事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 3,970 | 100.0 | 996 | 100.0 | 25.1 |
事業内容
3【事業の内容】
私たちワンキャリアは「人の数だけ、キャリアをつくる。」をミッションに掲げ、個人・企業が仕事選びに関するあらゆるデータを利用できるプラットフォームとして3つのサービスを展開しております。
- はじめてのキャリアを選ぶ、就活サイト「ONE CAREER」
- 次のキャリアが見える、転職サイト「ONE CAREER PLUS」
- 採用活動のDX(デジタルトランスフォーメーション)(注1)推進を支援する「ONE CAREER CLOUD」
多くの人にとって仕事は人生で最も時間を投資する対象であるにも関わらず、仕事選びに関しては意思決定の基準となるようなデータが少なく、いまだに就職してから後悔する人が後を絶たない状況です。私たちは、すべての個人のキャリアに向き合い、キャリアデータ(注2)を集め、多様化する世の中において仕事選びと採用活動をアップデートしていきます。
(注1)DX(デジタルトランスフォーメーション):企業活動にデータとデジタル技術を活用することで、ビジネスモデルや業務、サービスなどを変革し、競争上の優位性を確立すること。
(注2)キャリアデータ:個人の就職・転職活動における活動履歴(どの企業にエントリーしたのか、どの企業から内定を獲得したのかなど)やキャリアパス(どの企業からどの企業へ転職したのか、その過程でどの企業を就職先の候補として検討したのかなど)の情報。または企業の採用活動(包括的な採用のプロセス、詳細な面接内容、内定者や入社者の属性の傾向など)の情報。仕事選びに関する個人と企業が必要とするあらゆるデータの総称。
・キャリアデータプラットフォーム
日本ではインターネットの普及に伴い、WEB上での求人広告が一般的となっています。しかし、求職者は就職の意思決定に必要な情報を手に入れるために、オンラインの求人サイトや企業の採用ページ、オフラインの在職者との面談(OB・OG訪問)や企業の会社説明会など、異なる複数のチャネルにアクセスしなければなりませんでした。
当社が構築する「キャリアデータプラットフォーム」は、これまで求職者が複数のチャネルを横断して手に入れる必要があった就職の意思決定に必要な情報を、まとめて1箇所で得ることができるプラットフォームであり、求職者からの就職活動の体験情報を中心とする、これまで公開されていなかったキャリアデータを蓄積し、就職・採用の意思決定に必要な情報として、求職者と企業の双方に提供するものです。当社はキャリアデータプラットフォームにキャリアデータを求めて集まる求職者と企業の多様な雇用機会を創出するとともに、それぞれの意思決定に必要な情報を合わせて提供することで、「知っていれば避けられた」採用のミスマッチを防ぎ、仕事選びにおける意思決定を支援しております。
このキャリアデータプラットフォームにおいて、求職者には新卒採用支援メディア「ONE CAREER」と中途採用支援メディア「ONE CAREER PLUS」によって、企業には採用DX支援を行う「ワンキャリアクラウドシリーズ(注3)」によって、求人メディアや採用ソリューションを提供しております。
(注3)ワンキャリアクラウドシリーズ:人材採用に特化したクラウド型サービスです。当社の「キャリアデータプラットフォーム」を活用した採用DX支援により、人材採用の課題を包括的に解決するサービスです。現時点では新卒採用領域において求人掲載、オンライン企業説明会、スカウト、採用計画などの各種機能を提供しております。
「キャリアデータプラットフォームのイメージ」
当社が収集・保有するキャリアデータは、どのような求職者がどのような企業に興味を持ち、選考を受け、評価されているのかを浮き彫りにする「求職者に関するキャリアデータ」と、企業が開示している求人情報や、求職者による就職活動の体験情報から、どのような企業がどのような選考方法や採用基準で採用活動を行っているのか、その結果どのような求職者を採用しているのかを浮き彫りにする「企業に関するキャリアデータ」に大別されます。当社が収集・保有するキャリアデータの具体的な内容は以下のとおりであります。
求職者に関するキャリアデータ |
·求職者がどのような企業について、閲覧/お気に入り登録/エントリー/内定したかなどの個人が特定できない形で処理した匿名の行動情報 ·求職者がどの企業からどの企業にどういった動機で転職したかという転職履歴情報(中途採用領域) |
企業に関するキャリアデータ |
·エントリーシートや面接の質問事項や実施時期、インターンシップの内容や実施概要など、企業の採用活動・選考の内容に関する情報 ·企業の説明会や選考活動に対する感想や評判などの、求職者からの評価 |
・業界を取り巻く環境変化と課題
当社の属するHR(Human Resource:人的資材)マーケットでは、日本国内においては、少子高齢化により労働人口の減少は今後避けられず、更に労働生産性は主要先進7カ国において最下位を記録するなど、国全体で限られた労働資源を有効活用し生産性を高めていくことが急務となっていると考えております(出所:公益財団法人日本生産性本部「労働生産性の国際比較2023」)。
同時に企業においても、人々の働き方が多様化し人材の流動化が加速する中で、「労働生産性の向上」と「働く人々の満足度の向上」を両立させることが強く求められています。そのような中、近年あらゆる領域においてデジタル化の波が急激に訪れており、これらの社会課題がDXにより解決されることが期待されています。しかし、人材採用領域においては、労働集約型の旧態依然としたビジネスモデルが主流であり、必ずしもDXが積極的に推進されているという状況ではありません。また、これまでの日本のHRマーケットにおいては、終身雇用が前提となっていたため、一企業に個人のキャリアデータが蓄積されてきたほか、仲介業者においても情報を囲い込むことで価値を生み出すような、閉鎖的なビジネスモデルが主流となっており、キャリアデータを有効に活用した就職・採用活動を行うことは困難な環境でした。近年、HRマーケットにおいては、HR Techといったテクノロジーやデータを活用した新しいサービス分野が拡大しつつありますが、マーケット全体を見渡すとまだまだキャリアデータの活用は十分とは言えません。
仕事を選ぶ個人にとっても、新卒一括採用、終身雇用、年功序列型賃金などが特徴的である日本の雇用制度は転換期を迎えているため、一人ひとりが自らの責任においてキャリアプランを考え、能動的に就職の意思決定に必要な情報(キャリアデータ)を収集し、ミスマッチを減らすための効率的な就職活動を進めていくことが強く求められます。
当社は、これらの国、企業、個人それぞれが抱える課題を、キャリアデータプラットフォームを活用して、解決してまいります。企業は当社のサービス(ワンキャリアクラウドシリーズ)を活用することで、キャリアデータに基づいた定量的な採用活動を行うことができます。その結果、今や国家施策となっているDX推進の取り組みを、人材採用領域において推進することに繋がり、これまでアナログな人海戦術で対応していた企業の採用業務に掛かる大幅な手間の削減と、これまでの採用活動では難しかったデジタルを活用した新たな採用手法の選択肢を拡大することが可能となります。更に当社が提供するキャリアデータに基づく仕事選びの意思決定は、国全体の最適な人材配置や多様な雇用機会の創出を促し、国家や企業の課題であった労働生産性の向上と働く人々の満足度の向上につながると考えており、今後その実現に向けて取り組んでまいります。
また、求職者は当社のサービス(新卒採用支援メディア「ONE CAREER」及び中途採用支援メディア「ONE CAREER PLUS」)を活用することで、就職の意思決定に必要な情報に容易にアクセスすることができるため、求職者自身にとって最適な「仕事(職)」と巡り合える機会が拡大し、ミスマッチを減らす効率的な就職活動を行うことができます。
今後、企業の経営環境や雇用市場はより流動的になることが予想され、HRマーケットを取り巻く課題への対応が急務となるため、キャリアデータの価値が益々高まっていくものと当社は考えております。
・ビジネスモデル
当社は「キャリアデータプラットフォーム」事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりませんが、主たるサービスの特徴を分類すると、(1)採用DX支援サービス、(2)その他のサービスになります。
(1)採用DX支援サービス
・求人メディア
当社は新卒採用支援メディア「ONE CAREER」を運営しております。「ONE CAREER」は新卒入社までの最初のキャリア選択をサポートするサービスで、求職者の声を中心とした就職活動の体験情報を集めたコンテンツと、プロの編集チームが作成したコンテンツを融合したハイブリッドメディアです。就職活動の体験情報などのコンテンツをパソコンやスマートフォンで簡単に閲覧できる仕組みを作ることで、就職活動をおこなう求職者が企業に関するキャリアデータにいつでもどこでもアクセスすることができるサービスを展開しております。
「ONE CAREER」は、スマートフォンを中心としたインターネットを通じて、求職者には就職活動に必要なあらゆる情報を提供する就職支援サービスを、企業には求人情報を発信することで母集団形成を行うことができる採用支援サービス(ワンキャリアクラウドシリーズ)をそれぞれ提供しております。
求職者から投稿される就職活動の体験情報はキャリアデータとして「ONE CAREER」上で公開され、求職者は「ONE CAREER」の会員となることで、企業に関するキャリアデータを無料で閲覧することができます。求職者は、企業が過去に行った会社説明会や選考の内容、採用スケジュール、面接の際の雰囲気や質問内容などといった、就職活動において本当に知りたい情報を得ることが可能です。
また、当社では独自の審査部門を持ち、投稿された就職活動の体験情報の信頼性を審査(注4)することで品質を担保しております。そのため、就職活動において必要かつ信頼できる情報を得られる手段としてニーズが高まっています。「ONE CAREER」を利用する求職者は、2023年12月期末時点には、158万人を突破し、年々増加しております。
(注4)審査:投稿された就職活動の体験情報の内容を全件審査しております。
これまでの会員数(注5)の推移と新卒採用領域における会員獲得率(注6)は下図のとおりであります。
「会員数」
(注5)会員数:各期間末日時点で新卒採用支援メディア「ONE CAREER」に会員登録をしていた人数(退会者を除く)の累計で、全ての卒業年度の会員を含みます。
「新卒採用領域における会員獲得率」
(注6)新卒採用領域における会員獲得率:各年に大学もしくは大学院を卒業するユーザーの、卒業年度別学生の総数に対するシェア率です。但し、2024年入社予定のユーザーのシェアは、2023年12月期末までに当社サービスを利用したユーザー数により算出しています。また、2023年入社者までは文部科学省発表「令和5年度学校基本調査(確定値)の公表について」における各年度の就職者数の合計値からシェア率を算出、2024年は2023年入社者と同等の数値を採用しています。2023年就職者数の合計値が公表されたため、2023年入社者の利用率を更新しております。
他方、企業に対しては、「キャリアデータプラットフォーム」を活用して採用活動を支援するワンキャリアクラウドシリーズを提供しております。
求人メディアサービスとしては、新卒採用支援メディア「ONE CAREER」に会社情報や求人広告を掲載することができるワンキャリアクラウドシリーズの求人掲載機能を利用することで、企業は自社の企業イメージや魅力を求職者に伝えることが可能です。掲載できる情報は、テキストや画像データによる企業説明情報に加えて、インターンシップや会社説明会などの募集情報、タイアップ記事広告など多岐にわたり、これらの掲載情報を通じて多くの求職者にアプローチすることができるほか、自社の採用イメージを向上させるためのブランディングが可能となります。
また、当社は企業の採用説明会を動画で配信する、オンライン企業説明会サービスを提供しております。
新型コロナウイルス感染症は2023年5月から5類感染症に位置付けは変更になりましたが、地理的な制限や会場の収容人数の制限を受けることなく、求職者と企業双方にとって効率的な就職活動を行うことができるため、オンライン企業説明会サービスへのニーズは堅調に推移しています。
「オンライン企業説明会サービスのイメージ」
当社では、「ONE CAREER」を利用する求職者会員数の拡大とともに、大企業からスタートアップまで法人の顧客基盤を拡大し続け、2023年12月期末時点には、法人取引累計社数(注7)は2,903社となっております。
「ONE CAREER」は、求人広告や採用説明会をオンラインで提供するプラットフォームとして、企業の採用活動のDXを推進いたします。
これまでの法人取引累計社数の推移と、年間取引社数(注8)は、それぞれ以下のとおりであります。
「法人取引累計社数」
(注7)法人取引累計社数:各期間末日時点で当社と有償取引を行ったことのある法人顧客数(注9)の累計です。
「年間取引社数」
(注8)年間取引社数:各事業年度において当社と有償取引を行った法人顧客数です。
(注9)法人顧客数:2021年度まで契約社数で集計しておりましたが、取引実態をより明確に示すことを目的として、2022年度よりサービス提供社数で集計しております。
・採用ソリューション
採用ソリューションは、当社に蓄積された膨大なキャリアデータを活用し、企業の人事担当者が行う新卒採用業務の支援を行うソリューションサービスです。企業向けの採用コンサルティングや、2020年6月より開始したワンキャリアクラウドシリーズの採用計画機能によって、採用ターゲットとなる求職者がいつどの程度活動しているのか、採用競合となる他社がいつどのような採用活動を行っているのかといった、採用活動計画を立案する際に必要なマーケティングデータを提供し、採用業務に役立つソリューションの提供を行っております(なお、2023年12月期末時点では、ワンキャリアクラウドシリーズの採用計画機能は全ての法人顧客に無償で利用いただけるサービスとなっております。今後は機能の拡張により一部有償化することを予定しております。)。
これまでの採用サービスでは、求職者は企業の募集情報を探し応募するときだけにサービスを利用することが一般的でした。これに対して「ONE CAREER」では、求職者は募集情報を探し応募するときだけでなく、就職活動期間を通じて「ONE CAREER」に蓄積した膨大なキャリアデータを閲覧することで、就職活動開始時の基礎知識の学習や、求人応募後の企業研究や採用選考の対策を行っており、数か月から長ければ1年以上とサービス利用期間が長いことが特徴的です。そのため当社には、求職者の就職活動期間を通じた行動履歴データが蓄積されております。行動履歴データとは、求職者がWEBサイトを訪問し、いつどの企業の求人へ応募をしたのか、どのページを閲覧したのかなどの履歴情報であり、それらを蓄積することによって求職者の興味・関心を分析することが可能です(全ての行動履歴データは特定の個人を識別できないよう加工を施して利用しております。)。求職者から投稿される就職活動の体験情報とあわせて、当社独自のデータベースを構築しております。
企業は、本サービスを通じて企業と求職者に関するキャリアデータを得て、競合他社の採用活動の実態や、自社の採用活動の評判などを知ることができるため、自社の採用手法を改善し、求職者を獲得するための取り組みを進めることや、自社の採用計画をワンキャリアクラウド上で作成し、履歴を保存することが可能です。企業の人事担当者が変更になった際にも、本サービスを情報の引継ぎなどに活用することで、採用活動の負担を削減することにも役立ちます。
ワンキャリアクラウドについては今後、採用計画の立案から求職者の募集、応募者の管理(注10)に至るまで、企業の採用活動を一気通貫して支えるデジタルツールとして提供することで、企業の採用活動のDXを推進することを目指します。
(注10)応募者管理システムとしてワンキャリアクラウドシリーズの採用管理機能を一部顧客にβ版として提供を開始しております。顧客ごとに、求職者の評価に関するデータを収集し、より顧客ニーズにあわせた採用戦略を提案することが可能になります。
また、実際に働いている社員や会社の雰囲気を知りたい学生のニーズに応える商品として、オフラインイベントを定期的に開催しております。
(2)その他のサービス
その他のサービスとして、「マーケティングアライアンス」、「中途採用事業」のサービスを提供しております。なお「中途採用事業」は2021年6月より開始し、現時点では業績に与える影響は小さいものの、今後の事業拡大を目指します。
当社の「キャリアデータプラットフォーム」事業で提供している各サービスの概要は以下のとおりであります。
採用DX支援サービス |
|
・求人メディア |
企業の魅力を伝え、母集団形成を行うことが可能なサービス。新卒採用支援メディア「ONE CAREER」への求人広告を掲載する求人掲載と企業の採用に関する会社説明を動画で配信するサービスの他、母集団形成を補うターゲティングメールなどのオプションサービスを提供。 |
・採用ソリューション |
当社保有のデータを活用したサービス。学生や競合他社の動向を企業の採用活動に反映させることが可能。加えて、学生及び企業のニーズに合わせたオフラインイベントを実施。 |
その他のサービス |
|
・マーケティングアライアンス |
「ONE CAREER」の求職者会員を他のHRサービスなどのアライアンスパートナーに送客し、成果発生件数に応じて収益を得る成果報酬制サービス。 |
・中途採用事業 |
中途採用支援メディア「ONE CAREER PLUS」へ求人広告の掲載や、企業への人材紹介を提供するサービス。 |
[事業系統図]
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
(総資産)
当事業年度末における総資産は4,190,004千円となり、前事業年度末に比べ873,793千円増加しました。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は3,434,966千円となり、前事業年度末に比べ607,366千円増加しました。これは主に現金及び預金528,787千円の増加、売掛金55,947千円の増加によるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は755,038千円となり、前事業年度末に比べ266,426千円増加しました。これは主にソフトウエア仮勘定111,708千円の減少の一方で、ソフトウエア178,694千円の増加、建物72,648千円の増加、敷金及び保証金70,474千円の増加によるものであります。
(負債合計)
当事業年度末における負債合計は1,133,812千円となり、前事業年度末に比べ112,602千円増加しました。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は1,133,812千円となり、前事業年度末に比べ251,446千円増加しました。これは主に未払金33,537千円の減少があった一方で、契約負債150,490千円の増加、短期借入金100,000千円の増加によるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債はありません。これは返済に伴う長期借入金138,844千円の減少によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は3,056,191千円となり、前事業年度末に比べ761,190千円増加しました。これは主に当期純利益の計上による利益剰余金694,540千円の増加、ストックオプションの行使による新株の発行及び、譲渡制限付株式報酬としての新株の発行による資本金並びに資本剰余金66,635千円の増加によるものであります。
②経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の分類が2類から5類へ移行し、経済社会活動を後押しする形になりました。しかしながら、金融資本市場の変動、物価高騰など、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
人材採用領域においては、有効求人倍率(季節調整値)は2023年12月には1.27倍となり、人材需要は継続して堅調な回復を見せております。また新型コロナウイルス感染症の影響で増えたオンラインでの採用活動が、企業の採用プロセスとして定着したことにより、企業の採用DXへの需要は堅調に推移しております。また、大学での授業をオフラインで実施することが基本となり、部活動やサークル活動といった課外活動がコロナ禍前のように活気を取り戻しつつあるなど、大学生を取り巻く環境に変化も起きています。
このような環境の中、当社は積極的な法人向けの広告宣伝活動等で新規取引先との接点を増やし、求人掲載サービスやオンライン企業説明会サービスの販売に繋げました。さらに前事業年度からは、ワンキャリアクラウドシリーズのスカウトサービスをリリースし、販売パートナーの募集を開始するなど、新規取引先の開拓に注力しております。
当事業年度において会員数は1,580千人(前期比309千人増)、法人取引累計社数は2,903社(前期比1,050社増)となりました。
以上の結果、当事業年度における売上高は3,970,292千円(前期比39.8%増)、営業利益996,039千円(前期比60.9%増)、経常利益997,355千円(前期比60.3%増)、当期純利益694,540千円(前期比55.7%増)となりました。
なお、当社はキャリアデータプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べて、528,787千円増加し、3,186,669千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は916,972千円(前事業年度は664,086千円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額239,591千円、売上債権の増加額55,947千円があった一方で、税引前当期純利益992,361千円、契約負債の増加額150,490千円、減価償却費84,862千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は362,188千円(前事業年度は125,217千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出128,910千円、有形固定資産の取得による支出93,914千円、敷金及び保証金の差入による支出75,303千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は25,996千円(前事業年度は112,415千円の支出)となりました。これは主に、短期借入れによる収入100,000千円があった一方で、長期借入金の返済による支出171,004千円があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が提供するサービスには生産に該当する事項がないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当社の販売実績は次のとおりであります。なお、当社は、キャリアデータプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
事業の名称 |
当事業年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
|
金額(千円) |
前期比(%) |
|
キャリアデータプラットフォーム |
3,970,292 |
39.8 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
新規取引社数が大きく成長し、既存の顧客との取引も継続し、取引単価のアップを実現したことで、ほとんどの商品の売上高が堅調に推移し、売上高は3,970,292千円(前期比39.8%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上高の増加に伴う労務費及び外注費等の増加があった一方で、規律ある投資と継続的な費用の見直し等、筋肉質な事業運営を行ったことにより、売上原価は前期比16.3%増の703,507千円、売上原価率は3.6ポイント減少して17.7%となりました。この結果、売上高の増加と合わせて売上総利益は3,266,784千円(前期比46.2%増)と増大しました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
中途採用を積極的に行ったことによる給料及び手当の増加241,778千円、法人向けの広告宣伝への投資による広告宣伝費の増加81,432千円、オフィス増床による地代家賃の増加74,784千円などにより、販売費及び一般管理費は2,270,745千円(前期比40.5%増)となりましたが、売上高の増加に伴い、営業利益は996,039千円(前期比60.9%増)と増大しました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は2,350千円(前期比36.4%減)となり、営業外費用は1,034千円(前期比82.4%増)となりました。この結果、経常利益は997,355千円(前期比60.3%増)となりました。
(特別損益及び当期純利益)
当事業年度の特別損益の内訳は、特別損失として投資有価証券評価損4,993千円となりました。
法人税等合計が297,820千円となり、当期純利益は694,540千円(前期比55.7%増)となりました。
なお、当社の財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析等は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
③資本の財源及び資金の流動性
当社においては、顧客獲得、受注拡大のための人件費や広告宣伝費、人員獲得のための採用費への資金投下は継続的に実施する方針です。必要な資金については、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としています。
資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考慮して実施してまいります。また、内部留保については、将来の成長のための事業展開と経営体質の強化に優先的に充当してまいります。既存事業の成長に加え、今後の事業展開の過程において、出資、アライアンス、M&A等の投融資の可能性も積極的に追求してまいります。
④経営上の目標及び達成状況の分析
当社は、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、売上高の対前期増加率と法人取引累計社数を重要な経営指標と位置付けております。売上高の対前期増加率については、細分化して売上高対前年同四半期増加率の達成状況の分析をおこなっております。
当該指標については、下表のとおり売上高対前年同四半期増加率は四半期毎での変動はあるものの堅調に推移しており、法人取引累計社数も継続的に増加しております。今後も営業活動及び広告宣伝活動の強化により新規法人取引社数の拡大に努め、安定的な前期比売上高の増加を目指してまいります。
(前事業年度)
|
第1四半期会計期間 (自 2022年1月1日 至 2022年3月31日) |
第2四半期会計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年6月30日) |
第3四半期会計期間 (自 2022年7月1日 至 2022年9月30日) |
第4四半期会計期間 (自 2022年10月1日 至 2022年12月31日) |
売上高対前年 同四半期増加率(%) |
38.1 |
51.0 |
74.9 |
28.4 |
法人取引累計社数(社)(注) |
1,118 |
1,256 |
1,537 |
1,853 |
(注)法人取引累計社数:各四半期会計期間末時点の数値となります。
(当事業年度)
|
第1四半期会計期間 (自 2023年1月1日 至 2023年3月31日) |
第2四半期会計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年6月30日) |
第3四半期会計期間 (自 2023年7月1日 至 2023年9月30日) |
第4四半期会計期間 (自 2023年10月1日 至 2023年12月31日) |
売上高対前年 同四半期増加率(%) |
61.3 |
37.0 |
28.0 |
37.8 |
法人取引累計社数(社)(注) |
2,024 |
2,274 |
2,553 |
2,903 |
(注)法人取引累計社数:各四半期会計期間末時点の数値となります。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
経営上の重要指標としている売上高の対前期増加率及び法人取引累計社数は、今後も成長させていく必要があると認識しており、マーケティング強化による知名度の向上、サービス機能の強化、安定的なサービス提供の施策を引き続き行っていきます。
また、その他で当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおり様々な要因があると認識しています。そのため、当社では市場動向に留意しつつ、求職者や企業に求められる機能やサービスを開発していくとともに、優秀な人材の採用、新規サービスの開拓、内部管理体制強化をしていくことにより、当社の経営成績に重要な影響を与えるリスクに適切に対応していく所存であります。
⑥経営者の問題認識と今後の方針について
当社が継続的に成長していくためには、経営者は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「3 事業等のリスク」に記載の様々な課題に対応していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために経営者は常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、最善の解決策を実施していく方針であります。