2025年6月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 498 100.0 -9 - -1.9

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループは、当社(フィーチャ株式会社)及び連結子会社である北京澈科技有限公司により構成されており、「Make Things Intelligent」をミッションとして掲げ、画像認識ソフトウェア開発事業を行っております。

 当社は、2005年の創業以来、主にレンズ検査装置事業を行ってきましたが、2012年に画像認識ソフトウェア開発事業を開始しました。以降、コンピュータビジョン(コンピュータを用いた画像技術)と機械学習の経験を活かし、車載カメラやドライブレコーダー向けの画像認識ソフトウェアをMobility Solutionsとして提供してまいりました。

 また、現在では、Mobility Solutionsで培ったコア技術を基礎として、スマートインフラ環境の整備、企業DX化及びAI化を支援するDX-AI Solutionsを拡大展開しております。近年では、生成AIやLLM(大規模言語モデル)を活用した新しいプロダクトやサービスにも注力しており、今後も実用性の高いAIの開発を進めてまいります。

 

・当社グループの事業内容

 当社グループは、独自のアルゴリズムを用いて画像認識ソフトウェアを開発し、技術やソリューションを提供しております。現在、当社グループで展開するソリューションは、以下のとおりであります。いずれのサービスにおいても、基本的に量産、継続ライセンス案件に注力しており、ライセンス収入を獲得することを目的としております。

 

①Mobility Solutions

 当社グループは、車載カメラやドライブレコーダー向けに歩行者や車両、車線、標識等を検知するADAS(※1)用の組み込みソフトウェアの開発を行っております。主な顧客は、自動車メーカーやTier 1(※2)と呼ばれる自動車部品メーカー、ドライブレコーダーメーカーであります。また、顔認証やよそ見運転、危険運転、居眠り運転等を検知するDMS(※3)用ソフトウェアが、自動車部品メーカー等を通して自動車に搭載されております。

 

※1 ADAS:Advanced Driver-Assistance Systems。自動車の運転手の運転操作を支援するシステム

※2 Tier 1:自動車メーカーに直接部品を供給する企業

※3 DMS:Driver Monitoring System。自動車の運転手を監視するシステム

 

②DX-AI Solutions

 当社グループは、独自のAI技術を基に高精度なAI文字認識エンジン「AI-OCR」や図面解析AI「Drawing-AI」を開発し、多業種に対しソリューション提供を行い、使用量に応じてライセンス料を受領しております。これらのソリューションは、生成AIやLLMの活用により、これまで困難であった文書・図面の複雑な解析や自動化が可能となり、企業における業務の効率性、生産性及び緻密性を飛躍的に向上させるものであります。加えて、AIの活用や導入に関するインテグレーションやコンサルティングを通じて、新たなプロダクト(パッケージ)を開発し、さらなる顧客拡大を図ってまいります。

 

・当社グループの収入形態について

 当社グループは、顧客の車載カメラやドライブレコーダー、DXソリューション向けに画像認識ソフトウェアのカスタマイズや実装を行う対価を受託開発収入として計上しております。また、量産もしくは利用開始以降に発生する、搭載数量や使用量に応じたソフトウェア使用料をライセンス収入として計上しております。なお、一部の取引については、商社が介在しております。

 

 なお、当社グループは画像認識ソフトウェア開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

[事業系統図]

 以上述べた事項を事業系統図によって示すと以下のとおりであります。

・Mobility Solutions

 

・DX-AI Solutions

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当社グループは画像認識ソフトウェア開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

① 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は689,096千円(前連結会計年度末比9,128千円減)となりました。これは主に、現金及び預金が15,752千円増加したものの、売掛金及び契約資産が14,157千円及び前払費用が5,937千円減少したことによるものであります。

 また、固定資産は30,938千円(同38,939千円減)となりました。これは主に、減損損失の計上等により有形固定資産が20,753千円減少したこと及び投資その他の資産が17,055千円減少したことによるものであります。

 以上の結果、資産合計は720,034千円(同48,067千円減)となりました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は30,231千円(前連結会計年度末比7,990千円減)となりました。これは主に、未払法人税等が3,289千円及び未払金が2,861千円減少したことによるものであります。

 以上の結果、負債合計は30,231千円(同7,990千円減)となりました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は689,803千円(前連結会計年度末比40,076千円減)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が38,585千円減少したことによるものであります。

 

② 経営成績の状況

 当社グループは、「Make Things Intelligent」をミッションに掲げ、画像認識ソフトウェアの開発を行っております。

 当社グループが属する画像認識ソフトウェア業界におきましては、あおり運転や高齢運転者による交通事故が社会課題となる中、自動車向け先進運転支援システム(ADAS)、ドライバー監視システム(DMS)の普及や自動運転技術の実用化に向けて、自動車関連企業各社がこれらの取り組みを強化しております。また、社会的なデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が加速しており、少子高齢化や人口減少といった労働力の課題をAIにより解決する取り組みも様々な分野で積極的に行われております。

 こうした環境の中で、当社グループは、主力事業であるモビリティ事業において、量産案件を中心とした新規案件の獲得及びディープラーニングをはじめとした画像認識技術の研究開発を積極的に進め、当社ライセンス製品の量産台数は累計で290万台を突破しました。また、スマートインフラ事業、DX事業へとサービス分野を拡大してまいりました。さらに、2023年6月に資本業務提携契約を締結したボッシュ株式会社との案件の深耕にも努めました。広告・宣伝活動としては、展示会への出展、「AI-OCR」公式サイトのリニューアル、図面解析AIのリリース等、幅広く認知されるような活動にも取り組んでまいりました。

 以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高497,614千円(前連結会計年度比0.7%増)、営業損失9,374千円(前連結会計年度は営業損失3,567千円)、経常損失10,772千円(前連結会計年度は経常損失2,956千円)、親会社株主に帰属する当期純損失38,585千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失7,884千円)となりました。

 売上高の収入形態別の内訳は、以下のとおりであります。

 

前連結会計年度

(自 2023年7月1日

至 2024年6月30日)

当連結会計年度

(自 2024年7月1日

至 2025年6月30日)

前期実績比

増減率

売上高

494,209千円

497,614千円

0.7%

 うち、受託開発収入

316,995千円

339,879千円

7.2%

 うち、ライセンス収入

177,214千円

157,734千円

△11.0%

 

 受託開発収入に関しては、主に大手自動車メーカーとの共同開発案件の開始により、339,879千円(前連結会計年度比7.2%増)となりました。また、ライセンス収入に関しては、一部、契約上の累計量産台数に応じたボリュームディスカウント(単価引き下げ)の適用により、157,734千円(同11.0%減)となりました。

 なお、当社グループは「画像認識ソフトウェア開発事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ15,752千円増加し、594,196千円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。


(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は22,056千円(前連結会計年度は18,776千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失の計上37,386千円による資金の減少があったものの、減損損失の計上26,613千円、減価償却費の計上11,892千円、敷金償却5,749千円、売上債権及び契約資産の減少14,157千円による資金の増加があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は5,316千円(前連結会計年度は9,273千円の使用)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出5,316千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の増減はありませんでした(前連結会計年度は186,854千円の獲得)。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年7月1日

至 2025年6月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

画像認識ソフトウェア開発事業

497,614

100.7%

合計

497,614

100.7%

 

 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年7月1日

至 2024年6月30日)

当連結会計年度

(自 2024年7月1日

至 2025年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ボッシュ株式会社

171,000

34.6

139,000

27.9

本田技研工業株式会社

88,581

17.9

114,118

22.9

フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社

92,164

18.6

80,162

16.1

加賀FEI株式会社

58,429

11.8

63,585

12.8

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 売上高

 当連結会計年度の売上高は、497,614千円(前連結会計年度比0.7%増)となりました。これは主に、ライセンス収入に関して、一部、契約上の累計量産台数に応じたボリュームディスカウント(単価引き下げ)の適用により減少したものの、受託開発収入に関して、大手自動車メーカーとの共同開発案件の開始により増加したことによるものであります。

 

b. 売上原価、売上総利益

 当連結会計年度の売上原価は、180,284千円(前連結会計年度比10.4%増)となりました。これは主に、売上高のうち、受託開発収入が増加したこと及び従業員の増加に伴う人件費の増加によるものであります。

 以上の結果、当連結会計年度の売上総利益は、317,329千円(同4.1%減)となりました。

 

c. 販売費及び一般管理費、営業損益

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、326,704千円(前連結会計年度比2.3%減)となりました。これは主に、従業員の減少に伴い人件費が減少したこと等によるものであります。

 以上の結果、当連結会計年度の営業損失は、9,374千円(前連結会計年度は営業損失3,567千円)となりました。

d. 営業外損益、経常損益

 当連結会計年度の営業外収益は、339千円(前連結会計年度比71.5%減)となりました。これは主に、為替市場が円高へ進行したことに伴い為替差益から為替差損に転じたことによるものであります。

 当連結会計年度の営業外費用は、1,737千円(前連結会計年度比199.4%増)となりました。これは主に、為替差損を計上したことによるものであります。

 以上の結果、当連結会計年度の経常損失は、10,772千円(前連結会計年度は経常損失2,956千円)となりました。

 

e. 特別損益、親会社株主に帰属する当期純損益

 当連結会計年度において、特別利益は発生しておりません。

 当連結会計年度の特別損失は、26,613千円(前連結会計年度は発生しておりません)となりました。これは、減損損失によるものであります。

 以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は、37,386千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失2,956千円)となり、法人税、住民税及び事業税を1,198千円計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は、38,585千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失7,884千円)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの分析

 各キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの将来の財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の財源を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金や自社サーバー購入等を目的とした資金需要は、自己資金によることを基本としておりますが、必要に応じて多様な調達手段を検討してまいります。

 なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は594,196千円であります。

 

⑥ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、重要な経営指標として売上高、営業利益及びROEを掲げております。

 当連結会計年度を含む、直近2連結会計年度の各指標の推移は、以下のとおりであります。

 

2024年6月期実績

2025年6月期実績

2026年6月期予想

売上高(千円)

494,209

497,614

540,894

営業利益又は営業損失(△)(千円)

△3,567

△9,374

17,421

ROE(%)

△1.2

△5.4

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

  【セグメント情報】

 当社グループは、画像認識ソフトウェア開発事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

1.製品及びサービスごとの情報

 単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

 本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

 

3.主要な顧客ごとの情報

(単位:千円)

 

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

ボッシュ株式会社

171,000

フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社

92,164

本田技研工業株式会社

88,581

加賀FEI株式会社

58,429

 (注)当社グループは画像認識ソフトウェア開発事業の単一セグメントであるため、関連するセグメント名の記載

    を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)

1.製品及びサービスごとの情報

 単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

 本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

 

3.主要な顧客ごとの情報

(単位:千円)

 

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

ボッシュ株式会社

139,000

本田技研工業株式会社

114,118

フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社

80,162

加賀FEI株式会社

63,585

 (注)当社グループは画像認識ソフトウェア開発事業の単一セグメントであるため、関連するセグメント名の記載

    を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

 前連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)

 該当事項はありません。

 

 当連結会計年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)

 当社グループは画像認識ソフトウェア事業を主な事業とする単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

 該当事項はありません。