2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    3,396名(単体) 4,206名(連結)
  • 平均年齢
    43.7歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.4年(単体)
  • 平均年収
    10,935,334円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    7.5%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

「人材戦略に関する基本方針等」については、「第2 事業の状況  2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)人的資本の拡充に向けた取り組み」をご参照下さい。

また、当社グループにおける従業員の給与その他の給付の額及び内容については、職務・役割に基づく処遇設計と、成果に連動した報酬配分に基づき決定しております。

 

 

(2) 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

医薬品事業

4,206

合計

4,206

 

(注) 従業員数は就業人員数であります。

 

(2) 提出会社の状況

2026年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

3,396

43.7

17.4

10,935,334

7.5

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

医薬品事業

3,396

合計

3,396

 

(注) 1 従業員数は就業人員数であります。

2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含めて算出しております。

なお、基準外賃金は当事業年度より含めての算出となります。

 

(3) 労働組合の状況

当社の城東製品開発センター以外の事業所には単位組合として組織された小野薬品労働組合があり、城東製品開発センターには化学一般小野薬品労働組合があります。また、当社以外では東洋製薬化成㈱に東洋製薬化成株式会社労働組合があります。2026年3月末現在組合員数は、小野薬品労働組合1,743名、化学一般小野薬品労働組合11名、東洋製薬化成株式会社労働組合153名であります。

会社との関係は各組合とも円満であり、特記すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合

(%)(注)3

男性労働者の育児休業取得率(%)(注)4

労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1、2、3

全労働者

うち正規雇用労働者

うち有期労働者

9.1

88.8

73.6

73.1

79.7

 

(注) 1 当社では同一職位において男女間の賃金に差異はありません。男女間賃金差異は、「管理職クラスの中途採用では男性の比率が高いこともあり、女性管理職比率は改善してきてはいるものの9.1%にとどまっていること、総合職の女性の平均年齢が男性に対し、7.1歳若いこと」等により生じております。改善に向けて、女性管理職の登用拡大に向けた取り組み等、複数の対応を積極的に進めております。

2 男女の賃金の差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、直近の男女賃金差異の情報公表に関する解説資料および関連Q&Aの明確化を踏まえ、休職や欠勤、退職等により、1ヵ月以上給与支給がなかった労働者を対象から除外して算出しております。

3 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。(2026年3月31日時点の割合)なお、2021年度からの管理職に占める女性労働者の割合は、4.6%(2021年度)→5.1%(2022年度)→6.4%(2023年度)→7.4%(2024年度)と推移しております。

4 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

 

② 連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)

東洋製薬化成株式会社

20.0

 

(注) 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出した

ものであります。(2026年3月31日時点の割合)

 

(5) 使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容

当社は使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度を導入しております。当該役員・従業員株式所有制度の内容について「1 株式等の状況 (8) 役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)サステナブル経営方針

当社は、1717年(享保2年)の創業以来、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、社会とともに歩んできました。社会の一員として当社の存在意義を改めて認識し、「社会から必要とされる企業であり続けたい」という想いを胸に、2021年には持続可能な社会の実現のためにサステナブル経営方針を策定しました。

 


 

 ① ガバナンス
 当社では、取締役会がサステナビリティ経営における重要な経営課題(マテリアリティ)を監督しており、サステナビリティ経営の最高責任者として代表取締役社長を、サステナビリティ担当役員として執行役員サステナビリティ推進部長を任命しています。
代表取締役社長のもと、サステナビリティ戦略会議(サステナビリティ担当役員が議長を務め、代表取締役社長、代表取締役専務執行役員、各本部長、監査役、および議長が定める本社事業所長で構成)を設置し、重要事項についての議論・審議を行っています。なお、サステナビリティ戦略会議は、右図に示す6つの委員会とともに、取締役会との連携を密にするコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。


 

 

 

② 戦略

サステナブル経営方針のもと、当社のリスクと機会を統合的に分析し、マテリアリティを特定しています。各マテリアリティについて、それぞれ取り組みを推進することで、当社と社会、双方の持続可能性向上を図り、長期的に企業価値を高めていきます。


 


 

③ リスク管理

サステナビリティに関する主要なリスクは、全社的リスクマネジメント(ERM)に統合し、管理しています。詳細は「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

④ 指標と目標

各マテリアリティは中期経営計画の成長戦略と明確に連動させ、KPIを設定してより推進力のあるマネジメント体制に発展させています。また、各マテリアリティの取り組み状況及び進捗は、取締役の業績評価に反映させています。

マテリアリティのKPIおよび進捗状況については、当社サステナビリティWebページ内「小野薬品のマテリアリティ」(https://sustainability.ono-pharma.com/ja/themes/100#898)をご参照下さい。

 

 

(2)人的資本の拡充に向けた取り組み

当社グループは中期経営計画の達成に向けて、4つの成長戦略を軸に取り組んでいます。あわせて、企業の永続的な発展を支えるのは「人財」であり、人的資本の拡充に向けた取り組みを推進しています。当社グループの全ての人財が、それぞれの多様性を生かし、能力を最大限に発揮できるよう、組織風土・カルチャーの醸成を含む人事施策をグローバル人事ポリシーに沿って進めています。これらの取り組みを通じて、成長戦略の実現と当社グループ全体のエンゲージメント向上を目指しています。

 

① ガバナンス

当社においては、マテリアリティ(経営の重要課題)の1つとして人的資本の拡充を取り上げており、その進捗については取締役会等にて定期的な報告を行っています。

 

② 戦略

[全ての成長戦略に共通する人財プール]

 当社の企業理念の実現に向けて、全ての成長戦略に対し、部門横断的に経営基盤を支える横断人財と、各成長戦略を推進するためのスキルと専門性を持つ専門人財の育成もしくは採用を実施しており、これら多様な人財が連携して組織/プロジェクトのメンバーを牽引することで、持続的な成長を実現するべく取り組んでいます。

 部門横断的に経営基盤を支える横断人財は、大きく4つの人財カテゴリ:次世代経営人財、グローバル人財、デジタル人財、イノベーション人財に区分し、それぞれ採用・育成を進めています。

・次世代経営人財については、将来の経営幹部となりうる候補人財を4つの階層に分けて、研修や計画的なタフアサインメントなどを通じて育成しています。

・グローバル人財については、グローバルビジネスの遂行に必要な国際的な視野、異文化コミュニケーション、語学力といったスキルを修得するための育成研修(Global Skill Improvement Program:GSIP)や計画的な海外派遣などを通じて、育成を行っています。

・デジタル人財については、デジタル・IT部門以外のビジネスサイド(研究、開発、営業部門他)も含め、各事業のDX推進を通じてデジタルリテラシーの高い人財を育成する取り組みやデジタル人財育成研修を行っています。

・イノベーション人財については、当社独自の取り組みである(Ono Innovation Platform:OIP)を2021年度よりスタートさせ、学習・経験・挑戦の場の3つの分野で構成するプログラムを提供し、育成を行っています。

 各成長戦略を推進する専門人財は、4つの成長戦略ごとに人財要件を定義し、計画的な育成と採用を進めています。

・製品価値最大化:患者本位の視点でニーズを顕在化し、解決策を提案、実行できる人財

パイプラインの強化:グローバルでオープンイノベーション、ライセンス導入、臨床開発を推進しマネジメントできる人財

グローバル事業の拡大と加速:グローバルで活躍できる多様な人財を束ねて事業を推進できる人財

・事業ドメインの拡大:ニーズを捉え、経済合理性のある解決策を社会実装できる人財

[人財の能力底上げ]

 成長戦略を推進し、実現する横断人財、専門人財を継続して輩出するために全ての社員の能力底上げを目的として、階層別必須研修とあわせ、社員の自律的なキャリア形成を支援するために手上げ方式で主体的に参加できる研修の提供、オンライン学習や資格取得等に活用できる自己啓発学習補助金(7万円/人・年)の支給を行っています。

[高い従業員エンゲージメントを実現する組織風土・カルチャーの醸成]

 事業の継続的な成長を実現するため、人財の採用・育成・確保(リテンション)にあたっては、「社員が、異なる多様な価値観を尊重しながら安心して働き、活躍している」状態を実現するための取り組みを継続しています。その土台となる組織風土、カルチャーの醸成に向けた取り組みを通じて、従業員エンゲージメントの向上に努めています。上記を達成するために、まず個性を発揮できる仕組みや公平で透明性の高い魅力ある風土、変化に適応できる柔軟な労働環境など、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進に取り組んでいます。当社はDE&I推進のテーマとして、「異なり」×「一体感」を掲げています。異なるバックグラウンドや考え方を持つ人財が一緒に働くことで新たな気づき、アイデアが生まれます。それら多様性を受け入れる風土を醸成することで一体感のある企業となり、外部からも魅力があり、かつ当社で長く活躍したいと思う人財のあふれる組織を目指します。また、人々の健康に貢献する企業として、社員が安心して働くことができる環境を提供するために、健康経営にも積極的に取り組んでいます。

 

<企業理念の実現に向けた成長戦略と人財戦略>

 


 

   リスクと機会の管理

 人的資本に関するリスクとしては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(9)人財の採用・育成・確保(リテンション)について」に記載のとおり、持続的成長のために多様かつ優秀な人財の採用・育成・確保に努めています。

 

   指標と目標

[全ての成長戦略に共通する人財プール]

 当社は、部門横断的に経営基盤を支える横断人財の育成を推進しています。2026年度までに次世代経営人財250人以上、グローバル人財300人以上、デジタル人財700人以上(DXプロジェクトを企画・管理・遂行できる人財200人以上およびDXプロジェクトに参加して活躍できる人財500人以上)、イノベーション人財180人以上の確保を目標としています。あわせて、成長戦略を推進する専門人財については、2026年度までに700人規模を確保すべく採用・育成を進めています。

 

[人財の能力底上げ]

 従業員の主体的な学びとキャリア自律を支援するため、対面型とオンライン型を組み合わせた研修体系を整備しています。正社員一人当たりの年間研修時間(単体)は46.0時間(2025年度)であり、研修の効果としても、階層別必須研修(入社3年次研修および昇格者研修)における平均行動変容率は87%(上司による評価、2025年度)と一定の効果が確認されています。また、2025年度には自己啓発学習補助金(7万円/人・年)の活用により、約870人の社員がオンライン学習で自主的に知識・ノウハウの習得に取り組んでいます。今後も、スキル向上および自律的なキャリア形成を支援する研修の拡充を図り、事業に貢献する人財の育成を推進していきます。

 

[高い従業員エンゲージメントを実現する組織風土・カルチャーの醸成]

 当社は2022年度より、全社および各部門の状況を可視化し、企業理念の体現に向けた課題抽出、仮説設定、施策立案・実行の一助とすることを目的に、従業員エンゲージメント調査を実施しています。本調査では、組織の成功に向けて主体的に貢献する意欲をエンゲージメント指数として定量化し、グローバルライフサイエンス企業の平均値をベンチマークとして改善を進めています。なお、2025年度のエンゲージメント指数は72でした(前年度比+2、グローバルライフサイエンス企業(平均値)は76)。

 また、多様性の向上に向け、「管理職」「個の経験と視点」「働き方」の3つを軸に施策を推進しています。

 

〈管理職の多様化〉

 意思決定の質向上および持続的成長の実現に向け、若手、キャリア入社者、女性の登用を柱として推進しています。2025年度より昇格要件における滞留年数を撤廃し、能力・成果に基づく登用を強化するとともに、育児休業等がキャリア形成の阻害要因とならない制度運用を行っています。また、キャリア入社者も増え、その管理職比率は、23.1%(178人、2026年3月31日時点)となっています。女性管理職比率については、2021年度時点で約4%台であった状況を踏まえ、まず管理職候補層の拡充を目的として係長クラスの女性比率向上に取り組み、2022年度には15%を超える水準を確保しました。その上で、2022年度より、2026年度末(2027年3月31日時点)に10%以上、2031年度末(2032年3月31日時点)に20%以上とする段階的な目標を設定し、計画的に登用を進めています。この結果、女性管理職比率は2025年度末(2026年3月31日時点)で9.1%となり、中期目標に対して概ね計画に沿った進捗となっています。一方で、2031年度末の目標達成に向けては、更なる登用の加速が必要と認識しています。このため、女性管理職候補に向けて上司とともにストレッチアサインメントに取り組む研修、社外の女性管理職との交流機会の提供、本部長・統括部長等によるメンタリング等、管理職登用を前倒しするための施策を強化しています。

 今後も、年齢・社歴・性別にかかわらず、公平に採用・育成・登用する仕組みを整備していきます。

 

〈個の経験と視点の多様化および働き方の多様化〉

 公募制度および社内チャレンジジョブ制度により、従業員の異動・兼務を通じた経験と視点の多様化を推進しています。2025年度は、公募制度に55人が応募し、累計154人が異動、チャレンジジョブ制度では、29人が応募し、累計101人が他部署と兼務しています。

 また、女性活躍推進法に基づき、2023年4月より4年間で「女性管理職比率10%以上」「男性の育児休業または短時間勤務の取得率80%以上」を目標としています。男性の育児休業取得率は、2016年の0%から2025年度には88.8%(なお、男性の育児休業の平均取得日数は、約78日)へと向上しており、働き方の多様化は着実に進展しています。さらに、スーパーフレックス制度、在宅勤務制度の導入に加えて、2025年度より、工場勤務者へのスーパーフレックス制度の適用拡大、単身赴任期間が5年を超える方に対する毎月1回の帰省休暇の付与等、より柔軟で働きやすい環境整備を推進しています。また、2025年度より、同性パートナーおよびその家族への福利厚生制度の適用を開始し、全ての従業員が働きやすい環境整備に取り組んでいます。

 「管理職の多様化」および「個の経験と視点の多様化」を進める上で、多様な個性を活かし高いパフォーマンスを発揮できるよう、今後も「働き方の多様化」をはじめ、継続的に働きやすい労働環境の整備をしていくことが重要と考えています。

 

 人的資本の拡充には、社員が健康で安心して働ける環境づくりが重要であるとの認識のもと、「ヘルスアップ宣言2018」に基づき、取り組みを推進しています。社員の健康年齢と実年齢との差は、2022年度の-1.8歳から2025年度には-2.0歳へ改善しています。2026年度に-3.0歳とする目標および「健康経営優良法人2027 ~ホワイト 500~」(大規模法人部門)への9年連続での認定と「健康経営銘柄」への2年連続の選定に向けて、今後も、健康経営を推進していきます。

 

<人財戦略の実現に向けたKPI>

カテゴリ

KPI項目

KPI目標

KPI進捗

全ての成長戦略に共通する人財プール

横断人財採用・育成目標

次世代経営人財   250以上

グローバル人財   300以上

デジタル人財    700以上

(①200人以上+②500人以上)※1

イノベーション人財 180以上

(全て2026年度)

次世代経営人財 :239

グローバル人財 :181※2

デジタル人財  :1,056

(①270人+②786人)

イノベーション人財:135

(全て2025年度)

専門人財採用・育成目標

700規模を採用・育成(2026年度

411人(2025年度)

人財の能力底上げ

正社員一人当たり研修時間

-

連結:43.3時間/年(2025年度)

単体:46.0時間/年(2025年度)

研修後行動変容率

階層別必須研修の平均値:85%以上を維持

87%(2025年度)

高い従業員エンゲージメントを実現する組織風土・カルチャーの醸成

エンゲージメント指数

グローバルライフサイエンス企業(平均値)以上

(2026年度)

72 (2025年度)

[グローバルライフサイエンス企業(平均値):76]

女性管理職比率(DE&I)

10%(2026年度)→ 20%(2031年度)

9.1%(2025年度)

男性育児休業取得率

男性育休+時短勤務(女活法)

80%(2026年度)

88.8%(2025年度)

93.9%(2025年度)

健康年齢(実年齢との差)

-3.0(2026年度

-2.0歳(2025年度)

 

※1:①DXプロジェクトを企画・管理・遂行できる人財、②DXプロジェクトに参加して活躍できる人財

※2:各成長戦略を推進する専門人財のうち、グローバル業務に携わる人数を記載

 

 

(3)気候変動関連開示への対応(TCFD提言への取組)

当社の事業は健全な地球環境のもとで成り立っています。私たちは事業活動による地球環境や地域への負荷を減らすことは重要な企業責任であると考えています。地球環境の保全をマテリアリティの一つとして位置づけ、気候変動などの環境課題の解決に積極的に取り組んでいます。

2019年には、2050年に向けた中長期環境ビジョン「Environment Challenging Ono Vision(ECO VISION 2050)」を策定しました。このビジョンでは「脱炭素社会の実現」、「水循環社会の実現」および「資源循環社会の実現」という3つの重点項目を設定し、それぞれの目標に向かって取り組んできました。

また、2019年には、「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しました。私たちはこの提言を踏まえ、気候変動に関連するリスクと機会の評価や管理を行い、適切な情報開示を進めています。

TCFD提言に基づく情報開示の要旨は以下のとおりです。詳細は、当社サステナビリティWebページ内「TCFD提言に基づく情報開示」https://sustainability.ono-pharma.com/ja/themes/121)をご参照下さい。

 

   ガバナンス

マテリアリティの進捗、中長期環境ビジョンECO VISION 2050の実現と中長期環境目標の達成に向け、代表取締役社長を環境経営の最高責任者とし、環境担当役員として執行役員サステナビリティ推進部長を任命しています。

気候変動対策を含むサステナビリティ戦略についての重要事項は、サステナビリティ担当役員が議長を務め、代表取締役社長を含む経営会議メンバーの多くが出席するサステナビリティ戦略会議にて討議しています。また、工場や研究所など各拠点の環境課題は、環境担当役員が委員長を務める環境委員会にて管理・推進しています。なお、これらのサステナビリティ戦略会議および環境委員会で討議される気候変動を含む環境課題への取り組みの進捗は、四半期に1回以上の頻度で取締役会に報告され、取締役が決定事項の遂行を監督する体制を取っています。

 

   戦略

気候変動が当社の事業に及ぼす影響を把握し、そのリスクと機会を具体化した上で、レジリエントな体制を構築するため、シナリオ分析を実施しました。分析の範囲は自社拠点からの温室効果ガス排出(スコープ1、スコープ2)に加え、サプライチェーンからの温室効果ガス排出(スコープ3)を対象としました。事業への影響は、短期(~3年)、中期(3~10年)、長期(10~30年)の3期に分類し、その影響度を金額と発生可能性を考慮して総合的に大中小で評価しました(大:事業活動の継続に影響、中:事業の一部に影響がある、小:ほとんど影響がない)。シナリオ分析では、低炭素社会に向かう1.5℃シナリオ(IEA NZE 2050およびIEA SDS (WEO2021))と温暖化が進む4℃シナリオ(IPCC RCP8.5)を選択し、分析、評価を行いました。情報が不足している場合は、STEPSシナリオなども参考にしました。

 

<気候変動関連のリスク>

カテゴリ

リスク

期間

事業への影響

主な対応策

1.5℃

4℃

政策・法規制

炭素税導入による税負担の増加
 
 

中長


 (約8億円)

・省エネルギー施策と再生可能エネルギー調達の実施

 

排ガス規制による営業車の使用制限


 (約4億円)

・環境配慮車への移行促進
・EV車導入に向けた社内環境整備

気候変動対策費の調達コストへの価格転嫁

 

中長


 (炭素税の影響額は約2億円)

・ビジネスパートナーとの協働によるスコープ3排出量の削減

各国・地域の法規制・排出規制への対応の遅れによる機会損失

中長

・各国の規制動向の把握

・規制動向を反映した戦略決定と対応実施              

テクノロジー

気候変動対策のための投資コストの増加

短中長


 (約9億円)

・運用改善による省エネルギーの推進
・環境関連の補助金の活用

市場

再生可能エネルギーの需要競争激化による調達難
 
 

 

・PPA導入など再エネ調達方法の拡大
・RE100等のイニシアチブ活動への参加を通した政策提言

評判

環境目標未達による企業価値低下
 
 

短中長

・中長期環境目標達成に向けた施策推進
・適切な情報開示

物理リスク
 (急性)

自然災害(豪雨・洪水・台風など)による操業の一時中断

中長


 (約100億円)

・BCP対策の徹底
 (十分な原薬・製品在庫の確保/複数サプライヤー体制の構築)
・ビジネスパートナー選定プロセスにおける、自然災害リスク確認の継続

物理リスク
 (慢性)

水不足による生産への影響

(水不足のリスクが高い地域に自社工場および主要製品の原薬製造委託先はないため、現時点で操業の中断が起きる可能性は低い。)

中長

・ビジネスパートナー選定プロセスにおける水不足リスクの確認

・十分な原薬・製品在庫の確保

気温上昇に伴う空調設備等運用コストの増加

中長

・運用改善や設備投資などの省エネルギー施策の推進

 

シナリオ分析の結果、大規模な事業転換や投資が必要な気候関連リスクは認識されませんでした。ただし、自然災害による製造拠点・調達品への影響、各国・地域の法規制などのリスクを継続して分析していくことが重要だと認識しています。特に、4℃シナリオの物理的リスク「自然災害(豪雨・台風・洪水)」については、高品質な医薬品の安定供給に影響を及ぼすリスクになりうると捉えています。引き続き、十分な在庫確保や生産・調達の複数拠点対応などBCP対策を推進します。

 

<気候変動関連の機会>

カテゴリ

機会

期間

事業への影響

主な対応策

1.5℃

4℃

資源効率性

効率的な電力の利用によるコスト削減
 
 

中長

・運用改善や設備投資などの省エネルギー施策の推進
・連続生産方式などの高効率生産プロセスを通じた省資源化

・グリーン・サステナブル・ケミストリーの概念を考慮した創薬技術の推進

・共同輸送など流通プロセスの効率化

市場

省エネルギーおよび再生エネルギーに関する補助金の活用

短中長


 (~5億円)

・政策動向の注視と補助金の積極的な活用

自社事業

新たな健康被害に対する新製品・サービスの開発
 
 

・オープンイノベーションの活用

評判

先進的な気候変動対策による企業価値の向上
 (他社との差別化や従業員の雇用・定着)

短中長

・積極的な省エネ・再エネ施策の推進と適切な情報開示
 
 

 

気候変動により、感染症や呼吸器疾患、熱中症などの健康被害の増大が懸念されています。当社は革新的な医薬品の創製により社会に貢献すべく取り組んでおり、当該疾患に対する治療薬が見いだされた場合は、その機会を最大限に活かしていきます。革新的な医薬品の提供によって患者さんやそのご家族に貢献するだけでなく、人々が健康で健全に暮らせる社会であるよう、脱炭素社会の実現に向けて取り組みます。

 

③ リスクと機会の管理

特定したリスク・機会、およびその対応策、ならびに機会推進のための施策の進捗は、工場や研究所など各拠点の環境課題を管理・推進する部門横断の環境委員会にて管理しています。管理状況は、前頁ガバナンスに記載の環境マネジメント体制を通して、取締役会が監督する体制をとっています。また、気候変動関連のリスクは、リスクマネジメント委員会に共有され、事業継続に影響を与えるリスクはリスクマネジメントグローバルポリシーに基づき全社的リスクとして管理しています。

また、対応策の進捗やその進捗による影響額の変化については、環境委員会にて毎年見直しを行い、リスク・機会の分析・評価の見直しは、中期経営計画および環境関連の方針や目標の改定に合わせて数年ごとに実施します。

 

 

④ 指標と目標

気候変動に伴うリスクの最小化と機会の最大化を目指し、各種環境指標や目標を設定し、モニタリングを継続して実施しています。2023年、取り組みをさらに加速すべく中長期目標を見直し、2025年に自社排出のカーボンニュートラル達成を目指すとともに、自社の温室効果ガス排出ゼロ達成を2050年から2035年に前倒ししました。2025年には自社排出による温室効果ガス(スコープ1+2)のカーボンニュートラルとともに、購入電力に占める再生可能エネルギー比率100%(対象:自社事業所)を達成できる見込みです。

重点項目

中長期環境目標

実績*

(2024年度)

スコープ1+2温室効果ガス排出量

(2017年比)

2025年カーボンニュートラル達成(ボランタリークレジットを活用)

2035年ゼロ

8.9千t-CO2

2017年度比70.3%削減

スコープ3温室効果ガス排出量

(2017年比)

2030年30%削減

2050年60%削減

100.5千t-CO2

(2017年度比18.4%削減)

購入電力に占める

再生可能エネルギー比率

2025年100%(対象:自社事業所)

93.2%

 

*実績値は、第三者保証を受けています。保証範囲の詳細については当社サステナビリティデータ2025https://sustainability.ono-pharma.com/ja/themes/115)をご参照ください。また、2025年度の温室効果ガス排出量関連データについては2026年8月に公表を予定しています。

**スコープ3のカテゴリ1および9、15は、算定時点では当社の主要取引先および医薬品卸の2024年度温室効果ガス排出量が公開されていないため2023年度のデータを用いて算定しています。