2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    916名(単体) 8,196名(連結)
  • 平均年齢
    41.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    10.0年(単体)
  • 平均年収
    6,937,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    3.6%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

①人材戦略

人材戦略については、「第2  事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」をご参照ください。

 

②従業員の給与その他の給付の額及び内容の決定に関する方針

1.基本方針

当社は、企業理念「これからの食卓、これからの畑」を実現し、持続的な企業価値の向上を図るため、社員の成長と活躍を促進する報酬・評価制度を構築しております。給与・報酬は単なる労働の対価ではなく、各人の役割や専門性、および中長期的な企業価値への貢献を適切に評価し、それに報いるための重要な経営基盤と位置付けております。

 

2.評価と報酬の連動(等級制度と評価プロセス)

社員の役割や専門性に応じた等級制度(マネジメント層、スペシャリスト層等)を設け、それぞれの役割期待に沿った報酬水準を設定しております。 評価にあたっては、目標達成度(成果)に加え、当社の行動規範である「ORDism(オーディズム)」の実践度合い、および職務を通じた専門性や「スキルの成長」を総合的に勘案します。上位の役割への挑戦を通じたスキルの向上と成果の創出、そして行動規範の体現を正当に評価し、その評価に基づく昇格を通じて、結果として各人の役割と貢献に応じた適正な給与水準へと反映させる仕組みとしております。

 

3.多様性の尊重と公平な処遇(格差是正の推進)

持続的な価値創造の源泉は「人材」にあるとの方針のもと、年齢や性別等の属性に寄らず、能力を最大限発揮できる環境を整備しています。意欲ある社員には積極的に上位の役割へ挑戦できる機会を提供しており、前述の適正な評価・昇格のプロセスを運用することで、男女間賃金格差の是正と、すべての社員に対する公平な処遇を推進しております。

 

4.非正規雇用労働者に関する方針

当社の事業運営において、出荷拠点等を中心に重要な役割を担う非正規雇用労働者(当社の全労働者の4割弱)についても、職務内容やスキルの向上に応じた適切な評価と処遇を行っております。雇用形態に関わらず、一人ひとりが働きがいを感じられる制度運用に努めております。

 

(2) 【従業員の状況】

① 連結会社の状況

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数()

B2Cサブスク

845

(926)

B2Bサブスク

2,623

(6,671)

社会サービス

4,387

(24,624)

その他

341

(94)

合計

8,196

(32,315)

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む)であります。

2.従業員数欄の( )は外書きであり、臨時従業員(パートタイマー・アルバイトを含み、派遣社員等を除く)の年間平均雇用人員であります。

3.前連結会計年度末に比べ従業員が3,622名減少しておりますが、主として2025年10月1日付けで、車両運行サービス事業及びその他事業に分類していたシダックスホールディングス株式会社およびシダックス株式会社、大新東株式会社ほか5社の全株式を譲渡したことによるものであります。

 

 

② 提出会社の状況

2026年3月31日現在

従業員数()

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の対前
事業年度増減率(%)

916

(955)

41.1

10.0

6,937

3.6

 

 

セグメントの名称

従業員数()

B2Cサブスク

794

(924)

B2Bサブスク

35

(10)

その他

87

(21)

合計

916

(955)

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む)であります。

2.従業員数欄の( )は外書きであり、臨時従業員(パートタイマー・アルバイトを含み、派遣社員等を除く)の年間平均雇用人員であります。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

③ 労働組合の状況

当社子会社であるシダックスヒューマン&フードサービス株式会社及び一部の連結子会社には、シダックス労働組合が組織されており、UAゼンセンに加盟しております。なお、労使関係は安定しております。

 

④ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

 

ア 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の額

の差異(%)(注1.3)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

30.1%

100%

65.0%

67.8%

86.5%

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しています。管理職は課長職・店長相当以上を対象として算出しています。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

3.正社員(短時間勤務者)及びパートタイム労働者については、正社員の所定労働時間(1日8時間)で換算した人員数を基に平均年間賃金を算出しています。

 

提出会社における社員・役員に占める女性労働者の割合は以下の通りです。

 

社員(※1)

役員

提出会社

51.7%

30.8%

 

※1 正社員を対象として算出しています。嘱託社員は含んでいません。

 

 

イ 連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(※1)

男性労働者

の育児休業

取得率(%)

(※2)

労働者の男女の賃金の額

の差異(%)(※1.3)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

シダックスコントラクトフードサービス㈱

52.0%

0.0%

45.4%

74.7%

48.4%

シダックスフードサービス㈱

76.4%

66.7%

68.0%

82.2%

66.1%

シダックス大新東ヒューマンサービス㈱

16.1%

30.0%

79.7%

72.8%

89.6%

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しています。管理職は課長職・店長相当以上を対象として算出しています。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

3.正社員(短時間勤務者)及びパートタイム労働者については、正社員の所定労働時間(1日8時間)で換算せず実人員数を基に平均年間賃金を算出しています。

 

当社グループは、働くすべての人の人格、人権、個性を尊重し、「国籍・人種・性別・セクシュアリティ等の属性による不当な差別を行なわず、多様な価値観を尊重する」という基本思想を掲げています。多様な人材が集い、それぞれのアイデアを出し合うことで、ソリューションの幅を広げ、事業の成長につなげています。そして、その成長がより多くの人々への食のサービス提供へと繋がると考えています。この考えのもと、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンに関する情報発信や取組の強化を図り、事業成長に貢献しています。事業規模の拡大に伴い、当社グループには出荷拠点を中心に25カ国籍(2026年3月末時点)のメンバーが集っています。また、障がい者雇用の促進やパラスポーツへの協賛、その事務局運営への社員の関わり、障がい者部会による定着支援活動や交流企画の運営、人事担当者を中心としたセクシュアルマイノリティ研修、当事者アライによる社員グループ活動など、様々な取組を通じてダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。

 

成長し実績を残した人が等しく評価され、更なる活躍のチャンスを得られる環境を、その時代のニーズを捉えて対応していきます。既に役員では女性比率が30.8%となっていることから、社員にも等しくチャンスを与える取組を一層強化し、管理職に占める女性の割合は2030年の目標を50.0%とします

 

男性の育休取得率については、以前より国の平均取得率を大きく上回る実績はありましたが、提出会社においては100%の取得に向けて、2022年10月より配偶者が出産した場合、最大5日分の有給付与する独自の制度も導入し、取得を支援しています。配偶者が出産する予定の男性には、個別に制度の説明等を丁寧に行った結果、2026年3月期の取得率は100%になりました。2027年3月期も100%を目指しています。

男女間賃金の差は、全労働者で65.0%と格差は大きいものの、昨年から0.5%改善しました。当社は出荷拠点における非正規雇用労働者とその対象者に占める女性比率がすべての労働者の4割弱と比重が高いことから、この差が生じております。当期において、非正規雇用労働者の賃金格差は昨年に比べ2.3%改善しております。

 

 

提出会社 正規雇用労働者に占める正社員の格差詳細は以下の通りです。

対象者

2026年3月

補足説明

上位マネジメント

上位スペシャリスト

89.2%

M7~5等級 及び S7~5等級

マネジメント

スペシャリスト

87.1%

M4~1等級 及び S4~1等級

その他社員

92.0%

I3~1等級 及び E5~1等級

 

(注) 採用時の特殊事情等により各等級の中央値から150%を超える対象者(全体の2.0%)は除いて算出しています。

 

当社の等級で3階層に分けて賃金格差を比較すると、上位マネジメントと上位スペシャリスト層では89.2%、マネジメントとスペシャリスト層で87.1%、その他社員で92.0%の格差となっております。その他社員で昨年から2.7%改善しました。スキルレベルの向上が認められれば、性別に関係なく積極的に管理職に挑戦できる機会を作っています。その際、該当する等級給料水準に見直し格差是正を図っています。この各層の賃金格差に着目し、2030年3月期の目標を各層において100%を目指します。

 

提出会社 障がい者の雇用率は以下の通りです。(2026年3月期実績)

 

雇用率

提出会社

2.9%

 

 

障がい者の受入れは法定雇用率で2.9%となり、昨年度から0.2pt低下しました。国が2026年7月から引き上げる同率2.7%も前倒しで達成しています。ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン委員会(現在はグループESG委員会に統合)の活動一環である有志による当事者メンター活動が前向きに受け入れられており、雇用者の離職が減る傾向にあり、今後雇用率を維持、向上していきます。

 

提出会社 採用に対する中途入社者の比率は以下の通りです。(2026年3月期実績)

 

社員

提出会社

90.8%

 

(注) 新卒採用も実施していますが、エンジニア等即戦力となるハイスキルで多様な人材を獲得して社内のスキル水準や多様性を高めて参りました。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般

当社グループは、企業理念「これからの食卓、これからの畑」の下、食に関する社会課題をビジネスの手法で解決することで、持続可能な社会の実現を目指しています。当社グループの事業は、豊かな地球環境の上に成り立っており、取引先を含むサプライチェーン全体でESGの取組を推進することが、事業の成長や企業価値の向上に資すると認識しております。当社グループは、事業への影響と社会・環境への影響の観点から、重要な6項目のマテリアリティを特定しました。

2026年2月には、かねてよりフードロス削減やGHG排出量削減に取組んでいたグリーン戦略室と人材の多様性に関する取組を行っていたダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン委員会を統合し、グループのサステナビリティ活動全般の推進を担うグループESG委員会を発足しました。グループESG委員会は取締役会の諮問機関として、サステナビリティに関わる経営基本方針の検討及び目標や施策の策定等を実施しており、グループESG委員会を中心にグループ横断で更なる企業価値の向上に向けた取組を推進しております。

 

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び個々の取組につきましては、当社のサステナビリティページ(https://www.oisixradaichi.co.jp/sustainability/をご参照ください。

 

①ガバナンス

当社グループは、サステナビリティ課題への対応を経営における重要課題の一つであると認識し、取締役会においてサステナビリティに関するグループポリシーの承認、重要課題(マテリアリティ)の特定を実施しております。グループESG委員会は、代表取締役社長が委員長を務め、サステナビリティ関連の目標設定及び進捗状況の管理、気候変動やグループの中長期的なESG課題に対する戦略の立案、重要課題(マテリアリティ)の選定、サステナビリティ関連リスク・機会の分析等を行っております。監査役、社外取締役もアドバイザーとして関与するとともに、委員会での議事内容については年2回、取締役会及び経営会議への報告を行う体制を整備し、経営レベルで監督が行われています。また各事業及びグループ会社の経営管理責任者をESG責任者に任命し、委員会にてサステナビリティ関連取組の進捗報告を実施しています。

リスク管理委員会は、グループESG委員会と協働でサステナビリティ関連リスク・機会の分析を行っており、特に事業影響が大きいリスクについて、対策の立案、社内へのリスク教育を実施し、四半期に1回経営会議への報告を行っております。

 

②戦略

 当社グループは、「食に関する社会課題を、ビジネスの手法で解決すること」をミッションとしています。その達成のために、「より多くの人が、よい食生活を楽しむことができるような商品・サービスの開発」や「よい食を作る生産者が報われ、誇りを持てる仕組みの構築」に取り組み、持続可能な社会の実現を目指しています。

これらの価値観に基づき、「環境負荷の低減と資源循環の推進」「持続可能な食のインフラ構築と生産者共生」「食のインフラを通じた地域課題の解決とコミュニティの共創」「『美味しく、楽しい食卓』を通じたウェルビーイングの実現」「多様な人材の活躍と人的資本の強化」「透明性の高いグループガバナンスと強靭な経営基盤の構築」の6つをマテリアリティとして特定しました。

 

③リスク管理

 当社グループでは、リスク管理委員会を中心にグループ全体のリスクマネジメントを行っております。サステナビリティ関連のリスクと機会については、グループESG委員会と協働して戦略の立案、推進、進捗管理を行っております。

 

 

④指標及び目標

6つのマテリアリティに関する主な取組は以下の通りです。

マテリアリティ

取組

2030年度目標

環境負荷の低減と資源循環の推進

GHG排出量の削減

‐拠点(※1)での再生可能エネルギー使用率50%以上

資源(プラスチック、食品ロス)の循環

‐PB商品(※2)で使用する資材の環境配慮型素材(バイオマス・生分解性・リサイクル素材・紙等)導入率50%以上

‐食品廃棄物のリサイクル率70%

川上の食品ロス削減(※3)

‐川上のフードロス削減貢献量 2020年度比200%

持続可能な食のインフラ構築と生産者共生

持続可能な調達

‐生産者やスタートアップと協働し、メタン低減飼料を活用した畜産モデルの実装や、代替タンパクなど新たなサステナブル食材の研究開発を推進する

責任あるサプライチェーンマネジメント

‐主要サプライヤー(※4)のサプライヤー行動規範同意署名率100%

食のインフラを通じた地域課題の解決とコミュニティの共創

買い物アクセス制約の削減・解消

‐移動販売(※5)を通じた買い物アクセス制約の解消数30万人

被災地・復興支援エリアからの持続的な食材調達

‐定量目標はなし

「美味しく、楽しい食卓」を通じた、ウェルビーイングの実現

TABLE FOR TWO(※6)、WeSupport Family(※7)等の取組を通じた未来の子どもへの支援推進

‐未来の子どもへの延べ支援人数1,000万人

食を通じた社会的つながりの促進

‐継続的な食育活動、食体験機会の提供

多様な人材の活躍と人的資本の強化

活躍人材の育成及びDE&Iの推進

‐女性管理職(※8)比率50%以上(国内グループ連結)

‐DE&Iサーベイの肯定回答率80%以上(国内グループ連結)

透明性の高いグループガバナンスと強靭な経営基盤の構築

重大なコンプライアンス違反・情報漏洩件数

‐毎年度発生0件(グループ連結)

 

※1 国内の事業所及び事務所

※2 国内B2Cの3ブランド(Oisix、大地を守る会、らでぃっしゅぼーや)のプライベートブランド商品

※3 生産地や製造元で発生するフードロスを「川上のフードロス」と定義

※4 PB商品の製造委託先のうち、年間取引額が上位10社以内のサプライヤー

※5 連結子会社である株式会社とくし丸の移動販売事業

※6 開発途上国の子どもたちに学校給食を届けるための寄付がついた商品を販売する取組

※7 困窮するひとり親家庭の食支援を行うフードバンク・プラットフォーム

※8 課長職・店長職相当以上の役職者

 

(2)環境・気候変動への取組

①ガバナンス

「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」をご参照ください。

 

 

②戦略

当社グループの事業は、豊かな自然環境の上に成り立っており、気候変動をはじめとする自然環境の変化は当社グループの業績に様々な影響を及ぼします。このため、当社ではTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言を踏まえ、シナリオ分析を実施しました。

気候変動については、2100年に産業革命前から1.5℃気温が上昇するシナリオ(1.5℃シナリオ)と、4℃上昇するシナリオ(4℃シナリオ)に基づき2030年時点での気候変動によるリスクと機会を検討しました。前提としたシナリオと抽出したリスク、機会は次表のとおりです。

 

a. 前提としている主なシナリオ

シナリオ

主に参照したシナリオ

1.5℃シナリオ

SSP1-1.9シナリオ(IPCC,2023)

Net Zero Emissions by 2050シナリオ(IEA,2022)

4℃シナリオ

SSP5-8.5(IPCC,2023)

Stated Policyシナリオ(STEPS)(IEA,2022)

 

 

b. 気候変動リスクと機会

(リスク)

シナ

リオ

リスク分類

時間軸

財務影響領域

可能性のある事業インパクト

影響度

1.5℃

4℃

移行

政策

と法

炭素税の導入

中~

長期

コスト

‐農作物・水産品・畜産品・消耗費等の原材料・仕入れコストが上昇する。

‐工場及び物流・配送のエネルギーコストが上昇する。

‐保有車両の見直しの必要性や自社排出量に対しての費用が発生する。

プラスチック規制の強化

中~

長期

コスト

‐プラスチック規制が強化されることで、包装材における代替素材の開発・導入が求められコストが上昇する。

GHG排出規制の強化

中期

コスト/資産

‐社有車や配送車両の電気自動車へ置き換えに伴い、転換コストなどの負担が上昇する。

その他環境規制の導入・強化

短期

コスト/資産

‐環境関連規制強化への対応による設備投資の増加や、食品安全基準等の見直しへの対応コストが上昇する。

業界

市場

消費者の環境志向の変化

中~

長期

収益

‐環境への取組みや非財務情報の開示が不十分な場合、消費者からの支持が低下し、ブランド力の下落や顧客離れによる減収が発生する。

エネルギー需給の変化

中期

コスト

‐化石燃料を用いたエネルギー調達コストが上昇し、原材料・仕入れの生産コストやガソリン車(現車両)の利用による配送コストが上昇する。

‐再エネ調達需要の高まりにより、再エネ価格や再エネ対応切り替え設備の稼働価格が上昇する。

投資家の評判変化

中~

長期

資本

‐気候変動への取組みや非財務情報の開示が不十分な場合、優遇金利が適用されず、企業評価が低下する。

 

 

シナ

リオ

リスク分類

時間軸

財務影響領域

可能性のある事業インパクト

影響度

1.5℃

4℃

移行

技術

農・水産業における生産イノベーション

中~

長期

コスト/資産

‐農・水産業がスマート農業等脱炭素モデルに移行するために最新設備等を導入することでコスト負担が上昇する。

物流・配送におけるイノベーション

中期

コスト/資産

‐配送車両の電気自動車へ置き換えに伴い、コスト負担が上昇する。

物理

急性

異常気象の激甚化

短~

長期

コスト

‐集中豪雨や台風によって生産地域の浸水被害や、物流網の混乱が発生し、商品の調達ができなくなる。

‐台風等の自然災害による運休の発生等で売上の減少や車両損傷による補償対応が増加する。

‐事業所の浸水等により、事業活動が停止する。

慢性

調達・供給体制への影響

長期

コスト/収益

‐気候変動による直接的・間接的な収穫量の低下により、調達必要量の確保が難しくなる。

‐需給バランスの調整が難しくなり、欠品や廃棄処理の増加が懸念される。

‐高温により農作業効率が低下し収穫量が減少する。

品質への影響

長期

コスト/収益

‐当社グループが設定する水準の品質確保が難しくなる。

‐顧客への配送時に、冷凍食品を中心に品質担保が困難になる。

‐熱中症や食中毒などの発生リスクが高まり、発生してしまった場合に評判悪化により売上が減少する。

コスト構造への影響

長期

コスト

‐原材料・資材等の仕入れコストが上昇する。

‐人材不足や操業可能設備不足等からコスト負担が上昇する。

消費者の食ニーズ全般の変化

長期

収益

‐消費者の生活における気候変動への適応負担が増加し、食費支出そのものが減少する。

 

※財務影響度の金額イメージ(大:20億円以上、中:1~20億円、小:1億円未満)

※影響度は、当連結会計年度末現在において取得可能な情報をもとに算定しうる範囲で記載

※定量評価は、2030年時点まで2026年3月期と同様の事業規模拡大が続いていることを前提に評価

 

 

(機会)

分類

対応

機会

炭素税の導入

‐カーボンニュートラルの達成

‐省エネの積極的な導入によりコスト削減ができる。

‐カーボンニュートラル達成により、炭素税の負担を減らせる。

プラスチック規制の強化

‐商品パッケージのさらなるグリーン化

‐代替プラスチックの新包装材の先行導入により差異化をはかる。

その他環境規制の導入・強化

‐食品安全基準の強化

‐特定フロン排出抑制

‐カーボンフットプリント開示規制の強化により、自社の優位性の訴求や、その他環境配慮に対する補助金導入による金銭的なメリットを享受する。

消費者の環境志向の変化

‐アップサイクル食品の販売推進

‐商品パッケージのさらなるグリーン化

‐環境志向・ニーズの高まりに的確に対応し、顧客との関係性を構築・向上させることで、ブランド力や既存顧客との関係性が強化されるだけでなく、新たな顧客開拓・既存顧客のロイヤリティ向上へも繋がる。

エネルギー需給の変化

‐省電力化

‐オフィス・全物流拠点電力に再生エネルギーを導入

‐グリーン配送や、省エネ設備の早期導入等によりコスト負担を抑えられる。

農・水産業における生産イノベーション

‐サプライチェーン全体での持続可能性を高める

‐環境負荷が少ない食材の製造等、フードテックの活用・開発促進によりニューフードの市場を活性化する。

‐冷凍食品、加工生産、可食化技術も含めたイノベーティブな生産、安定供給体制を先行して構築し差異化をはかる。

物流・配送におけるイノベーション

‐梱包資材の見直し

‐配送車の省エネルギー配送とEV化の検証

‐配送効率の高い資材の導入により、コスト負担を抑制する。

‐気候変動に影響を受けにくい配送手段を選択し、顧客にとって利便性の高い物流・配送体制を先行して構築する。

 

 

 

分類

対応

機会

異常気象の激甚化

‐サプライチェーン全体での持続可能性を高める

‐良質なサプライの拡大

‐ローコストオペレーション、マーケティングノウハウ共有による収益力改善

‐生産地の多様な地理的ポートフォリオにより、局所的な収穫不良時でも商品の安定供給が図れる。

‐学童における災害時の緊急連絡サービスの必要性が高まり、需要が増加する。

調達・供給体制への影響

‐トレーサビリティのデータを有効活用し、需給調整を綿密に実施し、安定供給が図れる。

‐国内外での収穫可能性の拡大を想定し、安定生産できる栽培、生産方法の確立を後押しする。

品質への影響

‐従来の小売流通基準に満たない原材料(B級品等)の活用機会を増加させ、顧客にもその価値を理解してもらうことで、新たな訴求要素を確立する。

消費者の食ニーズ全般の変化

‐熱中症予防や備蓄可能な食品に対するニーズが高まる。

‐外出の困難化から宅配そのもののニーズが増加する。

 

 

③リスク管理

気候変動に関するリスク管理は、「(1)サステナビリティ全般 ③リスク管理」に記載のとおりです。

 

④指標及び目標

当社グループは、気候変動リスクと機会への対応の一環として、温室効果ガス排出量、フードロス及び商品資材の削減に関し、以下の指標及び目標を設定しております。指標及び目標を定める際には、パリ協定やGHGプロトコル等を参照しております。

 

◆温室効果ガス排出削減の全社目標(比較対象:2022年3月比)

 

項目

2030年3月までの目標

実施内容

スコープ1、2

2022年3月比で50%以上の削減を継続

・省電力化

・オフィス・全物流拠点電力に再生エネルギー導入を推進

スコープ3

削減に積極的なサプライヤーを増やしていく 

・バイオ炭等、農業生産でのグリーン化の推進

・商品パッケージのグリーン化

・食品廃棄物の削減

・食品残渣のリサイクルの促進

 

 

 

◆温室効果ガス排出量推移

排出量:CO2排出総量[t-COze]

原単位:CO2排出総量原単位(売上高あたり)[t-COze/百万円]

項目

2024年3月期(※4)

2025年3月期(※5)

2026年3月期(※6)

排出量

排出量

原単位

排出量

排出量

原単位

排出量

排出量

原単位

スコープ1(※1)

1,131

-

16,296

-

9,864

-

スコープ2(※2)

43

-

1,063

-

3,490

-

自社排出量

(スコープ1+2)計

1,174

0.01

17,359

0.07

13,354

0.06

スコープ3(※3)

302,831

-

384,377

-

373,463

-

サプライチェーン排出量(スコープ1+2+3)計

304,005

2.60

401,735

1.60

386,817

1.62

 

※算定方法:排出量の算定はGHGプロトコルに基づく。

(※1):事業業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス等)

(※2):他社から供給された電気・熱・上記の使用に伴う間接排出

(※3):スコープ1、スコープ2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)

※各期のGHG算定における組織境界(バウンダリ)は、算定期初における財務支配力基準を採用し、オイシックス・ラ・大地株式会社単体及び以下の対象子会社を算定範囲として設定。

(※4):グループ会社(Three Limes,Inc.・株式会社フルーツバスケット・株式会社とくし丸)

(※5):グループ会社(シダックス株式会社及びその子会社、Three Limes,Inc.・株式会社フルーツバスケット・株式会社とくし丸)

(※6):グループ会社(シダックスコントラクトフードサービス株式会社、シダックスフードサービス株式会社、エス・ロジックス株式会社、シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社)

 

◆フードロス削減量

品質に問題はないものの、形や色が原因で規格外となってしまい、通常の流通にはのらない野菜を「ふぞろいRadish」と名付けて販売する取り組みや、見栄えや食感の悪さなどから食品として未活用だった食材をアップサイクルし、新しい商品にアップグレードすることをコンセプトとする「Upcycle by Oisix」等ブランド商品の販売を通じて、川上でのフードロス削減(生産地や製造元で発生するフードロスの削減)に取り組んでいます。

 

項目

2024年3月期

2025年3月期

2026年3月期

フードロス削減量

506,654Kg

525,783Kg

590,075Kg

 

 

◆商品資材の削減

Oisixブランドにおける、リサイクル用紙使用率100%の段ボール活用や可変型段ボールの導入によるプラスチック緩衝材の削減、Kit Oisix外装へのバイオマス素材の採用やプラスチック包装の最適化(薄肉化、簡易包装)を通じて、商品資材の削減を推進しています。

 

項目

2024年3月期

2025年3月期

2026年3月期

プラスチック使用量

876t

760t

764t

 

※国内B2C 3ブランド(Oisix、大地を守る会、らでぃっしゅぼーや)のPB商品の資材及び商品の配送に要する緩衝材等の梱包資材をプラスチック使用量として集計。PB商品には、他社OEM品を含む。

 

 

(3)人的資本

①ガバナンス

 経営戦略と人材戦略の連動を図るため、人事管掌取締役が執行役員を兼務し戦略の策定から実行までを一貫して担う体制を敷いております。また、経営会議が人的資本戦略の実効性及び統制を監督するガバナンス体制を構築することで、経営への貢献を盤石なものとしています。

 具体的には、策定された人的資本戦略は年2回、経営会議に答申することで、執行側全体での共通認識の徹底と迅速な施策実行を確保しています。また、重要な戦略的事項については、取締役会への報告や提案を行い、社外取締役の専門的知見を反映させることで、戦略の客観性と実効性を担保しております。

 人材育成面においては、経営層との定期的な協議の場を通じて、事業戦略と人材育成方針の整合性を確認し、施策のPDCAサイクルを回しています。組織及び人事の重要事項に関しても厳格なガバナンスを適用しており、部室単位以上の組織変更や部長職の異動、部門間異動については、経営会議での決議を必須プロセスとすることで、全社的な視点に立脚した組織運営の統制を徹底しております。

 

②戦略

 私たちは、「これからの食卓、これからの畑」という企業理念のもと、食に関する社会課題をビジネスの手法で解決することをミッションとしており、その実現のためには、社員の持続的な成長と活躍及び優秀な人材の確保が不可欠であると考えています。

 人材戦略としては『人が育ち、育てられ、社員が生き生きと働くことが出来る居場所(会社)を創造する!』というビジョンを掲げ、以下の人材育成方針と環境整備方針を人的資本戦略の主要な柱として推進しています。

 

<人材育成方針>

1.企業理念の浸透と働きがいの醸成

 社員目線での多様性や働きやすさを追求するとともに、企業理念を実現するための7つの行動規範「ORDism(オーディズム)」の実践を通して会社への貢献を実感できるような仕組みづくりにより、社員の働きがいを醸成しています。行動規範を体現し、成果を上げたチームや個人を社員総会等で表彰することに加えて、従業員に向けた経営層によるビデオレター配信、生産者・お客様の話を聞く機会の提供、生産現場への訪問・農作業体験などを通じて、社員が企業理念や自身の仕事の意義を深く理解できる機会を設けています。

 

2.中期事業ポートフォリオ戦略と連動した人材育成・獲得

 中期事業ポートフォリオ戦略の完遂に向け、内部人材の計画的育成と外部人材の戦略的獲得を推進しています。育成に関しては、知識(Off-JT)と経験(OJT)の連動を図りつつ、現場での実践を中核に据えています。例えば、将来の「エース人材」には、事業インパクトの大きい高難度アサインメントを戦略的に課し、短期間での飛躍的な成長を促しています。また、経営層と人事による「成長支援会議」を定期開催し、経営戦略に沿った人員配置や役割付与を実施することで、社員が最大限のパフォーマンスを発揮し、エンゲージメントを高められる環境を構築しています。あわせて、マネジメントスキル習得プログラムやロジカルシンキングプログラム等のOff-JTプログラムを連動させることで、個人の自律的な成長を支援しています。加えて経営の重要課題に関しては、高度な専門性を有する外部人材を機動的に採用し、速やかなオンボーディングを行うことで、迅速に課題を解決できる体制を整えています。

 

3.社員の自律的なキャリア支援と活躍人材の創出

 当社では社員の自律的なキャリア形成と成長機会の提供を通じた「活躍人材の創出」に注力しています。具体的には、社外取締役の知見を反映し設計した当社独自の「セルフ・キャリアドック」の仕組みを導入しています。2024年3月期より、全年代の社員が5年に1度は受講できる定期的な支援体制を構築し、社内キャリアコンサルタントによる年齢別のキャリアセミナーや個別面談を実施しています。これらの施策を通じて、社員一人ひとりのキャリア自律意識を高め、個々の専門性とエンゲージメントの向上を、業績への貢献と持続的な企業価値向上につなげています。

 

 

<環境整備方針>

 持続的な価値創造の源泉は「人材」にあるとの方針を掲げ、社員一人ひとりの属性やライフステージに寄らず、その能力を最大限に発揮できる職場環境づくりを推進しています。ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の観点からは、産前産後・育児休業からの円滑な復職支援に加え、多様性の受容が革新的なアイデアやサービスの創出につながるという考えのもと、「多様性」をテーマにした社員研修を四半期ごとに実施しています。また、社員のパフォーマンス維持・生産性の向上を目的として、本社及び各拠点においてオフィス環境の最適化を実施しています。グループアドレス制の導入、WEB会議専用ブースや集中スペースの拡充などを通じ、社員の心身の健康維持とパフォーマンスの最大化を支援する柔軟なワークスタイルを実現しています。

 

③リスク管理

 当社では、人的資本を中期事業ポートフォリオ戦略の遂行における不可欠な資本と捉え、その毀損を防ぐためのリスク管理体制を構築しています。人的資本に関するリスクとして、戦略遂行に不可欠な専門人材の獲得遅延や流出、次世代リーダーの育成停滞に加え、従業員の安全と健康の確保が重要であると認識しています。これらのリスクは、リスク管理委員会を通じて定期的に特定・評価を行い、重要事案については経営会議及び取締役会に報告・連携することでガバナンスを効かせています。

 特に、事業継続の基盤となる「従業員の安全と健康」については最重要リスクの一つとして位置づけ、以下の施策を中心にリスクの低減と予防を徹底しています。

 

<適正な労働時間管理と健康支援>

 全社的な勤怠管理システムによるモニタリングとアラート体制により、過重労働を未然に防止しています。また、健康経営の推進に向け、産業医・保健師による面談・指導体制を整備し、社員に対する心身両面からのサポートを強化しています。

 

<現場での安全衛生の取り組み>

 倉庫や生産拠点を含む一定規模の全現場において、リスクアセスメントに基づいた安全衛生委員会を定期的に開催しています。現場実態に即した、作業環境の継続的な改善と安全教育を徹底することで、労働災害の防止と安全文化の醸成を図っています。

 

④指標及び目標

 当社では、上記②戦略で掲げた方針に対する成果を測定しPDCAサイクルを回すため、以下の主要指標についてモニタリングを行っています。

 

人的資本に関する指標

戦略

対象

2024年度

実績

2025年度

実績

2026年度

目標値

キャリア面談実施人数(人数)

人材育成方針

提出会社

120

113

184

DE&Iサーベイ(平均点数)

環境整備方針

提出会社

71.0

73.8

75.9

 

 

 なお、管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び、男女の賃金の額の差異についての実績は、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (2) 従業員の状況 ④ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異」に記載のとおりです。