事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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コンテンツ制作ソリューション事業 | 6,008 | 74.0 | 2,177 | 160.9 | 36.2 |
コンテンツ流通ソリューション事業 | 1,039 | 12.8 | -745 | -55.0 | -71.7 |
UI/UX事業 | 1,071 | 13.2 | -80 | -5.9 | -7.4 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社を事業持株会社とする「セルシスグループ」は、親会社である株式会社セルシス(以下、「セルシス」)、連結子会社の株式会社andDC3(以下「&DC3」)の2事業会社で構成され、当社、連結子会社1社により、主にコンピューターに関するソフトウェア及び周辺機器の企画、開発、販売、使用許諾及び保守管理等を行う子会社等の経営管理並びにそれに付帯関連する事業を営んでおります。
なお、株式会社シージェイは、現在清算手続き中であります。
当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、以下のとおりであります。
なお、事業区分は報告セグメントと同一の区分であります。
また、当連結会計年度から、従来のクリエイターサポート事業を、イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の開発・提供を中心とした「コンテンツ制作ソリューション事業」と、DC3ソリューション及び電子書籍配信ソリューションの開発・提供を中心とした「コンテンツ流通ソリューション事業」の2つのセグメントに区分しております。
(1) コンテンツ制作ソリューション事業
コンテンツ制作ソリューション事業は、グラフィック技術の研究開発と実用化を推進し、新しいコンテンツ制作技法や新デバイスに対応した製品ラインナップの拡充を行っており、イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」シリーズ等の企画から開発まで、セルシス社内で行っております。イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」シリーズは、主に、セルシスが運営するインターネットを通じてイラスト、マンガ、アニメ、小説のグラフィック系コンテンツの制作ソフトウェアの提供や、クリエイターの創作活動を支援するWebサイト「CLIP STUDIO」において、ダウンロードによる販売、PC流通業者及び小売業者を通しての販売、使用許諾での提供等を行っております。
(2) コンテンツ流通ソリューション事業
コンテンツ流通ソリューション事業は、グラフィック技術の研究開発成果をもとにした、ソフトウェアやサービスノウハウをソリューションとして提供しております。
本事業におけるDC3ソリューションは、あらゆるデジタルデータを唯一無二の「モノ」として扱うことができるようにする、デジタルコンテンツ流通基盤ソリューションです。DC3で流通するコンテンツは一つ一つが識別された「モノ」として存在し、個人が所有しているように扱うことが可能となります。従来のデジタルコンテンツは、購入したサービスが終了すると消失してしまう、複製されたり、真正の証明が困難、サービス間での連携や横断的な使用ができない等の問題がありましたが、DC3ではこれらの課題を解決してまいります。DC3は、当社独自のプログラム「DC3モジュール」を事業者のWEBサービスに組み込むことで利用可能となり、サービスに組み込まれたDC3モジュールと、サービスを横断してコンテンツを扱う機能・ブロックチェーンを管理する機能を持つ「Common DC3」が協調することで、全体の信頼性・安全性を担保します。さらに、自身が保有するコンテンツをサービスを横断して一元管理するサービス「マイルーム」機能や、保有するコンテンツの一部を3D空間上で公開する機能も提供しています。
また、PC・タブレットデバイス・スマートフォンを始めとする各種プラットフォームへの電子書籍配信ソリューション「CLIP STUDIO READER」、電子書籍オーサリングソフトウェア等を始めとする、様々なデバイス・プラットフォームに対応したグラフィック系コンテンツの制作・流通・再生にまつわる各種ソリューションを提供しております。
(3) UI/UX事業
UI/UX事業につきましては、2023年8月1日を効力発生日として、加賀FEI株式会社へCandera GmbHの全株式を譲渡し、株式会社シージェイの事業を譲渡したため、本書提出日現在、記載を省略しております。
以上に述べた事業の系統図は概ね以下のとおりです。
(注)㈱シージェイについては、2023年8月1日に加賀FEI株式会社に事業譲渡したため、事業系統図への記載を省略しております。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(経営成績等の状況の概要)
(1)財政状態及び経営成績の状況
当社は、グループのセグメントを構成するUI/UX事業について、加賀FEI株式会社と2023年8月1日を効力発生日として、2023年7月31日付で株式譲渡契約を締結しております。今回の事業譲渡により、当社グループは、コンテンツ領域に注力し、業容の拡大を目指せる環境が整いました。
また、当連結会計年度から、従来のクリエイターサポート事業を、イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の開発・提供を中心とした「コンテンツ制作ソリューション事業」とDC3ソリューション及び電子書籍配信ソリューションの開発・提供を中心とした「コンテンツ流通ソリューション事業」の2つのセグメントに区分しております。
当社グループは、デジタルによるコンテンツの創作から利用・活用に至るまでの諸活動をトータルに支援できる環境の提供を経営理念に掲げ、事業を推進しております。
当連結会計年度におきましても、ソフトウェアIPを核とした経営に重点を置き、戦略的な開発投資を継続して行い、企業価値の向上に注力しております。その結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は8,091,099千円(前期比7.3%増)、営業利益は1,352,788千円(同7.7%減)となりました。
また、経常利益につきましては、営業外収益として為替差益111,677千円を計上したこと、営業外費用として自己株式取得に係る支払手数料52,559千円及び子会社の増資に伴う新株発行費6,259千円を計上したこと等により1,404,526千円(同12.5%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前述のUI/UX事業譲渡に係る特別損失を主として特別損失914,589千円及び法人税等調整額△170,789千円(△は益)を計上したこと等により626,428千円(同40.2%減)となりました。
当社は、資本効率の一層の向上と経営環境に応じた機動的な資本政策の遂行及び株主還元の更なる充実を目的として、2022年8月からの2年間で総額30億円を目途に自己株式の取得を予定し、前連結会計年度に約10億円分の自己株式を取得いたしました。引き続き、第3四半期連結累計期間において1,499,960千円、1,884,600株(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合 5.40%)の取得を実施し、さらに2023年11月2日に開示しました「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ」のとおり、追加で第4四半期連結会計期間に499,975千円、619,600株(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合 1.87%)の自己株式を取得いたしました。併せて、同日開示しました「配当予想の修正に関するお知らせ」のとおり、2023年12月期の配当金予想を従来の1株当たり9円から、1株当たり3円増配し、12円とすることといたしております。なお、2024年12月期も株主還元を強化してまいります。2024年3月1日から1年間で20億円分の自己株式の取得を予定しており、2024年12月期の配当金につきましては、中間配当10円、期末配当10円の合計20円(8円増配)を予想しております。
2022年8月19日に開示いたしました「東京証券取引所プライム市場への市場区分変更申請に向けた準備に関するお知らせ」のとおり、現在、東京証券取引所プライム市場への市場区分変更申請に向けた準備を進めており、東京証券取引所が定めるプライム市場への上場審査における主な形式要件には2023年12月31日現在で適合しております。
引き続きコーポレート・ガバナンス強化を目的に2023年12月25日に開示いたしました「(開示事項の経過)資本業務提携契約の締結及び第三者割当による新株式発行に関するお知らせ」のとおり、2021年12月にWEBTOON Entertainmentと締結した資本業務提携契約に基づき、LINE Digital Frontier株式会社より社外取締役1名を選任いたしました。
また、2024年1月19日に開示いたしました「指名・報酬委員会の設置に関するお知らせ」及び「サステナビリティ委員会の設置に関するお知らせ」のとおり、指名・報酬委員会及びサステナビリティ委員会を設置いたしました。
なお、2024年2月9日に開示いたしました「資本金及び資本準備金の額の減少に関するお知らせ」につきましては、3月28日開催の第12回定時株主総会で決議され、今後の機動的かつ柔軟な資本政策に備えるため資本金及び資本準備金の額を減少する予定です。
セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
<コンテンツ制作ソリューション事業>
当連結会計年度では、これまで継続してきましたイラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の機能向上を目的とした開発投資の成果として、2023年3月14日に「CLIP STUDIO PAINT」のバージョン2.0をリリースし提供を開始いたしました。「CLIP STUDIO PAINT」は、これまで、一括でまとまった金額のライセンス料を徴収するWindows / macOS版の買い切り(無期限)モデルのみにおいて、提供開始より10年間にわたり、無償の機能アップデートの実施を継続してまいりました。バージョン2.0は、「CLIP STUDIO PAINT」の初めてのメジャーバージョンアップであり、最新の機能を利用するためには、買い切りモデルのユーザーもサブスクリプション契約をしていただく、または、新バージョンを優待購入いただく形態に変更いたしました。これにより、サブスクリプション契約の増加や、これまで獲得できなかった既存の買い切りモデルユーザーからの新バージョン購入による収益改善が見込まれ、より安定的、かつ継続的なサービス提供の実現が可能となりました。
また、バージョン2.0が2023年3月14日のリリース以来ご好評をいただいていることに加え、新規ユーザーの獲得を目的とした全世界に向けた販売促進キャンペーンを実施したこと等により第4四半期連結会計期間における「CLIP STUDIO PAINT」の出荷本数は過去最高の増加数となりました。今回のメジャーバージョンアップでは、マーケットにおける認知度の向上効果により、売上高及び利用者数の底上げが実現できたことから、今後も、定期的なメジャーバージョンアップを実施する予定で、2024年12月期も3月にメジャーバージョンアップを実施する予定です。
また、従来の日本語版・英語版・中国語(繁体字)版・韓国語版・フランス語版・スペイン語版・ドイツ語版の7言語に加え、新たに2022年12月より追加した中国語(簡体字)版、2023年3月14日リリースのバージョン2.0ではポルトガル語版・タイ語版・インドネシア語版の合計4言語を追加し、全11言語での提供を開始したことにより、海外ユーザーの増加が期待できます。特に中国本土については、各種プロモーションの効果もあり、サブスクリプション契約数が順調に増加傾向で推移しておりAppStoreにおける国別売上高構成比では上位10位以内となる等今後大きな成長が見込まれます。
この他、海外利用ユーザー及びサブスクリプション契約の増加を目的とした、全世界に向けたプロモーション活動を継続的に実施しております。
「CLIP STUDIO PAINT」は、2023年11月に累計出荷本数が3,500万本を超え、2023年12月には3,649万本(前年同月比42.4%増)となりました。また、日本語以外の海外に向けた出荷が約80%と増加傾向で推移しております。なお、「CLIP STUDIO PAINT」サブスクリプションモデルによるSaaSサービス提供のARRは、毎月開示しております「月次事業進捗レポート」をご参照ください。
また、「CLIP STUDIO PAINT」の2023年12月におけるチャーンレートは9.5%となっております。2023年5月にセキュリティ強化を目的とした、Windows及びmacOS環境のサブスクリプション契約の決済に用いていた決済システムの変更を行い、チャーンレートが一時的に上昇しましたが、新規契約数は引き続き順調に推移し、2023年7月以降は10%程度で推移しております。また、2023年12月のサブスクリプション契約数は上記決済システムの変更により一時的に減少したものの、再び増加に転じ94.5万契約(同30.9%増)となり、イラスト、マンガ、Webtoon、アニメーション分野のクリエイターをサポートする創作活動応援サイト「CLIP STUDIO」のクリエイターの会員数は全世界で824万人(同20.6%増)となりました。チャーンレートの推移につきましては、毎月開示しております「月次事業進捗レポート」をご参照ください。
当社が注力しているサブスクリプションモデルでのライセンス提供は、廉価で利用開始の敷居を下げる反面、一括でまとまった金額のライセンス料を徴収する買い切りモデルに比べ、短期的には収益効果が低くなります。しかしながら、継続してご利用頂くことで中・長期においては安定した収益が期待できるため、引き続きサブスクリプションモデル契約の増加を目指してまいります。
2023年11月には収益性の向上と継続的なサービス提供を実現することを目的に、「CLIP STUDIO PAINT」のSaaS提供であるサブスクリプション契約価格を改定いたしました。今後も、サービスの価値向上に応じた価格改定を行ってまいります。
当社は、10年以上前からAI技術の可能性に着目し、研究開発に取り組んで参りました。2023年9月には、AI領域への開発投資を強化しさらに深化させることを目的に、AI技術の実用化領域で業界をリードするax株式会社への資本参加及び戦略的パートナーシップを締結し、開発能力を拡充いたしました。
以上の結果、売上高は6,007,631千円(前期比11.4%増)、営業利益は2,177,177千円(同9.3%増)となりました。
<コンテンツ流通ソリューション事業>
コンテンツ流通ソリューション事業は、株式会社andDC3(以下「&DC3」という。)を中心に取り組んでおります。
2022年12月に発表した「DC3」ソリューションにおいては、2023年12月にコンテンツ流通基盤ソリューション「DC3」、DC3コンテンツ管理サービス「DC3マイルーム」、SaaS版DC3モジュール及びShopify連携アプリ「DC3fy」等の正式版をリリースいたしました。
さらに、基盤となるプログラム「DC3モジュール」の品質強化、「DC3マイルーム」における3D表現の向上、サービス事業者がDC3上で円滑にビジネスを行うための機能群の強化等、ソリューション品質向上に向けた開発投資を継続して行っております。
併せて、各事業者の「DC3」ソリューション理解に向けた提案営業活動を推進し、DC3ソリューションを利用する予定の複数の事業者との利用契約が進んでおります。電子書籍や動画等デジタルコンテンツの取次販売を強みに持つ兼松グランクス株式会社は、DC3コンテンツを取り扱うマーケットプレイス「mitekore(ミテコレ)」を2023年12月にリリースいたしました。また、虎の穴グループのクリエイターとファンを結ぶ新しい月額制ファンクラブプラットフォーム「クリエイティア」においても、DC3コンテンツの販売機能が2024年1月18日にリリースされております。今後も、DC3ソリューションを利用したサービスが複数オープンする見込みとなっています。引き続き、デジタルコンテンツビジネスの新たな可能性の開拓を推進してまいります。
なお、当連結会計年度において、「DC3」ソリューションは、利用促進を目的に無償での提供を行いました。
電子書籍ソリューションにおいては、電子書籍ビューア「CLIP STUDIO READER」を始めとする、電子書籍オーサリングソフトウェア等、様々なデバイス・プラットフォームに対応した電子書籍の制作・流通・再生にまつわるソリューションの提供を行っております。
当第4四半期連結会計期間において、株式会社モバイルブック・ジェーピーの電子献本システム及びドリコムのWebtoonレーベル「DRE STUDIOS」の公式サイトで電子書籍ビューア「CLIP STUDIO READER」が採用されました。
以上の結果、売上高は1,012,375千円(前期比5.3%増)、営業損失は744,687千円(前期は26,334千円の営業損失)となりました。
<UI/UX事業>
UI/UX事業は、前述のとおり、2023年8月1日付で加賀FEI株式会社への譲渡が完了しました。
当社の連結子会社でありましたCandera GmbHの全株式を加賀FEI株式会社へ譲渡したことにより、同社を連結の範囲から除外しております。
売上高は1,071,092千円(前期比9.8%減)、営業損失は79,701千円(前期は545,628千円の営業損失)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,183,058千円減少し、5,561,782千円となりました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、2,344,617千円(前連結会計年度は1,548,469千円の獲得)となりました。これは主として、売上債権の増加112,502千円等の資金の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益489,937千円の計上や減価償却費の計上781,761千円、関係会社株式譲渡損502,646千円、ソフトウエア評価損386,742千円等の資金の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,474,161千円(前連結会計年度は1,032,758千円の使用)となりました。これは主として、ソフトウエア等の無形固定資産の取得による支出773,937千円、有形固定資産の取得による支出63,421千円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出603,210千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の使用した資金は、2,122,989千円(前連結会計年度は490,542千円の獲得)となりました。これは主として、非支配株主からの払込による収入143,670千円があったものの、配当金の支払額266,603千円や自己株式の取得による支出2,000,055千円があったことによるものであります。この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、5,561,782千円となりました。
(3) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、当期製造費用によっております。
2.当連結会計年度から、従来のクリエイターサポート事業をコンテンツ制作ソリューション事業とコンテンツ流通ソリューション事業の2つのセグメントに区分しており、前年同期比はクリエイターサポート事業として、比較しております。
3.UI/UX事業は、2023年8月1日付で加賀FEI株式会社への譲渡しております。
② 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.当連結会計年度から、従来のクリエイターサポート事業をコンテンツ制作ソリューション事業とコンテンツ流通ソリューション事業の2つのセグメントに区分しており、前年同期比はクリエイターサポート事業として、比較しております。
③ 受注実績
当連結会計年度における生産業務は、ライセンス販売を目的とした見込生産であり、個別受注生産の占める割合が低いため、受注金額の記載を省略しております。
④ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.当連結会計年度から、従来のクリエイターサポート事業をコンテンツ制作ソリューション事業とコンテンツ流通ソリューション事業の2つのセグメントに区分しており、前年同期比はクリエイターサポート事業として、比較しております。
3.UI/UX事業は、2023年8月1日付で加賀FEI株式会社への譲渡しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、有価証券・固定資産の減損、棚卸資産の評価、貸倒引当金の設定、ビューア利用料売上の見積り計上等の重要な会計方針及び見積りに関する判断を行っています。当社の経営陣は、過去の実績や状況等に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、それらに対して継続して評価を行っております。また実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べて1,605,438千円減少し8,551,524千円となりました。この主な要因は、ソフトウエア仮勘定が68,288千円、繰延税金資産が167,636千円増加したものの、自社株買いの実施等により現金及び預金が1,179,458千円、未収入金が185,576千円、UI/UX事業の譲渡によりソフトウエアが308,032千円、技術資産が127,889千円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比べて40,760千円減少し1,891,407千円となりました。この主な要因は、前受金が122,851千円、役員退職慰労引当金が42,475千円増加したものの、未払金が46,999千円、未払費用が110,676千円、未払法人税等が32,033千円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて1,564,677千円減少し6,660,116千円となりました。主な要因は、自社株買いにより自己株式が2,000,055千円増加したこと等によるものであります。なお、自己資本比率は、76.1%となりました。
(3) 経営成績の分析
当連結会計年度における当社グループの売上計画、営業利益の達成状況は以下のとおりです。
当連結会計年度における連結売上高は、期初では8,476,000千円、連結営業利益では1,573,000千円の計画を見込んでおりました。2023年5月11日開催の取締役会において、同年8月1日を効力発生日とするUI/UX事業の譲渡について決議したことにより、同日に連結売上高を8,196,000千円、連結営業利益を1,330,000千円へ修正いたしました。修正後計画に対し連結売上高では104,900千円下回り、連結営業利益は22,788千円上回りました。
その他、営業利益の状況、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループが主に事業展開しているソフトウェア業界は、技術革新の速度及びその変化度が著しい業界であり、新技術、新サービスが次々と生み出されております。当社としては、担当部門において当該技術革新に対応するよう研究開発に努めております。
しかしながら、当社グループが想定していない新技術、新サービス等が普及した場合には、当社グループの提供するソフトウェア、サービス等が陳腐化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、継続的に研究開発に注力し、競争力を維持するために魅力ある製品、サービス等を提供していく所存であります。
(5) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は、「経営成績等の状況の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(6) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、ソフトウェア開発に係る人件費のほか、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資及びM&A等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資及びM&A等の資金調達につきましては自己資金及び金融機関からの長期借入を基本とし、場合によっては新株予約権の発行等を行う等、資金調達の多様性を図っております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高はありません。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,561,782千円となっております。
(7) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等
当社グループは、連結営業利益を経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等とし、目標数値を設定しております。
2024年5月11日に発表した連結会計年度の業績予想、売上高8,196,000千円、営業利益1,330,000千円、経常利益1,306,000千円、親会社株主に帰属する当期純利益202,000千円の達成状況は、下記のとおりです。
① 売上高
グループ合計の売上高につきましては、8,091,099千円となりました。セグメント別では、下記のとおりとなっております。
コンテンツ制作ソリューション事業では、3月にリリースしたメジャーバージョンアップにより、従来の日本語版・英語版・中国語(繁体字)版・韓国語版・フランス語版・スペイン語版・ドイツ語版の7言語に加え、新たに2022年12月より追加した中国語(簡体字)版、本件バージョン2.0ではポルトガル語版・タイ語版・インドネシア語版の合計4言語を追加し全11言語での提供を開始したこと、特に中国本土については、各種プロモーションの効果もあり、サブスクリプション契約数が順調に増加傾向で推移しておりAppStoreにおける国別売上高構成比では上位10位以内となる等今後大きな成長が見込まれること、この他、海外利用ユーザー及びサブスクリプション契約の増加を目的とした、全世界に向けたプロモーション活動を継続的に実施し、好評をいただきました。しかしながら、第2四半期においてセキュリティ強化を目的とした、Windows及びmacOS環境のサブスクリプション契約の決済に用いていた決済システムの変更を行い一時的に契約数が減少しました。本件事象は一過性のものであるため、期末に向け再び増加に転じましたが、本件の影響により約318,000千円程度目標未達となりました。
コンテンツ流通ソリューション事業では、2022年12月に発表した「DC3」ソリューションを中心に取組んでおり、2023年12月にコンテンツ流通基盤ソリューション「DC3」、DC3コンテンツ管理サービス「DC3マイルーム」、SaaS版DC3モジュール及びShopify連携アプリ「DC3fy」等の正式版をリリースいたしました。さらに、基盤となるプログラム「DC3モジュール」の品質強化、「DC3マイルーム」における3D表現の向上、サービス事業者がDC3上で円滑にビジネスを行うための機能群の強化等、ソリューション品質向上に向けた開発投資を継続して行っております。電子書籍ソリューションにおいては、電子書籍ビューア「CLIP STUDIO READER」を始めとする、電子書籍オーサリングソフトウェア等、様々なデバイス・プラットフォームに対応した電子書籍の制作・流通・再生にまつわるソリューションの提供を行っております。以上の結果により約27,000千円程度目標未達となりました。
UI/UX事業では、8月1日付で加賀FEI株式会社へ同事業を譲渡し終了しております。事業譲渡までの売上高は、1,071,092千円と、約241,000千円程度上振れました。
① 営業利益
上記の「売上高」に記載のとおり、コンテンツ制作ソリューションの第2四半期における売上減少により、原価及び販管費の費用面においてマネージメントに注力しました。外注費等の抑制、広告宣伝費及び販売促進費の抑制に努めた結果、1,352,788千円となりました。
② 経常利益
営業外収益として為替差益111,677千円計上したこと、営業外費用として自己株式取得に係る支払手数料52,559千円及び子会社の増資に伴う新株発行費6,259千円を計上したこと等により1,404,526千円となりました。
③ 親会社株主帰属する当期純利益
UI/UX事業譲渡に係る特別損失を主として特別損失914,589千円及び法人税等調整額△170,789千円(△は益)を計上したこと等により、626,428千円となりました。
今後も当指標を目標として経営を行うことにより、当社グループの企業価値の向上を図ってまいります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
「コンテンツ制作ソリューション事業」は、グラフィック技術の研究開発と実用化を推進し、新しいコンテンツ制作技法や新デバイスに対応した製品ラインナップの拡充を行っており、イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」シリーズ等の企画から開発まで、セルシス社内で行っております。イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」シリーズは、主に、セルシスが運営するインターネットを通じてイラスト、マンガ、アニメ、小説のグラフィック系コンテンツの制作ソフトウェアの提供や、クリエイターの創作活動を支援するWebサイト「CLIP STUDIO」において、ダウンロードによる販売、PC流通業者及び小売業者を通しての販売、使用許諾での提供等を行っております。
「コンテンツ流通ソリューション事業」は、グラフィック技術の研究開発成果をもとにした、ソフトウェアやサービスノウハウをソリューションとして提供しております。
本事業におけるDC3ソリューションは、あらゆるデジタルデータを唯一無二の「モノ」として扱うことができるようにする、デジタルコンテンツ流通基盤ソリューションです。DC3で流通するコンテンツは一つ一つが識別された「モノ」として存在し、個人が所有しているように扱うことが可能となります。従来のデジタルコンテンツは、購入したサービスが終了すると消失してしまう、複製されたり、真正の証明が困難、サービス間での連携や横断的な使用ができない等の問題がありましたが、DC3ではこれらの課題を解決してまいります。DC3は、当社独自のプログラム「DC3モジュール」を事業者のWEBサービスに組み込むことで利用可能となり、サービスに組み込まれたDC3モジュールと、サービスを横断してコンテンツを扱う機能・ブロックチェーンを管理する機能を持つ「Common DC3」が協調することで、全体の信頼性・安全性を担保します。さらに、自身が保有するコンテンツをサービスを横断して一元管理するサービス「マイルーム」機能や、保有するコンテンツの一部を3D空間上で公開する機能も提供しています。
また、PC・タブレットデバイス・スマートフォンを始めとする各種プラットフォームへの電子書籍配信ソリューション「CLIP STUDIO READER」、電子書籍オーサリングソフトウェア等を始めとする、様々なデバイス・プラットフォームに対応したグラフィック系コンテンツの制作・流通・再生にまつわる各種ソリューションを提供しております。
「UI/UX事業」は、自動車(四輪・二輪)関連分野を筆頭に、車載向けソフトウェア開発プラットフォーム「CGI Studio」(シージーアイスタジオ)、及び、HMIの基盤であるUIオーサリングソフトウェア群「UI Conductor」(ユーアイコンダクター)を中心とする自社IP製品の開発を行い、車載機・デジタルカメラ等のデジタル家電機器や、スマートフォン等のモバイル端末に向けてUIソリューションとして使用許諾を行い、ライセンス収入を得ております。
なお、「UI/UX事業」につきましては、2023年8月1日を効力発生日として、加賀FEI株式会社へCandera GmbHの全株式を譲渡し、株式会社カンデラジャパンの事業を譲渡しております。
(報告セグメントの変更等に関する事項)
当連結会計年度より、従来のクリエイターサポート事業を、イラスト・マンガ・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の販売を中心とした「コンテンツ制作ソリューション事業」として、電子書籍配信ソリューションの販売を中心とした「コンテンツ流通ソリューション事業」として、2つのセグメントに分離するとともに、電子書籍配信ソリューションを2022年6月に設立した100%子会社の株式会社&DC3に譲渡し、新たにDC3ソリューションのビジネスを「コンテンツ流通ソリューション事業」に含めることといたしました。これは経営管理上の意思決定や業績区分を見直した結果、従来のセグメントとは分けて区分することがより適切であると判断したことによるものであります。
なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格等に基づいております。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(注)1.調整額は、以下のとおりであります。
(1) セグメント利益又は損失(△)の調整額45,758千円は、主に各事業セグメントに配分していない全社収益、全社費用の純額であります。全社収益は、提出会社に対するグループ子会社からの経営管理指導料であり、全社費用は、主に当社におけるグループ管理に係る費用であります。
(2) 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額26,704千円は、主に報告セグメントに帰属しない全社資産の購入であります。
2.セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(注) セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(注) 売上高は、顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。また、地域ごとに分類することが困難な売上高は、「その他」に含めております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(注) 売上高は、顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。また、地域ごとに分類することが困難な売上高は、「その他」に含めております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
該当事項はありません。