人的資本
OpenWork(社員クチコミ)- 
                                        社員数235名(単体) 16,626名(連結)
- 
                                        平均年齢45.6歳(単体)
- 
                                        平均勤続年数18.1年(単体)
- 
                                        平均年収7,434,707円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
| (2025年3月31日現在) | 
| セグメントの名称 | 従業員数(名) | 前期末比増減 | ||
| 国内 | 海外 | 合計 | ||
| 加工食品 | 1,942 | 8,183 | 10,125 | 183 | 
| (1,908) | (-) | (1,908) | (69) | |
| 水産 | 153 | 591 | 744 | 54 | 
| (24) | (-) | (24) | (△16) | |
| 畜産 | 397 | - | 397 | △6 | 
| (57) | (-) | (57) | (△17) | |
| 低温物流 | 3,010 | 1,916 | 4,926 | 33 | 
| (434) | (-) | (434) | (△117) | |
| 不動産 | 15 | - | 15 | 2 | 
| (1) | (-) | (1) | (-) | |
| その他 | 179 | 11 | 190 | △19 | 
| (27) | (-) | (27) | (△2) | |
| 全社(共通) | 229 | - | 229 | △6 | 
| (5) | (-) | (5) | (-) | |
| 合計 | 5,925 | 10,701 | 16,626 | 241 | 
| (2,456) | (-) | (2,456) | (△83) | |
(注)1 「従業員数」は、当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの受入出向者を含む就業人員であります。
2 「従業員数」の下段( )内は、臨時従業員(パート・アルバイト等を含み、派遣社員を除く)の年間平均雇用人員で外書きしております。
3 「全社(共通)」に記載されている従業員数は、他のセグメントに区分できない企画・管理部門及び品質保証部門に所属しているものであります。
(2) 提出会社の状況
| 
 | 
 | (2025年3月31日現在) | |
| 従業員数(名) | 平均年齢(歳) | 平均勤続年数(年) | 平均年間給与(円) | 
| 235 | 45.6 | 18.1 | 7,434,707 | 
| セグメントの名称 | 従業員数(名) | 
| 不動産 | 6 | 
| 全社(共通) | 229 | 
| 合計 | 235 | 
(注)1 「従業員数」は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への受入出向者を含む就業人員であります。
2 「平均年間給与」は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3 「全社(共通)」に記載されている従業員数は、他のセグメントに区分できない企画・管理部門及び品質保証部門に所属しているものであります。
(3) 労働組合の状況
労使関係について特に記載すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
| 当事業年度 | ||||
| 管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1 | 男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2 | 労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1 | ||
| 全労働者 | 正規雇用 労働者 | 非正規雇用 労働者 | ||
| 27.1 | 100.0 | 72.1 | 75.4 | 47.3 | 
② 連結子会社
| 当事業年度 | |||||
| 名称 | 管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1 | 男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2、3 | 労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1 | ||
| 全労働者 | 正規雇用 労働者 | 非正規雇用 労働者 | |||
| ㈱ニチレイフーズ | 6.6 | 100.0 | 62.8 | 75.6 | 77.9 | 
| ㈱ニチレイフレッシュ | 4.3 | 100.0 | 73.6 | 73.7 | 66.9 | 
| ㈱ニチレイロジグループ本社 | 13.0 | 100.0 | 79.6 | 81.5 | 46.8 | 
| ㈱ニチレイバイオサイエンス | 25.0 | 100.0 | 64.3 | 87.6 | 56.8 | 
| ㈱ロジスティクス・ネットワーク | 4.2 | 136.4 | 76.7 | 77.7 | 58.7 | 
| ㈱ニチレイ・ロジスティクス東海 | 11.1 | 100.0 | 77.7 | 80.6 | 70.4 | 
| ㈱ニチレイ・ロジスティクス関西 | 7.1 | 125.0 | 76.0 | 74.1 | 76.2 | 
| ㈱ニチレイ・ロジスティクス中四国 | 0.0 | 100.0 | 79.7 | 79.7 | 57.9 | 
| ㈱ニチレイ・ロジスティクス九州 | 0.0 | 100.0 | 76.5 | 76.2 | 67.3 | 
| ㈱ニチレイ・ロジスティクスエンジニアリング | 0.0 | 100.0 | 78.1 | 76.8 | - | 
| ㈱キューレイ | 18.2 | 100.0 | 71.9 | 80.6 | 89.5 | 
| ㈱NKトランス | 0.0 | (注)4 | 85.6 | 89.9 | 55.9 | 
| ㈱名古屋ニチレイサービス | (注)5 | (注)5 | 75.0 | 77.7 | 69.5 | 
| ㈱九州ニチレイサービス | 0.0 | 100.0 | 71.6 | 71.1 | 71.1 | 
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
3 当事業年度に配偶者が出産した従業員数に対して、当事業年度に育児休業を取得した従業員数の割合を算出しております。なお、過年度に配偶者が出産した従業員が、当事業年度に育児休業を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがあります。
4 当事業年度に配偶者が出産した従業員数が0人に対して、当事業年度に育児休業を取得した従業員数は1人です。
5 公表していないため、記載を省略しております。
③ 男女の賃金差異についての補足説明(ニチレイグループ共通)
ニチレイグループでは全ての雇用形態において性別での賃金制度に違いを設けておりませんが、賃金差異があるため、雇用区分ごとに分析を行いました。
(イ)正規雇用労働者について
正規雇用労働者を分析した結果、一般社員での賃金差異は少なく、管理職層での差異が大きい結果となりました。これは男性に比べ女性の管理職数が少ないことが要因と捉えております。
ニチレイグループでは、グループ重要事項(マテリアリティ)として「多様な人財の確保と育成」を設けており、また、人財戦略においてはDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を戦略の一つとして掲げております(※)。女性活躍の推進においては、グループ横断での女性活躍推進PJを立ち上げ、PJメンバーによる現場目線での女性活躍に向けた課題解決や、女性管理職候補者に対する研修を実施するなど、計画的に女性管理職を増やす取組みを進めており、実際に管理職に登用される女性社員が増加しております。今後も女性活躍の推進に取り組むことで賃金差異は縮小していく見込みです。
※詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)テーマ別の戦略、指標及び目標 ④ 人的資本」をご参照ください。
(ロ)非正規雇用労働者について
非正規雇用労働者の差異の要因としては、女性は契約社員・パート社員の比率が高くなっている一方、男性においては定年後の再雇用者など嘱託社員の比率が高い状況となっており、こうした契約形態の違いが非正規雇用労働者として纏めた際に差として表れているという状況であります。
また、前述の通り各雇用形態における性別での賃金制度に違いはありませんが、例えばパート社員において、男性はフルタイム勤務、女性は短時間での契約の比率が高いため、労働時間に起因する賃金の差異が発生しております。
④ 男性労働者の育児休業取得率についての補足説明(ニチレイグループ共通)
女性が活躍できる土台作りとして、2025年度より育児のための休暇・休業に関する目標値について2027年度に「男性の育児休暇・休業等の取得1か月以上50%」※を達成することを掲げ、男性が子育てに参画することを契機に女性の活躍の場を拡大させ、その結果、男女ともに子育て期のワーク・ライフ・バランスを実現することを目指し、労使で男性の育児休暇・休業等の取得を推進しております。具体的には、男性社員への育児休暇・休業取得に関する意向確認のほか、取得できていない社員へのヒアリングなども実施しています。
※「育児のための休暇・休業」:慶弔休暇(妻の出産)、積立年次有給休暇(育児休業の振替)
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般
ニチレイグループは食品の調達・生産・物流・販売を主な事業領域とし、グローバルに事業を展開しています。
ビジョン「私たちは地球の恵みを活かしたものづくりと、卓越した物流サービスを通じて、豊かな食生活と健康を支えつづけます。」に掲げている通り、「食」は地球の恵みであり、将来の世代も現在と同等の恵みが享受できるよう持続可能性を追求することは、当社の経営の根幹をなすものです。持続可能な社会の実現をめざす中で、様々なサステナビリティに係る課題に対し、事業活動を通じて課題を解決することが企業の成長にも直結すると考えます。当社の事業活動が、様々なステークホルダー・環境・社会に対して与えている影響を認識のうえ、サステナビリティ基本方針「ニチレイの約束」を軸に持続可能性を重視した経営を実践し、経済的価値と社会的価値の両立を目指します。
当社グループは長期経営目標「2030年の姿」の実現に向け、気候変動への対応や持続可能なサプライチェーンの構築を含む5つのグループ重要事項(マテリアリティ)を2020年に特定しました。マテリアリティの特定にあたっては、ステークホルダーを特定し、社会課題(リスクと機会)を抽出した後、事業成長を実現する課題と企業価値の毀損を防ぐ課題の両軸から重要性評価を行い、課題をカテゴライズ・統合のうえ最終化しました。特定プロセスにおいては、社外取締役を含めた全役員が参画し、また社外有識者からのご意見を結果へ反映しております。
2025年5月に策定した長期経営目標「N-FIT 2035」においてもマテリアリティの考え方を継承し、5つのマテリアリティはそれぞれにグループ目標(施策・KPI)を設定しています。中期経営計画「Compass×Growth 2027」は、2035年へ向けたサステナビリティ経営の深化の期間と位置付け、グループ目標とともに事業別の目標を設定し、事業戦略とサステナビリティ戦略の一体化を図っております。
(2)ガバナンス
当社グループでは、サステナビリティ全体の戦略策定や、マテリアリティの進捗管理を行うグループサステナビリティ委員会を設置しています。同委員会は、当社の代表取締役社長を委員長、サステナビリティ担当役員のもとサステナビリティ戦略部を事務局とし、社外取締役と社外監査役を含む全役員、各事業会社の経営企画部門・サステナビリティ部門の関係者をメンバーとしています。ここで審議・検討されたサステナビリティに係るリスクと機会、戦略、目標値などは、担当役員より取締役会に答申・報告を行い、適宜、戦略や目標、計画の見直しを行っています。2019年より実施している気候変動シナリオ分析の内容についても、同委員会の中での審議を経て開示に至っています(※)。
人的資本については、「多様な人財の確保と育成」をマテリアリティの一つとして特定し、社長の諮問機関であるグループ人財委員会において審議・検討を行っております。人的資本に係るリスクと機会、戦略、目標値などは、担当役員より取締役会に答申・報告を行い、適宜、戦略や目標、計画の見直しを行っています。
役員報酬制度においては、ESGに関するリスクと機会の適切な管理と気候変動への対応強化を目的として、全社ESG評価を業績連動報酬の評価指標として導入し、サステナビリティをめぐる課題への対応を強化しています。
※2021年度以前はグループ環境保全委員会
2024年度におけるグループサステナビリティ委員会の活動状況は以下の通りです。
| 開催実績 | 4回 | 
| 主な議題 | ・2050年カーボンニュートラル実現に向けた次期中計のCO2排出量削減目標及びCO2排出量モニタリング ・気候変動シナリオ分析のアップデート及び財務影響評価 ・2024年度統合レポートでのTCFD開示内容 ・持続可能な調達の実現に向けたサプライチェーンマネジメント(サプライヤー ESGアンケートや人権デューデリジェンスの実施、苦情処理メカニズムの導入等) ・サステナビリティ情報開示制度への対応 ・マテリアリティKPIの進捗及び次期中計目標 | 
(3)リスク管理
当社グループが事業活動を行ううえでのさまざまなリスクを全体的視点から合理的かつ最適な部門・方法で管理し、代表取締役社長を委員長とするグループリスクマネジメント委員会で審議・検討しています。
ESG・サステナビリティに関わるリスク・機会に対しては、グループサステナビリティ委員会において管理し、審議を行っております。同委員会では、当社グループにとって重要なESG課題やリスクと機会に関するテーマを、当社のサステナビリティ部門が各事業会社の経営企画部門・サステナビリティ部門とともに抽出し、最も重要なテーマが同委員会にて審議されます。特に気候変動シナリオにおけるリスクは重要リスクの一つとして位置付けており、シナリオ分析で得られた事業リスクと機会への対応は、同委員会の中で審議・管理をしています。
また、人的資本に関わるリスク・機会に対しては、グループ人財委員会において管理し、特化した審議を行っております。同委員会では、当社グループにとって重要な人財関連のリスクと機会に関するテーマを、当社の人事部門が各事業会社の人事部門とともに抽出し、最も重要なテーマが委員会にて審議されます。
(4)テーマ別の戦略、指標及び目標
① 気候変動
当社は2020年6月、TCFD提言への賛同を表明するとともに、「TCFDコンソーシアム」に参画しました。気候変動への取組みはマテリアリティの一つとしても位置付けており、気候変動に関連する社会課題の解決に向け、積極的に取組みを進めています。
気候変動に伴う外部環境の変化によって及ぼされるリスクへの適切な対応を進めるとともに、新たな事業機会の想定も踏まえた複数のシナリオを検討し適切に開示していきます。
(イ)戦略
(2020年度)
当社グループ全体のリスクと機会について2つの気候変動シナリオに基づく重要度の評価を行い、グループ共通の最重要リスクとして「低炭素政策全般(CO2排出量削減)」を特定し、長期CO2排出量削減目標を定め、取組みをスタートしました。
(2021年度)
食品・低温物流事業の共通リスクである「異常気象による水リスク」を選定し、国内拠点地域の河川の洪水リスクと高潮リスクについて調査を実施しました。
詳細は、「ニチレイグループ統合レポート2021」の59ページから61ページをご参照ください。
https://www.nichirei.co.jp/ir/library/integrated.html
(2022年度)
食品事業において重要な原料であるコメ及びチキンについて、将来の気候変動による収量への影響を調査しました。温暖化が進むシナリオの場合、コメについては現在の調達先エリアの収量は増加する結果となりました。また、チキンでは将来予測される気温上昇により収量が減少するエリアもありましたが、現状、調達先の養鶏場には空調設備が整っているため、収量への影響は少ないと考えられます。
詳細は、「ニチレイグループ統合レポート2022」の69ページから70ページをご参照ください。
https://www.nichirei.co.jp/ir/library/integrated.html
(2023年度)
食品事業において重要な原料であるエビについて、将来の気候変動による調達への影響を調査・分析しました。温暖化が進むシナリオでは、後期幼生体(稚エビ)の生存率の低下が見られる一方で、成長エビの体長増加に伴う飼育期間の短縮といった調達への影響が確認されました。
詳細は、「ニチレイグループ統合レポート2023」の72ページから73ページをご参照ください。
https://www.nichirei.co.jp/ir/library/integrated.html
(2024年度)
2020年度に特定した重要度の高いシナリオ別リスク・機会において、2024年度は移行リスクのうち炭素価格・エネルギー価格法規制におけるシナリオ分析の再評価・財務影響評価を実施しました。
詳細は、「ニチレイグループ統合レポート2024」の58ページから59ページをご参照ください。
https://www.nichirei.co.jp/ir/library/integrated.html
■CO2排出量削減への取組み
当社グループでは、長期CO2排出量削減目標達成を目指し、再生可能エネルギーを積極的に導入しています。
・オンサイト太陽光発電設備の設置
・オフサイトPPAによる再生可能エネルギー電力供給の推進
・電力会社のCO2フリーメニューへの切り替え
・グリーン電力証書・非化石証書の活用
■脱フロンへの取組み
自然冷媒への切り替え
2030年までに、加工食品事業の国内生産設備(自営食品工場及び投資工場)のフリーザーを100%、低温物流事業では海外拠点含む80%(貸借除く設備トンベース)を、自然冷媒機への切り替えを実施します。
(ロ)指標及び目標
■CO2排出量削減目標
| 
 | 2024年度実績 | 2025年度目標 | 2030年度目標 | 
| 国内・海外Scope1,2 (2022年度比) | △9% | △16% | △42% | 
| 国内・海外Scope3 (2022年度比) | - | - | △25% | 
■2024年度CO2排出量実績(Scope1,2)
国内 CO2排出量 173千㌧
海外 CO2排出量 142千㌧
② 生物多様性
当社グループは「食」を中心にグローバルで多岐にわたる事業を展開しており、当社事業は農・畜・水産資源をはじめとした生物多様性から生み出される地球の恵みによって成り立っています。地球の恵みである自然資本と生態系サービスに大きく依存している一方で、事業活動によりさまざまな影響を与えていることを認識し、当社では生物多様性の保全と自然資本の持続可能な利用に取り組んでいます。
当社は2024年3月、自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures、以下TNFD)の理念に賛同し、その活動を支援するTNFDフォーラムに参画しました。今後はTNFDのフレームワークに基づき、当社の事業と自然資本との関係性やリスクと機会の整理を行い、事業活動において適切な対応を進めるとともに、情報開示を進めていきます。
(イ)戦略
(2023年度)
当社グループの自然資本への依存と影響の大きさを踏まえ、事業へのリスクと機会を把握するため、TNFDが提唱する自然に関する依存と影響、及びリスクと機会を管理・開示するフレームワークに則って評価を実施しました。その評価結果に基づき、グループ共通の最重要リスクとして「水資源」を特定し、水ストレスの高い拠点に対する具体的な取組みを先行してスタートしました。「水資源」「農・畜・水産資源」の観点を含めた生物多様性の保全と回復に向けた取組みを進めていきます。
(2024年度)
2023年度に特定した水ストレスの高い自社拠点について、現状調査及び課題の抽出を実施しました。次年度以降、現地での具体的な取組みへと進めていきます。
(ロ)指標及び目標
ニチレイグループ重要事項(マテリアリティ)「持続可能な食の調達と循環型社会の実現」の施策として、生物多様性に関する指標と目標を設定しています。
<グループ施策>
生態系に配慮した事業活動を通じ、生物多様性と水資源の保全に取り組む
<グループKPI>
■水ストレスが高い拠点における水使用量削減の取組み
■ニチレイグループの自社拠点や社有地における、生物多様性保全活動の実施
③ 持続可能なサプライチェーンの構築
「地球の恵みを活かしたものづくり」をビジョンに掲げる当社グループにとって、環境や人権に配慮した持続可能な食の調達は、事業の根幹であり、顧客価値の提供と当社グループの成長に直結すると認識しています。持続可能なサプライチェーンを構築するため、ともに価値を生み出すサプライヤーである取引先と相互発展に向けた長期的な信頼関係を築きます。
(イ)戦略
「ニチレイグループ持続可能な調達方針」及びサプライヤーである取引先に向けた「ニチレイグループサプライヤー行動規範・ガイドライン」に基づく取組みを進めております。「持続可能な食の調達と循環型社会の実現」はマテリアリティの一つとして設定しており、持株会社・事業会社それぞれで目標を持ち、グループサステナビリティ委員会で審議と検討を行いながら、適切な開示に努めております。
■持続可能な調達へ向けた取組み
・社内での人権教育、役員向けサステナビリティ勉強会、調達担当者向けサステナブル調達研修の実施
・サプライヤーへの調達方針説明会の実施、サプライヤー行動規範・ガイドラインの周知・賛同の取組み、及びESGアンケートの実施
・国内外のサプライヤーとの人権デューデリジェンスの取組み
・加工食品事業におけるサステナビリティプラットフォーム(Sedex(※1))活用拡大の取組み
・持続可能な水産物調達ガイドラインの運用、水産事業におけるMSC・ASC認証水産品の取扱い拡大
・地域の生態系改善や水産資源の維持・保全を目指した当社独自の活動(「生命(いのち)の森プロジェクト」、「生命(いのち)の海プロジェクト」等)の取組み
・持続可能なパーム油調達ガイドラインの運用、RSPO(※2)認証油クレジット(ブックアンドクレーム方式)の購入
・循環型農畜産の養鶏事業の取組み
※1 Supplier Ethical Data Exchange:2004年に英国で設立された、サプライチェーンにおける責任あるビジネス慣行の実現を目指し、企業の倫理情報を管理・共有するためのプラットフォームを提供する非営利団体
※2 Roundtable on Sustainable Palm Oil:持続可能なパーム油のための円卓会議
(ロ)指標及び目標
当社グループは、マテリアリティの指標と目標を設定し、達成に向けた取組みを進めております。
詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 中期的な経営戦略、目標とする経営指標、経営環境及び対処すべき課題 ニチレイグループ重要事項(マテリアリティ)(KPI)」をご参照ください。
④ 人的資本
サステナビリティ基本方針に基づき、「2030年の姿」を実現するため、人財に関する拠り所を明確にする必要があることから、ニチレイグループの人財に関する理念とこの考え方に基づく人財方針を制定しました。
■人財に関する理念
「サステナビリティ基本方針」を実現する最重要資産は人財です。
■グループ人財方針
1.事業を通じた社会課題の解決に共感し、行動する人財の育成
「食は人と人とをつなぐ」という発想からニチレイグループが目指す社会的インパクトと社員一人ひとりが抱く志とを結び、主体的に行動する人財を育成します。
2.多様な知とデジタルを掛け合わせ、新たな価値を創造し続ける組織の構築
様々な視点を取り入れ、データ・デジタル技術活用による環境変化に即応した行動により、人びとの豊かな食生活と健康に貢献する組織を構築します。
3.挑戦を促す安全安心な企業文化の醸成
仕事への想いや考えを率直に伝えあい、お互いを信じ、受容することで、失敗を恐れずに新たな挑戦ができる企業文化を醸成します。
新たに策定した長期経営目標「N-FIT 2035」においても、人財に関する理念とこの考え方に基づく人財方針を継承し、5つのマテリアリティを達成するため具体的な取組みを進めています。
(イ)戦略
人財方針を具体的に取り進めるものとして5つの人財戦略を掲げました。まず従業員が活き活きと働くことが事業推進の大前提であるとの考えから「働きがい」と「健康経営」を土台とし、その上で、「DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)」「新たな価値創造」「個人に即した学習機会」という企業価値向上に繋がる戦略を掲げております。経営課題の解決と、私たちが目指すあるべき人財及び組織の実現を両立するものとして、この人財戦略を実行してまいります。
■人財戦略(現状とのギャップを埋める5つの観点)
(ロ)指標及び目標
当社及び国内主要会社においては、前述の5つの人財戦略を着実に進めるために、人財に関する8つのテーマを設定しています。
(a) 健康維持・増進による従業員のパフォーマンス向上
食と健康を支える企業として、従業員が、年齢・性別に関わらず常に心身共に健康で活き活きと働き、顧客や地域社会の幸福度を向上させることを目指しています。従業員のパフォーマンス低下を招くプレゼンティーイズム・アブセンティーイズムを低減させる取組みとして、産業保健の体制整備、ヘルスリテラシー教育、治療と仕事の両立支援を進めています。その結果として「健康経営銘柄2025」並びに「健康優良法人2025ホワイト500」に認定されました。
| 
 | 2024年度実績 | 2027年度目標 | 2030年度目標 | 
| アブセンティーイズム(※1) | 3.3日 | 2.6日 | 1日 | 
| プレゼンティーイズム(※2) | 79% | 85% | 90% | 
※1 心身の体調不良が原因により業務自体が行えない日数
※2 健康時に発揮できるパフォーマンスのレベルを100%とした場合、各種取組みを実施した段階でのパフォーマンスレベル
(b) 会社と従業員の相互信頼関係の強化
「N-FIT 2035」の実現のためには会社と従業員の相互信頼関係、エンゲージメントの向上が重要課題であると捉えています。エンゲージメントサーベイ結果を起点として、会社・部門単位のアクションプランを立案し、経営と現場の両輪で取組みを進めています。
| 
 | 2024年度実績 | 2027年度目標 | 2030年度目標 | 
| 従業員エンゲージメント スコア | 69pt | 75pt | 80pt | 
(c) 女性への機会提供と活躍実現
女性社員の役職・管理職に占める割合の増加と、働くことへの価値観の多様化に伴い、属性に拠らず活躍できる場を創出するための各種施策を展開しています。
2024年度に持株会社に設置したダイバーシティ推進部では現在、各事業会社と連携のもと「ダイバーシティ推進に対する理解・浸透」及び「女性の活躍推進」に注力し、国内主要会社の役員を対象としたダイバーシティ勉強会や、グループ横断での女性活躍推進プロジェクト、実践型リーダーシップ研修等を実施。多様な人財の確保と育成に向けて、今後も現場の課題を解決する取組みを進めます。
ニチレイグループにおける女性比率
| 
 | 2024年度 実績 | 2027年度 目標 | 2030年度 目標 | 
| 女性取締役・監査役比率※1 | 18.8% | 18.8% | 30.0%以上 | 
| 女性管理職比率※2 | 7.5% | 15.9% | 30.0% | 
※1:ニチレイ(持株会社)のみの比率
※2:国内主要会社の比率
(d) 海外事業推進を支える人財の育成
経営目標の達成には海外事業の拡大が欠かせないため、海外事業への経営資源のシフト、ガバナンスを担う人財及び事業を推進する人財の確保と育成に取り組んでいます。必要なスキル及び経験を特定し、グループ合同での語学研修、異文化理解等のスキル取得機会、海外事業経験を含めたキャリアパス、海外拠点の短期体験などを提供しています。また、2025年度入社から継続して外国人留学生の新卒採用活動をしています。
(e) デジタル・サステナビリティ関連教育の実践
これからの新しい時代・社会に合わせてデジタル・サステナビリティの取組みは不可欠です。そのために全従業員へのデジタル・サステナビリティに関する理解度を底上げする教育機会を提供しています。加えて、デジタルの取組みを推進する認定制度の導入と認定者を増やす取組みを行っています。
(f) 自立的な学習機会の提供と実践
会社から必要なスキルや経験の機会を提供する一方で、従業員の自立的な学習も欠かせません。従業員一人ひとりが学習できる機会として、必須のeラーニング教育に加えて自発的に学習できる通信教育の提供、海外で活躍する人財の育成、デジタル関連の研修機会を拡充します。
| 
 | 2024年度 実績 | 2027年度 目標 | 2030年度 目標 | 
| グループ人財投資額 | 11億円 | 16億円 | 20億円 | 
(g) グループ内外から新たな視点を獲得
組織の活性化と新たな知見の獲得を促すには、グループ内外の人財と知見の交流を図ることが不可欠です。社内公募制度や社内副業制度によるグループ内人財の知見の掛け合わせや、キャリア採用を計画的に取り進めています。
(h) 法令遵守と安全・安心な労働環境の整備
法令遵守はもちろんのこと、従業員が安全・安心に働ける職場環境、制度の維持向上のため、労使協働確認協議会や労働災害に関する教育、安全衛生委員会での周知や意見交換など、労使協働で取り組んでいます。
ニチレイグループ重要事項(マテリアリティ)
| グループ重要事項(マテリアリティ) | 2030年のありたい姿 | グループ施策 | |
| 食と健康における 新たな価値の創造 | 食と健康における既存領域を超えた挑戦により、新たな市場や顧客価値を創造する | 素材や冷力の可能性を見出し、食を通じて地球の未来と人々の”こころ”と”からだ”の健康に貢献している。 | 健康や地球環境、多様化する顧客価値探索に対するR&Dおよびマーケティングへの資源配分 | 
| 人々の”こころ”と”からだ”の健康や地球環境に対応した商品・サービスの開発および情報発信 | |||
| 新たな領域で価値を創出・育成する仕組みを作り、イノベーション活動を推進 | |||
| 食品加工・生産技術力の強化と低温物流サービスの高度化 | 食品の加工・生産、低温物流で培ったコアコンピタンスをさらに磨き上げ、グローバル市場において、社会課題の解決と競争優位性による収益力向上を実現する | 主力事業への経営資源集中により、キャッシュ創出力が一段と向上している。 | 加工食品・低温物流事業における積極的な設備投資を通じた能力増強・業務革新・環境負荷軽減・基盤整備などの推進 | 
| 海外事業が新たな収益の柱となっている。 | グローバル人財の確保・育成や パートナー企業の開拓、 M&Aなどを通じた海外展開の加速 | ||
| 持続可能な食の調達と循環型社会の実現 | 事業の基盤であるサプライチェーンに関わるさまざまな社会課題を解決し、持続可能な食の調達と循環型社会の実現に貢献する | ニチレイグループサプライヤー行動規範・ガイドラインに基づく対話をサプライヤーやパートナー企業と深め、持続可能なサプライチェーンが協創できている。※1 | 人権や環境に配慮したサプライチェーンの構築とデューデリジェンスに取り組む | 
| 新たなビジネスモデルの創出などにより、サーキュラーエコノミー(循環型経済)を推進している。 | 持続可能な資源調達やサーキュラーエコノミーの実現に取り組む | ||
| 自然資本へのリスクを把握し、 生物多様性や水資源に関するレジリエンスが向上している。 | 生態系に配慮した事業活動を通じ、 生物多様性と水資源の保全に取り組む | ||
| 気候変動への取り組み | 気候変動の影響を大きく受ける食品・物流企業として、サプライチェーン全体での温暖化対策やエネルギー削減をステークホルダーとともに取り組む | 2050年のカーボンニュートラルの実現を目指し、グループ国内外におけるCO2排出量削減の取り組みが進んでいる。 | 食品工場・物流センターにおける原単位でのCO2排出量削減や再生可能エネルギーの活用を推進するとともに、TCFDの提言に基づく情報開示を行う | 
| 地球温暖化への取り組みとして生産・物流設備の脱フロン化が進展している。 | 国内におけるすべての冷凍・冷蔵設備の自然冷媒への置き換え | ||
| 海外における実態の把握を通じた自然冷媒への置き換え | |||
| 多様な人財の確保と 育成 | 持続可能な成長を実現するため、多様な人財を確保・育成するとともに、包摂的な企業風土を醸成する | さまざまな個性や能力を持った多様な人財が、それぞれの力を最大限に発揮することで働きがいが向上し、グループの持続可能な成長を支えている。 | 施策の効果をモニタリングする グループ共通のエンゲージメントサーベイの導入 | 
| グループ従業員がそれぞれのキャリア観などに応じた働き方を選択でき、かつ、生産性向上に寄与する人事制度 | |||
| ルールの整備と活用支援 | |||
| 従業員一人ひとりが働きがいを感じ、健康で生き生きと働ける職場環境や企業文化づくりに向けたコミュニケーション活動の推進と公平な学びの機会の提供 | |||
※1 2025年2月18日グループ取締役会でサプライチェーンマネジメントに関する2030年のありたい姿を改定
ニチレイグループ重要事項(マテリアリティ)(KPI)
| グループ重要事項 (マテリアリティ) | グループ目標(KPI) | 2024年度実績 | 2025年度目標 | 2030年度目標 | ||
| 食と健康における 新たな価値の創造 | 人々の”こころ”と”からだ”の健康や地球環境に対して付加価値を生み出す商品・サービスの売上高 | 640億円 | 640億円 | 1,400億円 | ||
| 生活者・社外向けの情報提供数(延べ人数/年) | 165百万人 | 170百万人 | 200百万人以上 | |||
| 食品加工・生産技術力の強化と低温物流サービスの高度化 | EBITDAマージン | 8.9% | 9.7% | 12.0% | ||
| EBITDA年成長率 | 6.0%※1 | 6.6%※1 | 7%以上※1 | |||
| 海外売上高比率 | 23.6% | 24.9% | 35.0% | |||
| 持続可能な食の調達と循環型社会の実現 | サプライヤー・パートナー企業とサプライヤー行動規範・ガイドラインに基づく対話を深め、連携を強化※2 | 賛同率98% (国内・海外最重要先) | サプライヤーリスト・ESGアンケート設問の見直し | 最重要サプライヤー・OEMとのコミュニケーションの実施率100%※2 | ||
| 主要原材料と重要サプライヤーへのESGデューデリジェンス実施率 | 国内畜産・水産72% (最重要先) | 海外60% (最重要先) | 100% | |||
| サーキュラーエコノミーの実現に向けたSDGs教育プログラムの受講率 | 94%(役職者) | 100%(全従業員) | 100%(全従業員) | |||
| 全拠点における廃棄物リサイクル率 | 99% | 99% | 99% | |||
| 水産事業における水産物の持続可能な水産物調達ガイドラインに準じた調達率 | 99% | 99% | 100% | |||
| うち、MSC・ASC認証品等のグローバル水産物認証品比率 | 32% | 34% | 50% | |||
| 持続可能なパーム油(RSPO認証油)の調達比率 | 100% (ブックアンドクレーム) | 100% (ブックアンドクレーム) | 100% (認証油) | |||
| 水ストレスが高い拠点における水使用量削減の取り組み | TNFDに準拠した自然関連リスク・機会評価を実施し、水資源・原材料等の重要度の高いリスク・機会を特定 | 水ストレスが高い自社拠点の実態調査 | 高リスク拠点での水使用量の削減に取り組み、水保全活動を推進する | |||
| 当社グループ拠点や社有地における生物多様性保全活動の実施 | 自社拠点の生物多様性実態調査 (陸地の生態系) | 自社拠点における動植物の種の保存を含む生物多様性の回復活動に取り組む | ||||
| 気候変動への取り組み | CO2排出量 | 国内・海外Scope1,2 | 2022年度比 | △9% | △16% | △42% | 
| 国内・海外Scope3 | 2022年度比 | - | - | △25% | ||
| 自然冷媒化率 | 生産設備(国内) | 71% | 80% | 100% | ||
| 低温物流関係(海外を含む) | 61% | 64% | 80%※3 | |||
| 多様な人財の確保と 育成 | 従業員エンゲージメントスコア | 69pt | 71pt | 80pt | ||
| 女性取締役・監査役比率 (持株会社) | 18.8% | 18.8% | 30%以上 | |||
| グループ(国内主要会社)の女性管理職比率※4 | 7.5% | 9.5% | 30% | |||
| 人財投資額 | 11億円 | 13億円 | 20億円 | |||
※1 2024,2025年度は2021年度基準の年成長率、2030年度は2025-2030年度の年成長率
※2 2025年2月18日開催の取締役会においてサプライチェーンマネジメントに関するグループ目標・KPIを改定
※3 2025年2月18日開催の取締役会において2030年の自然冷媒化率(低温物流)を75%から80%へ変更
※4 2024年10月15日開催の取締役会において女性管理職比率の目標の対象範囲を持株会社のみからグループ(国内主要会社)へ変更
マテリアリティのKPIの詳細は、当社ウェブサイトに開示しております。