事業年度に発生しなかったこと等によるものであります。

以上の結果、経常利益は172,595千円(前年同期比145.5%増)となりました。

(特別損益、当期純利益)

当事業年度における特別利益は160千円(前年同期比819.5%)となりました。また、特別損失は26,816千円(前事業年度は発生しておりません)となりました。これは「BIT CAMPUS」の開発体制内製化及びコスト構造の最適化の一環として、「システム移行関連費」を計上したことによるものであります。

当事業年度における法人税等は、前事業年度に比べ20,531千円増加し、7,182千円となりました。これは主に、法人税、住民税及び事業税が11,926千円増加したこと等によるものであります。

以上の結果、当期純利益は138,756千円(前年同期比65.9%増)となりました。

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の当事業年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社の資本の財源及び資金の流動性について、当社の運転資金需要のうち主なものは、従業員の人件費、システム開発の外注費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新サービス・機能の開発、及び設備投資によるものであります。

当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、運転資金は取引金融機関と長期的な借入契約を借入の都度締結することを基本としております。

なお、当事業年度末における借入金を含む有利子負債の残高は128,810千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は848,903千円となっております。

④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について

当社の売上高は主に教育事業者等向けSaaS型業務管理プラットフォーム事業で構成されております。当該事業は毎月経常的に得られる月額利用料が売上高の大半を占めており、その積み上がり状況の指標であるARRの拡大を経営上の目標としております。その達成状況を判断するうえで、有料契約企業数、課金生徒ID数、ARPU、ARRを重要な指標としております。ARRを高めていくためには、有料契約企業数を増やしていくことが重要であると考えております。

また、当社の持続的な成長と安定的な収益を実現するために、投資効率を計る指標として広告宣伝費/売上高比率、顧客の解約率、及び売上総利益と営業利益率を重要な経営指標として確認しております。なお、各指標の推移は以下となります。

 

項目

事業年度

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

有料契約企業数(社)

2024年10月期

1,349

1,423

1,634

1,689

2025年10月期

1,731

1,806

1,890

1,939

課金生徒ID数(千ID)

2024年10月期

354

360

426

444

2025年10月期

459

453

485

505

ARPU(円)

2024年10月期

51,516

49,615

54,476

54,365

2025年10月期

55,160

50,858

52,061

51,816

ARR(千円)

2024年10月期

833,954

847,228

1,068,173

1,101,862

2025年10月期

1,145,780

1,102,202

1,180,738

1,205,649

広告宣伝費/売上高比率(%)

2024年10月期

4.2

4.2

5.0

4.5

2025年10月期

3.2

3.9

3.8

4.9

顧客の解約率(%)

(注5)

2024年10月期

0.4

0.5

0.4

0.4

2025年10月期

0.4

0.5

0.6

0.6

売上総利益(千円)

2024年10月期

171,835

352,306

559,409

797,592

2025年10月期

263,010

527,416

781,207

1,044,392

営業利益率(%)

2024年10月期

5.3

5.0

3.9

6.8

2025年10月期

18.4

17.2

15.9

12.6