2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    280名(単体) 577名(連結)
  • 平均年齢
    37.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    8.5年(単体)
  • 平均年収
    6,830,097円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    4.5%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

 当社は、医薬品開発支援事業において、臨床試験の品質及び信頼性を確保するモニタリング業務を重要な事業基盤の一つと認識しております。その基盤を支える人材として、高い専門性と倫理観を有するCRA人材を重要な経営資本と位置付けております。

 中長期的な事業運営の安定化及び成長を図るため、人材戦略としては、経験豊富なCRA人材の確保と、若手人材の計画的な育成を基本的な方針としております。また、治療領域や治療モダリティの高度化・多様化に対応する観点から、社内人材の育成に加え、外部の専門的知見を補完的に活用する体制の整備を進めております。

 あわせて、当社では、モニタリング業務の経験を基礎とした人材について、メディカルライティング、レギュラトリー業務、プロジェクトマネジメント等の周辺領域に関する業務経験を段階的に付与することにより、業務全体を俯瞰できる人材の育成に取り組んでおります。これにより、治験業務に関する理解の深化と専門性の拡張を図り、より高度な業務に対応可能な人材層の形成を目指しております。さらに、グローバル試験への対応力向上の観点から、グローバル試験のプロジェクトマネジメント業務の委託が一般的な欧米子会社への本社人材の出向等を通じて、プロジェクトマネジメント業務の経験機会の提供に取り組んでおります。これにより、国際共同治験に関する知見の蓄積及びグローバル対応力を有する人材の育成を図っております。

 具体的には、当社として経験が限定的な治療領域や新たな治療モダリティに対応するため、外部の専門的知見を有する医師(メディカルドクター)との連携を図り、勉強会の開催や業務遂行上の参考となる資料(Playbook等)の整備に取り組んでおります。これらの取組みを通じて、CRAをはじめとする関係部門の知識及び理解の向上を図り、顧客に対する提案活動を支える体制の強化に努めております。さらに、治験案件の受託決定後、プロジェクト開始に先立ち、必要に応じて外部のメディカルドクターから当該治療領域に関する説明や助言を受ける機会を設けるなど、プロジェクト関係者の理解促進を図り、業務の円滑な立ち上げに向けた準備を行っております。

 また、プロジェクト開始時に作成する提案資料とプロジェクト完了時の顛末記については、適切に整理・保管・共有できる環境を整備しております。これにより、従来の検討内容や蓄積した知見を活用しながら、継続的な提案活動の効率化、受託プロジェクトの実施計画・戦略立案への活用及び品質の維持向上を図っております。

 加えて、治験業務における効率性及び品質の向上を目的として、デジタルテクノロジーの活用を人材育成上の重要な取組みの一つと位置付けております。各種デジタルツールを提供するベンダーとの協力関係の構築を進めるとともに、これらを活用するための IT 教育や外部教育ツールの活用を通じて、従業員のデジタルスキル向上に取り組んでおります。

 当社は、これらの人材戦略に関する取組みを継続的に実施することにより、専門性を有する人材基盤の強化を図り、治験業務の品質確保を通じて、企業価値の持続的な向上に寄与することを目指しております。

 

 また当社は、高度な専門性を有する人材の確保及び定着を重要な経営課題の一つと認識し、社員の専門性、経験、役割及び業績への貢献度等を総合的に勘案し、公正かつ透明性のある基準に基づき給与等を決定することを基本方針としております。この基本方針のもと、当社職掌定義書、職能要件書、役割基準書に定義される役割又は職能等級を基本とする人事考課制度を取り入れており、勤続年数や経験の蓄積に応じた能力開発を促進し、業務経験を通じて期待される職能やタスクに応じた評価を実施する仕組みを構築しております。

 従業員の評価においては、従業員の能力とタスクに応じた役割を重視する目標設定を行い、その目標の達成状況への評価を基本としておりますが、業務上特筆すべき実績や専門性向上に向けた自己啓発への取組み、業務に関連する新たな知見の獲得、社内ワーキンググループ等への参画を通じた組織への貢献なども含め、総合的に勘案することとしております。これらの評価は、当社人事考課規程に基づき、考課面談や評価会議等を経て決定され、被評価者へ適切にフィードバックを行うことにより、公正性・公平性を重視した納得感の得られる賞与や昇給、昇格等の処遇へ反映しております。

 さらに、専門性の継続的な向上を支援する観点から、専門的なスキル・資格の取得を支援する制度の整備や運用を進めており、従業員の主体的な能力開発及び専門スキルの取得を促進しております。

 

 当社は、これらの方針・仕組みのもと、専門性の高い人材の確保及び定着を図り、中長期的な企業価値向上に資する人事考課制度の運用に取り組んでおります。

 

(2)【従業員の状況】

① 連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

577

(29)

 (注)1.従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含むほか、常用パートを含んでおります。)であります。従業員数に委任型執行役員は含んでおりません。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の期末雇用人員であります。当該臨時従業員の総数が従業員の100分の10未満であるため、期末雇用人員を記載しております。

3.臨時従業員には、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

4.当社グループは、CRO事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

5.従業員数が当連結会計年度中において21名減少したのは、主として自己都合退職等による自然減であります。

 

② 提出会社の状況

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

280

(6)

37.1

8.5

6,830,097

4.5

 (注)1.従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含むほか、常用パートを含んでおります。)であります。従業員数に委任型執行役員は含んでおりません。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の期末雇用人員であります。当該臨時従業員の総数が従業員の100分の10未満であるため、期末雇用人員を記載しております。

3.臨時従業員には、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

5.当社は、CRO事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

③ 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

 

④ 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

提出会社

当事業年度

管理的地位にある労働者に占める

女性労働者の

割合(%)

(注)1

男性労働者の育児休業

取得率(%)

(注)1

男性労働者の平均

育児休業取得日数(日)

(注)2

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1、3、4

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

37.3

72.7

0.0

150

79.6

78.5

86.0

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.男性労働者の平均育児休業取得日数(日)は、「公表前事業年度に育児休業から復職した男性労働者の平均育児休業取得日数」を算出しています。育児休業を取得した男性従業員の全員が28日以上の育児休業を取得しております。

3.賃金は、基本給、超過勤務手当、各種手当、賞与等を含み、退職金、通勤手当等を除きます。

4.男女の賃金格差については、正規雇用労働者において、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものであります。具体的には、低賃金層である若年層の新卒・未経験中途の過去5年の採用者数の男女比においては男性より女性の比率が高く、高賃金層である管理職比率においては女性より男性の方が多いことから、結果として男女賃金差異が生じております。

※2018年~2025年新卒採用者内訳(女性 124名:男性 51名)*2023年は新卒採用なし

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在(2026年6月22日)において当社グループが判断したものであります。

 

 当社グループは、経営理念のもと「サステナビリティ方針」を策定し、この方針に沿ってサステナビリティ経営を推進してまいります。サステナビリティに関する重要課題に継続的に取り組み、進捗のモニタリングを行い、PDCAサイクルを回していくことで、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指します。

 

<サステナビリティ方針>

私たちは創業以来、革新的な医療が求められる疾患領域に注力し、難易度の高い医薬品開発に取り組んできました。経営理念のもと、役員・従業員一人ひとりがプロフェッショナルとして、誠実さをもって企業活動を遂行し、患者様ならびに社会全体の幸せを追求しています。

私たちの存在意義は、医薬品開発の高い専門性とノウハウをもって、世界のヘルスケアカンパニー・医療機関のパートナーとして、新薬を含む新しい疾患予防・治療技術の誕生と成長を支援し、世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献することです。

この実現のため、グローバル企業としてコーポレート・ガバナンスをより一層充実させ、ステークホルダーとともに重要課題に取り組み、社会とともに持続可能な発展を目指します。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、サステナビリティに関する基本方針と取組みに関する討議を行うサステナビリティ委員会を設置しています。委員長は執行役員CAO(Chief Administrative Officer)とし、委員会には執行役員CXO(※1)及び関連部門の責任者が参画して、重要課題(マテリアリティ)に関する重点施策の策定と社内展開、及び進捗状況のモニタリングを行い、サステナビリティの取組みを全社で推進します。

 また、サステナビリティに関する取組状況等は、定期的に取締役会に報告しています。取締役会はサステナビリティ委員会からの報告を受け、当社グループのサステナビリティに対する取組状況について審議・監督を行っています。

(※1)執行役員CXO(執行責任者)体制の概要については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」に記載しております。

 

(2)戦略

 サステナビリティ委員会においてサステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)の検討を進め、国際社会の要請や当社にとって影響の大きい社会的課題を「社会にとっての重要性」と「自社ビジネスにとっての重要性」の2つの視点で評価し、重要度の高い課題を抽出しました。それらについて取締役会を含む社内で討議を行い、経営理念の実現において特に重要度の高い課題として以下の3つのマテリアリティを特定しています。当社グループは、マテリアリティへの取組みを通じて、サステナビリティ方針で目指す持続可能な社会の実現と企業価値の向上を図ります。

<マテリアリティ>

① 革新的な医薬品の開発:Clinical Development Partnerとして、最先端のテクノロジーを活用し、高い専門性とノウハウを世界中のヘルスケアカンパニーに提供することで、新薬を含む新しい治療技術の開発支援とその安全性の確保に努めます。これを実現するため、多様なプロフェッショナル人材を採用・育成し、活躍し続けられる環境整備を進めます。

② 倫理とコンプライアンス:医薬品開発を担うにふさわしい最高水準の倫理感を持ち、世界各国の法規制を遵守し公正で透明性の高い事業活動を遂行します。医薬品開発のあらゆる場面において患者中心の考え方を基に誠実に職務を遂行し、患者の安全・人権の確保と、臨床試験データの信頼性の確保に努めることで医療に貢献します。

③ 将来世代への責任:世代を超えて持続可能な社会の実現に貢献するため、事業活動において、エネルギーをはじめとする資源の有効活用に努めます。また気候変動に対し、適切な対応を推進します。

 

(3)リスク管理

 当社グループは、企業活動に影響を及ぼす恐れのあるリスクを想定し、問題発生の未然防止に努めると同時にこれに適切に対処するため、リスクマネジメント委員会を設置しています。委員会を構成する執行役員CXOが、担当職務ごとに海外グループ会社横断でのリスク抽出・評価、回避策・対応策の評価を行い、リスクマネジメント委員会においてその確認と、重要リスクの評価及びモニタリングを行います。

 上記リスクの検討内容については、取締役会及びサステナビリティ委員会においても情報共有が行われ、サステナビリティ委員会において全社に係るサステナビリティ関連の重点施策の策定と社内展開及び進捗状況のモニタリングを行うことで、全社におけるリスク管理の強化を図ります。

 なお、当社グループにおけるリスクマネジメントの取組みについては「3 事業等のリスク」に記載しております。

 

(4)指標と目標

 マテリアリティごとに指標と目標を設定すべく、取組みを進めています。現在の状況は以下のとおりです。

① 革新的な医薬品の開発

 CROとして医薬品の臨床開発業務受託を主要事業とする当社グループにおいて、革新的な医薬品の開発は事業そのものを通じて取り組む重要な社会課題と位置付けています。当社グループは、アンメットメディカルニーズが高く治験の難易度が高い特定疾患領域に注力するという経営方針のもと策定した2028年3月期を最終年度とする中期経営計画の遂行を通じてこの課題に戦略的に取り組んでいます。中期経営計画において、重点戦略テーマを掲げ行動計画を立案し、地域ごとでも注力領域を特定し、その実現のために必要な経営資源の拡充を進めます。この重要課題に対処するために最も重要な人的資本については、人材の多様性の確保を含む人材育成・社内環境整備の方針及び指標と目標を以下のとおり定め、拡充を進めています。

 

<人材育成・職場環境整備方針>

 医薬品開発のプロフェッショナルとしてグローバルにサービスを提供する当社グループにとって、社員こそが価値創造の源泉です。変化の激しいヘルスケア業界において、グローバルに事業を拡大し、持続的に企業価値を向上させるためには、多様な経験をもつ人材がそれぞれの能力・特性を最大限に発揮し、活躍し続けられることが重要です。

 そのために、プロフェッショナルとして変革の時代に飛躍できる人材を育成し、社員一人ひとりがその能力・特性を最大限に発揮し、自身の幸せを追求できる場を提供します。

 さらに、グローバル企業として持続的な成長を実現できる次世代の経営者の育成を進めます。

 

<指標と目標>

 革新的な医薬品開発を実現するために必要な人材が長く働き続けられるかどうか、また、効率的に実行できているか生産性を測る指標として以下を設定しております。

指標

目標

2026年3月期実績

離職率

連結:15%以下

単体:10%以下

連結:13.4% (前期15.9%)

単体:11.0% (前期14.1%)

人員稼働率

原価人員一人ずつの、規定労働時間に対する有償稼働時間の割合と、顧客との契約における計画時間と実労働時間の割合の2つの指標を月次でモニタリングし、短時間で効率的に成果を創出する社員の比率を継続的に改善

 この目標に向けた取組みとして、前事業年度に日本において実施しました従業員エンゲージメントサーベイから把握した課題への対応、新たな教育ツールの導入と工数管理システムデータによる人材活用など人材マネジメントの変革を進めています。引き続き目標の達成に向けた取組みを進めてまいります。

 

② 倫理とコンプライアンス

 当社グループは執行役員CCO(Chief Compliance Officer)と倫理・コンプライアンスのグローバル責任者を共同議長とするコンプライアンス委員会を設置しており、委員会においてコンプライアンスに関するガバナンスとリスク管理、及び重要課題への対応を行います。

 コンプライアンスに関する基本方針として企業行動規範及び倫理・コンプライアンスプログラムを共有し、継続的に教育・啓蒙活動を行うことにより、役員及び従業員の倫理・コンプライアンスの意識の向上を図っております。さらに、ホットライン窓口を設け、コンプライアンス問題の未然防止・早期発見に努めております。

 コンプライアンス委員会は5つの倫理・コンプライアンスに係る指標(※2)に基づき、必要なデータの収集と分析を行い、コンプライアンスプログラムの遵守・浸透状況を確認し、必要な対策を講じております。その内容については取締役会に報告しております。

(※2)5つの倫理・コンプライアンスに係る指標:コンプライアンス研修の修了率、コンプライアンス文化と知識の浸透率、倫理報告の件数、行動規範違反による違法または不適切な行為の件数、コンプライアンスリスク評価の実施状況

 

③ 将来世代への責任

 当社グループは「リニカルグループ環境基本方針」を定め、資源の有効活用と気候変動に向けた取り組みを進めています。気候変動に起因する社会・環境問題は喫緊の課題と認識し、温室効果ガスの排出削減目標を定めその達成に向けた活動を進めるとともに、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の考え方に準拠しながら、必要なデータの収集と分析を行っています。

 

・ ガバナンス

 当社ではサステナビリティ委員会において、気候変動に関する戦略策定とモニタリングを行い、その内容を取締役会に報告しています。取締役会はサステナビリティ委員会からの報告を受け、当社グループの気候変動に対する取組状況について審議・監督を行っています。

 

・ 戦略

 当社グループは、医薬品のサプライチェーンの一部を担う企業としてGHG排出量の把握と削減を重要な課題ととらえており、パリ協定が目指す脱炭素社会の実現に向けた取組みを進めています。自社のサプライチェーンにおけるGHG排出量の全体像を把握するため、GHGプロトコルに基づき、スコープ1、2、3の排出量の測定とモニタリングを行っています。また、温室効果ガスの排出削減目標を策定し、これがパリ協定が求める「世界の気温上昇を産業革命前より1.5℃に抑えることを目指す」ための科学的な根拠に基づくものであるとして、2025年5月にSBTi(Science Based Target initiative)(※3)より認定を受けました。今後、目標達成に向けた取組を進めてまいります。

 気候変動の機会とリスクについては、サステナビリティ委員会において、当社グループの顧客である製薬企業のシナリオ分析を参照し、モニタリング業務の受託など臨床試験関連サービスの提供を主体とする自社ビジネスモデルにおける影響を確認しています。製造設備を持たず原材料調達を必要としない当社グループにおいて、カーボンプライシングや規制強化などによるコスト増加などの移行リスクの事業への影響度は大きくないと評価しております。一方で、物理リスクと機会としては、下記を認識しそれぞれ対応を進めています。

物理リスク

機会

大規模自然災害の発生によるエネルギー・通信網の遮断等による事業拠点の一時的な操業停止

熱帯病、新興感染症の流行に対する顧客(製薬関連企業)の新薬開発の増加

新興感染症の流行による操業度の低下

 上記の物理リスクに対応するための事業継続計画(BCP)を策定済みであり、継続的に見直しと訓練を実行しています。また、上記の疾患に対する治療薬の開発に貢献するため、東南アジアや南半球を含む拠点の拡充を進めてまいります。

(※3)SBTi(Science Based Targets initiative)は、CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)の4つの機関が共同で運営し、パリ協定目標達成に向け、企業に対して科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出削減目標を設定することを推進しています。

 

・ リスク管理

 気候変動リスクに関してはサステナビリティ委員会において当社グループのGHG排出リスクの分析を行い、適宜リスクマネジメント委員会に対し提言とモニタリングを行います。

 

・ 指標と目標

 SBTiより認定された温室効果ガス(GHG)排出量削減目標は以下のとおりです。

スコープ1&2

スコープ2の温室効果ガス排出量を2034年3月期までに2023年3月期を基準年として58.8%削減する。

スコープ3 カテゴリー1&6

2029年3月期までに、購入した製品・サービス及び出張に関係するサプライヤーの75%が科学的根拠に基づく削減目標を設定するようエンゲージメント活動を行う。

 

 

 2025年3月期のサプライチェーン排出量(スコープ1,2及び3)の実績は下記のとおりです。

分類

内容

実績(t-CO2e)

スコープ1

事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)

0.0

スコープ2

他社から供給された電気の使用に伴う間接排出

331.0

スコープ3

スコープ1,2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)

5,252.0

(内訳)

 

 

カテゴリー1

購入した製品・サービス(オフィスの賃貸、インターネット付随サービス等)

3,953.9

カテゴリー2

資本財

411.4

カテゴリー3

スコープ1,2に含まれない燃料及びエネルギー活動

60.2

カテゴリー4

輸送、配送(上流)

5.3

カテゴリー5

事業から出る廃棄物

0.4

カテゴリー6

出張

660.3

カテゴリー7

従業員の通勤

143.2

カテゴリー8

リース資産(上流)

17.2

スコープ1,2,3合計

5,583.0

注1:スコープ2はマーケット基準にて報告

注2:当事業年度の実績はWEBサイト(https://www.linical.com/ja/about/sustainability/esg-data)で開示予定です。

 

・ 当事業年度の取組実績と現在の進捗

 当事業年度においては、スコープ3にかかる目標達成に向け、実効性のあるエンゲージメント体制を構築するための「基盤整備」を推進いたしました。

ⅰ)エンゲージメント対象(分母)の特定・選定: GHG排出量データに基づき、サプライチェーン全体において優先的にアプローチすべき主要サプライヤーの抽出及び特定作業を現在進めております。当社のスコープ3における排出量は日本国内の割合が大きい特性があるため、まずは国内の主要サプライヤーから優先的にエンゲージメントの対象として特定し、段階的にグローバルへ展開していく予定をしております。これにより、効率的な削減支援を行う体制を整えてまいります。

ⅱ)説明会・意識調査(分子の構築)に向けた準備: 特定した国内の主要サプライヤーに対し、当社の脱炭素方針の周知や、各社の排出量把握状況及び目標設定状況を確認するための「説明会」及び「アンケート調査」の実施に向け、現在、運営プログラムや調査票の設計を進めております。

 

・ 今後の見通し

 来期に向けアンケートの実施・回収を行い、その結果に基づき国内サプライヤーとの対話を実施するなどエンゲージメント活動を強化し、有価証券報告書等において、目標設定を完了したサプライヤーの比率など、定量的な進捗指標(KPI)を順次開示していく予定をしております。