2024年11月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

フィッシング事業 アウトドア事業 その他
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
フィッシング事業 803 25.0 55 34.3 6.8
アウトドア事業 2,390 74.4 92 57.8 3.9
その他 20 0.6 13 7.9 64.4

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社は、主にフィッシング事業とアウトドア事業の二つの事業を展開しております。フィッシング事業は、ルアーやフライフィッシング用品の企画開発、輸出入及び販売を行っております。また、アウトドア事業は、オリジナルアウトドアブランド「フォックスファイヤー」を中心としたアウトドア向け衣料品及びアクセサリー等の企画開発、販売を業務としております。

なお、当社は関連会社 株式会社キャンパーズアンドアングラーズを有しております。同社はキャンプ・フィッシング・食を融合した体験型施設の運営を行っております。

 

当社の事業内容は次のとおりであります。

 


(注) 関連会社 株式会社キャンパーズアンドアングラーズへの販売は、上図における当社→小売店→ユーザーに該当します。

 

業績

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績

 当事業年度(自2023年12月1日 至2024年11月30日)における日本経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加により緩やかな回復基調にあるものの、原材料及びエネルギー価格の高騰や円安進行など、物価上昇の継続による消費者マインドの改善に足踏みもみられました。

 当社の関わるアウトドア関連産業のうち、釣用品市場では、コロナ禍における需要からの反動減による在庫調整局面が依然として続いており、猛暑や水害、地震などによる天候要因も加わって一段と厳しい市況となりました。

 また、アウトドア衣料品市場は、春夏物衣料の販売については概ね順調に推移した一方、期初の記録的な暖冬や秋季の記録的な高温などが影響し、防寒衣料を中心とした秋冬物の販売が大きく落ち込みました。

 このような状況の中、当社では収益確保に取り組んだものの、当事業年度の売上高は32億12百万円(前年同期比5.6%減)となりました。

 さらに、仕入原価上昇による売上総利益率の低下や、人件費などの販売費及び一般管理費増加の影響を受け、営業損失は30百万円(前年同期 営業利益1億16百万円)となり、経常損失は24百万円(前年同期 経常利益1億18百万円)となりました。

 また、関係会社株式評価損29百万円や店舗造作などの固定資産の減損損失26百万円を特別損失に計上したことや、法人税等調整額13百万円(前年同期 △3百万円)などの影響を受け、当期純損失は1億9百万円(前年同期 当期純利益1億8百万円)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次の通りであります。

(フィッシング事業) 

 フィッシング事業に関しては、円安や海外需要の回復等により輸出は堅調に推移したものの、国内では3密を避けられるアクティビティとして高まったコロナ期需要からの反動減により在庫調整局面が続きました。また、観測史上最高となった昨年に並ぶ記録的な猛暑や各地で発生した水害、地震などによる釣行回数の減少などの影響を受け、市況は一層低調に推移いたしました。

 ルアー用品についてはフィッシングロッド(釣竿)において売上を伸ばした商品があった一方、ルアー(擬似餌)やフライ用品など全般に販売が苦戦いたしました。

 その結果、当事業年度におけるフィッシング事業の売上高は8億2百万円(前年同期比11.1%減)となり、セグメント利益(営業利益)は54百万円(前年同期比53.1%減)となりました。

 

(アウトドア事業)

 アウトドア事業に関しては、12月~2月の期初において記録的な暖冬による防寒衣料や防寒小物の販売が低迷いたしました。その一方で、防虫素材(スコーロン)を使用した商品などを中心とした春夏物衣料の販売や、通信販売については概ね順調に推移いたしましたが、9月~11月の秋季において記録的な高温となったことなどが影響し、再び秋冬物衣料の販売が大きく落ち込みました。

 その結果、当事業年度におけるアウトドア事業の売上高は23億89百万円(前年同期比3.6%減)となり、仕入原価上昇による売上総利益率の低下や、人件費などの販売費及び一般管理費増加の影響を受け、セグメント利益(営業利益)は92百万円(前年同期比50.3%減)となりました。

 

(その他) 

 その他の主な内容は、不動産賃貸収入売上であります。賃貸面積の若干の縮小により当事業年度に関しては、その他売上高は19百万円(前年同期比3.9%減)となりました。その一方で修繕費が減少したことなどが影響し、セグメント利益は12百万円(前年同期比36.5%増)となりました。

 

② 財政状態

当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ2億15百万円減少し、55億36百万円となりました。

当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ71百万円減少し、10億10百万円となりました。

当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ1億44百万円減少し、45億26百万円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ2億45百万円減少し、6億43百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は1億17百万円(前年同期の得られた資金は1億40百万円)となりました。これは主に減価償却費77百万円や退職給付引当金の増加10百万円、減損損失26百万円、関係会社株式評価損29百万円などによる資金の増加の一方、税引前当期純損失81百万円や売上債権の増加25百万円、棚卸資産の増加61百万円、仕入債務の減少38百万円、未収消費税等の増加7百万円、未払消費税等の減少20百万円、法人税等の支払額29百万円などによる資金の減少によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は93百万円(前年同期の使用した資金は1億1百万円)となりました。これは主に、有価証券の償還による収入1億円や敷金及び保証金の回収による収入8百万円などによる資金の増加の一方、有形固定資産の取得による支出78百万円や無形固定資産の取得による支出21百万円、投資有価証券の取得による支出1億円などによる資金の減少によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、35百万円(前年同期の使用した資金は35百万円)となりました。これは主に、前事業年度決算の剰余金処分の配当支出29百万円とリース債務の返済による支出5百万円によるものです。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(資金需要)

当社の事業活動における運転資金需要は、主として商品仕入の他、販売費及び一般管理費にかかるものです。また、設備投資資金は直営店等の什器内装工事やルアー等の金型製作等に支出しております。

 

(財務政策)

現在、主として内部資金を活用し金融機関からの借入れに依存しておりませんが、一部の投資についてはリース契約等により外部資金調達を行い、金融機関からの借入れも含め幅広い資金調達手段の確保に努めております。

 

⑤ 生産、受注及び販売の状況

1) 商品仕入実績

当事業年度の仕入実績は、フィッシング事業においては、売上減少による仕入調整などにより減少いたしました。一方のアウトドア事業に関しては、円安や原材料価格高騰などに起因する仕入原価の上昇などにより増加いたしました。それらの結果、全社の仕入実績は前年同期比1.0%増とほぼ前年と同等に推移いたしました。

なお、当事業年度の仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

フィッシング事業

356,843

△28.2

アウトドア事業

1,434,216

12.3

その他

合計

1,791,060

1.0

 

 

2) 販売実績

当事業年度の販売実績は、フィッシング事業に関しましては、コロナ禍において釣りが注目された反動減により在庫調整局面が続きました。記録的な猛暑による釣行回数の減少などの影響を受け、販売は低調に推移いたしました。アウトドア事業に関しては、販売が大きく低迷いたしました。それらの結果、全社売上高は、前年同期比5.6%減と減少いたしました。

なお、当事業年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

フィッシング事業

802,714

△11.1

アウトドア事業

2,389,698

△3.6

その他

19,636

△3.9

合計

3,212,048

△5.6

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況の分析

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等や財務諸表作成時に入手可能な情報を合理的に判断しておりますが、これら見積りは当事業年度末現在において判断したもので、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため異なる場合があります。

当社の財務諸表作成にあたって採用した重要な会計方針は「第5 経理の状況  注記事項 (重要な会計方針)」に記載のとおりであります。

なお、当事業年度における重要な会計上の見積りに関する情報は「第5 経理の状況  注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

1) 繰延税金資産の回収可能性

当社は、繰延税金資産のうち、回収可能性に不確実性があり、将来において回収が見込まれない金額は、評価性引当額に計上しております。回収可能性の判断では、将来の課税所得の生じる可能性とタックスプランニングを考慮し、将来税金負担を軽減する効果を有するものと判断できる範囲で繰延税金資産を計上することとしております。将来の課税所得見込額は、その時の業績等により、変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が生じた場合は、回収可能性の見直しを行うため、繰延税金資産等に影響を与える可能性があります。

また、税制改正により実効税率が変更された場合には、繰延税金資産等に影響を与える可能性があります。

 

2) 固定資産の減損

当社は、固定資産のうち、減損の兆候がある資産又は、資産グループについて、その資産又は、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能額まで減額し、減少額を減損損失に計上しています。減損の兆候の把握、減損の認識、減損損失の測定等にあたっては、慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境等に変化が生じ、将来キャッシュ・フローの見積り額の前提条件や仮定に変更が生じた場合には、減損処理が必要になる可能性があります。

 

 

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容

1) 経営成績の分析

当社では、アウトドア・アクティビティに関連する事業を行っていることから、比較的気象や天候の影響を受けやすい状況にあります。

 

(売上高)

当事業年度においては、フィッシング事業、アウトドア事業共に売上高は前事業年度より減少いたしました。

まず、フィッシング事業については、コロナ禍において3密を避けられるアクティビティとして「釣り」が注目された反動減による在庫調整局面が依然として続いたことや、地震や水害、記録的な猛暑などの影響を受け一段と厳しい市況となり、売上高は8億2百万円(前年同期比11.1%減)と前事業年度を下回りました。

また、アウトドア事業については、記録的な暖冬や秋季の記録的な高温の影響を受け防寒衣料を中心とした秋冬物の販売が大きく落ち込み、売上高は23億89百万円(前年同期比3.6%減)と前事業年度を下回りました。

上記により、全社売上高は前事業年度に比べて1億91百万円減少し32億12百万円(前年同期比5.6%減)となりました。

 

(売上総利益)

当事業年度においては、フィッシング事業、アウトドア事業共に売上高が前期を下回ったことに加え、為替レートが円安に振れたことなどによる仕入原価の上昇の影響を受け、売上総利益率は低下いたしました。これらにより、当事業年度の売上総利益は、前事業年度に比べて1億33百万円減少し、14億87百万円(前年同期比8.2%減)となりました。

 

(営業利益)

売上高及び売上総利益が減少したことに加え、人件費や荷造運賃、減価償却費の増加などの影響を受け、販売費及び一般管理費が前事業年度より13百万円増加したことなどにより、当事業年度は営業損失30百万円(前事業年度は営業利益1億16百万円)の計上となりました。

 

(売上総利益率、営業利益率について)

当社が重要な指標と位置づけております、当事業年度の「売上総利益率」につきましては、為替レートが円安に振れたことなどによる仕入原価の上昇の影響受け、前事業年度より1.3ポイント減少し46.3%となりました。

一方の「営業利益率」につきましては、当事業年度は営業損失30百万円を計上し△0.9%となりました。引き続き事業の効率化と経営資源の集中を念頭に置き、この指標についてより一層改善されるよう取り組んでまいります。

このほか、セグメント別など詳細な経営成績の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績」に具体的に記載しておりますので、こちらをご参照ください。

 

2) 財政状態の分析

資産、負債、純資産の状況

(資産)

当事業年度末の資産は、資産合計55億36百万円と前事業年度末に比べ2億15百万円の減少となりました。これは主に売掛金の増加27百万円や商品の増加59百万円、ソフトウエアの増加26百万円などの一方、現金及び預金の減少2億45百万円、建物の減少27百万円、関係会社株式の減少29百万円、繰延税金資産の減少13百万円、敷金及び保証金の減少8百万円などによるものです。

(負債)

当事業年度末の負債は、負債合計が10億10百万円と前事業年度末に比べ71百万円の減少となりました。これは主に、未払金の増加9百万円や退職給付引当金の増加10百万円などの一方、支払手形の減少32百万円や買掛金の減少18百万円、未払法人税等の減少16百万円、未払消費税等の減少20百万円、未払費用の減少5百万円などによるものです。

(純資産)

当事業年度末の純資産は、45億26百万円と前事業年度末に比べ1億44百万円の減少となりました。これは主に、当期純損失1億9百万円の発生や前事業年度決算の配当支出29百万円、その他有価証券評価差額金の減少5百万円などによるものです。

 

3) キャッシュ・フローの分析、検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当事業年度のキャッシュ・フローの分析については「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。

 

 

2020年11月

2021年11月

2022年11月

2023年11月

2024年11月

自己資本比率 (%)

81.3

82.1

80.3

81.2

81.8

時価ベースの自己資本比率 (%)

33.0

31.7

34.0

32.4

33.2

 

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を2022年11月期の期首から適用しており、2022年11月期以降に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。

 

当社は事業経営上必要な流動性資金と、その財源を安定的に確保することを、極めて重要であると考えております。

なお、運転資金は現状自己資金でありますが、一部の投資についてはリース契約などによる外部資金調達や、必要に応じてスポット的に借入を行うなど最適な方法により資金調達に対応してまいります。