2025年8月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

農家の直売所事業 産直卸事業 産直事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
農家の直売所事業 5,663 67.8 824 96.5 14.6
産直事業 2,696 32.2 30 3.5 1.1

事業内容

3【事業の内容】

 当社は、「持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにする」をビジョンに掲げ、日本や世界から農業がなくならない仕組みを構築することを目的としております。そのためにまずは、ミッションである「ビジネスとして魅力ある農産業の確立」を実践しております。

 報告セグメントに基づく事業の内容は以下のとおりです。

 

(1)農家の直売所事業

 農家の直売所事業は、当社及び業務委託先が運営する集荷場で登録いただいた生産者(以下、「登録生産者」という)から農産物を集荷し、原則翌日にスーパーマーケット等の小売店(以下、「スーパー等」という)の産直コーナーで販売することです。つまり、登録生産者とスーパー等を直接つなぐ流通を構築しております。生産者の顔が見える「安心・安全・新鮮・おいしい」農産物を、日々生活者がご利用いただいているスーパー等にて購入できる仕組みを提供しております。

 農家の直売所事業は、「委託販売システム」の提供と、委託販売システムを当社が利用し、当社が登録生産者等から農産物を買い取りし委託販売する「買取委託販売」を行っております。

 

 ①委託販売システム

 「委託販売システム」は、登録生産者から農産物を集荷し、スーパー等の産直コーナーで委託販売を行う流通プラットフォームを提供するものです。当社もスーパー等も買い取りをしないため、在庫リスクは登録生産者にあります。在庫リスクを持つ代わりに登録生産者は、販売する「農産物」とスーパー等の「販売先」と「販売価格」を自分自身で決定することができます。つまり、好きなものを好きな量だけ、好きな場所で好きな値段で売ることができる、ということです。これを実現可能にしたのは、スーパー等からバーコード情報(インストアコード等)をご提供いただくことで登録生産者とバーコード情報を紐付けし、当社の集荷場にて販売先のバーコードを発券するシステムを構築したことによります。登録生産者は、集荷場にて出荷したいスーパー等別に自分専用のバーコードを発券し、袋詰めした農産物に貼り付けし出荷いたします。

 スーパー等で生活者が農産物を購入することにより、登録生産者は販売代金を、スーパー等及び当社は販売手数料を得ることができます。また、スーパー等から日々の販売データや出荷データを蓄積し、登録生産者に対し生産者向け情報プラットフォーム「農直システム」にて販売状況や相場状況を提供しております。登録生産者は、在庫リスクを負いますが、原則、農産物市場を経由して販売するよりも多くの販売代金を得ることができます。スーパー等は、買い付けをしないことから在庫リスクを抱えることなく、当コーナーで販売した分の販売手数料を得ることができます。また、登録生産者との間に当社を介することで、生産者ごとに代金を支払う必要がなく、支払の手間を省くことができます。実際に農産物を購入される生活者は、日々ご利用いただいているスーパー等で生産者の顔が見える「安心・安全・新鮮・おいしい」農産物を購入し食することができます。

 この「委託販売システム」は、登録生産者にとってもスーパー等にとっても生活者にとっても良いもの、すなわち「三方良し」であることが特徴です。

 当社は、当社が運営する集荷場からスーパー等の各店舗までの物流費を負担しておりますが、登録生産者からは、出荷額に応じた物流費見合いの手数料「出荷手数料」をいただいております。その他の手数料として、バーコード発券に伴う手数料、及びスーパー等での販売額に応じた手数料をいただいております。また、登録生産者からは、当社の集荷場に登録いただいた時点で登録料をいただき、その後、年に一度年会費をいただいております。集荷場業務を他社に委託している場合は、業務委託先が登録生産者等から農産物を集荷し、スーパー等へ運んでおります。当社は、販売額に応じた手数料から集荷場業務に対する委託費を業務委託先に支払っております。

 「委託販売システム」は、手数料が主な収益であり、手数料が売上高に計上されるので、「買取委託販売」や「卸販売」よりも利益率の高いビジネスモデルとなっております。

 

 農産物の流れと手数料・情報の流れをまとめたフロー図は以下のとおりとなります。

 

 

 ②買取委託販売

 「買取委託販売」は、天候不順等で農産物の供給量が安定しない場合や、スーパー等からフェア実施等で一定の供給量の要望があった場合に、当社が登録生産者等から農産物を買い取り供給量を確保し、スーパー等で委託販売を行うことです。当社が在庫リスクを負うため、登録生産者等から買い取りする価格は、登録生産者等が市場に出荷する価格と同等かそれ以上となり、価格は当社が決定します。スーパー等と生活者が享受するメリットは、「委託販売システム」と変わりません。

 当社は、第15期まで当社が決定した販売価格からスーパー等の販売手数料を差し引いた金額を売上高に計上しておりましたが、第16期より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用し、当社が決定した販売価格を売上高に計上し、第15期まで販売価格から差し引いておりましたスーパー等の販売手数料は第16期より販売費及び一般管理費に計上しております。

 「買取委託販売」は、当社が決定した販売価格を売上高に計上し、登録生産者等からの仕入高を売上原価に計上するため、利益率は「委託販売システム」より低くなります。

 

(2)産直事業

 産直事業は、当社が生産者から直接農産物を買い取り、商品の「パッケージ」、売場の「POP」、生産者のおすすめ「レシピ」などで商品の付加価値を可視化し、スーパー等の青果売場で卸販売(ブランディング卸)をしております。当事業年度より、農家の直売所における委託販売システムとこれまでのブランディング卸を融合した「産直委託モデル」を青果売場にて本格的に展開しております。「産直委託モデル」は、レベニューシェア方式、大量・安定販売が可能、事務処理が簡便といった特徴を備えており、農産物流通に参加する全員がメリットを享受できる仕組みです。農家の直売所事業で培った「小売アカウント・物流インフラ・産地ネットワーク」を活用することで、生産者の顔が見える「安心・安全・新鮮・おいしい」農産物を青果売場でも展開しております。

 

 ①卸販売(ブランディング卸)

 「卸販売」は、農産物を登録生産者等から買い取りし、生産者や農産物の強みをPOP・パッケージ等にてブランディング化した上で、スーパー等へ販売を行う仕入販売になります。「買取委託販売」と同様に、当社が決定した販売価格と登録生産者等からの仕入高がそれぞれ売上高と売上原価に計上されますが、スーパー等が在庫リスクを負うため、当社のスーパー等への販売価格はスーパー等が市場から買い取りしている価格と同等かそれ以下となり、利益率は「委託販売システム」や「買取委託販売」と比較すると低くなる傾向にあります。

 

 ②産直委託モデル

 「産直委託モデル」は、農家の直売所事業の「委託販売システム」と産直事業の「卸販売(ブランディング卸)」を融合した新しい小売向け農産物流通モデルです。従前の産直卸事業では、生産者から直接農産物を買い取り、ブランディング(付加価値の見える化)を加え、顔が見える安心安全な商品を「卸販売(ブランディング卸)」にて提供してまいりました。1日あたりの流通総額を拡大する販売方式としては優れている一方で、スーパー等が在庫リスクを負うため、スーパー等への販売価格は、スーパー等が市場から買い取りしている価格と同等かそれ以下となっていました。また、スーパー等が農産物を買い取るため、農産物の納品・検品時に少量の劣化等が発生した場合においても、伝票処理が発生し、スーパー等及び当社の事務処理が煩雑になっていました。そこで、農家の直売所事業の「委託販売システム」と産直事業の「卸販売(ブランディング卸)」を融合した「産直委託モデル」をスーパー等の青果売場に導入することで前述の課題を解決し、農産物流通に参加する全員がメリットを享受することができると考えています。また、当社が2025年4月14日に公表しました「中期経営計画 2025-2027」の中で、農産物流通業界全体で需給バランスをとる仕組みである「AI需給調整プラットフォーム(次世代型プラットフォーム)」の構築を掲げておりますが、その一翼として「産直委託モデル」を位置付けています。

 「産直委託モデル」は、生活者が農産物を購入する際に支払う購入金額を、生産者・当社・スーパー等で分け合うレベニューシェア方式を採用しているため、農家の直売所事業の「委託販売システム」と同様の取扱いをしております。また、「委託販売システム」の場合、在庫リスクは生産者が負担することとなり、初めはハードルが高いと感じる生産者もいることから、当社が登録生産者等から農産物を買い取りし委託販売する「買取委託販売」も行っています。このような取組みにより、スーパー等は在庫リスクを負担することなく、生産者からスーパー等までが一体となり、生活者が喜ぶ商品を届けることに注力することができるようになります。

 

 当社のビジョンである、持続可能な農産業を実現するためには、生産者が経営意識を持つことが必要不可欠であると考えており、引き続き生産者が主体となって販売できる農家の直売所事業の「委託販売システム」を積極的に進めてまいります。

 また、農家の直売所事業で培った資産を活用し、スーパー等の全ての青果売場に、生産者から直送された農産物を提供するため、産直事業の「卸販売」及び「産直委託モデル」も積極的に進めてまいります。

 

 農家の直売所事業における、集荷場数、スーパー等店舗数及び登録生産者数の推移は以下のとおりであります。

 

第15期

2021年8月期末

第16期

2022年8月期末

第17期

2023年8月期末

第18期

2024年8月期末

第19期

2025年8月期末

集荷場数

94

92

92

81

78

スーパー等店舗数

1,774

1,934

1,995

2,106

2,246

登録生産者数(人)

9,762

10,258

10,378

10,312

10,419

 

 また、当事業年度末における都道府県別のスーパー等店舗数、集荷場数及び登録生産者数は以下のとおりであります。

 

スーパー等

集荷場

生産者数

 

スーパー等

集荷場

生産者数

1.北海道

134

5

109

25.大阪府

381

2

199

2.青森県

-

-

7

26.兵庫県

165

7

1,179

3.岩手県

-

-

1

27.京都府

39

2

318

4.秋田県

-

-

2

28.滋賀県

18

1

79

5.宮城県

1

-

2

29.奈良県

17

1

200

6.山形県

8

-

72

30.和歌山県

31

6

2,666

7.福島県

-

-

3

31.鳥取県

-

1

42

8.東京都

339

1

15

32.島根県

-

1

24

9.神奈川県

221

2

469

33.岡山県

2

-

3

10.埼玉県

203

3

653

34.広島県

13

2

73

11.千葉県

153

5

869

35.山口県

1

-

-

12.茨城県

75

4

488

36.徳島県

-

2

108

13.栃木県

13

1

117

37.香川県

-

3

94

14.群馬県

2

-

53

38.愛媛県

5

4

641

15.山梨県

2

2

362

39.高知県

-

5

72

16.新潟県

83

2

210

40.福岡県

-

-

2

17.長野県

71

4

689

41.佐賀県

2

-

1

18.富山県

4

2

3

42.長崎県

21

3

129

19.石川県

9

-

-

43.熊本県

-

-

30

20.福井県

-

-

1

44.大分県

-

-

-

21.愛知県

105

5

166

45.宮崎県

1

-

24

22.岐阜県

23

-

36

46.鹿児島県

8

-

18

23.静岡県

58

2

179

47.沖縄県

-

-

5

24.三重県

38

-

6

合計

2,246

78

10,419

 

 

 

 事業の系統図は以下のとおりであります。

〔事業系統図〕

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の概況

 近年の全国農業総産出額は、米、野菜、肉用牛等における国内外の需要に応じた生産の進展等を背景に、9兆円前後で推移しております。2023年の農業総産出額は、米の需要が堅調に推移したことや野菜の生産量減少による価格上昇、鳥インフルエンザの影響により鶏卵価格が上昇したこと等から、前年に比べ4,968億円増加し、9兆4,952億円となりました。また、近年の生産農業所得は、全国農業総産出額の増減はあるものの、3兆円台で推移しております。2023年は、農産物の価格が上昇したこと等により、前年に比べ1,877億円増加し、3兆2,921億円となりました(出典:農林水産省「生産農業所得統計」)。他方で、2024年2月時点の農業経営体数88万3千経営体のうち、個人経営体は84万2千経営体で、前年に比べ5.2%減少した一方、団体経営体は4万1千経営体で0.7%増加し、団体経営体のうち、法人経営体は3万3千経営体で前年に比べ1.2%増加しております(出典:農林水産省「農業構造動態調査」)。農業経営体の減少が続く中、法人化や規模拡大の進展が継続しております。

 当事業年度における青果価格は、上期は猛暑や天候不順の影響により、平年に比べ非常に高い水準で推移しながらも下期以降は平年並みに落ち着きました。一方、当事業年度のスーパーマーケットにおける青果物の販売動向は、円安やエネルギーコスト上昇による消費者心理減退の懸念があるものの、相場高の影響により単価が上昇し、前年に比べ増加いたしました。

 このような環境のもと、より多くの生活者に「おいしい」をお届けするために、当社の主たる事業である農家の直売所事業及び成長事業である産直事業を推進いたしました。2024年9月には株式会社NTTアグリテクノロジーとの資本業務提携契約を締結し、日本の食の安定供給や安全性の高い国産野菜の流通・拡大を進めてまいりました。2025年4月には「中期経営計画2025-2027」の中で産直委託モデルの展開やAI需要予測システムの開発を推進することを発表いたしました。各種値上げ等のコスト増が見込まれる環境においても利益が確保できるよう、青果の相場高を追い風に販売単価向上や適量納品等の利益率向上施策を実施し、事業基盤の強化に努めました。

 このような取組みの結果、流通総額は17,233,242千円(前事業年度比9.6%増)、2025年8月末日時点でスーパーマーケット等の国内小売店への導入店舗数は2,246店舗(前事業年度末より140店舗増)、農産物の集荷拠点である集荷場は78拠点(前事業年度末より3拠点減)、登録生産者は10,419名(前事業年度末より107名増)となりました。

 当事業年度の経営成績は、売上高は8,358,514千円(前事業年度比15.7%増)、営業利益は181,800千円(前事業年度比94.2%増)、経常利益は200,624千円(前事業年度比97.2%増)、当期純利益は11,025千円(前事業年度比89.9%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、当事業年度より「産直卸事業」は「産直事業」に名称を変更しております。

 

イ.農家の直売所事業

 農家の直売所事業では、当社及び業務委託先が運営する集荷場で登録いただいた生産者から農産物を出荷し、原則翌日にスーパー等の「産直コーナー」で販売する独自の流通プラットフォームを提供しております。

 当事業年度は、新規及び既存委託販売先との取引維持・拡大に加え、集荷場の統廃合や集荷場を拠点とした営業活動を行ってまいりました。青果相場高の環境のもと、スーパーでの豊富な品揃えを実現するため、品目バランスを考慮した買取委託の増加、適量納品、販売単価の向上、兵庫の集荷場における登録生産者からいただく出荷手数料の改定等、利益率向上施策に取り組み、事業基盤の強化に努めました。

 これにより、流通総額は14,442,349千円(前事業年度比8.5%増)、流通点数は65,513千点(前事業年度比4.4%増)、売上高は5,662,938千円(前事業年度比16.5%増)、セグメント利益は824,393千円(前事業年度比17.9%増)となりました。

 

ロ.産直事業

 産直事業では、当社が生産者から直接農産物を買い取り、商品の「パッケージ」、売場の「POP」、生産者のおすすめ「レシピ」などで商品の付加価値を可視化(ブランディング卸)し、スーパー等の「青果売場」で販売しております。

 スーパー等の取引先の旺盛なニーズに対応するため、引き続き、全国の産地や市場との連携により商品供給を強化し、既存取引先を中心に取引を拡大いたしました。また、新しい農産物流通の創造に向け、農家の直売所における委託販売システムとこれまでのブランディング卸を融合した「産直委託モデル」を本格的に展開いたしました。

 これにより、流通総額は2,790,893千円(前事業年度比16.1%増)、売上高は2,695,575千円(前事業年度比14.2%増)、セグメント利益は30,164千円(前事業年度比85.6%増)となりました。

② 財政状態の概況

(資産)

 当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べ93,251千円増加し、2,104,328千円となりました。これは主に、現金及び預金の減少1,843千円、売掛金の増加71,910千円、棚卸資産の増加19,514千円等によるものであります。

 当事業年度末における固定資産は、前事業年度末に比べ200,879千円減少し、453,477千円となりました。これは有形固定資産の減少12,777千円、無形固定資産の減少23,364千円、投資その他の資産の減少164,737千円によるものであります。

 

(負債)

 当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べ278,416千円増加し、1,614,615千円となりました。これは主に、買掛金の増加78,352千円、短期借入金の減少19,992千円、1年内返済予定の長期借入金の増加197,500千円、未払金の増加30,612千円、未払消費税等の減少13,744千円等によるものであります。

 当事業年度末における固定負債は、前事業年度末に比べ243,136千円減少し、53,405千円となりました。これは主に、長期借入金の減少244,564千円等によるものであります。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ142,907千円減少し、889,784千円となりました。これは主に、利益剰余金の増加11,025千円、自己株式の増加151,895千円等によるものであります。

 

③ 当期のキャッシュ・フローの概況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前事業年度末に比べ1,843千円減少し、777,589千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は264,938千円となりました(前年同期は23,736千円の収入)。これは主に、税引前当期純利益83,802千円、減価償却費65,697千円、関係会社株式評価損114,901千円、棚卸資産の増加19,514千円、売上債権の増加71,910千円、仕入債務の増加78,352千円、未払金の増加32,794千円、未払消費税等の減少13,744千円及び法人税等の支払額6,262千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は43,997千円となりました(前年同期は286,879千円の支出)。これは主に、無形固定資産の取得による支出29,243千円、関係会社株式の取得による支出10,000千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は222,784千円となりました(前年同期は31,892千円の支出)。これは主に、短期借入金の純減少額19,992千円、長期借入金の返済による支出47,064千円、自己株式の取得による支出160,929千円等によるものであります。

 

(2)生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

② 受注実績

 当社は受注による販売を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

③ 販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

区分

当事業年度

(自 2024年9月1日

至 2025年8月31日)

前年同期比(%)

農家の直売所事業(千円)

5,662,938

116.5

産直事業(千円)

2,695,575

114.2

合計(千円)

8,358,514

115.7

 (注)最近2事業年度の主な取引先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、下記金額には、委託販売システムについては、スーパー等での販売実績に応じた手数料を含めております。また、買取委託販売については、スーパー等の委託販売先を通じた売上高を含めております。

取引先

前事業年度

(自 2023年9月1日

至 2024年8月31日)

当事業年度

(自 2024年9月1日

至 2025年8月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社ライフコーポレーション

1,044,504

14.5

1,133,145

13.6

 

(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

a. 当事業年度の経営成績等

1.売上高

 当事業年度における売上高は8,358,514千円となりました。その主な内訳は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の概況」に記載のとおりであります。

2.売上原価・売上総利益

 売上原価は4,496,704千円となりました。主な内訳としては、スーパー等の需要旺盛に伴う買取委託販売が増加したことによるものであります。その結果、売上総利益3,861,810千円となりました。

3.販売費及び一般管理費・営業利益

 販売費及び一般管理費は3,680,009千円となりました。主な内訳としては、物流費1,132,578千円、給料及び手当475,643千円、販売手数料636,964千円、業務委託費320,056千円であります。これらにより、営業利益は181,800千円となりました。

4.営業外損益・経常利益

 営業外収益は22,894千円となりました。営業外費用は4,069千円となりました。主な内訳としては、補助金収入13,072千円、有価証券利息2,671千円、受取保険金2,393千円、支払利息2,527千円であります。これらにより、経常利益は200,624千円となりました。

 

b. キャッシュ・フローの状況

 当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ 当期のキャッシュ・フローの概況」に記載のとおりであります。

 

c. 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社の経営成績に影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

d. 資本の財源及び資金の流動性の分析

 当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、商品仕入高、物流費、人件費及び業務委託費であります。

 また、設備資金需要といたしましては、集荷場の改修並びに補強やシステム改修等があります。

 当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金の活用及び金融機関からの短期借入金と長期借入金によっております。

 

e. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の概況」に記載のとおりであります。