事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
売上
-
利益
-
利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
機能品 | 66,157 | 15.0 | 11,668 | 54.3 | 17.6 |
樹脂・化成品 | 287,230 | 65.2 | 1,919 | 8.9 | 0.7 |
機械 | 86,876 | 19.7 | 7,883 | 36.7 | 9.1 |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループは、当社及び関係会社64社(2025年3月31日現在)から構成され、その主な事業内容と当社及び主要な関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりです。
なお、事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一です。
機能品
当社は、ポリイミド、分離膜、セラミックス等の製造・販売を行っています。
宇部エクシモ㈱は当社機能品事業の一環として、電子・情報通信関連製品等の製造・販売を行っています。
宇部マクセル㈱は当社機能品事業の一環として、リチウムイオン電池用セパレータの製造・販売を行っています。
また、これらの連結子会社2社のほか非連結子会社1社、関連会社4社が機能品事業を営んでいます。
樹脂・化成品
当社は、コンポジット、ナイロンポリマー、カプロラクタム(ナイロン原料)、硫安、工業薬品、C1ケミカル(DMC、EMC等)、高機能コーティング等の製造・販売を行っています。
宇部フィルム㈱は当社樹脂・化成品事業の一環として、ポリエチレン製品の製造・販売を行っています。
UBEエラストマー㈱は、当社樹脂・化成品事業の一環として、エラストマー(合成ゴム)の製造・販売を行っています。
UBE CORPORATION EUROPE S.A.U.は当社樹脂・化成品事業の一環として、スペインでコンポジット、ナイロンポリマー、カプロラクタム、硫安、高機能コーティング等の製造・販売を行っています。
THAI SYNTHETIC RUBBERS COMPANY LIMITEDは当社樹脂・化成品事業の一環として、タイでエラストマーの製造・販売を行っています。
UBE Chemicals (Asia) Public Company Limitedは当社樹脂・化成品事業の一環として、タイでコンポジット、ナイロンポリマー、カプロラクタム、硫安の製造・販売を行っています。
UBE Fine Chemicals (Asia) Co., Ltd.は当社樹脂・化成品事業の一環として、高機能コーティング等の製造・販売を行っています。
UBE CORPORATION AMERICA INC.は米国における子会社の統括を行っています。
UBE America Inc.は当社及び当社関係会社の製品を米国市場で販売しています。
UBE Engineered Composites, Inc.は、当社樹脂・化成品事業の一環として、米国でコンポジットの製造・販売・受託加工を行っています。
UBE C1 CHEMICALS AMERICA, INC.は当社樹脂・化成品事業の一環として、米国でDMC、EMCのプラントを建設中です。
また、これらの連結子会社10社のほか連結子会社4社、非連結子会社4社、関連会社11社が樹脂・化成品事業を営んでいます。
機械
UBEマシナリー㈱は機械事業を統括するとともに成形機(ダイカストマシン、押出プレス、射出成形機)、産業機械(窯業機、化学機器、粉砕機、運搬機、除塵機、破砕機)、橋梁・鉄構等の製造・販売を行っています。また、成形機及び産業機械のアフターサービスを行っています。
㈱福島製作所はグループ機械事業の一環として、舶用機械及び産業機械の製造・販売を行っています。
UBE MACHINERY INC.は米国で成形機の販売・アフターサービスを行っており、またUBEマシナリー㈱は同社へ製品及び部品の販売を行っています。
また、これらの連結子会社3社のほか連結子会社3社、非連結子会社3社が機械事業を営んでいます。
その他
当社は、医薬品(原体・中間体)等の製造・販売、電力供給、不動産の売買・賃貸借及び管理等を行っています。
宇部興産(上海)有限公司は当社及び当社関係会社の製品を中国市場で販売しています。
Ube Europe GmbHは当社及び当社関係会社の製品を欧州市場で販売しています。
また、これらの連結子会社2社のほか連結子会社9社、関連会社5社がその他事業を営んでいます。
セメント関連事業
※関連会社であるUBE三菱セメント㈱はセメント関連事業を統括するとともにセメント関連製品の製造・販売を行っています。同社は当社に石炭等を供給しています。
また、この持分法適用関連会社1社のほか連結子会社1社、関連会社1社がセメント関連事業を営んでいます。
なお、セメント関連事業はセグメント情報の「調整額」の区分に含めています。
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。
(連結子会社一覧)
機能品 |
|
|
|
|
|
|
宇部エクシモ㈱ |
|
宇部マクセル㈱ |
|
|
樹脂・化成品 |
|
|
|
|
|
|
宇部フィルム㈱ |
|
UBEエラストマー㈱ |
|
UBE過酸化水素㈱ |
|
UBE CORPORATION EUROPE S.A.U. |
|
MANUFACTURAS PAULOWSKY, S.L. |
|
REPOL S.L.U. |
|
THAI SYNTHETIC RUBBERS COMPANY LIMITED |
|
UBE Chemicals (Asia) Public Company Limited |
|
UBE Fine Chemicals (Asia) Co., Ltd. |
|
RAYONG FERTILIZER TRADING CO., LTD. |
|
UBE CORPORATION AMERICA INC. |
|
UBE America Inc. |
|
UBE Engineered Composites, Inc. |
|
UBE C1 CHEMICALS AMERICA, INC. |
|
|
機械 |
|
|
|
|
|
|
UBEマシナリー㈱ |
|
㈱ティーユーエレクトロニクス |
|
㈱福島製作所 |
|
宇部興産機械(上海)有限公司 |
|
UBE MACHINERY THAI CO., LTD. |
|
UBE MACHINERY INC. |
その他 |
|
|
|
|
|
|
㈱宇部総合サービス |
|
宇部物流サービス㈱ |
|
㈱UBEアセット&インシュアランス |
|
㈲リベルタス興産 |
|
UBE Europe Belgium NV |
|
宇部興産(上海)有限公司 |
|
UBE (HONG KONG) LIMITED |
|
台湾宇部股份有限公司 |
|
Ube Europe GmbH |
|
UBE KOREA CO., LTD. |
|
UBE (Thailand) Co., Ltd. |
|
|
セメント関連事業 ※ |
|
|
|
|
|
|
ウベボード㈱ |
|
|
|
|
※なお、セメント関連事業はセグメント情報の「調整額」の区分に含めています。
|
|
|
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりです。
①経営成績の状況
(一)当社グループ全体
当社グループは、2022年度からスタートした3カ年の中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation~1st Stage~」において、「スペシャリティ化学を中心としてグローバルに利益成長を追求」「地球環境問題に対応した事業構造改革」「持続的成長に向けた人的資本の充実」「DXの推進による企業価値の向上と顧客価値の創出」「ガバナンスの更なる向上」を基本方針とし、事業構造改革と成長の実現に向けた取組みを推進してきました。
当連結会計年度においては、売上高は、樹脂・化成品セグメントにおいて、自動車タイヤ等に使用されるエラストマー(合成ゴム)の販売価格が原料価格に伴い上昇し、また海外において食品包装フィルム向けナイロンポリマー、ナイロン原料カプロラクタムや硫安等の販売が回復したことなどから、前連結会計年度を上回りました。
営業利益は、樹脂・化成品セグメントにおいて、海外でカプロラクタムや硫安の販売が回復し、またC1ケミカルのライセンス収入等もありましたが、機能品セグメントにおいて、ポリイミドの販売が一部用途向けで低調に推移し、樹脂・化成品セグメントにおいて、アンモニア工場で隔年の定期修理を実施したことに加え、ドイツLANXESS社からのウレタンシステムズ事業取得に係る費用が発生したことなどから、前連結会計年度を下回りました。
経常利益は、セメント関連事業(持分法適用関連会社)で前連結会計年度に実施したセメント販売価格是正の効果等はありましたが、エラストマー事業を行う持分法適用関連会社の解散決議に伴い持分法投資損失を計上したことなどから、前連結会計年度を下回りました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、アンモニア、カプロラクタム、ナイロンポリマー等ベーシック事業の構造改革を決定したことに伴い特別損失を計上したことなどから、損失となりました。
この結果、当社グループの売上高は前連結会計年度と比べ185億6千5百万円増の4,868億2百万円、営業利益は44億1千1百万円減の180億4千5百万円、経常利益は139億6千1百万円減の223億7千2百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は48億1千6百万円となりました。
項 目 |
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純 損失(△) |
当連結会計年度 |
486,802百万円 |
18,045百万円 |
22,372百万円 |
△4,816百万円 |
前連結会計年度 |
468,237百万円 |
22,456百万円 |
36,333百万円 |
28,981百万円 |
増 減 |
18,565百万円 |
△4,411百万円 |
△13,961百万円 |
△33,797百万円 |
増 減 率 |
4.0% |
△19.6% |
△38.4% |
- |
(二)セグメント別
機能品セグメント
ポリイミド事業は、大型ディスプレイ向けフィルムや原料BPDAの販売は堅調に推移しましたが、有機ELパネル向けワニスの販売が中国市場で低調に推移し、減収となりました。
分離膜事業は、一部顧客における在庫調整及びプラント建設計画の後ろ倒し等の影響を受け、減収となりました。
セラミックス事業は、電動車向け軸受用途等の販売が堅調に推移し、増収となりました。
セパレータ事業は、ハイブリッド自動車向けの需要増加等に伴い販売数量が増加し、増収となりました。
機能品セグメント全体としては、セラミックス事業、セパレータ事業等は堅調に推移したものの、ポリイミド事業、分離膜事業が低調に推移した影響が大きく、増収減益となりました。
樹脂・化成品セグメント
■パフォーマンスポリマー&ケミカルズ事業
コンポジット事業は、自動車部材用途に加えて、産業機器等の非自動車部材用途も販売が軟調に推移し、減収となりました。
ナイロンポリマー事業は、海外において食品包装フィルム用途等の需要が回復したことにより販売数量が増加し、販売価格も上昇したことから、増収となりました。
カプロラクタム・硫安事業は、海外におけるナイロン繊維用途等の需要回復に伴い、販売数量が増加し、増収となりました。
工業薬品事業は、アンモニア工場における隔年実施の定期修理及びアンモニアの国内工業用途の需要低迷により、販売数量が減少したことから、減収となりました。
C1ケミカル事業及び高機能コーティング事業は、C1ケミカル事業においてライセンス収入があり、また高機能コーティング事業においてアジアで販売が堅調に推移したことから、増収となりました。
■エラストマー事業
自動車タイヤ向け等の需要は軟調に推移しましたが、主原料ブタジエン価格の上昇により製品価格が上昇し、増収となりました。
樹脂・化成品セグメント全体としては、アンモニア工場における隔年実施の定期修理及びアンモニアの国内工業用途の需要低迷に加え、コンポジット事業の販売が軟調に推移した影響等が大きく、増収減益となりました。
機械セグメント
成形機事業は、自動車産業向けの製品販売が堅調に推移し、またアフターサービスも堅調に推移したことから、増収となりました。
産機事業は、製品販売において前連結会計年度と比較し大型案件が少なく、減収となりました。
製鋼事業は、2024年11月1日付で経営権を他社へ譲渡したことにより、販売数量が減少したことから、減収となりました。
機械セグメント全体としては、製鋼事業の経営権を譲渡した影響があったものの、成形機事業が堅調に推移したことから、減収増益となりました。
その他セグメント
医薬事業は、自社医薬品の販売は堅調に推移したものの、受託医薬品の販売が減少し、減収となりました。
電力事業は、セメント関連事業(持分法適用関連会社「UBE三菱セメント株式会社」)等における電力需要の減少により、売電量が減少し、減収となりました。
その他セグメント全体としては、医薬事業でロイヤリティ収入及び受託医薬品の販売が減少した影響が大きく、減収減益となりました。
<セグメント別売上高>
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増 減 |
増減率 |
機能品 |
63,750百万円 |
66,157百万円 |
2,407百万円 |
3.8% |
樹脂・化成品 |
258,559百万円 |
287,230百万円 |
28,671百万円 |
11.1% |
機械 |
96,886百万円 |
86,876百万円 |
△10,010百万円 |
△10.3% |
その他 |
74,479百万円 |
67,780百万円 |
△6,699百万円 |
△9.0% |
調整額 |
△25,437百万円 |
△21,241百万円 |
4,196百万円 |
- |
合計 |
468,237百万円 |
486,802百万円 |
18,565百万円 |
4.0% |
<セグメント別営業利益>
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増 減 |
増減率 |
機能品 |
12,110百万円 |
11,668百万円 |
△442百万円 |
△3.6% |
樹脂・化成品 |
2,541百万円 |
1,919百万円 |
△622百万円 |
△24.5% |
機械 |
7,168百万円 |
7,883百万円 |
715百万円 |
10.0% |
その他 |
4,464百万円 |
3,208百万円 |
△1,256百万円 |
△28.1% |
調整額 |
△3,827百万円 |
△6,633百万円 |
△2,806百万円 |
- |
合計 |
22,456百万円 |
18,045百万円 |
△4,411百万円 |
△19.6% |
(注)当連結会計年度より、連結子会社であるUBE America Inc.及びUBE CORPORATION AMERICA INC.を「その他」から「樹脂・化成品」へセグメント変更しています。前連結会計年度の売上高及び営業利益は、変更後の区分方法により作成したものです。
②経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
2022年度を初年度とする中期経営計画における数値目標と進捗状況は以下のとおりです。
<主要項目・経営指標>
|
2022年度 (原計画) |
2022年度 実績 |
2023年度 (原計画) |
2023年度 実績 |
2024年度 (原計画) |
2024年度 |
売上高 |
5,100億円 |
4,947億円 |
5,200億円 |
4,682億円 |
5,200億円 |
4,868億円 |
営業利益 |
345億円 |
162億円 |
410億円 |
225億円 |
400億円 |
180億円 |
経常利益 |
310億円 |
△87億円 |
450億円 |
363億円 |
470億円 |
224億円 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
210億円 |
△70億円 |
320億円 |
290億円 |
330億円 |
△48億円 |
売上高営業利益率 |
6.8% |
3.3% |
7.9% |
4.8% |
8% |
3.7% |
自己資本利益率 |
5.6% |
△1.9% |
8.2% |
7.5% |
8% |
△1.2% |
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
機能品 |
60,926 |
0.3 |
樹脂・化成品 |
283,234 |
7.9 |
機械 |
75,990 |
△16.3 |
その他 |
35,004 |
2.7 |
合計 |
455,154 |
1.5 |
(注)金額は平均販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっています。
b.受注実績
当連結会計年度における機械の受注実績を示すと、次のとおりです。
なお、機械を除くセグメントの製品については、受注生産は行っていません。
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
機械 |
75,141 |
△8.3 |
50,828 |
△11.2 |
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
機能品 |
66,157 |
3.8 |
樹脂・化成品 |
287,230 |
11.1 |
機械 |
86,876 |
△10.3 |
その他 |
67,780 |
△9.0 |
消去 |
△21,241 |
- |
合計 |
486,802 |
4.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっています。
2.当連結会計年度より、連結子会社であるUBE America Inc.及びUBE CORPORATION AMERICA INC.を「その他」から「樹脂・化成品」へセグメント変更しており、前年同期比は変更後の事業セグメントの区分に組み替えた数値によって算出しています。
④財政状態
総資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ766億3千5百万円(9.7%)増加し、8,656億6千9百万円となりました。
流動資産は、原材料及び貯蔵品等の棚卸資産が減少したものの、現金及び預金が増加したことなどにより626億9千9百万円(21.2%)増加し、3,583億7千7百万円となりました。
固定資産は、無形固定資産や繰延税金資産が増加したことなどにより138億6千7百万円(2.8%)増加し、5,070億6千8百万円となりました。
繰延資産は、社債発行費が増加したことにより6千9百万円(44.5%)増加し、2億2千4百万円となりました。
負債
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ939億7千7百万円(26.1%)増加し、4,536億5千6百万円となりました。有利子負債は1,171億4百万円(54.9%)増加し、3,305億3千6百万円となりました。
流動負債は、短期借入金やコマーシャル・ペーパーが増加したものの、支払手形及び買掛金が減少したことなどにより5億2百万円(△0.3%)減少し、1,977億1千9百万円となりました。
固定負債は、社債や長期借入金が増加したことなどにより944億7千9百万円(58.5%)増加し、2,559億3千7百万円となりました。
純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ173億4千2百万円(△4.0%)減少し、4,120億1千3百万円となりました。
株主資本は、利益剰余金が配当により106億7千9百万円、親会社株主に帰属する当期純損失により48億1千6百万円減少したことなどにより153億9千万円(△4.4%)減少し、3,382億2千6百万円となりました。
その他の包括利益累計額は、その他有価証券評価差額金が減少したものの、為替換算調整勘定や退職給付に係る調整累計額が増加したことなどにより17億7千9百万円(3.2%)増加し、568億5千2百万円となりました。
非支配株主持分は、36億9千3百万円(△17.9%)減少し、169億1千1百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ6.2ポイント減少し、45.6%となりました。
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増 減 |
総資産 |
789,034百万円 |
865,669百万円 |
76,635百万円 |
負債 |
359,679百万円 |
453,656百万円 |
93,977百万円 |
純資産 |
429,355百万円 |
412,013百万円 |
△17,342百万円 |
⑤キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は358億3千7百万円(前連結会計年度に比べ171億2千3百万円の減少)となりました。これは税金等調整前当期純損失、減価償却費、減損損失、運転資金の増減等から法人税等の支払額を控除した結果となります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は631億5千2百万円(前連結会計年度に比べ298億3千6百万円の増加)となりました。これは設備投資による支出等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により得られた資金は1,058億5千1百万円(前連結会計年度は157億1千2百万円の支出)となりました。これは有利子負債の借入等によるものです。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額を含め、前連結会計年度末に比べ795億8千3百万円(221.9%)増加し、1,154億4千2百万円となりました。
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増 減 |
営業活動によるキャッシュ・フロー |
52,960百万円 |
35,837百万円 |
△17,123百万円 |
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△33,316百万円 |
△63,152百万円 |
△29,836百万円 |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△15,712百万円 |
105,851百万円 |
121,563百万円 |
⑥資本の財源及び資金の流動性に関する情報
(財務の基本方針)
当社グループは、財務構造の健全性維持及び資金の効率的調達・運用を基本方針として財務活動を行っており、取締役会がその活動状況を監督しています。資金調達については、自己資金のほか、金融機関からの借入や社債、コマーシャル・ペーパー(電子CP)の発行等により行っています。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、緊急時の資金調達手段の確保等を目的として、一部の取引銀行とコミットメントライン設定契約を締結しています。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、スペシャリティ化学企業としての成長を目指し、1st Stageとして2022年度からスタートした前中期経営計画において積極的な投資活動を行ってきました。そのための財源として、営業キャッシュ・フローから1,376億円、資産売却で78億円、負債調達で1,273億円、その他174億円のキャッシュインにより合計2,901億円の資金を確保しました。使途については、設備投資に1,260億円、投融資に241億円、研究開発に306億円、株主還元に295億円、合計2,102億円を支出しました。設備投資1,260億円のうち60%はスペシャリティ事業へ投資しており、主要な案件は、宇部ケミカル工場におけるポリイミドフィルム工場やポリイミド原料モノマー(BPDA)工場の増設、タイにおけるPCD製造設備の増設、米国におけるDMC・EMC工場の建設です。2024年度末の手元キャッシュ残高は1,154億円となりましたが、これは2025年4月1日にウレタンシステムズ事業の株式取得対価を支払うために一時的に残高が積み上がったものです。基本方針として、手元キャッシュ残高は400億円程度を目安に適切にコントロールします。
続く新中期経営計画では、2nd Stageとして投資効果の確実な発現と更なる成長施策を推進します。6年間で4,300億円の営業キャッシュ・フローと、資産売却等による1,450億円のキャッシュインを見込んでおり、これには、UBEマシナリー株式会社(機械事業)及びUBE三菱セメント株式会社(セメント関連事業)の上場に伴うキャッシュインも織り込んでいます。創出したキャッシュは、設備投資、投融資、研究開発といった成長投資に重点的に投じ、総額5,450億円のうち75%をスペシャリティ事業へ振り向けます。機械事業やセメント関連事業の上場準備を進める一方、スペシャリティ事業への投資を拡大し、事業ポートフォリオの入れ替えを進めます。また、株主還元は安定配当を基本方針として700億円の配当を計画する一方で、有利子負債は350億円削減します。
財務の健全性については、新中期経営計画では、高水準の設備投資・投融資を計画しているため、一時的に財務的なストレスが高まることも想定しています。D/Eレシオを1倍以内とすることを一つの目安と考え、有利子負債の水準を市場からの信頼を維持できる範囲内に抑制し、財務健全性及び市場からの信頼を維持していきます。
(2)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たり、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告年度における収益・費用の数値に影響を与える将来に関する見積り及び仮定が必要であり、過去の実績やその他の様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っています。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社は製品・サービス別に経済的特徴及び市場が類似している事業セグメントを集約し、「機能品」、「樹脂・化成品」、「機械」、「その他」を報告セグメントとしています。
「機能品」は、ポリイミド、分離膜、セラミックス、セパレータ等の製造・販売を行っています。
「樹脂・化成品」は、コンポジット、ナイロンポリマー、カプロラクタム(ナイロン原料)、硫安、工業薬品、C1ケミカル(DMC、EMC等)、高機能コーティング、エラストマー(合成ゴム)等の製造・販売を行っています。
「機械」は成形機(ダイカストマシン、押出プレス、射出成形機)、産業機械(窯業機、化学機器、粉砕機、運搬機、除塵機、破砕機)、橋梁・鉄構等の製造・販売を行っています。
「その他」は、医薬品(原体・中間体)等の製造・販売、電力供給、不動産の売買・賃貸借及び管理等を行っています。
当連結会計年度より、連結子会社であるUBE America Inc.及びUBE CORPORATION AMERICA INC.につきましては、従来「その他」に含めていましたが、当該子会社の業務管理区分を見直し、「樹脂・化成品」に含めて記載する方法に変更しています。
なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを開示しています。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一です。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値です。
セグメント間の内部売上高又は振替高は市場実勢価格に基づいています。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
報告セグメント |
調整額 (注1) |
連結 財務諸表 計上額 (注2) |
||||
|
機能品 |
樹脂・化成品 |
機械 |
その他 |
計 |
||
売上高 |
|
|
|
|
|
|
|
外部顧客への 売上高 |
46,142 |
244,620 |
96,476 |
80,999 |
468,237 |
- |
468,237 |
セグメント間の 内部売上高又は 振替高 |
17,608 |
13,939 |
410 |
△6,520 |
25,437 |
△25,437 |
- |
計 |
63,750 |
258,559 |
96,886 |
74,479 |
493,674 |
△25,437 |
468,237 |
セグメント利益 (営業利益) |
12,110 |
2,541 |
7,168 |
4,464 |
26,283 |
△3,827 |
22,456 |
セグメント資産 |
80,089 |
293,438 |
93,047 |
81,444 |
548,018 |
241,016 |
789,034 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
減価償却費 (注3) |
3,817 |
14,409 |
2,389 |
3,916 |
24,531 |
2,041 |
26,572 |
持分法適用会社への投資額 |
4,843 |
24,700 |
- |
3,679 |
33,222 |
173,710 |
206,932 |
有形固定資産及び無形固定資産の 増加額(注4) |
7,932 |
14,768 |
2,558 |
4,795 |
30,053 |
6,009 |
36,062 |
(注1)調整額は以下のとおりです。
(1)セグメント利益の調整額△3,827百万円には、セグメント間取引消去△199百万円、各報告セグメントに
配分していない全社費用△3,628百万円が含まれています。全社費用は主に報告セグメントに帰属しない
一般管理費等です。
(2)セグメント資産の調整額241,016百万円には、セメント関連事業の資産175,158百万円、セグメント間の
債権の消去等△34,807百万円、報告セグメントに帰属しない全社資産100,665百万円が含まれています。
(3)減価償却費の調整額2,041百万円は、報告セグメントに帰属しない全社資産の減価償却費です。
(4)持分法適用会社への投資額の調整額173,710百万円は、セメント関連事業の投資額です。
(5)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額6,009百万円は、報告セグメントに帰属しない全社資産の
増加額です。
(注2)セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っています。
(注3)減価償却費には、長期前払費用の償却額を含んでいます。
(注4)有形固定資産及び無形固定資産の増加額には、長期前払費用の増加額を含んでいます。
当連結会計年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
報告セグメント |
調整額 (注1) |
連結 財務諸表 計上額 (注2) |
||||
|
機能品 |
樹脂・化成品 |
機械 |
その他 |
計 |
||
売上高 |
|
|
|
|
|
|
|
外部顧客への 売上高 |
50,250 |
270,315 |
86,362 |
79,875 |
486,802 |
- |
486,802 |
セグメント間の 内部売上高又は 振替高 |
15,907 |
16,915 |
514 |
△12,095 |
21,241 |
△21,241 |
- |
計 |
66,157 |
287,230 |
86,876 |
67,780 |
508,043 |
△21,241 |
486,802 |
セグメント利益 (営業利益) |
11,668 |
1,919 |
7,883 |
3,208 |
24,678 |
△6,633 |
18,045 |
セグメント資産 |
94,028 |
370,888 |
78,991 |
82,253 |
626,160 |
239,509 |
865,669 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
減価償却費 (注3) |
4,095 |
14,319 |
2,023 |
3,914 |
24,351 |
2,820 |
27,171 |
持分法適用会社への投資額 |
5,133 |
24,685 |
- |
4,872 |
34,690 |
176,939 |
211,629 |
有形固定資産及び無形固定資産の 増加額(注4) |
14,236 |
34,101 |
2,932 |
4,006 |
55,275 |
5,383 |
60,658 |
(注1)調整額は以下のとおりです。
(1)セグメント利益の調整額△6,633百万円には、セグメント間取引消去△403百万円、各報告セグメントに
配分していない全社費用△6,230百万円が含まれています。全社費用は主に報告セグメントに帰属しない
一般管理費等です。
(2)セグメント資産の調整額239,509百万円には、セメント関連事業の資産178,413百万円、セグメント間の
債権の消去等△123,561百万円、報告セグメントに帰属しない全社資産184,657百万円が含まれています。
(3)減価償却費の調整額2,820百万円は、報告セグメントに帰属しない全社資産の減価償却費です。
(4)持分法適用会社への投資額の調整額176,939百万円は、セメント関連事業の投資額です。
(5)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額5,383百万円は、報告セグメントに帰属しない全社資産の
増加額です。
(注2)セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っています。
(注3)減価償却費には、長期前払費用の償却額を含んでいます。
(注4)有形固定資産及び無形固定資産の増加額には、長期前払費用の増加額を含んでいます。
【関連情報】
前連結会計年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報の中で同様の情報を記載しているため、記載を省略しています。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(単位:百万円)
日本 |
アジア |
ヨーロッパ |
その他 |
計 |
232,213 |
126,342 |
62,308 |
47,374 |
468,237 |
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
(2) 有形固定資産
(単位:百万円)
日本 |
タイ |
スペイン |
アメリカ |
その他 |
計 |
149,909 |
40,378 |
24,740 |
6,921 |
210 |
222,158 |
3.主要な顧客ごとの情報
特定の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%未満であるため、記載を省略しています。
当連結会計年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報の中で同様の情報を記載しているため、記載を省略しています。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(単位:百万円)
日本 |
アジア |
ヨーロッパ |
その他 |
計 |
226,017 |
138,394 |
65,011 |
57,380 |
486,802 |
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
(2) 有形固定資産
(単位:百万円)
日本 |
タイ |
スペイン |
アメリカ |
その他 |
計 |
150,932 |
21,967 |
23,906 |
25,676 |
220 |
222,701 |
(表示方法の変更)
前連結会計年度において「その他」に含めて表示していた「アメリカ」の有形固定資産については、重
要性が増したため、当連結会計年度より区分掲記することとしました。この表示方法の変更を反映させる
ため、前連結会計年度の表示の組み替えを行っています。
この結果、前連結会計年度の「その他」7,131百万円は、「アメリカ」6,921百万円、「その他」210百万
円として組み替えています。
3.主要な顧客ごとの情報
特定の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%未満であるため、記載を省略しています。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
機能品 |
樹脂・化成品 |
機械 |
その他 |
全社・消去 |
計 |
減損損失 |
180 |
121 |
- |
15 |
37 |
353 |
(注)「全社・消去」の金額は、セグメントに帰属しない全社資産に係る減損損失です。
当連結会計年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
機能品 |
樹脂・化成品 |
機械 |
その他 |
全社・消去 |
計 |
減損損失 |
143 |
28,961 |
- |
2 |
△27 |
29,079 |
(注)「全社・消去」の金額は、セグメントに帰属しない全社資産に係る減損損失及び
有形固定資産に係る未実現利益の消去額です。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
機能品 |
樹脂・化成品 |
機械 |
その他 |
全社・消去 |
計 |
当期償却額 |
- |
181 |
22 |
37 |
- |
240 |
当期末残高 |
- |
1,094 |
27 |
327 |
- |
1,448 |
なお、2010年4月1日前に行われた企業結合等により発生した負ののれんの償却額及び未償却残高は、以下のとおりです。
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
機能品 |
樹脂・化成品 |
機械 |
その他 |
全社・消去 |
計 |
当期償却額 |
110 |
- |
- |
- |
- |
110 |
当期末残高 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
当連結会計年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
機能品 |
樹脂・化成品 |
機械 |
その他 |
全社・消去 |
計 |
当期償却額 |
- |
189 |
22 |
36 |
- |
247 |
当期末残高 |
- |
2,122 |
5 |
291 |
- |
2,418 |
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)
該当事項はありません。