事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
売上
-
利益
-
利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
ラクスル | 47,109 | 92.1 | 5,139 | 105.2 | 10.9 |
ノバセル | 2,502 | 4.9 | -61 | -1.2 | -2.4 |
その他 | 1,559 | 3.0 | -193 | -4.0 | -12.4 |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループは「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンの基、デジタル化が進んでいない伝統的な業界にインターネットを用いて新しい仕組みを創り、既存のビジネス慣習を変えていくことで、当社グループの主な顧客である国内の企業・個人事業主の経営をより良くすることを目指し、事業を展開しております。
当社グループは当社及び関係会社9社で構成され、その主な事業内容と当社及び主な関係会社の当該事業に係る位置づけは次のとおりであります。なお、以下に示す事業区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
セグメント |
主な事業内容 |
主な関係会社 |
ラクスル |
以下に掲げるプラットフォーム(ECサイト)の開発・運営その他これらに付随するサービス ①印刷・集客支援の受発注プラットフォーム「ラクスル」 ②段ボール・梱包材の受発注プラットフォーム「ダンボールワン」 ③印鑑・スタンプの受発注プラットフォーム「ハンコヤドットコム」 ④トートバッグの受発注プラットフォーム「トートバッグ工房」 |
株式会社ラクスルファクトリー 株式会社ハンコヤドットコム 株式会社エーリンクサービス |
ノバセル |
テレビCM・動画広告のプラットフォーム「ノバセル」の開発・運営その他これらに付随する広告代理店事業とマーケティングDX事業 |
ノバセル株式会社 株式会社Wild Side 株式会会社Antoo |
インターネットの普及及び技術革新により、既存産業におけるサプライヤー(当社の場合、印刷事業における提携印刷会社や配布会社)を統合するコストが大幅に低下しました。当社グループは、産業ごとにプラットフォームを創出することで、1社が全ての製造及び販売機能を持つのではなく、サプライヤーと顧客の需給を効率良く結び付ける産業形態の在り方を提示したいと考えております。
(1) ラクスルセグメント
[事業系統図]
印刷業界全体の市場規模は4.6兆円(注1)と大きなものでありますが、市場に1.3万社以上(注2)もの中小印刷会社が存在しており、供給過多になっているため、印刷機の実際の稼働率は低い水準にあると考えております。また、印刷機によって印刷できる印刷物が異なるため、自社で刷れないものは他の印刷会社に依頼するという“まわし仕事”が発生するといった非効率が残っているのが現状であります。
インターネットを使って全国の顧客から印刷の注文を集め、その注文をネットワークとして築いている印刷会社に発注し、印刷機の非稼働時間を使って印刷をする仕組みを開発、提供しております。具体的には、まず、顧客が「ラクスル」のウェブサイト上で印刷物の部数や納期等を選び、印刷データをアップロードします。その後、印刷データを印刷に適したデータに加工し、提携印刷会社へ印刷を委託します。印刷会社は受領した印刷データを印刷後、直接顧客へ品物をお届けします。取引を通して、提携印刷会社の印刷機の稼働率の向上を図り、印刷会社の経営にも資する形での事業展開を実施しております。
また、ネット印刷の事業を基軸に、印刷物のデザインサービスや、印刷したチラシの新聞折込・ポスティングといった、狭商圏内での“集客支援(広告)のワンストップサービス”を提供しております。新聞折込やポスティングは、ウェブサイト上で、オンラインの地図上からチラシを配布したい地域と配布希望日を選択すると、自動的に配布枚数と料金が算出され注文することが可能となっております。既存の広告代理店では数百枚程度の小ロットのチラシの配布の場合、単価が低すぎるために営業のコストを回収できず、対応は難しいとされてきました。当社グループはほとんどのプロセスをEC化することで人件費を中心とした営業費用をなくし、小ロットでも低単価で配布できる体制を築いております。結果として、これまで予算が足りず新聞折込やポスティングを使えなかった中小企業・個人事業主のマーケティング活動を可能にしました。
(受発注形態)
商品の仕入販売に関しては、店舗や営業所は保有せず、顧客からの受注機能、受注商品の提携印刷会社への発注機能、及びコールセンターにおける顧客サポート機能のみを保有しており、受発注管理のほぼ全てがインターネットを通じて行われております。商品・仕様・納期に応じて設定した価格で顧客に印刷物や配布サービスを販売し、印刷会社・配布会社へは事前に合意した仕入価格で委託を行っております。仕入価格は随時見直しを行っており、販売価格と仕入価格は直接的な連動はしておりません。また、自社ECサイトを通じて商品を購買する顧客の情報をデータベース化し、顧客ごとの購買特性を販売活動に反映させることを可能にする仕組みを構築しております。
顧客に対するアプローチは、電子メールによるダイレクトメールの送信、インターネットを通じた広告の掲載及びテレビ等のマス媒体広告を利用しており、各手法を組み合わせることにより新規獲得、追加販売並びに離脱防止に努めております。
(取扱商品)
取扱商品は、チラシや冊子といった商業印刷の各種商品、名刺、封筒、印鑑といった事務用印刷の各種商品を中心に、Tシャツやボールペンといったノベルティ商品、梱包資材まで多岐に亘っております。また、集客支援サービスにおいては、新聞折込、ポスティングやダイレクトメール等を取り扱っております。
「ラクスル」は2013年3月にサービスを開始し、その累計ユーザー数の推移は以下のとおりであります。
|
累計ユーザー数(ユーザー)(注)3 |
2020年7月期 |
|
第1四半期(10月末) |
1,001,504 |
第2四半期(1月末) |
1,081,147 |
第3四半期(4月末) |
1,147,583 |
第4四半期(7月末) |
1,203,726 |
2021年7月期 |
|
第1四半期(10月末) |
1,280,177 |
第2四半期(1月末) |
1,363,265 |
第3四半期(4月末) |
1,451,614 |
第4四半期(7月末) |
1,532,172 |
2022年7月期 |
|
第1四半期(10月末) |
1,604,347 |
第2四半期(1月末) |
1,693,002 |
第3四半期(4月末) |
1,788,319 |
第4四半期(7月末) |
1,879,442 |
2023年7月期 |
|
第1四半期(10月末) |
1,979,281 |
第2四半期(1月末) |
2,085,619 |
第3四半期(4月末) |
2,208,913 |
第4四半期(7月末) |
2,317,165 |
2024年7月期 |
|
第1四半期(10月末) |
2,422,578 |
第2四半期(1月末) |
2,522,497 |
第3四半期(4月末) |
2,635,410 |
第4四半期(7月末) |
2,744,334 |
(注)1.令和3年経済センサス‐活動調査 製造業(産業別統計表データ)
2.上記1.における「印刷・同関連業」の事業所数を記載しております。
3.累計ユーザー数は、「ラクスル」に会員登録したユーザーの累計数であります。また、一度も発注を行ったことのない非アクティブなユーザーも含まれております。
(2) ノバセルセグメント
[事業系統図]
顧客が小ロットからテレビCMの枠や動画を購入できる広告プラットフォームの「ノバセル」を運営しております。「ラクスル」の集客支援サービスを利用されるような広告予算を持っている顧客に対し、低コストで手軽にテレビCMを購入できるサービスとして提供を開始いたしました。
テレビCMはわが国でもっともリーチコストが安く多くの人々に情報を届けることが可能な媒体であります。しかし多くの企業にとっては、その価格帯の高さから気軽に導入できる広告手段であるとは言い難いのが実態であります。「テレビCMは大手企業だけが使える広告手段」という概念を覆し、「テレビCMを民主化する」というビジョンの基、より多くの顧客がテレビCMを活用できるプラットフォームを提供しております。
具体的には地方局や広告代理店と連携し1県、1エリアの放映、あるいは特定番組のテレビ放映枠をピンポイントで1枠から購入可能なサービスも提供しております。また、放映枠のみならず当社グループの持つクリエイティブノウハウや制作会社のネットワークを活用し、費用対効果の高い動画の制作サービスも提供しております。これらは全てWEBサイト上から申し込みも可能であり、安価な価格を実現しております。
また、当社グループがこれまでテレビCMへの広告宣伝投資を実施して事業成長を実現してきたノウハウを活用し、科学的な分析で「効果の視える化」をサポートしております。具体的には、テレビCMの放映後のサイト訪問数やアプリダウンロード数をクリエイティブや番組毎に測定し、従来「視聴率」という指標でしか計測できなかったテレビCM放映による効果について、WEB広告と同様の検証を可能とするSaaSサービス「ノバセルアナリティクス」や、自社のCM効果だけでなく“他社のCM効果”を“指名検索”という指標で即時に可視化するSaaSサービス「ノバセルトレンド」の提供もしております。
顧客が「ノバセル」のプラットフォームを活用してテレビCMを発注することで、小ロットから購入でき、かつ効率的な効果分析が可能となるため、コストパフォーマンスの高い広告投資が実現できます。
(注)SaaSとはSoftware as a Serviceの略であり、インターネットを通じて顧客にソフトウェアを提供することを指します。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の分類が2類から5類へ移行するなど収束へ向けた動きが加速し、個人消費の拡大や海外からの渡航者の増加等、社会・経済活動の正常化に向け緩やかな持ち直しの傾向が見られました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢の悪化といった地政学的なリスクの顕在化に伴う緊張感の高まりによる資源価格の高騰に加えて、記録的な水準で円安が進行するなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような状況の中、当社グループは、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンの下、主に印刷・集客支援のプラットフォーム「ラクスル」、テレビCM・動画広告をはじめとするマーケティングプラットフォーム「ノバセル」を運営してまいりました。
当連結会計年度から代表取締役の変更もあり、ラクスルグループにとって第二創業期に入りました。複数の事業を運営する中で、オーガニックの成長だけでなく、連続的なM&Aによる拡張を通じて更なる事業成長、ひいては企業価値の創出をより一層加速させております。
当連結会計年度においては、商材の拡張を目的とするM&Aや原価低減などの収益性改善を目的とするM&Aを連続的に行い、早期のシナジー創出のためにPMIに注力したほか、子会社を吸収合併することで事業成長をより一層促進するなど、新たなグループ作りに向けて積極的な動きをしております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は51,121百万円(前年同期比24.6%増)、営業利益は2,523百万円(前年同期比42.9%増)、経常利益は2,041百万円(前年同期比74.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,118百万円(前年同期比59.4%増)となりました。
セグメント毎の状況は、次のとおりであります。
ラクスルセグメント
「ラクスル」においては、ラクスルエンタープライズが導入企業社数2,000社を突破するなど既存事業がオーガニックな成長を続ける中、株式会社ラクスルファクトリー、株式会社AmidAホールディングス(現、株式会社ハンコヤドットコム)、株式会社エーリンクサービスの株式取得を通じて、商材の拡張や収益性の改善に向けた取り組みを行っており、連続的なM&Aによる拡張も実現しております。
この結果、売上高は47,097百万円(前年同期比24.8%増)、セグメント利益は5,139百万円(前年同期比38.8%増)となりました。
ノバセルセグメント
「ノバセル」においては、制作の売上が落ち込んでいる一方で、高速調査サービス「ノビシロ」をはじめとするSaaS事業は順調な拡大を続けております。さらに、株式会社Wild Sideの株式取得によるTVCMのバイイングの強化(番組指定、短期間・短納期バイイング、並びに高速PDCAの実現)や、株式会社Antooの株式取得による出張動画サービスのリリースなど、M&Aを活用しながら顧客価値の拡大を追求しております。
この結果、売上高は2,476百万円(前年同期比6.6%減)、セグメント損失は61百万円(前年同期はセグメント損失15百万円)となりました。
②当期の財政状態の概況
a.流動資産
当連結会計年度末における流動資産は24,981百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,392百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が2,369百万円、受取手形及び売掛金が1,051百万円、商品及び製品が213百万円増加したことによるものであります。
b.固定資産
当連結会計年度末における固定資産は18,881百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,805百万円増加いたしました。これは主に、のれんが3,518百万円、投資有価証券が2,499百万円増加したことによるものであります。
c.流動負債
当連結会計年度末における流動負債は17,983百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,690百万円増加いたしました。これは主に、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債の固定負債から流動負債への振替による5,003百万円の増加のほか、短期借入金1,500百万円、未払金及び未払費用1,092百万円、買掛金525百万円増加したことによるものであります。
d.固定負債
当連結会計年度末における固定負債は10,200百万円となり、前連結会計年度末に比べ262百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金が2,554百万円、社債が2,000百万円増加した一方で、転換社債型新株予約権付社債の固定負債から流動負債への振替により5,013百万円減少したことによるものであります。
e.純資産
当連結会計年度末における純資産合計は15,678百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,769百万円増加いたしました。これは主に、自己株式の取得により700百万円減少した一方、親会社株主に帰属する当期純利益を2,118百万円計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は32.3%(前連結会計年度末は38.5%)となりました。
③当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,359百万円増加し、当連結会計年度末には17,004百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,705百万円(前連結会計年度は2,902百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を3,430百万円、のれん償却費を931百万円、減価償却費を641百万円、株式報酬費用を473百万円、関係会社株式売却益を1,407百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は6,930百万円(前連結会計年度は297百万円の獲得)となりました。これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出4,733百万円、投資有価証券の取得による支出2,392百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は5,671百万円(前連結会計年度は2,238百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入4,250百万円、社債の発行による収入2,426百万円によるものであります。
(2) 生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当社グループで行う事業は、インターネットを利用して、顧客と提携先の印刷会社や広告代理店を繋ぐプラットフォーム事業であり、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
②受注実績
当社グループで行う事業は、インターネットを利用して、顧客と提携先の印刷会社や広告代理店を繋ぐプラットフォーム事業であり、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) |
||
販売高(百万円) |
前年同期比 |
||
増減額(百万円) |
増減率(%) |
||
ラクスル |
47,097 |
9,346 |
24.8 |
ノバセル |
2,476 |
△176 |
△6.6 |
報告セグメント計 |
49,573 |
9,170 |
22.7 |
その他 |
1,547 |
932 |
151.8 |
合計 |
51,121 |
10,102 |
24.6 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のためこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループが財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高
当連結会計年度の売上高は、51,121百万円(前年同期比24.6%増)となりました。国内経済活動の正常化への動きもありながら、連続的なM&Aによる領域や商材の拡張を経て、各事業は堅調に拡大しております。
b.売上原価、売上総利益
当連結会計年度の売上原価は、33,929百万円(前年同期比18.1%増)となりました。この結果、売上総利益は17,192百万円(前年同期比39.8%増)となりました。当社グループは、売上総利益を「プラットフォームの価値を示す、付加価値の総和」として最重要の指標と位置付けております。セグメント毎に利益率が異なるため全社合計での絶対額の増加及び対前年同期比の増加率を重視しております。
「ラクスル」においては、プライシングの最適化を実施し、サプライヤーの生産性や原価改善支援、資材の共同調達による原価改善を行っております。「ノバセル」においては、SaaS事業の拡大のほか、当連結会計年度中に新たに取得した子会社を通じて原価改善が図られております。これらが売上総利益率の改善及び売上総利益額の増加に寄与しております。
c.販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、14,668百万円(前年同期比39.3%増)となりました。これは主に、登録ユーザー数及び認知度増加に向けた広告宣伝投資のほか、事業規模拡大に伴う人員採用、M&Aによって生ずるのれん償却費や株式取得関連費用の増加によるものであります。
この結果、営業利益は2,523百万円(前年同期比42.9%増)となりました。
③キャッシュ・フローの分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループは、継続的な成長のため、認知度の向上及びユーザー数の拡大に努めてまいりました。今後も広告宣伝投資を実施することにより新規ユーザーを獲得するとともに、高い定着性を有する顧客基盤を構築すべく、システム開発を継続して行う方針であります。また、連続的なM&Aによる拡張を通して事業のさらなる成長へとつなげていく所存です。これらの資金需要につきましては、必要な資金を自己資金、金融機関からの借入、社債の発行及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。
なお、当連結会計年度末においては17,014百万円の現金及び預金を有しており、自己資本比率も32.3%と適正水準を維持しており財務健全性は高い状態にあります。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境の変化、シェアリングによる生産体制、人材の確保・育成、法的規制、自然災害等のリスク、情報システムリスク、訴訟に係るリスク等、様々な要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
また、新型コロナウイルス感染症の分類が2類から5類へ移行するなど収束へ向けた動きが加速し、社会・経済活動の正常化に向け緩やかな持ち直しの傾向が見られました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や中東状勢の悪化といった地政学的なリスクの顕在化に伴う緊張感の高まりによる資源価格の高騰に加えて、記録的な水準で円安が進行するなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループにおいては2025年7月期においても引き続き不透明な状況にあると仮定しておりますが、今後状況が変化した場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因であると認識しております。
そのため、当社グループは、外部環境の変化に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保することで、経営成績に重要な影響を与える可能性のあるリスク要因を分散、低減し、適切に対応を行ってまいります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象になっているものであります。
当社は「ラクスル」及び「ノバセル」2つを報告セグメントとしております。
「ラクスル」は印刷・集客支援のプラットフォーム「ラクスル」を、「ノバセル」はテレビCM・動画広告のプラットフォーム「ノバセル」をそれぞれ運営しております。
株式会社AmidAホールディングスの連結子会社化に伴い、当社グループの主力事業であるラクスルセグメントにおける収益の状況を把握するうえで、事業領域ごとに収益を分解し情報開示することが適切であると判断いたしましたので、当連結会計年度より、下記の領域ごとに収益を区分しております。
なお、前連結会計年度につきましては、変更後の区分に組み替えて表示しております。
印刷・ソリューション領域:事業活動に使う紙への印刷物の販売や大企業向け印刷ソリューションの提供
ビジネスサプライ周辺領域:ノベルティグッズや印鑑などモノに関する印刷物・加工品の販売や付随するサービスの提供
梱包材領域 :段ボールや紙袋などの梱包材の販売
その他の領域 :上記以外のほか、テレビCM・動画広告のプラットフォーム「ノバセル」、システム構築支援事業等
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、財務諸表を作成するために採用される会計方針に準拠した方法であります。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。
なお、当社では事業セグメントへの資産の配分は行っておりません。
3.報告セグメントごとの売上高及び利益又は損失の金額に関する情報並びに収益の分解情報
前連結会計年度(自 2022年8月1日 至 2023年7月31日)
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
報告セグメント |
その他 |
合計 |
調整額 |
連結財務諸表計上額 |
||
|
ラクスル |
ノバセル |
計 |
||||
印刷・ソリューション領域 |
17,743 |
- |
17,743 |
- |
17,743 |
- |
17,743 |
ビジネスサプライ周辺領域 |
12,514 |
- |
12,514 |
- |
12,514 |
- |
12,514 |
梱包材領域 |
7,493 |
- |
7,493 |
- |
7,493 |
- |
7,493 |
その他の領域 |
- |
2,652 |
2,652 |
614 |
3,267 |
- |
3,267 |
顧客との契約から生じる収益 |
37,751 |
2,652 |
40,403 |
614 |
41,018 |
- |
41,018 |
その他の収益 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
売上高 |
|
|
|
|
|
|
|
外部顧客への売上高 |
37,751 |
2,652 |
40,403 |
614 |
41,018 |
- |
41,018 |
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
5 |
3 |
9 |
32 |
42 |
△42 |
- |
計 |
37,756 |
2,656 |
40,413 |
647 |
41,060 |
△42 |
41,018 |
セグメント利益又は損失(△) |
3,701 |
△15 |
3,686 |
176 |
3,862 |
△2,097 |
1,765 |
セグメント資産 |
9,914 |
1,903 |
11,817 |
30 |
11,848 |
20,817 |
32,665 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
減価償却費 |
197 |
11 |
208 |
5 |
214 |
17 |
231 |
有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
69 |
62 |
132 |
1 |
133 |
31 |
165 |
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、システム構築支援事業等を含んでおります。
2.セグメント利益又は損失(△)の調整額△2,097百万円には、各報告セグメントに配分していない全社費用△2,097百万円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
3.有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、本社建物の設備投資額であります。
4.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
当連結会計年度(自 2023年8月1日 至 2024年7月31日)
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
報告セグメント |
その他 |
合計 |
調整額 |
連結財務諸表計上額 |
||
|
ラクスル |
ノバセル |
計 |
||||
印刷・ソリューション領域 |
20,239 |
- |
20,239 |
- |
20,239 |
- |
20,239 |
ビジネスサプライ周辺領域 |
18,446 |
- |
18,446 |
- |
18,446 |
- |
18,446 |
梱包材領域 |
8,411 |
- |
8,411 |
- |
8,411 |
- |
8,411 |
その他の領域 |
- |
2,476 |
2,476 |
1,547 |
4,023 |
- |
4,023 |
顧客との契約から生じる収益 |
47,097 |
2,476 |
49,573 |
1,547 |
51,121 |
- |
51,121 |
その他の収益 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
売上高 |
|
|
|
|
|
|
|
外部顧客への売上高 |
47,097 |
2,476 |
49,573 |
1,547 |
51,121 |
- |
51,121 |
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
11 |
26 |
38 |
12 |
50 |
△50 |
- |
計 |
47,109 |
2,502 |
49,611 |
1,559 |
51,171 |
△50 |
51,121 |
セグメント利益又は損失(△) |
5,139 |
△61 |
5,078 |
△193 |
4,884 |
△2,360 |
2,523 |
セグメント資産 |
16,913 |
2,683 |
19,596 |
1,651 |
21,248 |
22,615 |
43,863 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
減価償却費 |
498 |
25 |
523 |
10 |
533 |
84 |
618 |
有形固定資産及び無形固定資産の増加額 |
1,000 |
66 |
1,066 |
28 |
1,095 |
- |
1,095 |
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、システム構築支援事業等を含んでおります。
2.セグメント利益又は損失(△)の調整額△2,360百万円には、各報告セグメントに配分していない全社費用△2,360百万円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
3.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年8月1日 至 2023年7月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2023年8月1日 至 2024年7月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年8月1日 至 2023年7月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年8月1日 至 2024年7月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年8月1日 至 2023年7月31日)
(単位:百万円) |
|||||
ラクスル |
ノバセル |
計 |
その他 |
連結財務諸表 計上額 |
|
当期償却額 |
495 |
- |
495 |
- |
495 |
当期末残高 |
4,212 |
- |
4,212 |
- |
4,212 |
当連結会計年度(自 2023年8月1日 至 2024年7月31日)
(単位:百万円) |
|||||
ラクスル |
ノバセル |
計 |
その他 |
連結財務諸表 計上額 |
|
当期償却額 |
814 |
23 |
837 |
94 |
931 |
当期末残高 |
6,859 |
282 |
7,142 |
588 |
7,730 |
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年8月1日 至 2023年7月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年8月1日 至 2024年7月31日)
該当事項はありません。