事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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(単一セグメント) | 13,796 | 100.0 | 2,012 | 100.0 | 14.6 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは、当社、連結子会社3社(株式会社A Inc.、株式会社B Inc.及び株式会社C Inc.)の計4社で構成されており、一般消費者向け関連、自治体向け・企業向け関連を主な事業として取り組んでおります。
当社ならびに連結子会社の事業における位置づけ及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
(1) 一般消費者向け関連
①ライブ配信事業(株式会社A Inc.)
(ア) ライブ配信事業の概要
ライブ配信サービス「ふわっち」を提供しております。
提供しているサービス形態
「ふわっち」ではスマートフォンやPCを用いて誰でも簡単にライブの視聴、配信を行うことができます。ユーザーは、スマートフォンに搭載されたカメラ等を通じてライブ配信を行う配信ユーザーと、そのライブ配信をスマートフォンやPC等を通じてリアルタイムで視聴する視聴ユーザーに大別されます。ユーザーはライブ配信及びライブ配信の視聴を原則として無料で行うことができ、配信ユーザーによるライブ配信は「ふわっち」内で全てのユーザーが自由に視聴することができます。
視聴ユーザーはライブ配信をリアルタイムで視聴するとともに、配信中にスマートフォンやPC等の画面内に表示されるコメント欄に自身のコメントを送り配信ユーザーや他の視聴ユーザーとリアルタイムでコミュニケーションを取ることや、無料/有料のアイテムを利用することで、ライブ画面を盛り上げるエフェクトを発動することができます。当社グループにおいては、ライブ配信中に視聴ユーザーが使用するアイテムの販売が当社グループの主な収益となり、2025年3月期の当社グループ収益の約99%を占めています。
配信ユーザーは自身の行う配信において、視聴ユーザーの数や無料/有料のアイテムを視聴ユーザーからどの程度受け取ったかなどを含む配信を盛り上げたことによる報酬として当社グループからポイント(1ポイントあたり1円相当)を獲得することができます。ポイントは、ポイントでのみ獲得できる限定アイテムや他社ポイントサイトのポイント、現金(銀行振込)に交換することが可能です。当該管理につきましては、自社開発システムを用いております。
当社グループは配信ユーザーが雑誌等の媒体への出演権や「ふわっち」の特製グッズ等の特典を競い合うイベントやランキング戦を設けることや、期間限定アイテムの販売を行う等、配信が盛り上がる企画を提供することにより、新たなユーザーの獲得やユーザー層の拡大に努めております。
なお、当社グループのライブ配信サービス「ふわっち」のビジネスモデルは下図のとおりです。
「ふわっち」は芸能人や音楽やスポーツ等の特定分野のプロではないアマチュアの配信ユーザー(例えば、普通の会社員、主婦、シニア、学生等)がメインで配信するサービスであることから一般の方が配信を始めることの敷居が低く、また各配信ユーザーのバックグラウンドが多種多様であることから配信内容に多様性があり、ユーザー層の裾野が幅広いことが特徴です。「ふわっち」は、2015年のサービス開始以来、30代~40代をメインユーザー層としており、その周辺年代も含めた20代~50代までの幅広い年齢層を中心とした男女にご利用いただいております。
(イ) ライブ配信事業の特徴
「ふわっち」では、自身の配信を行うことを、SNS等を通じて予告することができます。また、配信はリアルタイムにて行われることから、配信開始時にはフォロワーに対してアプリ内で通知を送ることができるほか、X(旧:Twitter)シェア機能を通じて、ユーザー自身が「ふわっち」上で行うライブ配信の開始をX(旧:Twitter)上に投稿、拡散することで、新たなユーザーの獲得につなげることができます。
ライブ配信は、配信ユーザーが特定のコンテンツを一方的に提供するものではなく、コメント投稿やアイテム使用により視聴ユーザーがライブ配信に積極的にアクションを起こすことで、配信ユーザーと視聴ユーザーとでリアルタイムなコミュニケーションを楽しみ、その時間を互いに共有し合うことが特徴であると当社グループでは考えております。また、そのコミュニケーションの中で、視聴ユーザーはアイテム使用等により配信ユーザーを応援し、配信ユーザーは視聴ユーザーに楽しんでもらうことや、喜んでもらうために配信を行うといったサイクルが成立しているものと当社グループでは考えております。インターネットを通じて初めて生まれる何気ないコミュニケーションは、普段の日常生活では味わうことが難しい、家庭でも職場でもない第三の場所(サードプレイス)における関係性の構築に価値があるものと当社グループでは分析しております。
<アイテムについて>
「ふわっち」では、通常アイテム、期間限定アイテム、イベント専用アイテム等の各種アイテムを販売しております。その他、風船、ハート、バーガー、ふわふわくまさん、ガラガラくじなど多種多様な通常アイテムを取り揃えており、ユーザーが気分に合わせて利用することが可能です。また、ビギナー配信ユーザーを応援するアイテムとして無料で提供している「ひよこ」、特定のカテゴリーの配信を視聴することにより無料で貯まるアイテム「メガホン」等、無料アイテムも一部提供しております。さらに、音の鳴るアイテムの販売など新商品の開発も恒常的に実施しています。
上記に加えて、「ふわっち」では毎月新しいイベントを開催しており、そこでイベント専用アイテムを販売しております。
<イベントについて>
イベントとは、配信ユーザーがイベント開催期間中において、視聴ユーザーの数や無料/有料のアイテムを視聴ユーザーからどの程度受け取ったかなどを含む配信の盛り上がりに応じて当社グループより付与されるランキングポイントの合計で順位を競い合うもので、最終的な順位に応じて特典を受け取ることができます。当社グループはイベントの開催により、配信ユーザーが特典を獲得するために配信するモチベーションを高め、配信頻度の増加や配信ユーザー数の増加を図ることができ、かつ配信の盛り上がりを創出できるものと考えており、視聴ユーザー、課金ユーザーを含む新たなユーザーの獲得やユーザー層の拡大に寄与していると考えております。
なお、イベントの特典には、雑誌やCM、ラジオ番組への出演、街頭ポスターへの掲載等配信ユーザーとしての知名度向上につながるようなものや、配信グッズ(マイク、照明セットの配信機材)等配信ユーザーの配信活動自体に役立つもの等があります。
また、特典を競うイベント以外に、新規配信ユーザーの応援イベント、配信を始めて間もないルーキーの配信ユーザーのみを対象としたイベント、次のステージを目指す中堅配信ユーザーを対象としたイベント等、数多くの配信ユーザーの中で、注目を浴びるチャンスを提供することを目的としたイベントも提供しております。
加えて、アイテム獲得等によるランキングポイントの競い合い以外の要素として、ナイス(無料で1ユーザー1日1回のみ押せるもの)の数を競い合うイベント、視聴ユーザー数を競い合うイベント、デイリーランキング、マンスリーランキング等の各種ランキングを設置し、多くのユーザーが様々な場所でスポットライトが当たるように、企画の考案、実施に努めております。
<カテゴリーについて>
「ふわっち」では、雑談、音楽、趣味、コラボなど複数の配信カテゴリーを提供しており、ユーザーが容易に自分好みのライブ配信を見つけることができるような仕組みを提供しております。なお、配信ユーザー自身が、自身の配信ライブの内容に応じて配信カテゴリーを選択しており、視聴ユーザーは自身の好みや興味関心のあるカテゴリーからお気に入りの配信ユーザーを探すことが可能です。
また、「ふわっち」ではたぬき、きつね、うさぎなど特殊な機能を持つカテゴリーも提供しております。たぬき、きつねの両カテゴリーにおいては、視聴ユーザーが匿名でのコメント投稿が可能であることが大きな特徴です。たぬきカテゴリーでは匿名投稿は任意選択、きつねカテゴリーでは全員が自動的に匿名投稿との違いがあります。うさぎカテゴリーについては、視聴ユーザーはうさぎカテゴリーの配信を視聴することでメガホンを無料で貯めることができることから、配信ユーザーにとっては通常のカテゴリーでの配信に比べて視聴ユーザーを集めやすいことが特徴です。加えて、配信ユーザー同士が配信しながらコミュニケーションできるコラボ配信機能を使用することのできるコラボカテゴリーを提供しております。
上記の通り、複数のジャンルや機能に応じてカテゴリーが分かれていることにより、ユーザーは自身の配信内容や配信スタイルに応じて臨機応変にカテゴリーを選択できることから、配信ユーザーと視聴ユーザー双方の多様なニーズに対応しているものと当社グループでは考えております。
<サービス健全性について>
当社グループはユーザーが利用しやすいライブ配信プラットフォームを実現するため、プラットフォームの健全性維持のための仕組みを構築しております。この仕組みを効率的かつ効果的に運営することにより、ユーザーが安心して利用できる環境を整備しております。当社グループは、不特定多数のユーザーがオンライン上のコミュニケーションの場として「ふわっち」を活用していることの重要性とリスクを十分理解した上で、配信ユーザー及び視聴ユーザーが共に安心してご利用いただけるよう、プラットフォームの健全性維持・改善を最重要事項として認識しております。具体的には、未成年ユーザー保護、サービス監視体制の構築、ユーザーによる監視の促進、配信ユーザー保護、著作権保護、ユーザーへの啓蒙活動の推進等の施策を行っており、主な取組の具体的な内容は以下のとおりです。
主な取組内容
(a)未成年ユーザー保護
・ユーザー登録時に年齢確認を実施し、未成年ユーザーに対して月間のアイテム購入金額に上限を設定し、未成年による多額のアイテム購入を未然に防止
・NGワード機能、それに伴う注意喚起やアカウント規制を行うことで、未成年ユーザーが巻き込まれるトラブル発生の防止
・未成年ユーザーの深夜帯(22時以降翌5時まで)の配信禁止
・13歳未満の方はサービス利用の全面禁止
(b)サービス監視体制の構築
・24時間365日リアルタイム監視を行う体制の構築と対応
i) 全配信の画像監視
ii) 視聴ユーザーが投稿するコメントに関するNGワードの監視
iii) 通報処理
iv) ソーシャルリスニング(X(旧:Twitter)等の外部サイトでの炎上有無の監視)
・上記リアルタイム監視体制のもと、違反行為に対する配信停止措置、それに伴うアカウント利用規制の実施
・配信音声のテキスト化とテキスト監視体制
・定期的なプロフィール画像や文言の検査
・サービス内イベントの審査(受賞候補ユーザーの配信内容の再確認)、イベント参加可否審査(過去の違反行為の度合いに準じて参加可否を判断)
・配信停止やアカウント規制の基準とする監視基準の定期評価及び更新
(c)ユーザーによる監視の促進
・ユーザーが違反行為を報告しやすくする為のユーザー通報機能の提供
・配信ガイドライン及び視聴ガイドライン等において違反内容を明示し、違反行為に対するユーザー通報を啓発
・ユーザー通報に対して適切かつ迅速に対応することにより、ユーザー間で違反行為に対する自浄作用の意識を醸成
(d)配信ユーザー保護
・ライブ配信中のユーザー間トラブル発生を事前に防止する仕組みとして、配信ユーザーが指定した特定のユーザーのブロックや特定のワードを非表示にする機能の提供
・ライブ配信中の配信ユーザー、視聴ユーザーが不快な気持ちになることを防止する仕組みとして、誹謗中傷、出会い目的、卑猥な内容に代表される不適切なコメントをNGワードとして登録し、配信画面上に非表示とする機能を提供
・ライブ配信中に視聴ユーザーによる不適切なコメントや迷惑なコメントに対するコメント通報機能の設置とそれに伴うアカウント利用規制の実施
(e)著作権保護
・著作権に関するガイドライン、楽曲利用に関する注意喚起、ガイドライン等を公開し、ユーザーに啓蒙
・著作権者向けの通報窓口の設置。著作権侵害行為に対して迅速に対応できる体制の構築
・著作権を有する権利団体や会社(一般社団法人日本音楽著作権協会、株式会社NexTone)との間で、サービス上の著作権利用に関する包括契約を締結
・外部ツールを用いた原盤マッチングによる楽曲使用の監視
(f)ユーザーへの啓蒙活動の推進
・全ての配信において、毎回配信に訪れた際に、不適切なコメントをしないことを求める内容を注意事項として表示
・利用規約やサービスを利用する上でのルールや注意事項を記載したガイドラインをはじめとする様々なガイドラインを設け禁止行為を明確にし、ユーザーに周知徹底するための啓蒙活動を継続的に実施
以上の通り、当社グループではプラットフォームの健全性維持のため、継続的に仕組みの改善に努めています。サービス開始以来蓄積してきた経験や運営上のノウハウは、プラットフォームに対する安心感や信頼感を高めることに寄与しており、「ふわっち」の強みを構成する重要な要素であると考えております。
②ブラウザ事業(株式会社jig.jp)
フィーチャーフォン向けフルブラウザアプリ「jigブラウザ」を提供しております。
「jigブラウザ」は、フィーチャーフォンからのPCサイト閲覧を実現するフルブラウザアプリです。現在では、ほとんどのwebサイトがPC向け又はスマートフォン向けで提供されておりますが、フィーチャーフォンからでも、それらのPC向け又はスマートフォン向けwebサイトを閲覧できるサービスとなります。
当サービスは、利用者から月額利用又は年間利用の料金を受領し、サービスを提供するブラウザアプリであります。また、アドネットワーク各社から「jigブラウザ」への広告掲載による報酬を受領しております。
③VTuber事業(株式会社jig.jp)
モーション・キャプチャー技術(注)とアニメルック・アバター(注)を用いて活動するバーチャル・エンターテイナー「VTuber」のキャラクターIP開発、VTuberを応援する協力型プラットフォーム「SPOTLIGHTS」の開発・運営、及びVTuberプロダクションの運営、等のVTuber関連事業を行っております。
(注)「モーション・キャプチャー技術」とは、カメラ等を使って人やモノの動きをデジタル化する技術を指します。「アニメルック・アバター」とは、デフォルメされた色調の2Dアニメのような3Dモデル制作技法等を使って作られたアニメのような外見のキャラクターモデルを指します。
④飲食店予約代行事業(株式会社C Inc.)
「世界の食卓を明るくにぎやかにする」をミッションとして掲げて、飲食店への予約電話代行アプリ「Pecotter(ペコッター)」の開発・運営を行っております。
(2)自治体向け・企業向け関連
①こどもパソコン事業(株式会社B Inc.)
当社所有の商標権「IchigoJam」を使用したプログラミング専用こどもパソコンを委託先が生産・販売することにより、その販売台数に応じた一定のライセンス料を委託先より受領し、収益を獲得するものであります。プログラミングや電子工作について学ぶ場を提供している企業や学校等でプログラミング教材として活用されております。
②オープンデータプラットフォーム事業(株式会社B Inc.)
当サービスは、契約先の自治体に対して自治体から公開されているファイル形式(EXCEL、PDF、CSV、XMLなど)を、全国で統一されている形式(LinkedRDF)へ簡単に変換し、公開できるプラットフォームを提供し、その利用料として各委託先自治体よりプラットフォーム利用料を受領し、収益を獲得するものであります。
事業系統図
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、所得・雇用環境が改善する中で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復基調となりました。一方で、米国の政策動向の不確実性、金融資本市場の変動、資源価格の高騰、継続的な物価上昇による消費者マインドの下振れリスク等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。
そのような状況の中、当社グループが主に事業展開を行うスマートフォン関連市場においては、2025年4月の内閣府『令和7年3月実施調査結果:消費動向調査』の報告によりますと、2025年3月末の国内スマートフォン世帯普及率は92.2%と高い水準を維持しております。
また、当社がターゲットとする動画投稿・ライブ配信市場は新規利用者の増加や既存利用者による複数サービス併用による利用機会増加を受けて市場規模の成長が継続する中、新たに参入する企業や競合各社における積極的な広告宣伝販促活動、配信ユーザーの囲い込み等が継続し、競争は引き続き激化しております。
このような事業環境のもと、当社グループにおいては、ライブ配信事業の「ふわっち」が前事業年度に引き続き、新たなアイテムや機能の提供等を通じてユーザーへの利便性や満足度を高めつつ、ユーザーエンゲージメントを高めることを企図したサービス内での新たなイベントの開催等を通じてユーザーを飽きさせない施策を定期的に実施しました。加えて、獲得効率を意識した効果的な広告宣伝活動を行いました。
当連結会計年度の経営成績は、売上高13,796百万円(前年同期比12.6%増加)、営業利益2,012百万円(前年同期比11.5%増加)、経常利益1,858百万円(前年同期比1.9%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益1,077百万円(前年同期比11.3%減少)となりました。
b.財政状況
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は6,754百万円となり、前連結会計年度末より1,039百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金の増加948百万円、売掛金の減少60百万円、有形固定資産の増加113百万円、敷金保証金の減少2百万円、繰延税金資産の増加4百万円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は2,659百万円となり、前連結会計年度末より198百万円の増加となりました。これは主に、未払金の増加66百万円、未払法人税等の増加193百万円、未払消費税等の減少88百万円、ポイント引当金の増加20百万円、長期借入金の減少67百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は4,095百万円となり、前連結会計年度末より841百万円の増加となりました。これは主に、譲渡制限付株式としての新株式発行により資本金及び資本剰余金がそれぞれ84百万円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益の計上1,077百万円、配当金の支払による146百万円の支出、自己株式の取得による257百万円の支出、新株予約権の消滅による1百万円の支出によるものであります。この結果、自己資本比率は60.63%となり、前連結会計年度末の56.93%に比べ、3.70ポイント上昇いたしました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ948百万円増加し、4,368百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、1,558百万円(前年同期は1,875百万円の収入)となりました。主な増加要因は税金等調整前当期純利益の計上1,703百万円、株式報酬費用の計上163百万円、ポイント引当金の増加20百万円、売上債権の減少63百万円及び未払金の増加65百万円によるものであります。主な減少要因は未払消費税等の減少89百万円及び法人税等の支払額436百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、130百万円(前年同期は79百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出137百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入5百万円及び敷金保証金の返還による収入1百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、479百万円(前年同期は163百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出2百万円、長期借入金の返済による支出72百万円、自己株式の取得による支出257百万円、配当金の支払額146百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b 受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。下表の主な取引先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容等
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、13,796百万円(前年同期比112.6%)となりました。
売上高の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績」に記載のとおりであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、715百万円(前年同期比130.0%)となりました。
主な要因は、ライブ配信事業の「ふわっち」に係るサーバー費用の増加、人件費等の増加に伴う開発原価の増加及びVTuber事業に係る売上原価の増加によります。この結果、売上総利益は13,080百万円(前年同期比111.8%)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、11,068百万円(前年同期比111.9%)となりました。
主な要因は、人件費等の増加、ライブ配信事業の「ふわっち」のユーザー数増大のための広告宣伝費及び販売促進費の増加及び売上高増加に伴うポイント関連費用の増加によるものです。この結果、営業利益は2,012百万円(前年同期比111.5%)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度において、営業外収益は12百万円、営業外費用は166百万円となりました。
主な要因は、人的資本拡充のための株式報酬費用を計上したことによるものです。この結果、経常利益は1,858百万円(前年同期比101.9%)となりました。
(特別損益、法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、負ののれん発生益及び新株予約権戻入益による特別利益1百万円、ふわっちに係る特別損失155百万円を計上しました。
税金費用(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)を626百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,077百万円(前年同期比88.7%)となりました。
なお、当社グループの事業セグメントは、一般消費者向け関連事業と自治体向け・企業向け関連事業でありますが、一般消費者向け関連事業の全セグメントに占める割合が高く、自治体向け・企業向け関連事業は開示情報としての重要性が乏しいことから、セグメント情報の記載を省略しております。
また、財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.財政状況」に、キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
②資本の財源及び資金の流動性に関する分析
当社グループは、事業活動の維持・拡大に必要なユーザーへの報酬支払、マーケティング投資等に要する資金を安定的に確保するとともに、手元資金の流動性を確保するため、金融機関からの借入等の外部資金を有効に活用しております。
一般消費者向け関連事業の売掛金回収までに必要な支払い等の短期資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか金融機関から短期借入を行い、流動性の確保に努めております。また、大規模な設備投資や長期資金需要につきましては、金融機関からの長期借入やリースの活用を基本としておりますが、必要に応じてエクイティファイナンスによる資金調達についても資金需要の額や用途、当該タイミングにおける金利及び資本コストを勘案した上で優先順位を検討して実施する予定です。現時点で、短期的な資本の財源及び資金の流動性に問題はありませんが、今後も資金の残高及び各キャッシュ・フローの状況を常にモニタリングしつつ、資本の財源及び資金の流動性の確保・向上に努めます。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は287百万円です。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等)」に記載のとおり、主な経営指標として配信ユニークユーザー数、課金ユニークユーザー数、課金総額を経営上重要な指標として位置付けております。課金総額の拡大には、課金ユニークユーザー数の拡大が必要であり、そのためにはマーケティング活動による外部からの獲得や既存の非課金ユーザーの課金ユーザーへの転化促進、また配信ユーザー数の拡大によるプラットフォームとしての魅力、多様性の向上が必要と考えております。今後も各指標の拡大に注力していく方針です。
2025年3月期における各指標について、第4四半期における月次平均の配信ユニークユーザー数は25,530人(前年同期比4.0%減)、月間5万ポイント以上獲得する月次有力配信ユニークユーザー数は1,849人(前年同期比1.5%増)、課金ユニークユーザー数は39,902人(前年同期比1.7%減)となりました。また、第4四半期における課金ユーザー1人当たりの月次平均課金額は29,195円(前年同期比12.5%増)となりました。
上記のとおり、課金ユニークユーザー数は堅調に推移し、月次ARPPUも持続可能な適正水準で推移していることから、安定的に収益獲得が見込める状況と考えております。
⑤重要な会計方針及び見積り及び当該見積に用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、期末日における資産及び負債の残高、収益及び費用等に影響を与える過程や見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを過去の経験やその時点の状況として妥当と考えられる合理的見積りを行っております。しかしながら、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、実際の結果がこれからの見積りと異なる可能性があります。なお、当社グループの連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
a. 繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、将来の事業計画に基づいた課税所得が十分に確保でき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について、繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の回収可能性の判断に当たっては、将来の課税所得見積りを慎重に検討しておりますが、その見積りの前提となる条件や仮定に変更が生じ、繰延税金資産の一部又は全額の回収が困難と判断した場合には、繰延税金資産を取り崩し、同額を法人税等調整額として計上することで、当社グループの業績を悪化させる可能性がございます。
⑥経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
当社グループは、一般消費者向け関連事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、記載を省略しております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
2024年12月1日付で株式会社C Inc.の全株式を取得しました。これに伴い当連結会計年度において、136千円の負ののれん発生益を計上しております。