事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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(単一セグメント) | 2,063 | 100.0 | 257 | 100.0 | 12.5 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社は、LSI(Large Scale Integrated Circuit,大規模集積回路)やFPD(Flat Panel Display, フラットパネルディスプレイ)をはじめとした電子デバイス及び磁気ヘッドやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems,マイクロマシン) 等の微細加工部品を設計するための電子系CAD(Computer Aided Design, コンピューターによる設計支援)ソフトウェア製品を自社開発し、販売・サポート・コンサルテーションを行っております。電子系CADソフトウェアは、一般にEDA(Electronic Design Automation,電子設計用CAD)と呼ばれており、電子機器や電子デバイスの設計作業に対して、コンピューティングシステムのもとで、設計者の手足となり時には代行者として、設計品質の検証や自動化を支援するものであります。さらに当社は、EDA製品の販売やサポートに加えて、ソフトウェアの受託開発、半導体やFPD等電子デバイスの設計受託、及びEDA環境構築支援等のソリューション・ビジネスも行っております。
当社の事業の系統図は、次のとおりであります。
当社は、EDA製品、保守サービス及びソリューションを、顧客に提供しております。当社の主な顧客は、半導体メーカー、液晶パネルメーカー、電子機器メーカー、マスクメーカー、設計受託会社等であります。国内顧客への販売は、直販が中心でありますが、米国、台湾、中国、韓国等海外顧客への販売は、現地代理店を通じて行っております。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における、当社の主要顧客である半導体を含む電子部品業界では、自動車、産業機械、スマートフォン、パソコン向けの半導体デバイスの需要が(AI関連を除き)低調に推移しました。一方で、AI関連デバイスには高い期待が寄せられており、今後、緩やかながらも各社の在庫調整が進む中で、回復の兆しも見え始めておりました。また、パワー半導体市場においては、EV化の減速感が否めないものの、再生エネルギー、産業機械、民生品などでの需要は依然として高く、各社の設計設備や生産設備への投資は継続されておりました。しかしながら、直近の状況では、アメリカのトランプ政権による関税政策により世界が一変しつつあります。また、対中国政策により日本が強みを持つ半導体関連製品の中国向け輸出規制が強まるきざしも見えており、電子部品業界全体のみならず世界中のあらゆる業界で急速な景気後退感が強まっております。
このような状況の中、当社は産官学との協力を強化し、アナログ半導体向けにAIを用いた設計の自動化に取り組み、設計環境の効率化を追求しており、さらに政府および自治体が推進している半導体人材育成にもツールの提供などで貢献しております。2024年6月にはアナログLSIの設計自動化に向けた「ACC(Analog Chip Complier)」の機能拡張版およびパワー半導体の設計分野に向けたツールの機能拡張版をリリースし、同年12月には、主力製品であるSX-MeisterにAIを活用したシミュレーション波形判定ツールを搭載した新製品「SX-Meister SCAI」をリリースしました。また、同年7月には、TSMCのOIP(Open Innovation Platform)EDA Allianceに加入し、同年10月に開催された「OIP Ecosystem Forum」に出展しました。この場で、SX-Meisterを使用したアナログ、イメージセンサー、メモリ等の設計効率向上や、TSMCの最先端プロセス技術によるお客様のイノベーション促進について紹介いたしました。さらに、開発部門の人員増強により、AI関連製品並びに最先端プロセス対応を見据えた開発組織の改編を実施するなど、開発力の強化にも努めております。国内販売促進活動としては、同年9月に、プライベートセミナーを開催し、AI活用による新たなソリューションを紹介するなどの活動も行っております。また、フランスXYALIS社のマスクデータ自動生成ツールおよび同じくフランスPOLLEN社のAIによるプロセス解析・最適化ツールについて国内代理店契約を締結し、製造プロセスといった新たな事業領域へも今後営業活動を積極的に展開しております。海外販売促進活動では、同年12月に中国上海で開催された「ICCAD-Expo 2024」に出展し、アナログLSI設計自動化ツール「ACC」、パワー半導体設計ツール「PowerVolt」および大規模フォトマスクブラウザ「HOTSCOPE」を紹介することなどで、新市場の開拓を進めております。また、デバイス設計受託サービスにおいては、国内での設計委託需要が引き続き活発であり、業績に順調に貢献しております。
これらの活動の結果、売上高は20億62百万円(前年比0.1%増)となり微増ながらも増収となりました。一方で、営業利益は固定費の増加等により2億56百万円(同14.9%減)となり、経常利益は助成金の減少などの影響もあって2億90百万円(同22.4%減)となりました。当期純利益は、繰延税金資産の取崩し等の影響により2億13百万円(同35.1%減)となりました。
種目別の売上状況は次のとおりであります。
(製品及び商品売上高)
製品及び商品売上高は11億57百万円(前期比2.8%増)となりました。
製品売上高が増加した主な理由は、一時的な需要増によるものと海外向けの代理店製品の需要増によるものです。引き続き、国内外の市場に向けた積極的な営業活動を展開してまいります。
(保守サービス売上高)
保守サービス売上高は4億17百万円(前期比0.6%減)となりました。
保守サービス売上高は若干の減少となりましたが、引き続き、積極的な新機能提案活動とあわせて保守契約の締結の促進と、顧客ニーズに合わせたサポート・サービスの向上に努めてまいります。
(ソリューション売上高)
ソリューション売上高(受託開発等)は4億86百万円(前期比5.3%減)となりました。
ソリューション売上高が減少した主な理由は、前年度あった大型商談の規模が縮小したことによるもので、引き続き、半導体関連の既存顧客の売上拡大に加えて、新規顧客の開拓を積極的に進めてまいります。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前事業年度末に比べて1百万円(0.1%)減少し25億45百万円となりました。
営業活動の結果得られた資金は、1億37百万円(前期は65百万円の使用)となりました。主な内訳は、税引前当期純利益2億90百万円及び、売上債権の減少1億48百万円であります。
投資活動の結果得られた資金は、13百万円(前期は3百万円の使用)となりました。主な内訳は、定期預金の預入による支出23億39百万円を計上した一方で、定期預金の払戻による収入23億76百万円を計上したことによるものであります。
財務活動の結果使用した資金は、前期比57百万円(60.0%)増加して1億53百万円となりました。内訳は、配当金の支払額1億53百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当社はEDAソフトウェアの開発・販売及びコンサルテーション業であり、生産実績の把握が困難でありますので、記載を省略しております。
b. 仕入実績
当事業年度における仕入実績は、次のとおりであります。
(注) 当社は仕入実績を売上原価の区分別で記載しております。
c. 受注実績
当事業年度における受注実績は、次のとおりであります。
(注) 当社は受注実績を売上区分別で記載しております。
d. 販売実績
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1. 当社は販売実績を売上区分別で記載しております。
2. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたり、資産・負債の残高及び収益・費用の金額に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績や現在の状況並びに現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と考えられる見積りを採用しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況」中、「1財務諸表等(1)財務諸表」の「注記事項」の「重要な会計方針」に記載しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の経営成績等は次のとおりであります。
(売上高)
当事業年度における当社の売上高は、前期比1百万円(0.1%)増加の20億62百万円となりました。
種目別の内訳といたしましては、製品及び商品売上高は、前期比31百万円(2.8%)増加の11億57百万円、保守サービス売上高は、前期比2百万円(0.6%)減少の4億17百万円、ソリューション売上高は、前期比27百万円(5.3%)減少の4億86百万円であります。
市場別にみますと、半導体市場においては、一時的な需要増と海外向けの代理店製品の売上が拡大した結果、前期比18百万円(1.2%)増加の15億42百万円となりました。液晶パネル等のFPD市場につきましては、国内液晶メーカーの撤退や事業縮小の影響を受け、前期比16百万円(3.0%)減少の5億19百万円となりました。
(売上総利益)
売上原価は前期比15百万円(2.0%)減少の7億57百万円となりました。売上総利益は、国内市場における自社開発製品の売上が伸び悩んだ一方で、デバイス設計受託関連の受注が減少した結果利益率がやや向上したことにより、前期比17百万円(1.4%)増加の13億5百万円となりました。
(営業利益)
販売費及び一般管理費のうち、研究開発費に関しては、引き続き主力製品である「SX-Meister」の開発投資を集中的に行った結果、前期比42百万円(13.3%)増加の3億63百万円となり、売上高比率としては17.6%となりました。その他経費については従業員数の増加に伴い労務費が増加したことにより、販売費及び一般管理費合計は前期比62百万円(6.4%)増加の10億48百万円となりました。
以上の結果、営業利益は前期比45百万円(14.9%)減少の2億56百万円となりました。
(経常利益)
営業外収益は、主に為替差益及び助成金収入の減少により、前期比32百万円(43.4%)減少の42百万円となりました。
営業外費用は、主に投資事業組合運用損の増加及び、為替差損の発生により、前期比6百万円(283.7%)増加の8百万円となりました。
以上の結果、経常利益は前期比83百万円(22.4%)減少の2億90百万円となりました。
なお、当社が目標とする経営指標は経常利益率10%以上でありますが、助成金収入の減少及び円高による為替差損等があったものの、経常利益率14.1%(前年同期は18.1%)となり、目標を達成しております。
(当期純利益)
税引前当期純利益は、前期比83百万円(22.4%)減少し、2億90百万円となりました。法人税、住民税及び事業税として34百万円(前年同期比46.0%減)、法人税等調整額を42百万円計上(前年同期は減算18百万円)したことにより、当期純利益は前期比1億15百万円(35.1%)減少の2億13百万円となりました。
当事業年度の財政状態の分析は次のとおりであります。
(流動資産)
流動資産は、前期比10億90百万円(26.0%)減少の31億7百万円となりました。その主な要因は、現金及び預金が前期比9億39百万円(27.0%)減少し25億45百万円になったこと(主に長期の定期預金として固定資産に振替しています)及び、売掛金が1億32百万円(31.6%)減少し2億86百万円となったことによるものであります。
(固定資産)
固定資産は、前期比8億47百万円(266.7%)増加の11億65百万円となりました。固定資産の内訳は、有形固定資産がほぼ横ばいの22百万円、無形固定資産が前期比3百万円(19.1%)減少の14百万円、投資その他の資産が前期比8億51百万円(307.1%)増加の11億28百万円となりました。投資その他の資産の増加の主な要因は、上述の長期の定期預金の増加によるものです。また、投資有価証券が前期比6百万円(4.7%)減少し1億32百万円となったこと及び、繰延税金資産が42百万円(42.8%)減少し56百万円となったことによるものであります。
(流動負債)
流動負債は、前期比3億2百万円(30.9%)減少の6億75百万円となりました。その主な要因は、前受金が前期比1億95百万円(30.6%)減少し4億41百万円となったこと及び、未払法人税等が36百万円(74.9%)減少し12百万円となったことによるものであります。
(固定負債)
固定負債は、前事業年度末と同額の3百万円となりました。内訳は、資産除去債務であります。
(純資産)
当事業年度末の純資産残高は、前期比59百万円(1.7%)増加し35億94百万円となりました。要因は、利益剰余金が前期比59百万円(3.1%)増加し19億66百万円となったことによるものであります。
この結果、自己資本比率は前事業年度末の78.3%から84.1%となりました。
当事業年度のキャッシュ・フローの分析は次のとおりであります。
当事業年度のキャッシュ・フローの分析は、(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況 に記載のとおりであります。
なお当社は、事業の更なる拡大に向けて将来的にM&Aや技術提携ならびにIP調達等を行う方針であり、そのための資金の調達源として当社が現在保有している現預金等を充当する予定であります。それらの資金に関しましては、案件が発生した場合に速やかな資金調達を実現するべく高い流動性を維持しております。