事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
国内EPC事業 | 8,762 | 74.6 | 729 | 151.5 | 8.3 |
アセアンEPC事業 | 2,212 | 18.8 | -59 | -12.3 | -2.7 |
不動産事業 | 404 | 3.4 | 135 | 28.0 | 33.3 |
その他 | 373 | 3.2 | -323 | -67.1 | -86.6 |
事業内容
3 【事業の内容】
(1)グループの概況
当社グループは、持株会社制を導入しており、当社及び連結子会社10社(JESCO株式会社(以下、JESCO)、JESCOエコシステム株式会社(以下、JESCOエコシステム)、JESCO SUGAYA株式会社(以下、JESCO SUGAYA)、JESCO AKUZAWA株式会社(以下、JESCO AKUZAWA)、マグナ通信工業株式会社(以下、マグナ通信工業)、JESCO ASIA JOINT STOCK COMPANY(以下、JESCO ASIA)、JESCO HOA BINH ENGINEERING JOINT STOCK COMPANY(以下、JHE)、JESCO PEICO ENGINEERING JOINT STOCK COMPANY(以下、JESCO PEICO)、JESCO HOLDING SINGAPORE PTE. LTD.(以下、JESCO SINGAPORE)、JESCO CRE株式会社(以下、JESCO CRE))及び非連結子会社1社(JESCOエキスパートエージェント株式会社(以下、JEA))の計11社で構成され、① 国内EPC(注1)事業、② アセアン(注2)EPC事業及び③ 不動産(CRE)事業の3つの事業セグメントを展開しております。
当社グループは、「FOR SAFETY FOR SOCIETY」、「安心して暮らせる豊かな社会づくりに貢献する」との基本理念に基づき、主に再生可能エネルギー、電気無線設備工事、電気通信設備工事、空調衛生設備工事、不動産の所有、売買又は賃貸借の事業分野において、株主、取引先、従業員等、当社グループに関わる全てのステークホルダーの満足度を高めるよう努めております。
(注1)EPC:Engineering(設計)、Procurement(調達)、Construction(建設)の略
(注2)アセアン:インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレ
ーシア、ミャンマー及びラオスの計10ヶ国
(2)事業の内容
① 国内EPC事業
当事業は、当社連結子会社であるJESCO、JESCOエコシステム、JESCO SUGAYA、JESCO AKUZAWA、マグナ通信工業の5社が行っております。
日本国内における再生可能エネルギー関連設備工事、電気無線設備工事及び電気通信設備工事等を事業領域として、主に太陽光発電設備、移動体通信基地局、防災行政無線、工業用監視カメラ、通信指令システム、道路付帯設備及び商業施設等を受注し、設計業務、調達業務、施工管理業務及び保守メンテナンス業務等を展開しております。
なお、上記の各業務の内容は、以下のとおりであります。
設計業務とは、施主又は元請事業者の仕様に基づいて、設計図面を作成する業務であります。
調達業務とは、工事に必要となる資材の選定、資材業者への発注、工事後の元請事業者等への設置引渡しを行うことであります。
施工管理業務とは、施工の外注先である協力会社が行う工事全体の管理を行うことであります。管理には、工程管理、安全管理、品質管理、原価管理等が含まれます。
保守メンテナンス業務とは、機器設置引渡し後のシステム品質の維持管理に係る保守点検のことであります。
また、当社グループでは、上記業務をワンストップで受注できる体制を整えております。
② アセアンEPC事業
当事業は、当社連結子会社であるJESCO ASIA、JHE、JESCO PEICOの3社が行っております。
2001年ホーチミンにて開始した設計積算業務の拠点をダナン、ハノイにも設置し、さらに2020年12月にロンアン地域に、新たに2022年10月にカントー市に5拠点目を設置し、拡大してまいりました。BIM技術者の育成など、日本からの設計積算業務のアウトソーシングを展開しております。
また、ベトナムを中心としたアセアン地域における建築工事、電気設備工事、電気無線・通信設備工事及び空調衛生設備工事等を事業領域として、主に空港、太陽光発電設備、防災減災関連設備、工場、商業施設、高層コンドミニアムなどを施主又は建設会社、電気設備会社、通信電機機器メーカー等の元請事業者から受注し、設計業務、調達業務、施工管理業務及び保守メンテナンス業務等を展開しております。
なお、上記の各業務の内容は、国内EPC事業における業務内容と同様であります。
また、当社グループでは、上記業務をワンストップで受注できる体制を整えております。
当事業において、JESCO ASIAは、主に建築工事、電気設備工事及び電気通信設備工事等の設計業務、調達業務、施工管理業務及び保守メンテナンス業務等を展開しております。JHEは、主に電気設備工事、電気通信設備工事及び空調衛生設備工事等の調達業務、施工管理業務及び保守メンテナンス業務等を展開しております。JESCO PEICOは、主に電気設備工事、機械・配管設備工事、土木工事等の設計・積算、保守・メンテナンス等を展開しております。
③ 不動産(CRE)事業
当事業は、当社及びJESCO CREが行っております。
企業価値向上を目的に不動産を保有、売買又は賃貸し、収益の中心としております。駅に近い立地の高付加価値のオフィスビルを所有し、これを適正な価格で売買又は賃貸することで確かな収益を生んでおります。
規模の追求ではなく、高い収益性を維持しながら、高品質のサービスを提供し、顧客満足度の向上に努めております。
(3)事業の特徴
当社グループの事業は、以下の2つの特徴を有しております。
① 独立系
当社グループが属する設備工事業界では、元請事業者を中心とした下請事業者による集団が形成され、当該集団に属する下請事業者及び下請事業者の外注先である協力会社は、特定の元請事業者からのみ工事を受注する傾向にあります。このため、特定のグループに属する設備工事会社の事業は、一部の元請事業者からの発注に依存することになり、下請事業者及び下請事業者の外注先への業務量は安定しないことが問題点として挙げられます。
このような業界構造の中、当社グループでは、創業時より、当社グループの元請事業者となる建設会社、電気設備会社及び通信電機機器メーカー等とバランスよく取引関係を構築し、特定の元請事業者に受注先を限定させないことを基本方針としてまいりました。
この方針のもと事業展開を継続してきたことにより、当社グループが工事案件を受注する元請事業者は偏りがなく多岐に渡り、当社グループ及び当社グループの協力会社の業務量の安定化につながっていると認識しております。
② 継続的な受注及び利益を確保するための施策
A ワンストップでのビジネスの展開による継続的な受注の実現
当社グループが属する設備工事業界、その中でも電気設備工事及び電気通信設備工事に係る業界の課題として、工程や工種ごとに担当する事業者が細分化されている構造となっており、その工程間、工種間で規格や事業者の選定等、様々なコストが発生していることが挙げられます。
このような業界環境の中、当社グループは、設計、調達、施工管理及び保守メンテナンスに至るまで、案件を施工するための多様な機能を有しており、工事案件のプロセスをワンストップで受注できる体制を構築し、同業他社との差別化を図っております。これにより、当社グループでの短納期、低コストでの施工、及び元請事業者にとっても工事の進捗管理に係る負担の軽減にもつながり、採算性の確保や元請事業者からの継続的な受注を実現させております。
B 「低コスト」「ジャパンクオリティ」「DX(デジタルトランスフォーメーション)強化」の実現
アセアンEPC事業に属するJESCO ASIAは、当社グループのベトナムにおける設計積算業務のコスト削減と品質向上を目的として2001年に設立いたしました。設立以降、現地採用のベトナム人に設計業務の実務を担当させつつ、日本語研修を充実させることで、実務能力と語学力を兼ね備えた従業員を養成しております。また、工事に関しても品質確保のため、工事作業員に対して日本で行われている教育(作業員の作業着衣指導、保護具の完全着用、朝礼、危険予知ミーティング等)を実施しているほか、作業現場では、IEC(国際電気標準会議)等の規格に基づいた工事を実施しております。
設計積算業務におきましては、従来から設計業務のデジタル化により進化させてまいりましたが、今般、東京本社とWEBコミュニケーションツールで結合し、仮想空間での一体化を図りました。このようなDX化をベースに、220人から300人への増員やロンアン地域及びカントー市への拡大、BIM導入など、更なる体制強化に取り組んでいます。このような取り組みにより、低コスト(ベトナムにおける低賃金での人材確保による設計業務の低コスト化)を実現させつつも、日本のクオリティに準じた設計・工事の品質(研修、実務を通じて養成した実務能力の高いベトナム人従業員による役務の提供)をベトナム現地で保持することができ、日本やベトナムの元請事業者からの継続的な受注と利益の確保に貢献しております。
C 安全・品質の確保
当社グループは、創業時に高い安全基準が求められる原子力発電所での格納容器のリークテスト(原子炉格納容器漏洩率試験)業務を行っていたこと等から、当初より安全・品質への意識が高いことが特徴として挙げられます。
具体的には、1999年1月に品質に関する国際規格であるISO9001認証登録、2004年4月に労働安全衛生の国際規格であるOHSAS18001認証登録等、国際規格を取得して安全・品質の確保に努めてまいりました。また、2020年10月からインターネットを利活用した「JESCOアカデミー」を開講しました。クラウドを活用したオンデマンド配信による技術者教育で、いつでもどこでも受講することが出来、人材の早期育成にも取り組んでおります。将来的には、国内外のパートナー会社にも拡大してまいります。このような新たな取り組みに加え、各種研修の開催、取引先を含めたJESCOグループ安全衛生協議会(※)の組織化、安全大会の開催等、安全・品質への意識と知識の向上に努めております。
(※JESCOグループ安全衛生協議会は、安全衛生管理、労働災害防止、設備事故防止を推進し、工事の品質向上を図ることを目的として当社グループ及び当社グループの取引先とで組織されております。)
(事業系統図)
(注1)JESCO株式会社は、JESCOネットワークシステム株式会社に商号を変更(2023年9月)
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当連結会計年度(2022年9月1日~2023年8月31日)においては、ウクライナ情勢の長期化や金融不安、資材・エネルギー価格の高騰等、依然として先行きが不透明な状況が続いております。その中において、わが国経済は、継続的な物価上昇が見られるものの、新型コロナウイルス感染症の各種対策緩和により、社会経済活動の正常化が進むとともに、緩やかに持ち直しの動きが見られます。
a サステナブル経営を目指して
-1. 環境保全への取り組み
このような経済環境の中、当社グループではサステナブル経営のもと、森林を保有(31ha)し、維持管理することによりカーボンニュートラル実現に取り組んでおります。この内、那智勝浦の保安林(16.7ha)が、都市に立地する企業の緑地管理による地域への社会貢献として高い評価を受け、2022年9月にSEGES*1審査会にてExcellent Stage2の認定を受けました。さらなるステージアップに向け、水資源や生物多様性等多面的な森林の保全及び地元住民との連携等地域社会への貢献に取り組んでおり、2023年9月に設置したセンサーカメラによる生態系保全等新たな取り組みを行うとともに、ネイチャーポジティブ*2アプローチを展開してまいります。
-2. 太陽光パネルのライフサイクルサポートへ
2023年2月には、太陽光パネルのライフサイクルにわたりサポートするため、J&T環境株式会社(JFEグループ及び、東京電力・中部電力のグループ会社である株式会社JERAが出資するリサイクル企業)と業務提携を締結いたしました。当社グループでは、太陽光発電所の建設やO&M(オペレーション&メンテナンス)に20年以上取り組んでいますが、今後は、リユース・リサイクルまでワンストップで取り組むことにより、循環型社会と脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
-3. 電気設備技術者育成への取り組み
建設工事の需要が高まる一方、日本国内においては人口減少が続き、電気工事を含む建設業の高度技術者の不足が大きな課題となっています。当社では、2022年10月に独立行政法人「国際協力機構」(JICA)と締結した「ベトナム国BIM*3理論を活用した産学連携教育事業による電気設備技術者育成のための案件調査」について、工学院大学とSOBA Projectとの産学連携によりベトナム国ダナン工科大学と共に調査を実施し、2023年8月に結果報告が完了いたしました。2024年度の普及・実証の提案に向けて、引き続き取り組んでまいります。
b 当期業績について
-1. 国内業績
2022年9月にM&Aした阿久澤電機株式会社(2023年4月にJESCO AKUZAWAに社名変更)に引き続き、2023年3月に原子力発電所や発電プラント向け工業用ITV(工業用監視設備)・指令通話システム(ページング装置)等に豊富な実績と技術力のあるマグナ通信工業株式会社をM&Aいたしました。今後再稼働や建て替えが検討される原子力発電所等や情報通信分野において、当社グループとのシナジー効果を創出し、更なる成長を実現してまいります。また、マグナ通信工業株式会社は多数の資格保有者を抱えており、このM&Aにより1級電気工事施工管理技士では現在当社グループ全体で前期比63%増の計103名、1級電気通信工事施工管理技士では監理技術者を含め前期比227%増の計49名となる等、人的資本の強化につながり、事業拡大に向け大きく踏み出すことができました。なお、当連結会計年度において、阿久澤電機株式会社のM&Aに伴う取得関連費用52百万円を販売費及び一般管理費として計上しております。
また、特別利益として、JESCO新宿御苑ビル売却に伴う譲渡益7億24百万円、マグナ通信工業株式会社のM&Aに伴う負ののれん発生益により5億43百万円を計上しております。
-2. 海外業績
エンジニアリング部門では、JESCO ASIA社が2022年12月にベトナム政府より、多くの国際空港電気設備設計の実績と資格保有技術者数から、設計に関し、国際空港の入札参加資格となる、特別高圧(35,000V以下)の電気設備設計元請企業に認定されました。これにより、ホーチミン市東部にハブ空港として建設されるロンタイン国際空港の電気設備詳細設計、ハノイ市のノイバイ国際空港第2ターミナルビル拡張工事の電気設備詳細設計を元請グループとして受注しました。引き続き、ロンタイン国際空港カーゴビルの詳細設計についても受注を目指してまいります。また、2022年10月にカントー支店を開設し、300名体制の早期構築に向けて増員を進めるとともに、技術力強化にも取り組んでおります。
建設部門においては、2022年6月に当社グループとなったJESCO PEICO ENGINEERING社において、ベトナムでの日系企業等顧客の工場設備工事が順調に進捗しました。今後ともロンタイン国際空港等の設計受注に続き、空港案件の関連設備工事等の受注に向けて注力し、再生可能エネルギーや防災減災関連設備の受注拡大にも積極的に取り組んでまいります。
一方で、JESCO HOABINH ENGINEERING社について、顧客である不動産開発会社に対する政府の融資等規制強化の影響により、当第4四半期連結会計期間において貸倒引当金46百万円を計上しております。
なお、スリランカ国で建設中のバンダラナイケ国際空港案件に関して、同国の経済危機により中断しておりましたが、第2四半期連結累計期間において契約解除となりました。本案件にて発生した費用の精算に向けた交渉が継続しており、また中断以降一年以上が経過しているため、当連結会計年度において特別損失105百万円を計上しております。
このような状況のもと、当連結会計年度の業績は、前期業績に対して増収となりました。また、営業利益・経常利益は減益となったものの、親会社株主に帰属する当期純利益は増益となりました。
当連結会計年度における経営成績は、売上高111億4百万円(前年同期比7.0%増)、営業利益4億25百万円(前年同期比45.2%減)、経常利益5億5百万円(前年同期比30.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益11億82百万円(前年同期比130.6%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
a 国内EPC事業
脱炭素化に向けた再生可能エネルギー分野のマーケットは引き続き拡大を続けており、注力分野の一つである太陽光発電設備工事が順調に推移いたしました。従来のメガソーラー案件の他、電気料金高騰やサステナビリティへの関心の高まりから注目されている自家消費型案件の需要を的確に捉え、ゴルフ場のカーポートや工場の屋根に設置するPPA(Power Purchase Agreement)モデル*4の設計施工案件の受注が拡大しました。
2023年9月にはJESCO株式会社を、注力分野である再生可能エネルギー関連設備事業の「JESCOエコシステム株式会社」、無線通信インフラ関連設備事業の「JESCOネットワークシステム株式会社」に分割いたしました。これにより、経営体制の強化や次世代経営者の育成、時代の変化を迅速に捉えた機動的な組織体制の構築を図ってまいります。また、新たに当社グループとなった阿久澤電機株式会社(現JESCO AKUZAWA株式会社)及びマグナ通信工業株式会社も順調に推移し、増収増益となりました。
当連結会計年度における当セグメントの経営成績は、売上高87億44百万円(前年同期比4.0%増)、セグメント利益7億29百万円(前年同期比12.5%増)となりました。
b アセアンEPC事業
設計積算部門においては前期より取り組んでいるDXによる国内設計部門との一体化が定着するとともに新規顧客も拡大し、順調に推移いたしました。同時に、業務拡大・技術力強化を目的としたエンジニアの300人体制構築に向けた増員等、先行投資を行っております。建設部門においては、2022年6月に当社グループとなったJESCO PEICO ENGINEERING社が順調に進捗したことにより増収となりました。一方、新規連結子会社となったJESCO PEICO ENGINEERING社ののれん償却費37百万円、JESCO HOABINH ENGINEERING社での貸倒引当金戻入益の減少として63百万円、またベトナムにおける不動産開発会社の融資及び社債発行への規制強化等により、一部の工事で2022年末頃より発生した中断や延期が継続しており、これに伴う貸倒引当金46百万円の計上等により、減益となりました。
当連結会計年度における当セグメントの経営成績は、売上高20億75百万円(前年同期比22.9%増)、セグメント損失59百万円(前年同期はセグメント利益1億23百万円)となりました。
c 不動産事業
2022年1月に公表いたしましたように、両利きの経営の柱の一つとしてJESCO CRE株式会社を設立いたしました。不動産売買や不動産仲介に加えて、取得物件のリニューアルによる高稼働・高付加価値化(バリューアップ)等、幅広く事業を展開し、当社グループの大きな柱とすべく取り組んでおります。その一環として、2023年6月に港区赤坂においてJESCO赤坂表町ビルを取得いたしました。また、2023年2月に仲介会社としてJESCO新宿御苑ビルを売却したことによる仲介手数料の他、保有ビルの賃貸管理収入の順調な推移により、増収増益となりました。
当連結会計年度における当セグメントの経営成績は、売上高2億84百万円(前年同期比0.8%増)、セグメント利益1億34百万円(前年同期比34.2%増)となりました。
*1 SEGES認定: 公益財団法人都市緑化機構が、企業等によって創出された良好な緑地や取り組みを評価し、
社会・環境に貢献している、良好に維持されている緑地であることを認定する制度。
SEGES…Social and Environmental Green Evaluation System
*2 ネイチャーポジティブ:自然生態系の損失を食い止め、回復させていくこと
*3 BIM:ICTを活用し、3次元の建設デジタルモデルに建築物のデータベースを含めた建築の新しいワークフロー
を提供する設計ソフト
BIM…Building Information Modeling
*4 PPAモデル:施設所有者が提供する屋根や敷地等にPPA事業者(太陽光発電の所有・管理を行う会社)が
太陽光発電システムを設置・運用し、発電された電力を施設所有者へ有償提供するビジネスモデル。
(財政状態の状況)
当連結会計年度末における流動資産は、94億47百万円となり、前連結会計年度末に比べ38億69百万円の増加となりました。これは、現金及び預金が7億18百万円、受取手形・完成工事未収入金等が10億80百万円、販売用不動産が22億6百万円増加したこと等によるものであります。当連結会計年度末における固定資産は、73億19百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億63百万円の減少となりました。これは、資産の売却等により有形固定資産が11億83百万円減少し、投資有価証券の取得等により投資その他の資産が5億52百万円増加したこと等によるものであります。この結果、当連結会計年度末における資産合計は、167億71百万円となり、33億4百万円の増加となりました。
当連結会計年度末における流動負債は、50億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億15百万円の増加となりました。これは短期借入金が2億29百万円減少し、1年内返済予定の長期借入金が1億7百万円、未払法人税等が1億58百万円、賞与引当金が29百万円増加したこと等によるものであります。当連結会計年度末における固定負債は、52億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億26百万円の増加となりました。これは、長期借入金が12億20百万円増加したこと等によるものであります。この結果、当連結会計年度末における負債合計は、102億43百万円となり、15億42百万円の増加となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、65億28百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億62百万円の増加となりました。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の32.8%から当連結会計年度末は33.4%になりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ7億26百万円増加し、22億84百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フロ-は、税金等調整前当期純利益16億67百万円、貸倒引当金の増加1億48百万円等の増加要因に対し、固定資産売却損益7億24百万円、負ののれん発生益5億43百万円、販売用不動産の増加額22億16百万円、法人税等の支払額4億3百万円等の減少要因により、24億3百万円の支出(前連結会計年度は6億96百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フロ-は、定期預金の払戻による収入6億80百万円、固定資産の売却による収入31億36百万円等の増加要因に対し、定期預金の預入による支出6億70百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出5億67百万円等の減少要因により、26億90百万円の収入(前連結会計年度は1億85百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フロ-は、短期借入れによる収入68億24百万円、長期借入による収入29億円等の増加要因に対し、短期借入金の返済による支出70億69百万円、長期借入金の返済による支出20億2百万円、配当金の支払額1億円等の減少要因により、4億72百万円の収入(前連結会計年度は2億40百万円の支出)となりました。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループは、主に営業活動から得られるキャッシュ・フローのほか、外部からの資金調達については、銀行借入れ等により実施しております。
また、営業債務や設備投資資金の支払、借入金の返済等に向けた資金需要に備えて、充分な資金を確保するために、適時にグループ各社からの報告に基づき資金繰計画を作成する等の方法により、資金の流動性確保を図りつつ、余剰資金が生じた場合には、財務体質の改善、更なる事業の拡大を目指した今後のM&A資金、海外事業の拡大に向けた投資、業務改革の推進や事業競争力の強化に向けたIT投資等の目的に充当する方針であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。
b 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3.当連結会計年度の大和リース株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため注記を省略しております。
d 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
e 外注実績
当連結会計年度における外注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行う必要があります。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態の分析
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 (財政状態の状況)」をご参照ください。
b 経営成績の分析
イ 売上高
当連結会計年度における売上高は、111億4百万円(前年同期比7.0%増)となりました。
当社グループのセグメントごとの外部顧客への売上高の内訳は、国内EPC事業が87億44百万円(同4.0%増)、アセアンEPC事業が20億75百万円(同22.9%増)、不動産事業が2億84百万円(同0.8%増)となりました。
グループ全体の売上高につきましても、今後、国内を中心に増加が見込まれる社会インフラ設備のメンテナンス需要や、情報通信技術革新による5G対応設備への対応等、引き続きグループ全体での受注拡大を図ってまいります。
ロ 営業利益
当連結会計年度における営業利益は、4億25百万円(前年同期比45.2%減)となりました。
当社グループのセグメント利益の内訳は、国内EPC事業がセグメント利益7億29百万円(前年同期比12.5%増)、アセアンEPC事業がセグメント損失59百万円(前年同期はセグメント利益1億23百万円)、不動産事業がセグメント利益1億34百万円(前年同期比34.2%増)となりました。
ハ 経常利益
当連結会計年度における経常利益は、5億5百万円(前年同期比30.4%)となりました。
これは、営業外収益1億67百万円を計上した一方、営業外費用87百万円を計上したことによるものであります。
ニ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、11億82百万円(前年同期比130.6%増)となりました。
これは主に、固定資産売却益7億24百万円、負ののれん発生益5億43百万円を計上し、法人税、住民税及び事業税5億27百万円、法人税等調整額△36百万円、非支配株主に帰属する当期純損失5百万円を計上したこと等によるものであります。
c キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
d 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、組織体制、法的規制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
e 経営戦略の現状と見通し
今後における当社グループの事業を取り巻く経営環境は、原材料の高騰や、同業者間での価格やサービスの競争等により、引き続き厳しい状況で推移していくことが予想されます。
こうした状況のなか、当社グループにおきましては、日本国内において今後も安定した収益基盤を構築するとともに、今後更なるインフラ整備の需要増大が期待されるアセアン地域において、事業の拡大を図るため、積極的な事業展開を図ってまいります。
f 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループが今後の業容を拡大し、より良いサービスを継続的に展開していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 会社の対処すべき課題」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。
これらの課題に対応するために、常に外部環境の構造やその変化に関する情報の入手及び分析を行い、アセアン地域でのシェア拡大、優秀な人材の採用と教育、安全への取り組み、営業体制の強化を図ってまいります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の取締役会において経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、持株会社である当社と事業会社である連結子会社から構成されております。
(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
①国内EPC事業
ETC、防災行政無線、消防無線、CCTV、移動体通信工事、施設(再開発、大修繕)、太陽光、資機材納入(輸出)
LEDビジョン等の運用・サービス・レンタル、システム企画設計・販売
②アセアンEPC事業
設計(電気、通信、電気計装、機械、空調)、工事(電気、通信、電気計装、機械、空調)、ベトナムを中心とした資材輸出入、ベトナムを中心とした人材サービス
③不動産事業
不動産の売買・賃貸・運用
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。
セグメント間の内部売上高又は振替高は、市場実勢価格に基づいております。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報
前連結会計年度(自 2021年9月1日 至 2022年8月31日)
(注)1.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない当社の経営管理部門に帰属するものであります。
2.「調整額」の内容は、以下のとおりであります。
(1) セグメント利益又は損失(△)の調整額は、セグメント間取引消去であり、営業損益間の消去△601,309千円及び営業損益と営業外損益間の消去△9,086千円であります。
(2) セグメント資産及びセグメント負債の調整額は、セグメント間の余剰資金や外部調達資金の融通、不動産の賃貸、短期債権債務の消去等であります。
3. セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
当連結会計年度(自 2022年9月1日 至 2023年8月31日)
(注)1.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない当社の経営管理部門に帰属するものであります。
2.「調整額」の内容は、以下のとおりであります。
(1) セグメント利益又は損失(△)の調整額は、セグメント間取引消去であり、営業損益間の消去△646,047千円及び営業損益と営業外損益間の消去△55,955千円であります。
(2) セグメント資産及びセグメント負債の調整額は、セグメント間の余剰資金や外部調達資金の融通、不動産の賃貸、短期債権債務の消去等であります。
3. セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2021年9月1日 至 2022年8月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(単位:千円)
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
(単位:千円)
当連結会計年度(自 2022年9月1日 至 2023年8月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(単位:千円)
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
(単位:千円)
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2021年9月1日 至 2022年8月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2022年9月1日 至 2023年8月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2021年9月1日 至 2022年8月31日)
(単位:千円)
当連結会計年度(自 2022年9月1日 至 2023年8月31日)
(単位:千円)
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2021年9月1日 至 2022年8月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2022年9月1日 至 2023年8月31日)
国内EPC事業セグメントにおいて2023年3月22日に締結した株式譲渡契約に基づき、マグナ通信工業株式会社の株式を取得し同社を連結の範囲に含めたことにより負ののれん発生益を543,582千円計上しております。