リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
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リスク項目 |
内容 |
対応策 |
発生 可能性 |
その時期 |
影響度 |
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(1)M&A
(投資判断に関するリスク) |
当社グループは純粋持株会社体制をとっており、M&Aの活用による事業領域の拡大や事業構造の見直しを推進しておりますが、M&Aはその実施時期や実現可能性を合理的に見積もることが難しく、条件交渉の不調やデュー・ディリジェンスの結果によっては実行が困難となる可能性があります。 また、投資実行後において、各子会社の事業運営が計画どおりに進まない場合や予期せぬ事象による業績変動が生じた場合には、のれんや固定資産の減損損失の計上を含め当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
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当社グループは、M&Aに際して取締役会での事前審議を重視し、対象企業に関する十分な情報共有と意見交換を行ったうえで、対象企業の経営陣との面談や事業拠点の実地確認を通じて事業実態の把握に努め、事業シナジー、投資回収可能性、リスク要因、将来の成長性を多面的に検証しております。加えて、外部専門家によるデュー・ディリジェンスを徹底し、その結果を踏まえ取締役会において慎重に審議し投資判断を行っております。 投資後においては、内部統制システム構築の基本方針に基づき子会社の経営情報を迅速かつ正確に把握できる体制を整備し、定期的なモニタリングと経営会議を通じて課題を早期に抽出し、改善しております。また、プロパー人財の育成支援や双方向のコミュニケーションを強化することで、組織活性化と持続的な成長を推進しております。 さらに、子会社化した企業の業績貢献度や投資資金の回収状況を毎期検証し、その結果を取締役会に報告する体制としております。 |
中 |
特定時期なし |
大 |
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(2)ファイナンス
(資金調達に関するリスク) |
当社グループは、設備投資やM&Aの実施原資として、自己資金又は金融機関からの借入により調達をしております。今後、急激な景気の後退等市況の悪化、事業見通しの悪化等の要因により、希望する条件で適時に資金調達できない場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、取引先金融機関と良好な関係を構築・維持しながら分散化を図り、個別プロジェクト毎に金融機関と協議を行い、適時適切な資金調達ができるよう努めております。また、借入の伴う投資判断については、取締役会において、当該投資判断の事業性のみならず、投資後の財務状況等についても、十分な審議のうえ決定しております。 |
低 |
特定時期なし |
大 |
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(3)人財の確保、育成
(人財確保、育成に関するリスク) |
当社グループが必要とする人財の確保や育成が十分にできなかった場合には、事業の拡大に制限が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、人が企業価値を生む源泉と考え、年齢、性別、国籍を問わず多様な人財を確保・育成していくことが中長期的な企業価値の向上につながると認識しております。この認識のもと、人財への幅広い投資を行っていくことを人財育成の基本方針とし、プロフェッショナル人財の採用や中途・新卒採用の強化、次世代経営人財の育成、職場環境の改善等、人的資本への投資に積極的に取り組んでおります。 特に、経営戦略上最重要であると位置づけておりますM&Aについては、必要に応じて社外人財を招聘するものの、基本的には子会社のプロパー人財を社長、役員に登用するほか、当社グループの従業員を役員、管理職として派遣し、経営経験、マネジメント経験を積ませることにより次世代経営人財の育成に努めております。 |
中 |
特定時期なし |
大 |
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(4)建築関連の投資動向
(経済動向に関するリスク) |
当社グループが取り扱う製品・サービスは、建築業界向けのものが多くを占め、国内における建築関連の投資動向の影響を受けております。日本国内の住宅・非住宅分野の建築関連市場が急激に冷え込んだ場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、グループビジョンである「『創る』力で未来に挑む企業グループ」を目指しております。M&Aを通じて「創る」力の強化を図り、更なる付加価値提案力の向上に努めると共に、当社グループの構成企業の数の増加、事業シナジーの強化により差別化を進め、お客様から選ばれる競争力の高い製品・サービスの提供に努めております。 |
中 |
特定時期なし |
中 |
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(5)原材料の確保と価格の変動
(材料調達に関するリスク) |
当社グループの金属加工事業における主な使用材料は鋼材であります。そのため、国内及びアジア地域において短期間に大幅な需要増が発生した場合等鋼材需要が逼迫した場合には、一時的に材料鋼材の確保が困難となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、鋼材価格が大幅に上昇した場合には、製品価格への転嫁に伴う販売の停滞や原価率の上昇による利益の低下を通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループのタイル事業においては、タイル焼成に用いる都市ガス価格動向や一部輸入タイルにおける為替変動による仕入価格への影響を受け、これらが想定を超えるスピードで変動した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、取引商社の多様化及びこれらの商社との関係強化を通じて主要原材料の確保を図っております。 また、原材料価格が変動した場合の価格転嫁をタイムリーに行えるよう原価管理を行い、適宜顧客へ交渉をしております。更に、グループ横断的に製品の設計見直しや生産性向上に努め、原価低減を強化し、顧客ニーズに応えるものづくりを行うことを通じて、価格競争力の強化に努めております。
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中 |
特定時期なし |
中 |
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(6)生産拠点の自然災害等
(災害・事故に関するリスク) |
当社グループの生産拠点おいて、想定を超えた大規模な自然災害や不測の事態が発生し事業活動への支障が長期にわたった場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループの生産拠点は全国各地に分散しており、特定の拠点が被災した場合においても、日本全国を同時に襲うような大規模自然災害や不測の事態が発生しない限り、影響が一極集中する可能性は低い体制となっております。 また、大規模な自然災害や不測の事態が発生した場合を想定し「災害対応要領」を策定しており、従業員やその家族の人命を最優先とし、可能な限り速やかな事業活動の再開が出来るように努めております。 |
低 |
特定時期なし |
大 |
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(7)設備投資
(投資判断に関するリスク) |
当社グループは、大ロットや短納期の顧客ニーズ等に応えていくため、設備投資計画に則り、最新鋭かつ大型の設備を計画的に導入しておりますが、当該設備による生産品目が当社グループの予想に反して十分な需要を確保できなかった場合や販売価格の低下により採算が悪化した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、顧客ニーズや市場動向を踏まえ、実行後の投資貢献や資金回収について、取締役会において十分に検討したうえで設備投資を決定しております。 重要な設備投資実行後においては、当該設備により製造される製品の受注見通しや設備稼働状況について、取締役会への定期的な報告を通して、投資判断が適切であったかについて検証をしております。 |
低 |
特定時期なし |
中 |
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(8)品質管理
(製品・サービスの品質に関するリスク) |
当社グループの製品に不良が発生し、当該不良を原因として顧客に重大な事故が発生する等の損害が生じた場合には、社会的信用の低下や顧客に対する損害賠償等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、事業上の必要性がある部門において、品質マネジメントシステム規格のISO9001の認証を取得しており、万全な品質管理体制を構築することによって、日々の製品検査や定期的なモニタリングを通して、製品の品質管理に細心の注意を払っております。 |
低 |
特定時期なし |
中 |
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(9)競合
(競合他社との競合に関するリスク) |
競合企業の大胆な価格政策や大幅な需要の低下等により競合企業との価格競争が激化した場合には、価格競争力の維持が困難となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、顧客訪問活動等による他社動向の調査に加え、グループ横断的に製品の設計見直しや生産性向上に努め原価低減を強化しながら、顧客ニーズに応えたものづくりを行うことを通じて、価格競争力の強化に努めております。 また、顧客ニーズに応じたオーダー加工製品を軸としつつ、製品加工の提供だけでなく、施工を含めた、材工一括の受注スタイルをとるなど、事業全体の付加価値を高め、競合と差別化できるよう努めております。 |
中 |
特定時期なし |
中 |
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(10)信用リスク
(営業債権に関するリスク) |
取引先の信用状態の悪化や経営破たん等により、債権回収が不能となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、取引先に対し営業債権の形で信用供与を行っており、取引先との間では商品売買基本契約等の契約を締結するとともに、信用状況に応じた与信限度額の設定や貸倒引当金の計上、その他必要な対応策を講じております。 |
低 |
特定時期なし |
中 |
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(11)未知の感染症の流行
(感染症に関するリスク) |
当社グループは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行のように、未知の感染症が世界的に流行した場合には、従業員への感染や国内外景気の更なる下振れ等により、工場稼働率の大幅な低下や事業活動への支障が長期にわたった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、未知の感染症が発生した場合には流行リスクに対応できるよう、対策会議等を通じて、当社グループ従業員の感染防止対策を講じるとともに、緊急時の事業体制を想定し準備しておくことによって、これらのリスク発生防止に努めております。 |
低 |
特定時期なし |
中 |
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(12)新規事業
(新規事業への投資に関するリスク) |
当社グループは、中長期的な成長のため、新規事業への投資を行っておりますが、安定的な収益を生み出すには一定の期間を要することが想定されるため、想定を超えた市場環境や顧客動向の変化、市場ニーズの読み違い、予期せぬ技術革新等によって計画通りに推移しない場合には、投資の回収の遅延又は回収が困難となり、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、顧客動向や市場環境を踏まえ、実行後の投資貢献や資金回収について、取締役会において十分に検討したうえで投資を決定しております。 また、定期的なモニタリングを実施し、今後の見通しや当該投資の進捗状況について、取締役会への定期的な報告を通じて、投資判断が適切であったかについて検証しております。 |
中 |
特定時期なし |
中 |
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主の皆様に対する利益還元を重要な経営課題として認識すると共に、持続的な成長と企業価値向上を図るための資金を成長投資に振り向けていくことに力点を置きながら、各事業年度の経営成績を勘案して配当を行うことを基本方針としております。
当社は、年1回、期末配当により剰余金の配当を行うことを基本方針としており、この剰余金の配当の決定機関は
株主総会であります。
この基本方針のもと、当社が2025年6月1日をもって、持株会社体制に移行したことを記念し、株主の皆様のご支援に感謝の意を表すため、当期(2025年8月期)の期末配当金につきましては、普通配当30円に記念配当10円を加え、1株につき40円を予定しております。
内部留保資金につきましては、M&A、人財、新規事業、新製品開発等の資金需要に備えるとともに、企業体質の強化を図るために有効に活用してまいりたいと考えております。
当社は、取締役会の決議によって、毎年2月末日の最終の株主名簿に記録された株主又は登録株式質権者に対し、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
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決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たり配当額(円) |
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2025年11月27日 |
256 |
40.00 |
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定時株主総会決議(予定) |