2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

セキュリティ事業 マーケティング事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
セキュリティ事業 1,474 91.4 146 109.2 9.9
マーケティング事業 140 8.6 -12 -9.2 -8.8

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、純粋持株会社である当社(株式会社バルクホールディングス)、連結子会社4社(株式会社バルク、株式会社CEL、株式会社サイバージムジャパン、Strategic Cyber Holdings LLC)及び関連会社1社で構成されており、セキュリティ事業を主たる事業としております。(2025年3月31日現在)

(注)2024年7月1日付でマーケティング事業を単独で営んでいた株式会社MSSが、当社保有株式の一部譲渡及び同社を株式交換完全子会社とする株式交換によって当社のグループ会社に該当しなくなったことに伴い、マーケティング事業セグメントの廃止を予定しております。

 

(1)セキュリティ事業

①サイバーセキュリティソリューション

 サイバーセキュリティトレーニング、トレーニングアリーナ提供、脆弱性診断サービス、情報漏えい調査を中心とするトータルサイバーセキュリティソリューションを提供しております。

(主な関係会社)株式会社サイバージムジャパン、株式会社CEL、株式会社バルク

 

②情報セキュリティコンサルティング

 プライバシーマーク認定コンサルティングやISO27001(ISMS)認証コンサルティング等の取得・更新・運用支援をはじめとする情報セキュリティ強化のための各種コンサルティングサービスを提供しております。

(主な関係会社)株式会社バルク、株式会社サイバージムジャパン

 

(2)マーケティング事業

①マーケティングリサーチ

 新製品等開発のためのユーザーニーズ調査、ブランドイメージ調査、CS(顧客満足度)調査、ES(従業員満足度)調査、CM浸透度調査、Webサイト調査及びその他各種意識調査、並びにこれらに関する分析サービス等を提供しております。

 インターネット調査、グループインタビュー調査、街頭調査及び訪問面接調査等の各種調査手法によるクライアントのニーズに合わせたオーダーメイド型の調査・分析サービスを特徴としております。

(主な関係会社)株式会社MSS

 

②セールスプロモーション、広告代理

 主に食品関連の小売業界、メーカー、物流企業に対して、各種セールス企画、キャンペーン企画及びその事務局運営、イベント企画、販促用フリーペーパーの企画制作、ノベルティ制作等の幅広い領域でセールスプロモーション活動の支援等を行っております。

(主な関係会社)株式会社MSS

 

③SDGsソリューション

 SDGsコンサルティング等のSDGs関連サービスを提供しております。

(主な関係会社)株式会社MSS

 

 なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度においても、世界情勢の変化による急激な為替の変動や世界的な原材料価格の高騰等を受けて、景況感の悪化傾向が続いております。また、ロシア・ウクライナ戦争に加え、イスラエルとイスラム組織ハマスやイスラム教シーア派組織ヒズボラとの大規模軍事衝突が発生し、地政学的リスクの高まりを受けて、世界的に先行きが不透明な状況となっております。

 サイバーセキュリティ市場につきましては、データサプライチェーンやデータセンターに対するランサムウェア攻撃を含むサイバー攻撃や、地政学的な緊張の高まりを背景とするサイバー攻撃など高度化・多様化・激化したサイバー攻撃の脅威が世界的にますます深刻化し、セキュリティ対策需要は引き続き拡大傾向にあります。アタックサーフェス(攻撃対象領域)における、サプライチェーンやクラウドのセキュリティリスクも顕著となり、今後も生成AIの普及によるものや、近年被害が増加しているOT環境を狙った攻撃、社会的・政治的な攻撃などを含め、巧妙なサイバー攻撃が世界的に急増することが想定され、同市場は中長期的な拡大が見込まれます。

 IDC Japanによるセキュリティ市場に関する最新予測(2024年3月発表)では、2024年に国内の市場規模が初めて1兆円を突破し、前年比7.6%増の1兆455億円に達すると推定され、警察庁が公表した2023年の国内サイバー犯罪レポートにおいても、フィッシング報告件数は約119万件、不正送金発生件数は5,578件(前年比391%増加)、被害総額も約87.3億円(前年比474.6%増加)となり、総務省所管の情報通信研究機構(NICT)が運用する観測網において確認された2023年のサイバー攻撃関連の通信数は6,197億パケットで、2015年の632億パケットと比較して9.8倍となっております。国家安全保障戦略などの防衛3文書のうち新たな防衛力整備計画では2023年度以降の5年間でサイバー領域における能力強化にも1兆円が配分される予定となっており、民間企業においても、米グーグル社がアジア太平洋地域における同社初のサイバー防衛拠点を国内に開設し、日本をハブとして同地域全体のサイバー防衛力を底上げするなど、一般社員のDX人材への転換やサイバーセキュリティに長けた専門人材の採用・育成の取り組みが活発化しております。

 このような経営環境の下、当社グループは、セキュリティ事業の事業拡大と収益性向上に向けて、特にサイバーセキュリティ分野での事業モデルの強化に向けた取組みを推進し、ソリューションの新規開発・強化、事業パートナーとの連携、及びエンジニア部門やマーケティング部門の強化等に注力いたしました。これらの取組みに加え、迅速な事業のスケール化を実現するため、M&A・資本業務提携先の模索、候補先企業との協議を進めております。

 また、当社グループ内においてマーケティング事業を単独で展開していた当時の連結子会社である株式会社MSS(東京都港区、代表取締役社長 藤田圭介、以下「MSS社」といいます。)を、データ解析とAIに強みを持ちデジタルマーケティング支援やSNS事業を展開する包括業務提携先のデータセクション株式会社(東京都品川区、代表取締役社長CEO 石原紀彦、以下「DS社」といいます。)グループに包括業務提携の一環として融合するとともに、セキュリティ事業に経営資源を集中投下することが、当社グループの企業価値向上に資すると判断し、DS社を相手先とするMSS社の株式譲渡及び株式交換を実行することといたしました。2024年7月1日付でこれらの効力が発生したことから、同日付で当社はMSS社を連結の範囲から除外しております。

 

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,605百万円(前期比27.4%減)、営業損失270百万円(前期は営業損失257百万円)、経常損失272百万円(前期は経常損失259百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益598百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失309百万円)となりました。

 

 

(1) 事業別概況

 セグメント別の営業状況(セグメント間の内部取引消去前)は、次のとおりであります。

 

(セキュリティ事業)

 サイバートレーニングソリューションについては、事業拡大及び収益性向上を図るため、トレーニングのリモート提供、日本独自の新規プログラム開発、新規分野へのトレーニング提供、トレーニング施設『CYBERGYMアリーナ』の新設等を推進しております。前期までに事業パートナーとも連携し、国内10カ所にCYBERGYMアリーナを開設いたしました。当期においても株式会社アイルミッション(横浜市西区、代表取締役社長 辻高志)と金融機関向けIT・OTトレーニングシステムも配備したCYBERGYMアリーナを共同開設するとともに、ひろぎんITソリューションズ株式会社(広島市中区、代表取締役社長 柳田剛)と中国・四国地方初のCYBERGYMアリーナを共同開設し、その他にも各事業パートナーとのプロジェクトや協議が進捗しております。また、サービス提供実績の積み上げとブランド力の向上等により、官公庁や大手企業を始めとする様々な顧客からの大型案件も増加し、併せて継続的な受注やリピート案件も増加いたしました。

 セキュリティ診断・調査ソリューションについては、セキュリティ対策ニーズの高まりを受け、売上・受注とも堅調に推移いたしました。そのなかでも、AIを応用した『ImmuniWeb®AIPlatform』の引き合いが引き続き強く、ダークウェブ等調査『ImmuniWeb®Discovery』の受注・引き合いも拡大しております。今後は、年間を通じて脆弱性診断を回数無制限で実施可能な完全AI主導型の新ソリューション『ImmuniWeb®Neuron』を中心にImmuniWebシリーズのラインナップ増加を含め、更なる高付加価値ソリューションの拡充を図るとともに、CaptureTheFlag(CTF)の継続的な主催や関連イベントのスポンサー参画なども通じて業界内での地位を高め、拡大する需要を取り込むためにホワイトハッカー人材の増強を推進いたしました。また、日本を筆頭にアジア太平洋地域のサイバーセキュリティ対策の高度化を支援し、安全なデジタル社会の実現に貢献するため、当社子会社の株式会社CEL(東京都港区、代表取締役 中本有哉、以下「CEL社」といいます。)において、アジア地域の最新の脅威情報を元にした高度なサイバーセキュリティサービスを提供するためにアジア地域を代表するオフェンシブセキュリティ企業であるE-CQURITY PTE. LTD.(シンガポール、Founder & CEO Phuong D Nguyen、以下「ECQ社」といいます。)と戦略的業務提携契約を、アジア太平洋地域の高度標的型攻撃(APT攻撃)に関する優れた研究実績と知見をもつセキュリティ企業であるTEAM T5, INC.(台湾・台北市、Founder & CEO 蔡松廷 Sung-ting Tsai。以下、「TeamT5社」といいます。)とパートナー契約をそれぞれ締結し、CEL社、ECQ社及びTeamT5社における3社間の連携を深化いたしました。

 情報セキュリティ規格(プライバシーマーク、ISO27001等)のコンサルティングサービスについては、自社開発のITツール「V-Series」の活用などを通じた競合他社との差別化や協業先との連携強化により、新規取得案件、更新案件ともに引き続き堅調に推移いたしました。このコンサルティングサービスによる事業基盤を各種サイバーセキュリティソリューションの展開に活用するとともに、同サービスと連携したサイバーリスクを可視化するセキュリティリスク分析サービス『V-sec』の提供、JIS関連の改正に伴い拡大する事業機会の獲得に、引き続き注力いたしました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,474百万円(前期比3.7%増)となりました。

 

(マーケティング事業)

 マーケティングリサーチ部門、セールスプロモーション・広告代理部門とも中長期的な安定収益の確保及び成長の実現を目指し、引き続き、きめ細かい対応と最適なソリューション提供を通じたターゲット顧客との強固かつ広範な関係構築を推進いたしました。また、リサーチコンサルティング(オーダーメイド型の調査企画・設計・分析・実査)による顧客のマーケティング戦略や事業戦略上の課題解決の支援に注力するとともに、顧客のプロモーション活動を総合的にバックアップするため、常に最新のトレンドやマーケットニーズを見極めながら、最新のSPツールや長期にわたる企画・制作・編集実績を活かし、顧客企業と消費者の双方のニーズを満たす効果的な広告や販促プランの提案に努めました。これらの従来からの取組みに加え、有力な外部パートナーとも連携し、SDGsの具現化に向けたソリューションやインバウンドマーケティング・越境ECサービスの開発・提供などを推進いたしました。

 マーケティングリサーチ部門においては、主要顧客を中心とした複数案件化やカスタマーエクスペリエンスの最適化に向けた各種ソリューションの提供を推進し、リサーチ業務の受注が堅調に推移いたしました。セールスプロモーション・広告代理部門においても、きめ細かい対応と新規提案によって、デジタルマーケティング関連の受注が堅調に推移いたしました。また、学術的根拠に基づくSDGs対応戦略の加速と産業界の活性化を目指すため、慶應義塾大学SFC研究所xSDG・ラボ(代表:蟹江憲史)との共同研究『中小企業を念頭に置いたSDGs認証制度の機築と社会実装』を開始しております。

 以上の結果、当連結会計年度における売上高は139百万円(前期比82.8%減)となりました。

 

 なお、上記のとおり、当社グループ内でマーケティング事業を単独で営んでいたMSS社を2024年7月1日付で連結の対象から除外したことから、当連結会計年度における同事業の業績には、同年6月30日までのものが反映されております。

 

 

 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 ①生産実績

 当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 ②受注実績

 当連結会計年度におけるセキュリティ事業の受注実績は、次のとおりであります。なお、マーケティング事業の受注実績は、当連結会計年度において当社グループ内で単独で営んでいた株式会社MSSを2024年7月1日付で連結の対象から除外したことから記載を省略しております。

セグメントの名称

受注高(千円)

受注残高(千円)

セキュリティ事業

1,475,506

254,635

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 ③販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

増減

金額

(千円)

金額

(千円)

金額

(千円)

前年同期比

(%)

セキュリティ事業

1,417,766

1,466,640

48,874

3.4

マーケティング事業

794,275

138,442

△655,833

△82.6

合計

2,212,041

1,605,082

△606,959

△27.4

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 当連結会計年度のマーケティング事業において、販売高が減少しております。これは、受注実績と同様の理由により、株式会社MSSを2024年7月1日付で連結の対象から除外したこと等によるものであります。

3 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。

 

(2) 財政状態

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて173百万円増加し、1,305百万円となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末に比べて242百万円減少し、721百万円となりました。これは、現金及び預金が50百万円増加した一方、受取手形、売掛金及び契約資産が311百万円減少したことなどによります。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べて418百万円増加し、583百万円となりました。これは、投資有価証券が477百万円増加したことなどによります。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べて248百万円減少し、340百万円となりました。これは、買掛金が67百万円、短期借入金が127百万円、未払金が26百万円減少したことなどによります。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べて236百万円増加し、428百万円となりました。これは、繰延税金負債金が278百万円増加したことなどによります。

 純資産は、前連結会計年度末に比べて185百万円増加し、536百万円となりました。これは、資本金及び資本剰余金が新株予約権の行使により、それぞれ14百万円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益598百万円の計上により、利益剰余金が598百万円増加した一方、有価証券評価差額金441百万円の減少を計上したことなどによります。

 以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の30.3%から40.5%となり、1株当たり純資産は26円80銭から40円92銭となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ50百万円増加し、265百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

[営業活動によるキャッシュ・フロー]

 営業活動の結果、使用した資金は86百万円となりました。増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益887百万円、売上債権の減少251百万円、減少の主な内訳は、関係会社株式売却益1,207百万円であります。

[投資活動によるキャッシュ・フロー]

 投資活動の結果、得られた資金は232百万円となりました。収入の主な内訳は、連結の範囲の変更を伴う関係会社株式の売却による収入248百万円、貸付金の回収による収入261百万円、支出の主な内訳は、貸付けによる支出260百万円であります。

[財務活動によるキャッシュ・フロー]

 財務活動の結果、使用した資金は94百万円となりました。収入の内訳は、長期借入れによる収入50百万円、株式の発行による収入29百万円、支出の主な内訳は、短期借入金の純減額127百万円、長期借入金の返済による支出46百万円であります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性について

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、第2「事業の状況」4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(3)キャッシュ・フローに記載のとおりであります。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。

 

 

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

自己資本比率(%)

20.0

35.3

49.3

30.3

40.5

時価ベース自己資本比率(%)

511.1

357.9

272.3

285.2

157.5

キャッシュ・フロー対有利子

負債比率(年)

1.0

インタレスト・カバレッジ・

レシオ(倍)

30.4

(注)1 自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

2 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

3 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

4 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

5 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

6 2021年3月期、2022年3月期、2024年3月期及び2025年3月期につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは記載しておりません。

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択、適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績及び現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4. 会計方針に関する事項」に記載しております。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

繰延税金資産の回収可能性

 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

固定資産の減損処理

 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

投資有価証券の評価

 当社グループは、市場価格のない株式等については、実質価額が著しく低下した場合は、回収可能性を考慮して減損処理を行っております。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1 報告セグメントの概要

(1)報告セグメントの決定方法等

 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的な検討を行う対象となっているものであります。

 当社グループは、各事業別に包括的な戦略を立案して事業活動を展開しております。従って、当連結会計年度におきましては、「セキュリティ事業」及び「マーケティング事業」の2つを報告セグメントとしております。

(2)各報告セグメントに属する製品及びサービスの内容

 「セキュリティ事業」では、主にセキュリティコンサルティングサービス、サイバーセキュリティトレーニングソリューション、脆弱性診断・ペネトレーションテストサービス及びその他サイバーセキュリティソリューションを提供しております。

 「マーケティング事業」では、主にマーケティングリサーチサービス及びセールスプロモーションサービスを提供しております。

 

2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、棚卸資産の評価基準を除き、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。

 棚卸資産の評価については、収益性の低下に基づく簿価切下げ前の価額で評価しております。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。

 

3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

合計

調整額

(注)

連結財務諸表

計上額

 

セキュリティ事業

マーケティング事業

売上高

 

 

 

 

 

顧客との契約から生じる収益

1,417,766

794,275

2,212,041

-

2,212,041

その他の収益

-

-

-

-

-

外部顧客への売上高

1,417,766

794,275

2,212,041

-

2,212,041

セグメント間の内部売上高又は振替高

4,236

19,148

23,384

△23,384

-

1,422,002

813,423

2,235,425

△23,384

2,212,041

セグメント利益

65,635

89,033

154,668

△411,925

△257,257

セグメント資産

845,788

341,366

1,187,154

△55,436

1,131,718

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

19,172

3,515

22,688

18,082

40,771

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

7,264

3,582

10,847

9,057

19,904

(注)1 外部顧客への売上高の調整額は、主に報告セグメントに帰属しない外部顧客への売上高であります。

2 セグメント利益の調整額は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

3 セグメント資産の調整額は、セグメント間の取引消去△749,674千円、各セグメントに配分していない全社資産694,237千円であります。

4 減価償却費の調整額は、報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

5 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

6 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、主に報告セグメントに帰属しない有形固定資産及び無形固定資産の増加額であります。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

合計

調整額

(注)

連結財務諸表

計上額

 

セキュリティ事業

マーケティング事業

売上高

 

 

 

 

 

顧客との契約から生じる収益

1,466,640

138,442

1,605,082

-

1,605,082

その他の収益

外部顧客への売上高

1,466,640

138,442

1,605,082

-

1,605,082

セグメント間の内部売上高又は振替高

7,608

1,121

8,729

△8,729

-

1,474,248

139,563

1,613,812

△8,729

1,605,082

セグメント利益又は損失(△)

145,542

△12,223

133,319

△403,555

△270,236

セグメント資産

525,587

-

525,587

779,543

1,305,131

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

22,232

612

22,844

492

23,336

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

16,822

7,268

24,090

3,782

27,872

(注)1 外部顧客への売上高の調整額は、主に報告セグメントに帰属しない外部顧客への売上高であります。

2 セグメント利益又は損失の調整額は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

3 セグメント資産の調整額は、セグメント間の取引消去△272,925千円、各セグメントに配分していない全社資産1,052,468千円であります。

4 減価償却費の調整額は、報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

5 セグメント利益又は損失は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

6 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、主に報告セグメントに帰属しない有形固定資産及び無形固定資産の増加額であります。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

1 製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2 地域ごとの情報

(1)売上高

 本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

 本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3 主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため、記載しておりません。

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

1 製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2 地域ごとの情報

(1)売上高

 本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

 本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3 主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため、記載しておりません。

 

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額

合計

セキュリティ事業

マーケティング

事業

合計

減損損失

-

-

-

33,705

33,705

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額

合計

セキュリティ事業

マーケティング

事業

合計

減損損失

30,345

-

30,345

3,290

33,635

 

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額

連結財務諸表

計上額

 

セキュリティ事業

マーケティング

事業

合計

当期償却額

-

4,746

4,746

-

4,746

当期末残高

-

18,984

18,984

-

18,984

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額

連結財務諸表

計上額

 

セキュリティ事業

マーケティング

事業

合計

当期償却額

-

1,186

1,186

-

1,186

当期末残高

-

-

-

-

-

 

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 該当事項はありません。