事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
| セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
|---|---|---|---|---|---|
| 健診ソリューション事業 | 13,018 | 88.1 | 379 | 32.0 | 2.9 |
| 健康管理クラウド事業 | 1,524 | 10.3 | 767 | 64.7 | 50.4 |
| 医療機関等支援事業 | 236 | 1.6 | 40 | 3.4 | 16.9 |
3 【事業の内容】
のコーポレート・ビジョンの下で、これまでの当社は、従業員数1,000人以上の大規模企業並びに健康保険組合向けに、健康診断・人間ドック等の予約、精算代行、健康診断結果一元化等を行うネットワーク健康診断サービスを提供する健診ソリューション事業、及び、健康管理クラウドサービス「Growbase」等を提供する健康管理クラウド事業を展開してまいりました。
労働安全衛生法により、事業拠点単位で50人以上の従業員を抱える企業は、雇用時及び年1回の健康診断及びストレスチェックを従業員に受診させる義務があり、職域における健康管理(コーポレート・ウェルネス)を川の流れに喩えると、その健康診断は、最上流・源流に位置します。企業は、健康診断結果の保管・報告、産業医(※1)の選任も義務付けられており、健康診断の受診を起点として、健康診断結果から下流に向かってストレスチェック、精密・再検査、産業医面談、就業判定(※2)、保健指導、衛生委員の実施、最終的には労働基準監督署へ提出する定期健康診断結果の報告等、法令で定められている様々な対応を求められます。また、必要に応じて、労働者に対し、休職・残業禁止・労働時間の短縮・作業の転換等、適切な就業上の措置を行わなければなりません。
以上に述べた内容を図によって示すと、次の通りであります。
当社は、主要事業で、それぞれのソリューションプラットフォームを推進し、健康診断を起点として、職域における健康管理(コーポレート・ウェルネス)の課題に対応するためのサービスを提供しております。当社は20年近く健康診断に関するサービスを専業として提供してきた実績があり、創業時からエンタープライズ企業を開拓しており、2026年3月末時点では、従業員数1,000~50,000人規模の大企業を中心に4,943社(※3)との取引を行っております。契約企業グループ数では、健診ソリューション事業が226企業グループ、健康管理クラウド事業が262企業グループ(※4)となります。健診ソリューション事業と健康管理クラウド事業別の2026年3月末時点での顧客規模(※5)は以下の通りです。
なお、当社では、市場を5つに分類し、従業員数が5,000人以上をEnterprise、1,000人~4,999人をLarge、100人~999人をMedium、50人~99人をSmall、49名以下をFutureと定義しており、総務省統計局の「令和6年経済センサス-基礎調査」(2025年12月24日公表)によると、企業数、従業員数は以下の通りです。
労働安全衛生法において健康診断の受診が義務となっていることからも、ネットワーク健康診断サービス及びGrowbaseを継続してご利用いただく顧客が多く、ストック売上高比率(※6)は両事業の平均で94.5%であり、契約継続率(※7)は99.9%であります。
また、その他として、がん等の病変を検査する画像診断法の一つであるPET関連事業等を手掛ける医療機関等支援事業があります。
※1:産業医とは、日本医師会や産業医科大学等が行う研修や専門課程等を修了した医師であり、労働者の健康管理等を担っております。
※2:就業判定とは、企業として労働者の安全と健康に配慮する役割から、定期健康診断の結果に基づき、労働者の就業継続可否を産業医が判断すること。
※3:健診ソリューション事業の会社属性及び健康管理クラウド事業の会社マスタの登録数のうち、現在取引中の健診ソリューション事業1,729社及び健康管理クラウド事業3,214社の合算値であり、両事業で取引している場合は、複数カウントしております。
※4:健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業の企業グループ数であり、両事業で顧客企業となっている場合は、複数カウントしております。
※5:健診ソリューション事業は健康診断対象者数、健康管理クラウド事業は「Growbase」の登録対象従業員数(ユーザーID数)
※6:2026年3月末現在における健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業の売上高に占めるストック型課金売上高の比率の平均
※7:2026年3月末現在における前年から継続利用いただく企業グループの比率
(1)健診ソリューション事業
健診ソリューション事業は、企業・健康保険組合(以下、顧客)が行う健康診断の各種工程(医療機関との契約締結・健康診断の予約・医療機関への精算代行・健康診断結果のデータ化等)を当社が一括して受託することで、ワンストップでネットワーク健康診断サービスの提供を主に行う事業です。当社では、全国の2,204件(※1)の医療機関と業務提携契約を締結しており、顧客は、個別に医療機関と契約することなく、これらの医療機関より希望する医療機関を選択することが可能です。
当事業では、顧客向けに基幹システムに紐づけたi-Wellnessという健康診断のソリューションプラットフォームを用意しております。なお、i-Wellnessは、健康診断の予約・受診結果を確認することができる受診者用及び受診対象者の予約状況・各受診者の健康診断結果を確認できる顧客担当者用があります。
ネットワーク健康診断サービスの流れは、まず、当社が健康診断を行う受診対象者の属性情報を顧客より預かり、健康診断の案内を送付します。その後、受診者からWEB(受診者用i-Wellnessのマイページ)もしくは電話により希望の日程・医療機関を受付け、医療機関と日程調整を行います。健康診断受診後2週間程で、医療機関から受診者宛に紙の健康診断結果が送付されますが、当社でも同じものを受領いたします。受領した健康診断結果を当社内でデータ化し、判定の標準化並びにデータのエラーチェック(※2)を行い有効化した上で、プラットフォーム上で顧客へ納品します。この健康診断結果データの標準化・有効化は、顧客が、従業員の健康管理のデジタル化・個別化を実現する上で、最も重要な役割・機能となります。一般的に医療機関から届く健康診断の結果は、医療機関毎に不規則な判定記号となっておりますが、当事業では、医療機関と契約締結時に各医療機関の判定基準と当社の判定基準の整合を行い、データ化した際に、各医療機関の同意のもと、健康診断結果の判定を当社の判定基準に変換しております。そのため、i-Wellnessの顧客担当者向けページに納品される健康診断結果は、全て統一基準に標準化・構造化して還元されます。顧客内での有所見者・特定保健指導対象者の抽出、労働基準監督署への報告書の作成が容易になり、事後措置の対応強化が可能となります。なお、当社では、AI-OCR(※3)を活用した独自の入力ツールを活用した体制を社内に構築しており、この標準化・有効化のオペレーションにより、精度が高い健康診断結果を迅速に顧客に納品することが可能となっております。
以上に述べた内容を図によって示すと、次の通りであります。
最後に、当社は健康診断費用の精算代行業務を行っており、各医療機関への支払いは当社が行い、各顧客へは健康診断結果の納品毎に受診医療機関を問わず、まとめて請求します。
なお、当社にて予約調整を行っているため、顧客側では、i-Wellnessの顧客担当者向けページを通じ、予約の進捗状況をリアルタイムで把握可能であり、適時適切に未受診者に対し受診の勧奨を行うことで、受診率向上を図ることが可能となります。また、基幹システム上で医療機関からの健康診断結果の返却期日を管理することにより、受診後4週間程度での健康診断結果データの顧客納品を可能としています。
このように、プラットフォームを通して健康診断に関するワンストップ型のサービスを提供することにより、①健康診断結果の管理等煩雑な業務から解放することで顧客担当者の業務を効率化、②受診案内・受診勧奨により健康診断受診率向上、③担当者リソースの集中により健康診断後の事後措置対応強化が可能となり、「企業と健康保険組合、そこで働く従業員や家族」と「医療機関・健康診断センター」をつなぎ、利便性、生産性の向上に寄与していると考えております。ワンストップ型のサービスの提供を可能にするため、当社では、コンタクトセンター業務、問診票の印刷・発送、システムの構築・保守をパートナー企業へ委託しております。
当事業の料金体系につきましては、顧客毎に健康診断コースや受診医療機関等を決定した上で、健康診断の受診費用(以下、健康診断費用)を算出し、受診者数に応じて発生する、i-Wellness利用を含む事務手数料(以下、i-Wellness費用)とともに、受診者一人あたりの年間サービス料を課金いたします。なお、データ化・判定の統一化後に、健康診断結果を出荷(システム上でデータを登録)した日が属する月の末日締めにて、各顧客に請求いたします。また、これとは別に、受診者数より多い人数の母集団に対して、健康診断の案内を送付することや、健康診断の未予約者(未受診者)に対する受診勧奨等を代行する場合があり、サービスの対象となる人数に応じた課金を行います。大別して2つの料金体系から、受診者一人に対して、年額で課金される健康診断費用とi-Wellness費用を基本利用料とするストック型課金、基本利用料の課金対象とは異なる数量の対象者に対して課金する受診案内や受診勧奨代行等の費用をアップセル利用料(フロー型課金)として区分しており、2026年3月末現在における当事業のストック売上高比率(※4)は98.5%となっております。また、同時期現在の契約継続率は100%(※5)となっていることから、基本利用料に関する売上高は安定的かつ継続的に伸長しております。
※1:2026年3月31日現在
※2:前年度の健康診断結果からの差分チェック等約6,000通りに上るエラーチェックを実施
※3:AI技術を活用した光学文字認識機能(Optical Character Recognitionの略)
※4:健診ソリューション事業の売上高に占めるストック型課金売上比率
※5:健診ソリューション事業で前年から継続利用いただく企業グループの比率
以上に述べた内容を事業系統図によって示すと、次の通りであります。
(2)健康管理クラウド事業
当社が提供するGrowbaseは、企業(人事部・産業保健スタッフ(※1))及び企業とコラボヘルス(※2)を行っている一部健康保険組合向けの健康管理クラウドサービスです。
企業においては、労働安全衛生法により、安全配慮義務の観点から長時間残業時の産業医が行う心身の状況把握及び面接指導や、健康診断受診後のフォローが必要な方への事後措置等を行う事が義務づけられております。健康保険組合においても、「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防と改善を目的とした特定健康診査・特定保健指導が2008年から義務化され、また、2014年には、労働者の心理的な負担の程度を把握するストレスチェックが義務化されております。
これら諸制度に対応すべく、Growbaseは、健康診断結果、就労データ、ストレスチェックデータ及び各種面談の記録を個人単位にて紐づけ、心と身体に関するデータを一元管理・可視化できる機能を有しております。また、健康診断後の各種集計・抽出機能、労働基準監督署への定期健康診断結果報告書等各種報告書(※3)の作成機能、産業医との面談(対面・オンライン)スケジュール管理のほか、従業員自身の健康診断結果を経年にて確認可能なマイページ機能も備えております。ダイバーシティの推進・働き方の多様化等により、変化・多様化する健康課題・ニーズに対して最適な打ち手をつなぐ健康管理プラットフォームを展開するため、法令対応や顧客要望に応じた機能充実を図っております。
また、Growbase上には、紙の健康診断結果をデータ化する無料の画像自動読み取り機能も付属しており、この機能もしくは別途料金にてお申込みいただくデータ化オプションを利用いただくことで、手元に届く紙の健康診断結果をGrowbaseに反映することが可能です。さらには、ネットワーク健康診断サービスと併せて利用いただくことにより、当社で標準化・有効化された健康診断結果の自動連携が可能になり、健康診断の案内から予約、経年でのデータ管理から事後措置に至るまで、健康診断に関する管理を一元化いただくことが可能になります。
システム利用に関する料金体系は、ストック売上として顧客企業の対象従業員数であるID数に応じた①システムの基本利用料、②従業員データの保管料、③産業保健スタッフが利用する管理者サイトへのセキュリティ認証利用料、フロー売上として④オプション機能利用料、⑤顧客の要望に応じて機能改修をする個別カスタマイズ料に大別されます。加えて導入時に、要求仕様や従業員数等の規模により変動するサーバセットアップ費用や過去データ移行等の初期設定費用が必要になります。なお、2026年3月末現在における当事業のストック売上高比率は90.6%(※4)、契約継続率は99.8%(※5)、CCRは0.20%(※6)NRRは107%(※7)であります。
なお、当事業においては、事業拡大や資本業務提携も含めたアライアンスパートナーとの販売業務提携戦略を目的に、販売代理店として、ITを通じて社会課題の解決に取り組む伊藤忠テクノソリューションズ㈱、最新のテクノロジーを活用したヘルスケアサービスを提供するSOMPOヘルスサポート㈱、企業のメンタルヘルスケア対策を行う㈱アドバンテッジ リスク マネジメント、福利厚生や健康支援サービスを提供する㈱イーウェルと契約を締結しております。当社の営業部門による直販の増加に加えてアライアンスパートナー経由の契約も増加しており、当社の成長を後押ししております。なお、代理店各社はそれぞれ大規模企業や健康保険組合等をターゲット市場としております。
※1:産業保健スタッフとは、労働者の健康を確保し、安全な職場環境を維持するために、事業場で働く産業医、衛生管理者、保健師、看護師等の医療・保険専門職や、その業務をサポートするスタッフのことです。
※2:コラボヘルスとは、企業と健康保険組合等の保険者が積極的に連携し、従業員やその家族の健康増進を効率的・効果的に図ることです。
※3:企業は、労働者の死傷病報告や定期健康診断結果、ストレスチェック、産業医選任等に関する内容を所轄の労働基準監督署に対して報告する義務があります。
※4:健康管理クラウド事業の売上高に占めるストック型課金売上比率
※5:健康管理クラウド事業で前年から継続利用いただく企業グループの比率
※6:健康管理クラウド事業の2026年3月期における当月度解約顧客数÷前月度利用顧客数により算出された月次チャーンレートの平均値
※7:健康管理クラウド事業の2026年3月期における既存顧客のストック型売上高継続率。2026年3月期ストック型売上高÷2025年3月期ストック型売上高で計算。なお、2025年3月末時点の既存顧客のストック型売上高のみから算出しております。
以上に述べた内容を事業系統図によって示すと、次の通りであります。
また、料金体系を図によって示すと、次の通りであります。
(3)医療機関等支援事業
その他のサービスとして医療機関等支援事業があります。主なサービスとしては、地域中核病院に対して当該病院敷地内にあるPET検査用の建物・装置等の賃貸借を行うPET関連事業、協会けんぽや総合健康保険組合に加入している企業を対象とした健康診断のBPOサービス(※1)です。なお、2026年3月をもって、契約期間満了を迎えております。
PET関連事業については、健診ソリューション事業拡大の一環として、2016年10月にIML㈱より譲り受けました。
BPOについては、健診ソリューション事業と同じ健康診断に関するサービスですが、単一健康保険組合及び単一健康保険組合加入企業を対象としたネットワーク健康診断サービスとは違い、協会けんぽ及び総合健康保険加入企業を対象とした健康診断の予約や精算代行等を行うサービスになります。また、ネットワーク健康診断サービスでは、当社オリジナルの健康診断コースを全国の医療機関と契約し、顧客に対しては、コース毎に統一した顧客毎の価格で提供を行っておりますが、協会けんぽ及び多くの総合健康保険組合では、健康診断コース及び価格(企業負担額)が決まっているため、各健康保険組合が元々医療機関と契約している内容を、そのまま引き継いで対応しております。さらに、健康診断をワンストップで代行するネットワーク健康診断サービスとは違い、BPOサービスでは、健康診断の予約のみ等、顧客が要望・必要とするサービスのみ対応が可能です。
※1:BPOサービスは、企業の業務プロセスの一部を外部委託することを言い、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(Business Process Outsourcing)の略です。当社においては、健康診断に関する業務を受託しております。
上記の通り、当社が行う健診ソリューション事業、並びに健康管理クラウド事業は、顧客における保健事業を支える基盤となっており、企業における健康経営(※1)の根幹となっております。また、かかる機能を有していることにより、継続利用をいただく顧客も多く、前段でも記載の通り、健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業における2026年3月末日時点での契約継続利用率の平均は99.9%(※2)です。それら継続利用による情報の蓄積も当社の強みとなっております。当社としましても、それら重責を担っている使命を理解し、顧客における健康増進に寄与すべく、サービスメニュー・機能の拡充を継続して行っております。また、今後も顧客企業の規模等に応じた新たなサービス体制構築等も見据え、顧客の健康管理の実践におけるニーズを的確に捉えるとともに、スピーディーな対応をしてまいります。
※1:健康経営®は、従業員の健康管理を経営課題と捉え、戦略的に実行するということを意味する、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
※2:健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業の前年から継続利用いただく企業グループの比率の両事業の平均です。
業績状況
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
① 経営成績の状況
当社は、2026年2月27日付で株式会社あしたのチームの株式取得を行い連結子会社化いたしました。それに伴い、当連結会計年度より、連結決算に移行しております。
当連結会計年度における我が国経済は、米国の通商政策の影響がある状況下においても、企業収益及び雇用・所得環境は改善しており、景気は緩やかに回復しております。一方、中東情勢の影響や物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響等に加え、金融資本市場の変動等にも留意が必要であり、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
当社の対面市場におきましては、労働安全衛生法により従業員の健康診断や、結果の保管・報告、産業医の選任等が義務付けられており、企業のコーポレート・ウェルネスに関する法令対応が必要不可欠な市場環境となっております。それらの法令対応に加えて、労働人口の減少に対応した働き手や働き方の多様化、生産性向上を目的としたデジタル化の推進等が求められ、従業員ウェルビーイングを重視した経営やデータドリブン型の健康経営の需要が益々増加しております。
このような状況下において、当社は、健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業を中心に、従来から強みを有する大企業市場に加え、新たに中堅・中小企業市場の開拓にも着手しております。健診ソリューション事業では、がん検診や婦人科検診等の高付加価値化を進めている他、BPRやAI活用等による高品質かつ高い生産性のオペレーションを実現しております。また、健康管理クラウド事業では、機能拡充によるプラットフォーム化を図り、あらゆる従業員ウェルビーイングデータを一元管理・可視化・利活用することで、企業の健康管理やウェルビーイング経営の支援を進めております。当社のビジョンである「企業と人を元気にする。」を実現することで、持続的に企業価値の向上に取り組んでおります。
結果、当連結会計年度の売上高は14,778百万円、営業利益は1,186百万円、経常利益は1,164百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は822百万円となりました。
(健診ソリューション事業)
健診ソリューション事業におきましては、労働安全衛生法に基づいて、企業や保険者に義務化される従業員の健康管理・安全管理等を行うことが不可欠であります。顧客となる企業や保険者に対して、サービスプラットフォームである「i-Wellness」を提供し、従業員の健康診断等に関する、案内、予約、進捗管理及び結果データ収集、費用精算等の機能を一元的に提供しております。当連結会計年度は、顧客企業等が抱える健康課題の多様化に合わせ、がん検診や婦人科検診等の強化も図り、各種健診の受診機会を創出し、健康経営の推進を支援しております。また、当事業最大の特長である、健診結果のデータ化工程においては、2023年6月に特許(特許7304604)を取得したAI-OCR等を活用した情報処理方法及び独自開発した情報処理プログラムに加え、生成AIを活用したシステム化等の投資を推進し、オペレーションエクセレンスの実現に取り組んでおります。結果、当連結会計年度のサービス利用者数は、通期で39.8万人となり、当事業の売上高は13,018百万円、営業利益は379百万円となりました。
(健康管理クラウド事業)
企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正により、人的資本情報の開示が義務化される等、企業は法令等への対応や社会的責任への対応による従業員の健康管理から組織状態の可視化・分析、人事評価に関する環境整備や体制強化が求められております。大企業を中心に、より一層、非財務情報の中核にある人的資本投資や健康経営の推進が重視されてきております。
健康管理クラウド事業におきましては、このような従業員の健康管理・健康経営投資を戦略的な経営資源への投資と捉える企業等からの受注が継続的に拡大しております。また、当連結会計年度は、営業専任組織を強化したことの成果として新たに36社の企業グループが「Growbase」の利用を開始し、堅調な売上で推移いたしました。なお、当連結会計年度は株式会社エスユーエスから事業譲受に係る費用及び株式会社あしたのチームの取得により、売上高及び費用が発生しております。この結果、当事業の売上高は1,523百万円、営業利益は767百万円となりました。
(医療機関等支援事業)
医療機関等支援事業におきましては、主なサービスであるPET検査関連事業は期初計画どおりに契約の縮小・見直しを行う一方で、引き続き、「Growbase」を提供する企業顧客に対して、健康診断等の予約手配や結果のデータ化、費用精算等のBPOサービスを展開しており、堅調に推移いたしました。また、医療従事者の働き方改革が求められる市場において、医療機関における産業医業務のデジタル化を推進することを目的に、医療機関向けに「Growbase」を提供しております。この結果、当事業の売上高は236百万円、営業利益は39百万円となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
第20期連結会計年度末における資産合計は、9,729百万円となりました。その主な内訳は、現金及び預金が5,260百万円、売掛金が1,107百万円、のれんが1,834百万円であります。
(負債)
第20期連結会計年度末における負債合計は、3,896百万円となりました。その主な内訳は、買掛金が983百万円、1年内返済予定の長期借入金が514百万円、契約負債が672百万円、長期借入金が930百万円であります。
(純資産)
第20期連結会計年度末における純資産合計は、5,832百万円となりました。その主な内訳は、資本金が1,301百万円、資本剰余金が1,274百万円、利益剰余金が3,250百万円であります。
③ キャッシュ・フローの状況
第20期連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末から2,473百万円増加し、5,260百万円となりました。
第20期連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は1,099百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,164百万円、減価償却費281百万円等による資金の増加があったものの、売上債権の増加額19百万円、仕入債務の減少額10百万円、法人税等の支払額356百万円等による資金の減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は111百万円となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入176百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入70百万円による資金の増加があったものの、無形固定資産の取得による支出214百万円、事業譲受による支出70百万円、敷金及び保証金の差入による支出56百万円による資金の減少があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は1,485百万円となりました。これは主に東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資やオーバーアロットメントによる売出に関連した第三者割当増資に伴う株式の発行による収入1,757百万円の資金の増加、新株予約権の行使による株式の発行による収入17百万円の資金の増加、配当金の支払額232百万円による資金の減少によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社は、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b 受注実績
当社は、受注生産は行っておりませんので、該当事項はありません。
c 販売実績
第20期連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注) 1.セグメント間取引については、発生がないため記載しておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合外部顧客への売上高のうち、損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
3.第20期連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前期比は記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額等開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
のれんの評価
企業結合により取得したのれんは、被取得企業の今後の事業展開によって期待される将来の超過収益力として、取得原価と被取得企業の識別可能資産及び負債の企業結合日時点の時価との差額で計上しており、その効果の及ぶ期間にわたって、定額法により規則的に償却することとしております。
超過収益力であるのれんについては、株式会社あしたのチームが策定した事業計画の達成状況をモニタリングすること等によって、超過収益力等の毀損の有無を検討していくこととなりますが、減損の兆候があると認められる場合には、割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価格を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定します。
② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
第20期連結会計年度の売上高は14,778百万円となりました。
健診ソリューション事業においては、数万人規模の従業員数を抱える大型顧客を含め226社がネットワーク健康診断サービスの利用しており、順調な健康診断結果の納品により、サービス利用者数は39.8万人となり、売上高は13,018百万円となりました。
健康管理クラウド事業においては、大企業を中心に人的資本投資や健康経営の推進、働き方の多様化等が一層重視される中、Growbaseは、従業員の健康管理体制を強化したい新規顧客からの受注が継続的に拡大しており、当連結会計年度においては、新たに36社が利用を開始し、ユーザーID数は、183.6万ID、売上高は1,523百万円となりました。
医療機関等支援事業におきましては、PET関連事業、BPOサービスともに引き続き堅調に推移しました。これらの結果、売上高は236百万円となりました。
(売上原価、売上総利益)
第20期連結会計年度の売上原価は11,668百万円となり、結果、売上総利益は3,109百万円となりました。
健診ソリューション事業においては、売上原価は11,220百万円、売上総利益は1,798百万円となりました。
健康管理クラウド事業においては、売上原価254百万円、売上総利益は1,269百万円となりました。
医療機関等支援事業においては、売上原価は194百万円、売上総利益は41百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
第20期連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,923百万円となり、結果、営業利益は1,186百万円となりました。
(営業外損益、経常利益)
第20期連結会計年度の営業外収益は、2百万円であり、営業外費用は24百万円となりました。これは主に上場準備に伴うものです。
結果、経常利益は1,164百万円となりました。
(特別損益、当期純利益)
第20期連結会計年度の特別利益及び特別損失は発生しておらず、結果、親会社株主に帰属する当期純利益は822百万円となりました。
c.キャッシュ・フローの状況
第20期連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.資本の財源及び資金の流動性の分析
当社グループの所要資金は、システム開発等の設備投資、並びにネットワーク健康診断サービスのオペレーション費用を含めた運転資金となっております。これら資金については、全額、営業活動によるキャッシュ・フロー(自己資金)にて対応しております。現状、当社では必要な事業資金は充分に確保していると認識しており、さらに取引銀行と当座借越契約を締結し、急な資金需要や不測の事態にも備えております。
e.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「3.事業等のリスク」に記載の通りであります。
f.経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営上の目標達成状況を判断するために、セグメント毎に客観的な指標を設けております。事業全体としては、健診ソリューション事業における健康診断結果のサービス利用者数、健康管理クラウド事業におけるGrowbase(Growbaseネクストを含む)、SUZAKU関連サービス、あしたのチーム関連サービスのユーザーID数を合算したID数を客観的な指標として判断しております。
これらのID数の対象となる顧客及びその先の皆様に満足いただけるよう、引き続き、顧客に寄り添い、要望に応じたサービスを開発・提供してまいります。
各セグメントの指標については、下記のとおりであります。
(健診ソリューション事業)
第20期連結会計年度の健診ソリューション事業においては、数万人規模の従業員数を抱える大型顧客を含め226社がネットワーク健康診断サービスの利用を開始し、当連結会計年度のサービス利用者数は398,299件となりました。平均売上単価については、一部顧客への健康診断受診料の適正化が影響し、売上単価が改善しました。
健康診断の予約や顧客や提携医療機関との連携協力により概ね計画通りの結果となったと評価をしております。
(健康管理クラウド事業)
第20期連結会計年度の健康管理クラウド事業においては、当連結会計年度から新たに36企業グループが「Growbase」の利用を開始し、契約企業グループ数は262企業グループとなりました。ユーザーID数については、1,836,721IDとなりました。また、当連結会計年度のチャーンレートについては、0.20%となりました。
既存顧客の対象ユーザーの増加や、営業部隊による直販及び販売代理店による再販強化により、順調に新規顧客を獲得し、堅調に進捗していると評価しております。
※:健康管理クラウド事業の各種指標は、Growbaseの契約企業グループ数、ユーザーID数、チャーンレートです。
(医療機関等支援事業)
当該事業において、指標は設定しておりません。
g.経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1. 報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、製品・サービス別の事業本部を置き、各事業本部は取り扱う製品・サービスについて包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
従って、当社は製品・サービス別セグメントから構成されており、「健診ソリューション事業」「健康管理クラウド事業」「医療機関等支援事業」の3つを報告セグメントとしております。
(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
「健診ソリューション事業」は、企業・健康保険組合向け健康診断の予約手配~精算代行~健康診断結果一元化までを一括してサービス提供している事業であります。
「健康管理クラウド事業」は、健康診断結果、ストレスチェックデータ、並びに勤怠データを個人毎に一元的に管理する健康管理クラウドサービス、人事評価制度の構築及びクラウドを提供している事業であります。
「医療機関等支援事業」は、がん等の病変を検査するPET検査用の建物・装置等の賃貸借を行うPET関連事業及び協会けんぽや総合健康保険組合に加入している企業を対象とした健康診断のBPOサービス事業等であります。
2. 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「重要な会計方針」における記載と概ね同一であります。
3. 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失の金額に関する情報
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注)1. セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と一致しております。
2. セグメント資産については、報告セグメントに資産を配分していないため記載しておりません。
3. 減価償却費の調整額39,540千円は、報告セグメントに帰属しない全社費用になります。なお、セグメント利益においては、配分しております。
【関連情報】
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
1. 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3. 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。