2025年12月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 3,900 100.0 229 100.0 5.9

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社及び連結子会社(株式会社ヘッドウォータースコンサルティング、株式会社ヘッドウォータースプロフェッショナルズ、DATA IMPACT JOINT STOCK COMPANY、株式会社LogTech)の計5社で構成されております。連結子会社の事業内容については「4 関係会社の状況」に記載しております。

当社グループは、創業以来基軸として「エンジニアからビジネスパーソンへ」を掲げ事業を推進してまいりました。業務を通じて培った業務コンサルティングや様々な業種業態の企業に対して提供してきたシステム開発の経験、ノウハウをもとに、AI(※1)をはじめとする新技術で経営課題を解決する提案、開発、サービス化を行っていくことで、企業の発展に貢献することを志向しております。創業時にはエンジニアの派遣や受託開発を行うことでシステム開発や業務のノウハウを取得し、幅広い技術領域に対応できる経験を積みました。2014年からPepperをはじめとする人型ロボット向けのアプリケーション開発をスタートしました。さらにロボットの高機能化を実現すべくAIの研究及びロボットへの実装をスタートさせたことで、他社に先駆けてAIソリューション開発の知見を得ることができました。現在は幅広いシステム開発や、営業や客先常駐を通じて培ってきた業務コンサルティングの経験と、AIソリューション開発の経験を組み合わせ、顧客の経営課題を解決することが当社グループのAIソリューション事業になります。

AIを業務利用するためには、業務分析、データの活用・整備、回答精度の向上、実証実験、日々アップデートされていく技術の吸収にセキュリティをはじめとするシステム運用など幅広い知見と体制が必要なため、導入は簡単ではありません。顧客が思い描くAI導入後の姿と実際のAIで実現できる精度や機能的な限界にギャップが生じるほか、顧客が考えるAIの導入ポイントが必ずしも適切ではないといった事象が生じます。当社グループでは業務コンサルティングによって業務を整理することでAI導入、DX推進に対してしっかりと費用対効果を得られるか導入プランを提示して、顧客との認識齟齬が発生しないよう努めております。顧客のデジタル化が遅れている場合は、まずデジタルトランスフォーメーション(DX)を計画的に行うことで、属人化を排除し省人化を進めます。企業内にあるノウハウをデータ化して、活用できるデータを正しく蓄積することがDX推進とその後のAI導入に対して重要なポイントとなります。また、AIを使用するためには、IoT(※2)のデバイス(※3)からデータを収集したり、WebシステムにAIを組み込んだりと、多岐にわたる周辺技術への理解も必要になります。新しい技術はどんどん生み出されており技術情報のアップデートも必要不可欠のものとなっています。当社グループは、さまざまな新技術のノウハウを持ったうえで伴走型の支援を重視しており、顧客と共にオンサイトで発生する課題に対応することで、顧客事業の成功に向けて貢献しております。

当社グループが提供するAIソリューション事業は、以下の事業サービスに記載の通りです。

なお、当社グループは「AIソリューション事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

(1) 事業サービス

当社グループが提供するAIソリューション事業は、X-Tech FDE(※4)を中心にAIデータプラットフォームをベースとした顧客伴走型の事業となっております。企業の経営課題に対してAIやDXを問わず、コンサルティング領域となる企画・提案などの上流工程からAIエージェントの実装・運用、データ基盤となるプラットフォーム基盤の構築やプロダクトまでシステムのライフサイクルに対して一気通貫でソリューションを提供するインテグレーションサービスとなります。インテグレーションサービスは、以下の3つのサービス区分に分類しております。

 

① インテグレーションサービス
a.AIインテグレーションサービス
AIインテグレーションサービスとは、AI技術の導入に向けて顧客の業務・ビジネスに合わせて大きく3つ(「AIコンサルによる企画・提案」「AIエージェントの実装・運用」「AIデータプラットフォーム」)に分かれた工程をワンストップで行うサービスです。最初に行われる「AIコンサルによる企画・提案」では、AIコンサルタントが顧客の業務を分析して、AIの最適な活用部分を抽出します。AIの導入が効果的であるか、デジタル化(DX化)施策を先に行うべきかなど、顧客から業務をヒアリングする中で必要な施策を提案いたします。顧客がAIエージェントをはじめとする新技術に対する理解が浅い場合には、ワークショップを通じて技術の理解を深め、ハッカソンで顧客業務とAI利用の案だしを行ってもらうことでAIに対する理解を深めるだけでなく、過度な期待に対する期待値コントロールを行います。次に行う「AIエージェントの実装・運用」では、実証実験をいくつかの機能単位に分けて、顧客とAI導入後の利用イメージやAIの精度について機能単位で確認した後、本番実装から運用までの一連の業務を遂行します。アジャイル開発(※5)によるAI駆動開発(※6)を行うことで高速開発を実現し、利用イメージに違いが発生する場合や精度が十分でない場合は、別の施策によって何度も「実証実験」を繰り返し、顧客とともに十分に業務で利用できるところまで精度向上に努めます。業務に十分耐えうる状態を確認した後に、本番実装や運用を支援しますが、AIははじめとする新技術は常に技術が更新されるため、セキュリティ上の問題や技術のアップデートなど運用業務の中で継続的な支援を行います。「AIデータプラットフォーム」は、既存システムで溜まったデータを整備・活用するためのプラットフォーム化や作成したAIエージェントをプラットフォームに格納して管理するための基盤として活用しております。
 また、当社グループはAIを業務で活用するために必要な業務ノウハウや業務システムの開発経験を幅広く積んでおります。業界に特化した形でAIのアルゴリズムを提供したり、月額課金型のAIサービスを提供している会社が増えたりとしておりますが、それだけでは業務の利用に完全に対応できるとは言えません。
 当社グループは、「X-Tech FDE」と言う形で顧客と一緒に現場で業務知識を蓄えながら、先端技術をはじめとするさまざまな技術を課題に合わせて組み合わせることで、先端技術の社会実装を支援しております。例えば、顧客が所有するデータをAIに学習させることで、高度な予測機能やリコメンド機能を顧客のサービスに付加したり、スマートスピーカーやドローンにAIを組み込む事で高度な作業を人の代わりに行わせたりと、顧客の事業にあわせて、AIの学習モデルはもとよりAIと連携する管理画面やWEBアプリケーションなどの周辺システムについても開発を行います。AIのアルゴリズム自体はMicrosoftやGoogleの様なAIプラットフォーマーが提供するサービスを活用することで開発期間やコストを抑え、顧客の要望に沿ってカスタマイズ開発を行います。
 当社グループは公開されている既存技術や、当社グループが過去に生成した学習モデルなどを組み合わせて開発するため、顧客の業種範囲に関わらず広い分野でサービス提供が可能です。

 

b.DX(デジタルトランスフォーメーション)サービス
 当社グループは顧客企業のIT化を支援し、企業のデジタル化を推進しております。顧客企業のAI化に向けたファーストステップとして、業務やサービスをアナログからデジタルへ移行していくための対応や、オンプレミスからクラウドサービスへのシステム移行なども行っております。
 今後国内企業が高い成長を目指すには、中堅・中小企業を含む各企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)は必須と考えられております。社会的な課題となっている生産労働人口の減少もあり、業務はより効率化を求められ、自動化やデータ連携、効率化に伴うソリューション提供の需要は増していく一方となっております。AI活用も普及期に入り、デジタルトランスフォーメーション(DX)からAI化への流れも加速するものと考えております。
 当社グループは顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)をワンストップで支援しております。部分的なデジタル化ではなく、顧客の業務全体に対するデジタル化を目指し、計画的にシステムの開発・導入やデータの蓄積を行います。業務分析をはじめ、デジタルトランスフォーメーション計画の策定、システム開発、AI活用を見越したデータの蓄積及び解析、これらのサービスを顧客の必要に応じて提供しております。
 
c.プロダクトサービス
 当社グループが有するAIプロダクト「SyncLect」(※7)は汎用的に利用される機能をライブラリ化することで顧客に提供、もしくはカスタマイズすることによって顧客の経営課題を解決するサービスです。
 当社グループはAIソリューションの開発を短納期、低コストで行うためのAIプラットフォーム「SyncLect」を有しております。システム開発時に「SyncLect」を通して提供したAIの機能は、実装後にライセンス提供することもでき月額課金の安定した収益基盤となるサービスとして注力しております。加えて、ほぼすべての開発業務でクラウド開発を行っていることで、クラウド利用料が発生するため、クラウド利用による売上をプロダクトサービスとして計上しております。

 

※1 AI(Artificial Intelligence 人工知能)とは、人工的にコンピュータ上等で人間と同様の知能を実現させようとする試み、あるいはその一連の基礎技術をいいます。

※2 IoT(Internet of Things)とは、様々な「モノ(物)」がインターネットに接続され(単に繋がるだけでなく、モノがインターネットのように繋がる)、情報交換することにより相互に制御する仕組みをいいます。

※3 デバイスとは、情報端末機のことをいいます。

※4 X-Tech FDE(X-Tech Forward Deploy Engineering クロステック エフ・デー・イー)とは、エンジニアが顧客の業務現場に近い位置で協働し、顧客課題の把握からシステム設計、実装、運用定着までをさまざまな技術を組み合わせて一体的に支援するヘッドウォータース独自の開発手法のことをいいます。

※5 アジャイル開発とは、短期間の開発サイクルを反復しながら、顧客や利用部門からのフィードバックを継続的に反映し、機能改善や追加を段階的に行う開発手法のことをいいます。

※6 AI駆動開発とは、AIを活用して、要件整理、設計支援、コード生成、テスト及び改善提案等の開発プロセスを効率化・高度化する開発手法をいいます。開発生産性の向上、及び品質の安定化を図ることを目的としております。

※7 SyncLectとは、当社のAIソリューション開発用の社内向けプラットフォームです。SyncLectを活用することで、AIと各種デバイスを連動させ、WebシステムやスマートフォンアプリにAI機能を簡単に組み込むことが可能です。AmazonやMicrosoftなどがクラウド上で提供しているAIの機能を評価し、適切なものをスイッチングして顧客に提供する機能もあります。このプラットフォームを活用することで、コストと工期の削減が可能になります。

 

(2) 事業の特徴

当社グループのAIソリューション事業の特徴は下記の通りです。

 

① 「X-Tech FDE」による顧客伴走型のAI社会実装
 当社グループが提供するAIソリューション事業は、技術を持ったエンジニアが現場に赴き、業務のプロである顧客担当者と協働することで業務ノウハウを身に着け、同時にさまざまな業務上の課題を理解します。技術とビジネスを現場で融合することで、横断的かつ実用的なシステム提供を特徴としております。
 日々、クラウドプラットフォーマーから提供されるクラウドサービスはアップデートを繰り返しております。それらのサービス・技術を複合的に組み合わせることで、AIデータプラットフォーム上にデータが溜めることで、精度の高さや将来のAI化に向けたプラットフォーム作りを特徴としております。
 
②   生産性向上を実現するワンストップのAI導入支援
 AIソリューション事業の提供に際しては、AIによって何を解決するか顧客と共通認識を持つことが全ての始まりになります。そのためには顧客事業の業務分析やデジタル環境分析を行うことで当該顧客の業務を理解し、適切な課題抽出を行うことが重要です。当社グループはAIコンサルティングチームを有しており、顧客の状況に合わせて、経営全般に関わるDXロードマップを作成するケースや、「HWS Agent Camp」(※1)というハッカソンと超高速AIエージェント開発体現プログラムをセットにしたサービス提供によって、適切なAIの選択や導入に関するイメージの共有を行うケースがあります。
 DXのロードマップを作成する場合は、顧客業務を分析・把握した後に課題・改善点の抽出を行い、理想的な業務フローを検討します。具体的には、属人化の排除、業務効率の向上、AI導入を目論んだデータの蓄積などの施策を計画します。
 AIの導入計画を支援する場合は、顧客の有するデータがAIエージェントの利用に適しているか、どの様なAIやサービスを使用し組み合わせることが適切か、実証実験から実業務に組み込み稼働させるまでにどの程度の期間とコストがかかるかの概要を計画します。また、当社グループでは実証実験の数値的なレポートを顧客に提出するだけではなく、実際に顧客自身がAIを触って検証できる状態にして納品するため、AI導入へのイメージを顧客と共有することが可能です。
 AIの実装・運用においては、実証実験から始まり、AI駆動開発やAIデータプラットフォームの構築、X-Tech FDEの活用により、カスタマーサクセスという形で顧客に伴走しながら、AIを利用したシステムがエコシステムとして循環型の開発プロセスが特徴となります。
 当社グループでは、創業期よりビジネスを意識した事業展開やエンジニアに対する教育を行っておりました。当社グループのエンジニアは技術に長けているだけではなく、技術をどのようにビジネスに役立てるかを考えることができ、顧客が望んでいる成果を達成するために、どのような施策が必要かを提案できることができます。上流工程のコンサルティング領域から、現場伴走型の実装・運用までのこのプロセスをワンストップで提供できることが、当社グループの特徴の一つになっております。 

 

  当社グループにおけるAI導入のプロセスは、下記の通りです。

 


 

〔事業系統図〕

当社グループの事業系統図は、次の通りであります。

 


 

※1 HWS Agent Camp(ヘッドウォータース エージェント キャンプ)とは、生成AI技術の活用・内製化を目指す企業向けに、当社グループが専門家による伴走型ハッカソンを提供し、豊富な実績に基づくノウハウと環境をワンストップで提供することで、短期間にAIエージェントの実装スキル獲得を支援するサービスをいいます。

 

(3) 経営戦略

当社グループは、顧客の事業を変革し成長させるコアの技術をAIと定めて、あらゆる企業に対してワンストップでAIソリューションの提供を行っております。多くの企業にAIを活用したソリューションを使ってもらうためには、使いやすく、適切な金額でAI機能を提供することが必要となります。

また、当社グループは長期的に利用されるAI活用を目的として、そのファーストステップとなる顧客各社のデジタルトランスフォーメーションを支援いたします。

これらの事業を推進する当社グループの取り組みは、以下の3つとなります。

 

① 営業戦略
当社グループでは、営業戦略の1つとしてアライアンス戦略を実施しております。アライアンスを組む会社間で「共同営業×共同マーケティング×共同ソリューション」を行ってお互いの強みを活かしあうことで、各社が持つ顧客に対して自社だけではできなかったソリューションの提案を行うことが可能となっております。新規の顧客開拓においてもアライアンス先の営業リソースを活用できる一方、当社グループはアライアンス先や顧客に対して新技術を利用したシステムの企画力・提案力に加えて、開発力まで一気通貫でソリューションを提供しております。
その他、当社グループでは案件実績や事例をIR活動の中で積極的に公開しており、新技術を利用したサービス化もコーポレートサイトを通じて公開しております。これらのSEO(※1)対策を行うことでwebマーケティングによるプル型営業(※2)が実行できており、営業工数を大幅に削減しております。削減できた工数を利用して企画作成を行うことで競合他社を上回る提案力を実現しております。 

 

② 技術的優位性
 最新の技術やデバイスの研究開発を継続的に行っております。様々なAIを簡単に使うためにマルチAIプラットフォーム「SyncLect」を構築し短納期、高利益によるAI提供を実現しております。また豊富なロボット・アプリケーション開発の経験に基づいた、IoTデバイス、マルチクラウド(※3)、マルチAI(※4)を複合的に組み合わせたソリューション開発を目的とした研究開発にも取り組んでおります。

 

③ 人材育成
 当社グループでは、様々な技術に習熟したITエンジニアに対しOJT及びOFFJTによるAI研修を行うことでAIエンジニアの育成に取り組んでおります。AIの知識だけではなく、顧客の業務や周辺技術の知識をベースに持つAIエンジニアを育成することで、他社が真似のできない顧客に寄り添ったAIソリューションの提供を実現します。

 

以上の活動から競争優位性を確保し、業績の最大化を目指すと共に、顧客に対して高付加価値なAIソリューションの提供を実現いたします。

 

※1 SEO(Search Engine Optimizationの略)とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンからWebサイトに訪れる人を増やすことで、Webサイトの成果を向上させる施策のことをいいます。特定のキーワードによる検索結果で、自分のWebサイトを検索ページの上位に表示させることで、アクセス数を伸ばすことを目的とします。

※2 プル型営業とは、製品・サービスに対して顧客が自発的に興味を持ち資料請求や問いあわせなどの行動を喚起する営業スタイルのことをいいます。対義語となるプッシュ営業は、逆に製品・サービスを売りたい会社から顧客に対して営業を仕掛けるスタイルを指します。

※3  マルチクラウドとは、AWS(Amazon Web Service)やMicrosoft Azure、GCP(Google Cloud Platform)などの複数のクラウドサービスを組み合わせて利用することをいいます。

※4 マルチAIとは、複数のAIエンジンを組み合わせて利用することをいいます。

 

 

業績状況

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2025年1月1日~2025年12月31日)における日本の経済は、米国が保護主義的な通商政策を公表したことを契機に、国内企業において輸出価格の見直しや原価の抑制、サプライチェーンの再構築といった動きが進んでまいりました。この影響により、当社グループが属するIT産業においても、開発・投資案件の中止や延期が一部でみられました。また、物価水準の高止まりに加え、日銀による金利政策の動向や、世界的な資源・原材料価格の上昇、地政学的リスクの高まりなどにより、企業の投資判断は慎重さを増している状況にあります。これらを背景に、国内景気の先行きは依然として不透明な状況となっております。

このような経済環境の中、当社グループが属するIT業界は、AI(人工知能)やDX(デジタルトランスフォーメーション)などの技術革新により、急速な成長を続けております。とりわけ生成AIを基盤としたAIエージェントの登場・進化は、生産年齢人口の減少をはじめとする社会課題だけでなく、新たなビジネスモデルの創出やイノベーションの促進に大きく貢献しております。

当社グループの事業領域においては、生成AI技術の進展を背景に、マルチモーダル処理を活用したAIエージェント関連技術が顕著に進歩しております。これに伴い、処理速度、精度及びコスト面の改善が進んだ関連サービスが相次いで登場いたしました。一方で、企業が保有する大規模データとAIエージェント技術をどのように業務運用や経営判断へ結び付け、実効性のある成果につなげていくかについては、依然として解決すべき課題として認識しております。

上場以来推進しているアライアンス戦略においては、顧客のエンタープライズ化が順調に進んでおり、年商1兆円以上の規模を有する企業を主要な顧客層として位置付ける中で、当該顧客数は堅調に増加しております。また、生成AIからAIエージェントへとトレンドが変化する中、アライアンス先の拡充と、当社グループの成長に合わせた組織化が進んだことで、市場ニーズへの対応力がいっそう高まっております。

前連結会計年度に続き資本業務提携を行うとともに、事業拡大に向けた重点投資を選択的に実施し、将来の成長に向けた体制を強化した1年となりました。

当連結会計年度では、デリバティブ評価損による営業外損益が発生しております。このデリバティブ取引については、資本業務提携に伴う株式取得の一環として行われたものであり、投機的取引に該当するものではありません。

 

当社グループは、AIソリューション事業を以下の3つのサービス区分に分けて事業を推進しております。

 

AIインテグレーションサービス:

AIエージェント、AI駆動開発、データプラットフォーム 開発、フィジカルAIなどコンサルティング・開発案件

DXサービス:

Azureクラウド開発、アプリ開発、DXコンサルティング、ローコード開発など

プロダクトサービス: 

自社サービス、クラウド利用料などのライセンス・販売代理店モデル

 

 

 これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2,049,483千円増加し、3,849,872千円となりました。

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ1,968,380千円増加し、2,496,173千円となりました。

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ81,103千円増加し、1,353,699千円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度末の売上高は3,900,040千円(前年同期比34.2%増)、営業利益は229,250千円(前年同期比25.6%減)、経常利益は128,516千円(前年同期比64.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は57,656千円(前年同期比78.9%減)となりました。また、重要な経営指針と位置付けている売上総利益率は、42.2%の目標値に対し、44.4%(前連結会計年度42.7%)となりました。

 

<AIソリューション事業を構成するサービスライン>

当社グループでは、AIエージェントをはじめとする新技術を積極的にキャッチアップして実業務で使われるサービス、ソリューションを展開しております。アライアンス戦略のパートナーから紹介された顧客に対してハンズオンワークを実施することで顧客へ伴走型の開発支援を提供しております。長年取り組んできた伴走型の開発支援が、近年FDE(フォワード・デプロイ・エンジニアリング)という形で表現されるようになり、当社においては、さらに様々な技術を掛け合わせて顧客へ伴走支援を行う「X-Tech FDE」を独自に推進しております。当社グループメンバーが新技術の活用(オンボーディング)を進めることで現場ニーズの拾い上げと各顧客から得たノウハウを相互に共有して、顧客の内製化やDX化を支援しております。

当連結会計年度は、AIエージェント案件が大半を占めており、AIによるワークフロー化(Agentic Workflow)案件やデータ活用を目的としたデータプラットフォーム案件、RAG精度向上案件などに分類されます。

このような案件の企画・提案といったコンサルティング領域から、その設計や顧客が提供するユーザーインターフェースの開発まで一貫したサービスを提供できる企業は非常に限られております。当社グループでは、これに内製化支援も含めた顧客伴走型のプロジェクト推進(ハンズオンワーク)を実践することで顧客深耕を図り、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の増加に繋げております。当連結会計年度におきましては、生成AI案件の売上拡大によってAIインテグレーションサービス売上高は2,626,396千円(前年同期比80.9%増)となりました。

 
[DX(デジタルトランスフォーメーション)サービス]

<DXサービス>

当社グループのDXサービス案件では、Microsoft Azureを中心としたクラウドサービスのプラットフォーム開発やモダナイゼーション、マイグレーションと呼ばれる古いシステムを先進的な技術・手法に更新・改善する案件、企業のDX化に向けたコンサルティング及び支援業務、Microsoft Power Platformに代表されるローコードツールを活用した内製化支援を行っております。

当連結会計年度におきましては、複数年にわたって実施される大型案件が進捗しております。一方で、DXサービス案件においてもAIの活用が徐々に浸透しており、DXサービスの売上からAIインテグレーションサービスへの売上へと移行が進んでおります。その結果、DXサービス売上高は1,167,263千円(前年同期比11.0%減)となりました。

 

<プロダクトサービス>

プロダクトサービスは、人月に頼らない2つの収益モデルを軸としております。

 

自社サービスモデル:自社サービス「SyncLect」の初期導入費+月額ライセンス費

他社サービスモデル:クラウドサービス利用料(月額回収)やIoT機器の仕入れ販売による販売代理店

 

当連結会計年度におきましては、生成AI活用プラットフォーム「SyncLect Generative AI」を軸にサービス開発を進めております。モビリティAI基盤案件のほかにAIカメラに代表されるエッジAIのライセンス型ビジネスモデル案件などが売上を構成し、さらにAzureクラウドをベースとした開発によってクラウド利用料が増加したことから、プロダクトサービス売上高は106,380千円(前年同期比25.2%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、218,088千円減少し、625,145千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は、38,713千円(前連結会計年度は144,409千円の獲得)となりました。

主な要因は、税金等調整前当期純利益128,421千円、減価償却費27,468千円、仕入債務の増加47,603千円、持分法による投資損益の増加40,637千円、未払費用の増加65,355千円、デリバティブ評価損58,597千円があったものの、売上債権及び契約資産の増加231,774千円、法人税等の支払額148,923千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

    投資活動の結果使用した資金は、2,094,641千円(前連結会計年度は210,970千円の支出)となりました。

主な要因は、有形固定資産の取得による支出21,928千円、関係会社株式の取得による支出1,910,146千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

    財務活動の結果得られた資金は、1,914,022千円(前連結会計年度は10,250千円の獲得)となりました。

    主な要因は、短期借入金の増加1,900,000千円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績

当社グループは、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

AIソリューション事業

3,918,336

130.2

524,673

103.6

 

(注)当社グループは、AIソリューション事業の単一セグメントであります。

 

c.売上実績

当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

売上高(千円)

前年同期比(%)

AIソリューション事業

3,900,040

134.2

 

(注) 当社グループは、AIソリューション事業の単一セグメントであります。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

a.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
 当社グループの財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要とされております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。しかしながら実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

b.経営成績等

(売上高)

当連結会計年度の売上高は3,900,040千円となり、前連結会計年度に比べ994,059千円増加いたしました。主な変動要因については、本書「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況」に記載の通りであります。

 

(売上原価・売上総利益・売上総利益率)

当連結会計年度の売上原価は2,167,305千円となり、前連結会計年度に比べ501,397千円増加いたしました。この主な内訳は、売上高が増加したことによるものであります。

この結果、売上総利益は1,732,735千円なり、前連結会計年度に比べ492,661千円増加となりました。

    また、重要な経営指針と位置付けている売上総利益率は、44.4%となりました。

 

(販売費及び一般管理費・営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,503,484千円なり、前連結会計年度に比べ571,365千円増加いたしました。この主な内訳は、従業員の増加による人件費及び教育に係る費用等の増加によるものであります。

この結果、営業利益は229,250千円となり、前連結会計年度に比べ78,703千円減少しました。

 

(営業外損益・経常利益)

当連結会計年度営業外収益は主として助成金収入により15,480千円となり、前連結会計年度に比べ39,124千円減少いたしました。営業外費用は116,215千円となり、前連結会計年度に比べ116,088千円の増加となりました。

この結果、経常利益は128,516千円となり、前連結会計年度に比べ233,916千円減少しました。

 

(特別損益、法人税等、当期純利益)

当連結会計年度において、特別利益は発生しませんでした。特別損失は94千円となり、前連結会計年度に比べ94千円増加となりました。その結果、税金等調整前当期純利益は128,421千円となり、前連結会計年度に比べ234,010千円減少しました。

また、法人税、住民税及び事業税は、33,126千円となりました。

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は57,656千円となり、前連結会計年度に比べ215,131千円減少しました。

 

c.財政状態

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、3,849,872千円となり、前連結会計年度末と比較して2,049,483千円の増加となりました。

流動資産は1,580,604千円となり、前連結会計年度末と比較して120,791千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が218,088千円減少したものの、売掛金及び契約資産が265,799千円、仕掛品が13,393千円、前渡金が30,250千円、前払費用が6,827千円増加したことによるものであります。固定資産は前連結会計年度末と比較して1,928,691千円増加し、2,269,268千円となりました。主な要因は、のれんが154,603千円、関係会社株式が1,870,609千円増加したことによるものであります。

 

 

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は2,496,173千円となり、前連結会計年度末と比較して1,968,380千円の増加となりました。これは主に、未払法人税等が95,453千円減少したものの、買掛金が51,934千円、短期借入金が1,900,000千円、未払金が23,022千円、未払費用が83,121千円増加したことによるものであります。

なお、当連結会計年度において、流動比率が63.4%となり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況を識別しておりますが、その主な原因は関係会社株式取得のために短期借入金1,900,000千円によるものであります。この短期借入金については、金融機関から借入の際に、1年後に長期借入金に借り換えをする前提で借入をしたものであるため、継続企業の前提に重要な不確実性はないと認識しております。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は1,353,699千円となり、前連結会計年度末と比較し81,103千円の増加となりました。これは主に、資本金が11,548千円、資本剰余金が11,548千円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が57,656千円増加したことによるものです。

 

d.キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

e.資本の財源及び資金の流動性

主な資金需要は、労務費、経費並びに販売費及び一般管理費等の運転資金となります。これらにつきましては、基本的に営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金で対応していくこととしております。

 

f.経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの事業に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通り認識しており、これらのリスクについては発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

 

g.経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループが今後業容を拡大し、より高品質なサービスを継続提供していくためには、経営者は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識した上で、当社グループの経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。

 

セグメント情報

 

(セグメント情報等)
【セグメント情報】

当社グループは、AIソリューション事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2024年1月1日  至  2024年12月31日)

1 製品及びサービスごとの情報

 

(単位:千円)

 

外部顧客への売上高

AIインテグレーションサービス

1,451,702

DX(デジタルトランスフォーメーション)サービス

1,312,035

プロダクトサービス

142,243

合計

2,905,981

 

 

2 地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

(2) 有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3 主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2025年1月1日  至  2025年12月31日)

1 製品及びサービスごとの情報

 

(単位:千円)

 

外部顧客への売上高

AIインテグレーションサービス

2,626,396

DX(デジタルトランスフォーメーション)サービス

1,167,263

プロダクトサービス

106,380

合計

3,900,040

 

 

2 地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

(2) 有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3 主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

当社グループは、AIソリューション事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。