事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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(単一セグメント) | 4,650 | 100.0 | 10 | 100.0 | 0.2 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社は、創業以来、多様なインターネット・アプリサービスを企画、開発から運用まで一貫して自社内で完結した開発運用体制を構築し培ってきた、アプリ開発力やマネタイズ力を強みとして、個人のライフスタイルをより充実させる様々なインターネットサービスの開発・運用を経て、2014年11月にフリーミアム型マンガアプリ「マンガBANG!」のサービス提供を開始し、現在はマンガアプリ事業に経営資源を集中しております。
「マンガBANG!」では、フリーミアムモデル(注)という、多数のユーザーに最適な広告閲覧を促し、高い広告収益を得ること及びユーザーが課金衝動を覚えるタイミングでライトな(少額)課金モデルを提供し、課金ユーザーへの転換を促すことで、高ARPU(一人当たり顧客単価)を実現して参りました。また、変化の著しいアプリ市場に対応するために、ユーザーの行動分析を基にしたUI/UXの改善や最適な広告配信構成の見直しを行うとともに、配信作品の増加を実現して参りました。
(注)フリーミアムモデル:基本的なサービスはすべて無料で提供し、一部の機能を有料で提供するビジネスモデル
なお、当社はマンガアプリ事業の単一セグメントであります。
当事業年度末現在で、当社が運営するスマートフォンアプリの主要なタイトルは以下のとおりであります。
(1)マンガアプリ
当社が企画、開発、運営する「マンガBANG!」は、基本無料で利用できるフリーミアム型マンガアプリです。主な収益モデルは課金と広告によるもので、次の2つの主要サービスから成り立っております。
① 話課金+広告収益モデル
「マンガBANG!」は「メダルで読む」、「チケットで読む」(注1)コーナーが、話課金+広告収益モデルです。 話課金は、少額な課金モデルで、広告収益は、当アプリ内で広告を表示することやユーザーが動画広告を視聴すること等で収益化するモデルです。
これらのフリーミアムコーナーでは、基本的には無料で読むことができ、課金する場合も1話毎の少額課金のため、マンガ離れした人やこれまでマンガを読んでいなかった人にとって、取り掛かりやすいモデルとなっています。このような潜在的なユーザーの掘り起こしを推進することにより、より多くのユーザー獲得を目指しています。
② 購入モデル
「ストア」(注2)コーナーでサービス展開しており、ユーザーは課金をして、電子書籍を1巻単位で購買し、読むことができます。
「ストア」コーナーでは、定期的に無料特集を行っており、数巻分を無料でダウンロードして読むことができるようにし、新しく読み始める作品を探しているユーザーに、過去及び新規の優良作品に出会う機会を創出しております。
従来の販売モデルと同じモデルであるため、出版社等にとって一番受け入れやすいモデルになります。そのため、当社モデルの中でも最も多く有名作品を取り揃えることができます。話題となった人気作品のみを読みたいマンガに関心が薄い人や、フリーミアムコーナーや「ストア」コーナーのキャンペーンで特定の作品・作家のファンとなった人、物理的な保管場所に困っている人をターゲットとしております。
(注)1.「メダルで読む」、「チケットで読む」:「マンガBANG!」の基本的なサービスは無料とするフリーミアムコーナーのサービスで、フリーメダル、SPメダル、チケット、有償コイン等を利用して、1話毎に40~60円程度でマンガを72時間レンタルして読むことができるコーナー
2.「ストア」:有償コインを利用して、マンガを1冊単位で購入して読むことができるコーナー
以上述べた「マンガBANG!」の事業の内容を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
「マンガBANG!」事業系統図
(2)マンガ制作
当社は、自社マンガアプリサービスの差別化及び収益の重層化のために、2019年9月よりオリジナルマンガ制作に着手しております。2021年4月にはオリジナルマンガレーベル「マンガBANGコミックス」を創刊し、異世界転生系、恋愛系等、小説のコミカライズを中心に作品制作に取り組み、制作本数の拡大に向けて、体制強化を行っております。
IPホルダーとして利益を享受するために、オリジナル作品の大ヒット及びメディアミックス化に向けて、他社との協業案件にも着手しており、2023年8月には、初めて当社オリジナル作品「結婚予定日」がTVドラマ化されました。また、版権料率の低いオリジナル作品の売上割合が増加することで、利益率の改善効果も期待できます。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症にかかる行動制限の緩和等により経済活動が徐々に正常化に向かっている一方で、ロシアによるウクライナ侵攻によるエネルギー資源価格の上昇、金融市場の変動など、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
総務省「令和4年通信利用動向調査」(2023年5月公表)によると、2022年8月末時点でスマートフォンの保有状況は、世帯の保有割合が90.1%と9割を超えるとともに、個人の保有割合でも77.3%と堅調に伸びております。インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2023」によると、2022年度の電子書籍市場規模は6,026億円と推計され、2021年度の5,510億円から516億円(9.4%)増加し、2027年度には8,000億円を超える市場に成長すると予測されており、アプリでマンガを楽しむユーザーは、引き続き増加傾向にあります。
一方で、電子書籍のビジネスモデルの多様化や成熟によって電子書籍市場が徐々に飽和していくことも想定されます。また、引き続き厳しい競争環境や世界経済の停滞及び国内のインフレが、アクティブユーザー数の伸び悩みや1人当たりの課金売上の低下をもたらしていることに加え、広告市況の悪化により広告単価が低下したため、広告収益が減少しました。
このような市場環境の中で、「マンガBANG!」の主力であるフリーミアムモデルのコーナーにおいて、配信される作品の差別化を図るために、出版社との信頼関係を深化させ、先行配信や人気作品の配信数の増加に努めるとともに、引き続き、オリジナル作品の制作、マンガアプリの海外展開も強化しております。
以上の結果、当事業年度における売上高は4,650,427千円(前年同期比29.0%減)、営業利益は10,380千円(前年同期比91.1%減)、経常利益は15,009千円(前年同期比89.6%減)、当期純損失は60,926千円(前年同期は当期純利益41,243千円)となりました。
なお、当社はマンガアプリ事業の単一セグメントであるため、セグメント毎の記載はしておりません。
(資産の部)
当事業年度末における総資産は2,576,167千円となり、前事業年度末に比べ288,024千円減少いたしました。これは主に、投資有価証券が103,125千円、有形固定資産が68,876千円増加した一方、現金及び預金が385,903千円、繰延税金資産が70,330千円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当事業年度末における負債合計は697,171千円となり、前事業年度末に比べ125,710千円減少いたしました。これは主に、買掛金が93,279千円、未払金が36,665千円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当事業年度末における純資産は1,878,996千円となり、前事業年度末に比べ162,313千円減少いたしました。これは主に、当期純損失の計上により利益剰余金が60,926千円、新株予約権が72,733千円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ385,903千円減少し、1,345,743千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動の結果使用した資金は、160,084千円(前事業年度は57,328千円の収入)となりました。その主な要因は、売上債権の減少により43,868千円資金が増加した一方、仕入債務の減少93,279千円、法人税等の支払55,235千円、未払金の減少36,665千円により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動の結果使用した資金は、196,974千円(前事業年度は130,301千円の支出)となりました。その主な要因は、投資有価証券の取得による支出103,125千円、有形固定資産の取得による支出73,006千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動の結果使用した資金は、28,844千円(前事業年度は94,924千円の支出)となりました。その主な要因は、自己株式の取得による支出28,814千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当社事業はマンガアプリ事業の単一セグメントであり、当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
なお、Apple Inc.及びGoogle Inc.に対する販売実績は、当社が同社等を介して行う課金サービスのユーザーに対する利用料の総額であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。
当社の財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
(売上高)
主力サービスである「マンガBANG!」において、広告市況の悪化及び厳しい競争環境が続く中、効率的なユーザー獲得を実現し、広告宣伝費を抑えつつMAUを微減にとどめながら、営業利益を確保することができました。また、当社オリジナル作品のTVドラマ化等により、出版売上は順調に増加しております。
一方で、厳しい競争環境やユーザーの消費マインドの減退等により、課金ARPU(Average Revenue Per Userの略。1ユーザーあたりの平均課金売上金額)は低調に推移しました。
この結果、当事業年度の売上高は、4,650,427千円(前年同期比29.0%減)となりました。
(売上原価)
売上高が前年同期比において減少したことにより、売上原価も売上高同様、減少しました。
この結果、売上原価は3,197,672千円(前年同期比23.9%減)となりました。
(販売費及び一般管理費)
費用対効果を重視し、効果的な広告宣伝を実施した結果、広告宣伝費は1,065,434千円(前年同期比40.1%減)、人員の増加に伴う給料手当は155,048千円(前年同期比22.9%増)計上しております。なお、広告宣伝は、継続的に効果検証を実施し効率化を図っています。
この結果、販売費及び一般管理費合計は、1,442,373千円(前年同期比35.3%減)となりました。
(営業外損益)
営業外収益は、4,819千円となりました。これは主に、受取手数料3,733千円によるものです。
営業外費用は、190千円となりました。これは主に、支払手数料160千円によるものです。
(特別損益)
特別利益は、1,600千円となりました。これは、新株予約権戻入益1,600千円によるものです。
(法人税等)
法人税等(法人税等調整額を含む)は77,536千円(前年同期比46.6%増)となりました。
以上の結果、当事業年度の営業利益は10,380千円(前年同期比91.1%減)、経常利益は15,009千円(前年同期比89.6%減)、当期純損失は60,926千円(前年同期は当期純利益41,243千円)となりました。
b. 財政状態
当社の財政状態につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
当社キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社は、今後も更なる収益基盤の安定化及び持続的な成長を図るためには、収益源の多様化を実現する必要があると考えており、自社による新規事業の創出及び拡大のみならず、業務提携、M&A等の新たな事業・サービスへの提携・投資を積極的に取り組んでいく方針であります。当社の運転資金需要のうち主なものは、当社サービスを効果的に拡大していくための広告宣伝費及びサービス開発に係る人員の採用費、人件費であります。投資を目的とした資金需要は、主にM&A等によるものであります。これらの資金需要は自己資金により充当することを基本的な方針としておりますが、多額なM&A等の戦略的投資については、必要に応じて金融機関からの借入を実施いたします。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は、外部環境の変化に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保することにより経営成績に重要な影響を与える可能性のあるリスク要因を分散、低減し、適切に対応を行って参ります。
⑤ 経営戦略の現状と見通し
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社の主力サービスであるマンガアプリ「マンガBANG!」及びオリジナルマンガ制作の成長、拡大と新サービス、新規事業の創出に取り組んで参ります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載されている様々な課題に対処し、ユーザーにより良いサービスを継続的に提供していくことが必要であると認識しております。そのため、経営者は、現在の経営環境並びに入手可能な外部環境の変化に関する情報に基づき、迅速かつ最善な経営戦略の立案、経営課題に対する施策の実施に努めております。