2025年12月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

 当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他の投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、特段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.事業環境(外部環境)に関するリスク

(1)インターネットリサーチ市場の拡大について

アンケートサービスのうち、当社グループの主力市場である国内インターネットリサーチ市場は、2001年頃にインターネットの普及とともに立ち上がり、手軽さと低コストが顧客から支持されております。既存の調査手法からインターネットリサーチへの切替えや、従来、調査を利用していなかった潜在顧客層の顕在化など、将来の国内のインターネットリサーチ市場の成長を前提にした事業計画を立てておりますが、一方でその国内市場規模を正確に予測することは困難です。国内市場が当社の予測どおりに成長しない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応として、インターネットリサーチの市場規模のより高い成長が見込まれるアジアを中心とする海外市場においても、当社グループのアンケートサービスのシェア拡大に努めてまいります。

 

(2)インターネット広告市場に関するリスク

 当社グループは、主としてモバイルアプリを通じたインターネット広告収入を収益源としています。広告市場は景気動向の影響を受けやすく、広告主による出稿抑制や広告単価の下落が生じた場合、当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。また、広告配信は外部広告プラットフォームに依存しているため、広告配信アルゴリズムの変更や広告取引条件の変更等が生じた場合にも、広告収益が変動する可能性があります。当該リスクへの対応として、当社グループでは、ユーザー基盤の拡大やサービスの改善による広告価値の向上を通じて、広告収益基盤の強化に努めております。

 

(3)他社との競合について

当社グループの手がけるアンケートサービスにおいて、当社グループと類似する事業を提供している事業者の事業拡大や他業種などの新規参入も予想されます。かかる状況は当社グループの事業において大きな参入障壁がないことが一因になっており、激しい競争環境に起因する価格の下落、シェア低迷等のリスクがあり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応として、当社グループの強みや実行の早さを活かした商品力の改善を継続的に行うことや、自社が管理運営する調査パネルのほかに外部提携先の調査パネルとのシステム的な連携を進めることなどで他社との差別化を図り、リスクが顕在化しないよう努めてまいります。

次に、広告サービスにおいては、自社で運営するアプリを媒体として広告サービスを展開しており、当該アプリに掲載された広告収入を主な収益源としております。そのため、できるだけ多くのユーザーに継続的かつアクティブに利用してもらうことが重要であり、魅力ある新規機能の開発や既存サービスの改善等により、競争力の維持向上を図っております。

また、インターネット関連市場は成長市場であることから、新規参入や既存事業者の事業拡大が継続的に行われており、ポイントサービス等の他のモバイルサービスとの間でもユーザー獲得競争が生じております。これらの競争環境の激化等により、ユーザー数の減少や利用頻度の低下が生じた場合には、広告収益の減少につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

2.事業内容に関するリスク

(1)サービスの陳腐化について

 当社グループの手がけるアンケートサービスは、商業活動に関連する技術及び業界基準、インターネットリサーチ手法の急速な変化に左右される状況にあります。また、それに伴いユーザーニーズが変化、多様化することが予想されます。これらの状況変化に対し、当社グループが適時適切に対応できない場合、業界における当社グループの競争力が低下し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応として、市場動向を注視し、ユーザーニーズに迅速に対応できるよう、当社グループの強みや実行の早さを活かした改善を継続して行うよう努めてまいります。

 

(2)特定サービスへの依存について

当社グループのアンケート売上高の多くは、調査会社への売上となっております。調査会社からは定期的に調査依頼を受け、効率化された実査工程のもと、高い作業効率を維持できることから、当社グループの収益に大きく貢献しております。しかしながら、調査業界の環境変化、当社グループの顧客である調査会社間の競争激化、顧客ニーズや競合環境変化等の外的要因、当社グループの保有商品やシステム障害等の内的要因に拠るところもあります。そのため、特定業界・特定顧客への依存は、当社グループの将来の業績に不確実性を与える要因であると考えられます。当該リスクへの対応として、プラットフォームの信頼性や安全性の強化、提供サービスの多様化や顧客基盤拡大の取り組みなどにより、外的要因・内的要因に起因するリスク顕在化の影響の緩和に継続的に努めてまいります。
 

(3)個人情報流出の可能性及び影響について

当社グループでは自社パネル会員の個人情報のほか、Cloud Panelとして他社から委託を受けたアンケート配信先情報(暗号化されたメールアドレス)を保有しております。万が一それらの情報が流出した場合には、当社グループへの損害賠償請求や社会的信用の失墜により、業績に重大な影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応として、情報セキュリティに関する規程の策定、情報セキュリティに関する研修・教育の実施、情報機器を含むITシステムインフラの適切な構築などに取り組むほか、プライバシーマークやISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証基準の国際規格「ISO/IEC 27001:2013」及び国内規格「JIS Q 27001:2014」の認証を取得しております。これらの取り組みにより、情報セキュリティの安全性を高めております。

 

(4)システム障害について

当社グループの事業はインターネットを利用しているため、自然災害や不正アクセス等の影響によるシステム障害が発生する可能性があります。その場合は、当社グループ及びクライアントの営業活動が停止し、当社グループに直接的な損害が生じる可能性があります。当該リスクへの対応として、システム環境の信頼性と安全性の継続的な改善に取り組んでまいります。

 

(5)人材の確保及び育成について

当社グループのサービスを支えている最大の資産は人材であり、当社グループが、既存事業の拡大及び新規事業開発等を効果的かつ効率的に実現するためには、優秀な人材の採用・育成が欠かせません。しかしながら、人材獲得競争の激化により優秀な人材の獲得が困難となった場合や既存人材の社外流出が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応として、継続的に優秀な人材の獲得に取り組むとともに、既存人材の育成や従業員満足度の改善に取り組んでまいります。

 

(6)知的財産権について

当社グループはこれまで、著作権を含めた知的財産権に関しては、他社の知的財産権を侵害したとして損害賠償や使用差止の請求を受けたことはなく、知的財産権の侵害を行っていないものと認識しております。しかしながら、万が一、他社の知的財産権を侵害し、損害賠償や使用差止等があった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応として、現状は商標登録のみではありますが、「知的財産管理規程」を制定しており、当社グループの知的財産権を守り、また他者の権利を侵害しないよう、十分に注意を払ってまいります。

 

(7)海外事業について

海外における予期せぬ法律・規則等の変更、政情の悪化、商慣習の相違等により事業の推進が困難になった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループの連結財務諸表は、日本円で表示されているため、為替変動が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応として、海外におけるこれらの事業環境の変化や市場環境の変化について継続的に注視し、変化が生じたときには迅速かつ適切に対応できるよう取り組んでまいります。

 

(8)企業買収と戦略的提携について

当社グループは、事業拡大の手段の一つとして企業買収や戦略的提携を行う可能性があります。しかしながら、実施した企業買収や戦略的提携が、当初期待した成果をあげられない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応として、企業買収や戦略的提携の実施に際しては、相手先企業の事業内容、経営成績や財政状態、人的資源、その他経営に関する様々な要素から多面的に評価を行うとともに、必要に応じて専門家の意見を聴取するなど、十分な検討のもとに実行してまいります。

 

(9)新規事業について

当社グループは、永続的な事業成長のため、当社の強みが活かせる新規事業の開発に取り組むことがあります。しかしながら、インターネット業界は急速な進化・拡大を続けており、競合他社が当社グループに先駆けて優れたサービスの提供を開始した場合等には、当社の新規事業の収益性が低下し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応として、今後も継続的に新たなサービスの検討・開発に取り組むとともに、当社の強みや実行の早さを活かした改善活動に取り組んでまいります。

 

(10)ネット調査用パネルの活用について

日本においては自社運営のinfoQに加え、複数の提携パネルを管理し、Cloud Panelを構築しております。海外においても、複数の提携パネルを利用しCloud Panelを構築しております。日本、海外ともに順調にCloud Panelの拡大を続けておりますが、何らかの事情により、提携パネルの利用が困難な状況に陥った場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応として、当社グループのサービスを安定的に供給できるよう、既存のCloud Panelパートナーとの関係を強化するとともに、Cloud Panelのさらなる拡大に取り組んでまいります。

 

(11)ネット調査用パネルの確保について

当社グループは、Cloud Panelの構築によりネット調査用パネルの確保を進めてきておりますが、スマートフォンやタブレットの台頭によるPC離れによるアンケート回収数の低下、及び既存の提携パネルの重複がみられるケースがあります。それにより、必要十分な調査用パネルの確保ができず、売上増加の制約要因及び原価の上昇要因になる可能性があります。当該リスクへの対応として、既存パネル会員のアクティブ率や継続率、アンケートへの回答頻度などの改善、特定の属性を持つパネルの重点的強化などに取り組み、必要十分な調査用パネルの確保ができるよう取り組んでまいります。

 

(12)ネット調査用パネルの回答品質管理について

当社グループは、回答品質を向上させるため、当社独自の品質管理基準を作成しその改善に努めております。しかしながら、案件内容によっては回答品質を確保することができず追加調査が発生し原価の上昇要因になる可能性があります。当該リスクへの対応として、今後も継続的に回答品質の管理に取り組んでまいります。

 

(13)訴訟等に関するリスクについて

当社グループの事業において、金額的にも事業継続性の観点からも、個人情報漏洩が最も大きなリスクの一つであると考えております。そのリスクの発生を低減するために、当社グループではプライバシーマークやISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証を取得し、情報セキュリティの安全性を高めております。また同時に、個人情報漏洩保険に加入し、賠償金額についてもリスクの移転を図っております。

 

(14)感染症等に関するリスクについて

当社グループの事業において、感染症等の流行拡大により、経済活動が抑制されることで景気が停滞し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループの社員に感染が広がった場合、事業継続に関するリスクが生じる可能性があります。当該リスクへの対応として、対面式オフライン調査からオンライン調査への移行などの、リサーチ業務のDX化のニーズに応えるサービスの提供に取り組むとともに、当社グループの社員による事業継続に関しては、感染症の感染拡大防止のためのビジネス様式として、テレワーク環境の整備やオフィスにおける感染防止対策の実施等に取り組んでまいります。

 

3. その他

(1)配当政策について

当社グループは、今後も財務状況と経営成績のバランスを考慮しながら安定的な配当の実施を行ってまいります。しかしながら、本リスク情報に記載されていないことも含め、当社グループの事業が計画通り進展しない等、当社グループの業績が悪化した場合、継続的に配当を行えない可能性があります。このようなリスクを認識し、今後も経営計画の策定に際しては十分な検討を行い、目標達成を目指して取り組んでまいります。

 

(2)親会社グループとの関係について

当社グループは、親会社でありグループ経営機能を有する持株会社であるGMOインターネットグループ株式会社を中心とした企業集団(以下、GMOインターネットグループ)に属しており、同社は当社の議決権の70.45%(2025年12月31日現在)を保有する筆頭株主であり、「すべての人にインターネット」というコーポレートキャッチのもと、インターネットインフラ事業、インターネットセキュリティ事業、インターネット広告事業、インターネット金融事業、暗号資産事業を行っております。

 

①  GMOインターネットグループにおける当社グループの位置付けについて

当社は、GMOインターネットグループのインターネット広告・メディア事業に属しており、その中で、プロダクトプラットフォーム事業を担う会社と位置付けられております。また、同グループ内に類似事業会社は存在しておりません。

 

②  GMOインターネットグループとの取引について

2025年12月期における、当社グループのGMOインターネットグループとの取引につきましては、当社グループの収益に係る取引総額は153,108千円、費用に係る取引総額は799,743千円であります。

 

③  親会社等との役員の兼務関係について
a.親会社との役員の兼務関係について

2025年12月31日現在における当社役員9名のうち、親会社であるGMOインターネットグループ(株)の役員を兼ねる者は3名であり、氏名、当社における役職及び同社における役職は以下のとおりであります。なお、2026年3月17日付開催の2025年12月期(第24期)定時株主総会により、当社は監査等委員会設置会社へ移行しておりますが、GMOインターネットグループ(株)の役員を兼ねる者の構成、人数に変更はありません。

氏名

当社における役職

GMOインターネットグループ(株)における役職

熊谷 正寿

取締役会長(非常勤)

代表取締役グループ代表 会長兼社長執行役員・CEO

安田 昌史

取締役(非常勤)

取締役グループ副社長執行役員・CFOグループ代表補佐

松井 秀行

監査役

取締役監査等委員

 

GMOインターネットグループ(株)代表取締役グループ代表 会長兼社長執行役員・CEOである熊谷正寿氏は、当社事業に関する助言を得ることを目的として当社会長の兼任を継続しておりますが、当社の経営執行に与える影響は限定的であると認識しております。

GMOインターネットグループ(株)取締役グループ副社長執行役員・CFOグループ代表補佐である安田昌史氏は、当社事業に関する助言を得ることを目的として当社取締役の兼任を継続しておりますが、当社の経営執行に与える影響は限定的であると認識しております。

GMOインターネットグループ(株)取締役監査等委員である松井秀行氏は、公正かつ客観的な監査を行っていただくことを目的として当社監査役の兼任を継続しておりましたが、当社の経営執行に与える影響は限定的であると認識しております。なお、2026年3月17日付開催の2025年12月期(第24期)定時株主総会同日をもって松井秀行氏は当社の取締役監査等委員に就任しております。

 

b.兄弟会社との役員の兼務関係について

非常勤役員である当社取締役会長の熊谷正寿氏は、GMOグローバルサイン・ホールディングス(株)取締役会長、GMOペパボ(株)取締役会長、GMOペイメントゲートウェイ(株)取締役会長、GMOメディア(株)取締役会長、GMOインターネット(株)取締役会長、GMO TECHホールディングス(株)取締役会長その他の兼務を行っております。

非常勤役員である当社取締役の安田昌史氏は、GMOグローバルサイン・ホールディングス(株)取締役、GMOペイメントゲートウェイ(株)取締役、GMOインターネット(株)取締役、 GMOフィナンシャルホールディングス(株)取締役、GMOメディア(株)取締役、GMO TECHホールディングス(株)取締役、GMOあおぞらネット銀行(株)社外取締役その他の兼務を行っております。

非常勤役員である当社監査役の松井秀行氏は、GMOメディア(株)非常勤取締役監査等委員の兼務を行っております。

 

④  親会社からの独立性の確保について

当社グループの事業展開にあたっては、親会社等の指示や事前承認に基づいてこれを行うのではなく、一般株主と利益相反が生じるおそれのない独立役員、及び過半数を占める親会社との兼務関係に無い取締役を中心とする経営陣の判断のもと、独自に意思決定して実行しております。

また、当社グループの営業取引における親会社等のグループへの依存度は低く、一部を除いてそのほとんどは、当社グループと資本関係を有しない一般企業との取引となっております。

当社グループが企業価値の向上などの観点から、親会社等のグループと営業取引を行う場合には、新規取引開始時及び既存取引の継続時も含め少数株主の保護の観点から取引条件等の内容の適正性を、その他第三者との取引条件と比較しながら慎重に検討して実施しております。親会社等のグループとの取引については、取締役会に報告することとしております。

なお、2026年3月17日付開催の2025年12月期(第24期)定時株主総会により当社は監査等委員会設置会社に移行しておりますが、記載の状況に変更はございません。

 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は従来、経営体質の強化と今後の事業展開や内部留保等を総合的に勘案した上で、連結ベースの配当性向65%以上を目標に、安定した配当を継続して行うことを基本方針としてまいりました。

この基本方針のもと、2025年12月期に係る配当の総額は、2025年4月1日の株式交換により完全子会社化したGMOタウンWiFi株式会社の第1四半期業績も含む連結最終利益の約75%に相当する金額として262百万円とし、1株当たり59.52円の配当を実施することを決定しました。

また当社は、2026年12月期に係る配当から、配当方針を変更いたしました。すなわち、利益配分につきましては、安定的な配当の継続と業績に応じた利益の還元を基本方針とし、財務体質や内部留保の水準、今後の事業展開等を総合的に勘案したうえで決定いたします。連結ベースの配当性向65%以上かDOE(連結株主資本配当率)2%程度のいずれか高い方を目標に、株主の皆様への利益還元の強化を図って参ります。

剰余金の配当については、期末配当の年1回を基本的な方針としておりますが、株主様に対する経営成果の利益還元を極力タイムリーに実現できるよう、将来の四半期配当実施を見越して、定款では四半期配当の旨を定めております。配当の決定機関は、取締役会決議によって行うことができる旨を定款で定めております。

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額(千円)

1株当たり配当額(円)

2026年3月17日

定時株主総会決議

262,073

59.52