2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    757名(単体) 1,379名(連結)
  • 平均年齢
    42.4歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.0年(単体)
  • 平均年収
    7,889,811円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

重仮設

984

建設機械

395

合計

1,379

 

(注)  従業員数は就業人員であります。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

757

42.4

17.0

7,889,811

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

重仮設

757

合計

757

 

(注) 1  従業員数は就業人員であります。

2  平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3  平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与には受入出向者及び社外への出向者は含まれておりません。

 

(3) 労働組合の状況

提出会社及び連結子会社には労働組合は結成されておりませんが、労使は相互尊重精神のもと機会あるごとに忌憚のない意見交換を行い意思疎通を図っており、健全かつ円滑な労使関係が確立しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)(注1)

男性労働者の

育児休業取得率

(%)(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・有期

労働者(注3)

14.5

93

61.6

61.6

53.3

 

(注) 1  「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

   2  「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

         当事業年度より以下の計算方法を採用しております。

         取得率(分母:従業員のうち当該年度中に子が生まれた者、分子:当該年度中に育児休業等を取得した者)

    3  パート・有期労働者は、再雇用制度適用者等の期間を定めて雇用している嘱託社員であります。

 

 

②連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める

女性労働者の割合(%)(注1)

男性労働者の

育児休業取得率

(%)(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・有期

労働者

レンタルシステム㈱

7.3

50

71.0

72.0

63.6

 

(注) 1  「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

   2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

         当事業年度より以下の計算方法を採用しております。

         取得率(分母:従業員のうち当該年度中に子が生まれた者、分子:当該年度中に育児休業等を取得した者)

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(1)サステナビリティ課題全般への取組

①ガバナンス

持続可能な環境、社会の実現と企業価値の向上に向けての当社グループの取組の方針として、2022年6月に「サステナビリティ課題への取り組みの基本方針」を取締役会で決定しました。

上記方針においては、必要なガバナンス体制を構築し、特に下記事項に取り組むことにより、ステークホルダーへの社会的責任を果たし、持続可能な社会の発展に貢献することとしております。

 

・鋼材のリユースを中心とした事業モデルを常に進展させ、資源循環型経済の実現に取り組む

・サプライチェーン全体の温室効果ガスの排出削減に取り組む

・災害復旧に貢献するとともに、防災、減災、国土強靭化の実現に取り組む

・関係するすべての人の人権を尊重するとともに、その安全と健康の確保に取り組む

・従業員の働きがいの向上と、多様な人材の活躍の場の提供に取り組む

・社会との協調を図り、積極的に社会貢献活動に取り組む

 

上記課題への取組については、サステナビリティ委員会や技術・事業開発委員会において検討・審議し、状況に応じて取締役会に報告・提言することとしております。

 

リスク管理

サステナビリティ委員会内に設置する、人事労働部会、安全・防災・環境・BCP部会、内部統制・コンプライアンス部会、グループ環境部会、意識・活動定着部会の各部会において、上記サステナビリティ課題への具体的取組を検討・推進するとともに、それぞれの課題に関わるリスクを把握・評価し、その内容についても委員会にて検討・審議しております。また、上記各部会においては全社横断的なリスクの把握・評価も行っており、委員会活動の中での連携を図っています。

 

(サステナビリティに関するガバナンス体制図)


 

 

 

 

 

 

 

③当社が重要であると判断した非財務目標

当社は、中期経営計画(2025~2027)において、持続可能な社会の発展に貢献すべく、サステナビリティ課題への取り組みを推進するため、「サステナビリティ課題への取り組みの基本方針」と「コーポレート・ガバナンスの強化」を軸に非財務目標を設定しました。

 

(非財務目標)

 

サステナビリティ課題への取り組みの基本方針

主な施策

KPI

環境

・鋼材のリユースを中心とした事業モデルを常に進展させ、資源循環型経済の実現に取り組む

・資源循環型経済の実現

・鋼材リユース率

・サプライチェーン全体の温室効果ガスの排出削減に取り組む

・事業活動におけるGHG排出量の削減

・GHG排出量削減率(Scope1・2・3)

社会

・災害復旧に貢献するとともに、防災、減災、国土強靭化の実現に取り組む

・災害発生時の対応力の強化

・社内対応力の強化

・災害発生時の資機材の迅速な供給

・関係するすべての人の人権を尊重するとともに、その安全と健康の確保に取り組む

・人権の尊重

・人権啓発研修の充実

・安全で働きやすい作業環境の実現

・死亡災害・重大災害件数

・従業員の働きがいの向上と、多様な人材の活躍の場の提供に取り組む

・多様な人材の確保・活用

・男女間賃金格差

・ダイバーシティ経営の推進、総活躍推進・成長機会の提供

・女性管理職者比率

・育休取得の推進

・男性育児休業取得率

・対話による意識・行動改革、サーベイによる課題の見える化

・エンゲージメントサーベイスコア

・社会との協調を図り、積極的に社会貢献活動に取り組む

・社会貢献活動への取り組み

・地域社会への貢献活動

ガバナンス

・コーポレート・ガバナンスの強化

・コンプライアンスの徹底

・コンプライアンス総合診断等の結果改善

・情報セキュリティの強化

・重大な情報セキュリティ事故件数

・ガバナンスの強化

・取締役会の実効性の評価

 

 

 

 

(2)人的資本への取組

当社は人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出す事で、中長期的な企業価値の向上につなげる人的資本経営を進めてまいります。社員一人ひとりのキャリアプランに合わせた人材育成を実施し、多様な人材の柔軟な働き方を推奨し、社員のエンゲージメント向上にむけて以下の取組を実施しております。

 

 ガバナンス

 人的資本に関する取組は、社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会の下に人事労働部会を設置し、人事部門の担当執行役員が部会長を務め、全社横断で取組を推進しています。人事労働部会では、多様な人材の柔軟な働き方を推奨し、社員のエンゲージメント向上にむけて取組み、検討内容は、サステナビリティ委員会で協議し、取組内容の決定・進捗確認を行っています。また議論の内容は、取締役会に報告され、取締役会は、重要な経営・事業戦略として議論し方針を決定するのに加え、人事労務課題への実行計画等について監督を行っています。また、サステナビリティ委員会で決定された重要事項は、人事労働部会を通じて事業部門に伝達され、定期的に実行状況のモニタリングが行われています。

 

② 戦略

 a.人材育成

人材の多様性の確保や各々の業務領域の拡大の観点から、人材育成方針とそれに基づく充実した教育カリキュラムを策定し、計画的なOJTと階層等に応じた各種研修を行っております。また、マネージャーを対象に「360°評価(自己分析と多面評価)」を実施し、対象者の自発的行動変容を促すことで管理者の育成に注力しています。

 

(人材育成方針)

挑戦意欲が高く、環境変化へ柔軟に対応できる人材を目指し、多様な人材がそれぞれの力を最大限に発揮できる場を提供し、成長できる仕組みを構築していきます。社員一人ひとりの成長と働きがいの追求により、企業価値向上につなげ安心・安全な社会の建設へ貢献し続ける企業を目指します。

 

対象層

各層の目指すべき姿

マネジメント層

中長期的な目標達成に向けて、当事者意識・チャレンジ精神を持ち環境変化に柔軟な発想を備え行動する

中堅層

次期マネージャー候補の育成として早期にマネジメント基礎を習得させ、後輩育成とともに視野を広げていく

若手層

当社事業内容や製品知識の習得を行い、OJTマニュアルを通じ各部署での業務レベルアップを図る

 

 

 

 

(研修制度)


 

b.職場環境の整備

当社は社員の働きがいの向上や労働環境の改善、健康の確保等に向けての社内環境整備方針を策定し、それに基づくさまざまな取組を進めるとともに、その具体的目標と実施状況の開示を行っております。

 

(社内環境整備方針)

社員一人ひとりの働きがい向上に向けて、労働環境改善や柔軟な働き方の制度整備を進め、仕事と育児・介護の両立可能な社内環境を目指します。また、生活習慣病・メンタルヘルス・食生活改善等の健康経営®にも注力し、数値目標を掲げています。

 

取組事例

・フレックスタイム制

 


 


・在宅勤務

・年休取得推進

・女性活躍リーディングカンパニー認証「三つ星認証★★★」(大阪市)

・くるみん認定

・特定保健指導

 

 

従業員の安全及び健康に関しては、「ジェコスグループ健康宣言」を行い、企業として健康経営に積極的に取り組むことを社内外に公表しております。また「健康経営企画推進体制」を策定し、取組を推進しております。

 

ジェコスグループ健康宣言

ジェコスグループでは、社員を最も重要な財産と考え、社員の心身の健康増進を会社の重要な経営課題の一つと位置づけています。

積極的に社員の健康維持を支援し、働きがいのある職場環境づくりと、個々の社員が健康を最優先する意識を醸成する取り組みを行います。

 

 

(注)「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標であります。

 

取組事例

・女性の健康応援セミナー

 


・禁煙セミナー

・ベジチェック®測定会(野菜摂取量の測定)

・二次健康診断費用に対する補助金支給

・歩こう大会

 

2025年3月10日 日本健康会議より「健康経営優良法人2025」(大規模法人部門)に認定されました。

 

 

③ リスク管理

 サステナビリティ委員会内に設置する人事労働部会では、人材流動性の高まりや専門人材の不足、過重労働による社員の健康被害、エンゲージメントの低下といったリスクと機会の把握とその評価を行い、具体的取組を検討しています。検討内容は、サステナビリティ委員会において全社リスクマネジメントの中に統合して検討・審議され、取締役会で方針決定していきます。取締役会で決定された方針や具体的な取組の指示は、人事労働部会を通じて各事業部門に伝達され、サステナビリティ委員会で定期的にモニタリングが行われ、重要事項は取締役会に報告されます。これらのリスク管理を通じて、リスクの回避・機会の最大化の実現を図っていきます。

 

④ 指標及び目標

 当社は、2024年4月1日を始期とする一般事業主行動計画にて、2027年3月31日までの人的資本経営に係る指標及び目標を以下のとおり定めております。

・フレックスタイム制、勤務間インターバル制度の導入・活用

・長時間労働偏在部署の業務改善

・雇用機会の創出

・女性管理職比率 目標18%

・男性育児休業取得率 目標50%(特別休暇除く)

・健康診断2次検査受診率 目標50%

・年休取得率70%の継続

 

また、人材育成や社内環境の整備に関する指標及びその実績を社内外に公表しております。

 

(提出会社)

 

 ダイバーシティ

項目

単位

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

中期計画

(2027年度)

女性管理職者比率※1

9.7

10.5

10.6

12.1

14.5

18.0

女性役職者比率※2

3.4

2.5

2.4

3.2

3.1

6.0

役職者比率(中途入社)

17.8

18.6

14.3

13.5

15.7

-

定年退職者再雇用数

7

3

8

7

14

-

再雇用率

87.5

50.0

88.9

77.8

89.0

-

女性雇用率

66.7

-

80.0

75.0

80.0

-

障がい者雇用数※3

14

15

17

22

28

-

障がい者雇用率

1.80

1.94

2.20

2.77

3.46

2.70

 

 

健康・安全

項目

単位

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

中期計画

(2027年度)

ストレスチェック実施率

98.0

97.0

97.3

95.2

95.8

100.0

定期健康診断受診率

100.0

100.0

100.0

100.0

100.0

100.0

二次検査受診率

42.6

35.4

32.6

40.6

集計中

70.0

 

 

ワークライフバランス

項目

単位

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

中期計画

(2027年度)

1人あたり年間平均時間外
※4

時間

25.0

29.1

27.9

29.2

29.6

25.0

平均年休取得日数

13.6

13.3

13.4

13.2

12.9

-

平均年休取得率

68.1

69.9

70.9

69.9

68.2

70.0

育児休業等取得者数※5

8

7

15

9

19

-

男性

25

12

31

66

93

100

女性

71

100

133

75

125

-

育児のための短時間勤務
取得者数

28

32

33

32

37

-

 

 

エンゲージメント調査

項目

単位

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

中期計画

(2027年度)

回答率

-

-

89.0

-

93.3

-

点数の結果※6

-

-

3.7

-

3.7

3.8

 

(注) ※1 課長代理以上

     ※2 役職(部長、支店長、工場長、グループ長、所長、センター長)

     ※3 等級に応じてカウント

     ※4 36協定対象者

  ※5 男性の育児休業等取得者数・取得率は、子が生まれた時の特別休暇を取得した男性を含む

2024年度より以下の計算方法を採用しており、2023年度以前に遡及適用しております

取得率(分母:従業員のうち当該年度中に子が生まれた者、分子:当該年度中に育児休業等を取得した者)

  ※6 仕事、職場、会社に関する結果の集計値(全従業員を対象に実施)

5点満点で採点(3.0未満:低い、3.0以上3.5未満:やや低い、3.5以上4.0未満:やや高い、4.0以上:高い)

 

(国内子会社)

 レンタルシステム㈱

 

 ダイバーシティ

項目

単位

2023年度

2024年度

中期計画

(2027年度)

女性管理職者比率※1

6.8

7.3

18.0

女性役職者比率※2

1.9

1.8

-

役職者比率(中途入社)

90.7

87.5

-

定年退職者再雇用数

2

8

-

再雇用率

100.0

100.0

-

女性雇用率

100.0

100.0

-

障がい者雇用数※3

11

9

-

障がい者雇用率

2.67

2.19

2.70

 

 

健康・安全

項目

単位

2023年度

2024年度

中期計画

(2027年度)

定期健康診断受診率

100.0

100.0

-

 

 

ワークライフバランス

項目

単位

2023年度

2024年度

中期計画

(2027年度)

1人あたり年間平均時間外
※4

時間

12.5

12.9

-

平均年休取得日数

10.8

11.7

-

平均年休取得率

61.6

67.1

70.0

育児休業等取得者数※5

4

8

-

男性

14.3

50.0

100.0

女性

100.0

100.0

-

育児のための短時間勤務
取得者数

4

4

-

 

 

(注) ※1 課長代理以上

     ※2 役職(部長、営業所長、工場長)

     ※3 等級に応じてカウント

     ※4 36協定対象者

  ※5 男性の育児休業等取得者数・取得率は、子が生まれた時の特別休暇を取得した男性を含む

2024年度より以下の計算方法を採用しており、2023年度以前に遡及適用しております

取得率(分母:従業員のうち当該年度中に子が生まれた者、分子:当該年度中に育児休業等を取得した者)

 

 各連結会社の規模、事業内容及び制度等に応じて取り組みの状況が異なり、人的資本に関する具体的な指標及び目標をグループ全体で統合・展開していないことから、連結会社ベースでの記載は困難と考えております。従って、重仮設事業においては当社の指標及び実績を記載し、建設機械事業においてはレンタルシステム㈱の指標及び実績を記載しております。

 

(3)気候変動への取組

当社は、2022年6月に持続可能な社会の実現と企業価値向上に向けた当社グループの取組方針として「サステナビリティ課題への取り組みの基本方針」を定め、ステークホルダーからの期待に応え、持続可能な社会の発展に貢献することとしています。その中で、サプライチェーン全体の温室効果ガスの排出削減に取り組むことを大きな課題の一つと位置づけています。重仮設事業では賃貸用鋼材の90%をリユースし、また、最終的にはスクラップとしてリサイクルしており、事業自体が循環型社会への貢献を通じ、温室効果ガス排出の削減に大きな役割を果たしていると考えています。気候変動への取組は、極めて重要な課題と認識しており、「鋼材のリユースを中心とした事業モデルを常に進展させ、資源循環型経済の実現に取り組む」、「サプライチェーン全体の温室効果ガスの排出削減に取り組む」を重要課題として設定しています。

 

当社は、2023年4月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」に賛同を表明しました。TCFDは、投資家等が財務上の意思決定を行うに際し、気候変動リスクと機会が投資先の財務状況にどのような影響を及ぼすかを的確に把握していることが重要であるとの考えに基づき、組織運営における4つの中核的要素である「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」に関する情報の開示を推奨しています。当社は気候関連開示の代表的なフレームワークであるTCFDに沿った内容で情報開示を行います。

 

①ガバナンス

気候変動に関するグループの取組は、社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会の下にグループ環境部会を設置し、技術部門と経営企画部門の担当執行役員が共同で部会長を務め、全社横断で取組を推進しています。グループ環境部会では、気候変動に関するリスクと機会の評価を行うとともに、2050年のカーボンニュートラルを目指し2030年に向けた削減目標を策定し、達成に向けた取組を検討しています。検討内容は、サステナビリティ委員会で協議し、技術・事業開発委員会とも相互の報告・提言により連携し、取組内容の決定・進捗確認を行っています。また議論の内容は、取締役会に報告され、取締役会は、重要な経営・事業戦略として議論し方針を決定するのに加え、気候変動課題への実行計画等について監督を行っています。また、サステナビリティ委員会で決定された重要事項は、グループ環境部会を通じて事業部門及びグループ会社に伝達され、定期的に実行状況のモニタリングが行われています。

 

 

(気候変動に関する推進体制図)


②戦略

気候変動問題に関わるリスクと機会を正しく認識し、事業・財務戦略に及ぼす影響を評価するため、シナリオ分析を行っています。シナリオは、①産業革命前から今世紀末までの気温上昇を1.5℃に抑え、持続可能な発展を実現させるための政策(規制)強化、市場変化、技術革新が進められる「移行シナリオ」、②産業革命前から気温が4℃程度上昇し、異常気象の激甚化、海水面上昇等の影響が発現する「物理的シナリオ」、の二つで検討しました。それぞれにつき、「調達」「直接操業」「製品・サービスの提供」の各段階で事業に与えるリスクと機会を分析し、その影響の大きさと影響する時間軸を整理し、対応策を検討しています。

 

 

(気候関連の主なリスクと機会)


 

③リスク管理

サステナビリティ委員会内に設置するグループ環境部会では、気候変動が当社事業に及ぼす要因をバリューチェーン上で整理し、リスクと機会の把握とその評価を行い、具体的取組を検討しています。検討内容は、サステナビリティ委員会において全社リスクマネジメントの中に統合して検討・審議され、取締役会で方針決定していきます。取締役会で決定された方針や具体的な取組の指示は、グループ環境部会を通じて各事業部門やグループ会社に伝達されます。気候関連のリスクや機会に関する対策の実行状況は、グループ環境部会を通じてサステナビリティ委員会で定期的にモニタリングが行われ、重要事項は取締役会に報告されます。これらのリスク管理を通じて、リスクの回避・機会の最大化の実現を図っていきます。

 

④指標と目標

温室効果ガス排出量の削減目標並びに取組内容については、2023年に方針決定しました。当社グループは2050年のカーボンニュートラルを目指して、2030年度温室効果ガス排出削減目標(単体)を下記の通り策定しました。スコープごとに目標達成のための取組を検討・実行し、今後も継続的に温室効果ガス排出量の実績開示を行っていきます。

 

当社単体の温室効果ガス削減目標

対象Scope

基準年排出量

2021年度実績

(t-CO2e)

2030年度目標

(2021年度比)

2022年度実績

(t-CO2e)

2023年度実績

(t-CO2e)

2024年度実績

(t-CO2e)

Scope1及びScope2

18,427

30%削減

16,638

(△9.7%)

18,101

(△1.8%)

16,046

(△12.9%)

Scope3

(カテゴリ1※1,4,5)※2

487,294※3

20%削減

364,998

(△25.1%)

328,764

(△32.5%)

327,018

(△32.9%)

 

(注) ※1 購入した鋼材、セメントが対象

   ※2 Scope3総排出量の75%を占め自社の削減努力を反映できる品目が対象

 

 当社においては、指標のデータ管理とともに具体的な取組が行われているものの、当社グループでは、会社規模の違いや事業内容が異なることから、連結会社ベースでの記載は困難であります。従って上記の指標に関する目標及び実績は、当社単体の記載としております。