2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    778名(単体) 1,143名(連結)
  • 平均年齢
    44.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.9年(単体)
  • 平均年収
    9,298,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    3.3%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

①人材戦略

当社グループの人材戦略については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しています。

 

②従業員の給与等の額及び内容の決定に関する方針

1.基本的な考え方

(1) 従業員各人の役位、役割、責務に応じ、当社の業績、経営環境等を考慮の上、決定する。

(2) 人事制度策定にあたっては「脱年功序列」、「柔軟な働き方」、「公平な評価」を掲げ、従業員に継続的な成長を促し、長期間勤続意欲が持てる環境を整える。

(3) 優秀な従業員の確保に資するよう、エリア、職種に応じた採用競争力のある報酬水準とする。

(4) 経営目標に対する達成度に連動した業績連動型報酬を含む報酬体系とする。

 

2.従業員の固定報酬、業績連動型報酬、非金銭報酬に関する方針

(1) 従業員には、①固定報酬(月例報酬)、②業績連動型報酬(賞与)を支給する。

① 固定報酬(月例報酬)

固定報酬の取扱いは、次のとおりとする。

・固定報酬は、従業員各人の役位、役割、責務等に応じた役割等級により、決定する。

・固定報酬の変更は原則として4月1日とする。ただし、期の途中で職種や役割等級の変更があった場合には変更となった日から支給する報酬額を改定する。

② 業績連動型報酬(賞与)

業績連動型報酬(賞与)の取扱いは、次のとおりとする。

・従業員の業績連動型報酬は、経済状況、採用競争力、対象となる事業年度(4月1日~3月31日)に係る業績等を勘案し決定する。

・従業員の生活安定を図るため、過度な業績連動とはせず、安定的に支給することとする。

・支給は上期(7月)、下期(12月)とし、業績連動部分は原則として上期賞与支給時に支給する。

(2) 非金銭報酬に関する方針

・中長期的な企業価値の向上、従業員の資産形成を目的として社員持株会制度を設けており、非金銭報酬は支給しない。

 

3.個人別報酬の決定

(1) 固定報酬については、年に1回、経営会議を構成する執行役員を委員とする、評定者委員会を開催する。人事制度に則り、全従業員の等級に対する役割を評価し、昇格、昇給を決定する。また経営環境等により、別途ベアや物価上昇分の昇給などを決定することがある。

(2) 業績連動型報酬については、前期利益水準を基に人事部門が社長へ賞与総額を答申し、社長が決定する。決定された賞与総額を基に人事考課による評価を加味し、個別報酬を決定する。

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社の状況

 

令和8年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

建設事業

745

ゴルフ場事業

20

ホテル事業

348

広告代理店事業

30

合計

1,143

 (注)1 従業員数は就業人員です。

2 臨時従業員の総数が従業員数の100分の10未満のため、平均臨時従業員数の記載は省略しています。

3 契約社員を従業員数に含めて記載しています。

②提出会社の状況

 

 

 

 

令和8年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

778

44.5

15.9

9,298

3.3

 

セグメントの名称

従業員数(人)

建設事業

778

 (注)1 従業員数は就業人員です。

2 臨時従業員の総数が従業員数の100分の10未満のため、平均臨時従業員数の記載は省略しています。

3 従業員数、平均年齢、平均勤続年数は契約社員を含めて記載しています。

4 平均年間給与は、契約社員を除く従業員の状況を記載しています。また、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

 

③労働組合の状況

 当社グループにおいては、労働組合は結成されていません。

 

④管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

5.1

93.3

58.4

62.2

27.4

(注)3.

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.正規雇用労働者男女の賃金の差異は、職種や等級別の人員構成が主な要因であり、給与体系や評価などの制度上の取り扱いに男女差はありません。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社及びグループ会社(以下、当社グループ)は、「北野建設グループ行動指針」のもと、事業活動を通じ経営理念の具現化を実践するとともに、社会からの信頼に誠実に向き合い、持続的な発展に貢献することを目指しています。また、創業以来「企業は人なり」を標榜し、「人財はバランスシートに表せない資産である」「企業活動の原点は人にある」との考えをもとに、「未来を育てる人がいる」をコーポレートステートメントに掲げています。人財=未来を育てる、ものづくりを通じて、人を、社会を、次世代の未来を創り出します。

 

※北野建設グループ行動指針の詳細は、本報告書の「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項」に記載しています。

 

 当社グループでは、企業価値の向上と持続可能な成長を実現するために、サステナビリティに関するマテリアリティ(重要課題)を特定しました。マテリアリティの特定プロセスとしては、社会課題のロングリストの抽出を行った上で、建設業界の動向、自社の経営理念・ビジョン・行動指針との関連を踏まえ、ステークホルダーにとっての重要度と自社への重要度の2軸で評価し、経営層との議論等を通じて特定しました。

 特定した6つのマテリアリティについては、下記のとおりSDGsとも関連付け、各担当部門で取り組みを推進していきます。

 

<特定したマテリアリティ一覧>

マテリアリティ

マテリアリティの概要

関連するSDGs

環境に配慮した事業活動の推進

オフィスでの省エネルギー活動の推進や、お客様への環境負荷の低い設備導入の推奨により、気候変動に対応します。また、リサイクル材の利用や建設廃棄物のリサイクル率向上等に取り組み、環境負荷低減へ貢献します。

人的資本の強化

従業員一人ひとりが適切なワークライフバランスを実現できるよう、柔軟な働き方の整備や長時間労働の防止を実施します。また、従業員のキャリアアップを支えるため、人材育成にも積極的に取り組み、従業員全員がいきいきと働ける環境を整備します。

労働安全衛生の確保

労働安全衛生確保のための現場パトロールや安全指導を実施し、全ての従業員が安全かつ快適に働くことのできる環境を整備します。

品質の確保と技術力の継承

品質管理体制の整備や、研修等を通じた専門性のある人材の育成および当社の持つ技術力の強化やノウハウの伝承により、高いレベルの施工品質を確保・維持します。

文化の継承と地域社会への貢献

伝統文化・芸術の保全活動やスポーツへの協賛活動を通して、広く文化の継承をサポートするとともに、様々な地域の皆様との信頼関係を築きながら地域社会の発展に貢献します。

責任ある企業活動の実施

行動指針や経営方針に則り、コーポレート・ガバナンスの強化や、コンプライアンス・リスクマネジメントの徹底に取り組み、お客様やステークホルダーの皆様からの信頼の確保に努めます。

 

(1)ガバナンス及びリスク管理

当社グループは、コーポレートステートメント「未来を育てる人がいる」に基づき、株主を含むステークホルダーの皆様と共に未来に向かって成長し、中長期的な企業価値の向上を実現するため、「北野建設グループコーポレート・ガバナンス憲章」を制定し、コーポレート・ガバナンスの充実に継続的に取り組みます。

特に、サステナビリティを推進する社内体制については、経営管理本部内に担当チームを設置しています。当該チームは、マテリアリティを含むサステナビリティ関連活動の推進に関する全社的な取りまとめを担っています。また、具体的な取り組みは、特定した6つのマテリアリティ毎に担当部門を定め、各担当部門では、マテリアリティを達成するための行動計画の策定、関連部門への働きかけを含めた具体的な施策を実施しています。各担当部門での取り組みは、当該チームにて取りまとめのうえ、本部会議にて審議し、取締役会に報告しています。重要事項に関しては、取締役会で審議の上、決定しています。

また、当社グループは、サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別し、評価及び管理をするため、主要なリスクの状況について定期的にモニタリング、評価、分析を行い、本部会議にて必要な指示、監督を行うとともに、その内容を定期的に取締役会に報告する体制を整えています。サステナビリティに関しては、企業価値向上と持続可能な成長を実現するためにリスクと機会を識別した上でマテリアリティを特定しており、特定したマテリアリティについては、社会情勢や事業環境の変化に伴うリスクと機会の状況を勘案したうえで、経営管理本部内の担当チーム及び各マテリアリティの担当部門にて取り組みを推進しています。

 

※コーポレート・ガバナンス報告書、グループコーポレート・ガバナンス憲章は、当社ウェブサイトにも掲載しています。

 

コーポレート・ガバナンス報告書(https://www.kitano.co.jp/ir/library/timely-disclosure/

コーポレート・ガバナンス憲章(https://www.kitano.co.jp/docs/ir/governance.pdf

 

(2)戦略

当社グループは、サステナビリティにおける取り組みを推進するために、前述のとおり6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しています。今後も各マテリアリティの取り組みを推進することで、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努めます。

 

<特定したマテリアリティ>

1.環境に配慮した事業活動の推進

2.人的資本の強化

3.労働安全衛生の確保

4.品質の確保と技術力の継承

5.文化の継承と地域社会への貢献

6.責任ある企業活動の実施

 

①環境に配慮した事業活動の推進

 当社グループは、気候変動をはじめとする環境課題に関するリスクと機会を重大な経営課題であると認識し、「環境に配慮した事業活動の推進」をマテリアリティとして特定しています。

 気候変動対策の遅れは、中長期的に建設コストの上昇や顧客・発注者からの評価低下を通じ受注競争力に影響を及ぼすリスクとなるため、作業所や事業所におけるGHG(温室効果ガス)排出量の削減、建設混合廃棄物の発生原単位及び混合廃棄物比率の低減等に取り組み、これらを指標として継続的に管理し、事業活動の改善につなげています。なお、当社グループにおけるGHG排出量の管理については、従来、作業所(Scope1・2の対象範囲)におけるCO2排出量を中心に把握しておりましたが、環境課題が受注競争力や建設コストにも影響する重要な経営課題であるとの認識のもと、2025年度より対象範囲をグループ全体へ拡大し、「グループ全体のGHG排出量(Scope1・2)」として管理する体制へと見直しています。本変更により、事業活動全体を通じた排出量の可視化および管理を可能とし、より実効性の高い削減施策の推進につなげています。加えて、サプライチェーン全体における環境負荷をより適切に把握するため、今後はScope3排出量についても、算定手法の整理、対象範囲の検討及びデータ収集体制の整備を進め、重要性の高い区分から段階的に算定に取り組んでいきます。また、環境配慮型施工や再生可能エネルギーの活用等を通じて、顧客・発注者からの評価向上や脱炭素需要の取り込みによる受注機会の拡大につなげていきます。

 

②人的資本の強化

 当社グループは、サステナビリティの実践に向けて、特に人的資本(人材の多様性を含む)への投資を重要課題と捉え、持続的な企業価値の向上を目指して、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針(人材の採用及び維持並びに従業員の安全及び健康に関する方針等)を定め、これらに基づく取り組みを推進しています。

 また、企業価値向上や社会へのインパクトの観点から課題を評価し、「人的資本の強化」をマテリアリティとして特定し、下記の方針のもとで取り組みを推進しています。人材確保競争の激化や就業環境の変化は、施工能力および技術継承に影響を及ぼすリスクであるため、労働時間や採用実績等を指標として管理し、持続的な人材確保と育成を図っています。一方で、多様な人材の確保・育成や働きやすい職場環境の整備は、従業員エンゲージメントの向上、生産性の向上及び将来の事業成長を支える人材基盤の強化に資すると考えています。

 

 

◆採用方針

1.人材を最も重要な経営資源と捉え、積極的に採用活動を行います。

2.採用機会を逸することなく、通年でタイムリーに採用活動を行います。

3.新卒、キャリアともに積極的に採用活動を行います。

4.性別、国籍、勤務日数・勤務時間、障がいの有無、在宅ワークなど多様性を排除することなく採用活動を行います。

 

◆人材育成(従業員のキャリア形成支援)の基本的方針

1.人材は唯一の経営資源と捉え、人材の力を最大限発揮できる投資を行います。

2.従業員が各々のキャリアを選択することができるよう、年齢や職歴、学歴などによらない脱年功および実力主義に基づく人事制度とします。

3.自身の望むキャリアに向けて階層別の教育だけではなく、自身で選択できる教育機会を用意します。

4.従業員が公私共に、モチベーションを高く持てる環境を整えます(勤務地の選択、育児休業取得の推進、短時間勤務上限を子の小学校卒業まで延長、定時時間のスライド制度など)。

 

 人的資本に関する課題の具体的な取り組み事例は、下記のとおりです。

 

■人材確保の取り組み

 2021年よりキャリア採用プロジェクトを開始し、重点的にキャリア採用に取り組んだ結果、2021年3月末から5年間で社員数は100名以上増加しています。今後も、賃上げや従業員満足度向上などの施策を継続的に実施することにより、採用競争力を維持・強化していきます。

 

■人材の多様性推進の取り組み

 様々な属性の人材が活躍できる環境を整えていくための各種取り組みを行っています。女性活躍推進では2016年より「北野こまち会(女性技術者の会)」を立ち上げ、座談会の開催や同業他社との勉強会・意見交換会への参加等の活動を継続しています。また、厚生労働大臣認定制度「えるぼし2段階認証」を2020年より継続して取得しています。さらに、国籍や障がいの有無にかかわらず採用を推進し、多様な価値観や経験を尊重する組織風土の醸成に努めています。

 

■健康経営の取り組み

 経済産業省と日本健康会議が進める健康経営優良法人認定制度において、「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の認定を2021年より継続して受けています。法定健診の受診のみならず、二次検査の受診率向上、法定外の健診項目、オプション検査への補助増額などを通じて、社員の健康づくりを支援しています。

 

■満足度の高い制度づくり

 誰もが働きやすい職場環境づくりのため、2022年度に実施した社員意識調査結果について外部専門家による検証を行い、その結果を2024年4月からの新人事制度に反映しました。脱年功主義は維持しつつ、より公平で公正な満足度の高い人事制度を追求していきます。また、経営層と従業員との対話を通じてエンゲージメントを経営に活かす取り組みを実施しています。

 

■気候変動に伴う労働環境の改善

 気候変動に伴い屋外での作業環境が過酷になることは、当社グループで働く従業員や関係者に影響を及ぼし、グループの事業継続にも関わる大きなリスクです。これらのリスクに対して、当社では労働条件や労働環境の改善を通して従業員、協力会社職員から「選ばれる会社」を実現するための各種取り組みを進めていきます。

 

③労働安全衛生の確保

 当社グループは、「労働安全衛生の確保」をマテリアリティとして特定し、全ての従業員及び協力会社の作業員が安全かつ快適に働くことのできる環境の整備に取り組んでいます。労働災害の発生は、事業停止や社会的信用の低下につながる重大な経営リスクであることから、災害防止活動および安全教育の実施状況を重要指標として、継続的な改善を行っています。また、安全で働きやすい作業環境の整備は、労働災害の未然防止に加え、人材の定着や協力会社を含む現場全体の生産性向上につながる機会と捉えています。

 

 

◆安全衛生方針

 当社は、安全衛生管理の確保のため、下記の「安全衛生方針」を表明し、当社および協力業者とで共通の認識をもって取り組んでいます。

 

「人命の尊厳は何人も侵すことの出来ない至上のものである」

 全ての社員及び協力業者の作業員は、労働安全衛生管理を徹底し、労働災害及びその他災害事故の発生を防止しなければならない。安全衛生管理は企業存立の基盤をなすものであり、その確保と充実は企業の社会的責任である。

 北野建設株式会社は、上記の安全衛生理念に基づき、安全衛生方針を表明する。

 

1.キタノコスモス(労働安全衛生マネジメントシステム)に則り、PDCAサイクル(計画-実行-検証-改善)を適切に運用し、安全衛生管理活動の形骸化防止を図る。

2.労働災害ゼロを目指し、建設事業所のあらゆる危険有害要因を排除するため、店社及び作業所の社員並びに関係する事業者が一体となって安全衛生管理活動を継続的に実施する。

3.労働安全衛生関係法令、建設事業所において定めた安全衛生に関する規定等を遵守することにより、全ての社員及び関係する作業員の快適な職場を確保する。

4.からだとこころの健康づくりと、メンタルヘルスケアの充実を通じて、全ての社員及び協力業者の作業員がいきいきと働ける環境を整備する。

 

④品質の確保と技術力の継承

 当社グループは、「品質の確保と技術力の継承」をマテリアリティとして特定し、品質管理体制の整備及び研修等を通じた人材育成・ノウハウの継承により、高いレベルの施工品質の確保・維持に取り組んでいます。品質低下や技術継承の停滞は、顧客満足度の低下や将来の受注機会の損失につながるため、顧客評価や表彰件数を指標として管理し、施工品質と技術力の維持・向上を図っています。加えて、品質の向上及び技術力の継承は、顧客からの信頼獲得、継続受注や新規受注の拡大、並びに競争優位性の維持・向上につながる機会であると捉えています。品質の確保と技術力の継承に関わる研究活動については「6.研究開発活動」に記載のとおりです。

 

⑤文化の継承と地域社会への貢献

 当社グループは、「文化の継承と地域社会への貢献」をマテリアリティとして特定し、文化・芸術の保全やスポーツ等への協賛を含む活動を通じて、地域社会との信頼関係を築き、地域の発展に貢献します。地域社会との関係性の低下は、企業ブランド力や事業基盤の弱体化につながる可能性があるため、文化・スポーツ支援等の取り組みを通じた社会的価値創出を継続的に推進しています。また、これらの活動は、地域社会からの信頼向上、企業ブランド価値の向上及び地域に根差した事業機会の拡大につながる機会であると捉えています。

 

⑥責任ある企業活動の実施

 当社グループは、「責任ある企業活動の実施」をマテリアリティとして特定し、コーポレート・ガバナンスの強化及びコンプライアンス・リスクマネジメントの徹底により、お客様及びステークホルダーからの信頼の確保に努めます。ガバナンスやコンプライアンスの不全は、重大な信用毀損や事業継続への影響を及ぼすリスクであることから、取締役会の実効性の分析・評価のため、サーベイ(自己評価)の実施や重大コンプライアンス事案の発生状況を重要指標として管理しています。一方で、ガバナンス及びコンプライアンス体制の強化は、経営の透明性向上、ステークホルダーからの信頼強化及び持続的な企業価値向上につながる機会であると捉えています。

 

(3)指標及び目標(重要なもの)

当社グループは、中長期的な企業価値の向上と持続可能な成長を実現するために、特定した6つのマテリアリティの達成に向けてKPIを策定し、取り組みの進捗状況を管理しています。各マテリアリティに関するKPIおよび詳細は下記のとおりです。本項では、マテリアリティごとに主要KPIの目標及び年度実績を記載します。

マテリアリティ

KPI

詳細

環境に配慮した事業活動の推進

グループ全体のGHG排出量(Scope1・2)※

2035年度のGHG排出量を2024年度比30%減とする。

床面積辺りの建設混合廃棄物の発生原単位、または混合廃棄物比率

①建設混合廃棄物の排出率3%以下

②建築の新築工事における建設混合廃棄物の延床面積あたり発生原単位を2025年目標は10kg/㎡以下

人的資本の強化

一人当たり労働時間

正社員一人当たり平均年間労働時間2,200時間(2024年度比3.5%減)とする。

人材育成体系の整備

全社向け研修および選択型研修を通して、会社および社員のニーズにあった教育を行う。

社員の研修受講費用 総額15百万円以上

労働安全衛生の確保

労働安全災害の予防・再発防止策の継続的な実施

死亡重篤災害・重大災害ゼロを堅持するため、作業現場の巡視により、不安全設備の排除を徹底する。

労働安全衛生に関する研修の実施回数

労働災害防止の観点から、当社社員に対して入社年次ごとに年間回数を設定した安全教育を実施する。

品質の確保と技術力の継承

民間新築工事発注者アンケート結果(建築)

民間新築工事発注者アンケートによる竣工時顧客満足度総合評価「優」評価数80%以上を目指す。

優良工事表彰対象件数(土木)

公共工事優良工事表彰対象数50%以上を目指す。

文化の継承と地域社会への貢献

地域で暮らす人々の幸福度の向上

地域社会に潤いをもたらし、持続可能な豊かさを実現していく。

北野文芸座などを通じた文化普及活動、コミュニティを活性化させる。

祭事やスポーツイベントへの支援活動、スキー部・陸上部の選手たちによる感動体験の創造を継続する。

責任ある企業活動の実施

コーポレート・ガバナンスの強化

取締役会の実効性評価を実施し、ガバナンスを改善する。

社員一人ひとりの社会的責任への意識を向上させる企業文化を醸成する。

会社のあり方や経営の方向性の基本を示す「社是」や「社訓」等を、社員が良く理解し活動することで、一体感のある企業運営を実現する。

重大コンプライアンス事案

重大コンプライアンス事案の発生ゼロ。

※当社のScope1・2のGHG排出量はエネルギー起源のCO2排出量を対象とし、それぞれ、電力、燃料の購入データをもとにエネルギー種別ごとのCO2排出係数を乗じて算出している。

 

①環境に配慮した事業活動の推進

 当社グループでは、気候変動関連リスクや機会が当社グループに及ぼす影響を測定・管理するために、GHG排出量の削減目標を定めています。2024年度より、グループ全体のScope1・2のGHG排出量を算定しています。

 なお、目標に対する2025年度の実績および2035年度目標は下記のとおりです。

KPI

(基準年)

2024年度排出量(t-CO2)

(排出量実績)

2025年度排出量(t-CO2)

(目標排出量)

2035年度目標排出量

(t-CO2)

グループ全体のGHG排出量

(Scope1・2)※

13,973

12,433

(2024年度比:11%減)

9,781

(2024年度比:30%減)

※原則、連結対象とするグループ会社の事業所および作業所を算定対象としています。

 

 

 作業所では環境VE(バリューエンジニアリング)を活用したCO2排出削減の取り組みを実施しています。さらに、将来的にはバイオディーゼルを含めた代替燃料およびEVの活用について、現場における普及拡大を推進していきます。

 また、これらに加え、2025年度は国際的な環境非営利団体であるCDPによる質問書に初めて回答し、8段階評価のうち上位から3番目となる「B」スコアを取得しました。「B」スコアは、気候変動リスクを認識し、適切な対策を講じている企業に付与される評価です。

 2025年10月より、当社が所有・運営する「川中嶋太陽光発電所」等で創出された環境価値を活用し、本社ビルを含む複数の施設における使用電力を、実質的に再生可能エネルギー100%へと切り替えています。また、社内で環境広報誌を発行する等、社員の環境意識の向上も図っています。

 

 廃棄物の発生についても排出に関する目標を設定し、リサイクル材の利用や建設廃棄物のリサイクル率向上等、環境負荷低減に向けて取り組んでいます。

KPI

2025年度目標

2025年度実績

床面積辺りの建設混合廃棄物の発生原単位、または混合廃棄物比率

①建設混合廃棄物の排出率3%以下を目指し、2025年度目標は6.5%以下

 

 

 

②建築の新築工事における建設混合廃棄物の延床面積あたり発生原単位を2025年目標は10kg/㎡以下

①混合廃棄物率(請負5,000万円以上)

 全社合計(建築・土木):2.4%(重量換算)

  ・長野本社建築工事:0.3%

  ・東京本社建築工事:6.0%

  ・土木工事:0.04%(11現場)

②混合廃棄物量(請負5,000万円以上)(新築・増築)

 全社建築工事:10.6kg/㎡

  ・長野本社建築工事:1.1kg/㎡

  ・東京本社建築工事:19.3kg/㎡

 

 産業廃棄物置場の整備、5Sの徹底および入場時教育の実施を通じて、協力業者の分別意識の向上を図っています。また、現場係員が日常的に産業廃棄物置場の分別状況を確認し、必要に応じて協力業者に対する指導を行う体制としています。さらに、作業所の規模に応じて混合廃棄物用コンテナを設置しない運用も検討し、分別の徹底を推進していきます。これらの取り組みについては月報により進捗状況を管理しています。

 

②人的資本の強化

 当社グループでは、人的資本(人材の多様性を含む)に関する戦略において定めた方針(人材の育成、社内環境整備、採用及び維持等)に係る指標を設定し、当該指標を用いた目標及び実績を管理しています。

 各目標について、2025年度の実績は下記のとおりです。

KPI

2025年度目標

2025年度実績

正社員一人当たり平均年間労働時間

2,200時間

2,258時間

社員の研修受講費用

総額1,500万円以上

総額4,100万円

 

 正社員一人当たり平均年間労働時間目標につきましては、2024年度比3.5%減という挑戦的な目標を掲げたものの、所定労働時間が2024年度比+16時間になっていたことや建設現場の規模や特性により目標を下回る結果となりました。今後もDX推進や土曜日の現場閉所推進など、各種取り組みを通じて労働時間短縮に努めていきます。

 

 また、女性活躍推進の取り組みに関する目標と実績は以下のとおりです。

目標項目

目標数値

2025年3月末時点の実績

2026年3月末時点の実績

採用者に占める女性割合向上

40%

21.7%

25.0%

 

 当該指標が目標に対して未達となった主因は、技術系職種における女性応募者数が限定的であったことがあります。ライフイベントが勤務継続の支障にならないよう取り組みを継続している結果、長期勤続される女性職員も増えており中長期的には目標数値に近づいていくと考えています。

 

 

③労働安全衛生の確保

 当社グループでは、「労働安全衛生の確保」をマテリアリティとして掲げ、死亡重篤災害・重大災害ゼロを堅持するための予防・再発防止策や安全教育の実施等に関する指標を設定し、目標及び実績を管理しています。

KPI

2025年度目標

2025年度実績

死亡重篤災害・重大災害事故 発生防止

発生ゼロ

発生ゼロ

労働安全災害の予防・再発防止策の継続的な実施

合同パトロール実施回数:51回

(100%実施)

合同パトロール実施回数:51回

労働安全衛生に関する研修の実施回数

35回

(安全教育:30回

安全に関する資格教育:5回)

35回(100%実施)

(安全教育:30回

安全に関する資格教育:5回)

 

 労働安全衛生の確保に向け、各拠点において月1回の安全パトロールを実施し、不安全事項については速やかに是正を行っています。また、社員教育の年間スケジュールに安全教育研修を組み込むことで、毎年確実に実施する体制を整えています。

 

④品質の確保と技術力の継承

 当社グループでは、「品質の確保と技術力の継承」をマテリアリティとして掲げ、工事品質等に関する指標を設定し、目標及び実績を管理しています。

KPI

2025年度目標

2025年度実績

民間新築工事発注者アンケート結果(建築)

竣工時顧客満足度総合評価「優」評価数80%

85%(47件中40件)

優良工事表彰対象件数(土木)

公共工事優良工事表彰対象数50%以上

56%(9件中5件)

 

(建築)

 設計図に忠実な施工品質の実現に努めるとともに、リスクの早期抽出および予防措置の徹底を図っています。また、適正コストの提供、顧客対応の質の向上ならびに高品質・高機能なものづくりを通じて、顧客との信用・信頼関係の構築に取り組んでいます。さらに、瑕疵や不具合が発生した場合には、迅速な対応を徹底しています。

 

(土木)

 段階確認、中間検査および完成検査における指摘事項ゼロの達成を目標とし、施工管理を徹底しています。また、労働災害発生防止の為、安全管理体制の強化を図っています。ICT施工やDXの活用による新技術の導入を推進し技術評価点の向上を図り、加えて地域貢献、担い手確保および女性活躍の推進等の取り組みも継続的に実施しています。

 

⑤文化の継承と地域社会への貢献

 当社グループでは、「文化の継承と地域社会への貢献」をマテリアリティとして掲げ、地域で暮らす人々の幸福度向上を目指し、以下の活動を行いました。

KPI

2025年度実績

地域で暮らす人々の幸福度の向上

2025年度の実績は以下のとおりです。

地域活動の実施件数 3件

(小布施見にマラソンボランティア/湯島天満宮信濃分社例大祭神輿渡御/長野びんずる)

文化継承活動への参画数 1件

(劇団四季「こころの劇場」長野県内公演への協賛)

その他、北野文芸座の公演開催および貸館運営を通じて、地域における文化・芸術活動の機会創出とコミュニティ活性化に貢献しました。

 

 

 当社グループは、文化・芸術活動や地域イベントへの参画・支援を通じて、地域コミュニティとの接点を創出し、相互の信頼関係の強化に取り組んできました。2025年度も北野文芸座の公演開催をはじめとする各種地域活動への参画により、地域の皆様が様々な形の文化に触れ、交流する機会を継続的に提供してきました。これらの取り組みは、地域文化の継承やコミュニティの活性化に寄与するとともに、地域社会に潤いと活力をもたらすものと考えています。これからも、地域社会とともに価値を創出することで、地域で暮らす人々の幸福度の向上と持続的な発展に貢献していきます。

 

⑥責任ある企業活動の実施

 当社グループでは、「責任ある企業活動の実施」をマテリアリティとして掲げ、コーポレート・ガバナンスの強化を目指して、以下の指標をもって進捗を管理しています。

KPI

2025年度目標

2025年度実績

コーポレート・ガバナンスの強化

取締役会の実効性の分析・評価のためサーベイ(自己評価)を実施

ガバナンス強化や会社の方向性を理解するための各種施策の実施

実効性の分析・サーベイ(自己評価):実施済

経営陣と従業員の対話の実施

重大コンプライアンス事案

発生件数:ゼロ

発生件数:ゼロ

2025年度も当社グループは社員総会を開催し、経営陣と従業員の双方向の対話を実施しました。経営方針に対する理解促進に加え、従業員の意見・課題を経営陣が直接把握する機会を創出することで組織内の相互理解および一体感の醸成を図っています。また、2025年度は全社員を対象としたアンガーマネジメント研修も実施する等、重大コンプライアンス事案を発生させない取り組みに努めています。