事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
| セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
|---|---|---|---|---|---|
| CLOMO事業 | 3,629 | 96.8 | 930 | 102.8 | 25.6 |
| 投資事業 | 121 | 3.2 | -25 | -2.8 | -20.8 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは当社及び連結子会社4社(株式会社アイキューブドベンチャーズ、アイキューブド1号投資事業有限責任組合、ワンビ株式会社、10KN COMPANY LIMITED)の計5社で構成されております。パーパスを「笑顔につながる、まだ見ぬアイデア実現の母体となる」、提供価値を「デザインとエンジニアリングの力で、挑戦を支える」と定義した上で、「挑戦を、楽しもう。」をブランドスローガンに掲げ、挑戦的な文化を醸成し、ITを軸とした様々な挑戦を積極的に進めていく企業を目指しております。
当社グループは、企業や教育、医療、官公庁など様々なビジネスシーンにおいて活用が進むモバイル端末に対し、一元的な管理・運用、業務効率化向上、セキュリティ強化などを支援するサービスをSaaS(Software as a Service)として提供する「CLOMO事業」及びCVCやM&Aを通じた投資活動によって当社グループの持続的な成長を目指す「投資事業」を運営しており、詳細は以下のとおりであります。
なお、これらの事業区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントと同一の区分であります。
(1) CLOMO事業
CLOMO事業は、法人向けモバイル端末(iPhoneやAndroid等のスマートフォン、タブレット、モバイルPC)を、一元的に管理・運用するサービス「CLOMO MDM」を中心に、モバイル端末向けアプリケーション「CLOMO SECURED APPs」、Windows PC向けの情報漏洩対策サービス「TRUST DELETE」を開発・提供しております。
これらのサービスはクラウドを介してSaaSとして提供しております。クラウド上でのソフトウェア管理により多くの顧客に対応でき、ビジネス規模の拡大によるスケールメリットを享受できる収益構造となっております。また、月額や年額で定額課金するサブスクリプション型を採用しており、サービス提供開始後は解約や契約ライセンス数の減少がない限り、毎月安定した収益を積み上げることができます。この安定した収益基盤により、事業の成長を目指しております。
CLOMO事業を構成する主要なサービスの詳細は、次のとおりであります。
① CLOMO MDM
CLOMO MDMは、企業や法人等が使用する多数のiPhoneやAndroid等のスマートフォン、タブレットを一元的に管理・運用するサービスであり、主な機能としては、「利用状況の監視(モバイル端末の利用状況を遠隔でリアルタイムに把握する機能)」「運用効率化(個別端末の機能を適切に設定・制限する機能)」「盗難/紛失時の対策(盗難/紛失時に端末ロックやデータ消去を行う機能)」等を行うことができます。さらに、CLOMO MDMとセットで使用するオプションサービスについても、時流に合わせて継続的に拡充し、充実したラインナップを取り揃えております。
a サービス提供体制と強み
当社は、ソフトウェアの開発、ライセンス販売、サービス運用、プラットフォーム管理、カスタマーサポートの全てを自社で一貫してコントロールする統合的な体制を強みとしております。これにより、サービス運用やカスタマーサポートで得た知見や顧客からの要望を、新たなソフトウェア開発や既存ソフトウェアの改善に迅速に反映させることが可能であり、サービスの競争力向上を支えております。
b 販売戦略と顧客支援
当社は、主に販売パートナー(携帯電話販売会社や携帯電話販売代理店等)を通じてサービスを提供しており、販売パートナーへの製品勉強会の定期開催や、当社のテクニカルコンサルタントによる商談サポートを通じて、販売活動を支援しております。
また、サービス導入後の顧客に対しては、当社のカスタマーサクセス部門が電話やメールで直接問い合わせに対応するほか、定期的な利用状況のモニタリングや、製品活用セミナーを開催することで、高い継続率と顧客満足度を維持しております。
これらの導入支援や導入後の積極的なサポート体制を評価いただき、大規模運用ユーザーも含めて業種業態を問わず採用されております。また、主要な販売パートナーである株式会社NTTドコモが提供するMDMサービスのリニューアルに伴いCLOMO MDMが採用され、2022年9月よりOEM提供を開始しました。これにより、中小規模企業へのサービス導入もさらに進んでおります。
c マルチOS対応とパートナーシップ
CLOMO MDMは、Apple Inc.の「Volume Purchase Program(注1)」や「Automated Device Enrollment(注2)」に対応しており、iOSデバイスの管理・活用に強みを持っております。また、Androidデバイス向けでは、Google LLCの提供する「Android Enterprise Recommended」を取得しており、「Android Enterprise Partner Program(注3)」においては3年連続でGold Partnerとして認定されております。さらに、Windowsデバイス向けでは、日本マイクロソフト株式会社と協業(重要な投資パートナーとして、ハード面、ソフト面において、様々な支援を受けております。)しており、様々なOSでの管理・活用が可能となっております。
CLOMO MDM 利用イメージ
② CLOMO SECURED APPs
近年のDX化に伴い、業種業態を問わず様々なビジネスシーンでモバイル端末の活用が進む中、モバイル端末自体の管理に留まらず、企業が業務上で使用するアプリケーションに対しても、顧客情報や機密情報の流出を防ぐための高いセキュリティ要件が求められております。
CLOMO SECURED APPsは、セキュリティとアプリケーションの使い勝手の良さを両立させることでモバイル端末の活用を支援する、企業向けのモバイルアプリケーションです。具体的には、ビジネスで利用するブラウザ、メール、スケジュール、アドレス帳、ファイル共有の5つのアプリケーションを提供しており、法人向けアプリケーションに求められるセキュリティ要件を満たしながら、個人向けアプリケーションと同様の使い勝手を実現しております。
製品ラインナップと特徴
③ TRUST DELETE
TRUST DELETEは、子会社であるワンビ株式会社が提供する、Windows PCの紛失・盗難に備える情報漏洩対策ソリューションです。リモートワークの普及等で、業務用のWindows PCを社外へ持ち出す機会が増加する中、企業においては個人情報や業務情報などの会社資産の保護・漏洩防止に対する意識が高まっております。
TRUST DELETEは、インターネットに接続できないオフライン環境の端末に対しても自動で遠隔データ消去を実行できる機能や、OSの種類を問わず工場出荷状態へ初期化する機能を有しており、データ消去の確実性を強みとしております。また、様々なバージョンの提供により、お客様の多様なニーズに対応し、高度なセキュリティ環境の構築に貢献しております。
(2) 投資事業
投資事業では、当社グループの持続的な成長を実現するべく、ベンチャーキャピタル子会社である「株式会社アイキューブドベンチャーズ」を通じて「アイキューブド1号投資事業有限責任組合」を設立し、スタートアップ投資を行っております。主な投資対象はモバイル、SaaS、セキュリティ等、当社グループの事業領域と親和性の高い企業としております。さらに、社会課題解決型企業や、当社グループが本社を置く九州の地場で活動している企業についても投資対象としており、この投資活動により世の中にイノベーションの連鎖を創出し、新たな価値創造への挑戦に貢献することを目指しております。
[事業系統図]
当社グループの主要な事業系統図は以下のとおりです。
(注)1.Apple Inc.が提供する、App Storeアプリの一括購入プログラムです。企業などの組織がアプリを一括購入して組織内のユーザーに簡単に配布でき、アプリの割り当て後も所有権は管理者が保持しているので、必要に応じて取り消しや再割り当てが可能となり、対象のデバイスが10台でも、1万台でも、iPhone、iPad、Mac、Apple TVの管理が容易にできるようになります。
2.Apple Inc.が提供する、新規に購入したモバイル端末をMDMサービスの管理下へ配置する作業を自動化するプログラムです。設定中のモバイル端末を監視するために、実際に管理者がモバイル端末に触れなくとも構成できるようになり、初期設定の手順が簡素化されます。
3.Google LLCが提供するプログラムで、パートナー企業によるAndroid Enterpriseの仕様に則した製品やサービス、ソリューションの開発、販売などの支援を目的としております。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当社グループは、パーパスを「笑顔につながる、まだ見ぬアイデア実現の母体となる」、提供価値を「デザイン とエンジニアリングの力で、挑戦を支える」と定義した上で、「挑戦を、楽しもう。」をブランドスローガンに掲 げ、挑戦的な文化を醸成し、ITを軸とした様々な挑戦を積極的に進めていく企業を目指しております。
事業内容としては、企業、教育、医療の現場で活用されるモバイル端末の一元管理・運用を行うSaaS(Software as a Service)を提供する「CLOMO事業」を主軸に展開しております。また、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)やM&Aを通じた投資活動により、グループの持続的成長とスタートアップ企業の新たな価値創造を支える「投資事業」を運営しております。
組織面では、様々なライフイベントに応じた柔軟な働き方を実現するための各種制度を設け、性別や国籍を問わ ない採用活動により、多様性のある組織づくりを推進しております。また、人材育成のための研修などの成長支援 を通じて、挑戦を積極的に行う文化の醸成に取り組んでおります。このような取り組みの結果、Great Place to Work® Institute Japanが世界共通の基準で従業員の意識調査を行う、「働きがいのある会社」ランキングにおい て、5年連続で働きがいのある会社として認定されております。
また、当社グループは、株主の皆様の日頃のご支援に感謝するとともに、当社株式の魅力を高め、より多くの株 主様に保有いただくことを目的として、新たに株主優待制度を導入いたしました。2025年6月末日を初回基準日として、以降は中間及び期末の年2回実施するものであり、本制度を通じて当社株式の流動性向上や認知度向上につながることを期待しております。さらに、2025年6月には、資本効率の向上等を目的として22万株の自己株式取得を実施するなど、株主還元の拡充及び資本コストの最適化に取り組んでおります。
当連結会計年度の経営成績の状況について、売上高は、CLOMO事業でOEM提供による新規顧客の獲得が進んだことに加え、投資事業で営業投資有価証券の売却による売上が発生し、前年同期比で増加しました。売上原価は、CLOMO事業でソフトウェアに対する顧客からの要望に応じ、一部の軽微な改修を優先した結果、製造経費が増加したことに加え、投資事業における売却原価及び投資先の評価損が発生したことにより、前年同期比で増加しました。販売費及び一般管理費については、医療・官公庁市場におけるCLOMOのサービス認知度向上を目的としたイベント出展や動画広告制作等の広告宣伝費が増加したことに加え、ワンビ株式会社の株式に対する公開買付けに係る諸費用等が発生したことにより、前年同期比で増加しました。さらに、2025年1月に子会社化(みなし取得日:2024年12月31日)したワンビ株式会社の損益計算書を第3四半期連結会計期間から連結対象に含めたことにより、売上高、売上原価、販売費及び一般管理費がそれぞれ増加しております。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高3,749,791千円(前年同期比27.2%増)、営業利益905,079千円(前年同期比30.8%増)、経常利益877,758千円(前年同期比31.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益558,635千円(前年同期比20.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① CLOMO事業
CLOMO事業においては、2010年から提供を開始したモバイル端末管理ソフトウェアサービス「CLOMO MDM」及びモバイル端末向けアプリサービス「CLOMO SECURED APPs」を事業の主軸に、クラウドを利用したB to BのSaaS事業をサブスクリプションの形で提供しており、2024年12月に公表されたMDM市場(自社ブランド)シェアにおいて、2011年度から14年連続でシェアNo.1を達成しました(注1)。さらに、CLOMOサービスは2024年2月に「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)(注2)」に登録され、政府が求める高いセキュリティ水準をクリアしたサービスとして認められております。
当連結会計年度においては、引き続き、既存及び新規の販売パートナーとの連携を強化し、販売網の強化・拡大を推進してまいりました。また、自社ブランド製品であるCLOMO MDMの販売に加え、株式会社NTTドコモが提供するMDMサービス「あんしんマネージャーNEXT(注3)」へのOEM提供を通じた新規顧客の獲得が進んだことで、着実に顧客基盤が拡大しております。
CLOMO事業のさらなる成長に向けては、顧客基盤の拡大に加えて、ARPU(注4)の向上が重要であるため、オプションサービスの拡充戦略を推進しております。具体的には、セキュリティ対策製品や運用支援サービスなど、MDMの周辺サービスをラインナップし、クロスセルを通じたARPUの向上に取り組んでおります。
製品開発においては、CLOMOサービスのPC資産管理市場でのシェア獲得に必要となるWindows PC向けの機能強化のほか、他社製品との連携、オプションサービスの機能拡充など、顧客のニーズに応えるための開発活動に注力しております。また、当社は2025年3月に、Microsoft CorporationのDevice Compliance Partnerとして「Microsoft Intune(注5)」との連携機能を実装し、「Microsoft Entra ID(注6)」の条件付きアクセスに対応しました。昨今、働き方の多様化やDXの推進によって企業などの組織におけるモバイル端末の活用が急速に拡大しており、多様な端末が業務に利用される環境下で、企業の情報資産を安全に管理する重要性が高まっております。この機能により、IT管理者はCLOMOサービスで管理された端末のみがMicrosoft365のアプリにアクセスできるよう制御でき、より強固なセキュリティ管理が実現可能となります。さらに、国内の競合他社においては、Microsoft Entra IDの条件付きアクセスに対応していない状況(2025年6月末時点の当社調べ)であり、本機能はCLOMOサービスの競争優位性を高めるものと考えております。
また、2025年1月に子会社化(みなし取得日:2024年12月31日)したワンビ株式会社の損益計算書を、第3四半期連結会計期間から「TRUST DELETE」としてCLOMO事業セグメントの連結範囲に含めたことにより、売上高及び営業利益が増加しております。同社はWindows PC向けの情報漏洩対策ソリューションを開発・提供しており、これまでに75万台以上の豊富な導入実績を有しております。同社のグループ参画により、Windows PC向けサービスの強化に加え、販路共有による顧客基盤の拡大を図りながら、CLOMO事業のさらなる成長を目指してまいります。
これらの取り組みにより、導入法人数(注7)は8,620社(前連結会計年度末に比べ1,910社、28.5%増)に達しました。
この結果、売上高は3,628,799千円(前年同期比23.0%増)、営業利益は930,277千円(前年同期比21.9%増)となりました。
なお、サービス別の内訳は次のとおりであります。
② 投資事業
投資事業では、ベンチャーキャピタル子会社である株式会社アイキューブドベンチャーズを通じてアイキューブド1号投資事業有限責任組合を設立し、CVCとして投資活動を推進しております。
主な投資対象はモバイル、SaaS、セキュリティ等、当社事業領域と親和性の高い企業、社会課題解決型企業及び当社グループが本社を置く九州の地場で活動している企業としております。また、当社グループの新たな市場領域への進出及び収益源の創出を図るべく、M&Aを通じた新事業開発にも積極的に取り組んでおります。
当連結会計年度においては、新たに2社へ投資し、累計投資社数は9社となっております。また、アイキューブド1号投資事業有限責任組合における営業投資有価証券の売却による収益を当連結会計期間において計上しました。
この結果、売上高は120,991千円(前年同期は-千円)、営業損失は25,198千円(前年同期は営業損失71,165千円)となりました。
(注)1.出典 デロイト トーマツ ミック経済研究所「コラボレーション/コンテンツ・モバイル管理パッケージソフトの市場展望(https://mic-r.co.jp/mr/00755/)」2011~2013年度出荷金額、「MDM自社ブランド市場(ミックITリポート12月号: https://mic-r.co.jp/micit/2024/)」2014~2023年度出荷金額・2024年度出荷金額予測。
2.政府が求めるセキュリティ要求を満たしているクラウドサービスを予め評価・登録することにより、政府のクラウドサービス調達におけるセキュリティ水準の確保を図り、円滑に導入できることを目的とした制度です。本制度は「政府情報システムにおけるクラウドサービスのセキュリティ評価制度の基本的枠組みについて」(2020年1月30日サイバーセキュリティ戦略本部決定)に基づき、内閣サイバーセキュリティセンター・デジタル庁・総務省・経済産業省が運営しております。
3.株式会社NTTドコモが提供しているモバイル端末管理サービスです。主に、社員・生徒に貸与したモバイル端末に対して紛失・盗難時に有効な「ロック/初期化」機能や、「カメラ制御」「利用可能アプリの制限」などのセキュリティ機能、「アプリ配信」などのデバイス管理業務効率化機能を備えております。
4.Average Revenue Per Userの略称であり、導入法人数当たりの平均月間単価。
5.Microsoft Corporationが提供するモバイル端末及びモバイルアプリケーション管理のクラウドサービスです。
6.Microsoft Corporationが提供するIDやアクセス管理のクラウドサービスです。
7.TRUST DELETEの導入法人数は含めておりません。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末における財政状態については次のとおりであります。
(資産)
総資産は4,438,748千円となり、前連結会計年度末に比べ829,510千円の増加となりました。これは主に現金及び預金が412,906千円、顧客関連資産が321,400千円、投資有価証券が94,764千円、売掛金が86,667千円、のれんが48,010千円増加し、ソフトウエアが64,471千円、営業投資有価証券が49,087千円、ソフトウエア仮勘定が31,066千円減少したことによるものです。
(負債)
負債は1,577,840千円となり、前連結会計年度末に比べ548,166千円の増加となりました。これは主に契約負債が342,324千円、繰延税金負債が90,162千円、その他流動負債が84,261千円、賞与引当金が12,172千円増加したことによるものです。
(純資産)
純資産は2,860,908千円となり、前連結会計年度末に比べ281,343千円の増加となりました。これは主に自己株式の取得に伴う減少が404,360千円、剰余金の配当に伴う利益剰余金の減少が163,314千円発生し、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加が558,635千円、非支配株主持分の増加が289,604千円発生したことによるものです。
以上の結果、自己資本比率は57.7%(前連結会計年度末は71.2%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は2,224,033千円となり、前連結会計年度末に比べ412,966千円の増加となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,014,907千円(前年同期は得られた資金823,344千円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益877,758千円、減価償却費353,375千円、のれん償却額52,628千円、固定資産除却損12,697千円、投資事業組合運用損17,696千円、売上債権の増加額53,861千円、契約負債の減少額7,138千円、営業投資有価証券の減少額49,087千円、営業活動その他の増加額54,936千円、法人税等の支払額349,727千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は36,305千円(前年同期は使用した資金616,441千円)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出234,863千円、投資有価証券の取得による支出110,000千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入313,486千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は564,761千円(前年同期は使用した資金452,254千円)となりました。これは主に、配当金の支払額163,301千円、自己株式の取得による支出404,360千円によるものです。
(4) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載を省略しております。
② 受注実績
当社グループで行う事業は、受注から役務提供の開始までの期間が短く、受注状況には重要性がないため記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては、記載を省略しております。
(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1) 経営成績の状況」、「(2) 財政状態の状況」、「(3) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。事業運営上必要な運転資金の需要のうち主なものは、当社グループサービスを安定的に運営し、また拡大していくための開発人員及び営業人員の人件費、研究開発に係る費用であります。
④ 目標とする経営指標の状況
a 導入法人数(CLOMO事業)
当連結会計年度末の導入法人数は8,620社(前連結会計年度末に比べ1,910社、28.5%増)となりました(注1)。
営業拠点を通じた地方の販売パートナーとの連携強化や、OEM提供先サービスの成長によって、顧客基盤の拡大が進んでおります。
b ライセンス継続率(CLOMO事業)
当連結会計年度のライセンス継続率は95.5%となりました(注2)。
カスタマーサクセス部門による、ユーザーミーティングの開催や、定期面談、製品活用のためのステップアップセミナーの実施など、エンドユーザーの成功体験を目的とした様々な取り組みの成果が、製品に対する心理的ロイヤルティ向上を後押ししたことで、ライセンス継続率は引き続き高い水準を維持しております。
(注)1.TRUST DELETEの導入法人数は含めておりません。
2.継続率は、当連結会計年度に発生した各月の解約数を前年同月末のライセンス数から控除したライセンス数について、前年同月末ライセンス数で除して算出しております。なお、TRUST DELETEのライセンス継続率は算出に含めておりません。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、事業活動の特徴を考慮した経営管理上の区分に基づき、事業セグメントを集約した上で、「CLOMO事業」と「投資事業」の2つを報告セグメントとしております。
CLOMO事業は、法人向けモバイル端末(iPhoneやAndroid等のスマートフォン、タブレット、モバイルPC)を、一元的に管理・運用するサービス「CLOMO MDM」を中心に、モバイル端末向けアプリケーション「CLOMO SECURED APPs」、Windows PC向けの情報漏洩対策サービス「TRUST DELETE」を開発・提供しております。
投資事業では、当社グループの持続的な成長を実現するべく、ベンチャーキャピタル子会社である「株式会社アイキューブドベンチャーズ」を通じて「アイキューブド1号投資事業有限責任組合」を設立し、スタートアップ投資を行っております。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表を作成するために採用される会計方針に準拠した方法であります。報告セグメントの利益又は損失は、連結財務諸表の営業利益と一致しております。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)
(注)1.セグメント資産の調整額は、セグメント間の債権債務相殺消去等であります。
2.セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と一致しております。
当連結会計年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)
(注)1.セグメント資産の調整額は、セグメント間の債権債務相殺消去等であります。
2.セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と一致しております。
3.当連結会計年度において、ワンビ株式会社を株式取得(2025年1月)により子会社化したため、
「CLOMO事業」セグメントに含めております。また、有形固定資産及び無形固定資産の増加額には、当該企業結合による資産の増加は含めておりません。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)
1.製品及びサービスごとの情報
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
当連結会計年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)
1.製品及びサービスごとの情報
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日)
(注)上記ののれんは全て2024年4月1日をみなし取得日として行った企業結合により発生したものであるため、のれんの償却額は発生しておりません。
当連結会計年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)
(注)のれんの償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。