2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    641名(単体) 7,249名(連結)
  • 平均年齢
    42.7歳(単体)
  • 平均勤続年数
    13.5年(単体)
  • 平均年収
    5,766,973円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    5.9%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

①人材戦略

 当社は「2035年度にグループ連結売上高1兆円、5,000店舗達成」という長期ビジョンのもと、国内外での事業急拡大を牽引する人材の確保を最優先課題としています。

1.次世代リーダーの育成(マネジメント層)

 組織規模の拡大に対応するため「配転教育制度」を戦略的に活用しています。事業間異動を通じ、現場主義に基づく幅広い知見と多角的な経営視点を備えたマネジメント人材を早期に育成します。

2.専門性の深化と競争優位の確立(専門人材)

 「キャリアディベロップメントプログラム」を通じ、海外事業経験者、リユース関連の高度な専門知識及びEC・マーケティングに精通した人材を計画的に育成・確保し、独自の競争優位性を構築します。

3.現場力の最大化と多様な働き方の推進

 当社の成長の源泉は「店舗」にあります。臨時従業員の職務スキルを可視化・数値化し、適切な評価と教育機会を提供することで、現場力の最大化を図ります。これらの施策に加え、従業員が豊かさや楽しさを感じられる環境整備や、多様な価値観を認める風土醸成を通じて、人材の定着率と生産性の向上を目指します。誰もが自分らしく挑戦し続けられる環境こそが、長期ビジョン達成の原動力であると考えています。

 

②従業員の給与等の額及び内容の決定に関する方針

 当社の報酬体系は、年齢に捉われず、個々の能力を基軸に自律的な能力開発を行った上で行動発揮しそれによって、組織貢献度を高めた方に対して適切に反映することを基本方針としています。

1.正社員の評価と報酬への反映

 「MBO-S(目標と自律によるマネジメント)」を導入し、期初に設定した目標に対する「成果評価」と等級ごとの人材要件に応じた多面的な行動特性を示す「コンピテンシー評価」の二軸で評価を行い、報酬へ反映しています。

2.等級制度と昇格プロセスの透明性

 等級の昇格においては、直属上長による評価に加え、昇格試験により筆記試験や他部署の上長による面接を実施しています。「知識」「行動発揮」「挑戦意欲」を等級別要件に照らして客観的に判定するとともに、試験を通じて各社員が次なる等級で求められる「成長課題」を明確化し、自律的なキャリア形成を支援する仕組みとして運用しています。

3.臨時従業員の処遇改善

 臨時従業員についても、可視化された職務スキルの習得度合い(スキル習熟度)に基づく昇給制度を運用しています。これにより、店舗におけるオペレーション品質の向上と、従業員のモチベーション向上・定着率強化を同時に実現しています。

 

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社の状況

セグメント情報を記載していないため、事業部門別の従業員数を示すと次のとおりであります。

 

2026年3月31日現在

事業部門の名称

従業員数(名)

セカンドストリート事業

3,348

(5,617)

ゲオ事業

1,544

(3,200)

ラグジュアリー事業

319

(10)

店舗運営支援部門

84

(287)

グループ経営企画・管理部門

641

(95)

その他

1,313

(408)

合計

7,249

(9,617)

(注)1.従業員数は就業人員であり、( )内に臨時雇用者数(1日8時間換算)を外数で記載しております。

2.当連結会計年度より事業部門の区分を変更したため、前連結会計年度末比増減については、前連結会計年度の数値を変更後の区分に組み替えて比較しております。

3.セカンドストリート事業の従業員数が前連結会計年度末に比べて349名増加しましたのは、主として出店に伴う従業員の新規採用によるものであります。

4.その他の事業部門の従業員数が前連結会計年度末に比べて171名、臨時雇用者数が106名増加しましたのは、主としてデジタルコンテンツの販売の事業拡大に伴い採用が増加したこと、及び株式会社セカイズを連結子会社としたためであります。

 

②提出会社の状況

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(才)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

641

(95)

42.72

13.51

5,766,973

5.9

(注)1.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

2.従業員数は就業人員であり、( )内に臨時雇用者数(1日8時間換算)を外数で記載しております。

3.提出会社の従業員はすべて、グループ経営企画・管理部門に所属しております。

 

③最大人員会社の状況

a.当事業年度における従業員数が最も多い会社

㈱セカンドストリート

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(才)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

2,261

(5,052)

32.94

6.49

4,587,120

4.8

(注)1.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

2.従業員数は就業人員であり、( )内に臨時雇用者数(1日8時間換算)を外数で記載しております。

 

b.上記aの会社の次に従業員数が多い会社

㈱ゲオストア

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(才)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

1,248

(3,121)

41.83

13.03

4,820,529

4.2

(注)1.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

2.従業員数は就業人員であり、( )内に臨時雇用者数(1日8時間換算)を外数で記載しております。

 

④労働組合の状況

 当社グループには、ゲオグループ労働組合とゲオユニオンが組織化されており、前者は全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟(UAゼンセン)に、後者はものづくり産業労働組合(JAM)に加盟しております。なお、労使関係は円滑に推移しており特記すべき事項はありません。

 

⑤管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

a.提出会社

当事業年度

管理的地位にある労働者に占める女性労働者割合(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

11.7

88.9

60.1

67.0

91.3

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を伴う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

b.主要な連結子会社

当事業年度

名 称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者割合

(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業取得率

(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

(株)ゲオ

12.5

37.5

52.9

76.2

95.5

(株)ゲオストア

0.0

100.0

80.7

81.6

100.6

(株)セカンドストリート

4.0

66.7

78.3

87.9

100.5

(株)おお蔵ホールディングス

21.4

20.0

74.9

73.9

98.8

(株)ゲオネットワークス

9.4

80.0

78.3

78.6

109.5

(株)viviON

6.7

66.7

77.7

76.8

97.0

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を伴う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

(労働者の男女の賃金の額の差異に関する補足説明)

「労働者の男女の賃金の額の差異」において、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。

当社の等級、評価、賃金制度においては、等級ごとに求められる要件を明確に定義し、性別を含む特定の属性に左右されない個人の能力に基づく評価と昇格を実施しております。

しかしながら、管理職などの上位等級における女性の割合が依然として少ない状況、そして全女性労働者に占めるパート・有期労働者の割合が高いことなどが男女間の賃金差異の主な要因となっております。

今後、等級別の人員構成及び昇格者の状況を継続的にモニタリングするとともに、女性の活躍を推進するための施策の実施、管理職への登用と育成支援体制の構築、パート・有期労働者から正規雇用労働者への積極的な転換などを推進し、男女間の賃金差異の解消を図ってまいります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)ゲオグループのサステナビリティ

 当社グループは、「豊かで楽しい日常の暮らしを提供する」ことを企業理念に掲げ、その実現に向けて日々取り組んでいます。「世の中の価値あるモノを循環させ、再配分することで人々の暮らしの豊かさを追求してゆく」という当社グループの挑戦は、創業以来の土台であるレンタル事業や、現在の成長を牽引するリユース事業として具現化されています。

 環境の変化が激しさを増し、地球規模での持続的成長が求められる今日、企業には事業成長のみならず社会的な価値の創造が不可欠となっています。このような背景から、当社グループは、重要経営課題のひとつとして「循環型社会の実現・促進」を掲げました。循環型事業であるリユース事業やレンタル事業の成長が、限りある“モノ”を循環させることによって、必要とされている場所へ送り届ける顧客体験価値を創出し、持続可能な社会の実現に貢献するものと考えています。

 さらに、当社グループでは「サステナビリティ基本方針」を定めており、同方針に沿って特定したマテリアリティに基づき、「環境」「人権」などに関する個別の方針を実行することで、サステナビリティ経営を推進します。

 

①ガバナンス

 当社グループでは、2024年8月よりサステナビリティ委員会を設置しました。本委員会は、企業理念である「豊かで楽しい日常の暮らしを提供する」ことを実現するための一助として機能し、持続可能な社会の実現への貢献をさらに推進するための機関です。

 本委員会は、当社グループの持続可能な企業活動の推進を目的としています。環境・社会への配慮や多様性の尊重などを定めた行動指針を規定するとともに、代表取締役社長を委員長とし、常勤役員、執行役員および委員長が任命した委員によって構成されています。

 本委員会は、原則として年4回開催され、マテリアリティ目標(KGI・KPI)の進捗モニタリングや、環境リスク重要度の評価など、当社グループにおけるサステナビリティに関わる取組の意思決定機関として機能します。

 また取締役会と密接に連携し、当社グループのサステナビリティ経営に関する重要事項について協議・報告・提言を行うことで、経営層の意思決定を支援しています。

 さらに、本委員会の下部組織として、複数の分科会を設置し、環境・社会・ガバナンスに関する方針や指標の策定、各部署の取組に対するモニタリングの結果を事務局にて取りまとめ、定期的な報告や進捗管理を実施しています。

 加えて、当社子会社および関連会社においても、グループ全体のリスク特性に応じた柔軟な管理を行うことで、総合的なサステナビリティ推進体制を整えています。

 

 

②戦略

 当社グループは、「“モノ”を不要な場所から必要な場所へ」をテーマに、さまざまな循環型事業を通して、持続可能な社会の実現に取り組んでいます。

 社会課題や取り巻く環境が変化し続けるなかで、中長期的な企業価値創造と持続的な成長を両立させるため、以下のプロセスによりサステナビリティに関するマテリアリティを特定し、これらに対応する戦略を推進しています。

 

■ ゲオグループの最重要課題

 当社グループでは17のESG課題を抽出し、その中からさらに6つの最重要課題を特定しました。特定された6つの最重要課題は以下の通りです。当社グループでは、これらの課題を中心に積極的かつ継続的に取り組むことにより、持続可能な社会への貢献と中長期的な企業価値向上を目指していきます。

 

<E:環境>

・循環型社会の実現・促進

・気候変動対応および資源節約・廃棄物削減

 

<S:社会>

・ダイバーシティ&インクルージョンの推進

・スペシャリストの育成とタレントマネジメントの推進

 

<G:ガバナンス>

・公正な取引の推進と健全な企業文化の醸成

・コーポレート・ガバナンスの強化

 

■マテリアリティの特定プロセス

 当社グループのマテリアリティは、以下のステップを経て特定されています。

 

STEP1.

 課題の特定にあたり、ESG評価機関の評価項目(MSCI、FTSE、SASB、GRIなど)におけるグローバルスタンダードより、候補となる課題、そして他社の取組について幅広く調査・検証を行い、経営層や当社グループの主要部門の意見も踏まえて課題候補を抽出しました。

 

STEP2.

 抽出した課題候補をサステナビリティ主管部署および主要部門の責任者、経営層が審議し、ダブル・マテリアリティの原則に基づき、「ステークホルダーにとっての重要性(当社活動が環境・社会に与える影響)」、「ゲオグループにとっての重要性(環境・社会課題が当社に与える財務的な影響)」の観点から分析し、優先度を評価しました。その結果、17のESG課題を選定し、マテリアリティマップを作成しました。

 

STEP3.

 選定した17のESG課題とマテリアリティマップは、取締役会にて審議・承認され、当社グループのマテリアリティとして特定されました。

 

マテリアリティマップ

 

③リスク管理

 当社グループは、サステナビリティに関わる全社的なマネジメント体制を構築し、関連するリスクと機会の適切な評価・管理に努めています。

 サステナビリティ委員会の下部組織である分科会は、原則として年4回開催され、環境・社会・ガバナンスの各重要テーマにおける活動方針や指標の策定、各部署の取組のモニタリングを実施し、その結果を事務局にて取りまとめ同委員会へ報告します。サステナビリティ委員会は、活動計画の承認や重要課題の審議、進捗・達成状況の評価を行い、取締役会へ報告・提言を行います。取締役会はこれらを受け、グループ全体のサステナビリティ方針を最終決定します。

 決定された方針に基づき、各事業会社においては、事業特性に応じたボトムアップおよびトップダウン双方のアプローチにより、特定されたサステナビリティ関連リスク・機会を継続的に管理しています。

 さらに今後は、これらのサステナビリティ関連リスクの評価・管理を、当社グループの全社的なリスク管理プロセスへ統合・連携し、リスクマネジメント活動の全般を統括する、より網羅的かつ一元的な管理体制の構築を推進していきます。

 

④指標と目標

 当社グループは、「②戦略」にて特定した最重要課題に対して、目指す姿とKGIを設定し、その進捗を継続的にモニタリングしています。各課題への積極的な取組を推進することで、持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値の向上に努めます。

 

最重要課題に対するKGIと実績

分類

最重要課題

KGI

目標

年度

実績

(2026年3月31日時点)

E

(環境)

循環型社会の実現・促進

グループ連結売上高

1兆円(1,000,000百万円)(注)1

2035

523,450

百万円

(注)1

気候変動対応および

資源節約・廃棄物削減

事業活動によるGHG削減貢献量

102,649t-CO2e

2035

61,647

t-CO2e

電力・資源の削減・再利用によるGHG排出量

38,780t-CO2e(2019年度比50%削減)

(注)2

2035

76,525

t-CO2e

S

(社会)

ダイバーシティ&

インクルージョンの推進

従業員エンゲージメント

トータルスコア70以上

2028

66

スペシャリストの育成と

タレントマネジメントの推進

(注)3

スペシャリストの人数

200名増加(2023年度比)

2030

116名増加

G

(ガバナンス)

公正な取引の推進と

健全な企業文化の醸成

全法人に対する法令や社内規程遵守

行政処分0件

毎年

0件

(注)4

コーポレート・ガバナンスの強化

取締役会および関連した機関の実効性評価

実施率100%

毎年

100%

(注)1.viviONグループはNMV(純流通取引総額)を売上高とみなして算出

2.電力・資源の削減・再利用によるGHG排出量は、目標設定時にベンチマークとした当社グループの国内主要事業、下記4社を対象とする

(株)ゲオホールディングス、(株)ゲオ、(株)ゲオストア、(株)セカンドストリート

3.スペシャリスト:当社の等級制度におけるS等級、M等級に該当

4.本集計期間経過後の2026年6月11日付で、2025年5月から同年11月に実施したモバイル商材の買取表示について、消費者庁より景品表示法第5条第2項に基づく措置命令を受けております

 

 

(2)気候変動に関する取組

 当社グループでは、事業活動によりさまざまなモノの循環を生みだすことで、GHG排出量の削減やエネルギーの効率化を図り、持続可能な社会の実現に向けた取組を実施しています。未来へ繋がる事業の実現を目指し、気候変動をはじめとする環境課題の解決に取り組んでいきます。

 また、当社グループの事業は、モノの価値を再発見し、環境負荷の軽減と経済の循環を同時に実現する取組であるという考えのもと、2025年2月に「ゲオグループ 環境方針」を制定しました。本方針において「循環型社会の促進・実現」や「気候変動への対応」などを掲げ、事業を通じた対策に努めています。

 

①ガバナンス

 「(1) ゲオグループのサステナビリティ ①ガバナンス」をご参照ください。

 

 

②戦略

■気候関連のシナリオ分析

 当社グループの財務に影響を及ぼす気候変動関連リスク・機会の特定にあたり、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)などのデータを基に、1.5℃(脱炭素化が進展するシナリオ)と4℃(温暖化が進行するシナリオ)の2つのシナリオ分析を実施しました。各シナリオ下で相対的に影響が顕在化しやすいと考えられる主要な気候変動関連リスク・機会に分析上の焦点を当てています。1.5℃シナリオでは、政策や市場の変化などに伴う移行リスク・機会を中心に評価を行っている一方、4℃シナリオでは、移行リスクの影響は抑制的、あるいは生じないとの想定のもと評価を行っています。

 

シナリオの定義

対象期間  :2035年を中心とした世界を想定

対象範囲  :当社グループ主要事業会社

       (株)ゲオホールディングス、(株)ゲオ、(株)ゲオストア、(株)セカンドストリート、

       (株)おお蔵ホールディングス、(株)OKURA、(株)BANK OKURA

参照シナリオ:1.5℃においてはIEA NZE、IPCC RCP1.9など

       4℃においてはIEA STEPS、IPCC RCP8.5など

 

シナリオの世界観

 

[1.5℃](脱炭素化が進展したシナリオ)

気象災害:4℃シナリオ比では抑制的だが、現状よりも激甚化が進行

炭素価格:GHG排出規制の強化により、炭素価格が上昇

規制対応:排出・省エネ規制の世界的強化に伴い、低炭素移行計画への投資コストが増大

市場変化:環境意識の成熟により、サーキュラーエコノミーが主流化

金融市場:ESG投資の拡大により、脱炭素に積極的な企業への投資・融資が加速

 

[4℃](温暖化が進行したシナリオ)

気象災害:豪雨・洪水の頻度と降水量が大幅に増加し、拠点対策やBCP対策コストが増加

運営費用:平均気温の上昇に伴い夏季の冷房負荷が増大し、店舗運営における光熱費が大幅に増加

資源価格:炭素税の影響は限定的だが、供給不安定や採掘環境の悪化によりエネルギー単価が上昇

需要変容:冬季の短縮や平均気温上昇により、冬物衣料・冬物家電などの季節需要が停滞

金融市場:社会的な対策意識は1.5℃比で低いものの、企業のレジリエンスへの選別投資が加速

 

 

 

当社グループにおいて想定される気候変動関連のリスクと機会

気候変動リスク・機会

発現時期

影響度

主な対応策

1.5℃

4℃

物理的

リスク

急性

自然災害の頻発化・激甚化による店舗修繕費や在庫被害額の増加

長期

・災害時マニュアルなど、防災対策の見直し・強化

・ハザードマップを活用した出店戦略のリスク評価

・災害危険区域における在庫保管方法の見直し

自然災害の頻発化・激甚化による店舗休業やサプライチェーンの寸断に伴う売上の減少

長期

・POSレジ停止時対応など、自社店舗へのBCP策定と定期的な改定

・災害時マニュアルなど、防災対策の見直し・強化

・取引会社(仕入先など)との連携強化

・サプライチェーンに関するBCPの策定および定期的な見直し

・ハザードマップを活用した出店戦略のリスク評価

慢性

平均気温上昇による、夏季の空調に用いるエネルギー消費量の増加

中期

・LED照明・断熱設備・効率の良い空調機器など、省エネ設備の導入

・空調の設定温度見直しやこまめな電気のオン/オフなど、節電意識の強化

・デマンドコントロール型空調管理システムの拡充

・オンサイトPPAなど、自社調達電力の拡充

自然災害の頻発化・激甚化に伴う、保険料の増加

長期

・ハザードマップを活用した出店戦略のリスク評価

・補償内容の見直しによる保険料の最適化

平均気温上昇による冬物衣料や家電などの売上減少

長期

・季節商材・売れ筋商材の分析、及び取り扱い商材の展開数量・方法の見直し

・通年商材の強化

移行

リスク

政策・

法規制

炭素税や排出量取引制度の導入・強化による自社の店舗運営コストや、配送コストの増加

中期

・廃棄物の排出抑制および再資源化の推進

・オンサイト型PPAなど、自社調達電力の拡充

・グループチェーンおよび他社と連携した共同配送などによる配送効率化

プラスチック規制の強化に伴う、代替素材使用による梱包資材費の増加

中期

-

・商品や梱包材への価格転嫁

・梱包様式の最適化

・交渉による梱包素材費用削減

電力会社の電源構成の変化によるエネルギー単価の増加

中期

-

・LED照明・断熱設備・効率の良い空調機器など、省エネ設備の導入

・空調の設定温度見直しやこまめな電気のオン/オフなど、節電意識の強化

・デマンドコントロール型空調管理システムの拡充

・オンサイト型PPAなど、自社調達電力の拡充

機会

製品・

サービス

環境意識の高まりを受けたサーキュラーエコノミーの拡大に伴う、リユース品の普及と買いやすさによる顧客の増加

長期

・当社ビジネスとサーキュラーエコノミーの親和性についての発信強化

・リユース企業として知名度・ブランド力の向上につながる情報発信強化

・リユース体験のタッチポイント拡充

評判

環境への積極的な取組、適切な情報開示による企業価値の向上や資金調達面での優遇

中期

-

・ESG情報開示の枠組みに沿った企業情報の積極開示

・環境問題へ取り組むイニシアチブへの賛同表明

・非財務情報に対する第三者機関からの保証やサステナビリティに関する認定取得

(注)1.発現時期の定義:2030年までに発現するものを短期、2035年までを中期、2036年以降を長期と分類

2.影響度の算定:大・中・小の分類はIEA、IPCCなどの外部資料及び当社データを用いて定量的な影響も検討しつつ、定性評価を実施

 

気候変動関連のリスク・機会に対する財務影響については、当社WEBサイトにて開示しています。

https://www.geonet.co.jp/pdf/2026/260624_climate-change.pdf

 

 

■リスク・機会への対応策

シナリオ分析の結果、特定した重要リスクおよび機会に対する当社グループの認識と今後の対応策は以下の通りです。

 

エネルギーコスト上昇への対応

 1.5℃シナリオにおける脱炭素移行に伴うエネルギー単価の上昇、および4℃シナリオにおける気温上昇に伴う冷房負荷の増大は、店舗型ビジネスを展開する当社グループにとって共通の重要なリスクであると認識しています。これらのリスクに対し、当社グループは店舗へのLED照明設置や、高効率空調機器の導入や断熱設備の採用による断熱性能の向上を順次拡大し、設備面からの省エネ投資を加速させます。さらに、空調設定温度の最適化や徹底した節電意識の醸成といった運用面の取組を並行して推進し、ハード・ソフト両面からエネルギー効率の最大化に努めます。

 また、2024年より一部店舗へ導入を開始したオンサイトおよびオフサイトPPAの対象店舗を拡大することで、電力価格の変動リスクを低減しつつ、事業成長とGHG排出削減の両立を図ります。

 

事業成長と信頼強化

 1.5℃シナリオを中心に加速するサーキュラーエコノミーへの転換は、リユース・オフプライス事業を展開する当社グループにとって極めて大きな成長機会です。不要になったモノに新たな価値を与え、循環させる当社の事業活動そのものが、社会全体のGHG削減に直接貢献するものであるという、ビジネスモデルとサーキュラーエコノミーの高度な親和性について戦略的な発信を強化し、積極的な認知拡大を図っていきます。

 今後は、リユースの普及による顧客基盤の拡大に加え、独自の環境貢献価値を発信することで、リユース企業としての知名度およびブランド力を向上させ、持続的な事業成長へと繋げます。

 同時に、非財務情報の積極的な開示や、第三者機関からの保証取得、外部認定の獲得を推進し、客観性と透明性の高い経営体制を構築することで、ステークホルダーからのさらなる社会的信頼を獲得していきます。

 

 

③リスク管理

 サステナビリティ委員会の下部組織である環境分科会において、気候変動に関するリスク・機会についての評価と各部署の取組のモニタリングを実施します。同分科会では、気候変動や法規制などの環境関連リスクと機会の見直し要否を定期的に判断し、その結果を踏まえた認識の共有と、対応戦略に関する議論を行います。そのうえで、事業に与える影響度や発現時期を分析・評価し、リスクの特定を行います。

 特定された気候変動リスクの管理、ならびに当社グループの全社的なリスク管理プロセスへ統合・連携していくための体制および方針については、「1 ゲオグループのサステナビリティ ③リスク管理」をご参照ください。

 

④指標と目標

 当社グループは、リユース事業をはじめとする循環型事業を通じて社会全体のGHG排出量削減に貢献するとともに、自社の事業活動に伴う気候変動への影響を緩和するため、GHG排出量の削減を重要な指標として設定し、管理しています。

 

■ネットゼロ宣言と削減目標

 当社グループは、気候変動への対応を重要な経営課題と捉え、2050年までにGHG排出量実質ゼロ(ネットゼロ)を目指すことを宣言しています。この長期目標に向けたマイルストーンとして、以下の通り2035年度を期限とする中間目標を設定し、グループ全体で削減に取り組んでいます。

 

ネットゼロへ向けた削減目標

GHG排出量(注)

中間目標

目標年度

実績(2026年3月31日時点)

38,780t-CO2e

2019年度実績比50%削減

2035

76,525t-CO2e

(注)国内主要事業におけるScope1+2の排出量

目標設定時にベンチマークとした当社グループの国内主要事業、下記4社を対象とする

(株)ゲオホールディングス、(株)ゲオ、(株)ゲオストア、(株)セカンドストリート

 

■GHG排出量実績の推移

 気候変動対応の進捗を管理するため、当社WEBサイトにて直近のGHG排出量(Scope1・Scope2・Scope3)の実績推移を開示しています。

 

ゲオグループESGデータ

https://www.geonet.co.jp/csr/esg/

(3)人的資本経営・多様性に関する取組

 当社グループは「豊かで楽しい日常の暮らしを提供する」という企業理念のもと、その実現を支える事業の根幹は「人」にあると考えています。一人ひとりが感じる「豊かさ」や「楽しさ」が多様化する中で、世の中にその価値を広げていくためには、社会に生きる一人ひとりの多様な価値観に寄り添いながら「今、何をすべきか?」を追求し続けることが不可欠であり、そこに当社グループの仕事の楽しさがあると考えています。

 この追求を原動力として新たなサービスを生み出し続けるためには、一人ひとりが多様な価値観を持つ個人であることを認め、お互いの個性を伸ばすことのできる集合体であることが重要です。自らを取り巻く状況が変化を続ける中においても、従業員一人ひとりが知的好奇心を発揮し、自らの強みを追求してスペシャリストとなることで、それぞれの個性が掛け合わさり、どのような企業にも負けない唯一無二の価値を確立できると考えます。

 これらの考えのもと、当社グループは「ゲオグループ 人権方針」を定め、従業員一人ひとりの人権と個性が尊重され、最大限の能力を発揮できる安全で働きやすい職場環境の構築と、多様な働き方の推進に取り組んでいます。

 

①ガバナンス

 当社グループにおける人的資本の活用や多様性の推進に関する取組は、「グローバル組織開発室」および「GGU(ゲオグループ大学)人財教育部」の両部門が中核となり、連携して推進する体制を構築しております。

 「グローバル組織開発室」は、経営戦略に基づいた中長期的な組織設計をはじめ、将来の幹部やスペシャリスト候補の育成・最適配置を担っています。一方、「GGU人財教育部」は、企業内大学として従業員の自律的な学習とキャリア開発を支援する役割を担っています。

 これらの人事主管部門によって企画・立案および実行される人的資本戦略の各種施策や指標の進捗状況については、4半期ごとに定期的に経営層および取締役会へ報告・共有され、取締役会による実効性の高い監督が行われる体制となっています。

 

②戦略

 当社グループは、「2035年度にグループ連結売上高1兆円、5,000店舗達成」という長期ビジョンのもと、国内外での事業拡大を牽引する人材の確保および育成を最優先課題と位置づけています。持続的な企業価値の向上を図るべく、人材の多様性と専門性の拡充、ならびに最大限に能力を発揮できる組織風土の醸成を主眼とした人的資本経営を推進しています。

 具体的な重点施策として、次世代リーダーおよびスペシャリストの育成に取り組むとともに、従業員個々の習熟度を組織の実行力へと昇華させる現場力の最大化と多様な働き方の推進に注力しています。

 なお、当社の経営戦略と連動した人的資本の活用における戦略の詳細につきましては、「5従業員の状況等(1)人材戦略に関する基本方針等①人材戦略」をご参照ください。

 

③リスク管理

 人的資本戦略を主導する「グローバル組織開発室」および「GGU人財教育部」が連携し、当社グループの事業運営に伴う人材に関するリスクと機会の管理を行っています。経営戦略と連動した人材戦略のもと、国内外の事業拡大に必要な人材の確保や「配転教育」を通じた適材適所の配置、スペシャリストの育成施策を推進し、迅速な意思決定を行っています。また、半期に一度エンゲージメントサーベイを実施し、その結果から従業員の働きがいや組織風土の状況をモニタリングする仕組みを構築しています。

 

④指標及び目標

 当社グループは、上記「②戦略」において記載した人材の育成および社内環境整備に関する方針の実効性を高めるため、以下の指標と目標を設定しています。次世代を担うリーダーや唯一無二の価値を創造するスペシャリストの育成状況、ならびに多様な人材が能力を最大限に発揮するための土台となる従業員エンゲージメントを重要なKGIと位置づけ、実績のモニタリングを行っています。

 

人的資本経営における指標と目標

指標

内容

目標年度

目標値

実績

(2026年3月31日時点)

マネジメント候補者の

昇格状況

昇格人数

毎年

150名

293名

昇格時平均在籍年数

5年

5年11ヵ月

スペシャリスト人数

スペシャリストの人数

200名増加(2023年度比)

2030

200名増加

(467名)

116名増加

(383名)

エンゲージメントスコア

従業員エンゲージメント

トータルスコア

2030

70以上

66