2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

トナー事業 半導体・ディスプレイ関連事業 機能性シート事業 セキュリティメディア事業 新規開発事業 その他
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
トナー事業 11,719 32.8 815 63.2 7.0
半導体・ディスプレイ関連事業 6,518 18.2 608 47.1 9.3
機能性シート事業 12,138 33.9 -42 -3.3 -0.3
セキュリティメディア事業 4,476 12.5 439 34.0 9.8
新規開発事業 67 0.2 -608 -47.1 -907.5
その他 859 2.4 78 6.0 9.1

事業内容

3【事業の内容】

 当社及び当社の関係会社(当社、連結子会社14社、非連結子会社3社、持分法適用関連会社1社及び持分法非適用関連会社1社(2024年3月31日現在)により構成)においては、トナー事業、半導体・ディスプレイ関連事業、機能性シート事業、セキュリティメディア事業、新規開発事業を主要な事業分野としております。

 当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりです。

 なお、当社は、当社グループの将来ビジョンと事業展開を分かりやすくお伝えするため、当連結会計年度より報告セグメントの一部について、以下のとおり名称を変更しております。

 従来の「電子材料事業」セグメントは、IT、自動車、家電業界等で広く利用される半導体・電子部品・ディスプレイの分野で、熱・電気・電磁波をコントロールする技術や粘接着技術を活かして事業を展開しているため、「半導体・ディスプレイ関連事業」セグメントに名称変更いたしました。

また、従来の「機能紙事業」セグメントは、紙という素材にとどまらず、特殊抄紙技術による各種繊維のシート化や塗工技術によって、各種シートに機能を付与することで事業を展開しているため、「機能性シート事業」セグメントに名称変更いたしました。

 以下の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」の事業区分と同一であります。

 

(トナー事業)

 トナー事業は、トナーの製造、販売に関する事業から成っております。当セグメントは、複合機・プリンター用トナー、粉体関連製品等の化成品を事務機器メーカー、複合機メーカー等へ販売しております。

 当社は各子会社をその機能から製造会社と販売会社に区分し、グローバルな生産販売活動が最適となるよう、各拠点間で製品等を相互に供給しあい需要家へ販売しております。

 子会社のTOMOEGAWA(U.S.A.)INC.、TOMOEGAWA EUROPE B.V.、TOMOEGAWA HONG KONG CO.,LTD.及び巴川(広州)国際貿易有限公司は販売機能を担っております。また、子会社の巴川影像科技(恵州)有限公司及び日彩影像科技(九江)有限公司は主として製造機能を担っております。

 子会社の新巴川加工㈱では、当社より半製品等の供給を受け、製造及び仕上加工を行っております。

 

(半導体・ディスプレイ関連事業)

 半導体・ディスプレイ関連事業は、光学フィルムの製造、販売に関する事業、半導体実装用テープ、半導体関連部品の製造、販売に関する事業から成っております。当セグメントは、FPD向け光学フィルム等をフィルムメーカー等へ販売し、QFPリードフレーム固定テープや静電チャック等をICメーカー、リードフレームメーカー等へ販売しております。

 子会社の新巴川加工㈱では、当社より半製品等の供給を受け、製造及び仕上加工を行っております。

 関連会社の㈱トッパンTOMOEGAWAオプティカルフィルムは、製品を製造し、需要家に販売しております。

 

(機能性シート事業)

 機能性シート事業は、製紙・機能性不織布の抄造、販売に関する事業及び紙等への塗工、販売に関する事業から成っております。当セグメントは、木材パルプ由来の洋紙、電気絶縁紙、セラミック繊維シート等を代理店や需要家へ販売し、紙等に塗工した磁気記録関連製品、印刷・記録関連製品等の塗工紙を鉄道・バス会社、機器メーカー等に直接販売しております。また、紙ベースの再湿糊塗布製品、ガムテープ、米麦・セメント・塩用クラフト重袋等を需要家へ販売しております。

 当社と各子会社は製品等を供給しあい、必要な加工等を各社で行い、需要家へと販売しております。

 子会社の新巴川加工㈱では、当社より半製品等の供給を受け、製造及び仕上加工を行っております。

 

(セキュリティメディア事業)

 セキュリティメディア事業は、有価証券、カード、帳票、磁気記録関連製品等の製造・加工及び情報処理関連事業を行っており、需要家へ販売しております。

 

(新規開発事業)

 新規開発事業は、当社グループが保有する基礎・要素技術の融合を行い新製品開発と需要家への販売を行っております。

 

(その他の事業)

 その他の事業としては、不動産賃貸、物流サービス等を行っております。

 子会社の巴川物流サービス㈱は、当社グループの製品等の輸送、保管等を行っております。

  以上の企業集団の概略を図示すれば次のとおりであります。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度は、当初より半導体製造装置向け新製品の立ち上げに伴う費用の先行負担や、処遇改善に伴う人件費の増加、エネルギー・資材価格上昇などによりコストが増大すると想定していました。これらの増加分は、価格転嫁を行いながら、連結売上高の3割強を占めるトナー事業と、前連結会計年度に新製品が立ち上がった機能性不織布事業を主とする増収によって可能な限り吸収を図ることで、減益ながらも1,500百万円の営業利益、経常利益を目指しました。

しかし、中国経済の低迷により、トナー事業・機能性不織布事業の業績は第3四半期連結累計期間まで低迷しました。一方、半導体・ディスプレイ関連事業は当初想定より好調に推移し、新規クレジットカードへの切り替えが継続するセキュリティメディア事業も売上を拡大しました。

以上の結果、売上高は33,692百万円となり、トナー事業が特に好調だった前年同期比では477百万円の減収(前年同期34,170百万円、前年同期比1.4%減)となりました。

利益面においては、各種コストの増加による影響は、試作収入の増加と現場の生産性改善などが部分的に相殺し、当初想定よりも小幅なものとなりました。また価格転嫁に関しても想定以上の成果を達成しました。さらに、年度後半には円安が進展したことも利益にプラスの影響を与えました。しかしながら、前年同期比での売上高の減少に加えて、特にトナー事業において在庫の圧縮を目的とした生産調整を実施したことが、利益にマイナスの影響を及ぼしました。これらの結果、営業利益は1,331百万円と前年同期と比べ720百万円の減益(同2,052百万円、同比35.1%減)となりました。

経常利益については、ディスプレイ向けフィルム加工を行う関連会社からの持分法投資利益の貢献が引き続きあったことから、1,643百万円と前年同期と比べ507百万円の減益(同2,151百万円、同比23.6%減)に止まり、昨年5月12日公表の当初計画を上回りました。また、親会社株主に帰属する当期純利益については、前第1四半期連結会計期間に計上した固定資産売却による特別利益がなかったほか、当第4四半期連結会計期間において新型静電チャックの開発でターゲットとしている顧客製品(半導体製造装置)の変更があったこと、さらに生産及び開発拠点の集約実施に伴い設備除却損を計上したこともあり、594百万円と前年同期比では857百万円の減益(同1,451百万円、同比59.1%減)となりましたが、当初計画をほぼ達成いたしました。

なお、当第4四半期連結会計期間(2024年1~3月期)の3か月間については、トナー事業の一部に受注環境の改善が見られたほか、半導体・ディスプレイ関連事業における値上げ前の一時的な需要増などが増収要因として作用しました。加えて、円安によるプラス効果や試作収入の増加などが増益要因として作用しております。

また、連結貸借対照表における資産の部は、前連結会計年度末に比べ2,765百万円増加し、45,713百万円となりました。

負債の部は、前連結会計年度末に比べ1,740百万円増加し、26,317百万円となりました。

純資産については1,025百万円増加し、19,396百万円となりました。

 

セグメントの業績は以下のとおりです。

 トナー事業

 トナー事業においては、円安による海外関連売上高の嵩上げはあったものの、中国経済の不振が継続した影響等により受注が伸び悩んだほか、海外競合他社との価格競争が拡大したことなどにより、特にモノクロトナーにおいて大幅減収となりました。

 利益面では、海外子会社を含む売上高の大幅な減少に加え、原材料価格上昇によるコスト増加のほか、在庫調整のための生産量抑制の影響もあり大幅な減益となりました。

 この結果、売上高は11,719百万円(同13,531百万円、同比13.4%減)となり、セグメント(営業)利益は815百万円(同2,093百万円の利益、同比61.0%減)となりました。

 半導体・ディスプレイ関連事業

 半導体・ディスプレイ関連事業においては、半導体実装用テープSBUの販売が堅調に推移したほか、光学フィルムSBUについて、年間を通じて子会社を含めて当初想定していなかったディスプレイ向けフィルム加工への注文が引き続き好調を維持したことにより増収となりました。

 利益面では、新製品開発コストの増加はあったものの新製品の試作・試験入金が当初予想を上回ったほか、光学フィルムSBUでの増収効果に加えて、事業共通の基幹設備である塗工機の稼働率が上昇したことなどにより、前年同期比で増益となりました。

 この結果、売上高は6,518百万円(同5,634百万円、同比15.7%増)となり、セグメント(営業)利益は608百万円(同186百万円の利益、同比226.9%増)となりました。

 機能性シート事業

 機能性シート事業においては、機能性不織布SBUについて中国経済不振の影響を受け受注が伸び悩みましたが、事業全体で案件獲得や製品価格改定を進めたことにより前年並みの売上となりました。

 利益面では、原材料価格上昇によるコスト増加などはありましたが、コスト上昇分の製品価格への反映に加え、各種コストダウンを行うことにより、前年同期に比べ赤字幅を圧縮しております。

 この結果、売上高は10,770百万円(同10,769百万円、同比0.0%増)となり、セグメント(営業)損失は42百万円(同72百万円の損失)となりました。

 セキュリティメディア事業

 セキュリティメディア事業においては、コンビカードへの切り替えが進んだことに加え、通帳類等が増加したほか、宣伝印刷物などの受注が増えたことにより、売上高は4,384百万円(同3,985百万円、同比10.0%増)となりました。利益面では、増収効果が大きく、セグメント(営業)利益は439百万円(同224百万円の利益、同比95.6%増)となりました。

 新規開発事業

 新規開発事業においては、主にiCas関連製品の開発と販売を進めており、特に半導体製造装置向け新製品群の上市に向け専心しております。売上高は67百万円(同54百万円、同比25.2%増)となり、セグメント(営業)損失は608百万円(同499百万円の損失)となりました。

 その他の事業

 その他の事業においては、売上高は231百万円(同196百万円、同比17.8%増)となり、セグメント(営業)利益は78百万円(同84百万円の利益、同比6.8%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,062百万円増加し、5,345百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、前期に比べ3,174百万円増加し4,185百万円となりました。これは主に、持分法による投資利益311百万円や売上債権の増加額211百万円などがあったものの、税金等調整前当期純利益1,363百万円や減価償却費1,669百万円、仕入債務の増加額1,004百万円などがあったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、前期に比べ1,686百万円増加し1,741百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が1,605百万円となり前期に比べ720百万円の増加があった一方で、前期にあった米国トナー工場跡地の売却に伴う固定資産売却収入580百万円がなかったことなどによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、前期に比べ78百万円増加し1,645百万円となりました。これは主に、短期借入金の純増加額1,595百万円や長期借入れによる収入1,050百万円があったものの、長期借入金の返済による支出2,497百万円やA種優先株式の償還に伴う自己株式の取得による支出1,135百万円などがあったことによるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

前期比(%)

トナー事業(百万円)

8,434

△16.9

半導体・ディスプレイ関連事業(百万円)

4,497

3.4

機能性シート事業(百万円)

10,872

5.3

セキュリティメディア事業(百万円)

3,472

5.4

新規開発事業(百万円)

35

18.6

合計(百万円)

27,312

△3.0

 (注)金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

b.受注実績

 当社グループ(当社及び連結子会社)は、一般市況及び直接需要を勘案して生産を行っております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

前期比(%)

トナー事業(百万円)

11,719

△13.4

半導体・ディスプレイ関連事業(百万円)

6,518

15.7

機能性シート事業(百万円)

10,770

0.0

セキュリティメディア事業(百万円)

4,384

10.0

新規開発事業(百万円)

67

25.2

報告セグメント計(百万円)

33,461

△1.5

その他の事業(百万円)

231

17.8

合計(百万円)

33,692

△1.4

 (注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

①重要な会計方針及び見積り

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりです。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

当連結会計年度末の資産の合計は45,713百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,765百万円の増加となりました。流動資産は22,600百万円で、前連結会計年度末に比べ1,062百万円の増加となり、その主な要因は、売上高が減少する中で生産調整も含めて棚卸資産の圧縮を行ったものの、当連結会計年度末が金融機関の休業日であったことや為替相場の円安変動の影響により、現金及び預金や受取手形及び売掛金が増加したことなどによるものです。固定資産は23,113百万円で、前連結会計年度末に比べ1,703百万円の増加となり、その主な要因は、設備投資による有形固定資産の増加や、保有株式の時価評価による投資有価証券が増加したことなどによるものです。

当連結会計年度末の負債の合計は26,317百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,740百万円の増加となりました。このうち流動負債は18,405百万円で、前連結会計年度末に比べ2,326百万円の増加となり、その主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が減少したものの、短期借入金が増加したことに加え当連結会計年度末が金融機関の休業日であったことによる支払手形及び買掛金が増加したことなどによるものです。固定負債は7,911百万円となり、前連結会計年度末に比べ586百万円の減少となり、その主な要因は、長期借入金の返済が進んだことや退職給付に係る負債などが減少したことによるものです。当連結会計年度末における有利子負債残高は12,835百万円となり、前連結会計年度末に比べ122百万円の増加となりました。

また、当連結会計年度末の純資産の合計は19,396百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,025百万円の増加となりました。2023年9月に実施したA種優先株式の全部償還に伴い資本剰余金が1,135百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加に加え、その他有価証券評価差額金や為替相場の円安変動に伴う為替換算調整勘定の増加、退職給付に係る調整累計額の増加などがあったことによるものです。

なお、A種優先株式の全部償還により、優先配当等の支払い負担を低減させ財務体質の健全化を図っており、償還後においても連結純資産比率は40%超の安定した財務基盤を維持しております。

 

2)経営成績

 当連結会計年度の経営成績につきましては、半導体・ディスプレイ関連事業及びセキュリティメディア事業が当初想定より好調な販売となったものの、中国経済不振によるトナー事業及び機能性不織布事業の業績が第3四半期まで低迷したことにより、売上高が33,692百万円となり、トナー事業は好調であった前連結会計年度と比べ477百万円減少となりました。また、第4四半期の3か月間はトナー事業の一部に受注環境の改善が見られたほか、半導体・ディスプレイ関連事業における値上げ前の一時的な需要増などにより前四半期に比べて増収となりました。利益面では、各種コストの増加による影響は、試作収入の増加や現場の生産性改善等により部分的に相殺することができ、当初想定よりも小幅なものとなりました。また、価格転嫁に関しても想定以上の成果を達成したことに加え、当連結会計年度後半には為替相場がさらに円安に進展したことも利益にプラスの影響を与えました。しかしながら、売上高が前連結会計年度に比べ減少したことに加え、特にトナー事業においては在庫の圧縮を目的とした生産調整を実施したことが利益にマイナスの影響を及ぼしたこともあり、営業利益は1,331百万円となり、前連結会計年度と比べ720百万円の減少となりました。各事業及びセグメント別の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 当連結会計年度の経常利益につきましては、営業外収益にディスプレイ向けフィルム加工を行う関連会社からの持分法による投資利益311百万円を計上したことなどから1,643百万円となり、前連結会計年度と比べ507百万円の減少となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に計上した固定資産売却による特別利益が無かったほか、当連結会計年度において生産及び開発拠点の集約実施に伴う固定資産の除却損を計上したことなどもあり594百万円となり、前連結会計年度と比べ857百万円の減少となりました。

 

3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は5,345百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,062百万円の増加となりました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、当社グループは様々な業界に製品を提供しております。これらの製品を取り巻く事業環境は変動が激しく、市況変動並びに技術革新等の影響を強く受けます。また、収益面では、特に主要原材料である各種石油化学製品・原紙・パルプ等及び燃料であるLNG等の価格変動が、業績に影響を与える可能性があります。従って、当社グループはこれらの経営成績に影響を与えるリスク要因を分析し、個々に対策を立案し実行に移しております。なお、この詳細は「3 事業等のリスク」に記載しております。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

1)資金需要

 当社グループの資金需要のうち主なものは、当社グループ既存製品の製造に係る費用及び製品の品質向上、原価低減のための設備改善並びに新製品開発投資等によるものです。

2)財務政策

 当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金については、自己資金及び金融機関からの借入等により資金調達をすることとしております。借入等による資金調達に関しては、運転資金としての短期借入金、設備等の長期借入金を当社及び各連結子会社が調達しております。その一部はグループ内資金の効率化を目的とし一部グループ会社間で資金融通を行っております。

 また、緊急時の流動性補完枠として既存取引のある金融機関5行と総額4,000百万円のシンジケート形式のコミットメントラインを設定しており、十分な手元流動性の確保に努めております。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループが経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標は、売上高、営業利益、ROE(自己資本利益率)、新製品売上高比率(連結売上高に占める新製品売上高の比率)、D/Eレシオ(連結純資産に占める有利子負債の割合)、純資産比率です。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会及び代表取締役社長(CEO)が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。

 当社グループは、製品分野別に展開している事業を、製品内容や経済的特徴等の類似性に基づいて、

「トナー事業」、「半導体・ディスプレイ関連事業」、「機能性シート事業」、「セキュリティメディア事業」及び「新規開発事業」等に分類し、国内及び海外の包括的な戦略を立案して事業活動を展開しております。

 従って、当社グループは、「トナー事業」、「半導体・ディスプレイ関連事業」、「機能性シート事業」、「セキュリティメディア事業」及び「新規開発事業」の5つを報告セグメントとしております。

 「トナー事業」はトナーの生産・販売を行っており、「半導体・ディスプレイ関連事業」は半導体実装用テープ製品、半導体関連部品、光学フィルム関連製品の生産・販売を行っております。また、「機能性シート事業」は機能性不織布製品、塗工紙関連製品、製紙関連製品等の生産・販売を行っており、「セキュリティメディア事業」は、有価証券、カード、帳票、磁気記録関連製品等の製造・加工・販売及び情報処理関連事業を行っております。「新規開発事業」は当社グループが保有する基礎・要素技術の融合を行い新製品開発と販売を行っております。

 なお、当社は、当社グループの将来ビジョンと事業展開を分かりやすくお伝えするため、当連結会計年度より報告セグメントの名称について、従来の「電子材料事業」セグメントを「半導体・ディスプレイ関連事業」セグメントに、また、従来の「機能紙事業」セグメントを「機能性シート事業」セグメントに変更しております。

 前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの名称により開示しております。ただし、報告セグメントの区分方法に変更はありません。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一です。

 報告セグメントの利益又は損失は、営業利益ベースの数値です。

 セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。

 

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報

前連結会計年度(自  2022年4月1日  至  2023年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

調整額

(注)2

連結財務

諸表

計上額(注)3

 

トナー

事業

半導体・ディスプレイ関連事業

機能性シート事業

セキュリティ

メディア事業

新規開発

事業

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本

2,078

3,312

9,764

3,985

54

19,195

126

19,321

19,321

中国(香港含む)

4,407

262

127

4,798

4,798

4,798

その他のアジア

1,601

2,030

709

4,341

4,341

4,341

欧州

4,124

2

3

4,130

4,130

4,130

北米

966

26

164

1,156

1,156

1,156

その他

351

351

351

351

顧客との契約から生じる収益

13,531

5,634

10,769

3,985

54

33,974

126

34,100

34,100

その他の収益

69

69

69

外部顧客への売上高

13,531

5,634

10,769

3,985

54

33,974

196

34,170

34,170

セグメント間の内部売上高又は振替高

796

134

931

608

1,539

△1,539

13,531

5,634

11,565

4,120

54

34,905

804

35,710

△1,539

34,170

セグメント利益又は損失(△)

2,093

186

△72

224

△499

1,931

84

2,016

36

2,052

セグメント資産

10,517

5,728

10,791

6,193

22

33,253

200

33,453

9,494

42,948

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

513

446

355

208

1,524

30

1,555

64

1,619

のれん償却額

14

14

14

14

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

281

313

376

98

1,069

13

1,082

140

1,223

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、物流サービス等を含んでおります。

2.調整額は、以下のとおりです。

(1)セグメント利益の調整額36百万円は、セグメント間取引消去額です。

(2)セグメント資産の調整額9,494百万円は全社資産であり、余資運用資金(現預金)、長期投資資金(投資有価証券)及び管理部門に係る資産等です。

(3)減価償却費の調整額64百万円は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費です。

(4)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額140百万円は、主に当社での全社共通部門における設備投資額です。

3.セグメント利益又は損失は、連結損益及び包括利益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

 

当連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

調整額

(注)2

連結財務

諸表

計上額(注)3

 

トナー

事業

半導体・ディスプレイ関連事業

機能性シート事業

セキュリティ

メディア事業

新規開発

事業

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本

2,017

3,812

9,616

4,384

60

19,890

161

20,051

20,051

中国(香港含む)

3,746

279

73

4,099

4,099

4,099

その他のアジア

1,337

2,378

932

7

4,655

4,655

4,655

欧州

3,696

2

5

3,704

3,704

3,704

北米

659

46

143

849

849

849

その他

262

262

262

262

顧客との契約から生じる収益

11,719

6,518

10,770

4,384

67

33,461

161

33,622

33,622

その他の収益

69

69

69

外部顧客への売上高

11,719

6,518

10,770

4,384

67

33,461

231

33,692

33,692

セグメント間の内部売上高又は振替高

1,367

92

1,459

628

2,087

△2,087

11,719

6,518

12,138

4,476

67

34,921

859

35,780

△2,087

33,692

セグメント利益又は損失(△)

815

608

△42

439

△608

1,212

78

1,291

39

1,331

セグメント資産

10,189

6,218

10,746

6,564

33

33,752

195

33,947

11,765

45,713

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

538

472

348

183

1,542

39

1,582

87

1,669

のれん償却額

12

12

12

12

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

341

636

671

172

1,821

21

1,842

216

2,059

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、物流サービス等を含んでおります。

2.調整額は、以下のとおりです。

(1)セグメント利益の調整額39百万円は、セグメント間取引消去額です。

(2)セグメント資産の調整額11,765百万円は全社資産であり、余資運用資金(現預金)、長期投資資金(投資有価証券)及び管理部門に係る資産等です。

(3)減価償却費の調整額87百万円は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費です。

(4)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額216百万円は、主に当社での全社共通部門における設備投資額です。

3.セグメント利益又は損失は、連結損益及び包括利益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

 

【関連情報】

前連結会計年度(自  2022年4月1日  至  2023年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高                                  (単位:百万円)

日本

中国

(香港含む)

その他の

アジア

欧州

北米

その他

19,391

4,798

4,341

4,130

1,156

351

34,170

(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(2)有形固定資産                       (単位:百万円)

日本

中国

(香港含む)

その他の

アジア

欧州

北米

13,408

1,899

217

0

6

15,533

 

3.主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、特定の顧客への売上高であって、連結損益及び包括利益計算書の売上高の10%以上を占めるものがないため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高                                  (単位:百万円)

日本

中国

(香港含む)

その他の

アジア

欧州

北米

その他

20,121

4,099

4,655

3,704

849

262

33,692

(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(2)有形固定資産                       (単位:百万円)

日本

中国

(香港含む)

その他の

アジア

欧州

北米

13,813

1,865

220

1

5

15,906

 

3.主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、特定の顧客への売上高であって、連結損益及び包括利益計算書の売上高の10%以上を占めるものがないため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自  2022年4月1日  至  2023年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

トナー

事業

半導体・ディスプレイ関連事業

機能性シート事業

セキュリ

ティ

メディア

事業

新規開発

事業

その他

全社・消去

合計

減損損失

230

122

353

 

当連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

トナー

事業

半導体・ディスプレイ関連事業

機能性シート事業

セキュリ

ティ

メディア

事業

新規開発

事業

その他

全社・消去

合計

減損損失

49

134

183

 

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自  2022年4月1日  至  2023年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

トナー

事業

半導体・ディスプレイ関連事業

機能性シート事業

セキュリ

ティ

メディア

事業

新規開発

事業

その他

全社・消去

合計

当期償却額

14

14

当期末残高

38

38

 

当連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

トナー

事業

半導体・ディスプレイ関連事業

機能性シート事業

セキュリ

ティ

メディア

事業

新規開発

事業

その他

全社・消去

合計

当期償却額

12

12

当期末残高

30

30

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 該当事項はありません。