事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
| セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
|---|---|---|---|---|---|
| 調達プラットフォーム | 57,643 | 92.9 | 7,390 | 105.1 | 12.8 |
| マーケティングプラットフォーム | 3,842 | 6.2 | -260 | -3.7 | -6.8 |
| その他 | 551 | 0.9 | -96 | -1.4 | -17.4 |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループは「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンの基、デジタル化が進んでいない伝統的な業界にインターネットを用いて新しい仕組みを創り、既存のビジネス慣習を変えていくことで、当社グループの主な顧客である国内の中小企業・個人事業主の経営をより良くすることを目指し、事業を展開しております。
当社グループは当社及び関係会社12社で構成され、その主な事業内容と当社及び主な関係会社の当該事業に係る位置づけは次のとおりであります。なお、以下に示す事業区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
当連結会計年度より、従来「ラクスル」としていた報告セグメントの名称を「調達プラットフォーム」、従来「ノバセル」としていた報告セグメントの名称を「マーケティングプラットフォーム」に変更しております。また、2024年8月1日付で組織変更を実施し、マネジメント・アプローチの観点から、従来「その他」として開示していたペライチ事業を「マーケティングプラットフォーム」に変更しております。
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セグメント |
主な事業内容 |
主な関係会社 |
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調達プラットフォーム |
以下に掲げるプラットフォーム(ECサイト)の開発・運営その他これらに付随するサービス ①印刷・集客支援の受発注プラットフォーム「ラクスル」 ②段ボール・梱包材の受発注プラットフォーム「ダンボールワン」 ③印鑑・スタンプの受発注プラットフォーム「ハンコヤドットコム」 ④トートバッグの受発注プラットフォーム「トートバッグ工房」 |
株式会社ラクスルファクトリー 株式会社ハンコヤドットコム 株式会社エーリンクサービス ネットスクウェア株式会社 株式会社メーリングジャパン |
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マーケティングプラットフォーム |
①テレビCM・動画広告のプラットフォーム「ノバセル」の開発・運営その他これらに付随する広告代理店事業とマーケティングDX事業 ②ホームページ製作Saas「ペライチ」の開発・運営その他これらに付随するサービス |
ノバセル株式会社 株式会社Wild Side 株式会社ペライチ |
インターネットの普及及び技術革新により、既存産業におけるサプライヤー(当社の場合、印刷事業における提携印刷会社や配布会社)を統合するコストが大幅に低下しました。当社グループは、産業ごとにプラットフォームを創出することで、1社が全ての製造及び販売機能を持つのではなく、サプライヤーと顧客の需給を効率良く結び付ける産業形態の在り方を提示したいと考えております。
(1) 調達プラットフォームセグメント
[事業系統図]
印刷業界全体の市場規模は4.6兆円(注1)と大きなものでありますが、市場に1.3万社以上(注2)もの中小印刷会社が存在しており、供給過多になっているため、印刷機の実際の稼働率は低い水準にあると考えております。また、印刷機によって印刷できる印刷物が異なるため、自社で刷れないものは他の印刷会社に依頼するという“まわし仕事”が発生するといった非効率が残っているのが現状であります。
インターネットを使って全国の顧客から印刷の注文を集め、その注文をネットワークとして築いている印刷会社に発注し、印刷機の非稼働時間を使って印刷をする仕組みを開発、提供しております。具体的には、まず、顧客が「ラクスル」のウェブサイト上で印刷物の部数や納期等を選び、印刷データをアップロードします。その後、印刷データを印刷に適したデータに加工し、提携印刷会社へ印刷を委託します。印刷会社は受領した印刷データを印刷後、直接顧客へ品物をお届けします。取引を通して、提携印刷会社の印刷機の稼働率の向上を図り、印刷会社の経営にも資する形での事業展開を実施しております。
また、ネット印刷の事業を基軸に、印刷物のデザインサービスや、印刷したチラシの新聞折込・ポスティングといった、狭商圏内での“集客支援(広告)のワンストップサービス”を提供しております。新聞折込やポスティングは、ウェブサイト上で、オンラインの地図上からチラシを配布したい地域と配布希望日を選択すると、自動的に配布枚数と料金が算出され注文することが可能となっております。既存の広告代理店では数百枚程度の小ロットのチラシの配布の場合、単価が低すぎるために営業のコストを回収できず、対応は難しいとされてきました。当社グループはほとんどのプロセスをEC化することで人件費を中心とした営業費用をなくし、小ロットでも低単価で配布できる体制を築いております。結果として、これまで予算が足りず新聞折込やポスティングを使えなかった中小企業・個人事業主のマーケティング活動を可能にしました。
(受発注形態)
商品の仕入販売に関しては、店舗や営業所は保有せず、顧客からの受注機能、受注商品の提携印刷会社への発注機能、及びコールセンターにおける顧客サポート機能のみを保有しており、受発注管理のほぼ全てがインターネットを通じて行われております。商品・仕様・納期に応じて設定した価格で顧客に印刷物や配布サービスを販売し、印刷会社・配布会社へは事前に合意した仕入価格で委託を行っております。仕入価格は随時見直しを行っており、販売価格と仕入価格は直接的な連動はしておりません。また、自社ECサイトを通じて商品を購買する顧客の情報をデータベース化し、顧客ごとの購買特性を販売活動に反映させることを可能にする仕組みを構築しております。
顧客に対するアプローチは、電子メールによるダイレクトメールの送信、インターネットを通じた広告の掲載及びテレビ等のマス媒体広告を利用しており、各手法を組み合わせることにより新規獲得、追加販売並びに離脱防止に努めております。
(取扱商品)
取扱商品は、チラシや冊子といった商業印刷の各種商品、名刺、封筒、印鑑といった事務用印刷の各種商品を中心に、Tシャツやボールペンといったノベルティ商品、梱包資材まで多岐に亘っております。また、集客支援サービスにおいては、新聞折込、ポスティングやダイレクトメール等を取り扱っております。
「ラクスル」は2013年3月にサービスを開始し、その累計ユーザー数の推移は以下のとおりであります。
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累計ユーザー数(ユーザー)(注)3 |
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2021年7月期 |
第1四半期(10月末) |
1,280,177 |
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第2四半期(1月末) |
1,363,265 |
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第3四半期(4月末) |
1,451,614 |
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第4四半期(7月末) |
1,532,172 |
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2022年7月期 |
第1四半期(10月末) |
1,604,347 |
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第2四半期(1月末) |
1,693,002 |
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|
第3四半期(4月末) |
1,788,319 |
|
|
第4四半期(7月末) |
1,879,442 |
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2023年7月期 |
第1四半期(10月末) |
1,979,281 |
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第2四半期(1月末) |
2,085,619 |
|
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第3四半期(4月末) |
2,208,913 |
|
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第4四半期(7月末) |
2,317,165 |
|
2024年7月期 |
第1四半期(10月末) |
2,422,578 |
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第2四半期(1月末) |
2,522,497 |
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第3四半期(4月末) |
2,635,410 |
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第4四半期(7月末) |
2,744,334 |
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2025年7月期 |
第1四半期(10月末) |
2,849,967 |
|
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第2四半期(1月末) |
2,967,276 |
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第3四半期(4月末) |
3,156,488 |
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第4四半期(7月末) |
3,317,307 |
(注)1.令和3年経済センサス‐活動調査 製造業(産業別統計表データ)
2.上記1.における「印刷・同関連業」の事業所数を記載しております。
3.累計ユーザー数は、「ラクスル」に会員登録したユーザーの累計数であります。また、一度も発注を行ったことのない非アクティブなユーザーも含まれております。
(2) マーケティングプラットフォームセグメント
[事業系統図]
顧客が小ロットかつ低価格でテレビCMの枠や動画を購入できる広告プラットフォーム「ノバセル」を運営しております。テレビCMはわが国でもっともリーチコストが安く多くの人々に情報を届けることが可能である一方、その価格帯の高さから、多く企業にとっては気軽に導入できる広告手段とは言えませんでした。「テレビCMは大手企業だけが使える広告手段」という概念を覆し、より多くの企業が活用できるよう、地方局や広告代理店と連携し、1県、1エリアの放映、あるいは特定番組のテレビ放映枠をピンポイントで1枠から購入可能なサービスを提供しております。
放映枠の提供に加えて、費用対効果の高い動画のクリエイティブ制作サービスの提供、さらには、当社グループ自身がこれまでの事業成長で培ってきたテレビCMの広告宣伝投資に係るノウハウを活用し、科学的な分析による「効果の視える化」をサポートしております。具体的には、テレビCMの放映後のサイト訪問数やアプリダウンロード数をクリエイティブや番組毎に測定し、従来「視聴率」という指標でしか計測できなかったテレビCMの放映効果について、WEB広告と同様の検証を可能にするSaaSサービス「ノバセルアナリティクス」や、自社のCM効果だけでなく“他社のCM効果”を“指名検索”という指標で即時に可視化するSaaSサービス「ノバセルトレンド」の提供もしております。
これらの広告代理店機能やSaaS/Professional Serviceを通じ、顧客が「ノバセル」のプラットフォームを活用してテレビCMを発注することで、小ロットから購入でき、かつ効率的な効果分析と改善サイクルが実現できるため、コストパフォーマンスの高い広告投資を可能にしております。さらに、中小企業向けの動画広告やホームページ制作SaaSサービス「ペライチ」をサービスラインナップに加え、企業の多様なマーケティング課題を解決するプラットフォームとしての価値を最大化してまいります。
(注)SaaSとはSoftware as a Serviceの略であり、インターネットを通じて顧客にソフトウェアを提供することを指します。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
わが国の経済は、雇用や所得環境の改善により緩やかな回復基調となっているものの、物価上昇や金融資本市場の変動により先行きの不透明な状況が続いております。その一方で、当社グループが事業を展開する各市場においては、デジタル化やEC化の進展を背景に潜在需要は依然として大きく、成長の機会が豊富に存在しております。2023年の市場規模は、梱包材や商業印刷をはじめとするトランザクション領域の市場規模は7.9兆円(経済産業省「生産動態統計」等を基に当社試算)、テレビ・デジタル広告および国内SaaS市場をはじめとするソフトウエア&マーケティング領域の市場規模は6.7兆円(電通「2023年 日本の広告費」等を基に当社試算)、新規領域となるファイナンス領域の市場規模は2.5兆円(日本銀行「決済動向」等を基に当社試算)まで拡大したと想定されております。
当社グループは、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンを掲げながら、2023年8月には代表取締役の交代を経て、第二創業期へ移行しました。印刷・集客支援のプラットフォーム「ラクスル」やテレビCM・動画広告のプラットフォーム「ノバセル」といった、従来からの中核サービスの発展を進め、その周辺領域のM&Aを連続的に行うことによって、これらの領域拡張や収益性の向上を目指しております。当連結会計年度においては、当社グループに加わった子会社のPMI(Post Merger Integration)を推進し、グループシナジーの最大化に向けた事業運営体制の構築を進めております。これらに加えて、2024年9月には中期戦略を発表し、従来のECサイトによるトランザクションの事業を軸にしながら、ソフトウエア、ファイナンスの機能を発展させ「End-to-Endで中小企業の経営課題を解決するテクノロジープラットフォーム」を目指すことを新たな方向性として打ち出しております。主にトランザクションの事業、調達プラットフォーム事業によってこれまでに築いてきた顧客基盤やキャッシュ・フロー創出能力をもとに新規領域への展開を進め、対象市場を拡大させていくべく、より一層サービス開発を進めてまいります。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は61,950百万円(前年同期比21.2%増)、営業利益は3,819百万円(前年同期比51.3%増)、経常利益は3,462百万円(前年同期比69.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,702百万円(前年同期比27.6%増)となりました。
セグメント毎の状況は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度において、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。セグメントごとの比較情報については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(調達プラットフォームセグメント)
中小企業や個人事業主を主な顧客とし、印刷・ソリューション領域、ビジネスサプライ・周辺領域、梱包材領域いずれも順調にオーガニック成長を継続しており、加えて大企業向けサービスも売上成長に大きく貢献しております。サービス間のIDや決済システムの統合を進め、複数カテゴリの商品購入に向けたキャンペーンの試行などを通じて、更なる成長の拡大に取り組んでおります。加えて前期に取得した子会社の業績貢献が一定程度あったほか、新たにネットスクウェア株式会社の株式を取得したことで、競争優位性を維持しながら引き続きサービスの向上に取り組んでおります。
この結果、売上高は57,641百万円(前年同期比22.4%増)、セグメント利益は7,390百万円(前年同期比43.8%増)となりました。
(マーケティングプラットフォームセグメント)
中堅・大企業を対象とした広告代理店及びSaaS/Professional Serviceの領域においては顧客との長期的な関係性の構築が進み、さらに費用構造の見直しも進めたことで収益性が改善しました。今後は生成AIの活用を通じた売上機会の創出を目指します。中小企業向けのマーケティングサービスにおいては、動画広告やウェブサイト作成サービスを中心に順調に売上総利益を拡大しております。さらには、デジタルマーケティング領域の支援体制の強化を目的に、新たに株式会社オールマーケの株式を取得し、より一層一体運営を図り包括的なマーケティング支援の進化に向けて様々な取り組みを行っております。
この結果、売上高は3,833百万円(前年同期比7.9%増)、セグメント損失は260百万円(前年同期はセグメント損失363百万円)となりました。
②当期の財政状態の概況
a.流動資産
当連結会計年度末における流動資産は24,505百万円となり、前連結会計年度末に比べ476百万円減少いたしました。これは主に、受取手形及び売掛金が381百万円、未収入金や預け金の増加等によりその他が662百万円増加した一方、現金及び預金が1,457百万円減少したことによるものであります。
b.固定資産
当連結会計年度末における固定資産は19,794百万円となり、前連結会計年度末に比べ913百万円増加いたしました。これは主に、建物及び構築物が745百万円、機械装置及び運搬具が451百万円増加したことによるものであります。
c.流動負債
当連結会計年度末における流動負債は16,098百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,885百万円減少いたしました。これは主に、短期借入金が1,600百万円、1年内返済予定の長期借入金が649百万円増加した一方、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が5,003百万円減少したことによるものであります。
d.固定負債
当連結会計年度末における固定負債は12,224百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,024百万円増加いたしました。これは主に、社債が450百万円減少した一方、長期借入金が1,945百万円、繰延税金負債が520百万円増加したことによるものであります。
e.純資産
当連結会計年度末における純資産合計は15,976百万円となり、前連結会計年度末に比べ297百万円増加いたしました。これは主に、連結範囲の変動を伴わない子会社株式の追加取得等により資本剰余金が1,763百万円減少、自己株式の取得により自己株式が700百万円増加した一方、親会社株主に帰属する当期純利益を2,702百万円計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は32.6%(前連結会計年度末は32.3%)となりました。
③当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ1,457百万円減少し、当連結会計年度末には15,547百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は4,992百万円(前連結会計年度は2,705百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を4,533百万円、のれん償却費を1,284百万円計上した一方、関係会社株式売却損益を1,067百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,184百万円(前連結会計年度は6,930百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,442百万円、子会社株式の条件付取得対価の支払額500百万円によるものであります
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は4,258百万円(前連結会計年度は5,671百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入4,500百万円があった一方、長期借入金の返済による支出1,904百万円、新株予約権付社債の償還による支出5,000百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出1,884百万円があったことによるものであります。
(2) 生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当社グループで行う事業は、インターネットを利用して、顧客と提携先の印刷会社や広告代理店を繋ぐプラットフォーム事業であり、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
②受注実績
当社グループで行う事業は、インターネットを利用して、顧客と提携先の印刷会社や広告代理店を繋ぐプラットフォーム事業であり、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年8月1日 至 2025年7月31日) |
||
|
販売高(百万円) |
前年同期比 |
||
|
増減額(百万円) |
増減率(%) |
||
|
調達プラットフォーム |
57,641 |
10,543 |
22.3 |
|
マーケティングプラットフォーム |
3,833 |
281 |
7.9 |
|
報告セグメント計 |
61,474 |
10,825 |
21.4 |
|
その他 |
475 |
3 |
0.8 |
|
合計 |
61,950 |
10,828 |
21.2 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のためこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループが財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高
当連結会計年度の売上高は、61,950百万円(前年同期比21.2%増)となりました。連続的なM&Aによる領域や商材の拡張を経て、各事業は堅調に拡大しております。
b.売上原価、売上総利益
当連結会計年度の売上原価は、40,265百万円(前年同期比18.7%増)となりました。この結果、売上総利益は21,684百万円(前年同期比26.1%増)となりました。当社グループは、売上総利益を「プラットフォームの価値を示す、付加価値の総和」として最重要の指標と位置付けております。セグメント毎に利益率が異なるため全社合計での絶対額の増加及び対前年同期比の増加率を重視しております。
「調達プラットフォームセグメント」においては、プライシングの最適化を実施し、サプライヤーの生産性や原価改善支援、資材の共同調達による原価改善を行っております。「マーケティングプラットフォームセグメント」においては、SaaS事業の拡大のほか、当連結会計年度中に新たに取得した子会社を通じて原価改善が図られております。これらが売上総利益率の改善及び売上総利益額の増加に寄与しております。
c.販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、17,865百万円(前年同期比21.8%増)となりました。これは主に、登録ユーザー数及び認知度増加に向けた広告宣伝投資のほか、事業規模拡大に伴う人員採用、M&Aによって生ずるのれん償却費や株式取得関連費用の増加によるものであります。
この結果、営業利益は3,819百万円(前年同期比51.3%増)となりました。
③キャッシュ・フローの分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループは、継続的な成長のため、認知度の向上及びユーザー数の拡大に努めてまいりました。今後も広告宣伝投資を実施することにより新規ユーザーを獲得するとともに、高い定着性を有する顧客基盤を構築すべく、システム開発を継続して行う方針であります。また、連続的なM&Aによる拡張を通して事業のさらなる成長へとつなげていく所存です。これらの資金需要につきましては、必要な資金を自己資金、金融機関からの借入、社債の発行及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。
なお、当連結会計年度末においては15,557百万円の現金及び預金を有しており、自己資本比率も32.6%と適正水準を維持しており財務健全性は高い状態にあります。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境の変化、シェアリングによる生産体制、人材の確保・育成、法的規制、自然災害等のリスク、情報システムリスク、訴訟に係るリスク等、様々な要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
また、我が国の経済は、雇用や所得環境の改善により緩やかな回復基調となっているものの、一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や中東状勢の悪化といった地政学的なリスクの顕在化に伴う緊張感の高まりによる資源価格の高騰に加えて、記録的な水準で円安が進行するなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループにおいては2025年7月期においても引き続き不透明な状況にあると仮定しておりますが、今後状況が変化した場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因であると認識しております。
そのため、当社グループは、外部環境の変化に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保することで、経営成績に重要な影響を与える可能性のあるリスク要因を分散、低減し、適切に対応を行ってまいります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象になっているものであります。
当連結会計年度より、従来「ラクスル」としていた報告セグメントの名称を「調達プラットフォーム」、従来「ノバセル」としていた報告セグメントの名称を「マーケティングプラットフォーム」に変更しております。また、2024年8月1日付で組織変更を実施し、マネジメント・アプローチの観点から、従来「その他」として開示していたペライチ事業を「マーケティングプラットフォーム」に変更しております。
「調達プラットフォーム」は印刷・集客支援のプラットフォーム「ラクスル」を中心に、「マーケティングプラットフォーム」はテレビCM・動画広告のプラットフォーム「ノバセル」を中心にそれぞれ運営しております。
また、当社グループでは、報告セグメント内の収益を下記の事業領域ごとに区分しております。
印刷・ソリューション領域:事業活動に使う紙への印刷物の販売や大企業向け印刷ソリューションの提供
ビジネスサプライ周辺領域:ノベルティグッズや印鑑などモノに関する印刷物・加工品の販売や付随するサービスの提供
梱包材領域 :段ボールや紙袋などの梱包材の販売
マーケティング領域 :テレビCM・動画広告のプラットフォーム「ノバセル」、ホームページ作成SaaS「ペライチ」の企画・運営、その他付随するマーケティングソリューションの提供
なお、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の区分に組み替えて表示しております。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、財務諸表を作成するために採用される会計方針に準拠した方法であります。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。
なお、当社では事業セグメントへの資産の配分は行っておりません。
3.報告セグメントごとの売上高及び利益又は損失の金額に関する情報並びに収益の分解情報
前連結会計年度(自 2023年8月1日 至 2024年7月31日)
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|
|
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|
|
(単位:百万円) |
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|
|
報告セグメント |
その他 (注)1 |
合計 |
調整額 (注)2 |
連結財務諸表計上額 (注)3 |
||
|
|
調達プラットフォーム |
マーケティングプラットフォーム |
計 |
||||
|
印刷・ソリューション領域 |
20,239 |
- |
20,239 |
- |
20,239 |
- |
20,239 |
|
ビジネスサプライ周辺領域 |
18,446 |
- |
18,446 |
- |
18,446 |
- |
18,446 |
|
梱包材領域 |
8,411 |
- |
8,411 |
- |
8,411 |
- |
8,411 |
|
マーケティング領域 |
- |
3,552 |
3,552 |
- |
3,552 |
- |
3,552 |
|
その他の領域 |
- |
- |
- |
471 |
471 |
- |
471 |
|
顧客との契約から生じる収益 |
47,097 |
3,552 |
50,649 |
471 |
51,121 |
- |
51,121 |
|
その他の収益 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
売上高 |
|
|
|
|
|
|
|
|
外部顧客への売上高 |
47,097 |
3,552 |
50,649 |
471 |
51,121 |
- |
51,121 |
|
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
11 |
26 |
38 |
12 |
50 |
△50 |
- |
|
計 |
47,109 |
3,578 |
50,687 |
483 |
51,171 |
△50 |
51,121 |
|
セグメント利益又は損失(△) |
5,139 |
△363 |
4,776 |
108 |
4,884 |
△2,360 |
2,523 |
|
セグメント資産 |
16,913 |
4,255 |
21,169 |
79 |
21,248 |
22,615 |
43,863 |
|
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
|
減価償却費 |
498 |
35 |
533 |
0 |
533 |
84 |
618 |
|
有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
1,000 |
86 |
1,086 |
9 |
1,095 |
- |
1,095 |
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、システム構築支援事業等を含んでおります。
2.セグメント利益又は損失(△)の調整額△2,360百万円には、各報告セグメントに配分していない全社費用△2,360百万円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
3.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
4.顧客との契約から生じる収益以外の収益はありません。
当連結会計年度(自 2024年8月1日 至 2025年7月31日)
|
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
|
報告セグメント |
その他 (注)1 |
合計 |
調整額(注)2(注)3 |
連結財務諸表計上額 (注)4 |
||
|
|
調達プラットフォーム |
マーケティングプラットフォーム |
計 |
||||
|
印刷・ソリューション領域 |
23,504 |
- |
23,504 |
- |
23,504 |
- |
23,504 |
|
ビジネスサプライ周辺領域 |
24,705 |
- |
24,705 |
- |
24,705 |
- |
24,705 |
|
梱包材領域 |
9,431 |
- |
9,431 |
- |
9,431 |
- |
9,431 |
|
マーケティング領域 |
- |
3,833 |
3,833 |
- |
3,833 |
- |
3,833 |
|
その他の領域 |
- |
- |
- |
475 |
475 |
- |
475 |
|
顧客との契約から生じる収益 |
57,641 |
3,833 |
61,474 |
475 |
61,950 |
- |
61,950 |
|
その他の収益 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
売上高 |
|
|
|
|
|
|
|
|
外部顧客への売上高 |
57,641 |
3,833 |
61,474 |
475 |
61,950 |
- |
61,950 |
|
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
2 |
8 |
11 |
75 |
87 |
△87 |
- |
|
計 |
57,643 |
3,842 |
61,486 |
551 |
62,037 |
△87 |
61,950 |
|
セグメント利益又は損失(△) |
7,390 |
△260 |
7,129 |
△96 |
7,033 |
△3,214 |
3,819 |
|
セグメント資産 |
19,596 |
4,604 |
24,200 |
587 |
24,788 |
19,510 |
44,299 |
|
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
|
減価償却費 |
530 |
59 |
589 |
2 |
591 |
101 |
693 |
|
有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
1,127 |
187 |
1,314 |
129 |
1,444 |
842 |
2,286 |
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、システム構築支援事業等を含んでおります。
2.セグメント利益又は損失(△)の調整額△3,214百万円には、各報告セグメントに配分していない全社費用△3,214百万円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
3.有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、本社移転等による設備投資額であります。
4.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
5.顧客との契約から生じる収益以外の収益はありません。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年8月1日 至 2024年7月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2024年8月1日 至 2025年7月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年8月1日 至 2024年7月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年8月1日 至 2025年7月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年8月1日 至 2024年7月31日)
|
(単位:百万円) |
|||||
|
調達プラットフォーム |
マーケティングプラットフォーム |
計 |
その他 |
連結財務諸表 計上額 |
|
|
当期償却額 |
814 |
117 |
931 |
- |
931 |
|
当期末残高 |
6,859 |
871 |
7,730 |
- |
7,730 |
当連結会計年度(自 2024年8月1日 至 2025年7月31日)
|
(単位:百万円) |
|||||
|
調達プラットフォーム |
マーケティングプラットフォーム |
計 |
その他 |
連結財務諸表 計上額 |
|
|
当期償却額 |
1,008 |
275 |
1,284 |
- |
1,284 |
|
当期末残高 |
6,030 |
650 |
6,680 |
- |
6,680 |
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年8月1日 至 2024年7月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年8月1日 至 2025年7月31日)
該当事項はありません。