2024年5月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

映像制作事業 出版事業 版権事業 その他
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
映像制作事業 6,207 52.4 -940 -69.8 -15.1
出版事業 2,336 19.7 482 35.8 20.7
版権事業 3,004 25.4 1,823 135.3 60.7
その他 295 2.5 -18 -1.4 -6.2

事業内容

3【事業の内容】

当社グループは、当社(㈱IGポート)、連結子会社6社(㈱プロダクション・アイジー、㈱マッグガーデン、㈱ウィットスタジオ、㈱シグナル・エムディ、海外子会社1社、製作委員会1社)、持分法適用関連会社5社によって構成されており、劇場・テレビ・配信・ビデオ・ゲーム用アニメーション等の映像制作事業、コミック誌・コミックス(単行本)電子書籍等の出版事業、これら作品の二次利用による収益分配や一部の販売権利窓口業務によって窓口手数料を得られる版権事業を主たる業務としております。

なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

当社グループの事業系統図は、以下のとおりであります。

(1) 映像制作事業

当社グループは、国内外からの受注や自社原作の劇場・テレビ・ビデオ・ゲーム用アニメーション及び実写の映像制作事業を行っております。

当社グループは、企画から編集までの一貫した制作ラインを有し、クリエイターの映像制作能力はもとより、制作ラインを管理するプロデューサー等の管理スタッフによる品質水準の維持、スケジュール管理、制作予算管理等の能力向上とノウハウの蓄積を図ってきております。

具体的な業務フローは下記のとおりです。

<解説>

◇プリプロダクション

制作の準備工程であり、企画書を基にアニメーション制作に必要な材料を作成します。

・企 画    :制作するアニメーションのあらすじや狙い、放映・配給、予算、メインスタッフの編成等を計画します。

・脚 本    :脚本家による映像構成に必要な要素を書き出したシナリオの執筆作業です。

・設定/デザイン:作品のイメージや世界観、登場キャラクター等の作成作業です。

・絵コンテ   :映像、演出意図、作業指示等を行うための設計図の作成です。通常、監督や演出家によって作成されます。

◇プロダクション

作画から彩色、撮影までの具体的な制作作業の工程です。

・レイアウト  :カット毎の設計図を指します。絵コンテより更に具体的な画面構成やカメラワークが描かれます。

・美術・背景  :レイアウトを基に背景を描く作業を指します。立体的な空間を表現するためCGを使用することもあります。通常は紙に描かれ、スキャナで読み取りデータ化(背景スキャン)します。

・3DCG   :3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)により複雑な機械や曲線を多用する物体等、2次元(2D)では困難な表現を作成します。物体の形を作り(モデリング)、表面に模様を作成し(テクスチャ)貼り付けます。これに動きを付け(アニメーション付け)、指定されたデータ形式に出力(レンダリング)します。

・原画     :彩色する目的の絵の「線画」状態を描く作業を指します。人物や物体の基本的な動き、表情等、作品の品質に大きな影響を与える作業になります。

・動画     :一連の動きを完成させるために「原画」の間に入れる絵を描きます。動画の枚数や間隔により滑らかな動きを表現します。

・スキャニング :紙に描かれた動画を1枚ずつスキャナで読み取り、動画データ(セルデータ)に変換する作業です。

・彩色     :指定された色に従い、セルデータの彩色を行う作業です。仕上げとも言います。

・検査     :彩色済のセルデータの品質を検査する作業になります。

・撮出し・特効 :これまでの工程の素材を整理、確認し(撮出し)、質感を与える特殊効果(特効)を行います。

・撮影・エフェクト:2Dのセルデータ、背景、3DCG等を位置やタイミングを調整しながら合成し(撮影)、雨や霧、煙、透過光等の特殊な表現を加える各種デジタル映像処理作業(エフェクト)を行います。

◇ポストプロダクション

撮影、録音された映像や音声素材を編集し、完成品としてフィルムやデジタルメディア等の形に仕上げていく工程です。

・カッティング :編集作業によって不要な部分を切り落とし、長さを確定します。

・アフレコ・音響:声優による登場キャラクターの音声、効果音、音楽の録音を指します。

・ダビング   :セリフ・効果音・音楽の音響素材を1つにまとめる作業です。

・ビデオ編集  :映像原版と音原版とを納品の仕様に編集することです。

(2) 出版事業

当社グループは、コミック誌(雑誌・定期刊行物)、コミックス(単行本)及びイラスト集等の関連書籍、電子書籍の出版、販売を行っております。

    ・コミック誌 : 当社グループが企画、販売するコミック誌は、各世代(年代)別の読者に向けてそれぞれに満足感のある作品構成で展開することを意図しております。

 ・コミックス  : 当社グループが販売するコミックスは、上記のコミック誌及びウェブマガジン掲載された作品等を単行本化したものです。

 ・電子書籍    : 当社グループが企画・開発した作品を電子書籍として出版及び販売を行っております。

(3) 版権事業

当社グループは、映像制作事業とともにアニメーション作品の製作を目的とした製作委員会(注)等への出資やコンテンツ資産により、国内外へ二次利用に関する一部権利の販売業務を行っております。さらに、当該出資により、出資割合に応じた収益分配収入を得ております。

また、自社制作作品の制作者印税、企画・原作を行った作品においては企画・原作印税等の収入を得ております。

 (注) 「製作委員会」とは、アニメーションや映画の製作資金を効率的に調達することを目的に、その多くは民法上の任意組合の性格を持ち、出資割合によって共同で著作権を保有する団体であります。

なお、製作委員会のスキーム図の一例を示すと下記のとおりであります。

(4) その他事業

当社グループでは、雑誌のイラストやキャラクターの商品化、デジタルコンテンツ等の販売・制作収入を得ております。

当社グループが制作した代表的なアニメーション作品の一覧は下記のとおりであります。

制作

時期

作品

受託制作

出資を伴う受託制作

2014年

5月期

ジョバンニの島 (IG:劇場)

フューチャーカード バディファイト (XEBEC:TV)

鬼灯の冷徹 (WIT:TV)

黒子のバスケ2期 (IG:TV)

マケン姫っ!通 (XEBEC:TV)

ハイキュー!! (IG:TV)

2015年

5月期

 

GARM WARS The Last Druid (IG:劇場)

PSYCHO-PASS サイコパス (IG:劇場)

百日紅 (IG:劇場)

蒼穹のファフナー EXODUS (IG,XEBEC:TV)

2016年

5月期

フューチャーカード バディファイト100

(XEBEC:TV)

カラフル忍者いろまき (SMD:劇場)

ハイキュー!!セカンドシーズン (IG:TV)

屍者の帝国 (WIT:劇場)

甲鉄城のカバネリ (WIT:TV)

ジョーカーゲーム (IG:TV)

2017年

5月期

フューチャーカード バディファイトDDD

(XEBEC:TV)

Bang Dream!(バンドリ) (XEBEC:TV)

ひるね姫 (SMD:劇場)

黒子のバスケ (IG:劇場)

進撃の巨人 season2 (WIT:TV)

CYBORG009 CALL OF JUSTICE (SMD:配信)

2018年

5月期

恋は雨上がりのように (WIT:TV)

 

魔法使いの嫁 (WIT:TV)

ボールルームへようこそ (IG:TV)

魔法陣グルグル (IG:TV)

宇宙戦艦ヤマト2202 (XEBEC:TV)

フルメタル・パニック!Ⅳ (XEBEC:TV)

2019年

5月期

ULTRAMAN (IG:配信)

フューチャーカード 神バディファイト (XEBEC:TV)

 

フリクリ オルタナ/プログレ (IG:劇場)

バースデー・ワンダーランド (SMD:劇場)

PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System (IG:劇場)

甲鉄城のカバネリ~海門決戦~ (WIT:劇場)

進撃の巨人 Season 3 (WIT:TV)

風が強く吹いている (IG:TV)

2020年

5月期

けだまのゴンじろー (SMD:TV)

キミだけにモテたいんだ。 (SMD:劇場)

 

 

 

 

攻殻機動隊 SAC_2045 (IG:配信)

PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR (IG:劇場)

ヴィンランド・サガ (WIT:TV)

歌舞伎町シャーロック (IG:TV)

ハイキュー!! TO THE TOP (IG:TV)

サイダーのように言葉が湧き上がる (SMD:劇場)

2021年

5月期

NOBLESSE-ノブレス-(IG:TV)

Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 前編・後編 (SMD、IG:劇場)

鹿の王 (IG:劇場)

憂国のモリアーティ (IG:TV)

GREAT PRETENDER (WIT:TV)

Vivy -Fluorite Eye's Song- (WIT:TV)

MARS RED (SMD:TV)

2022年

5月期

プラチナエンド (SMD:TV)

鹿の王 (IG:劇場)

銀河英雄伝説  Die Neue These 激突 (IG:劇場)

バブル BUBBLE (WIT:劇場)

SPY × FAMILY (WIT:TV)

王様ランキング (WIT:TV)

サイダーのように言葉が湧き上がる (SMD:劇場)

DEEMO サクラノオト-あなたが奏でた音が、今も響く- (SMD:劇場)

2023年

5月期

火狩りの王 (SMD:TV)

PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE (IG:劇場)

蒼穹のファフナー BEHIND THE LINE (IG:劇場)

天国大魔境 (IG:TV)

SPY × FAMILY (WIT:TV)

絆のアリル (WIT、SMD:TV)

2024年

5月期

グリム組曲 (WIT:配信)

SPY × FAMILY 2期 (WIT:TV)

SPY × FAMILY CODE:White (WIT:劇場)

ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦 (IG:劇場)

怪獣8号 (IG:TV)

シンカリオン チェンジ ザ ワールド (SMD:TV)

(注)表中の略語は以下のとおりです。

IG=㈱プロダクション・アイジー、XEBEC=㈱ジーベック、MAG=㈱マッグガーデン、WIT=㈱ウィットスタジオ、

SMD=㈱シグナル・エムディ

OVA=オリジナル・ビデオ・アニメーション

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、アフターコロナの社会経済活動の正常化が一段と進んだことや、訪日客の消費が新型コロナウイルス禍前を超える等、景気は緩やかな回復傾向が見られました。一方で、円安、物価高により個人消費が弱く、中国経済の先行き懸念等の海外景気の下振れや、東欧や中東、東アジアでの地政学リスクの高まりが続いていること等、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。

当社グループを取り巻く経営環境について、アニメーション産業は、一般社団法人日本動画協会による「アニメ産業レポート2023サマリー」2024年1月発表によれば、2022年のアニメ産業市場は過去最高であった2021年から前期比106.8%、1,855億円増の2兆9,277億円となり、市場最高値を更新しました。コロナ禍で一旦先行きを見失いかけたアニメ産業ですが、日常が戻った現在、海外を中心に日本のアニメが、産業的な地力を獲得していることが分かり、この成長はまだ続くであろうと改めて認識されています。

出版産業は、公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所によると、2023年(1~12月期累計)の出版市場規模(推定販売金額)は、前年比2.1%減の1兆5,963億円と2年連続の前年割れとなりました。紙と電子を合算したコミック市場は前年比2.5%増の6,937億円となり、内訳は紙のコミックス(単行本)とコミック誌を合わせた推定販売金額は同8.0%減の2,107億円、電子コミックは同7.8%増の4,830億円となっております。

このような情勢のもと当社グループは、テレビ・配信・ビデオ用アニメーション、劇場用アニメーション、その他にゲーム用、プロモーション用、実写等の企画・制作を行う映像制作事業、コミック誌、書籍(コミックス、ノベルス、原作ガイドブックを含む)の企画・製造・販売、電子書籍を含むコミックスの販売を行う出版事業、作品の二次利用による印税・収益分配金等を得る版権事業を中心に行い、前期に比べ増収増益となりました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は11,841,359千円(前期比6.1%増)、経常利益は1,380,218千円(前期比38.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,158,412千円(前期比51.1%増)となりました。

 

各セグメントの業績は次のとおりであります。

 

(映像制作事業)

映像制作事業におきましては、テレビ用アニメーションは「SPY × FAMILY Season 3」「しかのこのこのここしたんたん」「シンカリオン チェンジ ザ ワールド」等、配信用アニメーションは「THE ONE PIECE」「君に届け 3RD SEASON」「ムーンライズ」「ターミネーター 0」等、納品へ向けそれぞれ制作しております。

テレビ用アニメーションは「怪獣8号」等、劇場用アニメーションの「劇場版 ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」「劇場版 SPY × FAMILY CODE : White」は、納品しテレビ放映や劇場上映となりました。その他プロモーションビデオ・CМ・ゲーム・遊技機のアニメーションを制作・納品しました。

映像制作事業では、物価の高騰により人件費やCG制作費、外注費等が高騰し、制作期間の長期化により、一部の作品については受注損失引当金を計上する作品もありました。

以上により、当事業の売上高は6,206,567千円(前期比1.6%増)、営業損失は940,050千円(前期は87,161千円の営業利益)となりました。

 

(出版事業)

出版事業におきましては、コミック誌の定期刊行物は「月刊コミックガーデン」(12点)を刊行しました。書籍(コミックス、ノベルス、原作ガイドブックを含む)は、2023年春にアニメ放送された「転生貴族の異世界冒険録」「魔導具師ダリヤはうつむかない~Dahliya Wilts No More~」「王太子に婚約破棄されたので、もうバカのふりはやめようと思います」の最新刊等、147点を刊行しました。電子書籍は前年比10%増の売上となり今期業績に貢献しました。

以上に加え、株式会社リンガ・フランカの清算があった事により、当事業の売上高は2,335,841千円(前期比19.5%減)、営業利益は482,388千円(前期比14.2%減)となりました。

 

 

(版権事業)

版権事業におきましては、「ハイキュー!!」「SPY × FAMILY」「進撃の巨人」「攻殻機動隊」「銀河英雄伝説 Die Neue These」等のシリーズタイトルを中心に、二次利用による収益分配を計上しました。

劇場上映しました「劇場版 ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」は興行収入100億円を超えるヒットとなり、版権事業に大きく貢献しました。

以上により、当事業の売上高は3,004,008千円(前期比62.1%増)、営業利益は1,823,004千円(前期比282.4%増)となりました。

 

(その他事業)

その他事業におきましては、雑誌のイラスト描きやキャラクターの商品販売等により、当事業の売上高は294,941千円(前期比1.6%減)、営業損失は18,277千円(前期は5,933千円の営業利益)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は7,746,825千円となり、前期と比べ1,628,533千円(前期比26.6%増)の増加となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、3,056,010千円(前期は1,818,782千円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が1,540,511千円、売上債権の減少が883,885千円、未払印税の増加が621,228千円、減価償却費が607,586千円、受注損失引当金の増加が223,706千円、一方、預り金の減少が596,950千円、法人税等の支払額が232,768千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、1,284,910千円(前期は966,754千円の減少)となりました。これは主にコンテンツ資産やソフトウェアの無形固定資産の取得による支出が768,115千円、映像マスターや建物及び構築物等の有形固定資産の取得による支出が456,185千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、146,997千円(前期は33,255千円の減少)となりました。これは主に配当金の支払額が191,945千円等によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 受注制作実績

当連結会計年度における映像制作事業の制作実績及び受注状況を映像制作事業の区分ごとに示すと、次のとおりであります。なお、出版事業及び版権事業は、受注制作ではないため、制作実績及び受注実績を記載しておりません。

映像制作実績

区分

制作高(千円)

前年同期比(%)

TV・配信・ビデオ用アニメ

5,341,366

25.0

劇場用アニメ

599,565

△10.7

その他のアニメ

808,522

7.6

その他

31,811

△16.8

合  計

6,781,264

18.3

(注)金額は、製造原価によっております。

 

受注実績

区分

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

TV・配信・ビデオ用アニメ

4,324,140

△44.7

16,377,567

7.9

劇場用アニメ

700,000

△54.5

1,600,000

△14.4

その他のアニメ

1,042,293

50.3

1,156,019

53.9

その他

1,900

△86.8

△100.0

合  計

6,068,333

△39.7

19,133,586

7.4

 

b. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

映像制作事業

6,206,567

1.6

出版事業

2,335,841

△19.5

版権事業

3,004,008

62.1

その他事業

294,941

△1.6

合  計

11,841,359

6.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

前連結会計年度

(自 2022年6月1日

  至 2023年5月31日)

当連結会計年度

(自 2023年6月1日

  至 2024年5月31日)

相手先

金額 (千円)

割合 (%)

相手先

金額 (千円)

割合 (%)

東宝㈱

1,188,409

10.6

東宝㈱

2,827,799

23.9

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。

また、当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示並びに当該会計期間における収益・費用に影響を与える見積りを合理的に行わなければなりません。経営陣は見積りに影響を与える要因を把握し、把握した要因に関して適切な仮定設定、情報収集を行い、見積り金額を計算しております。実際の結果は、見積り特有の不確実性により、見積りと異なる場合があります。

なお、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 概況

概況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

b. セグメント別の状況(売上高、営業利益の分析)

セグメント別の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

c. 営業外収益(費用)

営業外収益は199,351千円(前期比279.4%増)となりました。

主な要因は投資事業組合運用益が117,336千円、受取手数料が26,244千円増加したことであります。

営業外費用は44,869千円(前期比1.5%増)となりました。

主な要因は賃貸収入原価6,437千円減少したことであります。

d. 特別利益

特別利益は202,000千円(前期の特別利益の計上はありません。)

主な要因は受取補償金が200,000千円増加したことであります。

e. 特別損失

特別損失は41,706千円(前期は729千円)となりました。

主な要因は棚卸資産廃棄損が32,886千円、減損損失が7,952千円増加したことであります。

f. 税金等調整前当期純利益

以上の結果、税金等調整前当期純利益は1,540,511千円(前期54.2%増)となりました。

g. 法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額)

法人税、住民税及び事業税の負担額は法人税等調整額を含め408,676千円(前期比73.2%増)となりました。

h. 親会社株主に帰属する当期純利益

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,158,412千円(前期比51.1%増)となりました。

 

③ 当連結会計年度の財政状態の分析

a. 資産

資産合計は、14,001,674千円(前期比11.6%増)となりました。

流動資産につきましては、主に現金及び預金が1,628,533千円増加し、一方、受取手形、売掛金及び契約資産が879,521千円減少し、結果、10,712,542千円となりました。

固定資産につきましては、主にコンテンツ資産が683,994千円増加し、一方、映像マスターが111,473千円減少し、結果、3,289,131千円となりました。

 

 

 

 

b. 負債

負債合計は、6,683,625千円(前期比5.5%増)となりました。

流動負債につきましては、主に未払印税が621,228千円、受注損失引当金が223,706千円、買掛金が162,063千円、未払法人税等が162,018千円増加し、一方、預り金が596,950千円、株式給付引当金が105,966千円減少し、結果、6,282,669千円となりました。

固定負債につきましては、主に株式給付引当金が34,626千円、退職給付に係る負債が18,780千円増加し、結果、400,955千円となりました。

 

c. 純資産

純資産は、7,318,048千円(前期比17.9%増)となりました。

主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益及び剰余金の配当により利益剰余金が965,484千円増加し、一方、株式給付信託(J-ESOP)制度による自己株式の給付により自己株式が118,588千円減少したことであります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

⑥ 資本の財源及び資金の流動性

a. 資金需要

当社グループの運転資金需要の主なものは、映像制作事業並びに出版事業に係わる売上原価及び、労務費、業務委託費及び外注費が主な部分を占めております。また、版権事業における権利取得のための出資金があります。

設備資金といたしましては、編集機器、コンピュータ購入費やネットワーク費等があります。

b. 財務政策

運転資金につきましては、自己資金で対応することを原則としておりますが、自己資金で賄えない急な資金需要が発生する等の場合は、金利動向を踏まえ必要に応じ長期・短期借入金で調達しております。

設備資金及び作品への出資金につきましては、社債の発行、長期借入金により最適な調達を行っていく方針であり、調達時期、条件について最も有利な手段を選択するべく検討することとしております。

 

⑦ 経営者の問題認識と今後の方針について

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等及び3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社は、映像制作事業、出版事業、版権事業の各事業単位で包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。

したがって、当社は「映像制作事業」「出版事業」及び「版権事業」の3つを報告セグメントとしております。

「映像制作事業」は、劇場アニメ、TV・配信・ビデオアニメ、ゲームムービー等の企画・制作を行っております。「出版事業」はコミック誌、コミックス等の、企画・製造・販売及び配信を行っております。「版権事業」は、出資による印税、分配、窓口手数料等を得ております。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一であります。

なお、セグメント資産の額については、事業セグメントに資産を配分しておりませんが、関連する費用については合理的な基準に基づき、各事業セグメント別に配分しております。

セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。

 

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報

前連結会計年度(自 2022年6月1日 至 2023年5月31日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

 

映像制作事業

出版事業

版権事業

売上高

 

 

 

 

 

 

TV・配信・ビデオ用のアニメ映像制作

4,711,839

4,711,839

4,711,839

劇場用のアニメ映像制作

897,119

897,119

897,119

その他のアニメ映像制作

360,901

360,901

360,901

コミック・書籍の出版販売

722,356

722,356

722,356

電子書籍の販売

1,809,028

1,809,028

1,809,028

映像コンテンツの版権料

798,509

798,509

798,509

出版物に係る原作印税収入

233,375

233,375

233,375

その他

137,108

372,071

38,209

547,390

299,667

847,057

顧客との契約から生じる収益

6,106,968

2,903,457

1,070,095

10,080,520

299,667

10,380,187

その他の収益

783,511

783,511

783,511

外部顧客への売上高

6,106,968

2,903,457

1,853,606

10,864,032

299,667

11,163,699

セグメント間の内部売上高又は振替高

6,106,968

2,903,457

1,853,606

10,864,032

299,667

11,163,699

セグメント利益

87,161

562,175

476,785

1,126,122

5,933

1,132,056

その他の項目

 

 

 

 

 

 

減価償却費

106,878

3,898

778,343

889,120

281

889,402

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、原稿(雑誌のイラスト)や商品販売等を行っています。

2.「その他の収益」には、製作委員会への出資から生じる収益の分配等の企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」に基づく収益を含んでおります。

 

当連結会計年度(自 2023年6月1日 至 2024年5月31日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

 

映像制作事業

出版事業

版権事業

売上高

 

 

 

 

 

 

TV・配信・ビデオ用のアニメ映像制作

4,829,224

4,829,224

4,829,224

劇場用のアニメ映像制作

770,467

770,467

770,467

その他のアニメ映像制作

588,234

588,234

588,234

コミック・書籍の出版販売

431,331

431,331

431,331

電子書籍の販売

1,899,236

1,899,236

1,899,236

映像コンテンツの版権料

1,332,970

1,332,970

1,332,970

出版物に係る原作印税収入

236,660

236,660

236,660

その他

18,640

5,273

65,408

89,322

294,941

384,263

顧客との契約から生じる収益

6,206,567

2,335,841

1,635,039

10,177,448

294,941

10,472,389

その他の収益

1,368,969

1,368,969

1,368,969

外部顧客への売上高

6,206,567

2,335,841

3,004,008

11,546,418

294,941

11,841,359

セグメント間の内部売上高又は振替高

6,206,567

2,335,841

3,004,008

11,546,418

294,941

11,841,359

セグメント利益

△940,050

482,388

1,823,004

1,365,342

△18,277

1,347,065

その他の項目

 

 

 

 

 

 

減価償却費

128,177

5,307

473,676

607,161

267

607,429

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、原稿(雑誌のイラスト)や商品販売等を行っています。

2.「その他の収益」には、製作委員会への出資から生じる収益の分配等の企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」に基づく収益を含んでおります。

4.報告セグメント合計額と連結財務諸表計上額との差額及び当該差額の主な内容(差異調整に関する事項)

(単位:千円)

 

売上高

前連結会計年度

当連結会計年度

報告セグメント計

10,864,032

11,546,418

「その他」の区分の売上高

299,667

294,941

連結財務諸表の売上高

11,163,699

11,841,359

 

(単位:千円)

 

利益

前連結会計年度

当連結会計年度

報告セグメント計

1,126,122

1,365,342

「その他」の区分の利益

5,933

△18,277

全社費用(注)

△140,672

△121,328

連結財務諸表の営業利益

991,384

1,225,736

(注) 全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない販売費及び一般管理費であります。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2022年6月1日 至 2023年5月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

セグメント情報の中で同様の情報が開示されているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

(単位:千円)

日本

北米

アジア

欧州

その他

合計

9,576,583

1,305,932

151,520

92,938

36,724

11,163,699

(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(2)有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

(単位:千円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

東宝㈱

1,188,409

映像制作事業、版権事業、その他事業

 

当連結会計年度(自 2023年6月1日 至 2024年5月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

セグメント情報の中で同様の情報が開示されているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

(単位:千円)

日本

北米

アジア

欧州

その他

合計

9,989,590

1,667,256

29,908

98,423

56,181

11,841,359

(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(2)有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

(単位:千円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

東宝㈱

2,827,799

映像制作事業、版権事業、その他事業

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年6月1日 至 2023年5月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年6月1日 至 2024年5月31日)

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

映像制作事業

出版事業

版権事業

その他

全社・消去

合計

減損損失

7,952

7,952

 

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年6月1日 至 2023年5月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年6月1日 至 2024年5月31日)

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自  2022年6月1日  至  2023年5月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自  2023年6月1日  至  2024年5月31日)

該当事項はありません。