2023年12月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 1,752 100.0 509 100.0 29.1

事業内容

3【事業の内容】

当社は「地域の今を可視化して、人と人の未来をつなぐ」という経営理念のもと、地域のあらゆる情報を可視化し、地元で個人・企業・行政が必要なものを融通しあえる仕組み作りを目指して、クラシファイドサイト「ジモティー」を運営しております。クラシファイドサイトとは、地域や目的によって分類された募集広告を、一覧形式で掲載する広告媒体の一つであり、一般的に掲載料が無料で、個人・法人を問わずユーザーとして利用でき、誰でも手軽に広告掲載ができる点が特徴です。

 

「ジモティー」は、地元で情報を探す人と情報を発信したい人をマッチングさせるプラットフォームであり、主に以下の特徴を有しております。

 

(1)日本全国網羅された地域と、幅広く細分化されたカテゴリ

「ジモティー」では、地域の情報が「投稿」として豊富に掲載されております。また、地域の情報が全国47都道府県の市区町村に区分され、目的に応じたカテゴリに分類して掲載されているため、ユーザーの求める地域の情報が見つけやすくなっております。

 

大カテゴリ一覧

カテゴリ

内容

売ります・あげます

物品の売買及び譲渡に関する情報

助け合い

「助けて」「手伝って」等の助け合いの依頼に関する情報

メンバー募集

個人の各種メンバー募集に関する情報

不動産

不動産物件の賃貸及び売買に関する情報

中古車

中古車物件の売買に関する情報

正社員

法人の正社員募集に関する情報

地元のお店

各種ビジネスの宣伝に関する情報

里親募集

動物の里親募集に関する情報

教室・スクール

各種スクールの宣伝に関する情報

イベント

各種イベントの開催に関する情報

アルバイト

法人のアルバイト募集に関する情報

 

(2)ユーザー間のマッチング機会を提供

「ジモティー」は、ユーザーに対し投稿・問合せ機能を提供しております。ユーザーは「投稿」による広告情報の掲載、並びに掲載された広告情報に対する「問合せ」を行うことが可能であり、ユーザー間のマッチング機会を提供することが可能なサービスとなっております。

「ジモティー」では、ユーザーの入会並びに利用時の手数料を原則無料にしており、誰でも気軽に利用することが可能となっております。また、マッチング後のユーザー間の取引はユーザー同士の相対により直接行われているため、ユーザーが安心・安全、かつ、便利に取引できるサービス提供を心掛けております。具体的には、以下の機能等を備えております。

・投稿・問合せ機能

入会並びに利用時の手数料が無料で、Webサイト及びスマートフォンアプリから誰でも簡単に「投稿」と、掲載中の「投稿」に対して「問合せ」ができる機能を提供しております。

当事業年度においては、売ります・あげますカテゴリにおいて、一度に複数の物品を「投稿」可能な「まとめて投稿」機能をリリース致しました。今後もプラットフォームの利便性向上のためのプロダクト開発を推進してまいります。

・チャット機能

「ジモティー」内のチャット機能で簡単に取引のやり取り・連絡を行うことができます。相手にアドレス等の個人情報を渡すことなく、取引ができるため安心して利用できます。

 

・評価・保険機能

投稿者・問合せ者がお互いの取引を評価でき、当該取引の評価は、各ユーザーのアカウント情報に表示され、取引の参考にすることができます。また、取引でトラブルが起きた場合でも、費用の一部が補償される保険機能も提供しております。

・投稿オプション機能

投稿者が「投稿」を目立たせる為に利用する機能を有償で提供しております。古い投稿が新着投稿として更新される機能(リフレッシュ)や、リフレッシュが7日間継続される機能(定期リフレッシュ)、投稿の背景が黄色で表示される機能(ハイライト)、期間中に指定した地域・カテゴリの投稿一覧最上部に投稿が固定表示される機能(PR枠)といった機能があります

・あんしん決済機能

掲載中の「投稿」に対してオンライン上で商品代金を事前に支払い、投稿者は納品と双方の評価完了後に商品代金を受け取ることができる機能を有償で提供しております。商品代金の支払いをジモティーが仲介するため、安心してご利用いただけます。

 

(3)充実したカスタマーサポート体制

当社は、ユーザー間の取引に直接関与していないため、ユーザーが安心して「ジモティー」を利用できるよう、カスタマーサポート体制を整備しております。

具体的には、投稿された内容を監視するための体制の構築や適切なサポート人員の配置をはじめ、ユーザーの本人確認の強化、違反ユーザーに対する注意喚起や利用停止等を実施しております。今後においても、サービスの成長に合わせて必要な投資を行い、体制の強化に努めてまいります。

 

また、当社は、先述のサービスを提供することで、主に、広告枠提供による収入を得ております。具体的には、以下のとおりです。

 

① 広告売上

「ジモティー」上の広告枠を、「ジモティーAds」又はアドネットワークを通じて提供し、広告の配信又はクリック等の特定のアクションが行われることで収益を得ております。

「ジモティーAds」は、「ジモティー」の媒体に直接出稿できる運用型の広告配信プラットフォームです。登録ユーザー情報や過去の行動履歴から、最適な広告を配信することを可能としているプラットフォームです。

アドネットワークとは、多数の広告媒体のWebサイトを束ねた広告配信ネットワークを形成し、それらのWebサイト上で一括して広告を配信する手法であり、メディア運営者は、サイトページ上に広告枠のみをアドネットワーク事業者に提供し、掲載される広告が、システムにより自動配信される仕組みとなっております。

 

② マーケティング支援売上

 マーケティング支援は、更に2つに区分しております。

a. 機能課金

「ジモティー」では、ユーザー同士のマッチング向上を図るため、主に法人利用を目的とした投稿オプション機能の提供を2017年12月期より行っており、ユーザーが希望する機能を有償販売することで収益を得ております。

投稿オプション機能では、古い投稿が新着投稿として更新される機能(リフレッシュ)や、リフレッシュが7日間継続される機能(定期リフレッシュ)、投稿の背景が黄色で表示される機能(ハイライト)、期間中に指定した地域・カテゴリの投稿一覧最上部に投稿が固定表示される機能(PR枠)といった機能があります。

上記投稿オプション機能により、ユーザーは地域・カテゴリ毎のターゲティングが可能となっております。なお、投稿オプションの価格については、適宜、見直しを行っております。

 

b. DB連携

「ジモティー」では、提携サイトの商品データベースと連動した投稿を掲載しております。ユーザーがそれらの投稿をクリックするとデータベース上連携している提携先の外部サイトへ進み、さらに資料請求や、契約等のユーザーアクションによる成果発生件数に応じて収益を得る、成果報酬型の収益となっております。

 

一例としては、「中古車」カテゴリでは、中古車に特化した専門媒体と連携し、当該媒体で登録されている豊富な車種並びに価格帯の中古車情報を、「ジモティー」の投稿として掲載しております。それらの投稿に対して、「ジモティー」のユーザーが中古車見積もり依頼を行った件数に応じて、当該媒体から成果報酬を得ることで、ユーザーのアクションをマネタイズすることが可能となっております。

 

「ジモティー」は、2011年11月にサービス提供を開始し、サービスの成長を図るため、様々な施策を継続して行っております。サービス拡大の取組みとしては、ブランド認知度向上が重要であると考え、テレビCMやWebアプリにおけるプロモーション施策を実施しております。また、行政と提携しリアルなリユース拠点を共同運営することで、ごみの減量とリユース数の最大化を図ってまいりました。収益モデル拡充の取組みとしては、ユーザー同士のマッチング向上のための掲載課金型商品の販売、自社による広告枠の販売を開始し、収益基盤の安定化及び向上の施策を実施してまいりました。

 

当社の事業系統図は以下のとおりであります。

 [事業系統図]

 

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態の状況

(資産)

当事業年度末における流動資産は1,351,846千円となり、前事業年度末に比べ38,193千円減少致しました。これは主に、売掛金が46,692千円減少したことによるものであります。固定資産は141,346千円となり、前事業年度末に比べ13,361千円減少致しました。これは主に、有形固定資産が2,896千円減少、投資その他の資産が10,465千円減少したことによるものであります。

この結果、総資産は1,493,192千円となり、前事業年度末に比べ51,555千円減少致しました。

 

(負債)

当事業年度末における流動負債は430,714千円となり、前事業年度末に比べ117,937千円増加致しました。これは主に、未払金が107,792千円増加、契約負債が7,633千円増加したことによるものであります。固定負債は75,000千円となり、前事業年度末に比べ66,220千円減少致しました。これは、長期借入金が60,000千円減少、資産除去債務が6,220千円減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は505,714千円となり、前事業年度末に比べ51,717千円増加致しました。

(純資産)

当事業年度末における純資産合計は987,478千円となり、前事業年度末に比べ103,273千円減少致しました。これは主に、自己株式の消却により1,151,852千円増加した一方で、資本剰余金が1,163,158千円減少、利益剰余金が91,899千円減少したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は66.1%(前事業年度末は70.6%)となりました。

 

② 経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、緩やかな回復が続くことが期待されています。一方で、世界的な金融引締めが続く中、海外景気の下振れが国内の景気を下押しするリスクとなっており、注視すべき状況が続いております。

このような環境のなかで、当社はクラシファイドサイト「ジモティー」を通して、地域の情報が幅広く集まるプラットフォームを提供することで、地域の情報を可視化し、地域の人とのマッチングを推進してまいりました。

当社では、持続的なプラットフォームの成長のために、地域内で互いに必要なモノや情報を融通しあえる場所へと進化するべくサービスの改善に努めてまいりました。具体的には、モノや情報の量を増やし可視化させるための取組みとして、プラットフォームの改良による利便性の向上やサイト投稿を促進させるための施策の実施に注力してまいりました。また、ユーザー数拡大の取組みとして、行政と提携しリアルなリユース拠点を共同運営することで、ごみの減量とリユース数の最大化を図ってまいりました。また、収益モデル拡充の取組みとして、収益基盤の安定化及び向上を目的とした自社広告枠の販売により、当事業年度を通して引き続き改善と検証を重ねてまいりました。

以上の結果、当事業年度の売上高は1,751,577千円(前事業年度比2.8%減)、営業利益は508,897千円(同10.3%増)、経常利益は519,043千円(同7.9%増)、当期純利益は433,446千円(同6.5%増)となりました。

なお、当社はクラシファイドサイト運営事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載をしておりません。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ3,641千円減少し、当事業年度末には1,120,162千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は595,427千円(前事業年度は292,870千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益511,301千円の計上、法人税の支払77,199千円、売上債権の減少46,622千円、未払金の増加107,792千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は175千円(前事業年度は4,881千円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出1,820千円、敷金の返還による収入1,644千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は598,892千円(前事業年度は347,955千円の支出)となりました。これは、自己株式の処分による収入6,480千円、長期借入金の返済による支出60,000千円、自己株式の取得による支出545,372千円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載はしておりません。

 

b.受注実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載はしておりません。

 

c.販売実績

当社の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社はクラシファイドサイト運営事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2023年1月1日

 至 2023年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

クラシファイドサイト運営事業

1,751,577

97.2

合計

1,751,577

97.2

 (注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

当事業年度

(自 2023年1月1日

 至 2023年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Google Asia Pacific Pte.Ltd.

645,189

35.8

688,385

39.3

(注)主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先については記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当事業年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要とされております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。しかしながら実績の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、緩やかな回復が続くことが期待されている一方で、世界的な金融引締めが続く中、海外景気の下振れが国内の景気を下押しするリスクとなっており、注視すべき状況が続いております。このような環境下において、当社はプラットフォームの持続的な成長のため、地域内で必要なモノや情報を融通しあい、生活の中で生まれる課題を解決できる場所になるべくサービスの改善に努めてまいりました。また、収益モデル拡充の取組みとして、運用型広告配信プラットフォーム「ジモティーAds」の提供開始等、当事業年度を通して新規事業の開発を推進してまいりました。

以上の結果、当事業年度の売上高は1,751,577千円(前事業年度比2.8%減)、営業利益は508,897千円(同

10.3%増)、経常利益は519,043千円(同7.9%増)、当期純利益は433,446千円(同6.5%増)となりました。当社収益は広告売上では1,263,603千円(前事業年度比4.8%減)、マーケティング支援売上は301,299千円(同11.5%減)となりました。一方、費用面においては、「ジモティー」の更なるブランド認知向上や利用促進のため、広告宣伝費を216,627千円(同40.6%減)投下いたしました。

 

(2022年12月期)

 

 

 

(単位:千円)

 

第1四半期会計期間

(自 2022年1月1日

 至 2022年3月31日)

第2四半期会計期間

(自 2022年4月1日

 至 2022年6月30日)

第3四半期会計期間

(自 2022年7月1日

 至 2022年9月30日)

第4四半期会計期間

(自 2022年10月1日

 至 2022年12月31日)

事業年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

売上高

466,090

439,434

440,142

456,359

1,802,027

広告宣伝費

229,081

25,608

46,207

63,837

364,735

営業損益

△2,808

174,427

142,108

147,541

461,269

 

(2023年12月期)

 

 

 

(単位:千円)

 

第1四半期会計期間

(自 2023年1月1日

 至 2023年3月31日)

第2四半期会計期間

(自 2023年4月1日

 至 2023年6月30日)

第3四半期会計期間

(自 2023年7月1日

 至 2023年9月30日)

第4四半期会計期間

(自 2023年10月1日

 至 2023年12月31日)

事業年度

(自 2023年1月1日

 至 2023年12月31日)

売上高

451,205

447,996

413,631

438,743

1,751,577

広告宣伝費

29,254

14,669

20,178

152,524

216,627

営業損益

167,933

180,684

148,316

11,962

508,897

 

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

当事業年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社における主な資金需要は、運転資金及び設備投資資金であります。これらの資金需要については、自己資金を基本としつつ、必要に応じて、最適な方法による資金調達にて対応する方針であります。

なお、当事業年度末における借入金残高は135,000千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,120,162千円となっております。