事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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プラットフォームセグメント | 11,800 | 63.4 | 633 | 35.4 | 5.4 |
コンテンツセグメント | 6,823 | 36.6 | 1,153 | 64.6 | 16.9 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは、当社(株式会社ビーグリー)及び連結子会社4社(株式会社ぶんか社、株式会社海王社、新アポロ出版株式会社、株式会社文友舎)により構成されております。株式会社ビーグリーの既存事業を中心としたユーザー課金サービス及びその付帯サービスであるプラットフォームセグメントと、株式会社ぶんか社以下の既存事業を中心とした電子書籍、出版、付帯サービスであるコンテンツセグメントを展開しており、ファンとコンテンツを感動とともにつなげるコンテンツプロデュースカンパニーを目指しております。
プラットフォームセグメントでは、スマートフォン・タブレットの急速な普及を背景に消費者行動への影響が飛躍的に拡大しているインターネットを活用しつつ、その特性を活かしてクリエイターのコンテンツ・プロダクトを配信するサービスや環境を提供しております。コミック配信サービス「まんが王国」や小説投稿サービス「ノベルバ」を展開しております。また、当社グループの資産・ノウハウを活用したIPプロデュースも推進しております。
コンテンツセグメントでは、女性向けの漫画ジャンルに強みを持ち、デジタルとの親和性の高い作品制作を通じてヒット作品の創出を行う等、ユーザーに対して新たな感動を与えられるようなコンテンツ創出を行っております。
さらに、日本テレビ放送網株式会社との資本業務提携契約の締結により、両社グループの強みを活かし、IP創出や利活用の拡大等コンテンツプロデュース機能の強化を図っております。
以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
プラットフォームセグメントの主力サービス「まんが王国」について
「まんが王国」は、スマートフォンやタブレット、PCで手軽に漫画を楽しむことができるコミック配信サービスです。2006年のサービス開始以来、ユーザーの皆さまに支えられ、コミック単行本換算で累計20億冊ダウンロードを超えるまでに拡大を続け、会員数は900万人(2025年1月時点)を突破しております(累計ダウンロード数は、無料タイトル及びコマ形式のタイトルを冊数換算したものを含んでおります)。
本サービスでは、出版社、プロダクション、及び作家等、タイトルの権利を保有若しくは管理する方々(ライセンサー)から利用許諾を獲得し、必要に応じてコンテンツの電子化を行います。当社の特長は、電子書籍業界では一般的である電子取次会社経由ではなく、主に当社直接営業によりライセンサーから利用許諾の獲得を行う点にあります。また、このライセンサーとの直接の繋がりを活かした「まんが王国」連載作品の制作にも注力しております。
コンテンツの価格は1ポイント1円相当のポイント数で表示されており、ユーザーは予め会員登録をしてポイントを購入する必要があります。ポイントの購入は、お得な5大特典付きの月額コースと必要な時に必要な分だけ購入する方法の2通りあり、併用も可能です。
さらに、ポイント購入と消費の両方であわせて毎日最大50%還元を行っており、その他お得なキャンペーンも随時実施しております。また、通常サンプル以上を無料で読める「じっくり試し読み」を常時10,000冊以上(本書提出日現在)取り揃える等、限られた課金負担の中で、最大限漫画を楽しめるサービスを提供しております。その結果、第三者調査機関による電子コミックサービスに関する調査で、「お得感No.1」(最もお得に感じるサービス第1位)を獲得しております。
また、知名度やメディア露出を重視した品揃えにより需要を取り込む販売手法だけでなく、データを用いてターゲットに合った作品とクリエイティブで、プロモーションすることが特長です。これらのノウハウと日々のユーザー行動データを蓄積することでそれぞれのユーザーに合った商品を提供できる書店として競合サービスとの差別化を図っております。
「まんが王国」の事業系統図は、次のとおりであります。
本サービスを推進するにあたって、当社グループが有する特長及び強みは次のとおりであります。
1.利用許諾(ライセンス)の獲得
配信しようとするコンテンツは、まずその著作権者から利用許諾を得ることが必要です。通常、著作権はその作家(漫画家・原作者)にあり、本来第三者に対してその利用許諾ができるのも作家ですが、電子書籍業界では、当該漫画タイトルを出版した出版社や取次会社経由で利用許諾を獲得して販売するケースがほとんどです。しかしながら、当社はサービス開始時から著作権者である作家から直接、利用許諾を獲得する方法を中心に展開しております。当社では、作家との直接契約に加えて、出版社を経由して許諾を獲得する場合においても、極力中間業者である取次会社を介さないことにより、出版社や作家と利用許諾について柔軟に交渉できる環境を有していると考えております。これらの直接契約は2,000件超となっております。
上記のような作家や出版社との関係により、以下の特長を有しております。
・無料購読タイトルを常時多数(本書提出日現在:10,000冊以上)揃えていること
・電子未配信タイトルや、絶版タイトルの調達及び配信をスムーズに実施していること
・「まんが王国」連載作品を創出すること
・柔軟かつタイムリーな販促キャンペーンを実施していること
・取次会社を経由しない場合は中間マージンが不要になり、著作権者と当社双方に高収益分配となること
2.コンテンツの販売
「まんが王国」では、本サービスへの再訪や滞在時間増加を促し、ユーザーの利用を促進させるサービスの提供に努めております。ポイントの購入と消費の両方であわせて毎日最大50%還元を行う等、利用頻度の高いユーザーがより満足できるサービス設計となっております。
決済方法としては、月額課金は通信キャリア又はクレジットカード、従量課金は通信キャリア、クレジットカードのほか、QRコード決済等、多様な選択肢を用意しております。
加えて、自社開発のAIレコメンド機能や豊富なユーザーレビューを活用した独自推奨タイトルの提供を行っており、ユーザーの満足度向上とサービス利用継続に繋がっております。
3.データを用いたプロモーションとコンテンツ創出
プロモーションについては、これまでのデータ分析とノウハウ蓄積によって、効果的なプロモーションだけでなくここでしか読めないコンテンツ創りを可能にしております。
4.自社開発によるビューアやレコメンド機能
コンテンツの閲覧に使用するビューアは技術力を活かした自社開発ツールを採用しております。ページビュー、コマビュー形式のファイル閲覧が可能なNext Viewerという独自コミックビューアを自社で内製開発しております。
ページ捲り・見開き等コミック閲覧に不可欠な機能はもちろん、ダウンロード、虫めがね機能といった、より利便性を高める機能の提供によりユーザー体験を豊かにしていると考えております。
このビューアは、ネイティブアプリ型及びブラウザ型の2種類あり、ユーザーの環境や操作、及びコンテンツの形式に応じて適切なサービスを提供することも可能となっております。
また、「まんが王国」サイトでは自社開発によるAIレコメンド機能の実装により、ユーザーの作品購買と閲覧情報を基にした作品提案が可能となり、サイトの最適化に貢献しております。
コンテンツセグメントについて
コンテンツセグメントにおける中核会社である「株式会社ぶんか社」は、女性向けの漫画ジャンルを得意とした総合出版社であります。近年ではデジタル出版を積極的に推進し、売上の大半をデジタル売上が占めるに至り、変化の激しいネットユーザーのトレンドに沿った作品創作に強みがあります。なお、これらの作品は、当社サービス「まんが王国」等のブラウザコミック配信サービスはもちろん、他社電子書籍サービス及びマンガアプリにも提供を行っております。
これに、プラットフォームセグメントで蓄積したビッグデータやノウハウ、並びにグループ全体で持つ作家やクリエイターとの多数のコネクションを活用することで、ユーザーに支持される作品の創出及び制作を行っております。
コンテンツセグメントの事業系統図は、次のとおりであります。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(経営成績等の状況の概要)
(1) 経営成績
当連結会計年度における日本経済は、インバウンド需要の増加や国内需要の回復等を背景に、社会経済活動の正常化が進み、企業活動や個人消費に持ち直しの動きがみられる等、景気は緩やかな回復基調が続きました。一方で、米国の今後の政策動向、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中朝情勢の緊迫化に伴う地政学リスクの上昇、不安定な円相場やインフレによる経済停滞の懸念等、依然として不透明な事業環境が続いております。
当社を取り巻く事業環境は、紙の出版市場が縮小している一方で、電子出版市場は継続的に拡大しており、インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2024」によると、2024年度の成長率は5%程度になると予測されており、今後も電子書籍及び電子コミックの市場規模は緩やかな拡大が続くことが予想されております。
このような市場環境の中で、プラットフォームセグメントにおいては、コミック配信サービス「まんが王国」のブランド構築に注力しつつ効率的な投資を、コンテンツセグメントにおいては、継続的なデジタル成長による安定的な利益創出を実行しました。
また、2024年12月1日を効力発生日として、ぶんか社を存続会社、ぶんか社グループを消滅会社とした吸収合併を実施したことにより、税務上の繰越欠損金を承継し、法人税等が減少いたしました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は18,446,924千円(前年同期比3.3%減)、調整後EBITDA(※)は2,783,283千円(前年同期比10.6%増)、営業利益は1,786,902千円(前年同期比19.4%増)、経常利益は1,726,009千円(前年同期比19.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,303,525千円(前年同期比89.1%増)となりました。なお、当社グループは、株主資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標と位置づけております。当連結会計年度末の株主資本当期純利益率(ROE)は18.1%(前年同期10.4%)となり、前連結会計年度末と比較して7.7ポイントの増加となりました。
(※)調整後EBITDA=営業利益+減価償却費(出版権の償却費を含む)+のれん償却費+敷金償却費+株式報酬費用±その他の調整項目
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(プラットフォームセグメント)
プラットフォームセグメントの主力サービスであるコミック配信サービス「まんが王国」においては、ユーザーの訪問・定着・課金の流れを促し、課金者数と顧客単価を上げるべく、お得感を訴求するキャンペーンや幅広いユーザー層獲得のための販売促進活動を積極的に行いました。一方で、アクティブユーザー数の減少傾向に加え、ライトユーザーの定着・育成に一定の時間を要す状況が続きました。その結果、「まんが王国」の売上高は前年同期比5.7%減となりました。
また、2023年6月に提供を開始した北米向けコミック配信サービス「yomoyo(ヨモーヨ)」においては、コンテンツの許諾交渉を推進いたしました。
総合エンターテインメント事業を展開する株式会社アミューズとの協業においては、2023年7月から10月に開催した『目指せメディアミックス!「現代恋愛×ファンタジー」小説コンテスト』の結果を発表し、受賞作品のコミカライズを推進いたしました。また、2024年3月には、音楽と漫画を融合させた次世代コンテンツを生み出すクロスメディアプロジェクト「Project CO-MUSIX」を立ち上げ、第1弾となるオムニバス作品を「まんが王国」ほか、動画プラットフォームやSNS等で展開いたしました。
利益面においては、売上高が前年同期比で減少し、広告宣伝費を中心とした営業費用についても前年同期比で減少いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上高は11,799,865千円(前年同期比6.1%減)、営業利益は632,749千円(前年同期比8.1%増)となりました。
(コンテンツセグメント)
コンテンツセグメントにおいては、デジタルコンテンツを中心に、発刊点数の増加、電子書店ごとの特性や読者ニーズに沿った販売促進活動を積極的に行いました。また、紙出版においては、紙出版市場の縮小を鑑み、配本部数の管理及び価格設定等のコストコントロールを実施いたしました。
デジタル出版においては、読者の嗜好性に合わせたコンテンツの創出とジャンルの拡大を推進し、SNSや動画プラットフォームを活用したプロモーションを強化した結果、ぶんか社が得意とするBL、TLジャンルを中心とした女性向けコミックジャンルの作品や近年創刊したデジタルコミック誌からの作品の売上が堅調に推移いたしました。これにより、売上高は前年同期比9.6%増となりました。また、新たな取り組みとして、2024年4月にライトBLレーベル「GUSHgem」を創刊いたしました。
紙出版においては、配本部数のコントロール及び雑誌の隔月化や休刊を実施した結果、売上高は前年同期比13.3%減となりました。
このほか、2024年1月にはぶんか社と海王社から2作品がテレビドラマ化し、『消せない「私」~炎上しつづけるデジタルタトゥー~』が日本テレビにて放送、「好きやねんけどどうやろか」が読売テレビにて放送されました。また、2024年2月から累計発行部数21万部を超える人気BL作品「パーフェクトプロポーズ」を原作としたドラマがフジテレビ公式動画配信サービス「FOD」で配信され、2024年7月には「三ツ矢先生の計画的な餌付け。」がMBS毎日放送にて放送されました。
利益面においては、主に紙出版収益が減少したものの、デジタル出版収益が前年同期比で増加いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上高は6,823,417千円(前年同期比2.2%増)、営業利益は1,153,312千円(前年同期比26.6%増)となりました。
(2) 財政状態
① 資産の部
当連結会計年度末における資産合計は17,294,580千円となり、前連結会計年度末に比べ1,090,377千円減少しました。
流動資産は8,579,904千円となり、前連結会計年度末に比べ429,291千円減少しました。これは主に、現金及び預金が293,227千円増加した一方で、売掛金が735,465千円減少したことによるものです。
固定資産は8,714,675千円となり、前連結会計年度末に比べ661,086千円減少しました。これは主に、投資その他の資産が148,044千円増加した一方で、無形固定資産が804,266千円減少したことによるものです。
② 負債の部
当連結会計年度末における負債合計は9,808,044千円となり、前連結会計年度末に比べ1,623,670千円減少しました。
流動負債は8,023,044千円となり、前連結会計年度末に比べ443,460千円減少しました。これは主に、未払消費税等が112,619千円増加した一方で、支払手形及び買掛金が208,160千円、未払金が166,263千円、未払法人税等が141,351千円、返金負債が66,365千円減少したことによるものです。
固定負債は1,785,000千円となり、前連結会計年度末に比べ1,180,210千円減少しました。これは、長期借入金が1,020,000千円、繰延税金負債が160,210千円減少したことによるものです。
③ 純資産の部
当連結会計年度末における純資産合計は7,486,535千円となり、前連結会計年度末に比べ533,293千円増加しました。これは主に、利益剰余金が1,211,521千円増加したこと及び自己株式が693,271千円増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は、43.3%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は5,118,725千円となり、前連結会計年度末に比べ293,227千円増加しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動においては、税金等調整前当期純利益1,726,009千円から、主な加算項目として、減価償却費395,965千円、のれん償却額590,649千円、売上債権の減少額739,838千円、未払又は未収消費税等の増減額112,619千円等がありました。これに対して主な減算項目として、仕入債務の減少額208,160千円、未払金の減少額166,208千円、返金負債の減少額66,365千円、その他44,326千円、利息の支払額50,890千円、法人税等の支払額717,829千円等がありました。
この結果、獲得した資金は2,341,510千円(前年同期は1,859,715千円の獲得)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動においては、主な資金減少要因として、無形固定資産の取得による支出161,028千円、敷金及び保証金の差入による支出65,946千円等がありました。
この結果、使用した資金は245,001千円(前年同期は173,689千円の使用)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動においては、主な資金減少要因として、長期借入金の返済による支出1,020,000千円、自己株式の取得による支出700,036千円、配当金の支払額90,364千円等がありました。
この結果、使用した資金は1,803,281千円(前年同期は1,078,509千円の使用)となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当社グループ全体における生産実績の金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
(2) 受注実績
当社グループでは、「FUNDIY STORE」での取扱い商品の一部において受注販売を行いましたが、受注から販売までが短期間であるため、当該記載を省略しております。なお、「FUNDIY STORE」につきましては、2024年11月1日付で事業譲渡を行い、当社による運営を終了いたしました。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、総販売実績に対する割合が10%を超える相手先はありません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、これらの見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
① のれんの減損
当社グループは、のれんについて、5~20年の均等償却を採用しております。その資産性については、業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定していた収益が見込めなくなった場合、減損処理が必要になる可能性があります。
② 固定資産の減損
当社グループは、固定資産について、減損の兆候の把握を行っております。減損の兆候がある資産又は資産グループについては、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合には帳簿価額から回収可能価額を控除した金額を減損損失として認識しており、その前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要になる可能性があります。
(2) 経営成績
① 売上高
スマートフォンやタブレット向けを中心に、電子書籍市場は拡大していると推計されておりますが、その一方で、競合他社との競争が激化しております。また、インバウンド需要の増加や国内需要の回復等を背景に、社会経済活動の正常化が進みつつあります。一方で、米国の今後の政策動向、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中朝情勢の緊迫化に伴う地政学リスクの上昇、不安定な円相場やインフレによる経済停滞の懸念等、依然として不透明な事業環境が続いております。このような環境の中、プラットフォームセグメントにおいては、コミック配信サービス「まんが王国」のブランド構築に注力しつつ効率的な投資を、コンテンツセグメントにおいては継続的なデジタル成長による安定的な利益創出を実行しました。
② 売上原価
売上高に応じて、売上原価が12,106,072千円(前年同期比3.4%減)発生いたしました。
③ 販売費及び一般管理費
中長期的な会員獲得を目的とした広告宣伝費が1,879,228千円発生いたしました。広告宣伝は、その効果を継続的に検証し、最適化を図っております。
これらの結果、販売費及び一般管理費の合計は4,553,949千円(前年同期比9.8%減)となりました。
④ 営業外費用
銀行からの借入による支払利息が50,685千円発生いたしました。
これらの結果、営業外費用は65,010千円(前年同期比5.6%増)となりました。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益
法人税、住民税及び事業税を579,853千円、法人税等調整額を157,369千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,303,525千円(前年同期比89.1%増)となりました。
なお、グループ再編の実施に伴い発生したのれんの償却費を販売費及び一般管理費に590,649千円計上しており、これを控除した、のれん償却前経常利益は2,316,658千円(前年同期比14.1%増)、のれん償却前親会社株主に帰属する当期純利益は1,894,175千円(前年同期比48.0%増)であります。
(3) キャッシュ・フロー
「(経営成績等の状況の概要) (3) キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業活動に必要な資金について、流動性の高い現金及び現金同等物として保持しております。
当社グループの主な資金需要は、コンテンツの制作費、ロイヤリティ等の原価、広告宣伝費をはじめとする販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、自社電子書籍サイトの機能拡張等によるものであります。
これらの資金需要につきましては自己資金によることを基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの短期借入により調達する方針であり、当社では取引銀行4行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。
(5) 経営成績等に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6) 経営戦略の現状と見通し
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社の報告セグメントは、当社グループのうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。当社は、事業種類別のセグメントから構成されており、「プラットフォームセグメント」及び「コンテンツセグメント」を報告セグメントとしております。
(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
「プラットフォームセグメント」は、当社の既存事業であるまんが王国を中心としたユーザー課金ビジネス及びその付帯ビジネス等で構成されております。
「コンテンツセグメント」は、当社の子会社であるぶんか社グループの既存事業を中心とした電子書籍、出版及びそれらの付帯ビジネス等で構成されております。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。セグメント間の内部利益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:千円)
(注) 1.セグメント利益の調整額581千円は、全社費用及びセグメント間取引相殺消去額であります。
2.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と一致しております。
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(単位:千円)
(注) 1.セグメント利益の調整額840千円は、全社費用及びセグメント間取引相殺消去額であります。
2.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と一致しております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
当連結会計年度においては、総販売実績に対する割合が10%を超える相手先はありません。
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
当連結会計年度においては、総販売実績に対する割合が10%を超える相手先はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:千円)
(注) のれん償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(単位:千円)
(注) のれん償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。