2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    122名(単体) 1,695名(連結)
  • 平均年齢
    45.6歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.3年(単体)
  • 平均年収
    7,452,195円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

樹脂・化成品

158

(1)

 

製紙用薬品

268

(2)

 

電子材料

279

(3)

 

ローター

570

(0)

 

その他

115

(135)

 

共通部門

305

(2)

 

合計

1,695

(143)

 

 

(注) 1. 従業員数は就業人員数であります。

 2. 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員数の年間平均雇用者数であります。

3. 共通部門として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

122

45.6

16.3

7,452,195

 

(注) 1. 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。また、臨時従業員、休職者・休業者は含みません。

2. 従業員数は、当社から他社への出向者、臨時従業員を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。

 

セグメントの名称

従業員数(人)

共通部門

122

 

合計

122

 

 

(注) 1. 従業員数は、当社から他社への出向者、臨時従業員を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。

2. 共通部門として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループの労働組合は、1961年4月23日に播磨化成労働組合(現ハリマ化成労働組合)として結成され、

2025年3月31日現在の組合員数は370人であり、労使関係は組合結成以来安定しております。

上部団体はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異

提出会社および主要(全労働者101名以上)な連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の
割合(%)

(注1、3)

 男性労働者の
 育児休業取得率(%)

 労働者の男女の
 賃金の割合(%)(注1、4)

全労働者

 

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期労働者

連結

16.1

(注5)

63.1

77.5

39.4

ハリマ化成グループ㈱

13.5

対象者なし

(注2)

70.2

68.0

52.5

ハリマ化成㈱

0

90.9

(注2)

63.1

70.3

55.0

ハリマ化成商事㈱

0

対象者なし

(注2)

50.5

64.9

61.7

ローター

21.9

(注5)

86.0

88.8

61.2

Harimatec Malaysia Sdn.Bhd.

42.9

100

 

131.7

131.7

対象者なし

 

(注)1. 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成23年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2. 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

3. 管理職に占める女性労働者の割合 % = 女性の管理職数 ÷ 管理職数 × 100(%)※「管理職」とは、「課長級」と「課長級より上位の役職(役員を除く)」にある労働者の合計。

4. 対象期間:2024年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)

賃金:基準給、超過労働に対する賃金、賞与等を含み、退職手当、通勤手当等を除く。また、休職者・休業者は含みません。

  正規雇用労働者:出向者については、当社から社外への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む。

  パート・有期労働者:嘱託社員(定年後の再雇用者、契約社員)、パートタイマーを含み、派遣社員を除く。

5. 男性労働者の育児休業取得率について、当社の連結子会社のうち一部の国においては、育児休業制度が法的に存在しない、または制度があっても利用率が極めて低い状況にあることから、法規制や労働慣行の違いにより統一的なデータ収集が困難であります。これらの事情を踏まえ、「-」と表記しています。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方および取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) サステナビリティに対する考え方

当社グループは「自然の恵みをくらしに活かす」基本理念の下、独自技術に磨きをかけ、天然素材の原料を有効活用して環境負荷の軽減に役立つ製品を供給することを通じて、サステナブルな社会の実現に貢献することを目指しております。

当社の中期経営計画「NEW HARIMA 2026」では、長期ビジョンHarima Vision 2030「自然の恵みをくらしに活かす 心と技術でサステナブルな未来を世界に届けます~Pine Chemicals & Beyond ハリマ化成グループ」を標榜し、当社の成長を目指した企業活動が、同時にサステナブルな社会の建設にも役立つことを理想とした施策に取り組んでおります。具体的には、①加古川製造所等でのバイオマス発電や太陽光発電の推進と生産現場でのエネルギー効率改善努力を通じた温室効果ガスの削減目標の追求、②環境負荷の軽減に役立つ「サステナブル製品」群の生産・販売拡大と技術開発による新たなサステナブル製品の上市、③様々な背景を持つ従業員がサステナブルな社会建設に向けた企業活動で能力を十全に発揮できることを目的にした、人材育成・人事制度の運用見直しなど人的資本環境の整備、などを進めております。

当社グループは2021年12月に「TCFD (Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)」提言への賛同を表明しました。またカーボンニュートラル実現を成長の機会として捉え、自ら以外のステークホルダーも含めた経済社会システム全体の変革を行うための議論と新たな市場の創造のための実践を行う場として2022年3月に設立された「GXリーグ」にも賛同を表明しております。

TCFD提言に基づき、「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」の4項目について、情報開示を推進します。 

 

(2)  ガバナンス

当社のサステナビリティ推進に関連する重要な経営課題は、サステナビリティ委員会より取締役会に付議・報告されます。取締役会は、当社の事業全般にわたるリスクと機会の評価に基づき、当社の持続的成長と社会課題の解決につながる具体的施策とその実行計画につき審議・決定し、監督します。

また、取締役、執行役員ならびに事業部門幹部社員をメンバーとするグループ経営会議(月1回)では、経営目標の達成状況のみならず、当社を取り巻く経営環境に起因するリスク・課題の把握と評価、それに対する対応策が報告・討議されます。この場で、事業部門の現場が直面するサステナビリティ関連の課題も共有され、経営陣が必要な対策を指示します。(4「コーポレート・ガバナンスの状況等」(1) ② e 経営組織その他コーポレートガバナンス体制の概要 参照)

グループ全体のサステナビリティ関連の実務面の取り纏めには、本社部門の一部である安全環境品質グループ、人事・総務グループと経営企画グループ内のサステナビリティ推進課があたっております。安全環境品質グループは、主に生産現場における現状把握とデータ整備、運営指導等にあたり、人的資本経営は、人事・総務グループが経営層と連携し、人材戦略を策定し実行します。またサステナビリティ推進課が全社的な施策の企画と取り纏めを担当しております。

 

 

(3)  戦略

① 当社経営に関するリスクと機会、重要課題(マテリアリティ)

当社を取り巻く環境、社会、経済の今後の変化と、それが当社経営に与える影響を想定し、次表のとおりリスクと機会、それに伴う課題と取り組みを整理しました。これらのリスクと機会は、当社グループの持続的な成長と発展に大きな影響を与えるため、適切に管理・対応していく必要があります。

 

マテリアリティ

認識しているリスク(●)と機会(○)

さ発

れ生

るが

期予

間想

財想

務定

影さ

響れ

 る

当社グループの主な取り組み・対応策
(レジリエンス)

化リ

のス

蓋ク

然顕

性在

地球温暖化

への対応

● 移行リスク(政策および法規制、技術リスク、市場リスク)、物理的リスク(異常気象の激甚化、主要原料「松」の生息影響、等)

短期

中期

長期

小~中

■ 自社排出量の削減、調達手段の多様化、損害保険によるリスク抑制、環境マネジメントシステム運営・内部管理の徹底

■「サステナブル製品」拡販、高付加価値市場参入

○ 環境配慮型製品の拡販

環境負荷低減

● 法令違反、地域や地球環境への影響による当社操業への影響

中期

長期

小~中

■ 環境と調和した事業活動の実践・取り組み推進(環境負荷の的確な把握・提言、省エネルギー推進、化学物質排出量削減、廃棄物削減、研究開発、等)

○ 環境配慮型製品の拡販

温室効果ガス

排出量削減

● 多排出企業として当社製品の販売に影響が出る、炭素税等将来的な課税

中期

長期

小~中

■ 温室効果ガス削減ロードマップの策定・公表

■ ため池水上太陽光発電事業やエネルギー転換ほか施策推進

■ Scope1,2,3算出と製品カーボンフットプリントへの転用

○ カーボンフットプリント進展時の低排出製品として差別化

サプライチェーン・

マネジメント

● 原材料調達遅延、原材料価格変動、違法資源・非人権的資源の意図せぬ調達

短期

中期

長期

小~中

■ 調達手段多様化・拡充推進、代替製品の開発

■ 武装勢力の資金源につながる「紛争鉱物」不使用の取り組み、調達方針・ガイドラインの公表、サプライチェーン・デューデリジェンスの取り組み

○ 調達コスト管理、生産性向上、社会的責任・供給責任遂行

人的資本経営

● 事業成長計画に相応しい組織・人材が整備されず当社の事業成長の妨げとなること、就業環境の整備不充分により従業員の能力が充分発揮されないこと

中期

長期

小~中

■ 長期ビジョン・中期経営計画に連動した人材戦略の策定・推進

■ 従業員エンゲージメント、タレントマネジメントの高度化推進

○ 企業の中長期的な成長に資する人材戦略の策定・開示による企業価値の向上

技術革新

● 新製品開発が遅れることによる逸失利益、環境配慮型製品に対する投資や研究開発費の増加

中期

長期

小~中

■ 独自技術を活かした研究開発、産官学間共同研究

■ 研修、海外派遣、留学等、内外諸機関交流などを通じた研究者の育成

■ 研究開発投資への重点的な資源配分

科学技術振興と世界文化発展への寄与を目的として、科学技術に関する調査・研究・国際交流に対する助成・奨励(松籟科学技術振興財団)

○ 環境配慮型製品をはじめ新規開発品による新市場参入・需要拡大機会の捕捉

労働安全性

● 製造現場における従業員の傷病、専門知識・技術の欠如による事故、企業イメージの毀損

短期

中期

長期

■ 化学物質管理システム導入による適切な管理

■ 危険予知(KY)活動、リスクアセスメントによる予防保全と改善活動

■ 防災訓練、体験型安全研修による安全意識の向上

○ 従業員の健康維持、生産性の向上、社会的責任遂行、企業の信頼維持・向上

リスク管理

● 企業理念、行動基準、社内規程への不作為による違反で当社のコンプライアンスリスクや事業等のリスクが顕在化すること

短期

中期

長期

■ 社内牽制態勢の維持・向上、社内教育(継続)

■ 後発事象に対するPDCA改善対応・再発防止、潜在リスクの分析・計量化・管理

○ 適正なリスク分析・評価・レジリエンスによる事業の適正な評価・推進

コーポレート

ガバナンス

の充実

● 不正行為の発生、企業価値の低下、法務リスク、社会的批判

短期

中期

長期

■ あらゆるステークホルダーに対して企業価値を高める活動をするため、迅速な意思決定と透明性、合理性の向上を図るべく、「コーポレートガバナンスの充実」に努めております

○ プライム市場上場企業としての信頼確保、健全な持続的成長を支える経営基盤の維持・向上

 

 

リスクと機会        :当社グループの見通しに影響を与えることが予想されるサステナビリティ関連のリスクと機会

発生が予想される期間:リスクと機会が発生すると予想される期間。短期(1年未満)、中期(5年未満)、長期(10年未満)。

投資家等に比較的馴染みのある日本国債償還期間に応じた分類を採用。

想定される財務影響  :財務影響度にリスク管理上の重要性を加味し、以下に分類。

(大)経営に大きな(事業継続が困難な)収益影響が出る

(中)経営に長期的な収益影響、一時的だが大きな収益影響

(小)部門運営に影響が出る、経営に一時的な収益影響が出る

リスク顕在化の蓋然性:低減策を施した上でリスクが顕在化する蓋然性。

(高)直ちに、或いは連続年度で、或いは常態化の可能性が高く、有効なレジリエンスが講じられない

(中)対象期間中に断続的な発生が予見され、追加レジリエンス策を講じるまでに数年かかる

(低)対象期間中の発生が数年以内に留まる、速やかなレジリエンス策を講じることができる

 

 

② 社会的課題解決に向けた「サステナブル製品」の拡販

当社は、粗トール油を蒸留してトールロジン、トール油脂肪酸を生産する国内唯一のメーカーです。当社は、さらにトールロジン、トール脂肪酸から生産するパインケミカル製品だけでなく、様々な環境配慮型製品を社会に供給しております。

中期経営計画「NEW HARIMA 2026」では、当社グループの強みを活かし、再生可能原料の使用、有害性物質・VOC低減、3R、脱プラといった環境負荷を低減する社会的課題の解決に役立つ製品として「サステナブル製品」を拡販する戦略を掲げております。

 


 

③ 脱炭素社会実現に向けた取り組み

当社の主業であるパインケミカル事業は、松材からパルプを製造する時に副生する粗トール油を原料として有効利用して様々な化学素材を生産する、循環型ビジネスモデルを特徴としております。

当社グループの循環型事業の成長と脱炭素社会実現に向けた取り組みには比較的長い歴史があります。1958年にトール油精留事業に参入、2005年には加古川製造所(兵庫県加古川市)にバイオマス発電設備、2014年には伊保基地(兵庫県高砂市)で太陽光発電システム(発電能力1,129kW)を稼働させるなど、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを行っております。2022年にはカーボンニュートラル都市ガスを導入し、2023年には地域行政・住民との価値共創・課題解決プロジェクトとして「ため池水上太陽光発電事業」を開始しました。2023年4月には加古川製造所に実質CO2フリーのプラント運営をめざすミルセン(香料原料)の製造設備を完工しました。また、再エネ指定の非化石証書を組み合わせることでCO2排出量をゼロとする仕組みを導入し、加古川製造所の電力CO2排出量のゼロ化を実現する取り組みを行い、その他の国内工場でも同様の取り組みを進めます。

2021年6月には、国内の温室効果ガス削減ロードマップを公表しました。2030年46%削減(2013年度比)という政府の温室効果ガス削減目標に対して3年前倒しし、2027年に46%削減、2030年には50%削減を目標にしております。その実現に向けて、再生可能エネルギーやバイオマスエネルギーの拡大、エネルギーの効率化に取り組みます。

 

<温室効果ガス削減ロードマップ(CO2換算)>


 

 

 

(4)  リスク管理

4「コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおり、当社グループの事業経営は、株主をはじめ、顧客、従業員、取引先、地域社会等のステークホルダーに対する企業価値を、持続的に高める事を基本方針としております。経営の透明性、合理性を向上させ、適時適切な意思決定を担保する為に、取締役会、監査等委員会、監査グループの活動の充実、および内部統制システムの整備に努めながら、ディスクロージャー(情報開示)、コンプライアンスおよびリスクマネジメント体制の強化を図っております。

 

(5)  指標および目標

持続可能社会の建設に向けた環境課題や社会課題の解決に当社が取り組む際に、サステナブル製品売上高と温室効果ガス(GHG)排出量を「指標と目標」として進捗管理しております。温室効果ガス排出量の管理は、Scope1、2に加え、2022年より部分的にScope3の集計を開始しており、各目標の達成に向けた取り組みを進めます。

単位:百万円、t-CO2

 

目標

2018

2019

2020

2021

2022

2023

2024

サステナブル製品売上高

連結

2021年度実績比

2026年度+30%

(82,800百万円)

-

-

-

63,693

 

 

76,849

進捗率

68.9%

71,487

進捗率

40.8%

78,499

進捗率

77.5%

GHG排出量

Scope1,2

※1,2

国内

2027年度9,260t

2030年度8,618t

15,850

15,286

14,363

15,887

17,372

15,539

14,320

 

(参考)

Scope1,2

海外

 

48,487

48,670

47,660

47,460

47,017

40,244

-※4

Scope3※3

国内

 

-

-

-

86,006

178,858

175,236

-※4

 

※1 2023年度以降のGHG排出量は、温対法に基づく「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」の改正後の係数を使用。

※2 ハリマ食品(株)、ハリマ化成商事(株)が所有しているゴルフ場およびホテルは集計から除外。

※3 2021年度はハリマ化成(加古川)とハリマMID(加古川)、2022年度以降はハリマ化成(国内)とハリマMIDを対象に算定。

※4 2024年度実績については、現在、集計中です。

 

(6)  人的資本について

従業員は会社にとって最大の財産で、その成長が会社全体の発展に繋がるという意識のもとに、従業員一人ひとりが安心して仕事に全力投球でき、仕事を通して自己実現できる環境の整備に取り組んでおります。

特に2015年に導入した、統一された価値観“バリュー”を中心に据えた人材育成制度は、企業の経営戦略と人事戦略を連動させるための制度です。この制度では、“バリュー”を採用や教育、評価等に組み込み、多様化する価値観の中で従業員の方向性を統一します。この制度により、企業価値の創造や企業理念の実現に求められる人材ポートフォリオを実現できると考えております。

また、2022年度を初年度とする中期経営計画「NEW HARIMA 2026」では、基本方針3本柱の一つとしている「新規事業、成長分野に向けた研究開発」において、成長分野への資源配分と新製品開発による市場参入を目指しております。

今後も、企業理念の実現とその時代に求められる社会課題解決に柔軟に対応できる人材育成に努めてまいります。

 

① ガバナンス

2「サステナビリティに関する考え方および取組」(2)ガバナンス参照。

 

 

 

② 戦略

当社グループは、長期ビジョン「Harima Vision 2030」において、2030年度に売上高1,200億円以上、営業利益85億円以上、ROE10%以上、海外売上高比率65%以上、温室効果ガス排出量50%削減、という目標を設定しており、その達成に向け中期経営計画を策定しております。

この中期経営計画の達成に必要となる人材開発を、達成目標よりバックキャストし人材開発計画を策定しております。

 


 

<as-is to-be分析によるリスキル・リカレント能力開発領域>

■事業基盤の強化と事業領域の拡充

当社の達成目標からのバックキャストで、次世代幹部候補生の育成、およびそれを補佐する人材の育成、ならびに、今までとは異なった事業領域での新規事業を創出できる人材の育成という課題を認識しております。人材ポートフォリオにおけるスキルセット拡充に向けて、リスキル・リカレントを推進します。

■新規事業、成長分野に向けた研究開発

研究開発投資の強化とM&Aを通じたサステナブルな新製品の開発と新規事業領域への参入にチャレンジし、そのための人材育成・採用を進めております。研究分野の採用では、化学はもとよりその製造プロセスや戦略事業分野ほか幅広い分野の人材を採用しております。

また、国際機関・産官学連携をはじめとする様々なパートナーシップを深化させ、社会インパクトとともに人材ポートフォリオの厚みを増していくために、機動的な人材派遣を行い、派遣先でもより活躍しやすい環境の構築に努めております。

■新時代に向けた経営の革新への対応

AI・IoT活用による製造現場での生産性・安全性向上、AI活用による研究開発のスピードアップ、ならびにDXの推進に必要な人材を育成していきます。

■人材育成方針

従業員一人ひとりの能力向上を支援する教育研修では、特にフォローアップに注力し、研修の内容を確実に習慣として身につけ「能力」とすることを研修の主眼としております。また、これらの教育研修と併せてキャリア面談を実施し、「自己の明確な目標に向かって、自己の成長を感じ、働きがいを持って仕事に取り組める」環境づくりを推進しております。

 

■Harima Growth Program System(H-GPS)

キャリア開発プログラム(CDP)は、統一された価値観“バリュー”を基軸とし、従業員の10年後のキャリアからバックキャストした計画を実践するという人材育成制度で、従業員の自己成長と上司による部下育成を同時実現する制度です。

人事評価制度(GPS)は、CDPを基に単年ごとの目標に落とし込み、「テーマ達成度(成果評価)」と「バリュー実践度(バリュー評価)」を評価軸とすることを特長としており、単年の積み上げがキャリア形成に繋がっていく仕組みとしております。

 


 

■社内環境整備方針

従業員が持てる能力を最大限発揮できる環境づくりとして、福利厚生の充実を図っております。

 

長期休業補償制度

セーフティネットとして、従業員自身が傷病により就業不能となった際に、所得を補償する制度。

健康・医療・メンタルヘルス相談サービス

(ERPサービス等)

・従業員とその家族の体と心の健康の保持・増進と各個人のセルフケアのサ

 ポートを目的とする相談サービス。法律相談も対象。

・統括産業医・保健師による教育の充実、専門サポートを強化。

eラーニング

基礎教育およびテーマ別の教育に活用。

※全従業員にスマートフォンを配布。出張移動などの隙間時間にもeラーニング受講可能。

健康管理システム

健康管理システムにより、従業員の健康管理を強化。

 

人的資本に関する詳細な情報については、当社グループのホームページ「従業員とともに」をご参照ください。(https://www.harima.co.jp/environment/employee.html

■女性活躍推進

①女性の活躍を推進するため、キャリアビジョン策定や管理職育成に向けた女性キャリア形成研修を実施しています。

②スタッフ職と総合職の双方向の転換制度、在宅勤務制度、時差勤務制度、育児・介護時短勤務制度を導入し、女性活躍の場の拡大とライフステージの変化に応じた柔軟な働き方ができる施策を推進しています。

■ワークライフ・バランスの実現

①育児や介護を行う従業員の状況に合わせた柔軟な勤務時間の選択ができる制度を導入し、職業生活と家庭生活の両立支援に向けた施策を実施しています。

※1992年に育児休業制度、1998年に介護休業制度を導入

②2019年に発生したコロナ禍で有効性が確認できた在宅勤務や時差勤務を拡充し、育児・介護以外にも柔軟な勤務時間の選択ができる制度としました。また、2007年から『ノー残業デー』を導入し、ワークライフ・バランスの実現を推奨しています。

 

③ リスク管理

取締役会や人事委員会などにおける議論の過程で特定される重要なリスクについて、そのレジリエンスも含めコントロールをしております。

 

重要なリスク

レジリエンス

コンプライアンス、ガバナンス

(不慮の規律違反、社内規則違反、事故

などにより、従業員が全力投球する機会を

極大化できないリスク)

·ベース研修(経営理念、行動規範、法規制、社内規則)

·エンゲージメント測定による予兆管理

·組織診断、不祥事アンケート、経営倫理士の因子分析、勉強会による意識づけ・改革

労務管理上の問題

(従業員の健康・安全、法令遵守)

·時間外、インターバルのモニタリング

·健康管理システムによる会社・従業員による健康情報の可視化、予兆の把握、対処の早期化

·製造部門における基礎教育(設備、設計、安全管理)の充実

社内・社外通報

·通報者の保護、全社員への通報制度の周知

·実態把握・事実関係の調査、要因分析、是正措置・対応通報者への報告

 

 

④ 指標と目標

従業員エンゲージメント向上に必要な施策を実施していきます。

 

指標

目標

実績

女性管理職比率

2030年度

連結                 20%

ハリマ化成グループ㈱         15%

ハリマ化成㈱           7%

2024年度

連結              16.1%

ハリマ化成グループ㈱      13.5%

ハリマ化成㈱             0%

男性育児休業取得率

2030年度

ハリマ化成グループ㈱     100%

ハリマ化成㈱         100%

ハリマ化成商事㈱              100%

2024年度

ハリマ化成グループ㈱    対象者なし

ハリマ化成㈱           90.9%

ハリマ化成商事㈱           対象者なし

男女間賃金割合

2030年度(全労働者)

連結              70%

ハリマ化成グループ㈱      70%

ハリマ化成㈱          70%

ハリマ化成商事㈱               65%

2024年度(全労働者)

連結              63.1%

ハリマ化成グループ㈱      70.2%

ハリマ化成㈱           63.1%

ハリマ化成商事㈱               55.8%

エンゲージメント

・ストレスチェック

(分析・対策実施の充実)

目標値: 90以下を維持

・キャリア形成支援の充実

(キャリア面談の拡充)

・ストレスチェック(総合健康リスク)

 2021年度 88

 2022年度 92

 2023年度 93

2024年度 91

 

(注)当社では人材の多様性を図る取り組みとして女性管理職比率、男性育児休業取得率、男女間賃金割合等の指標は重要と捉え、引き続き今後も指標としてモニタリングしてまいります。なお、男性育児休業取得率につきましては、当社の連結子会社のうち一部の国においては、育児休業制度が法的に存在しない、または制度があっても利用率が極めて低い状況にあることから、法規制や労働慣行の違いにより統一的なデータ収集が困難であります。これらの事情を踏まえ、当該指標および目標については、主要な事業運営を担うハリマ化成グループ㈱およびハリマ化成㈱を対象とした単体ベースで開示しております。この範囲を選定した理由は、当社グループ全体の人的資本戦略において最も重要な事業基盤を反映していることから、適切であると判断しております。

ストレスチェックの実績は、ハリマ化成㈱とその出向者の実績です。この範囲を選定した理由は、当社グループの主要な事業運営を担う従業員の健康状態を把握することが、人的資本戦略において最も重要であると判断したためです。