2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    215名(単体) 369名(連結)
  • 平均年齢
    44.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    14.2年(単体)
  • 平均年収
    7,606,482円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

建設事業

342

土木建築コンサルティング全般等事業

26

その他の事業

1

合計

369

(注)従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者は除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む)であります。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

215

44.5

14.2

7,606,482

 

セグメントの名称

従業員数(人)

建設事業

214

その他の事業

1

合計

215

(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者は除き、社外から当社への出向者を含む)であります。

2.平均年間給与は、税込支払給与額であり、基準外賃金及び賞与を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しており特記事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

提出会社及び連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取り組み】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。なお、特に記載のない限り、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス、戦略及びリスク管理

人口問題、気候変動、災害リスクが高まるなど、社会を取り巻く環境は大きく変化し、企業が対応しなければならない課題やニーズは多様化し複雑化しております。

当社グループでは、変化が激しい社会のニーズに適応した技術の革新に積極的に取り組むことで、新たな価値と市場を創出し、社会に「安全」と「安心」を提供することが更なる成長の機会と捉え、長期的な視点でサステナビリティ経営を推進しております。

 

①ガバナンス

 ESG経営を推進する当社グループでは、取締役会で「目指すべき方向性や長期的な基本戦略の決定と監督」を行っております。その中で気候変動、人的資本、企業価値の向上などの課題については取締役会への諮問機関として、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、中に気候変動部会、人的資本部会、企業価値向上部会を設けて、各時間軸での事業課題、また、リスク・機会の両面での影響分析など議論・検討を行っております。

サステナビリティに関するガバナンス体制図

 

 

②戦略

当社グループの主たる事業である建設業では、人財力・技術力・ネットワーク力などが重要であり、とりわけ人的資本が企業の価値創造の源泉であると考えております。しかしながら、少子化の流れからも慢性的な人材不足は今後も継続すると考えられており、このような状況のもとでサステナビリティ経営を行っていくためには、人材の確保と育成が重要課題と認識しております。また、当社グループでは環境配慮型社会の形成を目指し、気候変動への対応を推進しております。

 

③リスク管理

当社グループは、リスクの把握、管理、対応のためリスク管理規程を定め、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会を設置し、リスクの把握及び適切な対策を講じております。気候変動、人的資本などサステナビリティに関わるリスクに対しては、サステナビリティ委員会とリスク管理委員会が連携を取り、サステナビリティ委員会で各本部や関連会社から提出されたリスク状況を把握、その対策について審議し、リスク管理委員会に報告のうえ対応する体制としております。

 

(2)重要なサステナビリティ項目

上記、ガバナンス、戦略及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は、気候変動、人的資本であります。それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。

 

1)気候変動に関する当社グループの考え方及び取り組み

当社グループは、会社設立当初から地球環境を意識し、低振動・低騒音並びに発生残土量の低減など、環境にやさしい基礎工法を開発し世に送り出し、社会に貢献してまいりました。地球環境に大きな影響を与える気候変動への対応を重要課題と位置付け、TCFDが提唱するフレームワークに則り情報を開示するとともに、今後も地球環境へ配慮した事業を継続し、気候変動に対応する施策に取り組んでまいります。

 

①ガバナンス(気候変動マネジメント体制)

気候変動の影響についてはサステナビリティ委員会内に気候変動部会を設置し、各部門や関連会社から報告されるGHG排出量及び削減量や気候変動に関するリスク・機会について議論・検討を実施し、サステナビリティ委員会に報告・付議しております。リスク情報についてはリスク管理委員会に報告のうえ対応する体制としております。

 

②戦略

TCFDが提唱するフレームワークに則り、将来の気候変動が当社グループ事業へもたらすリスク・機会を特定したうえで、2030年時点におけるシナリオ分析を実施いたしました。

 

■リスク・機会の特定

気候変動によるリスク・機会を、当社グループにて把握した情報と建設業における外部情報に基づいて整理し、当社グループの事業と関連性が高いリスク・機会を特定いたしました。特定した気候変動における移行リスクと物理リスクならびに機会は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

■シナリオ設定

シナリオ分析はIPCCなどが公表している予測に基づき、脱炭素社会へ移行し産業革命前から21世紀末の気温上昇が2℃となるシナリオ、気候変動対策を施すことなく災害の激甚化が顕著になり産業革命前から21世紀末の気温上昇が4℃となるシナリオの2つにて実施いたしました。

・想定する2℃シナリオ

脱炭素化に向けた政策/法規制などの動きが高まり、炭素税導入によるコスト増加リスクが見込まれます。一方、低炭素・環境付加価値の高い工法が注目され、これらを用いた工事の受注拡大機会が見込まれます。

・想定する4℃シナリオ

風水害発生率・平均気温が上昇するため、災害への対応コストや気温上昇による生産性低下、熱中症対策コストの増加がリスクとして見込まれます。一方、防災・減災工事の需要拡大機会が見込まれます。

 

■財務インパクトの定性評価、対応策

客観的な将来予測データを用いて、リスク・機会項目の財務インパクトを試算し定性評価いたしました。

また、各リスク・機会項目に対する対応策を策定いたしました。

 

分類

内容

シナリオ

顕在化

時期

財務

インパクト

対応策

移行リスク

政策/

法規制

炭素税導入による事業運営コストの増加

2℃

中期

(営業利益)

・CO2排出量削減施策の実行

・証書またはクレジットの利用を

 検討

・施工機器への商用電力使用

市場

炭素税導入による原材料調達コストの増加に伴う利益減少

2℃

中期

(営業利益)

・環境付加価値の高い資材の開発

 動向を把握し積極的に活用

物理リスク

急性

風水害に対する施工現場対策コスト増加

4℃

短期

(営業利益)

・BCP対応力強化

・取引先との連携強化

取引先の被災によるコスト増加

4℃

短期

(営業利益)

慢性

建設現場における生産性低下

4℃

中期

(営業利益)

・デジタル技術の導入による作業

 環境や作業時間の改善

熱中症リスク対応のコスト増加

4℃

短期

(営業利益)

・熱中症対策製品の積極的な導入

機会

エネルギー源

低環境負荷施工による炭素税低減に伴う利益増加

2℃

中期

(営業利益)

・軽油代替燃料・CO2排出を削減

 する添加剤の有効活用

・電動小型杭打機の実用化

・施工機器の商用電力使用

市場

環境配慮施策による受注拡大に伴う売上高増加

2℃

短期

(売上高)

・環境配慮施策の積極的実行・情

 報発信

・環境付加価値の向上を目的とし

 た施工技術提案活動の強化

防災・減災工事の需要拡大に伴う売上高増加

4℃

短期

(売上高)

・風水害対策工事への施工技術提

 案活動の強化

※財務インパクト

大: 売上高:1,000百万円以上 営業利益:100百万円以上

中: 売上高:100百万円以上1,000百万円未満 営業利益:10百万円以上100百万円未満

小: 売上高:100百万円未満 営業利益:10百万円未満

顕在化時期    短期:2026年度、中期:2030年度、長期:2050年度

 

③リスク管理

リスク管理につきましては、「(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス、戦略及びリスク管理③リスク管理」に記載のとおりであります。

 

④指標及び目標

気候変動による地球温暖化への対策は当社グループにおいて重要課題と認識し、小型杭打機の電動化について2024年度本体機に依る実証実験を実施、また、展示会に出品し注目されました。更に2025年5月には、実際の現場で実証を行いました。一方軽油代替燃料についてはGTL燃料を2020年から使用開始しております。そして2024年秋にはCO2削減率100%の「リニューアブルディーゼル(通称:RD)」を使用する大阪府の補助金事業に参画し、杭打機とその周辺機材へのRD使用の影響、給油や配送について調査し実用性を確認しました。今後もCO2排出量の少ない燃料の使用、低排土・無排土工法の拡販と更なる開発、産業副産物を活用した工法の開発に取り組み、脱炭素・資源循環社会に貢献してまいります。

 

2030年度に向けた当社グループ指標・目標及び実績(単位t-CO2)

指標

基準年度

目標年度

目標

分類

2022年度

2023年度

2024年度

Scope1・2

削減率

2022年度

2030年度

△40%

Scope1

(燃料)

4,788

4,059

4,116

Scope2

(電気)

171

155

182

Scope3

削減率

2022年度

2030年度

△20%

Scope3

(Scope2以外の

間接排出)

278,405

277,871

252,418

※2024年度まで単体の実績として記載

2024年度の実績は、Scope1は軽油を使用する杭打機などの稼働日数が2023年度より約7%増えたものの、軽油代替燃料や燃費向上用添加剤の使用などによる縮減努力の結果、2023年度並に留めることができました。Scope2については事業活動の活発化などで2023年度比増加いたしました。Scope3は同じく事業活動の活発化の結果、CO2排出原単位の大きい鋼管杭(原単位2.4t-CO2/t)工事の受注が増大し使用量が増加したものの、原単位の小さい固化材(原単位0.8t-CO2/t)の原単位ベースでの使用量を鋼管杭の増加分以上に減少できたため、排出量を削減することができました。引き続き、原単位の小さい材料の使用を検討してまいります。

 

2)人的資本に関する当社グループの考え方及び取り組み

当社グループが所属する建設業界は、技能労働者の高齢化や若年層の入職者数の減少が著しく、魅力ある業界へ脱皮するためには山積する課題を克服していく必要があります。

当社グループは、諸課題に向き合い働き方改革を進めていく中にあっても、従業員一人ひとりの多様性を尊重し創造力を培うことを通して、夢と希望をいだき「テノックスで働いてよかった」と実感できる企業風土作りや制度構築が最も重要であると考えております。

 

①ガバナンス

人的資本については、サステナビリティ委員会内に設置されている人的資本部会で、各本部や関連会社から報告される人的資本に関する課題について議論し、サステナビリティ委員会に報告・付議を行っております。その中で、リスク情報についてはリスク管理委員会に報告のうえ対応する体制としております。

 

②戦略

当社グループが求める人材像は、経営理念の浸透、行動指針の実践、目指すべき企業像や中期経営計画の方向性を共有し、非連続に変化する社会の求めに応じて、広い視野と高い専門性を自主的・自立的に身につけ、常に好奇心・向上心を持ち課題解決まで自ら導くことのできる人材を必要としております。また、長期ビジョン実現のためには、「人材の確保と育成」「組織力の最大化」が重要な経営テーマと考えております。

その中で、中期経営計画では、業務の効率化・生産性の向上や働き甲斐の実現を最優先に取り組むべき課題と認識し、その解決に向けた重要戦略の実行のため、1)人材確保と育成の強化、2)労働環境の改善、3)組織の活性化に適切な施策を講じてまいります。

 

なお、各取り組みの指標・目標及び実績は、当社グループにおいて主要な事業を営む当社単体の数値としております。

 

■人材確保と育成の強化方針

持続可能な社会を実現するために企業の貢献が問われる中で、社会が求める価値を常に創造し続けるためには、優秀な人材を確保し、その人材を「人財」に成長させることが使命であると認識し、基本方針としております。具体的な取り組みとしては、「機動的な採用活動」「育成カリキュラムの策定及び実施」などを実施してまいります。

なお、当社で定めている指標・目標及び実績は以下のとおりです。

取り組み

指標

目標及び実績

2023年度

実績

2024年度

2025年度

目標

2026年度

目標

目標

実績

多彩な

採用活動

新卒・中途

採用人数

26名

10名

17名

10名

10名

成長を促す

社員教育

研修回数

参加者数

5回

一般職研修

23名

GM研修12名

コンプライアンス研修

335名

4回

研修対象者

100%の参加

6回

女性社員研修

23名、GM研修

17名、コンプ

ライアンス研

修218名、次

世代経営者育

成研修 20名、各研修とも100%の参加

4回

研修対象者100%の参加

4回

研修対象者100%の参加

2024年度の実績は、多彩な採用活動の取り組みの新卒・中途採用人数に関しては、17名採用することができ目標を達成することができました。また、成長を促す社員教育の取り組みの研修回数・参加者数に関しては、研修回数6回・研修対象者の100%が参加し、目標を達成することができました。

社員自らの意識を高め、企業と共に経営者として成長するための基盤づくりの一環として、2024年度より「次世代経営者育成プログラム」を開始いたしました。11名が2024年9月から2025年3月にかけての研修を終え、2025年3月からは9名が研修をスタートしております。当プログラムを通じて社内の経営人材開発を積極的に進め、創業100周年に向けたサステナブルな取り組みを推進してまいります。

 

■労働環境・労働条件の改善方針

従業員の多様性・人格・個性を尊重するとともに、安全で働きやすい環境の整備と労働条件の改善を図り、従業員の物心両面のゆとりと豊かさの実現を基本方針としております。また、当社グループでは、雇用と職業に関する不当な差別の撤廃や、児童労働及び強制労働の排除に努めております。具体的な取り組みとしては、「働きやすい環境づくり」「新人事制度の機能化によるエンゲージメントの向上」などを実施してまいります。

 

なお、当社で定めている指標・目標及び実績は以下のとおりです。

 

取り組み

指標

目標及び実績

2023年度

実績

2024年度

2025年度

目標

2026年度

目標

目標

実績

男性社員の育児休業・育児目的休暇取得促進

取得率

(注)1

42.9%

100%

62.5%

100%

100%

雇用期間延長

対象者数

率(注)2

17名

100%

100%

23名

100%

100%

100%

(注)1.取得率は、休暇取得者を対象者数で除しております。

2.対象者数率は、雇用期間延長者を対象者で除しております。

2024年度の実績は、男性社員の育児休業・育児目的休暇取得促進の取り組みの取得率に関しては、目標100%に対して62.5%に留まったものの、2023年度実績を上回ることができました。また、雇用期間延長の取り組みの対象者数・率に関しては、2023年度に引き続き100%を達成することができました。

 

 

■組織活性化の方針

会社と従業員が「個」として対等な関係で互いに刺激しあい、より高めあえるよう、従業員一人ひとりを大切にする組織づくり、また、従業員がやりがいを持ち、様々な社会環境やライフサイクルの変化にも心身ともに健康で活き活きと安心して働き続けることができる組織づくりを基本方針としております。

具体的な取り組みとしては、「健康経営の促進」「心理的安全性の向上」などを実施してまいります。

なお、当社で定めている指標・目標及び実績は以下のとおりです。

取り組み

指標

目標及び実績

2023年度

実績

2024年度

2025年度

目標

2026年度

目標

目標

実績

健康経営

の充実

優良法人認定

2022年に続き

2回目

認定継続

認定

認定継続

認定継続

女性従業員の

採用比率の

向上

採用者総数に

対する女性

採用の比率

12%

20%

12%

20%

20%

サークル活動

の実施と

活性化

サークル数

参加延人数

14サークル

124名

16サークル

130名

13サークル

109名

18サークル

150名

20サークル

170名

2024年度の実績は、健康経営の充実の取り組みの優良法人認定に関しては、2023年度に引き続き優良法人の認定を受けることができました。一方で、女性従業員の採用比率の向上の採用者総数に対する女性採用の比率に関しては、女性従業員の採用予定人数を採用できたものの採用者総数が予定人数から増加したため、採用比率は目標の20%に対して12%に留まりました。また、サークル活動の実施と活性化の取り組みのサークル数・参加延人数に関しては、一人当たりの助成金を増額したものの13サークル・109名となり目標を達成することはできませんでした。

 

③リスク管理

リスク管理につきましては、「(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス、戦略及びリスク管理③リスク管理」に記載のとおりであります。