2025年9月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 18,646 100.0 1,583 100.0 8.5

事業内容

3【事業の内容】

当社の事業内容

 当社は、「いい仕事。いい人生。」を企業理念として掲げ、主にキャリア志向の高い「エンジニア」、「営業」及び「女性」をターゲットとし、求職者、求人企業のそれぞれに多様な商品・サービスを提供することにより、双方の課題解決に取り組んでおります。

 事業の内訳といたしましては、中途向けにWebサイト(『type』・『女の転職type』など)の運営・適職フェアの開催を行うメディア情報事業、新卒向けに情報誌『type就活』の発行・イベント(『type就活』)の開催を行う新卒メディア事業、有料職業紹介事業を展開する人材紹介事業『type転職エージェント』及び新卒紹介事業『type就活エージェント』、一般労働者派遣事業を展開するIT派遣事業『typeIT派遣』の5事業を運営しております。このように当社では多様なサービスを提供しているため、求職者及び求人企業が抱える採用課題におけるあらゆる課題の解決を可能としております。また、各商品・サービス間の相互機能を強化しており、求職者・求人企業双方に対して、より利便性の高いサービス提供を行っております。

 

〔事業系統図〕

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要ならびに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当事業年度(2024年10月1日~2025年9月30日)における我が国経済において、日銀短観(2025年9月調査)では、大企業・製造業の景況感は改善傾向を示し、コロナ禍からの経済活動正常化やインバウンド需要の回復に向けた動きが進んでいる一方で、エネルギー価格の高騰や関税の影響、急激な円安の進行等により依然として先行き不透明な状況が続いています。2025年8月の有効求人倍率は1.20倍と伸び率は前回調査からやや低下傾向で推移しており、当社を取り巻く求人環境についてもやや悪化いたしました。特に「エンジニア」領域では、採用基準の厳格化や採用選考の長期化がみられ、企業の採用意欲は一部で慎重さを増しました。

 このような状況において、当事業年度における当社の業績は、売上高・利益ともに業績予想を下回る結果となりました。売上高は、IT派遣事業が業績予想を上回った一方で、その他の事業は業績予想を下回りました。利益面では、IT派遣事業の無期雇用領域における採用強化や広告宣伝費・人件費などを強化するとともに、全社的にコストを抑制したものの、売上高の減少を補うには至らず、業績予想を下回る結果となりました。一方で、景気先行きの不透明感により企業の採用基準が厳格化する中、営業プロセスや登録獲得は順調に推移し、売上高・利益ともに全社として過去最高を更新いたしました。

以上の結果、当事業年度における売上高は、18,646,255千円(前年同期比5.1%増)、利益については、営業利益1,582,805千円(前年同期比10.5%増)、経常利益1,604,321千円(前年同期比11.6%増)、当期純利益1,100,768千円(前年同期比11.8%増)となりました。

 

<事業の種類別の業績>

  当社は人材サービス事業の単一セグメントでありセグメント情報の記載を省略しているため、事業の種類別に記載しております。

 

①メディア情報事業

 メディア情報事業は、Web求人広告・適職フェア等の商品・サービスを展開しております。

 当事業年度においては、依然として「エンジニア」領域の売上高の伸びは落ち着きを見せ、新規開拓を強化するための商談数を増加し、引き続き販売価格の上昇や女性エンジニアの取り込み、関西エリアの拡販等を進めました。なお、職種別の売上高は、「エンジニア」領域前年同期9.5%減、「営業」領域同4.4%減、「その他」領域同4.7%増、「女性」領域同1.5%増となりました。

 以上の結果、当事業年度におけるメディア情報事業の売上高は5,910,606千円(前年同期比1.8%減) 、事業別経常利益は723,936千円(前年同期比1.7%減)となりました。

 

②人材紹介事業

 人材紹介事業は、ご登録いただいた求職者の方に最適な求人案件をご紹介する登録型人材紹介を運営しております。営業・IT・販売・サービス等幅広い業種・職種をターゲットとする一般領域と専門職や管理職をターゲットとするミドル領域に分かれて事業運営を行っております。

 当事業年度においては、一般領域では、新規顧客の案件開拓及びITエンジニアを中心とした求職者の登録獲得、面談などの接点数を強化し、歩留まりの向上に向けた施策を実施したものの、外部環境の不透明感から求人企業において採用に対する慎重な姿勢が見られ最終面接の通過率が想定を下回ったことにより成約件数の伸びが鈍化いたしました。

 ミドル領域では、新規の案件開拓を進めるとともに、高度なスキルや経験を持つ登録者の獲得に注力したことで、成約件数は堅調に推移いたしました。

 以上の結果、当事業年度における人材紹介事業の売上高は3,138,966千円(前年同期比3.9%減)、事業別経常利益は366,584千円(前年同期比32.3%増)となりました。

 

③新卒メディア事業

 新卒メディア事業は、新卒者を対象とする就職イベント・情報誌等の商品・サービスを展開しております。

 当事業年度においては、一部の求人企業における採用人数の縮小や企業の集客状況が好調に推移していることから個別セミナーのニーズが縮小したことや、関税等の外部環境の影響により一部企業で採用を慎重化する動きが見られたことで、取引社数がやや鈍化いたしました。

 以上の結果、当事業年度における新卒メディア事業の売上高は787,708千円(前年同期比4.5%減)、事業別経常利益は277,913千円(前年同期比12.1%減)となりました。

 

④新卒紹介事業

 新卒紹介事業は、ご登録いただいた学生の方に最適な新卒採用案件をご紹介する登録型新卒紹介を運営しております。

 当事業年度においては、学生の登録数増加や求人案件の開拓により成約件数の増加を図ったことで売上高は前期から増加したものの、2026年度卒業予定の学生登録が鈍化したことと、想定を上回る内定辞退が発生したことにより計画を下回り、経常損失を計上する結果となりました。

 以上の結果、当事業年度における新卒紹介事業の売上高は199,850千円(前年同期比6.1%増)、事業別経常利益は△41,654千円(前年実績△60,575千円)となりました。

 

⑤IT派遣事業

 IT派遣事業は、当社にご登録いただいた登録者の中から、求人企業の採用ニーズに最適な人材を派遣する一般労働者派遣を運営しております。なお、有期雇用派遣と無期雇用派遣に分かれて事業運営を行っております。

 当事業年度においては、有期雇用派遣ではITエンジニアの登録者の獲得を強化するとともに、新規顧客の案件開拓と派遣スタッフに対する求人案件の提案数の増加を図りました。また、派遣スタッフに対するフォロー体制を強化したことで、案件終了件数の抑制にもつながり、稼働人数は順調に増加しました。

 無期雇用派遣では、採用決定したエンジニアが順調に稼働しており、またエンジニアの中途採用については、早期の黒字化に向けてエンジニアの中途採用を当初より強化するとともに、エンジニアの退職率も抑制することに成功しました。引き続きエンジニアの採用を強化するとともに、求人案件の開拓を強化することで、稼働人数の増加を目指して参ります。

 以上の結果、当事業年度におけるIT派遣事業の売上高は8,609,123千円(前年同期比15.8%増)、事業別経常利益は277,541千円(前年同期比64.1%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1,222,815千円増加し、3,835,123千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

  当事業年度の営業活動の結果得られた資金は、2,031,350千円(前年同期比1,172,162千円の収入増)でありました。これは、税引前当期純利益を1,604,150千円計上し、減価償却費が511,558千円、売上債権の増減額が△169,733千円、未払金の増減額が23,624千円、未払費用の増減額が101,502千円、契約負債の増減額が53,703千円、未払消費税等の増減額が267,134千円、法人税等の支払額が473,156千円あったこと等によるものであります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

  当事業年度の投資活動の結果使用した資金は、338,384千円(前年同期比500,614千円の支出減)でありました。これは、有形固定資産の取得による支出が3,431千円、無形固定資産の取得による支出が334,953千円あったこと等によるものであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

  当事業年度の財務活動の結果使用した資金は、470,151千円(前年同期比1,372,005千円の支出減)でありました。これは、配当金の支払額が470,151千円あったことによるものであります。

 

 

(3) 生産、受注及び販売の実績

 当社は人材サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

①生産実績

 当社の主たる業務は、Web・情報誌による求人情報提供サービス、人材紹介、人材派遣等の事業であり、いずれも製造会社のような生産設備を保有しておりません。

 したがって事業の性格上、生産能力及び生産実績の記載は行っておりません。

②受注実績

 生産実績と同様の理由により、記載を省略しております。

③販売実績

 当事業年度の販売実績を事業別に示すと、次のとおりであります。

事業別の名称

当事業年度

(自 2024年10月1日

至 2025年9月30日)

前年同期比(%)

メディア情報事業           (千円)

5,910,606

△1.77

人材紹介事業             (千円)

3,138,966

△3.94

新卒メディア事業           (千円)

787,708

△4.54

新卒紹介事業             (千円)

199,850

6.12

IT派遣事業             (千円)

8,609,123

15.76

合計

18,646,255

5.14

 

(4) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態の分析

 

(流動資産)

 当事業年度末における流動資産の残高は5,652,935千円となり、前事業年度末に比べ1,384,937千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が1,222,815千円増加、売掛金が167,315千円増加、その他が1,070千円減少したことによるものであります。

(固定資産)

 当事業年度末における固定資産の残高は2,080,585千円となり、前事業年度末に比べ157,829千円減少いたしました。これは有形固定資産が35,997千円減少、無形固定資産が155,156千円減少、投資その他の資産が33,324千円増加したことによるものであります。

(流動負債)

 当事業年度末における流動負債の残高は2,819,622千円となり、前事業年度末に比べ524,108千円増加いたしました。これは主に未払費用が101,502千円増加、契約負債が53,703千円増加、未払消費税等が267,134千円増加、未払法人税等が62,057千円増加、賞与引当金が12,813千円増加したことによるものであります。

(固定負債)

 当事業年度末における固定負債の残高は285,480千円となり、前事業年度末に比べ14,033千円増加いたしました。これは主に退職給付引当金が9,897千円増加したことによるものであります。

(純資産)

 当事業年度末における純資産の残高は4,628,417千円となり、前事業年度末に比べ688,965千円増加いたしました。これは主にその他資本剰余金が16,865千円増加、繰越利益剰余金が630,255千円増加、自己株式が41,844千円減少したことによるものであります。

 

②経営成績の分析

 経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」をご参照下さい。

 

③キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報」をご参照下さい。

 

④資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社の運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、Webシステム開発等の設備投資によるものであります。

 当社の運転資金は、営業活動によって獲得した自己資金の充当を基本とし、資金需要等を考慮した上で外部資金調達手段として金融機関からの借入により調達することとしております。なお、当社は、運転資金の安定的かつ効率的な調達を行うため、借入限度額2,500,000千円のコミットメントライン契約を主幹事の株式会社三菱UFJ銀行と締結しております。当該契約に基づく2025年9月30日現在の借入れ実行残高はございません。

 

⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この 財務諸表の作成に当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております が、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、 「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。