2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,404名(単体) 4,533名(連結)
  • 平均年齢
    41.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.8年(単体)
  • 平均年収
    5,690,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    1.0%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

当グループでは「事業基盤を支える人材の育成」「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」「従業員の心と体の健康経営」の3項目をマテリアリティ(重要課題)として特定しており、各施策にKPIを設定し、PDCAサイクルを通じて継続的な改善を図るとともに、中長期成長戦略と連動した人材戦略を推進しており、詳細については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)人的資本関係」に記載しております。

また、従業員の給与その他の給付の額及び内容については、以下に基づき決定しております。なお、具体的な決定方針については、提出会社である当社における従業員の給与その他の給付の決定方針を記載しております。

(基本的な考え方)

従業員の賃金は、統一的かつ公平な運用を確保するため、従業員の能力、役割および責任の範囲(等級制度)、並びに勤務成績(考課制度)をもとに、「給与規則(賃金制度)」に則り決定しております。また、教育支援制度およびキャリア面談などを通し、これらの制度が有効に機能するよう取り組んでおります。

等級制度については、会社の人材戦略に合わせ、一人ひとりの能力発揮と活躍を重視し、マネジメントを通じて成果を出すマネジメントコースと、専門能力を活かして成果を出すスペシャリストコース、プロフェッショナルコースの複数型等級制度を導入しております。


考課制度については、役割と発揮した成果を適正に評価して処遇に反映することを目的とする「査定的側面」と、強みを活かした活躍の場の提供、または弱みを克服する学習機会を提供するなど個々人の能力開発を支援することを目的とする「育成的側面」の二面を有しております。「査定的側面」は仕事の成果、達成度を目標とプロセスに応じて評価しております。「育成的側面」については、高い成果を安定的、持続的に生み出すために、発揮すべき行動特性を大きく「専門性」、「課題解決」、「チーム」、「主体性」に分類し、等級ごとに期待するレベルに応じて評価決定がなされております。

以上の等級制度および考課制度により決定された個々人の等級および評価結果に基づき、給与規則に則り以下のように給与を決定しております。

(給与構成)

従業員に対する賃金は、業務の成果に応じた対価として支払っており、当社の賃金制度における給与体系は、主として月額給与と賞与で構成されております。

(月額給与)

月額給与は、主として従業員の能力、役割および責任の範囲に応じて定めた等級基準に基づき決定しております。また、基準内賃金については、原則として年1回、労働組合との協議を踏まえ、ベースアップを決定しております。さらに、考課制度の評価結果に応じて昇給額が決定されます。

(賞与)

賞与は、等級基準に基づく基準内賃金を基礎とし、支給月数および出勤率に加え、査定的側面および育成的側面の双方の観点から、業務成果や能力等を総合的に評価する考課制度に基づき決定しております。支給月数は、当社単体の業績指標(営業利益等)の動向を踏まえ決定しております。また、個人別には考課制度の評価結果に応じて、一定の範囲で支給係数を乗じて支給しております。

 

これらの制度は、従業員の成長と成果を適切に処遇へ反映し、持続的な人材価値の創出を図ることで、当グループが掲げる「Rice Innovation Company」の実現につなげてまいります。

 

(2) 【従業員の状況】

① 連結会社の状況

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

国内米菓

1,820

(882)

海外

1,972

(8)

食品

222

(52)

報告セグメント計

4,014

(942)

その他

519

(115)

合計

4,533

(1,057)

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当グループへの出向者を含む)であり、臨時雇用者数(パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除く)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.前連結会計年度末に比べ従業員数が443名増加しております。主な理由は、主にTH FOODS, INC.を連結子会社化したことによるものであります。

 

② 提出会社の状況

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の対前
事業年度増減率(%)

1,404

(481)

41.0

17.8

5,690

1.0

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

国内米菓

1,345

(475)

海外

15

(2)

食品

44

(4)

報告セグメント計

1,404

(481)

その他

-

(-)

合計

1,404

(481)

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む)であり、臨時雇用者数(パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除く)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

③ 労働組合の状況

当社及び一部の子会社において労働組合が組織されております。

当社には亀田製菓労働組合があり、UAゼンセン同盟に加盟しております。2026年3月31日現在の組合員数は1,616人であります。

なお、労使関係については円滑な関係にあり、特記すべき事項はありません。

また、一部の子会社の労働組合に関しても労使関係について特記すべき事項はありません。

 

 

④ 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

ア 提出会社

当事業年度

管理的地位にある
労働者に占める女性
労働者の割合(%)
(注)1

男性労働者の育児休業
取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の額の差異(%)(注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

14.3

63.6

69.8

76.5

53.7

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.当社では正規・非正規従業員のいずれにおいても、男女では賃金規程等の制度上、昇進・昇給等の運用上及び採用基準上の差を設けておりません。

4.正規従業員において、職群及び等級により異なる賃金水準を設定しております。男女では職群及び等級毎の人数分布の差があるため、賃金において差異が生じております。

5.非正規従業員は、臨時従業員(パートタイマー・有期労働者等)を対象に算出しております。パートタイマー・有期労働者等の雇用形態の区別による賃金の額の差異があります。男女ではフィールドスタッフの女性比率が高いため、男女の賃金差異が正規従業員よりも大きくなっております。なお、雇用形態により労働時間に差異が生じておりますが、フルタイム換算をせず実際に支給した賃金に基づき算出しております。

 

イ 連結子会社

当事業年度

名称

管理的地位にある労働者に占める
女性労働者の割合(%)(注)1

男性労働者の育児休業取得率

(%)(注)2

労働者の男女の賃金の額の差異(%)(注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート・
有期労働者

アジカル株式会社

15.3

100.0

71.1

85.0

77.0

とよす株式会社

15.4

-

49.7

85.7

74.8

株式会社日新製菓

23.1

-

70.5

75.2

63.5

尾西食品株式会社

18.2

100.0

-

-

-

新潟輸送株式会社

2.9

71.4

58.0

80.8

66.1

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。なお、算定対象者が存在しない、または算出不可の場合、「―」と記載しております。

3.当グループでは正規・非正規従業員のいずれにおいても、男女では賃金規程等の制度上、昇進・昇給等の運用上及び採用基準上の差を設けておりません。

4.正規従業員において、職群及び等級により異なる賃金水準を設定しております。男女では職群及び等級毎の人数分布の差があるため、賃金において差異が生じております。

5.非正規従業員は、臨時従業員(パートタイマー・有期労働者等)を対象に算出しております。パートタイマー・有期労働者等の雇用形態の区別による賃金の差異があります。男女では労働時間の短い雇用形態の女性比率が高いため、男女の賃金差異が正規従業員よりも大きくなっております。なお、雇用形態により労働時間に差異が生じておりますが、フルタイム換算をせず実際に支給した賃金に基づき算出しております。

6.その他の連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ推進に向けた全体像

当グループは、中長期的な企業価値の向上の観点から、サステナビリティに対する取り組みを重要な経営課題として認識するとともに、事業機会の観点からもサステナビリティ対応の強化を掲げ、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでおります。当該活動の中で、当グループのサステナビリティ基本方針を以下のように定めております。

(サステナビリティ基本方針)

亀田製菓グループは、Better For You(お米の恵みを美味しさ・健康・感動という価値に磨き上げ健やかなライフスタイルに貢献する)の企業グループとして、「Rice Innovation Company」の実現を通じて持続可能な社会に貢献していきます。

上記サステナビリティ基本方針のもと、外部環境の変化が当グループの活動に与えるリスクおよび機会の両面から重要課題として人的資本および気候変動関連を特定し、その枠組みの中でガバナンス及びリスク管理について次のとおり取り組みをすすめております。

 

① ガバナンス

2021年に新たに策定したサステナビリティ基本方針※のもと、サステナビリティ推進タスクフォースを発足しました。なお、2025年6月に環境・社会・ガバナンス(ESG)の視点を経営に本格的に取り入れることで、グローバル企業としての信頼性をさらに高め、ステークホルダーとの関係強化を図り、持続可能な成長と企業価値向上を目的に、サステナビリティ推進タスクフォースのトップに代表取締役会長、責任者に常務取締役、事務局にサステナビリティ経営推進担当部長とした体制に変更し、サステナビリティ経営推進体制を再整備しております。(体制は下図を参照)

また、2022年度に経営全体のマテリアリティ(重要課題)をまとめ、6つのカテゴリー・19の具体的課題に取りまとめています。

 ※2023年11月、亀田製菓グループの理念体系再構築等に伴い、現基本方針に改定しました。
 なお、2024年度のマテリアリティの進捗結果と、2025年度の進捗状況および課題を代表取締役会長に報告するため、2025年9月にサステナビリティ推進タスクフォース報告会を開催しました。本報告書を経て、経営会議および取締役会に報告しました。

サステナビリティ推進体制


 

② リスク管理

当社は、サステナビリティ課題を含む事業へのリスクおよび機会について、四半期ごとに開催する定例のリスク管理委員会で検討・モニタリングを実施しております。同委員会での審議内容や検討状況を取締役会に定期的に報告することで、リスク管理全般の統制管理を行っております。

なお、当社のリスクマネジメント体制の詳細は、「3.事業等のリスク」に記載しております。

 

(2) 人的資本関係

① 戦略

当グループは、「人、自然、社会を思いやる気持ちを大切に、最高のアイデアと技術で、挑戦や価値創造を楽しめる人材集団」の形成を目指し、人的資本を中長期的な企業価値向上の源泉と位置づけております。

この目指す姿の実現に向けて、当グループでは「事業基盤を支える人材の育成」「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」「従業員の心と体の健康経営」の3項目をマテリアリティ(重要課題)として特定しており、各施策にKPIを設定し、PDCAサイクルを通じて継続的な改善を図るとともに、中長期成長戦略と連動した人材戦略を推進しております。

これらの取り組みを通じて、持続可能な人材価値の創出を図り、当グループが掲げる「Rice Innovation Company」の実現へとつなげていきます。

 

・重要課題(マテリアリティ)と人材戦略


(注) 「人材ポートフォリオ」における当グループが考える人材について

・イノベーター:変革を推進する経営人材

・エキスパート:技術革新を支える専門人材

・基盤人材(米菓):これまで培ってきた知識・技術を活かして成果に結びつけられる人材

なお、全従業員を対象に、異文化理解力の向上を図る育成施策によるグローバル人材の基盤強化に取り組んでいます。

 

 

・事業基盤を支える人材の育成


人事方針にもとづき、従業員一人ひとりの成長に応じた教育体制を整備するとともに、中長期成長戦略に掲げる「KAMEDA3.0」の実現に向け、各事業の人材課題に対応した育成プログラムを策定・実施しております。さらに、個々のキャリア志向やスキル習得ニーズに応じた学習機会の提供を通じて、自律的な成長を支援しております。

(事業ごとの人材育成プログラム)

事業ごとの人材育成プログラムでは、「変革を推進する経営人材」「技術革新を支える専門人材」「異文化に対応できるグローバル人材」の3領域を重要育成分野として位置づけ、これらを社内で「イノベーター」および「エキスパート」と定義しております。人事情報システムを活用し、経験・スキルの見える化を進めることで、人材ポートフォリオの最適化と戦略的人材配置を推進しております。


 

 

・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン

亀田製菓らしいダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)とは、当グループのPurpose・Vision・Valueに掲げるValue、「人」を中心とした価値観に根差しています。一人ひとりが自らの強みに焦点を絞り、それをひたむきに磨く。当グループも「お米」という強みに焦点を絞り、その強みを磨くことが唯一無二の存在として世界に価値を届けることにつながります。

Vision(ビジョン)である「Rice Innovation Company」の実現に向けて、従業員一人ひとりが自分らしく輝き、強みを発揮できる組織風土の醸成を目指し、働きやすい職場環境の整備と人材交流・育成を軸としたDE&I施策を推進しています。多様な人材が互いの違いを尊重し合いながら活躍できる環境づくりを通じて、企業としての価値観の進化と人的資本の最大化を図っていきます。


 



 

・従業員の心と体の健康経営

当グループでは、すべての従業員が自分らしく働き、自らの考えを安心して発信できる組織風土の醸成が亀田製菓らしい人材戦略を推進するうえで不可欠であると考えています。心身ともに健康であることが従業員エンゲージメントの向上につながり、ひいては中長期的な企業価値の向上に寄与すると捉え、経営陣と従業員が一体となって健康経営に取り組んでいます。

心と体の両面からの健康維持とエンゲージメントの向上を重点課題とし、従業員一人ひとりが安心して力を発揮できる職場環境の整備を進めることで、持続可能な人材基盤の構築と、当グループの価値創造につなげていきます。

(健康経営)

当社では、従業員が心身ともに健康で、その能力を最大限に発揮できる職場環境の整備を目的に、2023年12月より「健康経営プロジェクト」を立ち上げ、「疾病の早期発見・治療」「転勤・労働災害の削減」「メンタル不調者低減」の3つを重点課題とした健康経営戦略マップを策定しました。従業員一人ひとりが心身の健康状態を自ら認識し、健康への意識と行動の変化を促すことを目的に、全社的な健康施策の方針を策定し、各施策に取り組んでいます。


 

 


 

 

(従業員エンゲージメントの向上)

当社ではこれまで、「従業員意識調査」を通じて、職場環境や制度に対する従業員の満足度を把握し、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)にもとづく職場改革に取り組んできました。また、その進捗状況を社内で共有し、見える化にも努めてきました。

しかし近年、少子高齢化の加速による労働人口の減少、働き方や価値観の多様化、自律的なキャリア形成への関心の高まりなど、社会環境は大きく変化しています。さらに、当グループのValueである「Kameda’s Craftsmanship」は、人的資本の活用の重要性を掲げています。

こうした背景を踏まえ、会社が従業員の声に一方的に応えるだけではなく、従業員と会社が互いに関わり合い、共に成長していく関係性が求められると考えました。そのため、従来の「従業員意識調査」から、従業員と会社のつながりの強さや、仕事への熱意・貢献意欲を測る「従業員エンゲージメント調査」へと2024年度から切り替えました。

今後も、「従業員エンゲージメント調査」の結果をもとに、従業員エンゲージメントプロジェクトを通じてPDCAサイクルによる改善活動を継続し、より働きがいのある職場づくりを進めていきます。

 


 

② 指標及び目標

上記の戦略の中で識別した、重要課題(マテリアリティ)にもとづく、施策および目標、指標(KPI)は以下のとおりであります。

 

重要課題

(マテリアリティ)

施策および目標、指標(KPI)

2024年度実績

2025年度実績

2030年度目標

従業員の心と体の健康経営

定期健康診断受診率

100%

100%

100%

労働安全衛生強度率

0.12%

0.00%

0.05%

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン

女性管理職比率

13.6%

14.3%

30%

女性監督職比率

18.8%

21.2%

30%

男性育児休業取得率

75.0%

63.6%

80%

男女間賃金格差

66.3%

69.8%

80%

事業基盤を支える人材の育成

人財育成投資の推進

2021年度比

2.4倍

2021年度比

2.1倍

2021年度比

2.4倍以上

 

当社は、グループ各社と連携し、人的資本経営の重要課題に取り組んでおります。なお、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、具体的な実績及び目標に関しては当社の数値を記載しております。

 

(3) 気候変動関係

農産物を主原料とする当グループにとって、サプライチェーンに重大な影響を与える可能性のある気候変動への適切な対応は、優先度の高い重要課題であると考え、2021年11月にTCFD※1(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明するとともに、賛同企業や金融機関が議論する場であるTCFDコンソーシアム※2に加入しております。


※1 TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース):Task Force on Climate-related Financial Disclosuresの略。G20の要請を受け、金融安定理事会(FSB)が2015年に設立。

※2 TCFDコンソーシアム:TCFDに関する企業の効果的な情報開示や適切な取り組みについて議論を行う目的で2019年に設立。

 

① 戦略
a.シナリオ分析

気候変動によるリスクおよび機会の特定にあたり、当グループにおける製品およびサービスの調達・生産・供給までのバリューチェーン全体を対象として、国際機関等が公表するシナリオをもとに4℃シナリオと2℃シナリオの2つの将来世界観を整理し、2030年時点における当グループへの影響を考察するとともに、それぞれの世界観におけるリスクおよび機会を特定しております。

 

4℃シナリオ、2℃シナリオにもとづく将来世界観

4℃シナリオ

2℃シナリオ

気候変動対策への取り組みは現行の政策や規制以上の進展がなく、化石燃料由来のエネルギーが継続的に使用されることによって温室効果ガス排出量が増大し、産業革命期頃と比較して、2100年頃までに地球平均気温が4℃以上上昇する将来予測。台風や豪雨をはじめとする異常気象の激甚化や、慢性的な気温上昇に伴う作物生育への悪影響といった、気候変動による直接的な被害が増加するのに対し、法規制や税制という形での市場への締め付けは強化されないため、移行リスクとしての影響度は小さい。

世界規模でのカーボンニュートラルの達成に向けて低炭素化が推進され、世界の平均気温が2℃程度の上昇に抑えられる将来予測。脱炭素化に向けた厳しい法規制や税制が施行され、温室効果ガスの排出量が抑制されることにより、気温上昇が抑制され異常気象等物理的リスクの規模や頻度は4℃シナリオに比べ縮小するものの、脱炭素化に向けた社会構造の変化に伴い、移行リスクは高まる。

(参考シナリオ)

IPCC(気候変動に関する政府間パネル):RCP8.5

IEA(国際エネルギー機関):STEPS

(参考シナリオ)

IPCC(気候変動に関する政府間パネル):RCP2.6

IEA(国際エネルギー機関):SDS/NZE2050

 

 

重要課題となり得るリスク項目の中で定量的な分析が可能な項目については、2030年時点における財務インパクトを推定し、4℃シナリオにおける「生産工場に対する物理的被害の拡大」および「プラスチック製包装資材の価格上昇」、2℃シナリオにおける「カーボンプライシングの導入によるコスト増加」が特に大きな影響を及ぼす可能性があることを確認しております。

なお、当グループの主原料である米の収量および価格の分析にあたり、外部機関が開示する将来予測パラメータでは、空気中の二酸化炭素濃度の上昇が米の生育に寄与するほか、気温上昇による生産地拡大などにより収量の増加および販売価格が低下すると予測されており、各将来予測シナリオにおける米価格予想、平均収量の推移、消費生産バランス等の要素から試算した結果、仕入れコスト減少の可能性を確認しております。

一方で、水田の水温上昇などに伴い品質低下が見込まれていることから、こうした米を原料にしながらもおいしい米菓を引き続きお客様にお届けできるよう、製品開発や社会貢献の可能性を模索するのが当グループの役割であり、既存の取り組みを継続・加速するとともに、新たな対応策の検討も推進していきます。

 


 

また、リスクのみならず、当グループで展開するプラントベースフードやECOパッケージ化の推進は、気候変動が進む世界観においてもエシカル消費をはじめとするお客様の新たなニーズに応える製品群として事業機会の可能性を確認しております。リスクへの対応策をはじめとする具体的な既存の取り組みについては、統合報告書や当社ホームページで開示しているほか、今回のシナリオ分析を踏まえ、さらなる具体的な対応策を各事業で検討・立案し、不確実な将来世界に対するあらゆる可能性について備えていきます。

 


 

b.具体的な取り組み

・CO2排出量・エネルギー使用量の削減

新潟県内の3工場すべてにおいて、基幹設備のA重油・LPガスから都市ガスへのエネルギー転換を実施したことに加え、東北電力株式会社が提供する水力発電所で100%発電されたCO2フリーの再生可能エネルギー電気「よりそう、再エネ電気」を、2025年4月に白根工場に導入したことにより、3工場すべてに導入しました。

さらに、トラック輸送からCO2排出量の少ない鉄道貨物輸送などへ切り替えるモーダルシフトを推進し、「エコレールマーク」取り組み企業として認定されています。

今後も、生産切り替えに伴うエネルギーロス削減、生産設備の省エネ部品への入れ替えやエネルギー使用量の可視化、省エネ活動の継続など、米菓製造工程におけるエネルギー使用量の削減に取り組んでまいります。

 

・プラスチック使用量の削減

プラスチック使用量を削減するための取り組みの一つとして、包装技術を向上させることで、プラスチックトレーの廃止やパッケージのスリム化などECOパッケージ化を進めてきました。その結果、ECOパッケージ化はおおむね進んだものの、ノントレー化が難しい商品もあります。それら商品についても、トレーの薄肉化や設備投資によるノントレー化を図り、プラスチック使用量の削減に取り組んでいます。

 


 

・お客様の嗜好変化への対応

食生活が生み出す環境負荷に対するお客様の意識は確実に変化しております。更には、自然災害の増加や新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、お客様の防災意識・健康意識の高まりに対して、当グループが扱う長期保存食やプラントベースフード、アレルゲン28品目不使用の米粉パン、植物性乳酸菌などは、そうしたお客様のニーズに対応する製品であり、社会課題の解決に寄与するものと考えております。

当グループは、お米の恵みを美味しさ・健康・感動という価値に磨き上げ健やかなライフスタイルに貢献する「Better For You」企業となるため、食品事業を国内米菓事業、海外事業と並ぶ三本目の柱とするべく、長期視点でシーズの獲得や育成を進め、早期の事業拡大に取り組んでまいります。

 

② 指標と目標

当社は、気候変動課題が経営に及ぼす影響を評価・管理するため、温室効果ガス総排出量を指標とし、当社における2030年度の温室効果ガスの総排出量を40%削減(2017年度比)する目標を設定しております。

また、当グループですすめるプラスチック使用量の削減はScope3における温室効果ガス排出量の削減のみならず、消費財を扱うメーカーとして優先的に取り組むべき重要課題として認識しており、製品のプラスチックトレーの廃止、およびパッケージをスリムにするECOパッケージ化、さらに、包装サイズ変更や、個包装に頼らない商品開発を行うことでプラスチック使用量の削減をすすめております。2030年度までには当社の全製品をECOパッケージ化するとともに、プラスチック使用量を30%削減(2017年度比)することを目標に掲げております。