2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,503名(単体) 4,425名(連結)
  • 平均年齢
    39.6歳(単体)
  • 平均勤続年数
    14.3年(単体)
  • 平均年収
    7,763,347円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    5.2%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

①人材戦略に関する基本方針

当社グループは、社会の期待に応えグローバルに企業価値を高め続けていくため、変化の激しい環境に柔軟に適応しイノベーションを生み出していくことを経営戦略の中心に据えています。これらを実現するため、イノベーションの源泉がダイバーシティであることを認識し、当社グループのビジョンに共感するすべての人の多様な個性を尊重しあえ、安心感と信頼感のある居場所となり、すべての人に公平・公正な成長機会があることを目指します。また、ありたい人材像を「高い目標に向かって、自ら考え抜いて行動し、変え続けられる人材」と捉え、「社員一人ひとりの能力を引き出し、育成し、活用する」組織づくり、環境づくりを進めます。

具体的には、a.社員の成長と意欲を引き出す人材マネジメントの推進、b.経営戦略と人材戦略の連動強化、c.働きやすくキャリアを断絶させない職場環境の整備 を事業戦略に資する人材戦略として策定・推進し、事業成長に貢献する人材・組織・制度基盤を磨き上げます。そして、社員一人ひとりの成長とキャリア形成を当社の成長へとつなげ、心からワクワクできる会社を実現し企業価値の向上へとつなげていきます。

 

②従業員の給与、賞与を含む給与その他の給付の額及び内容の決定に関する方針

当社は、経営戦略の実現に必要な人材の確保及び定着並びに従業員の能力発揮の最大化を図る観点から、従業員の賞与を含む給与その他の給付について、その額及び内容の決定に関する方針を定めています。

給与の額は、人事制度に基づく職能/職務/役割の等級に応じた基本給を基礎とし、各人の業績評価結果等を踏まえて決定しています。2025年10月には、管理監督者層を対象に従来の職能資格制度を廃止し、職務等級制度へ一本化しました。経営戦略を確実に人事戦略へ落とし込み、事業成長と人材成長のスピードを高めることを目的に、これまでの職能型等級体系を抜本的に見直しました。本制度では、経営戦略の達成に資する「職務」および「役割」を明確に定義し、それぞれに対応する権限・責任を明らかにしました。 各職務・役割に基づく成果の創出が、企業価値向上への挑戦に直結する仕組みを構築するとともに、創出した価値を厳格に評価し、その差を報酬へ適切に反映します。なお、一般職層人事制度においては、競争力ある操業を支える人材およびイノベーションを創出する人材の強化を目的に、社員一人ひとりの「挑戦」や「自律」を引き出す制度の導入に向けた検討を進めています。また、賞与については、会社業績や個人の成果等を総合的に勘案して支給額を決定しています。

その他の給付については、従業員の健康保持増進、働きやすい職場環境の整備並びに中長期的な成長及び定着の支援に資する観点から、退職給付制度、各種休暇制度、育児・介護との両立支援制度その他の福利厚生制度を整備し、運用しています。

なお、当社は、事業環境、人材戦略及び制度運用の状況を踏まえ、必要に応じて当該方針の見直しを行っております。

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従 業 員 数 (人)

エラストマー素材事業

1,900

(118)

高機能材料事業

1,366

(75)

その他

655

(78)

全社(共通)

504

(177)

合計

4,425

(448)

 (注)1. 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2. 臨時従業員には、季節工、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

②提出会社の状況

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

2,503

(306)

39.6

14.3

7,763,347

5.2

 

セグメントの名称

従 業 員 数 (人)

エラストマー素材事業

859

(73)

高機能材料事業

1,149

(56)

その他

(-)

全社(共通)

495

(177)

合計

2,503

(306)

 (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.臨時従業員には、季節工、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

3.平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4.従業員については60歳定年制を採用しております。

③労働組合の状況

当社には、提出会社の本社及び各事業所にそれぞれ支部をもつ日本ゼオン労働組合が組織されており、全国化学労働組合総連合に加盟しております。また、一部の連結子会社で労働組合が組織されております。

労使関係は安定しており、特記すべき事項はありません。

④管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

ア 提出会社

 

当事業年度

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

(注)1.

男性労働者の育児

休業取得率(%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1.

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・有期労働者

5.7

88.5

74.4

80.2

58.2

 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2025年10月に当社は管理監督者層を対象として、従来の職能資格制度を抜本的に見直し、職務等級制度へ一本化しました。それに伴い、当事業年度より算定定義を変更しております。なお、旧算定定義に基づく当事業年度の数値は6.7%です。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

<数値に関する補足説明>

労働者の男女の賃金の額の差異が発生しておりますが、当社では管理監督者層に占める女性労働者の割合が低いことが要因として挙げられます。また、パート・有期労働者においては、最高70歳まで活躍できるシニア社員制度を導入したことにより、人員構成上60歳以降で多くを占める男性の賃金が、若年層や一般事務等で多くを占める女性に対して相対的に高くなっているため賃金格差が生じています。当社では近年女性活躍推進を積極的に行っており、部長・課長職を担える女性社員を増やし、その活躍の場の拡大を図っています。今後管理監督職を担う女性社員の増加により、これら男女の賃金格差は縮小していくものと考えています。

詳しい考え方や取り組みについては統合報告書、サステナビリティwebサイトをご覧ください。

統合報告書(https://www.zeon.co.jp/ir/library/folder/

サステナビリティwebサイト(https://www.zeon.co.jp/csr/social/

イ 連結子会社

 

当事業年度

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

(注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1.

全労働者

全労働者

うち

正規雇用労働者

うち

パート・有期労働者

ゼオン化成(株)

4.8

100.0

77.2

79.9

59.8

ゼオンメディカル(株)

11.8

100.0

54.5

97.2

104.9

ゼオンノース(株)

10.7

66.7

85.0

83.8

104.1

東京材料(株)

9.4

25.0

87.3

93.9

53.8

(株)トウペ

2.1

100.0

85.0

85.1

66.4

 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)サステナビリティ共通

ゼオングループは、「大地の永遠と人類の繁栄に貢献する」を企業理念に掲げ、2021年にスタートした中期経営計画では、「社会の期待と社員の意欲に応える会社」を2030年のビジョンとし、サステナビリティ経営の実現に向け取り組んでいます。サステナビリティに関する基本的な考え方や対応の組織的な枠組みを明確にするため、2022年度に「サステナビリティ基本方針」を制定しました。

①ガバナンス

当社は、サステナビリティに関する取り組みを全社横断的に推進するため、「サステナビリティ委員会」を設置しています。

サステナビリティ委員会では、気候変動対応や人権課題をはじめとする重要なサステナビリティ諸課題について、方針の検討および具体的な施策の立案・推進を行っています。サステナビリティ委員会における検討・協議内容は、代表取締役を議長とする「経営会議」にて審議され、重要な事項については取締役会へ報告の上、適切な監督を受ける体制としており、経営層の関与のもとで適切なガバナンスを確保しています。

さらに、企業の持続的な成長を支える観点から、事業運営に伴うリスク管理、環境保全および労働安全に関する課題については、関係する各委員会が主体となり、サステナビリティ委員会と連携して方針の検討ならびに施策の立案・推進を行っています。

また、「サステナビリティ委員会」の下に、「統合報告部会」、「TCFD部会」、「SDGs貢献製品認定部会」の3つの部会を設置しております。「統合報告部会」では統合報告書の企画・立案・制作を行っています。「TCFD部会」では、TCFD等の枠組みに基づき、気候変動に対するリスクや機会を特定・識別し、事業・戦略・財務計画に及ぼす影響の分析および対応・開示を進めています。さらに「SDGs貢献製品認定部会」では、「SDGs貢献製品認定制度※」に基づき、SDGs貢献製品の認定や制度の充実に向けた検討を行っています。

(2026年4月時点)

※ゼオングループの製品のうち、特に社会課題解決への寄与度が高いと考えられるものを「SDGs貢献製品」として認定する制度。それらの開発・製造・販売に注力することで、社会への貢献と企業としての持続的な成長の両立を図り、サステナビリティ経営を一層推進していくことを目的としています。

 

さらに2026年4月には、サステナビリティ推進機能を経営企画部門に組み入れ、事業戦略・中期経営計画の策定および資源配分と一体的に運営する体制に変更しました。これにより、サステナビリティに関する取り組みを経営戦略により深く組み込みつつ、サステナビリティ委員会における審議および経営会議・取締役会による監督の枠組みは維持し、実効性あるガバナンスのもとで推進しています。

 

②戦略

ゼオングループは、中期経営計画の中で注力するSDGsのゴールを定め、それらに対応した全社戦略を展開してきましたが、2024年に企業理念「大地の永遠と人類の繁栄に貢献する」の実現に向けて優先的に取り組むべき重要課題をより明確にし、メリハリのある実効性の高い施策を打ち出せるよう、マテリアリティを特定しました。2025年度からの中期経営計画第3フェーズにおいては、これらのマテリアリティを軸として具体的な施策展開を行っています。

 

ゼオングループのマテリアリティ(ゼオンを動かす5つの歯車)

心からワクワクできる会社の実現

一人ひとりが持てる能力を発揮しワクワクしながら働ける場を作っていくことが会社として最も根本的な課題であり、これが当社の成長の要であるイノベーションにつながります。具体的な要素の例としては、「DI&B」「働きがい・エンゲージメントの向上」「業務の効率化・見直し」などが挙げられます。

イノベーションでほかにない価値を提供

イノベーションは当社が社会の期待に応えながら成長していくための最も重要なキーワードであり、5つの歯車の中央に位置づけています。他者に真似のできない当社にしか生み出せない価値を世の中に提供していくことが、社会とゼオンの持続的な成長につながります。また「イノベーションを起こす仕組み・風土作り」と「独創的な技術・製品・サービス」については、歯車全体を動かしていくうえでのカギとなると考えています。

強固なガバナンスの構築

サステナビリティ基本方針に掲げる「公正で誠実な活動を貫き、信頼される企業であり続ける」ためには、会社としての基盤を強固なものにしていく必要があります。例えば「経営の透明性」「安定・安全な生産」「品質」「腐敗防止」などに加え、近年世の中で重要な課題と認識されてきている「情報セキュリティ」「持続可能な調達」「人権」などの要素も含まれます。

社会の変化に対応した事業構造の転換

イノベーションを起こすことで、社会の期待に対応する製品・サービスを生み出し、事業の軸足を移していくことで、事業構造の転換を図っていきます。サステナビリティの観点から「社会の情報化」「モビリティの進化」「健康と福祉」などの分野が社会的にニーズが高い領域であり、これらの領域を中心に積極的にイノベーションを起こしていくことで、社会の変化に対応した事業構造の転換を進めていきます。

循環型社会への貢献

「循環型社会」とは、例えばリサイクルや廃棄物の削減などにより、限りある資源を最大限に活用し、環境への影響を最小限にする社会を言います。

私たちの製品・サービスやその生産においてイノベーションを起こし事業構造を変えていくことで、循環型社会の実現に貢献し、さらにはその先にある企業理念の実現につながると考えます。

 

 

上記「ゼオンを動かす5つの歯車」で特定したマテリアリティのうち、「強固なガバナンスの構築」においては、サプライチェーン全体を含む人権リスクが事業継続および企業価値に影響し得る重要な経営課題であるとの認識のもと、調達・取引方針やサプライヤー管理の高度化を通じて対応を進めています。

また、マテリアリティ図の背景に記載のある「カーボンニュートラルの実現」においては、事業ポートフォリオや技術開発と連動した気候変動対応を重要課題と捉え、TCFDの枠組みを活用しながら中長期的なリスク・機会の把握を行っています。詳細は「(2)気候変動」を参照ください。

さらに、マテリアリティ図の背景に記載のある「自然と人間の共存(生物多様性の保全)」については、原材料調達から直接操業を経て最終製品の使用及び廃棄に至るまでのバリューチェーンにおいて、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)が提唱するLEAPアプローチ(自然との関係性をLocate(発見)・Evaluate(診断)・Assess(評価)・Prepare(準備)の4段階で整理する分析手法)を用いて自然資本に与える影響を把握し、TNFD対応を通じてリスクの特定および対応方針の検討を進めています。こうした取り組みを一層推進するため、当社は2026年3月にTNFD Adopterとして登録するとともに、TNFDフォーラムに参画しました。引き続き、最新の知見や国際動向を踏まえながら、生物多様性に関する取り組みの高度化を図っています。

 

③リスク管理

ゼオングループでは、サステナビリティに関わるリスクを全社リスク管理の枠組みの中で管理しています。

特にサステナビリティ経営実現のための重要な基盤の一つと位置づけている人権尊重については、自らの事業活動において影響を受ける全ての人の人権を尊重するべく、2021年度より本格的に取り組みを開始し、ビジネスの全体像の中から人権リスクマップを策定して人権リスクを特定しました。さらに、勉強会等を通じて人権尊重の重要性を社内に浸透させた上で、外部専門家からのアドバイザリーを受けながら、課題を日本ゼオン、グループ企業、サプライチェーンの3つに分類し、関係部署で具体的な取り組みを進めています。

2023年度には「サステナブル調達基本方針」を制定した上で、ゼオングループが取引先とともに持続可能なサプライチェーンの構築に向けた考え方を共有するため、同方針を含めたゼオングループの様々な方針類をパッケージ化した「サステナブル調達ガイドライン」をとりまとめました。

また2024年にはサプライチェーン上での法令・コンプライアンス違反や人権侵害等があった場合に通報を受け付ける窓口として、ゼオングループのサプライチェーン通報窓口を当社ホームページ上に設置しました。

引き続き人権尊重に向けた取り組みを計画的に進めていきます。

 

さらに気候変動に関わるリスクのうち、全社リスクとして管理すべきものを特定した上で、2024年度より、それらを全社リスク体系の中に統合して統制を開始しました。詳細は、「(2)気候変動 ③リスク管理」をご参照下さい。

加えてTNFD対応におけるリスクにつきましては、2025年度から取り組みを開始し、事業活動における自然資本への依存および影響を把握した上でリスクと機会を抽出し、対応策や指標の設定を行っています。今後は、TNFDが提唱する考え方を参考にしながら、バリューチェーン全体での自然資本との関係性についてリスクと機会の特定・評価を行い、全社的なリスク管理プロセスへの統合を段階的に検討していきます。

 

④指標及び目標

指標及び目標については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。

 

(2)気候変動

ゼオングループでは、気候変動が事業活動および中長期的な経営環境に重要な影響を及ぼすと認識しており、2020年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しました。TCFD提言を踏まえ、気候変動が当社事業に及ぼすリスク・機会を把握・分析し、その結果を経営戦略に反映させることで経営基盤の強化を図るとともに、持続可能な社会の実現および企業価値の向上を目指します。

 

①ガバナンス

〇気候関連リスクおよび機会についての取締役会の監視体制

当社における気候変動に関するガバナンスは、前述の「(1)サステナビリティ共通①ガバナンス」に記載の体制のもとで運営しています。

取締役会は、気候関連リスクおよび機会を含む重要なサステナビリティ課題について、経営からの定期的な報告を受け、その対応方針、進捗状況および有効性について監督しています。具体的には、気候変動への対応状況を含むサステナビリティに関する重要事項について、年2回「サステナビリティ報告」として取締役会に報告しており、取締役会はこれに対して指摘・助言を行うことで、気候関連リスクおよび機会への対応が適切に推進されているかを監視しています。これらの取締役会からの指摘・助言は、TCFDへの対応を含む各種取り組みに反映されています。

 

〇気候関連リスクおよび機会の評価・管理における経営者の役割

経営者は、気候変動への対応を重要なサステナビリティ課題の一つとして位置付け、代表取締役を議長とする経営会議において、気候関連リスクおよび機会に関する対応方針および重要施策の審議・決定を行っています。

経営会議で審議する具体的な検討および施策の立案については、サステナビリティ委員会を通じて、TCFD等の枠組みに基づき、気候関連リスクおよび機会の特定・評価ならびに対応の推進を行っています。また、同委員会の下部組織であるTCFD部会において、気候変動が事業・戦略・財務に及ぼす影響の分析および開示に向けた検討を進めています。

 

②戦略

○組織が特定・識別した、短期・中期・長期の気候関連リスクおよび機会

当社では、サステナビリティ委員会およびその下部組織であるTCFD部会を中心に、気候変動が当社事業に及ぼす影響について、短期・中期・長期の視点から気候関連リスクおよび機会の特定・識別を行っています。

その過程として、2020年度にゴム事業部において2℃・4℃シナリオ(RCP2.6/8.5)分析を実施し、気候変動にともなうリスクと機会を特定しました。2021年度には当該取り組みを全社に展開し、同様のシナリオ分析を通じて事業全体に対する影響を整理しました。さらに2023年度には1.5℃シナリオ分析を実施し、中長期的な移行リスクおよび機会について検討を行っています。加えて2024年度には、従来から分析対象としていた高岡工場、川崎工場、徳山工場、水島工場に加え、氷見二上工場・敦賀工場を含む全6工場を対象に、主として長期的な物理リスクを想定した4℃シナリオ(RCP8.5)に基づくリスクの特定・識別を実施しました。これらの分析結果を踏まえ、当社では、短期的には事業活動への直接的影響、中期的には事業構造や投資判断への影響、長期的には事業継続性および競争環境の変化といった観点から、気候関連リスクおよび機会を整理し、事業戦略の検討に活用しています。

 

○気候関連リスクおよび機会が組織のビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響

・事業インパクト評価

当社は、TCFDの枠組みに基づくシナリオ分析を通じて、気候変動が当社の事業および財務に及ぼす影響について検討しています。2020年度・2021年度のTCFD活動においては、4℃シナリオでは原材料調達コストの増加が、また2℃シナリオでは、原材料調達コストに加えて炭素税の導入が当社事業にとって相対的に大きなリスクとなる可能性があると認識しました。一方で気候変動への対応を背景とした自動車のEV化の加速によりエナジー材料分野を中心に、当社事業にとって重要な事業機会が生じる可能性があると認識しました。これらの認識を踏まえ2024年度には、中期経営計画第3フェーズの利益計画策定上重要なEVなどの自動車販売台数について前提条件を見直した上で、気候関連リスクおよび機会が当社事業に及ぼす影響について再評価を行いました。

・リスク重要度評価(リスクおよび機会の認識)

2024年度には、これまでのTCFD活動に加え、工場を中心とした事業拠点における気候変動に関するリスクおよび機会について改めて識別を行い、それらが当社の利益へ及ぼす影響について試算を行いました。当該試算結果については、気候変動リスクおよび機会の重要度を把握するための参考情報として活用しており、その概要を下表に示しています。

 

[シナリオ分析の概要(特定・識別したリスク・機会、発現時期、影響度、対応策)]

※1 発現時期 短期:0~3年未満、中期:3年~10年未満、長期:10年~30年以上。

※2 影響度 大:50億円以上の利益へのインパクトの概算、中:10億~50億円の利益へのインパクトの概算、

小:10億円未満の利益へのインパクトの概算。-は定量評価の具体化を今後検討。

※3 4℃シナリオについてはIEAのSTEPSシナリオを、1.5℃シナリオについてはIEAのNZEシナリオにおけるEV販売台数や原油価格、炭素税価格にてそれぞれ試算。

※4 国土交通省「重ねるハザードマップ」から、日本ゼオンの全6工場における想定最大規模降雨時(1000年に一度)の浸水深を調査し、その結果を国道交通省「治水経済調査マニュアル」にて被害率を試算し、実際に想定最大規模降雨が発災したベースにて被害想定額を算出。

※5 水使用量が多い高岡工場、川崎工場、徳山工場、水島工場において、渇水時に他地域から水を輸送した場合のコストを試算。

 

○2℃以下のシナリオを含むさまざまな気候変動シナリオに基づく検討を踏まえた、組織の戦略のレジリエンス

当社は、2℃以下のシナリオを含む複数の気候変動シナリオを用いた検討を通じて、気候変動が当社の事業および戦略に及ぼす影響を確認するとともに、当社戦略のレジリエンスについて検討しています。

2024年3月には、温室効果ガス排出削減に関する科学的根拠に基づく目標としてSBT認定を取得し、1.5℃水準を目標とした取り組みを進めています。この目標設定の前提として、2023年度には全社的な体制のもとで1.5℃シナリオ分析を実施し、当該シナリオ下で特定・識別された気候関連リスクおよび機会について、対応の方向性を整理しました。これらの取り組みを通じて、当社は、2℃以下の気候変動シナリオを含む将来環境の変化を考慮したうえで、当社事業および戦略の持続性・強靭性を高めることを目指しています。

また、当社では、1.5℃のシナリオを含む気候変動シナリオに基づく検討において、事業戦略のみならず、工場やサプライチェーン、海外グループ企業における物理的影響についても重要な検討対象としています。近年の取り組みとしては、これらの拠点や供給網における物理的影響を整理したうえで、将来の気候変動による影響を踏まえ、当社事業および戦略の持続性・レジリエンスについて検討を行っています。

 

③リスク管理

○気候関連リスクを識別・評価するプロセス

当社ではTCFDの枠組みに基づき、4℃および1.5℃の気候変動シナリオを用いて、2030年およびそれ以降を想定した気候変動に伴う移行リスクおよび物理的リスクの特定・識別を行っています。特定したリスクについては、影響度や重要度の観点から評価・分類を行い、これらの内容について定期的にレビューを実施することで、気候関連リスクの把握および優先度の見直しを継続的に行っています。また2024年度には、従来分析対象としていた4工場に加え、新たに2工場を加えた事業拠点を対象に、移行リスクおよび物理リスクの特定・識別ならびに影響度評価を実施しました。

 

○気候関連リスクを管理するプロセス

気候関連リスクについては、識別・評価の結果を踏まえ、重要なリスクを中心にサステナビリティ委員会において議論し、代表取締役を議長とする経営会議で審議・決定し、該当リスクに関係する部門において、発生頻度および事業への影響の程度を考慮しながら、リスクの低減および管理に向けた対応を進めています。これらのプロセスを通じて、気候関連リスクについて継続的なモニタリングを行い、事業運営への影響を適切に管理する体制としています。

 

○気候関連リスクを識別・評価・管理するプロセスが、組織の総合的なリスク管理にどのように統合されているか

当社では、気候関連リスクを含む全社的なリスクについて、リスク管理委員会において把握・整理し、その結果について代表取締役を責任者とする経営会議に報告する体制としています。2024年度には、TCFD部会において工場を中心に特定・識別された夏季の気温上昇に伴う熱中症や渇水による水不足などの気候変動リスクについて、全社的なリスク管理の枠組みに組み込み、他の経営上のリスクと併せて評価を行いました。これらの全社的なリスクについては、取締役会に報告し、経営による監督のもとで管理を行っています。

さらに、当社では、2025年度の取組みとして、気候変動に伴う物理的リスクについて、事業拠点、海外グループ企業およびサプライチェーンを含めた広範な範囲での確認・評価を実施しました。

国内の事業拠点については、高岡工場、氷見二上工場(二上地区)、川崎工場および敦賀工場を対象に、重ねるハザードマップを用い、計画規模降雨による洪水や想定最大規模(1000年に一度程度)の洪水リスクを踏まえた評価を行い、リスクが相対的に高い拠点についてヒアリング調査を実施しました。

また、海外グループ企業については、タイ所在のゼオンケミカルズタイランドおよびゼオンケミカルズアジア、中国の上海瑞翁化工を対象に調査を実施しました。調査対象の選定にあたっては、各社による気候関連リスク一覧表の自己評価に加え、World Resources Institute(WRI)が提供するAqueductなどの外部ツールを用いた分析結果や、各地域における過去の発災状況等も考慮した上で、リスクの把握が重要と判断される拠点を対象として、気候関連リスクに関するヒアリング調査を行いました。

加えて、サプライチェーンにおける気候関連リスクについては、取引金額順に主要な調達先を選定し、国内外の事業所を対象として、国内については重ねるハザードマップ、海外についてはAqueductを活用したリスクの洗い出しを行いました。

これらの取り組みにより把握された気候関連リスクについては、全社的なリスク管理の枠組みの中で整理・評価を行い、他の経営上のリスクと併せて管理しています。当社は、気候関連リスクを事業運営の一部として捉え、総合的なリスク管理の一環として継続的な見直しを行っています。

 

④指標及び目標

○GHG排出量

当社は、気候変動への対応を重要な経営課題の一つとして位置付け、温室効果ガス(GHG)排出量を主要な指標として管理しています。2024年3月には、温室効果ガス排出削減に関する科学的根拠に基づく目標としてSBT認定を取得し、ゼオングループ全体として1.5℃水準に整合した削減目標を設定しました。

現在のゼオングループにおけるScope1+2、およびScope3の削減目標は以下の通りです。

 

基準年

目標年

削減目標

Scope1,2

2020

2030

42%減(1.5℃水準)

Scope3

25%減(WB2.0℃水準)

なお、当社はこれに先立ち、2022年4月に第1次カーボンニュートラルマスタープランを策定し、日本ゼオン単体におけるScope1・2のCO2排出量を、2030年までに2019年比で50%削減する目標を掲げて取り組んできました。これらの取り組みおよび目標は、SBT認定も踏まえ、現在はグループ全体の目標として整理・統合しています。Scope1・2の削減にあたっては、①省エネルギー、②プロセス革新、③エネルギー展開の三つのアプローチを基本方針としています。

 

[ゼオングループScope1,2,3排出量の推移]

※GHG排出量の算定は、GHGプロトコルに定める組織境界およびScope区分に準拠しています。

※Scope1排出量については、温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度(SHK制度)で定められた排出係数を使用しています。

※Scope2排出量については、GHGプロトコルに基づくMarket-based methodにより算定しており、再生可能エネルギーメニューの利用、非化石証書・再生可能エネルギー証書およびグリーン熱証書等の環境価値を反映しています。

※Scope3排出量については、環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量等の算定のための排出原単位データベース」を用いて算定しています。

 

2024年度は、CO2排出量の比重が大きい水島工場が定期検査の非実施年で稼働日数が前年を上回ったことなどから、排出量削減率は前年差で大きな改善には至りませんでしたが、前定期検査年(2022年)度対比で削減いたしました。

 

○報酬制度

当社は、2023年度に取締役、執行役員を対象に業績連動型株式報酬制度を導入しました。中期経営計画各フェーズの最終年度の目標値として設定したものと連動した財務指標および非財務指標(ESG関連指標を含む)を評価指標としています。これらの指標には、気候変動への対応に関する取組みも含まれており、中長期的な企業価値向上と持続可能な経営の実現を促す仕組みとしています。

 

(3)人材戦略

①戦略

○人材育成および社内環境整備に関する方針

当社グループが求める人材像は「高い目標に向かって、自ら考え抜いて行動し、変え続けられる人材」です。そうした人材をさらに確保し、育成していくために「従業員一人ひとりの能力を引き出し、育成し、活用する」組織づくりや環境づくりを進めています。「心からワクワクできる会社の実現」をはじめとする当社のマテリアリティ(ゼオンを動かす5つの歯車)の実現に向けて、引き続き個々の強みを発揮できる「舞台」づくりを進めていきます。

 

中期経営計画第3フェーズにおける「個々の強みを発揮できる『舞台』づくり」の全体像およびKPI

 

「個々の強みを発揮できる『舞台』づくり」の全体像は、①社員の成長と意欲を引き出す人材マネジメントの推進、②経営戦略と人材戦略の連動強化、③働きやすくキャリアを断絶させない職場環境の整備です。2028年度までのKPIを設定し、達成に向けて図中に示すようなアクションに取り組んでいきます。

 

②指標及び目標

a.社員の成長と意欲を引き出す人材マネジメントの推進

◆エンゲージメント調査を通じた課題の可視化

課題を可視化し、人材戦略の打ち手につなげるための「エンゲージメント調査」を2021年度より毎年実施しています。従業員と会社の相互信頼の度合いを測る「従業員エンゲージメント」と、個人の能力を発揮し活かせる組織状況を測る「従業員を活かす環境」の2つのカテゴリー計75問の調査を行い、従業員と組織の能力をともに最大化させ双方の成長につながる施策を検討・展開しています。当社が実施するエンゲージメント調査はグローバルに活用されているもので、好業績のグローバル企業や日系企業の平均値をベンチマークにしています。これにより感覚的に捉えがちであった組織の課題を、より客観的に可視化できるようになりました。

2025年度の従業員エンゲージメントサーベイの総合スコアは53%(前年比+1ポイント)となりました。また、「従業員を活かす環境」は54%(前年比+3ポイント)と上昇しており、これまでの取り組みは着実に成果として表れています。2030年の目標値である75%達成に向けては、従業員が求められる以上のことをやろうという気持ちにさせる、より前向きな後押しが継続的に必要と考えており、そのための鍵である人事制度改革を核とした「人材マネジメント変革」を進めていきます。

 

※()内数値は日本平均との差

 

◆「自分らしさ」と「プロフェッショナル」を発揮できる人事制度を運用する

・新人事制度の導入

当社は2023年7月に管理監督者層の人事制度を改定し、「職務」を起点とした新人事制度を導入しました。まずは旧制度の「職能」と新制度の「職務」をハイブリッド型で運用し、経営・事業戦略達成のための適正人員確保に向けた人材ポートフォリオ構築、幹部職の各職務遂行のための人材要件の明確化を進めながら、等級体系をつくりこみました。そして、2025年10月には従来の職能資格制度を完全に廃止し、職務等級制度へ一本化しました。

本制度では、経営戦略の達成に資する「職務」および「役割」を明確に定義し、それぞれに対応する権限・責任を明らかにすること、各職務・役割に基づく成果の創出が企業価値向上への挑戦に直結する仕組みを構築すること、そして創出した価値を厳格に評価しその差を報酬へ適切に反映することを目的としています。これにより、企業価値の向上に主体的にコミットするプロフェッショナル人材集団の形成を進めていきます。

今後控えている一般職層の人事制度改定では、競争力ある操業を支える人材とイノベーションを起こす人材の強化を狙いとして、社員の「自律性」「挑戦」を引き出す制度構築を目指しています。一般職層や社内関係者との対話を通じて働き方・キャリア形成における課題を明確にし 、社員の自律的なキャリア形成の機会を支援する施策も含めた検討を進めていきます。

 

◆人材育成

・人材育成における「ありたい姿」と人材育成の仕組み

当社では「ありたい人材」を『高い目標に向かって、自ら考え抜いて行動し、変え続けられる人材』と掲げています。各人が目標となる「ありたい人材」像を描くことで、現状とのギャップを埋めていき、また日常の具体的な行動につながるように教育・訓練の仕組みを変えています。その行動を通じて達成された成果を公正に評価し、処遇反映することで、さらに高いレベルを目指す人材となることを支援していきます。

人材育成では、経営理念の自覚や相互に協力するマインドの醸成、共通知識の習得を中心とする基本教育を実施するとともに、それぞれの仕事に必要な能力を開発・向上させる職種別専門教育、評価者のスキル強化を目的とした評価者研修や職場で実施するOJTなど階層に応じた教育を実施しています。職種別専門教育の一例に、「安定的かつ安全な生産を徹底的に追求する生産革新活動」を支える人材育成を目的とした「ものづくり研修」があります。製造現場で働く入社後1~3年目までのオペレーターを対象とし、「工場のルール」や「プラント運転の基礎知識」などの各製造現場共通の知識や技能の実技訓練を行い、ゼオンのものづくりに必要な技術の伝承や安全教育も含めた現場教育の充実を図っています。

 

 

・女性活躍支援

当社は多様な人材が個々の強みを発揮・活躍できる会社を目指し、女性の活躍を支援する取り組みを進めています。

女性従業員数が絶対的に少ないことを課題として捉え、近年、大学卒業以上の新卒採用に占める女性の割合を事務系で50%以上、技術系で30%以上にすることを目標にするなど女性採用を積極的に進めてきました。これにより、女性従業員の人数は10年前と比較して2.1倍、比率は10.4%から14.1%に増加しました。管理職に占める女性比率は2026年3月末時点で5.7%に留まっていますが、今後はこうした女性従業員のすそ野の広がりが、女性管理職の増加につながっていくと考え、継続的な採用と管理監督職支援を強化しています。

また、2025年10月に管理監督者層の人事制度を職務等級制度に一本化したことで、管理職ポジションの職務と人材要件がより明確になりました。今後は登用に向けた人材要件やギャップを確認し、管理職候補者人材プールの整備を行うとともに、スポンサーシップ制度等を通じた女性管理職・女性管理職候補者層への支援を強化していきます。

 

 

b.経営戦略と人材戦略の連動強化

◆将来に向けた人材の確保

中期的企業価値の向上に向けては、経営戦略を支える必要人材の明確化を行うとともに、成長レベルの可視化により従業員の自律成長を後押しする教育体系の整備や評価制度の見直しを進めていきます。また、戦略を踏まえた人員の適正化と必要人材の確保に向けた競争力ある給与水準の実現を図っていきます。

 

◆職務型人事制度に立脚した人材マネジメントの強化

管理監督者層に導入した「職務型人事制度」により、従来「人」に紐つきがちであった管理監督職の職務を戦略起点で見直し、明確化を進めています。また、人材要件の言語化と行動特性情報の蓄積により、次世代経営人材・幹部職人材パイプラインを整備しています。具体的には、これらにより事業戦略を牽引する人材を戦略的・機動的に配置していく能力を高め、経営戦略の実現に向けた組織能力の向上を図っていきます。

 

c.働きやすくキャリアを断絶させない職場環境の整備

◆DI&Bの考え方を浸透させる

当社は、「Diversity & Inclusion」に「Belonging」を加えたDI&Bを推進しています。多様性を尊重し、その違いを活かすこと(Diversity & Inclusion)に加え、すべての従業員が受け入れられているという安心感や信頼感を持ち、自らの居場所を実感できること(Belonging)を目指して、各種施策を実施しています。こうした取り組みは、当社のマテリアリティ「心からワクワクできる会社の実現」を支える重要な要素であり、従業員一人ひとりが主体的に行動する原動力になるものと考えています。

また、誰もが「ここで働いていてよかった」「ここが私の居場所だ」と実感できる組織風土を醸成していくことは、中期経営計画に掲げる、個々の強みを発揮できる「『舞台』を全員で創る」プロセスそのものであると認識しております。当社はこうした考えのもと、多様性を尊重するだけではなく、それを変革や価値創造の推進力へとつなげ、将来的にはイノベーションの創出にも貢献していくことを目指します。

推進体制としては、8期目となる「DI&B推進プロジェクト」を組織横断的に展開し、トップダウンとボトムアップの双方から施策を推進しています。具体的にはDI&Bに関する課題への取組みや、年1回の全社イベントである「DI&Bウィーク」の企画・開催に加え、多様性を活かすリーダーの育成を目的とした教育を実施しています。これらの活動を通じて、当社全体へDI&Bの浸透を図るとともに、組織文化を支えるリーダーシップの醸成及びコミュニティづくりに取り組んでいます。

 

DI&Bプロジェクトの取り組み実績(2025年度)

取り組み

内容

DI&B推進プロジェクト

社内各部門から集まったメンバーで、DI&Bカルチャーリーダーシップ教育を受けながらDI&Bの課題に取組み

DI&Bウィークの実施

DI&Bをゼオンの全員が理解し、DI&Bでゼオンがつながることを目標とした全社キャンペーン週間。DI&Bプロジェクトメンバーが企画・運営を実施

経営との対話会

DI&B推進プロジェクト報告会及び対話会

専用WEBサイトによる社内広報

心理的安全性教育記事、上司向けの産休育休対応記事、その他DI&Bの取組紹介

社員同士がつながる仕組みの展開

つなサポ(つながるサポート)ルーム、中途採用者インクルージョン交流会、日本以外出身社員の交流会、子育て社員の交流会等

中途採用者支援

事業所見学会、対話会

 

◆健康で意欲的に働ける環境を整える

・健康経営宣言

当社は、従業員の健康への投資が企業の持続的な成長につながるとの考えのもと、健康経営の推進に取り組んでおります。当社では、健康経営を通じて、従業員一人ひとりがいきいきと活躍し続けることが、「心からワクワクできる会社の実現」につながるものと考えています。

こうした考え方に基づき、2021年に「健康経営宣言」ならびにWell-beingのための行動指針「わたしが幸せでいるために」を策定し、会社と従業員が一体となって健康経営に取り組む方針を明確にしました。あわせて、健康経営に関する取組みを、①心の健康づくり、②体の健康づくり、③健康リテラシーの向上、④健康推進体制及びワーク・ライフサポート制度の強化、の4つの柱に整理し、従業員に周知しております。

具体的には、2023年に「日本ゼオン健康行動指標」を設定し、そのモニタリングを通じて生活習慣病リスクの低減による従業員の体の健康づくりを推進しています。また、心の健康づくりの取り組みとしては、「しなやかなメンタルを持つ個人・組織づくり」を目的として、各種セミナーによる健康リテラシー向上や、EAPの活用促進にとりくんでいます。さらに、健康経営推進担当者会議を設置し従業員の視点を踏まえた施策の立案・実行を推進する体制を整備しております。今後も、会社と従業員が一体となって健康経営を推進し、安心して働き続けることができる職場環境の実現に努めてまいります。

 

・仕事と生活の両立支援による働きやすい職場環境づくり

当社は、従業員が育児・介護と仕事を両立しながら安心して働き続けられるよう、相談窓口の設置、休暇・勤務制度の拡充、ハンドブックの配布、情報発信及びセミナーの実施等を通じて、支援体制の整備に取り組んでいます。これにより、制度理解の向上、円滑な休業取得及び職場復帰の支援並びに職場における理解の醸成を図り、働きやすい職場環境づくりを推進しています。

また、社員とその家族が安心して生活しながら働くことができる環境の整備を目的として、長期就業不能時の所得補償制度を導入するとともに、育児・介護支援、健康増進、キャリア形成、コミュニケーション促進及びワークサポートに活用できる福利厚生制度(カフェテリアプラン)を整備しています。従業員一人ひとりが自らのニーズに応じて制度を活用できる環境を整えることで、多様な働き方を支え、持続的に活躍できる基盤の構築に努めます。

 

健康経営の目標と課題・施策

 

日本ゼオン健康行動指標

 

・年次有給休暇取得率の向上

Well-beingのための行動指針「わたしが幸せでいるために」の行動を促す目標値の一つが年次有給休暇の取得率であり、エンゲージメント向上に寄与するKPIであると考えています。2026年度の年次有給休暇取得率70%に向けて、年次有給休暇の取得奨励期間・奨励日の設定、1時間単位および半日単位での取得を可能とする制度整備を行い、2025年度の年次有給休暇取得率は80.2%と、2023年度以降継続的に2026年度目標を前倒しで達成しています。一方で個人ごとに目を向けるとまだまだ目標の70%に達していない社員もいるため、全員が年次有給休暇を取得しやすい環境づくりを継続して進めています。

 

 

※当社の人材戦略の具体的な取り組みについては当社サステナビリティwebサイトをご参照ください。

https://www.zeon.co.jp/csr/social/