2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,040名(単体) 2,127名(連結)
  • 平均年齢
    38.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    13.1年(単体)
  • 平均年収
    7,014,610円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    7.7%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

 当社グループは、企業活動の礎である「社是」のもと、「経営理念」と「行動指針(EVOLUTION)」を定め、企業の持続的成長を支える基盤となる「人」を最大限に活かす取り組みを進めております。当社の経営戦略と連動した人財戦略、及び従業員の給与決定方針は以下のとおりであります。

 

ア. 企業の中長期的な成長・企業価値向上に向けた「経営戦略」

 当社グループは、「社会に欠かせない企業」を目指し、中長期的な成長に向けて「脱炭素社会実現に向けたエネルギー課題への取組み」「安全・安心な社会の構築」「データ・AIの活用による新しいモノづくりとサービスの構築」を重要課題(マテリアリティ)として掲げております。

 創業110周年となる2029年度に向けた中期経営計画「Beyond 110」においては、「売上高1,000億円、営業利益100億円、ROE10%」という高い目標を掲げ、「世界No.1」のポンプメーカーを目指しております。今後は、新日本造機株式会社の子会社化によるオイル&ガス等の新市場拡大や、安定した収益基盤となるサービスビジネスのさらなる強化、そしてこれらを支える「つくる力(生産体制)」の拡充を実現していくため、その基盤として「社員活力の最大化」を最重要課題に位置付けております。

 

イ. 経営戦略の実現のための「人財戦略」

 マテリアリティの実現と「社員活力の最大化」に向け、当社グループで働く多様な人財の能力や知識・スキルを引き出し、優秀な人財を確保・定着(リテンション)させるための人財戦略を推進しております。

 

 ・適材適所の配置によるチーム力の最大化

 「つくる力」やグローバルなサービス体制を強化し、高度な技術力を次世代に継承するため、社員の「自律的な行動」を尊重し、個々の強みや専門性を最大限に活かせる配置を行っております。多様な経験と柔軟な適応能力を獲得するためのジョブローテーションの実施や、次世代リーダー育成を目的とした中堅社員向けの海外弾丸ツアー等を通じて、各事業を牽引するプロフェッショナルを育成しております。

 

 ・挑戦を支える組織風土の醸成

 上司・先輩の「支援的な行動」を組織の基盤とし、失敗を恐れず挑戦し、互いに学び合える風通しの良い職場環境を構築しております。この一環として、部下の成長支援と対話の質の向上を目的とした管理職向けの「評価者研修」を全社規模で実施したほか、従業員のキャリア自律と定着を促す「キャリアデザイン研修」を実施しております。

 

 ・働きがいとエンゲージメントの向上に向けた環境整備

 世界に「安心・安全」を提供する社員自身が、心身ともに健康で長く活躍できるよう、2026年3月に制定した「健康宣言」に基づく健康経営を全社を挙げて推進しております。企業内託児所の設置や柔軟な勤務制度の拡充など、従業員一人ひとりのライフステージに応じた働きやすい職場環境の整備に努め、組織全体の活力を高めております。なお、従業員のエンゲージメント状況を的確に把握し、さらなる施策の立案に繋げるため、今後、全社的な従業員エンゲージメント調査の導入を予定しております。

 

ウ. 人財戦略の進捗状況をモニタリングするための「指標及び目標」

 上記の人財戦略の進捗を管理し、継続的な改善を図るため、以下の指標を用いてモニタリングを行ってまいります。

 

 

 

2024年度

2025年度

 

 

実績(人)

実績(%)

実績(人)

実績(%)

目標値(%)

キャリアデザイン研修

346

95.5

100

評価者研修

146

92.4

100

女性管理職比率

6

3.1

7

3.4

20

外国籍従業員の採用状況

91

7.1

105

8.0

20

男性従業員の育児休業取得率

26

81.3

30

96.8

100

従業員エンゲージメント調査※1

※1. 従業員エンゲージメント調査については、現在導入に向けた準備を進めており、適切な時期に初回調査を実施し、将来的には当該調査に基づくスコアを指標として可視化・管理していく方針です。

 

 なお、提出会社における管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異等の詳細については、第4「提出会社の状況」の5「従業員の状況等」(2)に一括して記載しております。

 

エ. 連結会社(外国法人除く)の従業員の給与の給付の額及び内容の決定方針

 当社及び国内の連結子会社における従業員の給与(賞与を含む)は、経営戦略である「社員活力の最大化」を報酬面から強力に後押しし、従業員のモチベーション向上と職務遂行能力の向上を促進することを基本方針としております。具体的には、以下の考え方に基づいて決定しております。

 

 ・優秀な人財の獲得・定着に向けた基本給重視の方針と処遇改善

 日本の労働人口の減少や雇用の流動化といった外部環境の変化に対し、当社グループの成長を牽引する優秀な人財の獲得および定着(リテンション)の強化は、最重要の経営課題であると認識しております。当社は、持続的な企業価値の向上には「社員一人ひとりの成長」と「安心して働ける環境づくり」が不可欠であると考え、基本給重視の方針を採用しております。具体的には、業績に左右されやすい賞与の配分を見直し、基本給を引き上げることで、社員へより安定した生活基盤を提供しております。この方針のもと、2026年度においては、物価上昇を上回る実質賃金の向上とモチベーションアップを目指し、5年連続となるベースアップおよび定期昇給を実施いたしました。これにより、組合員を対象に月例給与を平均7.1%(ベースアップ+定期昇給を含む)引き上げております。

 

 ・採用競争力強化のための新卒初任給の引き上げ

 将来の当社グループを担う若手優秀人財を早期に確保するため、2026年4月入社の新卒社員より初任給の引き上げ改定を実施いたしました。本改定により、新卒初任給(月収)を大学院卒(修士課程)331,000円、大卒・高専専攻科卒313,000円、短大・高専本科卒288,000円とし、採用市場における競争力の強化を図っております。

 

 ・公正で透明性のある評価と報酬の連動

 従業員一人ひとりの役割、責任、発揮した能力、及び会社業績やチームへの貢献度を公正に評価し、それを基本給や賞与に適切かつ透明性をもって反映させる人事評価制度を運用しております。管理職に対しては「評価者研修」を全社規模で実施するなど、部下の成長支援と対話の質の向上を通じた、公正な処遇の実現に努めております。

 

 ・国内連結子会社への適用方針

 当社の国内連結子会社においても、上記方針に準じ、各社の事業内容や専門性、地域ごとの労働市場の状況等を踏まえつつ、有能な人財の確保・定着に向けた適切な給与水準の整備と評価制度の運用を推進しております。

 

(2)【従業員の状況】

ア. 連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

事業の内容

従業員数(人)

ポンプ事業

1,948

(17)

全社(共通)

179

(27)

合計

2,127

(44)

(注)1 従業員数は、就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2 従業員数は、嘱託社員等(252人)を除いております。

3 全社(共通)として記載されている従業員は、管理部門に所属しているものであります。

4 従業員数が当連結会計年度末までの1年間において、206名増加したのは、Juneung CO.,LTD.及びKRG SPECIALIST ENGINEERING SERVICES LTD.を新規連結したこと等によります。

 

イ. 提出会社の状況

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

1,040

(31)

38.9

13.1

7,014,610

7.7

(注)1 従業員数は、就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2 従業員数は、嘱託社員等(252人)を除いております。

3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

ウ. 労働組合の状況

 当社グループには、JAM酉島製作所労働組合が組織(2026年3月31日現在の組合員数は842人)されており、「JAM」に属しています。なお、労使関係は安定した状態であり、特記すべき事項はありません。

 

エ. 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

(ア)提出会社

2026年3月31日現在

 

当事業年度

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

   (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

   (注)2.

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労者

3.4

96.8

75.0

78.0

61.3

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.労働者の男女の賃金の額の差異については、育児休業等の労働者は除いております。

 

(イ)連結子会社

    該当する会社はありません。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

  当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

  当社グループは、企業活動の礎である「社是」のもと、「経営理念」と「行動指針」を定め、「EVOLUTION」をキー

 ワードに、企業活動を進めています。これに加え、地球環境保全と健全な事業活動を通じてすべてのステークホルダー

 と共に発展し、サステナブルな世界の実現をめざすべく、サステナビリティ基本方針を2022年11月に次のとおり定めま

 した。国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」がめざす持続可能な社会の構築に積極的な役割を果たすとともに、社会

 課題を解決する製品・サービスを通じて持続的に企業価値を拡大し、「社会に欠かせない企業」をめざしていきます。

  特に対象となるリスク管理においては、インフラを支える責任を果たすため事業継続計画(BCP)の強化に努めてお

 り、2025年度にはその実効性が評価され、内閣官房国土強靭化推進室が制定する「ジャパン・レジリエンス認証」を取

 得いたしました。不測の事態においても確実な供給責任を果たすことで、社会全体のレジリエンス向上に貢献してまい

 ります。

 

サステナビリティ基本方針

1.事業を通じた環境問題への取組

 ポンプ製品での省エネや減災技術の推進、スマートメンテナンスによるDX推進などを通じた環境貢献、サプライチェーン全般での環境負荷低減、工場・オフィスで使用するエネルギーのグリーン電力転換などに取り組むことで、地球温暖化防止、生物多様性の保全など、人類共通の重要課題である地球環境保全に取り組んでいきます。

2.社会からの信頼醸成

 社会からの信頼は、法令遵守、公正な競争、製品品質の維持・向上、適切な情報開示、情報セキュリティの確保、危機管理体制の整備など社会的要請に沿った企業活動により得られます。そのガイドラインとなる「コンプライアンス行動規準」に沿った業務遂行を続けるとともに、ガバナンス・経営基盤の強化を図ることで、社会から高い信頼を得る経営を実現します。

3.人権の尊重

 すべてのステークホルダーの人権を、年齢・性別・国籍・社会的立場など個人の属性に関係なく尊重します。当社グループ内の多様な従業員にとって働きがいがあり、安全・健康に働ける職場環境の整備に努めます。

4.地域社会への貢献

 地域社会との適正なコミュニケーションを図り、教育・文化事業や環境保全など、地域社会に貢献する活動に努めます。

5.人財育成

 企業の持続可能性の源泉は「人」であり、一人ひとりの成長こそが、トリシマの未来の土台です。その能力開発に資する各種研修や教育支援、コンプライアンス意識向上のためのCSR研修、自己研鑽・自己啓発の促進等を実施すると共に社員がモチベーションを向上・維持しその能力を最大限発揮できるよう、公正で透明性のある人事制度の整備に努め、社員活力の最大化を図ります。

 

 当社グループは、本基本方針に沿って当社グループの事業遂行を確実に行うため、サステナビリティを巡る課題の中で当社グループの事業に関する重要な課題を取締役会で審議し、執行側から意思決定事項や事業計画の実施状況について報告を受ける体制としております。当社グループの重要な課題は、「トリシマのマテリアリティ(重要課題)」として第2「事業の状況」の2「サステナビリティに関する考え方及び取組」(2)に記載しているとおりです。

 

 経営委員会及び経営会議は、当社グループの重要課題である「脱炭素社会実現に向けたエネルギー課題への取組み」、「安全・安心な社会の構築」及び「データ・AIの活用による新しいモノづくりとサービスの構築」に関して各事業部門における環境貢献製品の開発状況や新規市場の開拓状況等について協議を行い、代表取締役CEOが承認した事業計画の指示・実施状況を把握しております。また、コーポレート部門の担当執行役員がサステナビリティに関連する法規制等の開示要件について経営委員会及び経営会議に情報提供を行い、対応事項の選定や優先順位についてコンセンサスを形成すると同時に、適宜、対応状況について取締役会へ報告する体制を整えております。

 

 また、リスク管理については、経営委員会及びリスク管理委員会を中心とした体制を整備しており、第2「事業の状況」の3「事業等のリスク」において記載しているとおりです。

 

 

(2)重要なサステナビリティ項目

  上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下の

 とおりであります。

 

ア. 人的資本(「社員活力の最大化」)

 当社は、サステナビリティ基本方針で定めているとおり、企業の持続的成長を支える基盤となるのは「人」であり、当社で働く多様な人財の能力や知識・スキルを引き出すための仕組みや制度、国籍・性別・年齢・職歴を問わず多様な価値観や考え方を取り入れながら事業の価値を高めていく文化を醸成していくことが必須であると考えております。2021年度策定の中期経営計画においては、当社の重要課題を実現していくために「社員活力の最大化」を基盤となる重要課題として位置付けております。

 

<ガバナンス>

 取締役会での審議を経て制定された「人財育成基本方針」、「環境整備基本方針」に沿って、人事情報を一元的に収集・管理しているHR部が人事制度及び人財育成並びに働く場の環境整備について施策を立案し、HR部を統括するコーポレート部門の執行役員がその施策の重要性に応じて代表取締役CEOや取締役COOの承認を得て実施責任を負う体制としております。

 HR部長やHR部を統括するコーポレート部門の担当執行役員は、経営層及び関係部門長とのコミュニケーション等を通じて事業遂行上のニーズを把握して、求められる人財像を明確にし、必要な研修、人財ポートフォリオ、人財配置等の全体計画を作成します。また、業務執行部門においては、その業務に応じた専門的能力育成のためのOJTや代表取締役CEOや取締役COOの承認のもとに外部機関による研修を実施しています。このような業務執行部門による研修は、HR部との情報共有を行ったうえで実施されております。

 人的資本のうち、特に経営者候補の選定については、毎年2月に開催される指名・報酬委員会において執行役員候補者の実績や地位の適正、将来の見込みを踏まえ、執行役員の選任案を審議し、取締役会へ答申しております。重要な人事を取締役会の承認事項とすることで、企業価値向上の観点から当社の戦略や目指す方向性に合致しているのか客観的な視点を踏まえるような仕組みとし、経営陣に対するモニタリングを遂行しています。

 また、ダイバーシティの確保・推進については、取締役と従業員の対話の場を設けることで、現場(ワークライフバランスに悩む従業員や女性管理職)の声や意見に取締役が耳を傾け、情報収集できるようにするとともに、経営陣に対して従業員が意見等を発信できる雰囲気作りを整えています。

 なお、従業員エンゲージメントの向上については、従業員が自立的に組織の目標に向かって課題に取り組む意欲があってこそ当社グループのマテリアリティを実現することができると認識しております。人的資本の重要性を踏まえて、今後、人事戦略や各方針に基づく施策を着実に実行し、従業員のエンゲージメントの状況を的確に把握するために適切な時期に調査を実施し、取締役会で審議してまいります。

 

<戦略>

 当社グループにおける従業員の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりであります。

 

人財育成基本方針

 私たちは、事業を通じて社会的な課題を解決するために「人財」こそが最大の財産であると考えています。経営理念である「私たちはポンプを愛し、世界によりよい変化を生みだすために、進化し続けます」に基づき、その行動指針である「EVOLUTION(Teamwork / Diversity / Professional / Clarity / Enthusiasm / Innovation)」を自律(立)的に体現・実践し、自己成長のできる人財の育成を図ります。

 トリシマでは、人財育成の一環として、多様な経験を持ち、柔軟な考えと高い適応能力のある従業員育成のためのジョブローテーションや必要な知識、スキルを習得するための階層別研修、専門教育を含む各種研修を行っています。従業員全員が成長を実感し、それぞれがやりがいと誇りをもつことが企業価値の持続的向上のために重要であると考え、会社と従業員が共に成長できるよう継続的に取り組んでいきます。

 

環境整備基本方針

 私たちは、一人ひとりの人格、個性、多様性を尊重し、失敗を恐れずにチャレンジし、能力を存分に発揮し成長し続けるための環境を整えることが、人財育成のために重要であると考えています。 従業員のプライバシー保護に対し細心の注意を払い、ハラスメント等がない安心な職場や、危険・有害要因を排除した安全な労働環境を整え、従業員が健康に活き活きと働く、「社員活力の最大化」につながる環境の整備と充実を引き続き図っていきます。

 

 上記の「環境整備基本方針」をより具体化し、社員が心身ともに健康で活力を持って働くための基盤として、2026年3月に「健康宣言」を制定いたしました。今後は以下の「健康経営推進方針」に基づき、全社を挙げて具体的な施策を展開してまいります。

 

健康経営推進方針

① 心の健康を守る組織文化の醸成

  メンタル不調の未然防止、対話の活性化、および早期相談体制の構築

  誰もが安心して挑戦できる職場環境の整備

② 生涯現役を支える身体的健康の増進

  安全な職場づくりの推進と運動機能の支援

  再検査対象者への後追い強化や重症化予防の徹底

③ 柔軟で多様な働き方の推進

  各ライフステージに応じた柔軟な働き方の尊重

  ワークライフバランス向上を通じた、従業員エンゲージメントの強化

 

[人財戦略に関する基本方針等]

 当社は、上記の各方針を具現化し、持続的な企業価値の向上を図るため、以下のとおり目指すべき人財の姿(ビジョン)を明確化し、これに基づく人財戦略を推進します。

 

(目指す人財ビジョンと行動原則)

・育成の理念 :仕事経験とメンバーとのチームワークを通じて学び成長する。

・求める人財像:顧客や社会との信頼関係を築き、チームとしての成果にコミットして、ポンプを通じて世界に安心・安

        全を提供し続ける人財。

・基本行動  :本人は自律的に行動し、上司・先輩は支援的に行動する。

 

(人財戦略の3本柱)

・適材適所の配置によるチーム力の最大化:社員の「自律的な行動」を尊重し、個々の強みや専門性を最大限に活かせる

                    配置を行うことで、チームとしての成果を最大化します。

・挑戦を支える組織風土の醸成     :上司・先輩の「支援的な行動」を組織の基盤とし、失敗を恐れず挑戦し、互

                    いに学び合える風通しの良い職場環境を構築します。

・働きがいとエンゲージメントの向上  :世界に「安心・安全」を提供する社員自身が、心身ともに健康で長く活躍で

                    きるよう、多様な働き方の推進や公正な評価を通じて、組織全体の活力を高

                    めます。

 

 このような方針及び戦略のもと、従業員のスキルを高めるために、①若手社員による近隣小学校への出前授業である「トリポンスクール」を昨年に引き続き実施、②中堅社員が次世代リーダーとして広い視野を獲得するための海外弾丸ツアーの実施、③階層に応じたマネジメント能力等育成のための階層別研修の実施、④受験費用会社負担や合格時の祝金贈呈による資格取得の促進⑤営業・技術・生産・管理等の各業務執行部門によるOJTや研修、⑥研究機関への出向等の取組を行っております。

 さらに2025年度は、従業員のキャリア自律と定着を促す「キャリアデザイン研修」を若手・中堅層を中心に実施したほか、新たな人事評価制度の導入に先立ち、部下の成長支援と対話の質の向上を目的とした管理職向けの「評価者研修」を全社規模で実施いたしました 。今後は、それぞれの対象者に応じた適切な運用基準のもと、自律型人財の育成とそれを支える組織風土の醸成を安定的かつ持続的に進めてまいります。

 また、外面的な多様性確保の観点からは、①外国籍や女性の取締役選任、②設計・エンジニアリングの分野における外国籍従業員の採用、③新規採用や退職者の再雇用による女性従業員比率の向上、④積極的なキャリア採用の実施、⑤企業内託児所の整備・拡充、⑥有給取得率の向上、⑦育児・介護等による家族サポートのための特別休暇(ファミリーサポート休暇)の活用、⑧男性従業員の育児休業取得率や取得日数の向上等を、内面的多様性の観点からは、①多様な経験・知識等獲得のための一定比率以上のジョブローテーションの実施や他企業への出向、②グローバルな視点獲得のための海外子会社・支店への配置等に取り組んでおります。

 

<リスク管理>

 リスク管理については、第2「事業の状況」の3「事業等のリスク」のオペレーション上のリスクにおいて記載しているとおりであります。

 日本の労働人口の減少や少子化、雇用の流動化により、必要な人財確保が難しくなり、組織内での重要な機能を果たす人財補給の流れが途切れる可能性があります。このようなリスクに対しては、賃金水準の引き上げや人財へ投資することにより、従業員のモチベーションを向上し、職務遂行能力を高めると同時に、マネジメント層の評価制度を見直しながら有能な人財の確保・育成に努めてまいります。また、DXによる省力化、業務の効率性及び生産性を上げることにより、労働力の効率的な配分を行い、活力のあるチーム作りを通して事業の展開を後押ししてまいります。

 なお、当社は、社員の活力最大化に向けて人的資本を確保・維持するには、一人ひとりの人権への適切な配慮が必要であると認識しております。当社のみならず、当社グループ及び取引先も含めたサプライチェーンにおける人権を尊重する体制を整備するため、当社では、次のとおり人権方針を定めております。人権デュー・デリジェンスについては、今後実施し、リスクを特定した上で、対応策について検討してまいります。

 

人権方針

 私たちは、社会的存在である企業としてサステナビリティ基本方針において人権の尊重を定めています。人権の尊重が企業としての大きな責任だと考えており、個人の人権、個性が尊重される環境づくりに貢献することが企業に当然期待されるべきものであることを理解しています。

 トリシマグループの事業活動が影響を及ぼすすべての人々の人権が侵害されることのないよう、ここに人権方針を定め、国際的な人権水準に則り、人権尊重の取組を推進していきます。

 1.基本原則

  私たちは、「国際人権章典*」及び「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」に記されている原則にし

 たがうと共に、「国連のビジネスと人権に関する指導原則」及び国連「グローバル・コンパクト10原則」を尊重しま

 す。

 *「世界人権宣言」「市民的及び政治的権利に関する国際規約」「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規

  約」

 2.人権方針の適用範囲

  本方針はトリシマグループすべての役員及び従業員に適用します。

  また、トリシマグループのビジネスパートナーに対しても、本方針の尊重と理解をいただけるように継続的に働き

  かけていきます。

 3.重要と考える人権課題

  私たちは、基本的人権を尊重し、ダイバーシティを推進するとともに多様な人財育成と活用につとめます。

  私たちは、人種、宗教、年令、性別、障害、思想等に基づく差別を行いません。

  私たちは、強制労働や児童労働等、形態を問わず現代奴隷を認めません。

  私たちは、各種ハラスメントといった身体的・精神的苦痛を与える行為を許容しません。

  私たちは、個々のプライバシーを尊重し、細心の注意をもって個人情報を取り扱います。

  私たちは、事業活動を行うそれぞれの地域において、その国の国内法及び規制を遵守するとともに、現地の文化・

  習慣を尊重します。

 4.人権デュー・デリジェンス

  人権デュー・デリジェンスの仕組みを構築することにより、課題を特定し、防止及び軽減に努めます。

 5.社内通報制度

  すべての従業員に対して、法令・諸規則等に違反する、又はそのおそれがある行為を発見した場合、その旨を速や

 かに通報できるように社内通報制度を設けています。また、通報を行った従業員を公正に取り扱うために、通報者の

 匿名性を守ります。

 6.ステークホルダーとの対話

  本方針を推進するにあたり、ステークホルダーとの対話と協議を行います。

 7.周知と教育

  本方針が浸透・実行されるよう、すべての役員及び従業員に人権方針を周知し、適切な教育を行います。

 

 

 

<指標・目標>

人的資本に関する指標・目標は次のとおりであります

指標

単体実績(2026年3月期)

目標 比率(%)

(2030年3月期)

人数

比率(%)

従業員数(男性)

1,039

80.4

従業員数(女性)

253

19.6

20.0

総人数(注)

1,292

100.0

女性管理職(※1)

7

3.4

6.0

女性マネジメント職比率(※2)

14

8.6

15.0

新入社員(男性)

37

80.4

新入社員(女性)

9

19.6

育児休業取得率(男性)(※3)

30

96.8

100.0

育児休業取得率(女性)(※3)

5

100.0

100.0

(注)嘱託社員、臨時従業員等252名を含みます。従業員数は2026年3月末時点の人数です。

※1 管理職は労働基準法上の「管理監督者」及び同等の権限を有する者の合計

※2 マネジメント職は、管理職手前の職位者の合計

※3 子の出生年度と、その子に対する初めての出生時育児休業または育児休業の取得開始年度のずれにより、取得率が

  100%を超える場合があります。

 

 当社では、2024年度に導入した新人事制度のもと、職種を総合職に統一したことで従業員の活躍の場が拡充されており、性別にかかわらず誰もがチャレンジできる環境の整備を進めております。また、社外企業との交流機会を提供することで、異なる業界や価値観に触れる自己成長とネットワーク形成の場を創出しております。これらの継続的な取組により、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮し、活躍できる組織風土の醸成を図ってまいります。

 なお、実績・数値につきましては、各地域において法令が異なり同一の基準での集計が困難なため、酉島製作所単体の数値であります。

 

イ. ガバナンスの向上

 当社は、グループ経営の強化及び意思決定の迅速化を図るため、代表取締役CEOと取締役COOを設け、グループ経営に関する責任を代表取締役CEOが担い、当社単体の業務執行責任者として取締役COOを位置づけました。

 代表取締役CEOは、経営委員会を主宰し、当社の海外拠点法人のグループ戦略策定を行うとともに、当社を含むグループ企業全体の執行の監督及びグループガバナンス体制の構築を担います。取締役COOは、当社グループの中核である当社単体の業務執行の最高責任を担い、ポンプ製品をはじめとするモノづくり体制の強化及び市場開拓を進めてまいります。詳細は、第4「提出会社の状況」の4「コーポレート・ガバナンスの状況等」(1) 「コーポレート・ガバナンスの概要」イ.「企業統治の体制の概要及び当該体制を利用する理由」を参照ください。

 また、当社がマテリアリティを遂行し、事業環境の変化への適応やグローバル展開を支えるためには、高度な経営判断が不可欠です。このため、当社の取締役会には、国際ビジネスに精通した外国人経営者に加えて、豊かな経営経験や高度な専門的知識を持つ社外取締役が参画しております。さらに、多様な背景や属性を備えた社外取締役が、独立した客観的な視点から経営を監督することで、適切な意思決定と中長期的な企業価値の向上、および取締役会の機能強化を図っております。

 

 

・参考指標:取締役の属性及び取締役会への出席状況(単体)

指標

2026年3月期実績

(取締役員数に対する比率)

2026年6月24日定時株主総会終了直後

(取締役員数に対する比率)

取締役総数

11 名

10 名

業務執行の取締役

5 名

4 名

非業務執行の取締役

6 名

6 名

社外取締役

6 名(54.5%)

6 名(60.0%)

女性取締役

2 名(18.1%)

3 名(30.0%)

外国人取締役

2 名(18.1%)

2 名(20.0%)

取締役会出席率平均 (%)

97.2 (%)

取締役の平均在職期間

6.3年

 

ウ. TCFD提言に基づく情報開示(気候変動対応)

 気候変動は、現在の私たちが直面する非常に重要な課題です。当社は従来、自社の事業活動における取組と自社製品・サービスにおける取組の双方で、環境負荷の低減、気候変動への対策を進めてきました。

 特に、社会インフラの「心臓」として稼働するポンプの高効率化(省エネルギー化)を気候変動対策における最重要課題と位置づけ、海水淡水化プラント向けなどで培った高度な流体技術を小型標準ポンプにも展開することで、社会全体の環境負荷低減に大きく貢献しております。同時に、次世代クリーンエネルギーの主役である水素・アンモニアの活用においても当社のポンプ技術を展開するほか、近年激甚化する豪雨災害に対しては、独自の技術ソリューションで防災・減災に貢献するなど、人々の命と暮らしを守る使命を果たしております。さらに、持続可能な社会構築における「工学」の重要性を世界に発信すべく、2025年度より継続してユネスコ制定の「World Engineering Day」の公式パートナーを務めるなど、グローバルな視点での啓発活動も推進しております。

 当社はこれらの活動を通じ、重要課題(マテリアリティ)のひとつとして「脱炭素社会実現に向けたエネルギー課題への取組」を掲げ、環境経営を推進しています。

 当社は2023年5月にTCFDの提言に賛同しました。TCFDでは、企業に対して、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標・目標の4項目について、自社への財務的影響のある気候変動関連情報を開示するよう勧めています。今後も、気候変動関連情報開示を充実させ、より一層環境に配慮した事業活動を継続していくことにより、持続可能な社会の実現に向けて貢献し、企業価値のさらなる向上に努めます。

 

<ガバナンス>

 当社は、ポンプ事業を通じて気候変動問題に対応することは、社会の重要な要請であると同時に新たなビジネスチャンスを作り出す好機であるととらえており、年に一度、サステナビリティを巡る課題の中でマテリアリティを取締役会で審議し、執行側から意思決定事項や事業計画の実施状況について報告を受ける体制としています。

 経営会議は、取締役COOを筆頭に執行役員等で構成され、当社の重要課題である「脱炭素社会実現に向けたエネルギー課題への取組」、「安全・安心な社会の構築」及び「データ・AIの活用による新しいモノづくりとサービスの構築」に関して各事業部門における環境貢献製品の開発状況や新規市場の開拓状況等について協議を行い、取締役会が承認した事業計画の実施状況を把握する場として機能しています。

 また、同会議では、コーポレート部門の担当執行役員が気候関連の法規制の動向や第三者機関の評価結果について情報提供を行い、対応事項の選定や優先順位についてコンセンサスを形成しています。環境経営に関する目標・指標・リスク管理については、部署横断的事項であることから、コーポレート部門の担当執行役員の下に設置したサステナビリティチームが検討し、コーポレート部門の担当執行役員を通して随時、経営会議に上程し、審議する仕組みとしています。

 なお、環境委員会は、工場でのCO2排出削減・電力使用量の合理化政策を中心に討議し、環境貢献製品の開発状況の共有も含めてサステナビリティチームに随時、指示を行い、報告を受ける体制としています。

 

 

<戦略> シナリオ分析プロセス

 異なるシナリオ下における財務影響および事業インパクトを評価し、また気候関連リスク・機会に対する当社戦略レジリエンスを評価することを目的として、下記のステップに沿ってシナリオ分析を実施しています。

 

 

 シナリオ分析ステップ

 

<戦略>  気候関連リスク・機会に伴う財務影響及び当社の対応

 以下の図表のとおりです。

※1 短期:5年未満、中期:5年~10年、長期:10年以上

※2 ゲリラ豪雨等における短時間での排水量増加の対策として、低水位化や排水量の増量化が可能なポンプ

※3 ポンプ場が浸水した時でも稼働可能なポンプ

 

 

<リスク管理>

 気候変動問題に対しては、リスク管理委員会が、コーポレート部門に設置したサステナビリティチームの報告に基づき、気候変動問題をめぐる法的規則(例えば炭素税)等のリスクを特定し、コーポレート部門の担当執行役員より経営会議に報告し、経営会議においてリスク評価を行います。

 経営会議の議長である取締役COOによりリスクが高いと判断された事項については、関係部門担当役員が実行計画を策定し自部門で執行するほか、実務面でサステナビリティチームの支援を受けてリスク対策が有効に機能しているかどうかを自己点検し、定期的に経営会議に進捗状況を報告します。

 

<指標と目標>

 [温室効果ガス排出量削減目標]

  ・2029年度 グループ全体のScope1,2「実質ゼロ」 (Scope3の目標値は検討中)

 [削減策の概要]

  ・工場使用電力の削減(鋳造電気炉・コンプレッサー・試験電力)

  ・購入電力の再エネ比率向上

  ・化石燃料使用設備の電化更新