2026年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 2,042 100.0 261 100.0 12.8

 

3 【事業の内容】

当社は、LSI(Large Scale Integrated Circuit,大規模集積回路)やFPD(Flat Panel Display, フラットパネルディスプレイ)をはじめとした電子デバイス及び磁気ヘッドやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems,マイクロマシン) 等の微細加工部品を設計するための電子系CAD(Computer Aided Design, コンピューターによる設計支援)ソフトウェア製品を自社開発し、販売・サポート・コンサルテーションを行っております。電子系CADソフトウェアは、一般にEDA(Electronic Design Automation,電子設計用CAD)と呼ばれており、電子機器や電子デバイスの設計作業に対して、コンピューティングシステムのもとで、設計者の手足となり時には代行者として、設計品質の検証や自動化を支援するものであります。さらに当社は、EDA製品の販売やサポートに加えて、ソフトウェアの受託開発、半導体やFPD等電子デバイスの設計受託、及びEDA環境構築支援等のソリューション・ビジネスも行っております。

 

当社の事業の系統図は、次のとおりであります。

 


 

当社は、EDA製品、保守サービス及びソリューションを、顧客に提供しております。当社の主な顧客は、半導体メーカー、液晶パネルメーカー、電子機器メーカー、マスクメーカー、設計受託会社等であります。国内顧客への販売は、直販が中心でありますが、米国、台湾、中国、韓国等海外顧客への販売は、現地代理店を通じて行っております。

 

 

業績状況

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度における、当社の主要顧客である半導体を含む電子部品業界では、引き続きAI関連分野は堅調に推移しているものの、スマートフォン、パソコン、産業機械向けの半導体デバイスについては低迷が続き、二極化の様相を呈しております。また、イラン情勢による我が国における原油の供給状況次第では、今後、不透明感や景気減速感が顕在化する可能性があり、世界経済全体に対しても下押し要因となることが想定されます。

このような状況の中、当社は産官学との協力を強化し、アナログ半導体向けにAIを用いた設計の自動化に取り組み、設計環境の効率化を追求しており、さらに政府および自治体が推進している半導体人材育成にもツールの提供などで貢献しております。2025年6月にはフォトマスクの静電破壊検証の技術を実装した「SX-Meister PowerVolt(V19.0)」をリリースしました。この「SX-Meister PowerVolt(V19.0)」の機能追加により、マスク製造前にCADデータ上でフォトマスクの静電破壊のリスク検証を世界で初めて実現しました。これにより、製造コストのロスを大幅に削減でき、品質向上に大きく貢献することが期待できます。また、12月には、主力製品であるSX-Meisterの1つである「SX-Meister SCAI」の機能強化など、様々な製品の機能追加、レイアウトの編集効率の向上、操作性の向上などを実装した「SX-Meister V20.0」をリリースしました。産官学との協力強化という面では、2025年4月1日に有明工業高等専門学校が開設しましたCircuit Design and Education Center(CDEC)に教育利用を目的としたSX-Meisterのライセンスを提供しました。10月には、木村情報技術株式会社(本社:佐賀県佐賀市、代表取締役:木村 隆夫)と、教育分野における半導体設計の学習環境を整備することを目的に、教育機関向けクラウド版SX-Meisterの提供に関する覚書を締結し2026年4月より提供を開始しました。これにより、学生が場所を問わず実践的な半導体設計を学べる教育環境を提供できるようになりました。

国内販売促進活動としては、2025年4月に開催された「Photomask Japan 2025」や、11月に開催された「JEVeC Day 2025」に、当社主力製品及び各パートナー企業の代理販売製品を出展し、多くの来場顧客に製品紹介を行うことができ、商談開拓につながりつつあります。また、10月には「SX-Meister Technology Seminar 2025 October」をウェビナー形式にて開催し、「SX-Meister 最新機能と開発ロードマップ」をご紹介しました。このセミナーには多くのお客様に参加を賜り、新たな商談につながりつつあります。

デバイス設計受託サービスにおいては、国内での設計委託需要が引き続き活発であり、業績に順調に貢献しております。

これらの活動の結果、売上高は20億41百万円(前年比1.0%減)となり、一部翌年度に期ズレした案件等もあり、わずかながら減収となりました。一方で、営業利益は前年より若干ながら増益の2億60百万円(同1.4%増)となり、経常利益は助成金の収入減により2億51百万円(同13.4%減)となりました。当期純利益は1億72百万円(同19.4%減)となりました。

 

種目別の売上状況は次のとおりであります。

(製品及び商品売上高)

製品及び商品売上高は11億78百万円前期比1.8%増)となりました。

製品売上高が増加した主な理由は、主に代理店製品の需要増によるものです。引き続き、国内外の市場に向けた積極的な営業活動を展開してまいります。

(保守サービス売上高)

保守サービス売上高は4億39百万円前期比5.0%増)となりました。

保守サービス売上高が増加した主な理由は、積極的な新機能提案活動とあわせて保守契約の締結の促進が功を奏したことによりますが、引き続き顧客ニーズに合わせたサポート・サービスの向上に努めてまいります。

 

(ソリューション売上高)

ソリューション売上高(受託開発等)は4億23百万円前期比13.0%減)となりました。

ソリューション売上高が減少した主な理由は、前年度あった商談の規模が縮小したことによるものと一時的な受注減によるものです。現時点で受注状況は好調となっておりますので、引き続き、半導体関連の既存顧客の売上拡大に加えて、新規顧客の開拓を積極的に進めてまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前事業年度末に比べて1億98百万円(7.8%)増加27億44百万円となりました。

営業活動の結果得られた資金は、2億40百万円174.5%)増加し3億78百万円となりました。主な内訳は、税引前当期純利益2億51百万円及び、売上債権の減少1億17百万円であります。

投資活動の結果使用した資金は、25百万円(前期は13百万円の収入)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出5百万円であります。

財務活動の結果使用した資金は前期と同額の1億53百万円となりました。内訳は、配当金の支払額であります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当社はEDAソフトウェアの開発・販売及びコンサルテーション業であり、生産実績の把握が困難でありますので、記載を省略しております。

 

b. 仕入実績

当事業年度における仕入実績は、次のとおりであります。

 

仕入区分(注)

当事業年度

(自 2025年4月1日

2026年3月31日)

仕入高(千円)

前年同期比(%)

材    料

98,878

73.7

商    品

242,600

113.0

合計

341,479

97.9

 

(注) 当社は仕入実績を売上原価の区分別で記載しております。

 

c. 受注実績

当事業年度における受注実績は、次のとおりであります。

 

受注区分(注)

当事業年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

受注高
(千円)

前年同期比
(%)

受注残高
(千円)

前年同期比
(%)

製品及び商品

929,397

82.6

728,210

74.5

保守サービス

378,270

85.9

312,627

83.7

ソリューション

377,695

70.2

36,007

44.0

合計

1,685,364

80.1

1,076,845

75.1

 

 (注) 当社は受注実績を売上区分別で記載しております。

 

 

d. 販売実績

当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

販売区分(注)

当事業年度

(自 2025年4月1日

2026年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

製品及び商品

1,178,974

101.8

保守サービス

439,043

105.0

ソリューション

423,586

87.0

合計

2,041,604

99.0

 

(注) 当社は販売実績を売上区分別で記載しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたり、資産・負債の残高及び収益・費用の金額に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績や現在の状況並びに現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と考えられる見積りを採用しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況」中、「1財務諸表等(1)財務諸表」の「注記事項」の「重要な会計方針」に記載しております。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当事業年度の経営成績等は次のとおりであります。

(売上高)

当事業年度における当社の売上高は、前期比21百万円(1.0%)減少20億41百万円となりました。

種目別の内訳といたしましては、製品及び商品売上高は、前期比21百万円(1.8%)増加11億78百万円、保守サービス売上高は、前期比21百万円(5.0%)増加4億39百万円、ソリューション売上高は、前期比63百万円(13.0%)減少4億23百万円であります。

市場別にみますと、半導体市場においては海外向けの代理店製品の売上が拡大した一方でソリューション売上高の減少が影響し、前期比10百万円(0.7%)減少の15億32百万円となりました。液晶パネル等のFPD市場につきましては、継続した国内液晶メーカーの撤退や事業縮小の影響を受け、前期比10百万円(2.1%)減少の5億9百万円となりました。

 

(売上総利益)

売上原価は前期比29百万円(3.9%)減少7億27百万円となりました。売上総利益は、デバイス設計受託関連の受注が減少した結果利益率がやや向上したことにより、前期比8百万円(0.6%)増加13億13百万円となりました。

 

 

(営業利益)

販売費及び一般管理費のうち、研究開発費に関しては、引き続き主力製品である「SX-Meister」の開発投資を集中的に行った結果、前期比16百万円(4.4%)減少3億47百万円となり、売上高比率としては17.0%となりました。その他経費については継続的な見直しを行い、販売費及び一般管理費合計は前期比4百万円(0.4%)増加10億53百万円となりました。

以上の結果、営業利益は前期比3百万円(1.4%)増加2億60百万円となりました。

 

(経常利益)

営業外収益は、受取利息の増加の一方で助成金収入がなくなったことにより、前期比21百万円(50.4%)減少20百万円となりました。

営業外費用は、主に投資事業組合運用損の増加により、前期比21百万円(237.5%)増加30百万円となりました。

以上の結果、経常利益は前期比38百万円(13.4%)減少2億51百万円となりました。

なお、当社が目標とする経営指標は経常利益率10%以上でありますが、助成金収入の減少及び投資事業組合運用損の増加があったものの、経常利益率12.3%(前年同期は14.1%)となり、目標を達成しております。

 

(当期純利益)

税引前当期純利益は、前期比38百万円(13.4%)減少し、2億51百万円となりました。法人税、住民税及び事業税として70百万円(前年同期比106.3%増)、法人税等調整額を8百万円(前年同期比80.0%減)計上したことにより、当期純利益は前期比41百万円(19.4%)減少1億72百万円となりました。

 

当事業年度の財政状態の分析は次のとおりであります。

(流動資産)

流動資産は、前期比85百万円(2.7%)増加31億92百万円となりました。その主な要因は、電子記録債権が90百万円(41.5%)減少1億28百万円となった一方で、現金及び預金が前期比1億98百万円(7.8%)増加27億44百万円になったことによるものであります。

 

(固定資産)

固定資産は、前期比31百万円(2.7%)減少11億34百万円となりました。固定資産の内訳は、有形固定資産が前期比6百万円(28.9%)減少16百万円、無形固定資産が前期比5百万円(40.4%)減少8百万円、投資その他の資産が前期比19百万円(1.7%)減少11億9百万円となりました。投資その他の資産の減少の主な要因は、投資有価証券が前期比18百万円(14.3%)減少1億13百万円となったことによるものであります。

 

(流動負債)

流動負債は、前期比35百万円(5.2%)増加7億10百万円となりました。その主な要因は、前受金が前期比48百万円(10.9%)減少3億93百万円となった一方で、未払法人税等が49百万円(400.7%)増加61百万円となったこと及び、買掛金が19百万円(34.5%)増加76百万円となったことによるものであります。

 

(固定負債)

固定負債は、前事業年度末と同額の3百万円となりました。内訳は、資産除去債務であります。

 

(純資産)

当事業年度末の純資産残高は、前期比18百万円(0.5%)増加36億12百万円となりました。要因は、利益剰余金が前期比18百万円(0.9%)増加19億85百万円となったことによるものであります。

この結果、自己資本比率は前事業年度末の84.1%から83.5%となりました。

 

 

当事業年度のキャッシュ・フローの分析は次のとおりであります。

当事業年度のキャッシュ・フローの分析は、(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況 に記載のとおりであります。

なお当社は、事業の更なる拡大に向けて将来的にM&Aや技術提携ならびにIP調達等を行う方針であり、そのための資金の調達源として当社が現在保有している現預金等を充当する予定であります。それらの資金に関しましては、案件が発生した場合に速やかな資金調達を実現するべく高い流動性を維持しております。