2025年2月期有価証券報告書より
  • 社員数
    490名(単体) 168,001名(連結)
  • 平均年齢
    49.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.8年(単体)
  • 平均年収
    9,471,912円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年2月28日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

GMS事業

34,898

 

[106,090]

 

SM事業

26,906

 

[91,165]

 

DS事業

1,848

 

[9,284]

 

ヘルス&ウエルネス事業

16,764

 

[27,522]

 

総合金融事業

15,547

 

[4,997]

 

ディベロッパー事業

4,314

 

[1,921]

 

サービス・専門店事業

32,341

 

[21,728]

 

国際事業

30,416

 

[6,510]

 

その他事業

1,950

 

[548]

 

純粋持株会社等

3,017

 

[3,221]

 

合計

168,001

 

[272,986]

 

 

(注) 1  従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む)であります。

2  従業員数の[  ]は外書で、時間給制従業員の期中平均人員(但し、1日勤務時間8時間換算による)であります。

 

(2) 提出会社の状況

2025年2月28日現在

従業員数(人)

平均年令(才)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

490

[20]

49.1

17.8

9,471,912

 

(注) 1  平均年間給与(税込額)は、基準外賃金及び賞与を含んでおります。

2  従業員数は就業人員であり、関係会社等からの受入出向者468人を含み、関係会社等への出向者137人を除いております。

3  従業員数の[  ]は外書で、時間給制従業員の期中平均人員(但し、1日勤務時間8時間換算による)であります。

4  平均勤続年数は、関係会社からの出向者については、出向元での勤続年数を含んでおります。

5  当社の従業員数は全てセグメントの「純粋持株会社等」に含まれるため、合計人数のみ記載しております。

 

(3) 労働組合の状況

当社及び一部の連結子会社の労働組合は、イオンリテールワーカーズユニオン等が組織化されており、イオングループ労働組合連合会として、全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟(UAゼンセン)に加盟しております。なお、当社とイオングループ労働組合連合会は労働協定を締結し、年間を通して本質的な課題に取り組んでおり、労使関係は円滑に推移しております。

連結子会社についても、特記すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%) (注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%) (注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%) (注1、3)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

19.8

75.0

64.3

72.3

132.7

 

(注) 1  「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定による公表項目として選択しておらず、また、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

3 労働者の男女の賃金差異は、女性労働者の平均年間賃金÷男性労働者の平均年間賃金×100%として算定しております。平均年間賃金の算定に用いる労働者の人員数のうちパート労働者の人員数については、労働時間を基にフルタイム換算(1日8時間換算)の人数で算出しております。

 

② 連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%) (注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%) (注1、3)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

イオンリテール㈱

30.4

96.6

59.8

76.4

98.1

イオン九州㈱

29.0

59.5

64.5

72.8

96.9

イオン北海道㈱

14.4

38.9

67.8

78.7

100.6

イオン東北㈱

47.1

39.1

73.9

77.8

97.4

オリジン東秀㈱

11.2

81.8

74.5

77.3

98.2

㈱キャンドゥ

16.1

33.3

73.6

82.1

100.6

イオン琉球㈱

25.1

43.8

71.2

83.6

101.4

イオンリテールストア㈱

32.4

97.0

98.5

100.1

イオンスーパーセンター㈱

23.1

74.4

80.7

99.0

㈱サンデー

7.4

80.0

61.7

73.6

97.7

イオンバイク㈱

1.0

0.0

83.7

89.8

93.7

トップバリュコレクション㈱

20.0

83.3

74.4

86.9

125.9

イオンウエルシア九州㈱

20.8

イオンリカー㈱

15.9

65.8

60.2

97.2

アクティア㈱

9.1

34.3

74.1

51.2

㈱アクシス

33.3

83.5

92.0

㈱フジ

15.2

35.0

53.1

71.2

109.9

マックスバリュ東海㈱

18.3

93.3

65.2

80.6

98.2

 

 

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%) (注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%) (注1、3)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

㈱マルエツ

10.2

100.0

61.4

79.9

91.1

㈱ダイエー

10.8

66.7

67.3

75.5

95.9

まいばすけっと㈱

11.0

97.2

86.6

83.6

121.1

㈱カスミ

13.3

58.3

59.6

77.0

97.8

㈱いなげや

3.1

35.4

56.3

76.0

91.4

㈱光洋

19.0

46.2

69.7

87.1

119.1

ミニストップ㈱

12.1

60.0

66.6

82.4

93.3

マックスバリュ関東㈱

12.3

100.0

66.6

82.4

97.8

㈱アスビズサポート

0.5

0.0

79.5

103.2

80.3

イオンマーケット㈱

16.0

100.0

56.0

78.4

80.9

㈱マルエツフレッシュフーズ

0.1

0.0

72.2

67.3

96.9

㈱アルティフーズ

4.0

75.7

79.2

101.2

マックスバリュ北陸㈱

6.1

66.9

79.7

87.8

㈱フジファミリーフーズ

6.7

100.0

62.9

75.0

123.0

㈱オレンジフードコート

18.2

0.0

41.8

79.8

84.7

㈱ローズコーポレーション

8.3

51.9

90.6

74.3

ビオセボン・ジャポン㈱

51.1

100.0

58.2

69.4

98.8

㈱フジセキュリティ

57.5

77.1

47.7

㈱ニチエー

71.5

82.7

125.1

㈱フジマート四国

21.1

74.1

91.6

125.9

㈱マーノ

30.0

109.9

91.1

101.2

㈱フジマート

2.9

51.0

93.6

83.6

㈱フジ・スポーツ&フィットネス

11.1

66.7

69.4

84.7

145.6

㈱ボンテ

8.3

40.1

78.2

76.2

㈱フジ・アグリフーズ

11.1

55.1

101.5

68.5

㈱いなげやウィング

0.0

㈱ダイエースペースクリエイト

0.0

31.8

70.5

72.0

㈱フジ・トラベル・サービス

26.3

55.2

67.9

104.8

 

 

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%) (注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%) (注1、3)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

イオンサヴール㈱

42.9

デリカ食品㈱

11.1

イオンビッグ㈱

5.8

55.6

75.5

74.0

116.8

㈱ビッグ・エー

9.4

40.0

65.3

82.3

86.5

パレッテ㈱

0.0

ウエルシア薬局㈱

16.6

88.3

66.6

73.2

97.8

㈱ププレひまわり

21.2

100.0

62.8

68.5

98.4

㈱ウェルパーク

15.4

75.0

75.9

90.4

105.4

㈱コクミン

21.6

100.0

68.9

85.1

84.6

㈱丸大サクラヰ薬局

24.1

100.0

66.2

76.8

92.8

シミズ薬品㈱

14.6

100.0

77.7

83.5

100.4

ウエルシアパートナーズ㈱

40.0

92.3

85.2

119.8

㈱クスリのマルエ

29.4

100.0

71.4

72.4

98.8

ウエルシア介護サービス㈱

35.9

100.0

81.2

89.2

97.9

㈱よどや

12.5

66.9

79.7

90.4

㈱ふく薬品

38.5

100.0

65.4

65.3

103.3

㈱MASAYA

100.0

155.5

156.0

コスメーム㈱

70.0

67.0

67.7

㈱エクスチェンジ

30.0

79.4

84.7

イオンフィナンシャルサービス㈱

15.2

100.0

35.0

73.3

154.2

㈱イオン銀行

19.4

100.0

61.9

68.2

95.5

イオン保険サービス㈱

12.9

0.0

79.5

92.8

84.5

エー・シー・エス債権管理回収㈱

9.5

38.4

68.7

97.5

イオン・アリアンツ生命保険㈱

15.0

100.0

73.9

73.9

フェリカポケットマーケティング㈱

18.8

100.0

79.5

79.5

39.5

イオン住宅ローンサービス㈱

18.2

100.0

76.6

75.7

27.3

ACSリース㈱

33.3

69.5

84.1

イオン少額短期保険㈱

33.3

 

 

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%) (注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%) (注1、3)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

イオンモール㈱

23.7

100.0

49.0

68.3

100.7

イオンタウン㈱

16.7

85.7

41.1

72.2

109.5

㈱OPA

26.1

52.3

61.1

イオンディライト㈱

7.1

51.5

63.4

81.9

73.4

イオンディライトアカデミー㈱

38.5

100.0

68.1

82.6

39.1

イオンディライトセキュリティ㈱

12.2

50.0

80.0

89.5

59.9

環境整備㈱

6.5

0.0

60.4

75.0

70.9

イオンディライトコネクト㈱

6.1

100.0

61.6

73.6

87.2

㈱白青舎

8.3

47.8

81.2

55.6

イオンコンパス㈱

42.9

㈱アスクメンテナンス

11.1

76.4

79.7

99.1

㈱イオンファンタジー

51.3

100.0

78.4

74.7

111.8

㈱ジーフット

31.5

100.0

67.9

73.5

100.3

イオンペット㈱

68.0

47.1

52.2

60.0

111.7

イオンエンターテイメント㈱

17.0

57.1

74.6

91.7

109.3

㈱メガスポーツ

9.5

58.3

62.4

74.2

115.6

㈱未来屋書店

27.5

68.0

76.0

100.3

㈱イオンイーハート

69.5

100.0

72.6

81.3

126.7

㈱コックス

40.8

0.0

66.1

81.4

104.2

メガペトロ㈱

29.3

ブランシェス㈱

86.8

47.0

69.0

135.6

R.O.U㈱

28.6

65.4

79.7

105.5

リフォームスタジオ㈱

26.1

45.5

71.3

64.8

イオンカルチャ―㈱

50.0

イオンフードサプライ㈱

13.8

83.3

77.7

79.3

131.1

イオンベーカリー㈱

40.6

50.0

53.5

73.7

99.5

イオンデモンストレーションサービス㈱

25.0

64.0

75.3

197.3

イオンネクストデリバリー㈱

14.8

100.0

101.0

105.7

56.5

イオントップバリュ㈱

25.2

75.0

67.8

69.8

93.5

 

 

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%) (注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%) (注1、3)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

イオンアイビス㈱

47.2

87.5

41.4

73.6

74.2

イオンネクスト㈱

13.2

イオンスマートテクノロジー㈱

14.0

60.0

63.0

91.1

81.3

イオンアグリ創造㈱

25.5

100.0

85.1

100.4

101.4

イオングローバルSCM㈱

4.9

100.0

41.7

68.8

63.8

㈱生活品質科学研究所

31.4

68.0

82.3

78.0

イオン商品調達㈱

10.3

49.5

71.8

58.6

 

(注) 1  「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

3 労働者の男女の賃金差異は、女性労働者の平均年間賃金÷男性労働者の平均年間賃金×100%として算定しております。平均年間賃金の算定に用いる労働者の人員数のうちパート労働者の人員数については、労働時間を基にフルタイム換算(1日8時間換算)の人数で算出しております。

 

 

③ 提出会社及び主要な連結子会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%) (注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%) (注3)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

28.4

82.5

67.8

79.4

122.2

 

(注) 1  従業員が100人を超える連結子会社を主要な連結子会社として算出の対象としております。

GMS事業においては「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の基準と照合した際に職責や部下の管理範囲が管理職として妥当と考えられる店舗マネージャーや主任を算出に含めております。

2 従業員が300人を超える国内連結子会社を主要な連結子会社として算出の対象としております。

3 従業員が100人を超える国内連結子会社を主要な連結子会社として算出の対象としております。

4  指標の算出にあたっては、連結子会社に含まれる各社の事業年度が提出会社と異なる場合、各社の事業年度ごとに集計しております。

 

 

(労働者の男女の賃金の差異に関する補足説明)

労働者の男女の賃金の差異において、提出会社で正規雇用労働者における男女間の賃金差異が生じている主な要因は、賃金制度において性別による処遇の差は一切ないものの、資格等級の高い男性労働者の割合が多いためであります。全労働者においても、非正規労働者の93%が女性であることにより、平均年間賃金の算出において賃金差異が大きく発生しております。

また、提出会社及び主要な連結子会社において、全労働者で男女間の賃金差異が生じている主な要因は、制度上の賃金差はないものの、全従業員の8割近くをパートタイマーの女性が占めており、多様な働き方を選択している割合が大きいためであります。正規雇用労働者においても転居転勤の有無によって給与体系が異なり、全国転勤区分を選択している男性従業員割合が多いため、差異が広がっております。

引き続き、従業員が働きやすい環境づくりに取り組むとともに、女性の活躍推進施策の計画的な実施、マネジメント職への登用、支援体制の構築等に取り組んでまいります。

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは、「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する。」という基本理念のもと、事業を通じてサステナビリティ活動を推進しています。当社グループの地域での成長が地域の豊かさに結びつく、循環型かつ持続可能な経営を実践する企業集団として、それぞれの地域に根ざした活動をステークホルダーの皆さまとともに実践しています。

実践にあたっては、「イオンサステナビリティ基本方針(2011年策定、2018年改訂)」のもと、気候変動や自然資源の枯渇、生物多様性の損失といった環境課題、少子高齢化による労働力人口の減少、人権尊重、地域コミュニティの衰退といった喫緊の社会課題にも着目し、当社グループの事業への影響を優先したサステナビリティ活動に取り組んできました。

当社グループのサステナビリティの進むべき方向性は、お客さまの今とこれから(未来)の幸せに貢献すること。地域の未来につながる「より良い暮らし」を提案し続けていくこと。安全・安心であり人権がきちんと守られた環境で事業を行うこと。そして、従業員一人ひとりの可能性を信じ、自立的な成長を推進するための教育投資や環境整備を継続すること。創業以来大切に受け継いできた「イオンの基本理念」と、未来の暮らしを創造するグループであることを目指す「イオングループ未来ビジョン」のもと、「持続可能な社会への貢献」と「グループの成長」を両立させていきます。

 

「暮らし」をキーワードにイオンが事業活動を通じて取り組むサステナビリティの活動領域


 

 

(1) サステナビリティ共通

① ガバナンス

当社は、企業統治体制として指名委員会等設置会社を選択しており、取締役会が執行役に業務執行の執行権限を大幅に委譲し、迅速な意思決定を行う体制をとっています。事業を通じてサステナビリティ活動を推進していくために、事業との関連性と社会への影響度の高いサステナビリティのリスクや機会、課題対応に関する重要事項は、代表執行役をはじめとする経営幹部で構成する経営会議「イオン・マネジメントコミッティ」にて多様な観点から議論、決議・承認を経たのち実行され、取締役会では、当社の経営の意思決定機関として法定事項を決議するとともに、経営の基本方針並びに業務執行上の重要な事項を決定・承認し、取締役及び執行役の職務の遂行を監督しております。

なお、当社のコーポレート・ガバナンス体制の詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおりであります。

 

② 戦略

当社グループでは、経営戦略の一環として、サステナビリティ活動のなかで7つの重点分野(マテリアリティ)を定めています。特定にあたっては、事業との関連性と社会への影響度の観点から当社グループとステークホルダーにとっての重要性を軸に抽出しています。イオンで買物をする、イオンで働く、イオンと協業する、事業活動そのものがサステナブルな対応となることを目指し、その実現に向けた7つの重点分野と主な取り組みは以下のとおりです。

 

重点分野(マテリアリティ)

主な取り組み及びマイルストーン

脱炭素社会の実現

・「イオン脱炭素ビジョン」に基づき、店舗、商品・物流、お客さまとともに、の3つの視点で省エネ、創エネの両面から、温室効果ガス排出の削減に取り組み、脱炭素社会の実現を目指しております。

・2040年までに店舗で排出するCO2等を総量でゼロ化。

資源循環の促進

・「イオンプラスチック利用方針・削減目標」に基づき、2030年までに使い捨てプラスチック使用量を50%削減(2018年比)、PB商品で環境・社会に配慮した素材を使用。

・「食品廃棄物削減方針・削減目標」をベースに2025年までに食品廃棄物を50%削減(2015年比:発生原単位)。

生物多様性の保全

・持続可能な調達原則に則り、グローバル基準に基づいた、「農産物」「畜産物」「水産物」「紙・パルプ・木材」「パーム油」「カカオ」「コーヒー」で持続可能性に配慮して生産された商品の調達を推進しています。

・「イオンの森づくり」に代表される植樹活動や、ふるさとの森の生物多様性価値の測定、生態系の保全・創出に配慮した店舗開発等、生物多様性保全の取り組みを推進しています。

コミュニティとの協働

・お客さまや地域社会への貢献は小売業の使命と捉え、国内外の多様な業種・業態の店舗を起点に社会活動を推進しています。

・「イオン幸せの黄色いレシートキャンペーン」「こども食堂応援団」「イオンハートフル・ボランティア」等を通じ、お客さまや地域の人々とともに、コミュニティの発展と生活文化の向上に貢献する街づくり、絆づくりに取り組んでいます。

人権に配慮した公正な事業活動

・人間尊重の経営を実現するため「イオンの人権基本方針」に基づき従業員のみならずサプライチェーン上で関わるお取引先さまや地域の方々の人権を尊重することを目的とし人権デュー・ディリジェンスを実施しています。人権デュー・ディリジェンスでは、グループ全体の人権課題を抽出し対応状況や取り組み状況のモニタリングを行っています。

・グループ各社の役員をはじめ全従業員を対象とした人権研修を毎年実施し、「人権」に関する正しい理解と認識を深め意識向上をはかるよう啓発活動を続けています。

・当社グループのサプライチェーン上のお取引先さまの従業員の方々を対象とした「お取引先さまホットライン」、当社グループの従業員を対象とした「イオンコンプライアンスホットライン」を設置しているほか、イオンサプライヤー取引行動規範(CoC)管理規程を制定し、当社グループに関わる全ての方々がイオンの基本理念である「お客さま第一」の実現に向けた行動を実践ができることを目指しています。

 

 

重点分野(マテリアリティ)

主な取り組み及びマイルストーン

従業員の幸せの実現

・「イオンの基本理念」「イオングループ未来ビジョン」の浸透により、当社グループの価値創造を創出する人材を育成しています。

・「教育は最大の福祉」という考えに基づき、育成(教育の進化、自律型人材の育成、経営・事業の成長をけん引する人材の育成)と採用(経営・事業の成長をけん引する人材の獲得、個別型採用への転換)に取り組み、一人ひとりの能力を最大限に発揮できる教育環境を整えています。

・多様な人材が活躍できる環境の整備が必要であると考え、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(女性活躍、障がい者活躍、LGBTQ+への取り組み)、健康経営、エンゲージメントに対する取り組みを推進しています。

攻めと守りのガバナンス

・当社は会社法に規定する指名委員会等設置会社です。

・取締役会は、多様な分野で高い見識と豊富な経験・知見を有する役員で構成され、過半数を社外取締役にすることで経営の監督機能を強化しています。

・「イオンの基本理念」を当社の定款に記し、ガバナンスにおいても基本的な考え方としています。

 

 

③ リスク管理

リスク管理体制については、リスクマネジメント管掌を配置し、リスクマネジメント委員会を開催しています。同委員会では、リスクアセスメント等により優先順位の高いリスクを抽出したうえで、対応及びその効果について進捗管理を実施し、当社の執行役にリスク管理状況及び対応を報告・提案しています。特に影響度の高いリスクについては、部門横断のタスクフォースを編成し、リスクの予見・予知・予防に努めてまいります。

なお、個別のリスクの詳細は、「3 事業等のリスク」に、リスク管理体制の整備状況は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおりであります。

 

④ 指標及び目標

当社グループでは、上記「② 戦略」において記載した重点分野(マテリアリティ)及び取り組み事項について、次の指標を用いております。当該指標に関する現在の状況及び目標は、次のとおりであります。

 

取り組み項目

指標

現在

目標

目標年度

脱炭素社会の実現

店舗で排出するCO2等

店舗における再エネ普及率

国内店舗の

再エネ転換率

55% ※1

店舗で排出するCO2等を総量でゼロ

2040年度

店舗電力の50%を再エネ化

2030年度

食品廃棄物の削減

発生原単位での食品廃棄物削減(2015年比)

37.9%削減 ※1

50%削減

2025年度

プラスチック使用量の削減

使い捨てプラスチック使用量削減(2018年比)

12.7%削減 ※1

50%削減

2030年度

基本理念の浸透

基本理念への共感度 ※2

3.43

4.0

2025年度

未来ビジョンへの共感度 ※2

3.37

4.0

2025年度

従業員の働きがい

エンゲージメントレーティング B以上出現率 ※2

73.5%

100%

2025年度

職場の多様性

女性管理職比率

28.4%

50.0%

2025年度

障がい者雇用率

3.05%

3.5%

2025年度

 

※1 2023年度実績を記載しております。2024年度確定値はイオンレポート2025(統合報告書)に開示予定です。

それ以外の項目については2024年度実績を記載しております。

※2 各スコア、レーティングの詳細については、「(3) 人的資本 ②指標及び目標」に記載しております。

 

 

(2) 気候変動

① ガバナンス

気候変動を含む環境課題は、企業の持続可能性に関わる問題と捉えております。これらの課題に対する具体的な施策や方針は、イオン・マネジメントコミッティとその監査・監督を行う取締役会によって決定されます。その直下には環境保全・社会貢献活動全般を統括する責任者としてGX担当責任者 兼 環境・社会貢献部長を配置し、個々の気候関連・自然関連に関わる取り組みの管理・監督をしています。事業会社各社の責任者は、このレポートラインに従い、取締役会やイオン・マネジメントコミッティで決議された気候変動を含むビジョンや中長期計画等に対し、各社の推進責任部署・責任者を定め、具体的な各社の事業計画を作成・推進する役割を負っています。

 

② 戦略

● 1.5℃目標を達成するためのシナリオ分析

当社グループの事業活動は、商品調達と店舗運営の活動によって支えられています。気候関連課題は主に調達、店舗の段階で発生するGHGインパクトをいかに見える化し削減するかが課題です。従って、脱炭素施策をいかに社会システムに組み込んでいくかが重要であり、移行リスクと物理リスクをバランスさせた戦略を考えることが必要になります。

このアプローチを実行するため、IPCCによる報告を中心に専門セクターから得られる様々な情報を加味して、1.5℃と4℃の世界に至るシナリオ分析を行い、そのシナリオ内で変数を様々に変化させながら、気候変動関連の移行リスクと物理リスク、機会を把握します。

 

シナリオ分析の流れ

重要な気候関連リスク・機会の特定

気候関連リスク・機会に係るパラメータの特定・将来推移調査、将来社会シナリオ検討

各将来シナリオ下における気候関連リスク・機会に伴う事業影響評価(定性/定量)

気候関連リスク・機会に対するレジリエンスの評価、今後の対応策の検討

 

 

● 気候関連リスク・機会を特定し、対応するためのプロセス

流通小売業にとって重要なリスク・機会となりうる「店舗操業」「商品調達」に関する事項を抽出・整理し、各々のさらなる詳細の特定・評価は以下に示すプロセスにおいて実施します。

 

小売業としての最重要2分野

店舗操業

国内の店舗・物流拠点

商品調達

食品(原材料調達及び製造・加工工程)

[理由]

業態・店舗数が多く、物理リスク・移行リスクが比較的明確になってくる。

[理由]

最も事業構成が大きく、かつお客さまの暮らしに対するインパクトが大きい。サプライチェーンの広がりを考慮して、国内外のサプライヤーをその範囲に含めている。

 

 

● 気候シナリオによる影響、組織戦略の強靭性(気候シナリオ分析)

当社グループの戦略には、1.5℃の世界に整合する移行計画を含んでいます。1.5℃シナリオとして、主にNZE(IEA)、SSP1-1.9(IPCC AR6)、4℃シナリオとしてSSP5-8.5(IPCC AR6)を参照しました。

 

● 気候変動に関わる重大な財務上、戦略上の影響

「直接的な損失」

店舗設備や商品在庫が気候変動による災害等の影響で毀損される被害のうち、予想最大被害額が営業利益の1%を超えた場合を「重大な財務上・戦略上の影響」と定義します。

「間接的な損失」

店舗の休業や物流網の断絶に起因する営業や事業活動の中断のうち、事業中断日数が概ね1週間程度続くと予想される場合を「重大な財務上・戦略上の影響」と定義します。

 

 

 

● 気候関連リスク・機会の特定・評価

当社グループとしてありたい姿の実現に向け、「ステークホルダーにとっての重要性」と「自社にとっての重要性」の観点から、マッピングを実施し事業に関連する課題を抽出しています。抽出される重要項目については、ステークホルダーと自社双方の両軸で「高」となる右上の象限に含まれている項目を、グループが重点的に取り組むべき課題として特定しています。それぞれの重点分野ごとに目標・KPIを策定し、サステナビリティ推進体制のもとPDCAサイクルを回し、より実効性のあるサステナビリティ活動の継続と強化に取り組んでいます。

 


 

 

③ リスク管理(リスクと影響の管理)

日常的なリスクと影響の管理は各社・各部単位で対応しています。

個社で対応できないリスク、例えば商品調達エリアでの紛争や異常気象による店舗被災確率の増大等の外部要因リスクやグループ事業に共通する商品・施設・サービス等に起因するリスクや影響については、「リスクマネジメント委員会」において、対応方針の意思決定を行うとともにリスクと影響の予見・予知・予防に努めています。

 

特定されたリスク・機会項目とインパクト評価

区分

タイプ

重要なリスク・機会項目

該当

 

財務インパクト

(2030年:億円)

使用したシナリオ

考慮したシナリオ

店舗

物流

1.5℃

2℃

未満

~4℃

リスク

 

移行

リスク

政策

規制

炭素の価格付けによるコスト増※1

353

341

227

IEA,WEO2022

NZE,APS,STEPS

電力政策・エネルギーミックス変化

技術

省エネ・再エネ技術の進展

 

EV車両(物流)・

EVインフラ(店舗)の普及

IEA Global EV Outlook 2022,APS,STEPS

市場

顧客ニーズ・行動の変化

(ZEBに関するデータは「IEA Net Zero by- 2050」)

 

原材料の生産減少、

商品化コスト増加

IPCC

AR5,RCP2.6,RCP8.5及びAR6,SSP1-2.6,SSP5-8.5

エネルギー価格高騰による収益減※2

1,099

1,099

1,099

IEA,WEO2022

NZE,APS,STEPS

評判

顧客の社会的意識の高まり

 

社会ニーズに適した商品評価

(購買行動変化)

 

物理

リスク

急性

異常気象の激甚化

IPCC

AR5,RCP2.6,RCP8.5及びAR6,SSP1-2.6,SSP5-8.5

自然災害に伴う、休業による収益減※3

79

396

1,584

調達コスト、物流コストの増加

機会

製品及び

サービス

顧客ニーズ・行動の変化

IEA Net Zero by 2050

社会ニーズに対応した商品開発

 

エネルギー源

脱炭素エネルギー導入による

コスト削減※4

218

218

63

IEA,WEO2022

NZE,APS,STEPS

市場

防災機能の高い店舗を保有することによる市場評価増→投資家からの評価

IPCC

AR5,RCP2.6,RCP8.5及びAR6,SSP1-2.6,SSP5-8.5

災害時に強い商業施設※5

(電力確保、建物構造)

16

82

326

レジリエンス

地域の防災拠点としての店舗活用

 

※1 目標達成時排出量×炭素税価格(1,168万t-CO2×140・135・90$t-CO2 1$=150円換算)

※2 2030年必要電力量(87億7,500万kWh)の50%を通常買電する場合の電力料

※3 1ケ月売上(9兆5,042億円)×被災店舗割合(1.5℃…1%、2℃…5%、4℃…20%)

※4 2030年必要電力量(87億7,500万kWh)の50%をコーポレートPPAで賄う場合(877億円)の通常買電との差益

※5 改修費(SC630店舗:1億円、SM2,000店舗:0.5億円)×対策店舗割合(同上:被災店舗割合)

 

 

 

④ 指標及び目標

● 気候関連リスク・機会の管理に用いる指標

当社グループは2018年に「イオン 脱炭素ビジョン」を策定し、「店舗」「商品・物流」「お客さまとともに」の3つを柱に、省エネ・創エネの両面から店舗で排出する温室効果ガス(以下、「CO2等」という。)を総量でゼロにする取り組みを、グループを挙げて進めています。当社グループの店舗におけるCO2発生源の約9割は電気使用であることから、店舗で使用する電力を再生可能エネルギーに切り替えることは、国内全体のCO2削減への貢献にもつながります。2040年までに店舗で排出するCO2等を総量でゼロにするという長期目標、及び2030年には店舗使用電力の50%を再エネ化するという中間目標を掲げての取り組みを進め、当社グループの国内事業所における再エネ調達量が使用電力の55%に達し、中間目標を7年前倒しで達成いたしました。今後もすべての事業活動で持続可能性を追求し、グループが持つあらゆるリソースを活用して地域全体での脱炭素化の実現に向け、取り組みを加速させていきます。

 

第三者検証について

温室効果ガス排出量についての第三者検証を受審①

2024年5月から7月にかけて、当社及び主要な連結子会社56社を対象に、第三者検証を行いました。

今後もデータの信頼性の向上とGHG排出量の継続的な削減に努めていきます。

 

1. 検証範囲

2022年4月1日から2023年3月31日の期間における、当社及び主要な連結子会社56社におけるエネルギー起源CO2排出量(スコープ1及びスコープ2)

 

2. 検証方法

ISO14064-3 Greenhouse gases-Part3:Specification with guidance for the validation and verification of greenhouse gas assertsの要求事項に基づき、第三者による認証を受けた。

 

温室効果ガス排出量についての第三者検証を受審②

2022年度に続き2023年度も当社グループの物流の中核を担うイオングローバルSCM㈱の輸送に伴う温室効果ガス排出量の第三者検証を実施しました。

 

1. 検証範囲

2022年4月1日から2023年3月31日のイオングローバルSCM㈱が取り扱った商品の国内輸送に伴う温室効果ガス排出量(スコープ3のカテゴリー4に相当)。

 

2. 検証方法

ISO14064-3 Greenhouse gases-Part3:Specification with guidance for the validation and verification of greenhouse gas assertsの要求事項に基づき、第三者による認証を受けた。

 

検証の信頼性向上のため、開示数値とそれに至る算定方法まで遡って検証の対象としております。2023年度の第三者検証については、取得に向けた手続き中であり、第三者検証の結果は当社webサイト(https://www.aeon.info/)にて公表予定であります。

 

 

(3) 人的資本

当社グループは「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する。」という企業理念のもと、企業の発展力は人であると考えています。

従業員一人ひとりの可能性を信じ、自立的な成長を推進するための教育投資や採用・配置・評価・処遇・定着といった人材マネジメントサイクルの観点から多様な人材が最大限のパフォーマンスを発揮できる施策や環境整備を継続して強化してまいります。

「革新し続ける企業集団」として、イオンらしい人的資本への投資と、生産性向上への取り組みの両輪で持続可能な成長を目指しています。

 

 

① 戦略

● 人材育成方針

(全体方針)

当社の基本理念に明示されている「人間尊重」とは、個性、尊厳、自律性の尊重に加えて、人間が持つ可能性を信じ、仕事や学びを通じて成長し、よりよく人間的になることを後押しすることでもあります。従業員一人ひとりを信じ、尊重することで、その人の能力や思いが花開き、さらに人とつながることによって、より幸福な状態が生じるという考えのもと人材育成に取り組んでおります。

当社グループの人材育成は、人間として成長することが従業員にとって最大の福祉であるという「教育は最大の福祉」という考えに基づいたものであり、これまでも、これからも「小売業は人間産業」の理念のもと、一人ひとりの能力を最大限に発揮できる教育環境を整えていきます。

 

(取り組み内容)

人材育成

(A)戦略的採用の強化

・当社グループは、「人事は採用に始まり採用に終わる」という考えのもと、人事戦略の根幹である採用活動を強化してまいります。主には質の選別の実現やグループ共通採用基準を用いた採用、経営陣の採用への積極的な関与を推進していくとともに、革新の原動力である「創造力」をもった人材の採用を通じて、グループの持続的な成長を支える人材基盤の構築を推進してまいります。

・多様性と挑戦を推奨し、地域密着とグローバルな視点を併せ持つ人材を積極的に採用します。また、採用後も教育や成長の機会を通じて社員一人ひとりの可能性を引き出すことで、企業の未来を共に創造していくことを採用方針としています。

 

(B)ホールディングスとしての当社とグループ各社の人材育成の進化

 ■「人材開発ポリシー」「期待人材像」をもとにした新たな人材育成体系の構築

・「人材開発ポリシー」を設定し、当社グループが目指す人材育成の方向性を具体化します。

・コンピテンシーから「期待人材像」を明らかにしたうえで人材育成体系を再構築すると共に、各社の教育体系構築の支援を行います。

■グループ共通教育プログラムの構築

・自律型人材の育成を目的に、行動変容を促す教育プログラムをグループ共通で構築し各社のニーズに合わせて導入します。

・若年層の教育プログラムを刷新(3年間から5年間)し、個々の成長に合わせてタイムリーな学習・教育支援が行える環境を構築します。

 ■人材育成への積極投資

・従業員が自律的にキャリアを考え、成長のために自ら学び続けられる環境を整備・拡充するために、さらなる教育の充実とグループ全体の年間教育投資額(2024年度実績:60億円)を拡充してまいります。

 

(C)キャリア自律の支援

 ■イオンキャリアアドバイザーの養成

・イオンキャリアアドバイザーを養成・認定し、各社において従業員の自律的キャリア形成を支援する体制を構築します。

・各年代、階層においてキャリアを考える機会を増やし、充実させます。

 ■全従業員へのリスキリングの促進

・グループ共通学習プラットフォームのユーザビリティの向上とコンテンツの拡充によって各社での利用を推進し、従業員のスキルの見える化と自己管理を強化することで、一人ひとりの学びを支援する環境をさらに充実させます。

 

(D)グループ経営、事業の成長を牽引する人材の育成

 ■次世代経営人材候補の育成

・グループの経営を担う人材の早期発掘と持続的な育成を目指すための人材マネジメントの仕組みと人材育成プログラムを構築し実施します。

・コーポレートガバナンスを強化するための教育プログラムを充実させます。

 ■デジタル人材の育成

・デジタル領域において6職種×3レベルの人材定義を行い、当社グループとして必要なデジタル人材採用・育成を強化・推進します。

・専門人材領域(選抜研修)と、全員領域(ITパスポート習得レベル)にて教育を実施します。

・デジタル人材を2025年度2,000人を目標に採用と育成を進めてまいります。

 

● 社内環境整備方針

(全体方針)

基本理念に基づく、お客さまを原点に絶えず「革新し続ける企業集団」であるためには、多様な人材が活躍できる環境の整備が必須であると考えています。私たちは何のために革新し続けるのか。その目的はお客さまの負を解消し、地域の人々の豊かな暮らしを実現する支援をし、お客さまを笑顔にすることです。そういった強い想いを実現するために、多様な事業を展開する当社グループのすべての人材が、共通の基本理念や未来ビジョンを範として、自主的・自律的にいきいきと活動・活躍しながら、お客さま第一を追求している状態を目指しています。

基本理念と未来ビジョンの浸透をはじめ、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、健康経営、エンゲージメント、人権等、幅広い取り組みを進めることで従業員一人ひとりが能力を最大限発揮できる環境を整備し、持続可能な成長を実現してまいります。

また、当社グループはパートタイマーの従業員を国内約44万人雇用しており、パートタイマーの賃金を3年連続で7%引き上げました。パートタイマーは、「地域の生活者」でもあり、賃上げによって「地域の暮らしを支える」という側面も持っていると捉えています。今後も積極的な教育投資とDX等の活用による生産性向上と賃金改善の好循環を生み出し、国内の労働市場の活性化に寄与する取り組みを続けていきます。

 

(取り組み内容)

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン

当社グループは、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進を社会的課題への対応だけではなく、経営戦略のひとつとして捉えています。グループの更なる成長と拡大、イオンピープルの誰もが活躍し、革新し続けることを目指し、すべての従業員が働きやすく、活躍できる企業環境づくりを実現するために、ダイバーシティが生み出す従業員とその家族、お客さま、会社の3者の満足の実現を目指す活動を“ダイ満足”と名づけ、グループ全体で様々な活動に取り組んでいます。グループ各社のベストプラクティスを共有する、“ダイ満足”アワードは11回目を迎え、海外各社の事例共有を新たに加え、29社より33の取組施策が報告されました。また、2024年度は「共働き・共育てを可能にする性別を問わない両立支援」が特に優れた企業として「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」に選定されました。

 

(A)女性活躍

現在、女性管理職比率は連結ベースで28.4%に達しており、50%を目指してセミナー等を実施しています。

2024年度は意思決定機関におけるジェンダーギャップを解消し、多様な視点や考え方(これまでの視点・思考ではない)を経営に取り込むことを目的に、労使専門委員会と協業し「部長候補コース」「管理職候補コース」を新設しました。これまでの女性経営者育成プログラムに加え、女性の入社から経営者層までのパイプライン拡充の後押しをしております。多様性に富んだ人材が、様々な機会を得て、活躍する企業集団となることで、当社グループの恒久的な成長と発展を実現してまいります。

 

(B)障がい者活躍

障がい者雇用率は厚生労働省が定める2.5%以上に対し、当社グループは既に3.05%に達しており、早期に3.5%以上を目指す計画です。障がい者の方々が働く職場環境を整備し、雇用を促進していくことは、多くの従業員を雇用している私たちの責任でもあります。障がい者雇用特例子会社として1980年に設立したアビリティーズジャスコ㈱は、「障がい者が働く姿をあたりまえの社会にする」という経営理念のもと、障がい者の就労移行、就労定着を支援する合計8センターの運営や福祉用品販売を行っています。

2020年度からは、当社とアビリティーズジャスコ㈱の連携事業として、年間を通じて月1回のオンライン研修を開催し、障がい者雇用の課題である定着・採用について実践的かつ専門的に学べる機会を提供しています。全国の人事担当をはじめ誰もが参加、学ぶことができ、最新の情報を盛り込み、情報交換が可能なつながりの場に進化しています。

 

(C)LGBTQ+への取り組み

当社グループは、人種・国籍・民族・性別・年齢・出身地・宗教・学歴・心身の障がい・性的指向と性自認等を理由とした差別を一切行いません。能力と成果に貫かれた人事を基本的な考え方とし、多様な人材の能力を十分に活かす組織の実現を目指しています。LGBTQ+に関する基礎知識や最新情報を学び、従業員一人ひとりが自分らしく働ける職場づくりを目指し、LGBTQ+に関する研修やアライ(支援者)育成に取り組んでいます。2024年度は、東京レインボープライドにグループで初出展をし、LGBTQ+フレンドリーな買い物環境作り等を紹介しました。

 

健康経営

当社グループは、グループとして従業員の健康づくりが企業活動の要であり、従業員が健康であってこそ地域のお客さまの健康と幸せの実現に貢献できるという考えのもと、従業員とその家族の健康増進に取り組んでいます。当社グループが考える「健康経営」とは、従業員が健康であることが、豊かな地域生活につながる好循環です。従業員が心身ともに健康になることで、生産性や創造性が向上し、その結果、お客さま満足の向上につながります。以上の考えのもと、2016年に「イオン健康経営宣言」を発表。グループ一丸での健康経営の推進により、生産性の向上、離職率の低減、従業員満足度・働きがいの向上を目指しています。


受動喫煙対策・卒煙の取り組みとして従業員の就業時間内禁煙・敷地内の禁煙を実施、生活習慣改善に向けた特定保健指導実施率向上や健康チャレンジキャンペーン、各専門家による特別講演の開催、女性の健康に対する学習等、心と身体の健康づくりと安全安心で活力ある職場づくりに取り組んでいます。こうした取り組みが評価され「健康経営優良法人2025」にグループ60社が認定されました。(内、2社はホワイト500を取得しています。)

 

② 指標及び目標

 当社グループは「イオンの基本理念」、「イオングループ未来ビジョン」に基づく、イオンが大切にしてきている人に対する考え方と実現したい姿を踏まえ、当社グループにおける重要指標を以下の4項目にまとめております。

 

当社グループにおける重要指標 

● 基本理念の浸透度

 多様な人材や異なる事業の集合体である当社グループにおいて、共通の目標を達成していくための判断のよりどころが「イオンの基本理念」です。基本理念や未来ビジョンへの共感こそが当社グループによる価値提供の基盤であり、当社グループが掲げる地域社会への貢献を実現すべく、全従業員が基本理念に共感している状態を目指します。基本理念の浸透をはかるため、国内外の各社において定期的に理念研修を実施しています。また、理念の実践と定着を加速させる取り組みとして、職場での対話とコミュニケーションの場である「ビジョンMT」を推進しており、2024年度はグループ全体で約3,000回開催しました。

 基本理念に則った活動と人間尊重によって積極的な平和への貢献を実現するとともに、地域になくてはならない存在であり続けたいと考えています。

 

重点管理項目

2024年度実績

2025年度目標

基本理念への共感度

3.43

4.0

未来ビジョンへの共感度

3.37

4.0

理念研修の参加率

82.2%

100%

 

・基本理念への共感度、未来ビジョンへの共感度はエンゲージメントサーベイの自社アンケート結果から算出したグループ連結のスコアになります。※5段階にてスコア化(1.0~5.0)しております。

 

● 従業員の働きがい

 お客さまに対する価値創造を担う従業員が最大の経営資本であるという考えのもと、従業員の働きがい(エンゲージメント)の向上を重要項目に設定しています。

 労働市場の環境変化が加速する現代において、人材や組織の状態を表す「従業員エンゲージメント」が会社と従業員の信頼関係を表す指標になると認識しております。

 「従業員エンゲージメント」の向上は従業員が自社の理念に共感し、貢献意欲が高まる状態を実現していくためにも必要不可欠なものであると考えています。2024年度は国内外183社・43万人以上の回答データを分析し、各社の組織状態及びグループの組織課題の可視化と改善を進めています。今後も国内最大規模のエンゲージメントを活用するとともに、真の人的資本経営に取り組んでまいります。

また、地域での安定的な雇用と従業員自身の健康が人間の幸福と規範の下支えにつながるという考えのもと、健康経営の促進に引き続き取り組んでまいります。

 

重点管理項目

2024年度実績

2025年度目標

エンゲージメントレーティング
B以上出現率 ※1

73.5%

100%

 

全体(エンゲージメントスコア※2)

BB(52.3)

 

管理職(エンゲージメントスコア※2)

BBB(56.3)

 

日給月給(エンゲージメントスコア※2)

B(51.7)

 

時間給(エンゲージメントスコア※2)

BB(52.0)

離職率(日給月給)

6.0%

5.0%

入社5年目定着率

57.5%

70%以上

健康経営優良法人認定社数

60社

70社

 

※1 エンゲージメントレーティングは、2025年度までに組織の信頼関係が健全な状態であることを示すBランク以上に全社が達することを目標に掲げ、エンゲージメントの改善に取り組んでまいります。

※2 エンゲージメントスコアの算出は㈱リンクアンドモチベーションの「モチベーションクラウド」によって算出。他社平均50.0に対し、当社はグループ全体で52.3、エンゲージメントレーティング「BB」(全11段階中上から5番目)を獲得しています。

 


 

 

● 職場の多様性

 多様な価値観・人材を活かした革新ある経営の実践を成し遂げるべく、従業員の人権を尊重し、属性・区分に関係なく公正な評価と、学びを促進し、能力発揮できる機会の提供に努めています。多様な価値観を持つ従業員が活躍しやすい制度が整備され、常にお客さまのニーズに柔軟に応じる革新的な組織の実現を目指しています。

 

重点管理項目

2024年度実績

2025年度目標

女性管理職比率

28.4%

50.0%

障がい者雇用率

3.05%

3.5%

 

・女性管理職比率は、提出会社及び主要な連結子会社(従業員が100人を超える連結子会社を主要な連結子会社として算出の対象としております。)の合算の数値であります。

・女性管理職比率の算出にあたり、GMS事業については「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の基準と照合した際に職責や部下の管理範囲が管理職として妥当と考えられる店舗マネージャーや主任を算出に含めております。

・女性管理職比率の会社別の詳細は、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び 男女の賃金の差異」に記載のとおりであります。

 

● 経営幹部育成状況

 ビジョンの実現に向けて事業横断的に、当社グループのリソースを最大限活用できる経営者の育成を進めています。当社はホールディングスとして、主要会社の社長や取締役等、グループ経営幹部のサクセッションプランをサポートするとともにグループ企業の次期経営者候補の審議、個別育成方針を定めています。

 

重点管理項目

2024年度実績

2025年度目標

グループ経営者準備人数
(審議対象者人数)

36名

45名