2023年12月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 5,261 100.0 581 100.0 11.0

事業内容

 

3【事業の内容】

(1)事業の特徴

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社とその他の関係会社1社により構成され、電子カルテシステム・オーダリングシステム・医事会計システム等の総合医療情報システムの開発・販売及び保守サポートを中心とするシステム事業を行っております。なお、当社の事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しておりますが、販売区分は「システムソフトウェア」、「ハードウェア」、「保守サービス等」としております。

システムソフトウェアでは、医療機関向けに、患者の診療情報の記録、検査及び投薬等の指示、医事会計など一連の院内業務効率化のための各種医療情報システムの提供を行っております。自社開発システムとしては電子カルテシステム、オーダリングシステム、医事会計システム、その他として健診システム、リハビリシステム等の部門支援システムがあります。また、複数のシステムを組み合わせることで、総合病院からクリニックに至る医療機関向けに総合医療情報システム「PlusUs」を提供しています。

このほか、システムの稼動に必要なサーバやPC等のハードウェアの販売、導入後のユーザーサポート、メンテナンスサービスの提供及び消耗品の販売にかかる保守サービス等を行っております。

さらに最近では、データセンターを利用したクラウド型医療情報システムでの提供を進め、サーバ投資の初期コストや運用管理コストを低減するとともに、高レベルのセキュリティと耐災害性を備えたサービスを提供しています。

当社の製品開発については、生産性の向上及び製造原価の低減に努めております。また、製品導入については、作業工程の標準化、効率化等により、導入期間の短縮に努めております。

当社の総合医療情報システムの中核をなすWeb型電子カルテシステムは、従来のクライアントサーバ型電子カルテシステムと異なり、端末への専用プログラムのインストールや管理にあたるシステム管理者の常駐を必要とせず、納期の短縮、初期導入コスト・ランニングコストの低減につながります。こうしたWeb型の特徴を生かし、クラウド型の導入を推奨したアプローチを行っています。また、当社は、サポートセンターからリモート技術を活用して、24時間のサポート体制でサービスを提供しています。

 

(2)主な製品

A.Web型電子カルテシステム「PlusUs-カルテ」

Web型電子カルテシステムは、医療現場の声を第一に、医師の大切なカルテ情報の取り扱いにあたり、多忙な日々の診察の中でも、迅速かつ容易にカルテ作成を可能にするユーザーインターフェースを備えたシステムとして開発を重ねてきました。

医療機関における情報化の経過は看護支援システム、オーダリングシステムそして電子カルテシステムへと変化してきました。当社はいち早くWebベースによるこれらの主要システムを一つのシステムに統合しました。システムを統合したことでデータベースの一元化が可能になり、複雑なデータ連携の仕組みが不要になると同時に、データ反映がリアルタイムになりました。またWebベースで運用することで、端末(パソコン)の管理が不要になり、高いセキュリティと低い運用コストを実現することができます。さらに、データバックアップの容易性と保存場所の拡張性を確保するとともに、データウェアハウスを容易に構築することができるようになりました。

また、多様な診療形態に適応した専門機能群を有しており、精神科、産科向け等の診療科ごとの機能、透析診療のスケジュール、基本情報、透析条件記録等の透析機能、さらに、患者の栄養管理のための、職種の壁を越えた栄養サポートチーム等のチーム医療に適したオプション機能もあります。

医療現場で発生する医師や看護師などが入力した診察内容や看護・検査記録、さらには検査データや予診データなど、あらゆる診療の場で発生するデータが他の医療情報システムとも柔軟に対応できるSS-MIX2での出力に対応しております。

また、オンライン資格確認、電子処方箋、電子カルテ情報共有サービス、診療報酬改定DX、標準型電子カルテシステム等の医療DXの各種施策にも積極的に関与し、対応しております。

 

 

B.Web型オーダリングシステム「PlusUs-オーダ」

Web型オーダリングシステムは、院内のコンピュータネットワーク上において医師から薬や注射、検査、処置、リハビリ等の指示(オーダ)が出されるとリアルタイムに施行部門へ伝達されますので、複数の診療科での重複投与の防止や施行時の患者取違いの防止に役立ちます。また、手書きで起こりがちな、転記ミス等が減少し、帳票の印刷と同時に算定情報が医事会計システム「PlusUs-医事」へ送信されますので、請求漏れの軽減ができます。患者にとっては受付や会計での待ち時間の短縮にメリットがあります。

Webベースで運用する事で、端末(パソコン)の運用管理が不要になり高いセキュリティと低い運用コストを実現することができます。

 

C.医事会計システム「PlusUs-医事」

当社が長年培ってきた医事会計に関する技術ノウハウを集積した医事会計システムです。世界標準のデータベースを採用したシステム構成で、高品質な運用の安定を図っており、様々な病院の運用体系を考慮し、歯科も同じシステムで対応しています。また、国の政策に対応した、オンライン資格確認や電子レセプト、DPC(診断群分類)等のシステムを開発し、複数社の電子カルテ・オーダリングシステムとの接続に対応した、標準マスタの利用やXML技術を用いて、柔軟な対応と品質の安定を図っております。

 

D.部門支援システム

当社では部門支援システムとして健診システム「PlusUs-健診」、リハビリ部門システム「PlusUs-リハ」、手術部門システム「PlusUs-手術」、「PlusUs-RIS」、「PlusUs-看護勤務」を開発、販売しています。

健診システム「PlusUs-健診」は、健康診断、人間ドック、生活習慣病予防健診などの健診業務をサポートするシステムです。健康診断および人間ドックに関する業務の『はじめから終わりまで』、また受診後のデータ管理において、健診・ドック施設はもとより受診者へのサービスを大幅に向上いたします。「PlusUs-健診」は、施設側での運用設定が容易で施設ごとにシステムをセットアップする事ができる機能を提供いたします。

リハビリ部門システム「PlusUs-リハ」は、リハビリ療法士の理学・言語・作業の各療法に対応した運用画面と訪問リハビリ機能では訪問先での患者情報、リハカルテの参照・登録・退院後フォローを支援します。また電子カルテ・オーダリング、医事会計システムとの連携により療法士の管理業務、患者の受付から計画・実施・評価・リハカルテ・計画書・帳票作成までの大幅な省力化を実現します。

手術部門システム「PlusUs-手術」は、電子カルテシステムからオーダされた手術申込情報を取り込み、手術室ごとに予定一覧の確認と予約確定をスピーディに行います。入退室時間・術式等の管理等、実施入力では「手術実施記録」や手術材料に貼付されている保険請求ラベルのバーコードを読込むことにより、使用した材料や薬剤を簡単に入力することができます。記録された手術管理情報は、そのまま医事会計システムで取り込むことができます。その他手術管理台帳等の管理等手術室の医師・看護師を全面的に支援します。

放射線情報システム「PlusUs-RIS」は、電子カルテ・オーダリングシステムとの連携による、受付から各部門への依頼情報のタイムリーな伝達により業務の効率化が可能です。また、実績入力の大幅な省力化と結果の電子カルテ・オーダリング、医事会計システムとの連携が可能となります。

看護勤務システム「PlusUs-看護勤務」は、電子カルテシステムと連携した日誌作成が可能であり、看護師の多様な勤務形態に対応した勤務予定表作成の支援は勿論のこと、実績管理や超過勤務管理、職員の人事管理につきましても強力にサポートします。

経営支援システム「PlusUs-DWH/BIツール」は、PlusUsシリーズで日々発生するデータをデータウエアハウスに自動集約し、BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールにて患者数や収益の当月速報データをビジュアル的に表現し、集約されたデータを多角的にグラフ化やフィルタリングを行い情報の視覚的分析機能(セルフBI)を提供しています。

 

 

(3)当社の販売形態

当社の販売・サポート体制につきましては、当事業年度末現在営業拠点16か所(本店・支店・営業所・出張所)を設置し、九州・中国・四国・近畿・中部・関東・東北・北海道各エリアにおいて直販を主体に展開しておりますが、一部、協業等により販売を展開しています。地域別では、これまで、本店のある九州エリアでの販売が中心となっておりましたが、その他エリア、特に関東・東北・北海道エリアでの営業体制強化を図っております。

なお、当社の販売形態の事業系統図は、次のとおりであります。

 

[事業系統図]

 


 

業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行により、社会・経済活動の正常化が一段と進み、緩やかな回復基調となりました。一方で、ウクライナ情勢の長期化や中東地域をめぐる国際情勢不安、中国経済の先行き不安、外国為替市場での円安基調、物価高の上昇等が続いており、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。

当社が事業展開している医療機関におきましても、感染症の影響からの回復、正常化の動きは見えるものの、仕入価格の高騰による医業費用の増加や、医療従事者の人手不足等の影響等により、経営環境は依然として不安定な状況です。

そのような環境で、2022年版「骨太の方針」で示された医療DX推進のメインテーマである「全国医療情報プラットフォームの創設」、「電子カルテ情報の標準化等」、「診療報酬改定DX」等については、2023年7月に第2回医療DX推進本部から、進捗報告と実現に向けた工程表が公表され、「電子カルテの情報共有」は2024年度中に順次運用を開始し「質の高い医療等の提供に資することとなる」とされており、医療DXの本格的な運用開始に伴い、電子カルテシステムの新規導入やシステム更新のニーズが益々高まっております。

加えて、電子カルテシステム等の医療情報システムやクラウド技術、AIなどのテクノロジーは、社会的課題である社会保障費の抑制や医療サービスの地域格差解消、医療従事者の負担軽減や2024年4月開始予定の「医師の働き方改革」の支援等において、BIシステムは、病院経営を効率よく支援するためのシステムとして一層重要性が増しています。

このような状況の下、当社は新規顧客へのWeb型クラウド及びパブリッククラウド、グループ病院へのプライベートクラウド(※)の需要と既存顧客のリプレイス需要の取り込みに注力し、医療DX関連のシステムの開発、販売、導入及び保守を継続してまいりました。また、開発・技術部門においては、顧客のニーズに沿ったシステム機能の充実と信頼性の向上という方針を継続し、システムの機能強化とバージョンアップを促進するとともに、先進的なテクノロジーを使った医療プロジェクトを強化し、顧客満足度の向上に努めてまいりました。

 
(※)パブリッククラウド:外部のデータセンターを利用してアプリケーションを使用すること

  プライベートクラウド:同一医療法人内ワンサーバーでのクラウド環境でアプリケーションを使用すること

 

以上の結果、当事業年度の業績は、売上高5,260,731千円(前期比4.2%増)、営業利益581,244千円(前期比6.1%増)、経常利益626,318千円(前期比5.6%増)、当期純利益452,773千円(前期比8.0%増)の増収増益となり、売上高及び当期純利益は上場以来過去最高となりました。また、受注高は過去最高の4,157,739千円(前期比17.4%増)となり、引き続き堅調に推移しました。

 

なお、財政状態につきましては、後記の「第2  事業の状況  4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容  a.財政状態の分析」をご参照ください。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末より20,896千円増加し、1,875,051千円となりました。

なお、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動により得られた資金は、232,544千円(前事業年度は179,730千円の収入)となりました。主な要因は、売上債権の増加230,990千円、受取賃貸料79,798千円、仕入債務の減少172,794千円などの資金減少があったものの、税引前当期純利益の計上626,318千円などの資金増加によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動により使用した資金は、11,606千円(前事業年度は4,747千円の支出)となりました。主な要因は、定期預金の払戻による収入997,078千円などの資金増加があったものの、定期預金の預入による支出1,047,074千円などの資金減少によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動により使用した資金は、200,041千円(前事業年度は144,933千円の支出)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出17,520千円、配当金の支払179,605千円などの資金減少によるものであります。

 

 ③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当事業年度の生産実績を示すと、次のとおりであります。

事業部門

当事業年度

(自  2023年 1月 1日

至  2023年12月31日)

システム事業

生産高 (千円)

前年同期比 (%)

3,589,029

97.9

 

(注) 金額は当期総製造費用によっております。

 

b.受注実績

当事業年度の受注実績を種類別に示すと、次のとおりであります。

種類別

当事業年度

(自  2023年 1月 1日

至  2023年12月31日)

受注高
(千円)

前年同期比
(%)

受注残高
(千円)

前年同期比
(%)

システムソフトウェア

2,703,361

118.4

1,294,504

121.1

ハードウェア

1,454,377

115.7

643,340

134.8

合計

4,157,739

117.4

1,937,845

125.3

 

 

c.販売実績

当事業年度の販売実績を種類別に示すと、次のとおりであります。

種類別

当事業年度

(自  2023年 1月 1日

至  2023年12月31日)

販売高 (千円)

前年同期比 (%)

システムソフトウェア

2,477,994

104.1

ハードウェア

1,288,286

101.0

保守サービス等

1,494,450

107.3

合計

5,260,731

104.2

 

(注) 1.当事業年度の保守サービス等には、損益計算書上の売上高区分の「商品売上高」43,452千円が含まれております。

 

      2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度
(自 2022年 1月 1日
  至 2022年12月31日)

当事業年度
(自 2023年 1月 1日
   至 2023年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

鹿児島県

684,371

13.6

 

※ 当事業年度の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が10%未満であるため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、本文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

(資産)

 当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ、流動資産が153,756千円、固定資産が15,467千円増加した結果、169,223千円増加し、6,718,729千円となりました。流動資産の増加は、主に仕掛品が144,046千円減少したものの、現金及び預金が70,891千円、売掛金が231,793千円それぞれ増加したことによるものです。一方、固定資産の増加は、有形固定資産が11,296千円減少したものの、投資その他の資産が22,165千円増加したことによるものです。

(負債)

 当事業年度末の負債は、前事業年度末に比べ、流動負債が119,352千円減少、固定負債が5,029千円増加した結果、114,323千円減少し、3,499,056千円となりました。流動負債の減少は、主に買掛金が92,803千円、未払法人税等が38,921千円、未払消費税等が43,340千円それぞれ増加したものの、支払手形が265,597千円、未払金が13,788千円それぞれ減少したことによるものです。また、固定負債の増加は、主に長期借入金が17,520千円減少したものの、退職給付引当金が22,253千円増加したことによるものです。

(純資産)

 当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ、283,547千円増加し3,219,672千円となりました。その主な要因は、譲渡制限付株式報酬としての新株発行により資本金が5,170千円、資本剰余金が5,170千円それぞれ増加したことに加え、当期純利益の計上452,773千円、配当による利益剰余金の減少179,566千円によるものです。なお、自己資本比率は47.9%となりました。

 

b. 経営成績の分析

(売上高)

売上高は、医療DX関連のシステム需要の高まりや大型案件の受注売上に加え、導入件数の増加に伴う保守を含めた売上の伸長の結果、前事業年度に比べ210,464千円増加し5,260,731千円(前期比4.2%増)となりました。種類別の内訳では、システムソフトウェアが4.1%増加の2,477,994千円となり、ハードウェアが1.0%増加の1,288,286千円、保守サービス等が7.3%増加の1,494,450千円となりました。

(売上総利益)

売上総利益は、売上高の増加210,464千円から売上原価の増加86,996千円を差し引き、前事業年度に比べ123,468千円増加し1,565,753千円(前期比8.6%増)となりました。システム売上原価の内訳では、当期製造費用において将来への継続的な安定成長に向けた開発人財への投資により労務費が上昇したものの、材料費が減少しました。

(営業利益、経常利益)

営業利益は、販売費及び一般管理費が89,795千円増加したものの、売上総利益が123,468千円増加したことにより、前事業年度に比べ33,672千円増加し581,244千円(前期比6.1%増)となりました。さらに営業外損益の45,073千円(益)が加わり、経常利益は、前期比5.6%増加の626,318千円となりました。

 

(当期純利益)

税引前当期純利益は、経常利益の増加により、前事業年度に比べ31,199千円増加し626,318千円(前期比5.2%増)となりました。当期純利益は、法人税、住民税及び事業税が19,566千円増加したものの、法人税等調整額が21,753千円減少したことにより、8.0%増加の452,773千円となりました。

 

c. 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社は、事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項及び投資家の投資判断、あるいは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項について、リスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

なお、詳細につきましては、本書「第2  事業の状況  3  事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について

当社は、経営資源を総合医療情報システムの開発、販売、導入指導に集中させ、その基幹システムであるWeb型電子カルテシステムの市場拡大に取り組んでまいりました。近年、医療機関をとりまく環境は大きく変わろうとしており、より質の高い医療サービス、システムが求められております。中でも、医療分野のICT化は国の掲げる政策であり、ICTの普及による医療の効率化、医療費の削減が喫緊の課題となっております。このような環境下、当社では、ICT化の代表的な指標である医療機関における電子カルテシステムの稼働施設数のアップを推進してまいります。このような導入推進とともに、システムの機能強化、次世代システムの開発に取り組むことが、当社の更なる成長の基盤となる見通しです。

なお、詳細につきましては、本書「第2  事業の状況  1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の当事業年度のキャッシュ・フローの状況は、本書「第2  事業の状況  4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社の資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

当社の資金需要は、主に運転資金、設備資金需要ですが、今後の事業展開を考慮しますと、研究開発資金需要が増えることが想定されます。運転資金、設備資金については、自己資金で賄うことを原則としておりますが、場合により銀行借入による資金調達も選択肢の一つとしております。また研究開発資金については、有価証券発行による資金調達も視野に入れ、総合的にその調達先を判断する方針であります。

なお、当事業年度につきましては、運転資金の支出はすべて営業キャッシュ・フローにより賄っております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たっては、会計方針の選択・適用、資産・負債、収益・費用の金額など開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。