2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    175名(単体)
  • 平均年齢
    42.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    12.0年(単体)
  • 平均年収
    6,008,000円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)提出会社の状況

 

 

 

 

 

 

2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢

平均勤続年数

平均年間給与(千円)

175

(114)

42歳

9ヶ月

12年

9ヶ月

6,008

(注)1 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員数の期中平均人員であります。

2 臨時従業員には、パートタイマー、契約社員及び嘱託社員を含み、派遣社員を除いております。

3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(2)労働組合の状況

 労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円滑な関係にあり、特記すべき事項はありません。

 

(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

   (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

   (注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

うち正規雇用

労働者

うちパート・

有期労働者

(注)3.

3.8

0.0

35.9

58.6

35.1

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 男性の非正規労働者には定年による再雇用や専門知識を有する専門職の嘱託雇用を含んでおります。

  上記嘱託雇用を除いた非正規労働者の賃金差異は58.8%であります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

 当社は、ステークホルダーの皆様との対話を尊重し、「明日の医療の創造を通して社会に貢献します」という経営理念の実践を通じ持続可能な社会の実現並びに企業価値の向上を目指すうえで、下記のとおり、サステナビリティ基本方針を策定しております。

1.地球環境問題を見据えた独創的な製品の提供を通じて社会の持続的な発展に貢献します。

2.人材の多様性を尊重し国籍、性別、年齢等を問わない人材を採用、育成、活用することにより企業価値の創出に努めます。

3.法令や社会規範等を遵守し公正な企業活動を行うことにより企業価値の向上に努めます。

 

 上記サステナビリティ方針に基づき、地球環境問題やダイバーシティの問題に継続的に取り組んでおります。具体的な取り組み事項としては、気候変動に係るリスク対応としてのCO2排出削減、プラスチックごみの削減や女性、外国人の管理職への登用等であります。とりわけ気候変動への取組みは、気候変動が当社の財務に与える影響に適切に対処するため、気候変動のリスクと機会を正確に把握し、適切な目標を設定した上で必要な対策を行っております。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に従い、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標及び目標について積極的な開示を推進してまいります。

 

(1)ガバナンス

①気候関連のリスク及び機会に関する取締役会の監視体制

 当社は、2008年にリスク管理規程を定め、役職員が中心となり会社に対するリスク管理体制を強化してまいりました。この体制において役職員はコンプライアンスに関するリスク、品質・研究開発に関するリスク、内部統制・財務報告・情報システムに関するリスク、事務手続に関するリスク、(機密)情報漏洩に関するリスク、インサイダー取引に関するリスク、環境・災害・事件等に関するリスク、反社会的勢力に関するリスク等を認識し、その分析及び排除を徹底するという方針を定めております。特に部門長はリスクの洗い出し及び防止に努め、総合的な調整を行う必要があると判断する場合には、代表取締役社長を筆頭とする内部統制委員会に報告するとともに必要な処置を講じております。加えて、取締役会が内部統制委員会からのリスクに関する報告を受け、その進捗状況を管理できる体制を構築しており、会社全体で気候関連も含むリスク防止に取り組んでおります。

 

②気候関連のリスク及び機会を評価・管理する上での経営者の役割

 当社代表取締役社長は、前述のとおり、内部統制委員会の長として当社のリスクのうち総合的な調整を行う必要があるものについて報告を受け、各部門長に対して対応策の実施を指示するという役割を担っております。気候関連のリスク及び機会の評価・管理は、会社全体の総合調整を要するものであり、内部統制の対象となります。

 

 

(2)戦略

 当社は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC: Intergovernmental Panel on Climate Change)、が公表するRCP8.5℃シナリオ(緩和策を取らず産業革命の前と比べて平均気温が4前後上昇するシナリオ)、国際エネルギー機関(IEA: International Energy Agency)が公表するNZE2050(2050年にネットゼロを達成し気温上昇が1.5未満の上昇に抑えられるシナリオ)に基づき、気候変動のリスク及び機会による組織のビジネス戦略や財務計画への影響を把握するよう努めております。そのうえで、識別したリスクと機会に対する対策を講じる体制を整えることで気候変動に対する強靭性を高めて参ります。

短期・中期・長期における気候関連リスク及び機会と組織に与える影響

 気候変動に関するリスクには大別して移行リスクと物理的リスクがあります。移行リスクとは気候変動に順応するうえで生じるリスクであり、現行の規制に伴うリスク、新たな規制に伴うリスク、法規制に伴うリスク、技術リスク、市場リスク、評判リスクがあります。また、物理的リスクは、文字どおり物理的に生じるリスクをいい、急性リスクと慢性リスクに分けることができます。反対に、機会は気候変動によって生じる正の影響であり、市場、レジリエンス、資源の効率性、エネルギー源、製品・サービスに分類することができます。当社では、これらの分類ごとに、当社の調達と売上に対する短期(1年未満)、中期(1~3年)、長期(3~10年)の財務的影響を定性的に評価・分析しております。

 

 2022年度の分析結果は以下のとおりであります。

 

<1.5℃シナリオ>

 

 気温が1.5上昇するシナリオでは、カーボンプライシング制度(炭素税、GX-ETSなど)、温室効果ガスを多く排出する産業やエネルギー源への規制強化、技術革新の進展、新たなエネルギーへの転換といった移行リスクがより顕著になると想定されています。特に、当社グループの調達先の業界においても、電力使用量や燃料使用量の多い製造業などにおいて、カーボンプライスの影響や技術開発の投資失敗など長期的に大きな変化が起き、当社が購入する機器のコストが増加することが考えられます。さらに長期的には、こうした市場価格の変化が当社の顧客である医療機関の運営にも影響を与え、当社の財務に対するリスクになる可能性も示唆されます。また機会については、資源の効率性により輸送手段や生産・物流の効率化が進むことや、エネルギー源の多様化、環境負荷の少ない製品開発などが進むことで当社のコスト減にもつながると予測しています。また、これが製品・サービスの売上にも好影響をもたらし、長期的には売上面でも当社の財務に好影響を与える可能性が大きいと分析しています。

 

<4℃シナリオ>

 4シナリオでは物理的リスクとして、自然災害や気温上昇の影響が強く生じると想定されています。当社の調達先においても各種経費の高騰、災害時におけるロジスティクスの混乱やコスト増等を原因として、長期の急性・慢性ともに中程度のリスクが発生する可能性があります。一方で売上につきましては、気候変動がある場合におきましても医療の需要がなくなることはなく、リスクとしては低いものと考えております。

 

②組織戦略のレジリエンス

 当社では、このような組織に対するリスクと機会の分析結果を踏まえ、組織戦略において、その対策を講じることで組織のレジリエンス強化に努めています。具体的には、内部統制委員会においてリスクへの対策を議論・決定し、部門長を通じて各部門において対策を実施しております。1.5℃シナリオにおける気候変動のリスクに対し、購入する機器や製品のCO2排出量を算定し、気候変動の影響を受けやすい機器や製品の特定とその代替品の検討を行う予定です。また、顧客である医療機関についても、業種別に気候変動の影響を分析し、負の影響がより少ない機関への営業努力を行うことを検討して参ります。また、気候変動による正の影響については、新たな輸送手段、新製品、新市場の把握に努め、当社の調達コストの低減につなげていきます。4℃シナリオにおけるリスクに対しては、自然災害の影響による調達コストの増大に備え、代替製品や機器の検討を行う予定です。このように、当社では、シナリオ分析の結果を組織のレジリエンス強化に役立てております。

 

(3)リスク管理

①気候関連リスク及び機会を識別・評価・管理するプロセス

 当社では、先述の内部統制体制において、気候変動に関連するリスク及び機会を識別・評価・管理しております。そのプロセスは各部門におけるリスクの識別、部門長への報告、部門長の評価を経て内部統制委員会への報告、同委員会における対応策の決定・各部門長への指示、部門長から各部門への指示、各部門における対応策の実施というプロセスで管理されております。また各部門では常時リスクの識別を行い、リスクのうち総合的調整が必要となるリスクが把握された場合、その都度内部統制委員会に付議しております。このように当社では常時リスクのモニタリングを行い、リスクの発生に応じて対応する体制を整えております。

組織のリスク管理における気候リスクの統合

 気候関連リスクは、当社の総合的調整を要するリスクのひとつであり、組織における他のリスクとともに当社の内部統制体制において統合されています。元々、当社の想定するリスクには、環境や災害に関するものが含まれていますが、気候変動に伴うリスクもこの一環であり、その性質から組織全体で総合的に対応すべきものと認識しています。このように、気候関連リスクは当社の内部統制体制を通じて組織のリスク管理に適切に統合されております。

 

(4)指標及び目標

①気候関連リスク及び機会の評価指標

 気候関連のリスクと機会の評価指標は表のとおりです。当社では、シナリオ分析において用いたリスクと機会の分類ごとに指標を設定し、これら指標をモニタリングして当社の財務に対する影響度を評価しております。

 リスクに関しては、移行リスクと物理的リスクに大別していますが、特に、CO2排出規制、市場リスクにおけるコスト増、さらに評判リスクにつきましては、当社への影響が大きいと予測されるため、特に注視しています。また、機会に関しては、資源の効率性、エネルギー源、製品・サービス、市場、強靭性がありますが、特に、交通の効率性、新エネルギー、新製品、新市場の動向による影響が大きいと認識しており、これらの指標の動向を把握し、その分析に努めております。

 

②Scope別温室効果ガス(GHG)排出量と関連リスク

 当社の温室効果ガス排出量に関し、今回、2022年度(2022年4月~2023年3月)における当社のサプライチェーンにおけるScope1、2、3全項目のCO2 排出量を算定しております。その結果、Scope1及び2は全体の4%程度に過ぎませんでしたが、Scope3が全体の約96%と最大の割合を占めています。Scope3は、当社にとって、サプライチェーンにおける間接的なCO2排出であり、その削減には、取引相手の削減努力が必要となります。しかし、取引相手企業におけるCO2削減にはコストがかかり、そのコストが当社の購入する製品や原材料価格に転嫁される可能性があることから、調達価格の上昇につながるリスクがあると認識しております。

 

Scope1

207.498 t-CO2eq

Scope2

786.388 t-CO2eq

Scope3

23,497.549 t-CO2eq

総排出量

24,491.435 t-CO2eq

※ 本算定は、GHGプロトコルに基づき、外部専門組織であるカーボンフリーコンサルティング株式会社の監修により実施しました。

 

③気候関連リスク及び機会を管理する目標及び実績

 上記温室効果ガス排出量の算出結果を踏まえ、当社では2030年までにScope1及び2の温室効果ガス排出量(CO2 相当量)の大幅な削減を目指しております。具体的な施策といたしましては、LED電球の導入等、社内施設及び設備の省エネ化、より一層のペーパーレス化、離席時のPC電源オフの習慣化、社用車使用時のエコドライブ推進等を検討して参ります。

 Scope3につきましては、カテゴリ1の算定対象を徐々に増やしていき、全体の算定結果に基づき目標設定を検討していきます。Scope3は、当社にとって間接的な排出であるため、調達先の理解と協力が必要となります。そのため、当社では、より排出量の少ない原材料の調達に向け、機器や製品の精査を進めると同時に、調達先に対し、その機器や製品の製造過程におけるCO2排出量を下げるよう働きかけを行うことを検討しております。また、カテゴリ4の輸送については、複数製品を混載するなどして一回の輸送における積載率を高めることを検討してまいります。また、現時点では、EV車両など低排出のモダリティを使った輸送網は整備されていませんが、輸送会社のサービスを注視し、より低排出な輸送手段を検討する予定です。さらに、当社サプライチェーンの外に位置付けられるものの、森林や樹木によるCO2吸収や蓄積は、実際に大気中からCO2を削減し、地域や国、さらには地球全体にとって利益をもたらすものです。この観点から、当社では、日本国内及び海外において、植林活動を支援することを検討して参ります。

 また当社は製品や部材の内製化を進めており、その結果、Scope3の割合を低減し、Scope1及び2の割合を増やすことで、トータルの温室効果ガス排出量(CO2相当量)の大幅な削減を目指します。

 このように、当社では気候変動のリスク及び機会を管理するため、今後も、これらの取組みを積極的に推進していく所存であります。

 

(5)人的資本・多様性への取組

当社の人材育成方針、社内環境整備方針は下記のとおりです。

 

人材育成方針

 社員は重要な経営資源、社員の育成は重要な経営投資と位置づけ、「明日の医療の創造を通して社会に貢献します」という経営理念のもと、個の力を強くすることにより企業価値の向上、企業の競争力の強化を目指します。

1.部下育成は上長の最も重要な責務のひとつと位置づけ業務を通じたOJTを実施します。

2.中長期的な育成の観点から計画的な教育や人事異動を実施します。

3.人材の質をより高めていくために研修制度の構築を行います。

 

社内環境整備方針

 社員が長く働きやすい職場環境を整備するため、職場の安全と心身の健康を守るとともに、差別のない健全な職場環境の確保に取り組みます。

1.健康診断やストレスチェックを実施し、相談窓口を設け社員ひとりひとりの心と身体の健康保持・増進に努めます。

2.各種ハラスメントの禁止を周知徹底すると共に、相談窓口を設置することで職場における良好なコミュニケーションを確保します。

3.有給休暇の時間単位の取得を制度化し、より働きやすい環境を整備します。

 

指標

目標

実績(2022年度)

実績(2023年度)

管理職に占める女性労働者の割合

2027年6月までに15%

0%

3.8%

男性労働者の育児休業取得率

2027年6月までに50%

16.7%

0%

年次有給休暇取得率

2027年6月までに80%

30.6%

64.5%