人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数2,470名(単体) 4,462名(連結)
-
平均年齢39.4歳(単体)
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平均勤続年数13.8年(単体)
-
平均年収7,324,847円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
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2024年3月31日現在 |
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セグメントの名称 |
従 業 員 数 (人) |
|
エラストマー素材事業 |
1,929 |
(131) |
高機能材料事業 |
1,374 |
(99) |
その他 |
645 |
(79) |
全社(共通) |
514 |
(145) |
合計 |
4,462 |
(454) |
(注)1. 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2. 臨時従業員には、季節工、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。
(2)提出会社の状況
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2024年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
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2,470 |
(291) |
39.4 |
13.8 |
7,324,847 |
セグメントの名称 |
従 業 員 数 (人) |
|
エラストマー素材事業 |
823 |
(82) |
高機能材料事業 |
1,141 |
(65) |
その他 |
- |
- |
全社(共通) |
506 |
(144) |
合計 |
2,470 |
(291) |
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2.臨時従業員には、季節工、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。
3.平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.従業員については60歳定年制を採用しております。
(3)労働組合の状況
当社には、提出会社の本社及び各事業所にそれぞれ支部をもつ日本ゼオン労働組合が組織されており、全国化学労働組合総連合に加盟しております。また、一部の連結子会社で労働組合が組織されております。
労使関係は安定しており、特記すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
当事業年度 |
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管理職に占める女性 労働者の割合(%) (注)1. |
男性労働者の育児 休業取得率(%) (注)2. |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1. |
||
全労働者 |
うち正規雇用労働者 |
うちパート・有期労働者 |
||
6.0 |
91.7 |
75.3 |
79.7 |
66.5 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
<数値に関する補足説明>
労働者の男女の賃金の差異が発生しておりますが、当社では管理職に占める女性労働者の割合が低いことが要因として挙げられます。また、パート・有期労働者においては、最高70歳まで活躍できるシニア社員制度を導入したことにより、人員構成上60歳以降で多くを占める男性の賃金が、若年層や一般事務等で多くを占める女性に対して相対的に高くなっているため賃金格差が生じています。当社では近年女性活躍推進を積極的に行っており、部長・課長職を担える女性社員を増やし、その活躍の場の拡大を図っています。今後管理職を担う女性社員の増加により、これら男女の賃金格差は縮小していくものと考えています。
詳しい考え方や取り組みについては統合報告書、サステナビリティレポートの人材に関連する項目をご覧ください。
統合報告書(https://www.zeon.co.jp/ir/library/folder/)
サステナビリティレポート(https://www.zeon.co.jp/csr/report/)
②連結子会社
当事業年度 |
|||||
名称 |
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1. |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2. |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1. |
||
全労働者 |
全労働者 |
うち 正規雇用労働者 |
うち パート・有期労働者 |
||
ゼオン化成(株) |
0.0 |
100.0 |
83.8 |
84.8 |
48.2 |
ゼオンメディカル(株) |
4.3 |
33.3 |
43.3 |
77.8 |
43.1 |
ゼオンノース(株) |
5.8 |
50.0 |
77.0 |
76.8 |
88.2 |
東京材料(株) |
7.0 |
0.0 |
76.9 |
76.8 |
57.2 |
(株)トウペ |
0.0 |
100.0 |
88.2 |
87.2 |
95.9 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)サステナビリティ共通
ゼオングループは、「大地の永遠と人類の繁栄に貢献する」を企業理念に掲げ、2021年にスタートした中期経営計画では、「社会の期待と社員の意欲に応える会社」を2030年のビジョンとし、サステナビリティ経営の実現に向け取り組んでいます。サステナビリティに関する基本的な考え方や対応の組織的な枠組みを明確にするため、2022年度に「サステナビリティ基本方針」を制定しました。
①ガバナンス
サステナビリティに関する取組みを全社的に検討・推進するための会議体として、「サステナビリティ会議」と、その下に「サステナビリティ委員会」を設置しています。「サステナビリティ会議」は代表取締役が議長となり、サステナビリティに関する諸施策を議論・決定し、必要に応じて取締役会への報告を行っています。
2023年度には「サステナビリティ委員会」において後述するマテリアリティの特定やTCFDの活動、SDGs貢献製品認定制度について議論し、「サステナビリティ会議」にて審議・決定しました。
また2024年度からは「サステナビリティ委員会」の下に、既設の「統合報告部会」に加え、新たに「TCFD部会」「SDGs貢献製品認定部会」を設置します。「TCFD部会」は、TCFDの枠組みに基づき、気候変動に対してリスクや機会を特定して事業・戦略・財務計画に及ぼす影響を試算し、効果的な対応や開示を進めることを目的としています。また「SDGs貢献製品認定部会」は、2024年度から実施する「SDGs貢献製品認定制度※」に基づき、貢献製品の認定や制度のさらなる検討等を行います。
(2024年4月1日時点)
※ゼオンの製品のうち、特に社会課題解決への寄与度が高いと考えられるものを「SDGs貢献製品」として認定する制度。それらの開発・製造・販売に注力することで、社会への貢献と企業としての持続的な成長の両立を図り、サステナビリティ経営を一層推進していくことを目的としています。
②戦略
ゼオングループは、中期経営計画の中で注力するSDGsのゴールを定め、それらと対応させた全社戦略を展開していますが、企業理念「大地の永遠と人類の繁栄に貢献する」の実現に向けて、社会とともに持続的な成長を続けていくために優先的に取り組むべき重要課題をより明確にし、メリハリのある実効性の高い施策を打ち出せるよう、マテリアリティを特定しました。マテリアリティの特定にあたっては、2023年4月に全社横断的に「マテリアリティ特定プロジェクト」を組成し、経営層の意見やコンサルタントのアドバイスも踏まえながら様々な議論を重ねて検討し、同年12月に取締役会承認を得ました。
ゼオングループのマテリアリティ(ゼオンを動かす5つの歯車)
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心からワクワクできる会社の実現 |
一人ひとりが持てる能力を発揮しワクワクしながら働ける場を作っていくことが会社として最も根本的な課題であり、これが当社の成長の要であるイノベーションにつながります。具体的な要素の例としては、「DI&B」「働きがい・エンゲージメントの向上」「業務の効率化・見直し」などが挙げられます。 |
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イノベーションでほかにない価値を提供 |
イノベーションは当社が社会の期待に応えながら成長していくための最も重要なキーワードであり、5つの歯車の中央に位置づけています。他者に真似のできない当社にしか生み出せない価値を世の中に提供していくことが、社会とゼオンの持続的な成長につながります。また「イノベーションを起こす仕組み・風土作り」と「独創的な技術・製品・サービス」については、歯車全体を動かしていくうえでのカギとなると考えています。 |
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強固なガバナンスの構築 |
サステナビリティ基本方針に掲げる「公正で誠実な活動を貫き、信頼される企業であり続ける」ためには、会社としての基盤を強固なものにしていく必要があります。例えば「経営の透明性」「安定・安全な生産」「品質」「腐敗防止」などに加え、近年世の中で重要な課題と認識されてきている「情報セキュリティ」「持続可能な調達」「人権」などの要素も含まれます。 |
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社会の変化に対応した事業構造の転換 |
イノベーションを起こすことで、社会の期待に対応する製品・サービスを生み出し、事業の軸足を移していくことで、事業構造の転換を図っていきます。サステナビリティの観点から「社会の情報化」「モビリティの進化」「健康と福祉」などの分野が社会的にニーズが高い領域であり、これらの領域を中心に積極的にイノベーションを起こしていくことで、社会の変化に対応した事業構造の転換を進めていきます。 |
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循環型社会への貢献 |
「循環型社会」とは、例えばリサイクルや廃棄物の削減などにより、限りある資源を最大限に活用し、環境への影響を最小限にする社会を言います。 私たちの製品・サービスやその生産においてイノベーションを起こし事業構造を変えていくことで、循環型社会の実現に貢献し、さらにはその先にある企業理念の実現につながると考えます。 |
③リスク管理
ゼオングループでは、サステナビリティに関わるリスクを全社リスク管理の枠組みの中で管理しています。特にサステナビリティ経営実現のための重要な基盤の一つと位置づけている人権尊重については、自らの事業活動において影響を受ける全ての人の人権を尊重するべく、2021年度より本格的に取組みを開始し、ビジネスの全体像の中から人権リスクマップを策定して人権リスクを特定しました。さらに、勉強会等を通じて人権尊重の重要性を社内に浸透させた上で、外部専門家からのアドバイザリーを受けながら、課題を日本ゼオン、グループ企業、サプライチェーンの3つに分類し、関係部署で具体的な取組みを進めています。
2023年度は「サステナブル調達基本方針」を制定した上で、ゼオングループが取引先とともに持続可能なサプライチェーンの構築に向けた考え方を共有するため、同方針を含めたゼオングループの様々な方針類をパッケージ化した「サステナブル調達ガイドライン」をとりまとめました。
また2024年1月にはサプライチェーン上での法令・コンプライアンス違反や人権侵害等があった場合に通報を受け付ける窓口として、ゼオングループのサプライチェーン通報窓口を当社ホームページ上に設置しました。
引き続き人権尊重に向けた取組みを計画的に進めていきます。
④指標・目標
ゼオングループでは、中期経営計画において事業戦略と2030年度の目標を定めています。また2023年度に開始した第2フェーズでは、要となる方策と2026年度の目標値を定め、事業活動を進めています。
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(2024年3月末時点)
(2)気候変動
ゼオングループでは、気候変動が事業に及ぼす影響は非常に大きいと考えており、2020年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しました。TCFD提言を踏まえ、気候変動が当社事業に及ぼすリスク・機会を分析し経営戦略に反映することで経営基盤の強化を図り、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指します。
①ガバナンス
〇気候関連リスクおよび機会についての取締役会の監視体制
2021年7月にコーポレートサステナビリティ推進本部を設置し、当社のサステナビリティ推進とその結果および進捗の開示を行っています。さらに2022年7月に同本部内にカーボンニュートラル統括推進部門を設置し、中期経営計画での全社戦略である「カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現する『ものづくり』への転換を推進する」ための活動を行っています。これらの体制整備は、取締役会承認のもとに行っています。
サステナビリティ会議およびサステナビリティ委員会では、重要なサステナビリティ課題の一つとして「TCFD活 動を含めた気候変動への対応」を掲げて必要な審議・決定を行っています。またサステナビリティ会議の内容については、取締役会において年4回行われる「サステナビリティ報告」の中で適宜報告されており、取締役会での指摘事項をTCFD活動に反映しています。なお、2024年度からは、前述の通りサステナビリティ委員会の下に「TCFD部会」を設置し、全社的な検討体制を強化しました。
〇気候関連リスクおよび機会の評価・管理における経営者の役割
当社はサステナビリティに関する課題を当社の中長期的な方向性に反映させるために、前述のサステナビリティ会議を設置し、議長である当社の代表取締役会長が責任を負う体制としています。
②戦略
○組織が特定した、短期・中期・長期の気候関連リスクおよび機会
当社は2020年度にゴム事業部において2℃・4℃シナリオ分析を行った上で、リスクと機会の識別を実施しました。更に2021年度にはその取組みを全社に展開し、同様のシナリオ分析を実施しました。2023年度は全社的な体制を構築した上で、1.5℃シナリオ分析を実施しました。
○気候関連リスクおよび機会が組織のビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響
・事業インパクト評価
2020年度・2021年度の活動で、4℃シナリオでは原材料調達コストの増加が、また2℃シナリオでは、原材料調達に加えて炭素税が大きなリスクであると認識しました。さらに自動車のEV化の加速によりエナジー材料の領域で事業機会に大きなインパクトがあると認識しました。
・リスク重要度評価(リスクおよび機会の認識)
2023年度の活動で特定した当社の気候変動に関するリスク・機会は下表の通りです。なお表中色付けしている部分は、2023年度の活動で新たに加えたリスク・機会です。
○2℃以下のシナリオを含むさまざまな気候変動シナリオに戻づく検討を踏まえた、組織の戦略のレジリエンス
当社は2024年3月にSBT認定を取得し、1.5℃水準を目標としています。2023年度は全社的な体制のもとで1.5℃シナリオ分析を実施し、その中で識別されたリスク・機会について対応策を定義しました。
今後はこの活動を生産部門に展開することが課題と捉えており、2024年度は生産部門に対してTCFD活動を展開するとともに、中期経営計画第3フェーズの議論の中で従来の活動を踏まえ、戦略の強化を図ります。
③リスク管理
○気候関連リスクを識別・評価するプロセス
2024年度は1.5℃におけるシナリオ分析を進め、2030年およびそれ以降を想定した気候変動に伴う移行リスク・物理的リスクを識別し、重要度に応じた分類を行い、取組みのさらなる強化に努めます。
○気候関連リスクを管理するプロセス
気候関連リスクについては、TCFD活動で識別されたリスクをサステナビリティ委員会において議論し、サステナビリティ会議で審議・決定します。リスク対応については該当部門においてリスク評価と対応策を明確にしてリスク管理を行っていきます。
○気候関連リスクを識別・評価・管理するプロセスが、組織の総合的なリスク管理にどのように統合されているか
当社は、危機管理委員会(提出日現在 リスク管理委員会)で全社リスクを把握・議論し、CSR会議に報告する体制となっています。気候変動リスクは、中長期の時間軸でリスクを識別する必要があるため、サステナビリティ委員会がリスクを把握・議論し、サステナビリティ会議で審議・決定します。両会議ともに代表取締役を責任者としており、最終的には全社リスク、気候変動リスクを取締役会で統合、管理しています。
2024年度からは新たに設置する「TCFD部会」で、リスク・機会の特定、事業戦略への落とし込み、進捗管理を確実に行い、上位のサステナビリティ委員会・サステナビリティ会議で議論・審議していきます。
④指標及び目標
○GHG排出量
2022年4月に第1次カーボンニュートラルマスタープランを設定しました。2030年度における日本ゼオン単体のScope1+2を対象とし2019年度比でCO2排出量50%の削減が目標です。Scope1・2の削減方策として、①省エネルギー、②プロセス革新、③エネルギー転換、という3つのアプローチで取組みを開始しています。
更に2023年度では、下表の通り、ゼオングループ全体でScope1+2、Scope3の削減目標を設定しました。
|
基準年 |
目標年 |
削減目標 |
Scope1,2 |
2020 |
2030 |
42%減(1.5℃水準) |
Scope3 |
25%減(WB2.0℃水準) |
2024年3月にはSBT認定取得し、またグループでの目標については、2023年度に設定した上記表の削減目標に一本化しました。
○報酬制度
当社は、2023年度に取締役、執行役員を対象に業績連動型株式報酬制度を導入しました。中期経営計画各フェーズの最終年度の目標値として設定したものと連動した財務指標および非財務指標(ESG関連指標を含む)を評価指標としています。
(3)人材戦略
①戦略
○人材の育成及び社内環境整備に関する方針
◆「舞台」を全員で創る
全社戦略の1つとして当社が目指す「『舞台』を全員で創る」とは、一人ひとりの社員の「Freedom, Well-being(自分らしく、よく生きる)」を実現することで多様な個々が強みを発揮できる会社を創るということです。この「舞台」づくりは「DI&B(ダイバーシティ& インクルージョン& ビロンギング)の深化」と「エンゲージメントの強化」が両輪となっています。当社ではこの全社戦略によって、社員に対しより多くの人生の選択肢を提供することとし、2030年に従業員エンゲージメント75%、外国人/女性役員比率30%達成を目指しています。
全社戦略と2030年の目標値
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FreedomとWell-beingイメージ
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◆個々の強みと成長を引き出す人材マネジメントへの変革
全社戦略3:『舞台』を全員で創る、全社戦略4:経営基盤を『磨き上げる』実現の要となる方策は「健康で意欲的に働ける環境を整える」と「コーポレートガバナンスを『磨き上げる』」です。2023-2024年度は「健康経営の取り組み」「『自分らしさ』を発揮できる新人事制度の運用」「DI&Bの考え方の浸透」「将来の経営を担う多様な人材育成」を中心テーマとし各方策を進めています。
2023年7月には職務を起点とした幹部職の新人事制度を導入しました。各職務を人起点ではなく戦略起点で見直すことにより、社員にとっては職務遂行のための人材要件・キャリアが明確になり、自身のキャリア形成支援やリスキル支援につながるものとなります。また、経営・事業戦略の視点では、必要な人材の過不足が量・質双方の観点で可視化されることにより中計実現に向けた適正人員の把握や人材ポートフォリオ構築の足掛かりとなります。今後どのような人材の採用・育成・異動配置に注力すべきかを明確にする経営戦略と連動した人材マネジメントを推進することで、個々の事業戦略や経営戦略戦略の実現に貢献していきます。
“舞台”の全体像
全社戦略と2026年度の目標値及び要となる方策
②指標及び目標
○人材の育成及び社内環境整備
◆全社戦略の実現に向けて
・エンゲージメント調査を通じた課題の可視化
全社戦略実現に向け、当社では現中期経営計画開始の2021年度より課題を可視化し、人材戦略の打ち手につなげるための「エンゲージメント調査」を毎年実施しています。調査項目は原因系と結果系の項目に分かれており、その中から会社に対するロイヤルティや従業員の意欲を表す指標である「従業員エンゲージメント」と、自分のスキルや能力を活かせる職場環境を表す「従業員を活かす環境」の2つの結果系項目を活用し、2026年には従業員エンゲージメントを 56%、従業員を活かす環境を55%にすることを目標としています。当社が実施するエンゲージメント調査はグローバルに活用されているもので、好業績なグローバル企業や日本企業の平均値をベンチマークにしています。これにより感覚的に捉えがちであった組織の各種課題が、数値で可視化されるようになりました。
2023年度の従業員エンゲージメントは52%、従業員を活かす環境は50%となり、前年度と比較して良化の傾向が見られます。これは、「Freedom, Wellbeing」の実現に向けた取り組みによる仕事と私生活の両立支援の強化や、積極的な人的リソースの拡充などが、着実に結果として結びつき始めています。一方で、2030年の目標値である75%達成に向け、従業員が求められる以上のことをやろうという気持ちにさせる抜本的な後押しが必要と考えており、そのための鍵として、人事制度改革を核とした「人材マネジメント変革」を進めていきます。
〇健康で意欲的に働ける環境を整える
◆健康経営の取組みを前に進める
・健康経営宣言
当社では2021年に「健康経営宣言」ならびに「Well-beingのための行動指針『わたしが幸せでいるために』」を定め、会社・従業員が共に健康経営に取り組むことを宣言しました。「健康経営宣言」には会社の決意が、「Well-beingのための行動指針『わたしが幸せでいるために』」には社員へのメッセージと想いが込められています。
健康経営の一般的な考え方は「従業員の健康への投資が、企業の成長につながる」とされていますが、当社でも健康経営を行うことが「ひとり一人がいきいきと活躍し続けること」につながり、「心からワクワクできる会社の実現」につながると考え、取り組みに力をいれています。
2023年からは健康経営推進担当者会議を設置し、従業員目線での施策立案・実施に注力をしてきました。今後も会社と従業員が一体となり健康経営を進めていきます。
健康経営推進体制図
・健康経営における課題と取り組み
当社では健康経営の取り組みを①心の健康づくり ②体の健康づくり ③健康リテラシーの向上 ④健康推進体制とワーク・ライフサポート制度の強化の4つに整理を行い、従業員に示しています。
2023年には健康経営の課題のひとつである「生活習慣病リスク割合の低下」達成に向け「日本ゼオン健康行動指標」を設定しました。これにより行うべきこと、目指すものの明確化がされ、より健康を自分事として捉えてもらうこととが実施できると考えます。
「日本ゼオン健康行動指標」の向上に向けた健康行動の後押しにより「生活習慣病リスク割合の低下」を実現し、「ゼオングループで働くひとり一人がいきいきと活躍し続ける」ことの実現につなげていきます。
健康経営の目標と課題・施策
日本ゼオン健康行動指標
・年次有給休暇取得率の向上
Well-beingのための行動指針「私が幸せでいるために」の行動を促す目標値の一つが年次有給休暇の取得率であり、エンゲージメント向上に寄与するKPIであると考えています。2026年度の年次有給休暇取得率70%に向けて、年次有給休暇の取得奨励期間・奨励日の設置、1時間単位および半日単位での取得を可能とする制度整備を行い、2023年度の年次有給休暇取得率は70.5%と2026年度目標を前倒しで達成することができました。一方で個人毎に目を向けるとまだまだ目標の70%に達していない社員もいるため、「舞台を全員で創る」という全社戦略のもと、全員が年次有給休暇を取得しやすい環境づくりを継続して進めています。
◆「自分らしさ」を発揮できる人事制度を運用する・幹部職新人事制度の導入
当社は2023年7月に幹部職の人事制度改定し、「職務」を起点とした新人事制度を導入しています。旧制度では「人」の職務遂行能力に基づきマネジメント職へのステップアップを目指した等級・報酬運用をしていましたが、社員に期待される役割(=職務)が多様化する中、社員の意欲に応え、個々の強みを発揮できる「舞台」づくりには、一人ひとりの多様な強みと成長を引き出す人事制度への転換が不可欠と考え、今回の制度改定を行いました。
改定の狙いは以下の3点です。1つ目は、複線型の人事制度とすることで「期待される役割の重さ」に報いることです。組織における職務の重さごとに等級定義されるマネジメント職に、個別に職務に対する評価を行い等級設定するスペシャリスト職を加え、キャリアパスを明確にしつつ、メリハリのある処遇を実現します。
2つ目は幹部職への昇格以降も成長を促すことです。職務ごとの評価項目などを設定し、発揮・観察された行動特性を評価する“ 行動評価(コンピテンシー評価)” を導入していくことで、評価の透明性の向上、成果の創出、長期的な育成の指針としての活用を狙っています。
3つ目は社員のキャリアの可視化につなげることです。各職務の人材要件を明確にし、社員それぞれのキャリアパスの見える化や、経営戦略達成に必要な人材の過不足の見える化を実現し、成長を促すとともに今後どのような人材の獲得・育成・配置に注力すべきかなどの人事運営にも活用していきます。
幹部職の新しい人事制度を運用していく中で、経営・事業戦略達成のための適正人員確保に向けた人材ポートフォリオ構築を進めていきます。また、幹部職の各職務遂行のための人材要件が明確になることで、幹部職を目指す若手・中堅層の育成や先の見えるキャリアパスにつなげることを目指します。
2024年度以降には一般職の人事制度改定を予定しています。まず対話を通じて働き方・キャリア形成における課題を把握し、若手から自律的なキャリア形成の機会を支援するため検討を進めていきます。また、新しい幹部職人事制度を踏まえシニア社員制度にも職務の考え方を反映すべく、2024年度に制度改正を予定しています。
人事制度等改定の流れ
◆DI&Bの考え方を浸透させる
当社ではD&I にBelonging を加えたDI&B を推進しています。多様性を尊重したうえで活かし(D&I)、誰もが受け入れられている安心感や信頼感を持っていること(Belonging)を目標として、トップダウンとボトムアップの両方から施策を行っています。誰もが「ここで働いていてよかった。ここが私の居場所だ」と思えるようなDI&Bな組織風土づくり、人づくりを推進していくことは、中期経営計画の「個々の強みを発揮できる『舞台』を全員で創る」プロセスそのものと考えています。
人事統括部門の中にDI&B 推進室という専門の部署を設け、DI&B の組織風土定着のため社内公募の推進プロジェクトも実施しています。幅広く公募で募った年齢も性別も国籍も違うメンバーがさまざまなチームに散らばり「自分たちがゼオンのDI&B 風土定着のためにやりたいこと」を実行に移して活動しています。
DI&B推進活動を通じて当社が掲げるエンゲージメント強化にもつなげ、「Freedom, Well-being」の実現にも資する好循環を生み出すことを期待しています。
DI&Bの取り組み実績
取り組み |
内容 |
DI&Bに関する教育 |
アンコンシャスバイアス研修、セルフリーダーシップ研修、DI&Bカルチャーリ ーダーシッププログラム、1on1ミーティング研修 |
社内広報(専用WEBサイト) |
男性育休者座談会、男性育休者記事、心理的安全性紹介、組織紹介、中途採用 者のためのQ&A&用語集、外部研修レポート、その他DI&Bの取組紹介 |
DI&B推進プロジェクト |
2023年度(第六期)全社より36名のメンバーが参加、様々な企画を実施 |
シニア活動推進 |
ライフキャリア見つめなおし研修、社外インターントライアル |
つながるサポート (社員同士で助け合う仕組み) |
キャリアと組織の相談室、若手と先輩がつながるメンタリング支援、交流会 実施(男性育休者・育休復帰直後社員・定年後キャリア等) |
子育て支援 |
対話会開催、子育て社員コミュニティ創設 |
中途・キャリア採用者支援 |
事業所見学会、対話会 |
DI&Bウィークの実施 |
①心理的安全性についての役員対談及び対話会 ②心理的安全性理解のための講演会 ③キャリアデザインのための越境学習紹介の講演会 ④多様性の中でのチームビルディング体験学習 ⑤ゼオンパーソンのチャレンジを紹介&エンカレッジする対話会 ⑥DI&Bウィーク特設WEBサイト制作 ⑦DI&B理解促進のた めのDaily Short Movieの制作 ⑧DI&Bバーチャルオンライン談話室の運営 |
経営との対話会 |
経営陣とのDI&Bプロジェクトメンバーとの対話 |
中途・キャリア採用者支援 事業所見学会の様子
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経営との対話
〇コーポレートガバナンスを磨き上げる
◆将来の経営を担う多様な人材育成
・女性活躍支援
当社は多様な人材が個々の強みを発揮・活躍できる会社を目指し、女性の活躍を支援する取り組みを進めています。部長・課長職を担う女性従業員の育成にも注力し、2026年には女性管理職比率を12%にすることを目標としています。
近年、大学卒業以上の新卒採用に占める女性の割合を事務系で50%、技術系で30%にするなど女性採用を積極的に進めてきたことで女性従業員の人数は10年前と比較して2.2倍、比率は9.6%から13.8%に増加しているものの、管理職に占める女性比率は2024年3月末時点で6.0%に留まっています。
2023年7月に幹部職人事制度を一新したことで、管理職ポジションの職務と人材要件がより明確化に出来るようになりました。今後は登用に向けた人材要件やギャップを確認し、候補者人材プールの整備を行うとともに、女性管理職候補者を支援するスポンサーシップ制度等の導入を検討していきます。
・人材育成におけるありたい姿
当社では「ありたい人材」を『高い目標に向かって、自ら考え抜いて行動し、変え続けられる人材』と掲げています。各人が目標となる「ありたい人材」像を描くことで、現状とのギャップを埋めていき、また日常の具体的な行動につながるように教育・訓練の仕組みを変えています。その行動を通じて達成された成果を公正に評価し、処遇反映することで、さらに高いレベルを目指す人材となることを狙っています。
・人材育成の仕組み
人材育成については、経営理念の自覚や相互に協力する精神の醸成、共通知識の習得を中心とする基本教育を実施しています。また、それぞれの仕事に必要な能力を開発・向上させる職種別専門教育、評価者のスキル強化を目的とした評価者研修や職場で実施するOJT など階層に応じた教育を実施しています。
自己啓発支援の一環には通信教育奨励金があり、講座ごとの修了条件を満たした場合には受講料の100%を支給しています。
◆ものづくり研修の充実
当社では「安定的かつ安全な生産を徹底的に追及する生産革新活動」を支える人材を育てるために、2009年に「ものづくり研修所」を水島工場内に開設しました。ものづくり研修では入社後1~3年目までの従業員を対象として、「工場のルール」や「プラント運転の基礎知識」などの各製造現場共通の知識や技能を重点的に学びます。
2024年には、新たに「北陸ものづくり研修所」を開設し、光学フィルム製造ラインのある氷見二上工場、敦賀工場の新人オペレーターに向けて知識教育や実技訓練を行います。これからもゼオンのものづくりに必要な技術の伝承や安全教育も含めた現場教育の充実を図っていきます。
研修の様子 北陸ものづくり研修所開所式
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