2024年9月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 2,726 100.0 -5 - -0.2

事業内容

3【事業の内容】

1.ミッション及びビジョン

当社は、「かかわる“C”(*1)に次のステージを提供し、笑顔になっていただく」をミッションに、「マーケティング、テクノロジー、コンサルティングスキルを武器とし、ローカルビジネス(*2)の活性化を通じて、消費者に日々の楽しみを提供し、店舗、街・地域、国が活性化されている状態。」「公益資本主義(*3)の浸透により、ビジネスと社会貢献が両立する世界が確立している状態。」の2つのビジョンを掲げ、世界をよりステキに、より笑顔にすることに貢献し、たくさんの「ありがとう」を生み出し続ける会社になることを目指しております。

 

(*1)かかわる“C”

CLIENT(クライアント)、COUNTRY・COMMUNITY(国・地域)、CONSUMER(消費者)、CHILDREN(子供たち)を指す。

 

(*2)ローカルビジネス

飲食店、美容室・美容サロン、旅館・ホテルなど地域に根差した店舗ビジネスの総称。

 

(*3)公益資本主義

世の中の不均衡を是正することを目的とし、会社経営で得た利益の一部を社会の課題解決へ再配分するという考え方。

 

2.事業の概要

当社は、ローカルビジネスを展開するクライアントに対し、実店舗へのデジタルマーケティングを中心としたコンサルティング×アウトソーシングサービス「C-mo Pro(シーモプロ)」と、その活動から蓄積したビッグデータ・ノウハウを活用して、独自に開発したSaaS型統合マーケティングツール「C-mo(シーモ)」を提供することで、クライアントのマーケティング領域における課題を総合的に解決する『ローカルビジネスDX事業(*4)』を営んでおります。

当社は、ローカルビジネスDX事業の単一セグメントであり、主力サービスである「C-mo」「C-mo Pro」のほか、「デジタル広告」「JAPAN FOOD GUIDE」をあわせた計4つのサービスを中心に展開しております。

現時点におきましては、ローカルビジネスの中でも最大のマーケットであるグルメ業界とビューティー業界に加え、2024年9月期からはトラベル業界(旅館・ホテルなどの宿泊業界)に向けてもサービス提供を行っております。今後は、これらの既存業界におけるシェア拡大に加え、他業界への展開や、マーケティング以外の領域への事業拡大を通じて、事業ポートフォリオの多角化を図ってまいります。

 

(*4)ローカルビジネスDX事業

「ローカルビジネス」と「DX(デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)」の略。企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革すると共に、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。)」を組み合わせた造語。ローカルビジネスに対して、当社のサービスである「C-mo」及び「C-mo Pro」を提供することにより、ローカルビジネスのDX化を促進するセグメント。

 

(1)C-mo(シーモ)

「C-mo」とは、「C-mo Pro」による実店舗のコンサルティング活動から得られたマーケティングナレッジ及びビッグデータを活用し、独自に開発した「SaaS型統合マーケティングツール」です。

自店舗にマーケティングやWeb施策、SNSなどに詳しい人材がいなくても、「C-mo」を利用することで最適なデジタルマーケティングをクライアント自ら手軽に行うことができ、店舗のマーケティング領域における業務のDX化を促進するツールとなっております。

新規客獲得、固定客化といった顧客構造づくりをワンストップで実現し、集客力の向上に貢献すると同時に、デジタルマーケティングのルーチン業務を軽減し人件費の削減にまで寄与するのが「C-mo」の特徴です。

 

 

 

(2)C-mo Pro(シーモプロ)

「C-mo Pro」とは、「デジタルマーケティングの必要性は感じているが、人材やノウハウ不足のために自社では運用できない」といった、マーケティング領域全般にわたる課題を抱える企業に対して、当社のコンサルタントが直接的なトータルサポートを行う「コンサルティング×アウトソーシングサービス」です。

クライアントと同じ視点を持つ社外CMO(Chief Marketing Officer、最高マーケティング責任者)として、専属のコンサルタントが、店舗におけるマーケティング予算を基に、最適なポートフォリオのプランニングから運用・改善まで、マーケティングに係る業務全般を請け負います。PDCAサイクルを回し続けながらマーケティングの最適化を図ることで、クライアント店舗の集客・収益拡大に寄与するサービスとなっております。

また、「C-mo Pro」の重要な役割としては、コンサルティングによる支援を通じた現地調査により、業界特有の課題、隠れた真のニーズ、クライアントの生の声を収集することにあります。その情報をSaaS型統合マーケティングツール「C-mo」の機能開発に活かすことにより、「C-mo」はクライアントにとってより使い勝手の良い便利なサービスとして成長を続けてまいります。

 

 

 

(3)デジタル広告

「デジタル広告」とは、Google広告やYahoo!広告、SNS検索に効果的な影響を及ぼすFacebook広告やInstagram広告などの「広告運用代行サービス」です。

インターネット上の広告媒体を利用して、企業のマーケティング活動を支援することで、クライアント企業のブランド認知度向上や店舗の集客力強化に貢献しております。

 

(4)JAPAN FOOD GUIDE

「JAPAN FOOD GUIDE」とは、「インバウンド客向け飲食店・食体験予約サービス」です。

「英語」「韓国語」「中国語(繁体字・簡体字)」の4言語に対応し、日本の飲食店・食文化の魅力を発信しています。本メディアを通じて、クライアント店舗への集客を促進し、売上向上に貢献しております。

 

 

以上に述べた事項を事業系統図に示すと、次のとおりであります。

 

[事業系統図]

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資 産)

当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べ70,639千円減少し、2,184,468千円となりました。これは主に、売掛金が106,017千円増加した一方で、現金及び預金が195,561千円減少したことによるものであります。

当事業年度末における固定資産は、前事業年度末に比べ191,555千円増加し、711,577千円となりました。これは主に、「C-mo」及び「JAPAN FOOD GUIDE」の開発に係るソフトウエアが121,290千円、関係会社株式が60,000千円増加したことによるものであります。

この結果、総資産は2,896,045千円となり、前事業年度末に比べ120,915千円増加いたしました。

 

(負 債)

当事業年度末における負債は、前事業年度末に比べ124,797千円増加し、597,812千円となりました。これは主に、買掛金が78,884千円、契約負債が58,754千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ3,881千円減少し、2,298,233千円となりました。これは主に、当期純損失9,347千円を計上したことによる利益剰余金の減少によるものであります。

 

② 経営成績の状況

当社は、「かかわる“C”に次のステージを提供し、笑顔になっていただく」をミッションに、「マーケティング、テクノロジー、コンサルティングスキルを武器とし、ローカルビジネスの活性化を通じて、消費者に日々の楽しみを提供し、店舗、街・地域、国が活性化されている状態。」「公益資本主義の浸透により、ビジネスと社会貢献が両立する世界が確立している状態。」の2つのビジョンを掲げ、世界をよりステキに、より笑顔にすることに貢献し、たくさんの「ありがとう」を生み出し続ける会社になることを目指しております。

当事業年度(2023年10月1日から2024年9月30日まで)において、当社のクライアントが属するローカルビジネス業界においては、歴史的な円安を背景に、訪日外国人数が新型コロナウイルス感染拡大前の2019年を超える水準で推移しており、宿泊・飲食サービス業を中心にインバウンド市場が活況を呈しています。しかし、地政学リスクの高まりや円安による物価上昇、従業員不足解消のための人件費高騰などが運営コストを圧迫し、依然として先行きは不透明な状況が続いています。

このような状況の中、ローカルビジネス業界では、売上・利益の拡大のためにインバウンド客を積極的に取り込むことや、慢性的な人手不足を解消する手段のひとつとしてDX化を進め生産性の向上を図ることが急務となっています。

ローカルビジネスの活性化を通じて日本経済全体の活性化を目指す当社は、これらの課題解決に寄与すべく、採算確保に貢献するマーケティングツールや、BPO(*1)による省人化サービスを提供しております。

当事業年度においては、「C-mo」の継続的なバージョンアップに加え、2023年10月にトラベル業界(旅館・ホテルなどの宿泊施設)向けサービスの本格展開や、2024年4月にインバウンド客向け飲食店・食体験多言語予約サービス「JAPAN FOOD GUIDE」のリリースを行いました。さらに、事業部制への組織改編による営業力及びサポート体制の強化、アライアンス先の拡大や関係性の強化を通じてビジネスの拡大を図ることで、2024年9月末時点の契約店舗数及びストック売上高は以下のとおり推移いたしました。

 

契約店舗数                                         (店舗)

 

2021年9月

2022年9月

2023年9月

2024年9月

C-mo

2,931

3,984

4,425

4,661

C-mo Pro

1,744

1,307

1,298

1,553

合計

4,675

5,291

5,723

6,214

(注)2024年6月より「C+」の名称を「C-mo Pro」に変更いたしました。

 

ストック売上高                                       (千円)

 

2021年9月

2022年9月

2023年9月

2024年9月

C-mo

1,128,144

1,548,060

1,604,181

1,486,812

C-mo Pro

415,811

256,198

266,733

487,421

合計

1,543,955

1,804,258

1,870,915

1,974,234

(注)各期末(9月)における、毎月課金される月額利用料の合計金額を12倍にして算出しております。

 

また、当事業年度の経営成績は、「C-mo Pro travel」の売上高が堅調に推移し前事業年度と比べて増収した一方で、成長促進のための人件費や採用関連費等のコストが増加したことにより減益となった結果、売上高2,725,676千円(前事業年度比12.3%増)、営業損失4,671千円(前事業年度は営業利益222,412千円)、経常損失3,907千円(前事業年度は経常利益224,104千円)、当期純損失9,347千円(前事業年度は当期純利益147,901千円)となりました。

なお、当社はローカルビジネスDX事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(*1)BPO

ビジネス・プロセス・アウトソーシング(Business Process Outsourcing)の略。

自社の業務を外部に委託すること。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ195,561千円減少し、1,870,317千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は129,409千円(前事業年度は242,245千円の収入)となりました。これは主に、減価償却費118,509千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は314,957千円(前事業年度は190,882千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出179,260千円、子会社株式の取得による支出60,000千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は10,014千円(前事業年度は8,018千円の支出)となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出9,996千円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社は生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

b.受注実績

当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

当事業年度の販売実績は次のとおりであります。

なお、当社はローカルビジネスDX事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

ローカルビジネスDX事業

2,725,676

112.3

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で、かつ、合理的と考えられる見積りが行われている部分があり、資産・負債、収益・費用の金額に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

② 財政状況及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態に関する認識及び分析・検討内容

当事業年度の財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績に関する認識及び分析・検討内容

(売上高及び営業利益)

当事業年度の売上高は2,725,676千円(前事業年度比12.3%増)、営業損失は4,671千円(前事業年度は営業利益222,412千円)となりました。これは、2023年10月に本格リリースしたトラベル業界向けサービスが堅調に推移した一方で、成長促進のための人件費や採用関連費等のコストが増加したことによるものであります。

 

(営業外損益及び経常利益)

当事業年度の営業外収益は1,100千円(前年同期比46.0%減)であります。また当事業年度の営業外費用は336千円(同2.2%減)であります。

この結果、経常損失は3,907千円(前事業年度は経常利益224,104千円)となりました。

 

(当期純利益)

法人税等合計にて、5,588千円(前年同期比92.4%減)を計上しております。

この結果、当期純損失は9,347千円(前事業年度は当期純利益147,901千円)となっております。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社の運転資金需要のうち、主なものは労務費、外注費並びに販売費及び一般管理費等であり、投資を目的とした資金需要は、有形固定資産及び無形固定資産の取得によるものであります。

これらの資金は、自己資金、金融機関からの借入、新株発行等により資金調達していくことを基本としておりますが、財政状態を勘案しつつ、資金使途及び需要額に応じて柔軟に検討を行う予定であります。

 

⑥ 経営の問題意識と今後の方針について

当社のクライアントであるローカルビジネスは、グルメ、ビューティー、トラベル(旅館・ホテル)業界だけでも120万店舗以上を有しております。

当事業年度末現在において、主なサービス提供先の業界は、グルメ、ビューティー、トラベル業界となっておりますが、今後も新たな業界への事業の横展開を積極的に進め、事業ポートフォリオの多角化を図ることで、特定の業界の景気変動に左右されにくい、安定した事業構造を構築してまいります。

また、ローカルビジネスにおける課題は、マーケティング領域だけでなく、人材不足など多岐にわたっております。変化するニーズに適応した機能の開発、新たなソリューションを提供することを重視すると同時に、人員の増強と組織の強化を経営課題の一つと捉え、優秀な人材を継続的に採用し育成することで、組織を強化していく方針です。

 

⑦ 経営目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について

当社は経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、「C-mo」と「C-mo Pro」のストック売上高を主要な経営指標と位置付けております。

当事業年度において、当社の経営戦略としては、新型コロナウイルス感染症の影響が薄れてきたグルメ業界における「C-mo」と、新たに本格展開したトラベル業界における「C-mo Pro」のストック売上高の拡大に注力してまいりました。

また、「C-mo」はSaaS型の月額収益構造であるため、売上高増加のためには、解約率を低く安定させることも重要な経営指標であると考えており、既存クライアントの満足度向上を促すため、継続的なアップデートと併せて、「C-mo」のサポート担当であるカスタマーサクセスの体制強化を行っております。カスタマーサクセスが行うサポートの内容といたしましては、システム操作の問い合わせ対応にとどまらず、クライアントが属する業界におけるトレンド情報のレポート送付、「C-mo」の機能を利用した施策提案など、当社からクライアントに対して電話やWeb会議システムを利用し積極的にコミュニケーションを図ることで、「C-mo」をより効果的にご利用いただき、「C-mo」がクライアントの業務になくてはならないツールとなるように導くことで、解約率の低減に尽力しております。引き続き当該指標の改善に邁進していく所存でございます。

 

ストック売上高                                       (千円)

 

2021年9月

2022年9月

2023年9月

2024年9月

C-mo

1,128,144

1,548,060

1,604,181

1,486,812

C-mo Pro

415,811

256,198

266,733

487,421

合計

1,543,955

1,804,258

1,870,915

1,974,234

(注)各期末(9月)における、毎月課金される月額利用料の合計金額を12倍にして算出しております。

 

C-mo解約率                                          (%)

 

2021年9月

2022年9月

2023年9月

2024年9月

「C-mo」解約率

2.6

1.9

2.4

2.3

(注)各期末(9月)における、直近6ヶ月の平均値にて算出しております。