2024年1月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 3,112 100.0 193 100.0 6.2

事業内容

3【事業の内容】

当社は、「「IT」×「モノづくり」の力で世の中を変える。」をミッションに掲げ、伝統的な印刷業界でインターネットを活用し、D2C(Direct to Consumer)ビジネスモデルと効率的な社内管理システムを自社独自で構築することで、必要な時に必要な分だけを低価格かつ迅速に制作し、安定した品質の商品を顧客に届けるべく、事業を展開しております。

主な事業内容は、飲食業、小売業、広告代理店などにご利用頂いているBtoB向けECサイト「キングシリーズ」など、18のECサイトの運営と卸販売事業であります。インターネットを通じ、屋外に設置するメディアOOH(アウト・オブ・ホーム)広告の代表的な媒体のひとつであるのぼり旗、幕、看板といったオリジナル大型セールスプロモーション商材(以降、SP商材)の商品企画、サイト構築、集客、販売、制作、出荷の全工程を自社で行い(注)、顧客に対して柔軟性・利便性の高いサービス、安定した品質、短納期、低価格販売を実現しております。

なお、当社の事業におけるセグメントはSP商材の企画・制作・販売の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

(注)一部、商品を外注している商品もあります。

 

(当社ビジネスモデルのイメージ図)

 

(1) 事業の概要

当社では、のぼり旗、幕、冊子、パネル、うちわ等、豊富な取り扱いSP商材ごとに「キングシリーズ」としての独立ECサイトで販売を行っております。

また、EC販売取引において、多くのご注文を頂いた顧客やその他ご紹介などによる大口の顧客には、専任の営業担当をつけて対応を行う卸販売事業も行っており、ECでは拾えないニーズへの対応も行っております。

当社は、ECサイト構築、受注管理、商品管理、顧客管理、出荷指示など受注から出荷までの管理の全てをECサイト構築システム「DREAM-PACK」、製造管理システム「i-backyard」等の自社開発システムで行っております。

集客施策については、販売の主要チャネルがECサイトであり、WEBマーケティングを行う専門部署を設置して、SEO(注)対策、WEB広告運用、サービス開発など効果的な集客施策に取り組んでおります。

ECサイトを通じた受注獲得、システム開発、製造の自動化による生産性の向上、設備導入によるキャパシティ拡大を継続的に行い、SP商材を利用する多くの顧客に短納期、低価格の販促商品提供を実現しております。

(注)SEO:WEBサイトを検索結果に上位表示させるために実施するWEBサイトの改善のこと。

 

(自社開発のシステム事例)

 

 

① BtoB向けECサイト

当社は計18のECサイトを運営しております。主要なECサイトは「のぼりキング」、「横断幕・懸垂幕キング」、「冊子製本キング」となっており、下記にその特徴を記載します。その他のサイトも全て同様の施策を行っており、再現性の高い集客と売上の拡大、効率化を図っております。

 

(当社運営の主なECサイト)

 

a. のぼり旗のECサイト「のぼりキング」の運営

当社は、のぼり旗のECサイトである「のぼりキング」の運営を行っております。のぼり旗を中心に横断幕、タペストリー、看板、バナースタンドなど店舗のサイン&ディスプレイを幅広くラインナップしており、「のぼりキング」では約1.5万点以上の商品を取り扱っております。オリジナルのぼり旗が1枚から注文でき、最短翌営業日の出荷を行っております。ご注文方法は、顧客からの専用ソフトを利用したデータ入稿だけではなく、当社専任デザイナーへのデザイン依頼、専用ソフトを利用せずにサイト上で豊富なテンプレートの中から顧客自身がデザインを編集し注文ができる「のぼりデザイン」サービスも提供しております。

 

(のぼりデザインイメージ)

 

「のぼりキング」は、Google自然検索における表示順位において検索キーワード「のぼり」で1位、「のぼり旗」で2位を獲得(2024年3月時点)しております(注)。さらに広告投資も継続的に行っており、2024年1月実績では、年間約173万の流入数があり、8.5万件以上のご注文を頂いております。

(注)検索順位チェックツールを用いて日別Google自然検索における表示順位において調査月に一番多く獲得した順位を記載しております。

売上構成の約75%が過去購入実績のある既存顧客からのリピート注文となっているほか、注文の約90%は1枚~10枚までの小口注文で構成された、安定したビジネスモデルとなっております。

また、受注処理の自動化にも力を入れており、顧客から入稿されたデータは、通常は人による目視チェックを行い印刷用のデータに加工しますが、当社独自の印刷データ処理システムにより自動化を行っており、小口注文の処理効率を向上させております。

製造管理においては、受注システムのデータが製造管理システム「i-backyard」に自動連携されます。「i-backyard」を通して、製造工場に納品日ごとに制作すべき商品が表示され、その情報を基に漏れなく正確に制作・出荷を行っています。

 

b. 横断幕のECサイト「横断幕・懸垂幕キング」の運営

当社は、大型幕のECサイトである「横断幕・懸垂幕キング」の運営を行っております。店頭幕、垂れ幕、看板幕、広告・イベント幕など店舗装飾として商品やイベントの告知にご利用いただいております。

また、建築現場に特化した足場幕も建築現場用のSP商材として販売しております。幕に関しても1枚から注文が可能で、最短3営業日で出荷を行っております。幕だけの販売ではなく、のぼり旗、バナースタンド、看板など買い合わせが期待できる商材はECサイトを跨いで販売を行っており、クロスセルも積極的に行っています。

「のぼりキング」同様、「横断幕・懸垂幕キング」でも顧客が自身で作成したデータ入稿、デザイン制作依頼、サイト上でデザインできる「幕デザイン」のサービスを提供しております。

 

(幕デザインイメージ)

 

また、Google自然検索における表示順位において検索キーワード「横断幕」で1位、「横断幕 印刷」でも1位を獲得(2024年3月時点)しており、「のぼりキング」と同様に購買確度の高い自然検索からの顧客流入を多く獲得しております(注)。

(注)検索順位チェックツールを用いて日別Google自然検索における表示順位において調査月に一番多く獲得した順位を記載しております。

受注処理の自動化や製造管理システムとの連携も、「のぼりキング」と同様のシステムを利用しており、製造工程の効率化を行っております。

 

c. 冊子のECサイト「冊子製本キング」の運営

当社は、冊子印刷のECサイトである「冊子製本キング」の運営を行っており、パンフレット、会社案内、大会冊子、教材、レポート、写真集、カタログ等、様々なジャンルの紙面印刷物を取り扱っています。中綴じ、無線綴じと本格的な製本冊子を1冊から注文でき、最短3営業日で出荷を行っております。

2018年より開始したECサイトですが、売上は順調に拡大しており、次なる中核として市場獲得を目指しております。

また、冊子はサイズや仕様の選択肢が多いことに加えてページ数も多いため、データチェックを人が行うと時間も手間も非常に掛かることから、小ロット受注は受けにくかった分野ですが、「のぼりキング」と同様に入稿データの確認、加工を自動化する冊子専用のデータ処理自動化システムを独自開発し、データ処理時間や工数の圧縮に対応しており、1冊の受注でも利益を確保できる仕組みを実現しております。

「冊子製本キング」においても、Google自然検索における表示順位において検索キーワード「製本」で2位、「冊子 印刷」で5位を獲得(2024年3月時点)しており、購買確度の高い自然検索からの顧客流入を多く獲得しております(注)。

(注)検索順位チェックツールを用いて日別Google自然検索における表示順位において調査月に一番多く獲得した順位を記載しております。

 

 

d. その他

「のぼりキング」、「横断幕・懸垂幕キング」、「冊子製本キング」以外に、「うちわキング」、「マグネットキング」をはじめとしたキングシリーズなどのBtoB向けECサイトを全18サイト運営しております。様々なマーケティング施策やシステム化された受注処理などこれまでに培った専門ECサイト運営のノウハウを他のECサイトに横展開をすることで、売上の拡大を図っております。

 

② 卸販売事業

ECサイトから継続的に大口注文を頂く顧客や継続的な注文や大口案件をお持ちの企業からの受注については、専任の営業担当を配置し卸価格を設定して対応することで、ECだけでは拾いきれない受注や継続的な受注を獲得しております。数千枚単位の「のぼり旗」でも、価格や納期面においても十分な競争力を持って販売が可能であり、受注拡大に注力をしてまいります。この競争力は、日々のEC販売取引において、1日700件以上の受注、1,000枚以上の出荷という大量生産を続けていることで材料原価の低減交渉が可能となっていること、また、オペレーション業務のシステム化、効率化によって人件費を抑制できていることにより、実現しております。EC販売と卸販売の売上構成比率についてはEC販売:70%(売上高2,171,733千円)、卸販売:30%(売上高940,572千円)(2024年1月期実績)となっております。

 

(2) 当社事業の特徴

① 製造直販のD2Cビジネスモデル

当社は、計18のECサイトを運営し、SP商材の商品企画、サイト構築、集客、販売、制作、出荷の全工程を自社で行っております(注)。中間業者を介さずに自社インターネットサイトを通じて効率的な販売を行うことで、低価格、短納期で主に自社で制作した商品を顧客に届けております。

また、顧客からの専用ソフトを利用したデータ入稿、当社専任デザイナーへのデザイン依頼だけでなく、顧客自身でデザイン、編集を行えるサービス「のぼりデザイン」を展開するなど、インターネットの特性を活かして高いサービスレベルを維持しております。

(注)一部、商品を外注している商品もあります。

 

② 専門部署によるマーケティング施策

マーケティング課という専門部署を設置し、SEO対策、WEB広告、メールマガジン、SNS運用、ダイレクトメール送付など様々な施策を行っております。また特に、SEO対策とWEB広告には注力をしております。SEO対策では、ECサイトごとにユーザーの検索動向を分析し検索上位表示を狙う「キーワード」を設定し、サイトの内部要素、サイト内の内容を検索媒体のアルゴリズムへの最適化を重ねることで上位表示を実現し、検索ユーザーの流入増を図っております。また、WEB広告では、様々な媒体に出稿を行いながら、広告内容をターゲットとなるユーザーごとに変化させながら、広告効果の最適化を図っています。SEO対策、WEB広告を駆使し、新規顧客、既存顧客の両方を継続的かつ効率的に獲得しております。

主要ECサイト「のぼりキング」では、Google自然検索における表示順位において検索キーワード「のぼり」で1位、「のぼり旗」で2位を獲得(2024年3月時点)しております(注1)。その結果、検索ユーザーをECサイトへ流入させることが可能となり、着実に顧客数が増加しております。また、SEO対策、WEB広告に加え、自社独自のCRM(注2)を活用して、ターゲット、配信タイミング、配信内容にこだわったメールマガジンやダイレクトメールの発送を行っております。これらの施策によって、主要ECサイト「のぼりキング」の売上構成は約75%が既存顧客からのリピート注文となっております。

効率的な新規獲得とリピート顧客増加の施策を全サイトで横展開し、継続的な受注増を図っております。

(注1)検索順位チェックツールを用いて日別Google自然検索における表示順位において調査月に一番多く獲得した順位を記載しております。

(注2)CRM(Customer Relationship Management):顧客管理ツールを用いて顧客情報を管理すること。

 

③ 自社開発の管理システムと最新設備の導入

ECサイト構築システム「DREAM-PACK」、製造管理システム「i-backyard」を始めとした自社開発システムを開発・運用し、業務フローを効率化しております。また、これらのシステムによって、顧客が入稿した印刷用データのチェックから制作指示書の作成、発送状況のリアルタイム連携等を行っており、人的ミスを未然に防止する体制を整えております。

製造設備については、最新のオンデマンド印刷機(注)の導入による高速印刷で製造キャパシティの拡大を図るとともに、製造工程の断裁や縫製作業といった技術が必要な作業の機械化、自動化を推進しております。これにより、安定的な製造とオペレーションコストの低減を行い、小ロット・多品種生産に対応すると同時に、顧客の多様なニーズに迅速に対応できる社内体制を築いております。

(注)オンデマンド印刷:原稿データをダイレクトに読み取って製版することなく印刷をする方式のこと。

 

[事業系統図]

当社の事業系統図は下記のとおりであります。

 

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症が「5類感染症」に分類移行されたことなどで個人消費が持ち直したことや、行動制限や入国制限の緩和など政策的な追い風により回復の兆しがみられる一方、ウクライナ情勢の長期化により地政学的緊張が続くほか、原材料・エネルギー価格の高騰、インフレの拡大などにより景気後退に対する懸念も払拭できず、依然として経済の見通しは不透明な状況が続いております。

このような状況のなか、新型コロナウイルスの蔓延によって実施されてきた様々な制限が徐々に緩和されるにつれて、販促需要が一気に高まりました。加えて、原材料やエネルギー価格の高騰に対する施策として、主力商品であるのぼり旗等について平均3~10%の値上げを順次行いました。夏になるとイベント関連需要の高まりなどで「うちわ印刷キング」での販売が好調に推移しました。一方で、8月後半から9月にかけて気温の高い傾向が続いたことで、例年では9月に行う販促企画である飲食店の秋冬メニューの告知など秋向け商材の需要がやや後ろ倒しになりましたが、10月に入ると気温が徐々に下がり秋向け商材の需要が安定して伸長してまいりました。12月から1月にかけては、企業の販促活動が活発になったことで大口の会社関連の売上も順調に増加しました。

需要時期の変化にあわせたDMの発送やキャンペーンを実施するなど戦略的なプロモーション活動を行ったほか、SEO対策にも注力した結果、主要なサイトで流入数が増加しました。

以上の結果、当事業年度の売上高は3,112,305千円(前年同期比24.2%増)、営業利益は192,856千円(同69.2%増)、経常利益は221,504千円(同74.3%増)、当期純利益は153,192千円(同66.8%増)となりました。

なお、当社の事業におけるセグメントはSP商材の企画・制作・販売の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(売上高)

当社は、トランザクション数(注文件数)と平均客単価を重要な経営指標と考えております。トランザクション数の推移は小ロット、多品種、大量受注を特徴とする当社EC販売の成長性を示す重要な指標であると考えております。平均客単価は、事業の長期的な成長の基盤となる指標であり、提供しているサービスや商品の市場価値を示している指標であり、重要だと考えております。

当事業年度のトランザクション数は254,275件(前年同期比21.1%増)、平均客単価は12,283円(同2.6%増)となりました。これは主に、原材料やエネルギー価格の高騰を販売価格に転嫁したことや、戦略的にプロモーション活動を実施したこと、夏場のイベント関連需要の高まりなどで「うちわ印刷キング」での販売が好調に推移したこと、企業の販促活動が活発になったことで大口の会社関連の売上も順調に増加したほか、SEO対策に注力したこと等によります。その結果、当事業年度の売上高は3,112,305千円(同24.2%増)となりました。

 

(売上原価、売上総利益)

当事業年度の売上原価は1,905,236千円(前年同期比25.0%増)となりました。これは主に、売上の増加に伴う材料、商品及び印刷機用消耗品の使用量の増加に加え、急激な円安に伴う仕入価格の高騰、積極的な採用による労務費の増加、印刷機等の修繕費の増加等によるものです。この結果、売上総利益は1,207,069千円(同22.9%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当事業年度の販売費及び一般管理費は1,014,212千円(前年同期比16.9%増)となりました。これは主に、売上拡大による荷造運賃の増加、支払手数料の増加及び広告宣伝費の増加によるものです。この結果、営業利益は192,856千円(同69.2%増)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

当事業年度の営業外収益は42,955千円(前年同期比67.4%増)となりました。これは主に、受取家賃、売電収入及び為替差益の計上によるものです。また、当事業年度の営業外費用は14,307千円(同14.1%増)となりました。これは主に、支払利息、賃貸費用及び売電費用の計上によるものです。この結果、経常利益は221,504千円(同74.3%増)となりました。

 

(特別利益、特別損失、法人税等合計額、当期純利益)

当事業年度の特別利益は2,560千円となりました。これは、投資有価証券売却益の計上によるものです。また、当事業年度の特別損失はありませんでした。当事業年度の法人税等合計額は70,872千円となり、当期純利益は153,192千円(前年同期比66.8%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当事業年度末の総資産は、前事業年度末と比べ299,591千円増加し、2,526,843千円となりました。流動資産は、前事業年度末と比べ234,884千円増加し、897,785千円となり、固定資産は、前事業年度末と比べ64,706千円増加し、1,629,058千円となりました。

流動資産の主な増加要因は、現金及び預金が136,227千円、売掛金が38,062千円、原材料及び貯蔵品が31,461千円それぞれ増加したことによるものです。

固定資産の主な増加要因は、機械及び装置が44,798千円、長期前払費用が20,337千円、建設仮勘定が18,598千円、繰延税金資産が16,612千円それぞれ増加した一方、建物が17,495千円、リース資産が19,466千円それぞれ減少したことによるものです。

 

(負債)

当事業年度末の負債は、前事業年度末と比べ148,685千円増加し、2,105,755千円となりました。流動負債は、前事業年度末と比べ59,672千円増加し、810,579千円となり、固定負債は、前事業年度末と比べ89,013千円増加し、1,295,175千円となりました。

流動負債の主な増加要因は、1年内償還予定の社債が100,000千円、買掛金が12,149千円それぞれ増加した一方、1年内返済予定の長期借入金が52,128千円、未払金が13,412千円それぞれ減少したことによるものです。

固定負債の主な増加要因は、長期借入金が204,932千円増加した一方、社債が100,000千円、リース債務が17,888千円それぞれ減少したことによるものです。

 

(純資産)

当事業年度末の純資産は、前事業年度末と比べ150,905千円増加し、421,087千円となりました。

主な要因は、繰越利益剰余金が当期純利益の計上により153,192千円増加したことによるものです。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ119,325千円増加し、当事業年度末には339,276千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は、236,849千円(前事業年度は153,942千円の増加)となりました。主な要因は、税引前当期純利益により224,064千円、減価償却費により169,195千円、未払金の増加により26,096千円それぞれ増加した一方で、売上債権の増加により41,873千円、棚卸資産の増加により34,368千円、法人税等の支払により81,913千円それぞれ減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は、252,570千円(前事業年度は94,389千円の減少)となりました。主な要因は、定期預金の払戻で25,800千円増加した一方で、定期預金の預入で40,801千円、有形固定資産の取得により230,430千円それぞれ減少したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の増加は、129,540千円(前事業年度は25,214千円の減少)となりました。要因は、長期借入れで640,000千円増加した一方で、長期借入金の返済により487,196千円、リース債務の返済により21,263千円それぞれ減少したことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社の生産実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、生産実績に関しては販売実績の項をご参照ください。

 

b.受注実績

 当社で行う事業は、受注から売上までの期間が短いことから受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 販売実績は、次のとおりであります。

商品又は製品の名称

当事業年度

(自 2023年2月1日

至 2024年1月31日)

販売高(千円)

前期比(%)

のぼり

1,620,517

18.5

768,767

32.7

うちわ

153,168

71.5

冊子

151,200

38.5

その他

418,652

16.1

合計

3,112,305

24.2

(注)1.上記では、商品又は製品別の販売実績を記載しております。当社はSP商材の企画・制作・販売の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

2.総販売実績に対する割合が10/100以上の販売先がないため、主要な販売先の記載を省略しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末時点において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要①経営成績の状況及び②財政状態の状況」に含めて記載しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、資金需要の主な内容は運転資金及び設備投資資金であります。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの当座貸越契約を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入金を基本としております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況等を基に合理的と考えられる見積り及び判断を一部の箇所に用いておりますが、見積りの不確実性により実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。特に以下の事項については、経営者の会計上の見積りの判断が経営成績等に重要な影響を及ぼすと考えております。

(繰延税金資産)

繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積って、回収可能性を慎重に検討し計上しております。将来の課税所得の見積額に変更が生じた場合、繰延税金資産が増額又は減額する可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(固定資産の減損)

資産を用途により事業用資産及び賃貸用不動産に分類しております。事業用資産については管理会計上の区分に基づき、賃貸用資産については個別物件単位でグルーピングを行っております。収益性が著しく低下した資産グループが生じた場合、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額する可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。