2023年12月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。ただし、これらは当社グループに関するリスクのすべてを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見し難いリスクも存在します。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) ほねつぎチェーン運営上のリスク

当社グループは、ほねつぎチェーンに対する指導を徹底し、療養費の不正請求を防止する仕組みを導入しておりますが、何らかの事情により一部のほねつぎチェーン鍼灸接骨院で療養費の不正請求が発生し、行政処分を受けた場合、ほねつぎチェーンに対する信用が失墜し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、当社グループは柔道整復師に対する指導を行い施術事故が起こらないよう努めておりますが、重大な過失による施術事故が起きた場合、ほねつぎチェーンに対する信用が失墜し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2) ほねつぎデイサービス運営上のリスク

当社グループは、ほねつぎデイサービスのフランチャイジーに対する指導を徹底し、介護事故が起こらないよう努めておりますが、重大な過失により介護事故が起き、行政処分を受けた場合、ほねつぎデイサービスに対する信用が失墜し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) 外部環境の変化に対するリスク

現在、療養費は減少傾向であり、接骨院の開設要件は厳格化の方向に進んでおります。今後、さらに大きく療養費が減少すること、及び、開設要件の厳格化が進めば、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4) 法的規制に関わるリスク

当社グループが事業を行うにあたりましては、関係する様々な法的規制を受けております。当社グループはこれらの法的規制の遵守に努めており、また、遵守する事業モデルを提供しておりますが、当該法的規制の強化により当社グループの事業に対し著しく不利となる法改正が行われた場合に、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) システム運用に関わるリスク

当社グループが運営するA-COMS、HONEY-STYLE及びアトラストアにおいて、日常的な業務担当者間の連係や社内研修により、社員の技術力・意識の向上を図っておりますが、万が一、システム障害が発生し、多大な影響を及ぼした場合、損害賠償を請求され、損害賠償の支払い等が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6) 情報管理体制について

当社グループは、業務を遂行する上で顧客の個人情報を取扱う場合があります。当社グループでは、プライバシーマークを取得し、個人情報を厳格に管理しております。しかしながら、万が一、個人情報の外部への漏洩が生じた場合、当社グループの信用に大きな影響を与えるとともに、損害賠償を請求され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(7) 知的財産権について

当社グループでは、新規に開発したサービスに関するもので知的財産権の対象となる可能性のあるものについては、必要に応じて特許権・商標権等の取得申請を行っておりますが、必ずしもかかる権利を取得できる保証はありません。

当社グループのサービスに関する技術・ノウハウ、あるいはサービス名等に関する特許権・商標権等を他社が先に取得した場合、サービスの開発または販売等に支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないよう常に注意を払って事業展開しておりますが、当社グループの認識の範囲外で第三者の知的財産権を侵害する可能性があり、その第三者より損害賠償請求及び差止め請求等の訴訟を提起され、損害賠償の支払い等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8) 人材の確保について

当社グループの事業遂行において優秀な人材を確保・定着させることが重要戦略の一つであります。当社グループでは、新卒採用と中途採用を並行し優秀な人材を人種・国籍・性別・年齢を問わず幅広く採用しております。また、優秀な人材を集めるためには報酬だけを指標とする人材活用ではなく、スキルアップ等を含めた社内環境、優秀な人材を受け入れることのできる社内風土の確立が、高水準の人材との信頼関係構築のために最重要要素であると認識しております。したがって、これらの人事上の課題を充足できない等の理由により、優れた人材を確保・定着させていくことができない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(9) 国家資格者の雇用について

当社グループが持続的に成長していくためには、国家資格者である柔道整復師、はり師・きゅう師、介護福祉士等を雇用し、かつ育成していく必要があります。当社グループ従業員に限らずほねつぎチェーン加盟院やほねつぎデイサービス加盟店などに対してこれらの有資格者を雇用するための支援を行う必要があります。現状は国家資格者数が年々増える傾向にありますが、合格者数は減少傾向となっております。今後、総数を減らしていくなどの政策的な方針転換があった場合等、国家資格者の確保が難しくなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(10) A-COMSファイナンスサービスについて

鍼灸接骨院業界において、療養費を請求してから入金になるまで3~4ヶ月程度の期間が必要です。その間の鍼灸接骨院の資金繰りを支援するため、当社グループはアトラ請求サービスの会員向けにA-COMSファイナンスサービスを提供しております。療養費が保険者から当社グループに入金になったときに返済となるため、債権の回収が滞留するリスクは僅少であると考えておりますが、会員である鍼灸接骨院が破産等した場合には、債権が回収できなくなる可能性があります。当社グループはA-COMSファイナンスサービスを利用するアトラ請求サービスの会員に対し、審査を実施し、債権が貸し倒れるリスクの軽減に努めておりますが、会員である鍼灸接骨院が破産等した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(11) 有形固定資産及び無形固定資産について

当社グループは、ほねつぎデイサービスやペリカンの店舗内装設備等の有形固定資産を保有しております。また、A-COMS等の無形固定資産を保有しております。保有する有形固定資産または無形固定資産の収益性が悪化した場合には、減損損失が発生する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(12) 投資有価証券について

当社グループは、業務上のシナジーを見込める会社の株式を保有しております。当該会社の収益性が悪化した場合や時価が著しく下落した場合には、評価損が発生する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(13) 棚卸資産について

当社グループは、適切な在庫管理と販売予測により、品切れによる販売機会ロス削減と過剰在庫の防止に努めておりますが、販売予測を誤った場合には在庫不足または過剰在庫となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、過剰在庫が滞留した場合、商品評価損の計上により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(14) ほねつぎチェーン鍼灸接骨院の物件について

当社グループが事業展開しているほねつぎチェーンにおいては、新規オープンによる加盟の場合、契約に基づき、オーナーが物件を決定し、当社グループの支援を受けながら、鍼灸接骨院を開設しております。何らかの理由でオーナーによる物件の決定が遅れた場合、オープンの日程が遅延し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(15) コンプライアンス違反に関わるリスク

当社グループは、四半期に1回、取締役、部長、室長、顧問弁護士が参加し、リスク・コンプライアンス委員会を開催しており、コンプライアンスの徹底に取り組んでおります。また、外部講師による研修を実施し、コンプライアンスに関する教育に注力しております。しかしながら、万が一、当社グループの取締役、従業員が、様々なハラスメントやその他のコンプライアンス違反を犯した場合、損害賠償を請求され、当社グループの信用が失墜し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(16) セミナー集客に関わるリスク

当社グループは、アトラアカデミーにおいて、自費施術に関するものなど各種セミナーを開催しております。現在、アトラアカデミーの会員に対し、WEBをとおし、セミナーへ集客を行っております。

当社グループは、セミナーの集客に注力しておりますが、想定どおりに集客ができなかった場合、セミナーに関する売上高が想定どおり計上できない可能性があります。また、機材販売やHONEY-STYLEの新規契約に影響を与える可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(17) 資金調達に関わるリスク

当社グループは、鍼灸接骨院業界において自費施術の拡大に注力しております。一部の自費施術用の機材については、販売に先行して仕入を実行しておりますので、想定どおりに機材が販売できなかった場合、仕入が先行する分、資金繰りが悪化する可能性があります。また、想定どおりにA-COMSファイナンスサービスが拡大した場合、融資資金の調達が追加で必要となりますが、この資金調達が順調に進まない場合は、A-COMSファイナンスサービスを拡大することができず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。その他、当社グループが開発する、鍼灸接骨院で使用する基幹システムであるA-COMSの運用・リニューアルには多額の資金が必要となります。この資金調達が想定どおりに進まない場合は、アトラ請求サービスやほねつぎチェーンなどの当社グループの事業が拡大できず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(18) 感染症に関わるリスク

当社グループは感染症などの流行等に備え、様々な対策を講じておりますが、感染症などの流行等が起きた場合には、当社グループの取締役または従業員が感染する可能性があります。この場合、事業所への出勤の制限や直営店舗の休業などの対応を検討する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。さらに、顧客である鍼灸接骨院のスタッフまたは患者が感染する可能性があります。この場合、顧客である鍼灸接骨院が休業、閉院する可能性があり、当社グループが営業活動を実施できず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(19) ペリカン運営上のリスク

当社グループは、ペリカンにおいて玩具、雑貨、文具等を販売しておりますが、売れ筋商品の確保ができなかった場合、機会損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、販売予測を誤り死に筋商品が発生した場合、商品評価損の計上により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

ペリカンの店舗はすべて直営であり、店舗スタッフの確保が課題となっております。当社グループは欠員が生じないよう店舗スタッフの確保に注力しておりますが、計画どおりに確保できなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

配当政策

3 【配当政策】

当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つと位置づけており、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案したうえで、株主に対しての安定的かつ継続的な利益還元を実施することを基本方針としております。

当社の剰余金の配当は、期末配当の年1回を基本方針としており、配当の決定機関は株主総会であります。

しかしながら、2023年12月期の業績が計画を下回りました。このような現状を勘案し、誠に遺憾ではありますが、2023年12月期の期末配当につきましては、無配とさせていただくことといたしました。

内部留保資金の使途につきましては、財務体質の強化と積極的な事業展開のための備えとしていくこととしております。

なお、当社は「取締役会の決議により、毎年6月30日を基準日として中間配当を行うことができる」旨を定款に定めております。