2023年12月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

創薬開発事業 放射性医薬品事業
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
創薬開発事業 12,703 44.1 6,388 93.1 50.3
放射性医薬品事業 16,096 55.9 475 6.9 3.0

事業内容

3 【事業の内容】

(1) 事業概要

当社グループは、当社独自の創薬開発プラットフォームシステムであるPDPSを活用した創薬開発事業、及び当社の100%子会社であるPDRファーマ株式会社による放射性医薬品事業を実施しており、医薬品等の研究・開発・製造・販売等に従事しています。

なお、当社グループの報告セグメント及び事業内容は、次のとおりであります。

 

<報告セグメントの内容>

会社名

報告セグメント

事業内容

ペプチドリーム株式会社

創薬開発事業

創薬開発事業として、当社は当社独自の創薬プラットフォームシステムであるPDPSを中核とした創薬基盤技術を活用した①創薬共同研究開発、②PDPSの技術ライセンス、③戦略的提携による自社パイプラインの拡充を行っております。

PDRファーマ株式会社

放射性医薬品

事業

放射性医薬品事業として、がんや脳の異常蓄積等の病変を画像で検査する診断用放射性医薬品(SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)用診断薬、PET(Positron Emission Tomography)用診断薬)及びがん領域を中心としたアンメットメディカルニーズに対応する治療用放射性医薬品の研究開発、及び製造販売を行っております。

 

 

事業の系統図は、以下のとおりです。

<事業系統図> ※当社見解に基づく/当社作成


 

業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当事業年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループのセグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度(2023年1月1日から2023年12月31日)において、当社グループは2つの戦略領域である放射性医薬品(RI)領域とNon-RI領域(ペプチド医薬品、PDC医薬品、MPC医薬品等)で着実に進捗を重ねています。

 

(A)放射性医薬品(RI)領域

当社グループは、日本国内で放射性医薬品事業を推進する上で必要となる創薬研究・開発から製造、販売に至るまですべての機能を一気通貫で有しています。ペプチドリームの100%子会社であるPDRファーマでは、放射性治療薬・診断薬および関連製品の製造や販売等を行っています。また、ペプチドリームではPDRファーマとの連携により、自社プログラムまたは提携プログラムとして革新的な放射性治療薬・診断薬の創製・開発を実施しています。腫瘍の縮小効果をもつ放射性核種をがん細胞に選択的に送達するためのキャリアとして環状ペプチドの有用性が次々と示される中、両社のシナジーを最大限発揮することにより、革新的で高付加価値の放射性医薬品を開発・販売するとともに、海外の製薬企業から有望な放射性医薬品を導入することにより放射性医薬品領域での成長を目指しています。

 

(A)-1  当社グループが販売している放射性医薬品

PDRファーマを通じて当社グループが日本国内で販売している製品は以下の通りです。(2023年12月末時点)

    ヨウ化ナトリウムカプセル:甲状腺機能亢進症の治療、甲状腺がん及び転移巣の治療、シンチグラムによる甲状腺がん転移巣の発見。37MBqから1.85GBqまで5種類の製品規格を展開。ヨウ化ナトリウム(131I)カプセル。

    ライアットMIBG-I131静注:MIBG集積陽性の治癒切除不能な褐色細胞腫・パラガングリオーマ。3-ヨードベンジルグアニジン(131I)。

    ゼヴァリンインジウム(111In)静注用セット:イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)の集積部位の確認。111In標識抗CD20抗体。製造販売元はムンディファーマ株式会社。

    ゼヴァリンイットリウム(90Y)静注用セット:CD20陽性の再発又は難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫の治療。90Y標識抗CD20抗体。製造販売元はムンディファーマ株式会社。

    オクトレオスキャン静注用セット:神経内分泌腫瘍の診断におけるソマトスタチン受容体シンチグラフィ。ソマトスタチン受容体を標的とするペンテトレオチドの111In標識注射液。Curium Pharma社からの導入品。

    テクネDMSAキット:腎シンチグラムによる腎疾患の診断。ジメルカプトコハク酸99mTc注射液 調整用。

    テクネDTPAキット:腎シンチグラフィによる腎疾患の診断。ジエチレントリアミン五酢酸99mTc注射液 調整用。

    テクネMAAキット:肺シンチグラムによる肺血流分布異常部位の診断。テクネチウム大凝集人血清アルブミン99mTc注射液 調整用。

    テクネMAG3注射液/テクネMAG3キット:シンチグラフィ及びレノグラフィによる腎及び尿路疾患の診断。メルカプトアセチルグリシルグリシルグリシン99mTc注射液。

    テクネMDP注射液/テクネMDPキット:骨シンチグラフィによる骨疾患の診断、脳シンチグラフィによる脳腫瘍及び脳血管障害の診断。メチレンジホスホン酸99mTc注射液。

    テクネピロリン酸キット:心シンチグラムによる心疾患の診断、骨シンチグラムによる骨疾患の診断。ピロリン酸99mTc注射液 調整用。

    テクネフチン酸キット:肝脾シンチグラムによる肝脾疾患の診断、乳がん、悪性黒色腫、子宮頸がん、子宮体がん、外陰がん、頭頚部がん(甲状腺がんを除く)におけるセンチネルリンパ節の同定及びリンパシンチグラフィ。フィチン酸99mTc注射液 調整用。子宮頸癌、子宮体癌、外陰癌及び頭頸部癌(甲状腺癌を除く)におけるセンチネルリンパ節の同定及びリンパシンチグラフィについては2023年3月に適応拡大の承認取得。

    テクネゾール:脳腫瘍及び脳血管障害の診断、甲状腺疾患の診断、唾液腺疾患の診断、異所性胃粘膜疾患の診断。過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液。

    ニューロライト注射液第一/ニューロライト第一:局所脳血流シンチグラフィ。[N,N’-エチレンジ-L-システイネート(3-)]オキソ99mTc、ジエチルエステル注射液。Lantheus Holdings社からの導入品。

    カーディオライト注射液第一/カーディオライト第一:心筋血流シンチグラフィによる心臓疾患の診断、初回循環時法による心機能の診断、副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺機能亢進症における局在診断。ヘキサキス(2-メトキシイソブチルイソニトリル) 99mTc注射液。Lantheus Holdings社からの導入品。

    ミオMIBG-I123注射液:心シンチグラフィによる心臓疾患の診断、パーキンソン病及びレビー小体型認知症の診断における心シンチグラフィ、腫瘍シンチグラフィによる神経芽腫、褐色細胞腫の診断。3-ヨードベンジルグアニジン123I注射液。パーキンソン病及びレビー小体型認知症の診断における心シンチグラフィについては2023年12月に適応拡大の承認取得。

    塩化タリウム-Tl201注射液:心筋シンチグラフィによる心臓疾患の診断、腫瘍シンチグラフィによる脳腫瘍、甲状腺腫瘍、肺腫瘍、骨・軟部腫瘍及び縦隔腫瘍の診断、副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺疾患の診断。塩化タリウム(201Tl)注射液。

    ウルトラテクネカウ:脳腫瘍及び脳血管障害の診断、甲状腺疾患の診断、唾液腺疾患の診断、異所性胃粘膜疾患の診断、医療機器「テクネガス発生装置」との組合せ使用による局所肺換気機能の検査。過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液ジェネレータ。

    フルデオキシグルコース(18F)静注「FRI」:悪性腫瘍の診断、虚血性心疾患(左室機能が低下している虚血性心疾患による心不全患者で、心筋組織のバイアビリティ診断が必要とされ、かつ、通常の心筋血流シンチグラフィで判定困難な場合)の診断、難治性部分てんかんで外科切除が必要とされる場合の脳グルコース代謝異常領域の診断、大型血管炎の診断における炎症部位の可視化。フルデオキシグルコース(18F)注射液。

    アドステロール-I131注射液:副腎シンチグラムによる副腎疾患部位の局在診断。ヨウ化メチルノルコレステノール(131I)注射液。

    イオフェタミン(123I)注射液「第一」:局所脳血流シンチグラフィ。塩酸N-イソプロピル-4-ヨードアンフェタミン(123I)注射液。

    クエン酸ガリウム-Ga67注射液:悪性腫瘍の診断、腹部腫瘍、肺炎、塵肺、サルコイドーシス、結核、骨隨炎、び漫性汎細気管支炎、肺線維症、胆嚢炎、関節炎などにおける炎症性病変の診断。クエン酸ガリウム(67Ga)注射液。

   アミヴィッド静注:アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)又は認知症が疑われる患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化。フロルベタピル(18F)注射液。アルツハイマー病を疑う軽度認知障害については2023年8月に適応拡大の承認取得。Eli Lilly社からの導入品。

 

 

(A)-2 放射性医薬品(RI)領域の開発パイプライン

当社グループにおける放射性医薬品(RI)領域の開発パイプラインは以下の通りです。(2024年2月末時点)


 

    64Cu-ATSMプログラム
適応症:グリオーマおよび他の悪性脳腫瘍
モダリティ:64Cuで標識したジアセチルビスN4-メチルチオセミカルバゾン
提携先:リンクメッド株式会社(「リンクメッド」)
 開発ステータス:64Cu-ATSMは現在、国立がん研究センター(jRCT2091220362)で、すでに標準的な治療を受けている再発悪性脳腫瘍(膠芽腫・神経膠腫・PCNSL、悪性髄膜腫)の患者さんを対象に安全性を確認するための第1相臨床試験(医師主導治験)を実施中です。本試験はオープンラベルの用量漸増試験であり、主要評価項目は用量制限毒性(DLT)発現割合、副次評価項目は奏効割合、無増悪生存期間(progression-free survival:PFS)、内部被ばく評価による推定実効線量、有害事象の発現割合、ステロイド非増量割合、カルノフスキーの一般全身状態スコア(KPS)非悪化割合となっており、2024年前半の試験完了を予定しています。

プログラム詳細:多くの腫瘍においては、がん細胞の急速な増殖と、新生血管からの不十分な酸素供給により腫瘍内部が酸素の乏しい低酸素状態になっていることが知られています。64Cu-ATSMは低酸素状態の組織に集積する性質を有することから、がん細胞のDNAにダメージを与え細胞死へ導く64Cuを腫瘍に送達することを可能とし、各種腫瘍への治療効果が期待されています。悪性脳腫瘍は、日本国内だけでも、毎年約4,000~5,000例が罹患すると報告されています。5年生存率は約15.5%、生存期間の中央値は約18カ月、再発率が約51%と非常に予後の悪いがんの一つとして知られています。現状、外科手術、放射線治療、化学療法等の既存の治療法で十分な効果が得られず再発した場合には、有効な治療法が確立されていません。2023年12月に発表した通り、当社グループはリンクメッドと戦略的パートナーシップに合意しました。今後の開発・商業化において必要となるコストおよび製品上市後に得られる収益を両社間で分配します。リンクメッドが主体となって64Cu-ATSMの開発を進め、PDRファーマが主体となって国内での承認申請および商業化にむけた準備を進めていきます。

 

    177Lu/68Ga-Integrin(FF58)プログラム
適応症:進行固形がん(膵管腺癌、胃食道腺癌、多形性膠芽腫)
モダリティ:インテグリンαvβ3/5を標的とし、177Lu(治療用)または68Ga(診断用)で標識した低分子化合物
提携先:Novartis社(Novartis社は海外の開発販売権を保有し、PDRファーマは日本の商業化に関する権利を保有しています。)
開発ステータス:177Lu-Integrinは、進行固形がんの患者さんを対象に安全性・忍容性・線量測定、初期的な効果の確認のための第1相臨床試験を行っています (NCT05977322)。
 プログラム詳細:第1相臨床試験の目的は、インテグリンαvβ3とインテグリンαvβ5として知られるタンパク質を発現する進行/転移がんを有する患者さんに対し、放射性リガンド療法である177Lu-Integrinの安全性・用量検討を確認するための試験です。また、イメージング剤である68Ga-Integrinのがん病巣を同定する効果や安全性について同時に確認します。本試験は用量漸増試験と拡大試験の2つのパートから成ります。両パートにおいて、患者さんに対してまず68Ga-Integrinを用いたPET/コンピュータ断層撮影(CT)またはPET/磁気共鳴画像(MRI)スキャンを行い、177Lu-Integrinによる治療の適格性を判断します。用量漸増パートでは、177Lu-Integrinの投与量を漸増させ、推奨量を決定します。拡大試験では、用量漸増試験で決定した推奨量の177Lu-Integrinを投与し、安全性と予備的有効性を検討します。拡大試験パートの患者さんの80%以上のフォローアップが完了したか何らかの理由により中断された場合、全患者さんの治療と36ヵ月の長期フォローアップ期間が終了した場合、またはその他の理由により早期に試験が中止された場合、試験は終了します。

 

    225Ac/68Ga-GPC3(RYZ-801/811)プログラム
適応症:肝細胞がん(「HCC」)
モダリティ: 225Ac (治療用)または68Ga (診断用)で標識したグリピカン-3(GPC3)を標的とする環状ペプチド
提携先:RayzeBio社(RayzeBio社は225Ac/68Ga-GPC3の全世界での開発販売権を有しており、ペプチドリームは日本の開発販売権に関するオプション権を保有しています。2024年2月にRayzeBio社はBristol-Myers Squibb社(BMS社)に買収されました。)
開発ステータス:68Ga-GPC3は現在第0相臨床試験を米国外の複数の医療機関で実施中です。(2023年9月時点で、47例以上のHCC患者さんに投与され、約90%の患者さんで腫瘍特異的に薬剤が取り込まれたこと、また特段の有害事象(SAE)が観察されていないことが報告されています)。また、225Ac/68Ga-GPC3のIND申請のための試験を並行して実施しています。2024年上半期にIND申請を予定しており、HCC患者における225Ac/68Ga-GPC3の安全性を確認する第1相臨床試験を開始する予定です。
 プログラム詳細:肝臓がんは米国におけるがんによる死因の中で6番目に多く、年間死亡者数は29,380人と推定されています。肝臓がんの患者さんにおける5年生存率は約20%であり、特に肝臓がんが進行した患者さんでは生存率が低いことが知られています。GPC3は、75%の肝細胞がんで過剰な発現が認められるがん胎児性タンパク質であり、正常組織では全くまたは僅かしか発現が見られません。225Ac-GPC3は治療薬として開発を進めており、HCCに225Acを送達するためにGPC3を標的とする、新規・独自のペプチドです。HCC異種移植腫瘍モデルの前臨床試験において、GPC3結合ペプチドは特異的な腫瘍取り込みを示し、225Acまたは177Luを送達する単回投与により、退縮を含む有意な腫瘍増殖阻害作用を示しました。68Ga-GPC3は、225Ac-GPC3と同一のペプチドで68Gaを送達するPET診断薬であり、臨床試験や治療の際に、225Ac-GPC3による治療効果が得られる可能性が高いGPC3を発現するHCCの患者さんをスクリーニングし、特定することを目的に開発されています。

 

    225Ac/64Cu-CA9(PD-32766T/PD-32766D)プログラム
適応症:淡明細胞型腎細胞がん(ccRCC)等のがん
モダリティ: Carbonic Anhydrase IX (「CAIX」)を標的とし、225Ac(治療用PD-32766T)または64Cu(診断用PD-32766D)で標識した環状ペプチド
提携先:ペプチドリームが全世界の商業化権を保有
開発ステータス:225Ac/64Cu-CA9は現在IND申請に向けた試験を実施中であり、2023年11月に発表された通り、国立がん研究センターと協働し、ccRCC患者を対象とした64Cu-CA9の第0相臨床試験を2024年上半期に開始することを予定しています。
 プログラム詳細:CA9は炭酸脱水酵素ファミリーの一員であり、RCC、膠芽腫、トリプルネガティブ乳がん、卵巣がん、大腸がん等の様々な固形がんで発現していることが知られています。米国内のがん患者数において9番目に多いことが知られており、全世界でがんと診断されて亡くなられる患者さんの約2%を占めています。また、5年生存率は12%と、予後の悪いがんとしても知られています。2020年には全世界で431,288人の患者さんが腎臓がんと診断され、そのうち約9割が腎細胞がんと推定されています。RCCには主に ccRCC、乳頭状(pRCC-type1およびtype2)、嫌色素性(chRCC)等があり、RCC症例の約70%をccRCCが占めています。CAIXはccRCCに高発現(95%以上)する細胞表面のがん抗原で、正常細胞ではほとんど発現しないことから、ccRCCの診断・治療における重要な標的として注目されています。RCC異種移植腫瘍モデルの前臨床研究において、CA9結合ペプチドは特異的な腫瘍取り込み、および単回投与による退縮を含む有意な腫瘍増殖阻害を示しました。治療薬と同じペプチドを用いたPET診断薬は、臨床試験や治療において、225Ac-CA9治療に良好な反応を示す可能性が最も高いCA9発現がんを有する患者さんを選別、特定することを可能にすると考えています。従来のがん治療薬に対して標的型の放射性医薬品を開発する重要な利点は、治療薬と同じペプチドを用いた診断薬で対象となる患者さんのイメージングデータを早期に取得する (第0相試験)ことで、薬剤の生体内分布・薬物動態・がん組織への集積等に関する情報を得ることができ、診断薬の有用性や治療薬の有益性の可能性について初期的な知見が得られるという点です。さらに、その際に得られる情報を活用しその後の第1相臨床試験および第2相臨床試験をデザインすることで臨床開発を加速することができるという利点もあります。

 

    Novartis社プログラム1

適応症:がん
モダリティ:環状ペプチド(放射性核種・標的は非開示)
提携先:Novartis社(Novartis社は同プログラムの全世界商業化権を保有。)
開発ステータス:2023年10月よりGLP安全性試験を実施中です。

 

    225Ac-Cadherin3(PPMX-T002)プログラム
適応症:固形がん
モダリティ:カドヘリン3(P-カドヘリン/CDH3)を標的とするモノクローナル抗体。放射性治療薬として開発中であり、90Yで標識しておりましたが225Acまたは177Luに変更する計画です。
提携先:株式会社ペルセウスプロテオミクス(「PPMX」)
開発ステータス:90Y-Cadherin3は、がん患者さんを対象とした第1相臨床試験の拡大パートにおいて、がん組織への特異的な蓄積を示し、標的への送達能力が確認できたことから継続的な取り組みを進めています。
 プログラム詳細:抗CDH3抗体はPPMXによって創製され、本プログラムの開発および導出活動はPPMXが主導しています。CDH3は卵巣がん・胆道がん・頭頸部有棘細胞がん等多くのがんで過剰発現し、ほとんどの正常組織で発現が低いことが知られています。

 

    RayzeBio社プログラム2:適応症:固形がん
モダリティ: 225Ac (治療用)または68Ga(診断用)で標識した環状ペプチド(標的は非開示)
提携先:Rayzebio社(RayzeBio社は全世界の開発販売権を保持しており、ペプチドリームは日本の開発販売権に関するオプション権を保有しています。2024年2月にRayzeBio社はBristol-Myers Squibb社(BMS社)に買収されました。)
開発ステータス: 2022年12月に臨床候補化合物が同定され、両社で次の開発ステップを検討しています。
 プログラム詳細:2024年中に本プログラムに関するさらなる発表を予定しています。

 

    18F-フロルタウシピル(Tauvid)プログラム
適応症:アルツハイマー型認知症の患者さんの脳内における異常蓄積タウタンパク質による神経原線維変化(NFTs)を可視化
モダリティ:18Fで標識されたフロルタウシピル(PET診断薬)
提携先:Eli Lilly社
開発ステータス:非開示
 プログラム詳細:18F-フロルタウシピルは、脳内に蓄積したタウタンパク質のNFT沈着を可視化するPET診断薬としてFDAから承認されています。18F-フロルタウシピルは2020年に米国でアルツハイマー型認知症と診断された成人の患者さんの脳内のタウタンパク質によるNFTの密度と分布を確認するためのPETイメージング剤として承認されました。当社グループは、PDRファーマのすでに承認されているアミヴィッドと共に、18F-フロルタウシピルが承認されることにより、アルツハイマー病の診断および経過観察においてPET診断薬の使用が大きく拡大すると期待しています。

 

    18F-PD-L1(BMS-986229)プログラム:
適応症:がんのイメージング
モダリティ:18Fで標識されたPD-L1(programmed death ligand-1)を標的とする環状ペプチド(PET診断薬)
提携先:BMS社
 開発ステータス:18F-PD-L1は現在患者さんの食道癌、胃癌、胃食道接合部癌の状態を診断し病状を継続的に確認するための実用性・安全性を確認するための試験が実施されています(ClinicalTrials.gov Identifier: NCT04161781; 2019年11月に開始; 米Memorial Sloan Kettering Cancer Centerで実施)。18F -PD-L1は、腫瘍細胞に発現されるPD-L1を一般的にPET診断薬として用いられるフルオロデオキシグルコース(FDG)より鮮明に可視化し、医師がPD-L1阻害薬を用いた治療を選択する際に活用できます。

 

(A)-3 放射性医薬品(RI)領域の前臨床・創薬プログラム:

上記の臨床ステージプログラムに加えて、ペプチドリームは標的型ペプチド-放射性核種複合体(RI-PDC)の創薬パイプラインを広範囲に有しており、Novartis社(2019年)、BMS社(2020年)、Genentech社(2023年)と複数の標的を対象とするRI-PDCに関する創薬分野の提携を行っているほか、自社開発プログラムも拡大しています。これらの取り組みから生まれたプログラムのうち、臨床候補化合物の選定/IND申請のための試験開始等の段階まで進んだものについてパイプライン表/リストに掲載しています。また、ペプチドリームはBMS社およびGenentech社とのすべての提携プログラムについて、日本国内での商業化に関するオプション権を保有しています。

 

(A)-4 放射性医薬品(RI)領域の臨床段階の導入プログラム:

当社グループは、放射性治療薬や、国内で開発・商業化するための放射性医薬品の導入/提携の機会を積極的に検討しています。PDRファーマが当社グループに加わった2022年にはPET診断薬である18F-フロルタウシピルの日本の開発と商業化のためにEli Lilly社と共同開発契約を締結し、2023年には放射性治療薬64Cu-ATSMの日本での開発と商業化のためにリンクメッドと戦略的パートナーシップに合意しました。標的型放射性医薬品を開発する企業は世界的に急速に増加し続けており、その大半が米国市場に注力していることから、当社グループはそれらの企業が日本での製品化を望む場合の「パートナー・オブ・チョイス」となる、ユニークな立ち位置の構築を進めています。また、高付加価値プログラムの戦略的導入/提携は、当社グループの自社・共同研究による創薬活動との補完的な位置づけとして重要な戦略となっています。

 

(A)-5 放射性医薬品(RI)領域:その他

PDRファーマは日本で様々な放射性医薬品領域の付随的な製品・支援サービスを提供しています。2023年10月に、医療被ばく線量管理の完全自動化・デジタル化を可能とし、医療機関の業務効率化による医療事故リスクの低減に寄与する4つの商品(「Bridgea GATEWAY」、「Bridgea TIMER」、「onti」、「ankan」)に関連する資産を株式会社RYUKYU ISGから取得しました。PDRファーマは、これらの商品の製造・販売・保守サービス等を行っています。

 

 

(B)Non-RI領域

当社グループは、放射性医薬品事業に加え、PDPS(Peptide Discovery Platform System)を中核とし(1) ペプチド医薬品、(2) PDC、(3) MPCの創薬におけるリーディングカンパニーとして各種事業を展開しています。グローバルの大手製薬企業や戦略的提携先との提携・ライセンス契約に加え、自社プログラムも拡大しており、ペプチドを用いた次世代の革新的医薬品の創製・開発を目指しています

 

(B)-1 Non-RI領域の開発パイプライン

当社グループにおけるNon-RI領域の開発パイプラインは以下の通りです。(2024年2月末時点)


 

    GhRアンタゴニスト(AZP-3813)プログラム
適応症:先端巨大症
モダリティ:成長ホルモン受容体アンタゴニスト(GHRA)である環状ペプチド
提携先:Amolyt Pharma社 (Amolyt社)
開発ステータス:GhRアンタゴニストは、現在第1相臨床試験を実施 (2023年6月に開始)しており、健常被験者における単回および反復漸増投与後のGhRアンタゴニストの安全性・忍容性・薬物動態・薬力学を検討しています。先端巨大症の治療においてソマトスタチンアナログと併用される可能性を想定しており、第1相臨床試験の結果が2024年の第1四半期に得られることを見込んでいます。
 プログラム詳細:ペプチドリームとAmolyt社は2020年12月に戦略的共同研究開発およびライセンスオプション契約を締結し、本契約に基づいてGHRAである環状ペプチドポートフォリオの全世界の権利のライセンスを受けるオプションを2021年9月に行使しました。Amolyt社は、2023年の欧州内分泌学会(ECE)や内分泌学会大会(ENDO)で前臨床試験の結果について発表しました。

 

    PD-L1阻害薬プログラム:
適応症:がん
モダリティ: PD-L1阻害環状ペプチド
提携先:BMS社
開発ステータス: PD-L1阻害ペプチドは、現在、健常ボランティア136例を対象に安全性・忍容性・薬物動態を検討する第1相臨床試験 (ISRCTN17572332; 2022年4月開始;英国でQuotient Sciences Limitedにより実施; コードQSC203717)が実施されており、臨床試験の報告書が2024年上半期後半に予定されています。
 2023年10月に発表されたとおり、BMS社は現在健常人を対象に実施している第1相臨床試験が完了した後は、第2相試験以降の開発は自社では継続しないことを決定しました。BMS社は、今回の決定はあくまでビジネス判断によるものであり、本薬剤自体の安全性に関する懸念によるものではないと明言しています。ペプチドリームは、第1相臨床試験の結果報告書の内容をBMS社と確認した上で、将来性の高い本プログラムの別の形での開発継続の可能性について検討していきたいと考えています。

 

 

    CD38-ARM(BHV-1100)プログラム
適応症:多発性骨髄腫
モダリティ:CD38を標的とする環状ペプチドとIgGを標的とする環状ペプチドを結合させたヘテロ二量体のペプチド複合体
提携先:Biohaven, LTD. (「Biohaven社」)
開発ステータス:BHV-1100は、BHV-1100とCIML-NK細胞を投与する第1a/1b相臨床試験(オープンラベル; 単一施設(Dana-Farber Cancer Institute); ClinicalTrials.gov Identifier:NCT04634435; 2021年10月より開始)を実施しています。本試験はサイトカイン誘導性メモリー細胞様(CIML)ナチュラルキラー(NK)細胞とBHV-1100および免疫グロブリン(IVIG)とのex-vivo併用製剤と低用量IL-2を初回または2回目の寛解期の微小残存病変陽性(MRD+)である多発性骨髄腫(MM)の患者さんに投与し、細胞表面にCD38を発現している骨髄腫細胞を標的とする治療において、安全性の確立と有効性の探索を主要目的としています。
 プログラム詳細:BHV-1100+自己NK細胞治療は、2020年9月8日にオーファンドラッグ指定を受けています。

 

    MSD社プログラム1
適応症:未公開
モダリティ:環状ペプチド治療薬(標的は非開示)
提携先: Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA (MSD社)
 開発ステータス:MSD社が2018年に実施したPDPS技術ライセンス契約に基づきMSD社がペプチドリームのPDPSを用いて見出した環状ペプチドは、現在第1相臨床試験を実施しています(2023年7月開始)。

 

    S2-タンパク質阻害薬(PA-001)プログラム
適応症:新型コロナウイルス感染症
モダリティ:新型コロナウイルス感染症ウイルスの表面に発現するS2タンパク質を阻害する環状ペプチド
提携先:ペプチエイド
開発ステータス:2022年8月に日本の健康成人男子ボランティア30名に対する臨床研究法に基づく特定臨床研究(「臨床研究」、dRCTs031210601)を実施し、探索的単回用量漸増試験において化合物に関連する有害事象もなく、安全で忍容性も良好であり、明確な用量依存性の薬物動態プロファイルが得られました。ペプチエイドは2024年にPA-001のIND申請を米国FDAに提出する準備を進めています。
 プログラム詳細:PA-001プログラムは2023年に日本医療研究開発機構(AMED)の研究事業に採択され、補助金の支援を受けています。

 

    マイオスタチン阻害薬プログラム
適応症:肥満、DMD(Duchene muscular dystrophy、デュシェンヌ型筋ジストロフィー)、SMA(Spinal muscular atrophy、脊髄性筋萎縮症)および他の筋疾患
モダリティ:マイオスタチン阻害環状ペプチド
提携先:自社品(ペプチドリームが全世界の商業化権を保有)
開発ステータス:GLP-1デュアルアゴニストとの併用で肥満治療に使用するための前臨床試験を追加で実施し、臨床候補化合物を選定中
 プログラム詳細:マイオスタチン(成長分化因子8、またはGDF8としても知られる)は、筋細胞で産生・放出されるタンパク質で、筋細胞に働きかけ筋細胞の増殖を抑制します。多くの前臨床および臨床試験により、マイオスタチン阻害薬によって筋肉量の増強、身体強度の改善、内臓脂肪量の減少、インスリンによる血糖値低下等の代謝機能障害の改善につながることが示唆されており、マイオスタチンが様々なSMA・FSHD(Facioscapulohumeral muscular dystrophy、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー)・DMD等の筋ジストロフィー、他の筋肉消耗を伴う疾患、肥満、メタボリックシンドローム、2型糖尿病等の創薬ターゲットとして重要であることを示すエビデンスが蓄積されてきています。ペプチドリームは、2023年10月にWorld Muscle Society(「WMS」)2023でマイオスタチンプログラムの前臨床試験の結果を発表しました。

 

    cKIT阻害薬(MOD-B)プログラム
適応症:マスト細胞により引き起こされる免疫炎症性疾患・アレルギー疾患
モダリティ:KITを阻害する低分子化合物
提携先:アリヴェクシス株式会社(「アリヴェクシス」、旧モジュラス株式会社)
開発ステータス:2023年8月に臨床候補化合物の同定を発表しました。本開発候補化合物は、マスト細胞により引き起こされる炎症経路において重要な役割を果たすキナーゼであるKITに対して選択的阻害活性を示す新規の低分子化合物(MOD-B)であり、マスト細胞により引き起こされるアレルギー疾患を含む様々な免疫炎症性疾患などの治療への活用が期待されます。今後、アリヴェクシスが主導し本化合物の臨床入りに向けたIND申請の準備を進める予定となっています。
 プログラム詳細:アリヴェクシスはMOD-Bプログラムの提携・導出活動に積極的に取り組んでいます。

 

(B)-2 Non-RI領域の前臨床・創薬プログラム:

上記のプログラムに加えて、ペプチドリームは、(1)ペプチド医薬品、(2) PDC」および(3) MPCの3つのモダリティにわたって、提携プログラム・自社プログラムの両方で広範囲にわたる前臨床プログラムのパイプラインを有しています。これらの非常に多様なパイプラインについて臨床候補化合物の同定、臨床試験を進めていくことがペプチドリームの成長および価値創出に貢献するものと考えています。これらの取り組みから生まれたプログラムのうち、臨床候補化合物の選定/IND申請のための試験開始等の段階まで進んだものについてパイプライン表/リストに掲載しています。

 

ペプチド医薬品領域:ペプチドリームは、ペプチド創薬の分野において世界的なリーディングカンパニーの一社であり、様々な疾病領域・治療メカニズム・投与経路について、多数の提携を通じて、多くの有望なプログラムを実施しています。2023年にはペプチド医薬品の領域についても多くの進展があり、特に経口剤の領域で進展がありました。

 

PDC領域:細胞を傷害する放射性核種や抗がん剤、組織に作用する核酸医薬など、様々な治療薬ペイロードを目的の標的に送達するために環状ペプチドが理想的であるということが明らかになってきており、ペプチドリームはPDC領域を主導しています。幅広い前臨床段階のプログラムを塩野義製薬株式会社(「塩野義製薬」、2019年、組織を標的としたPDC)、武田薬品工業(2020年/2021年、ペプチドリームがJCRファーマと共同で見出したトランスフェリン受容体結合ペプチドを用いた筋組織・中枢神経を標的としたPDC)、Alnylam Pharmaceuticals, Inc.(Alnylam社、2021年、組織を標的としたPDC)、Eli Lilly社(2022年、組織を標的としたPDC)、MSD社(2022年、がんを標的としたPDC)などの提携先と進めています。

 

MPC領域:過去10年間のうちに二重特異的抗体が承認され、また最近では複数の抗原に同時に結合することのできる三重・多重特異的抗体が登場してきている中、新たな治療薬としてMPCの可能性が拡大しつつあります。環状ペプチドを複数結合させることで多重特異的抗体と同様な多機能分子を作成することができます。ペプチドリームはすでにBiohaven社や参天製薬とMPCプログラムを実施していることに加え、自社プログラムも実施しており、その数が拡大しています。ペプチドリームは、MPCが二重特異的抗体や他の多機能分子と比べ優れたモダリティであると考えています。ペプチドリームは、T細胞およびNK細胞を標的とする新規のペプチドの同定に注力しており、これらのペプチドを上述のがんを選択的に標的とするペプチドと結合させることにより、新たなクラスのT細胞・NK細胞エンゲージャー分子を創出することが可能となり、非常に有望な治療薬の領域になるものと期待しています。さらにペプチドリームは環状ペプチドの用途を拡大し、標的タンパク質分解誘導剤の領域においてアステラス製薬との提携(2023年7月)を発表しました。

 

 

(B)-3 Non-RI領域の主なトピックス(2023年12月期)

1月:参天製薬との包括的創薬共同研究開発プログラムにおいて見出された多機能ペプチド複合体(MPC)がリードクライテリアを達成

3月:小野薬品工業との新たな創薬共同研究契約締結を発表

4月:Bayer社との創薬共同研究開発においてマイルストーンを達成

6月:Amolyt社によるAZP-3813の先端巨大症を対象とした第1相臨床試験の開始

7月:MSD社によるPDPSを用いて見出したペプチド医薬品の第1相臨床試験の開始

7月:アステラス製薬との新規の標的タンパク質分解誘導剤創出に向けた共同研究およびライセンス契約締結を発表

8月:アリヴェクシスとの間で実施している戦略的提携プログラムから1つ目の開発候補化合物選定を発表

8月:ペプチエイドが開発するPA-001がAMEDの事業に採択されたことを発表

12月:Janssen社との創薬共同研究開発プログラムにおいてマイルストーンを達成

12月:ポーラ化学工業との共同研究におけるリードクライテリアを達成

 

(B)-4 PDPSの技術ライセンス

2023年12月31日現在、11社;BMS社(2013年)、Novartis社(2015年)、Eli Lilly社(2016年)、Genentech社(2016年)、塩野義製薬(2017年)、MSD社(2018年)、ミラバイオロジクス株式会社(2018年)、大鵬薬品工業株式会社(2020年)、Janssen社(2020年)、小野薬品工業株式会社(2021年)、富士レビオ株式会社(2022年)との間で非独占的技術ライセンス契約を締結しています。同事業においては、ペプチドリームは、各ライセンス先企業から技術ライセンスフィーに加えて開発プログラムの進捗に応じてマイルストーンフィー、および上市後の売上高に応じた売上ロイヤルティーを受領する権利を有します。なお、マイルストーンを達成するまでの間は、ライセンス先企業での研究内容や進捗についてペプチドリームに知らされることはありません。また、ペプチドリームはPDPSの技術ライセンス契約に関心をもつ複数の企業との交渉を継続的に進めています。

 

(C)  当社グループの戦略的投資先・関連会社

当社グループの戦略的投資先・関連会社は以下の通りです(2023年12月末時点)。

 

ペプチグロース株式会社(「ぺプチグロース」):ペプチドリームの出資比率は39.5%

ペプチグロース(本社:東京都)は、ペプチドリーム三菱商事との間で細胞治療・再生医療等製品や成長市場である培養肉等の製造等に使用される、細胞培養向け培地の重要成分である、成長因子を代替するペプチド(「代替ペプチド」)の開発・製造・販売を行う合弁会社として2020年に設立しました。成長因子は、ヒトを含む動物の体内に広く存在し、細胞の成長・増殖や、またiPS細胞・ES細胞等の幹細胞を神経細胞や血液細胞等へと分化誘導させる際に重要な役割を担うタンパク質です。現在は、動物血清からの抽出物、あるいは組み換え技術によって製造されたものが主に使用されていますが、不純物混入による安全性上のリスク、製造ロット間の品質のばらつき、高額な製造コスト等が、医薬品産業が直面する課題となっています。ペプチドリームがPDPSを用いて、成長因子と同等の機能を有する代替ペプチドを同定し、動物血清や組換え技術を用いず化学合成による新規製造手法を開発します。ペプチグロースが商業ベースでの製造工程・体制を確立することで、品質面においては高純度で製造ロット間のバラつきも無くし、またコスト面の合理化も実現していきます。また、三菱商事が代替ペプチドの販売及び市場拡大を積極的に図っていきます。ペプチグロースは現在、9つの製品を販売しています。2021年に、HGF代替ペプチド(PG-001)とTGFβ1阻害ペプチド(PG-002)の販売を、2022年にBDNF代替ペプチド(PG-003)、BMP4,7阻害ペプチド(PG-004)、BMP7選択的阻害ペプチド(PG-005)、BMP4選択的阻害ペプチド(PG-006)の販売を、2023年にVEGF代替ペプチド(PG-007)、Wnt3a代替ペプチド(PG-008)、合成EGF(PG-009)の販売を開始しました。今後も順次新たな製品の開発・上市を計画しています。

 

ペプチエイド:ペプチドリームの出資比率は約39.4%

ペプチエイド(本社:神奈川県)は、新型コロナウイルス感染症治療薬の開発を目的として、2020年にペプチドリーム富士通株式会社(「富士通」)、株式会社みずほフィナンシャルグループの連結子会社であるみずほキャピタル株式会社(「みずほキャピタル」)、株式会社竹中工務店(「竹中工務店」)、及びキシダ化学株式会社(「キシダ化学」)との間で設立した合弁会社です。ペプチドリームは、PDPSを用いて、コロナウイルスがヒト細胞に侵入する際に必須となるスパイクタンパク質を創薬ターゲットとした、新型コロナウイルス感染症治療薬の開発候補化合物の同定を実施し、PA-001を見出しました。ペプチエイドは、2021年3月23日に、新型コロナウイルス感染症治療薬の開発候補化合物の特定を完了し、開発候補品PA-001の非臨床試験を開始したことを発表しました。国立感染症研究所等と共同で化合物の評価を進めてきましたが、PA-001は従来型のSARS-CoV-2だけでなく現在同定されているすべての変異株(アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株、オミクロン株)に対しても同様に高い抗ウイルス活性を有することを確認しています。また、現在緊急使用許可承認を得ている新型コロナウイルス感染症治療薬との併用において、in vitro試験での高い相加効果を確認しています。各種一般毒性、安全性薬理、遺伝毒性試験等から構成されるPA-001の非臨床試験が予定通りのスケジュールで完了し、PA-001の高い安全性が確認されました。2022年2月より臨床研究を実施しました。臨床研究では、健常人に対するPA-001の用量漸増単回投与を静脈内注射により実施し、有害事象の有無・注射部位反応・バイタルサイン等の評価を行いました。2022年8月10日に公表した通り、PA-001の投与による有害事象等は確認されず、良好な安全性プロファイルが確認されました。また、PA-001の用量依存的な血中濃度プロファイルの相関を確認する結果が得られました。2023年5月15日、PA-001の開発はAMEDの事業に採択され、ペプチエイドは第1相試験等の実施に向けた補助金を受領することが決定しました。現在PA-001について、米国FDA(食品医薬品局)へのIND(新薬臨床試験開始届)申請の準備を進めており、2024年にはPA-001の第1相臨床試験開始を予定しています。

 

ペプチスター株式会社(以下 ぺプチスター):ペプチドリームの出資比率は15%未満

ペプチスター(本社:大阪府)は、ペプチドリーム塩野義製薬積水化学工業株式会社と合弁でペプチド原薬の製造プロセスに関する研究開発、製造及び販売を行うCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization:医薬品開発製造受託機関)であるペプチスター株式会社(「ペプチスター」)を2017年9月に設立しました。ペプチスターは国内の様々な会社が有する技術を融合し、高品質、高純度でしかも製造コストを大幅に低減する最先端技術を開発、提供することを目指しています。同社の製造工場は、大阪府摂津市に設立されています。

 

リンクメッド:ペプチドリームの出資比率は15%未満

リンクメッド(本社:千葉県)は、『革新的な「見える」がん治療』をいち早く社会にお届けすることを目指し、量子科学技術研究開発機構(QST)の研究をもとに2022年に設立された放射性医薬品の開発を行っている研究開発型企業です。ペプチドリームは2023年12月に、リンクメッドによるシリーズA関連資金調達の実施に参画したことを発表しました。

 

アリヴェクシス(旧モジュラス):ペプチドリームの出資比率は5%未満

アリヴェクシス(本社:東京都、ボストン)は、2016年に設立された最先端の計算科学を駆使した高速かつ効率的な低分子医薬品候補化合物のデザインに関する技術を有する創薬企業です。

 

以上の結果、当連結会計年度における創薬開発事業の経営成績については、売上収益12,702,965千円(前年同期比2,703,143千円減少)、セグメント利益6,387,902千円(前年同期比2,792,008千円減少)、放射性医薬品事業の経営成績については、売上収益16,009,228千円(前年同四半期比4,562,906千円増加)、セグメント利益475,145千円(前年同四半期比239,237千円増加)となり、当社グループ全体としては売上収益は28,712,194千円(前年同期比1,859,763千円増加)、Core営業利益7,165,554千円(前年同期比2,471,879千円減少)、営業利益6,773,047千円(前年同期比2,207,148千円減少)、税引前利益4,353,469千円(前年同期比2,299,855千円減少)、親会社の所有者に帰属する当期利益3,035,832千円(前年同期比4,518,525千円減少)となりました。

当社グループは、IFRS業績に加えて、会社の経常的な収益性を示す指標として非経常的な項目をNon-Core調整として除外したCoreベースの業績を開示しています。当該Coreベースの業績は、IFRS業績から当社グループが定める非経常的な項目を調整項目として除外したものです。

Core営業利益は営業利益から企業買収に係る会計処理の影響及び買収関連費用、有形固定資産、無形資産及びのれんに係る減損損失、損害賠償や和解等に伴う損益、非経常的かつ多額の損益、個別製品又は開発品導入による無形資産の償却費を控除して算出しております。

 

なお、Core営業利益から営業利益への調整は以下のとおりです。

(単位:千円)

 

2022年12月期

2023年12月期

前年同期比

Core営業利益

9,637,433

7,165,554

△2,471,879

△25.6

企業買収に係る会計処理の影響

及び買収関連費用

622,643

346,381

△276,261

△44.4

有形固定資産、無形資産及び

のれんに係る減損損失

損害賠償や和解等に伴う損益

非経常的かつ多額の損益

個別製品又は開発品導入による

無形資産の償却費

34,593

46,125

11,531

33.3

営業利益

8,980,196

6,773,047

△2,207,148

△24.6

 

 

当社グループは当第3四半期連結累計期間において2,021,149千円の条件付対価に係る金融費用を計上いたしました。当該金融費用の計上は、2022年3月に実施したPDRファーマ株式会社の株式取得に際し、2024年4月30日までに脳内アミロイドβプラーク可視化を行うPET診断薬であるアミヴィッド静注の軽度認知障害への適用拡大が日本国内で承認された場合、4,000,000千円の追加支払いが発生する旨の条件付対価が設定されておりましたが、2023年8月31日に一部変更承認を取得し、「アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症が疑われる患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化」が新たな効能又は効果として追加されたことに伴い、富士フイルム株式会社に対する4,000,000千円の条件付対価の支払いが確定したことによるものです。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度の生産実績は以下のとおりです。

報告セグメント

金額(千円)

前連結会計年度比(%)

創薬開発事業

153,634

147.0

放射性医薬品事業

13,741,635

134.1

 

(注)金額は販売価格によっております。

② 受注実績

当社グループの創薬開発事業及び放射性医薬品事業は受注形態をとっておりませんので、記載を省略しております。

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2023年1月1日

至  2023年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

創薬開発事業

12,702,965

82.5

放射性医薬品事業

16,009,228

139.9

合計

28,712,194

106.9

 

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

 

相手先

前連結会計年度

(自  2022年1月1日

至  2022年12月31日)

販売高

(千円)

割合

(%)

公益社団法人
日本アイソトープ協会

8,428,641

31.4

甲社(注)

7,757,559

28.9

乙社(注)

4,138,511

15.4

 

(注)顧客との共同研究開発契約においては秘密保持条項が存在するため、社名の公表は控えさせて頂きます。

 

相手先

当連結会計年度

(自  2023年1月1日

至  2023年12月31日)

販売高

(千円)

割合

(%)

公益社団法人
日本アイソトープ協会

11,158,137

38.9

Genentech, Inc.

5,809,200

20.2

アステラス製薬株式会社

2,949,999

10.3

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度の総資産は69,464,013千円となり、前連結会計年度末と比べて5,598,812千円増加しました。その主な要因は、営業債権及びその他の債権が11,618,285千円減少したものの、現金及び現金同等物が14,260,196千円増加、その他の金融資産が5,678,991千円増加したこと等によるものです。

負債は29,114,303千円となり、前連結会計年度末と比べて2,709,431千円減少しました。その主な要因は、借入金が1,172,255千円増加したものの、未払法人所得税等が1,321,177千円減少、その他の金融負債が2,092,816千円減少したこと等によるものです。

資本は40,349,709千円となり、前連結会計年度末と比べて8,308,243千円増加しました。その主な要因は、当期利益により利益剰余金が3,956,351千円増加、投資有価証券の評価替えによりその他の資本の構成要素が4,804,168千円増加したこと等によるものです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ14,260,196千円増加し、19,507,861千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、法人所得税の支払による支出3,667,008千円等があったものの、営業債権及びその他の債権の増減額11,618,285千円等により、12,420,969千円の収入(前年同期は82,929千円の支出)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,212,857千円等があったものの、投資有価証券の売却による2,864,600千円収入等により、1,302,539千円の収入(前年同期は27,377,217千円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出2,340,000千円等があったものの、長期借入れによる収入4,000,000千円等により、264,191千円の収入(前年同期比20,525,259千円の収入減少)となりました。

 

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

財務政策につきましては、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金は、手許資金を中心としながら必要に応じて借入による資金調達を行っております。

主な資金需要につきましては、運転資金として製造原価、研究開発費を含む販売費及び一般管理費等があります。また、設備資金として、研究開発のための設備投資等があります。

有価証券報告書提出日現在において支出が予定されている重要な資本的支出はありません。

 

(5) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2 作成の基礎 、 3 重要な会計方針 及び 4 重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。

 

(6) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載のとおりであります。

当連結会計年度においては、売上収益30,000,000千円、Core営業利益6,700,000千円、売上収益Core営業利益率22.3%を目標としておりましたが、売上収益は28,712,194千円Core営業利益7,165,554千円、売上収益Core営業利益率25.0%となり、Core営業利益及び売上収益Core営業利益率は目標を上回る結果となったものの、売上収益は目標を下回る結果となりました。引き続きこれらの指標について、向上できるよう努めてまいります。

セグメント情報

 

5.セグメント情報

(1) 報告セグメントの概要

当社は、前第1四半期連結累計期間の2022年3月28日において、富士フイルム富山化学株式会社から放射性医薬品事業を吸収分割により承継する新会社であるPDRファーマ株式会社の株式を100%取得したことに伴い、前第2四半期連結会計期間以降において、当社の取締役会は、経営資源の配分の決定及び業績の評価をするために、「創薬開発事業」と「放射性医薬品事業」の2つの報告セグメントを定期的にモニタリングしております。そのため、前第2四半期連結会計期間以降当社グループは、「創薬開発事業」と「放射性医薬品事業」の2つの報告セグメントに区分しております。

(報告セグメントの内容)

報告セグメント

事業内容

創薬開発事業

創薬開発事業として、当社は当社独自の創薬プラットフォームシステムであるPDPSを中核とした創薬基盤技術を活用した①創薬共同研究開発、②PDPSの技術ライセンス、③戦略的提携による自社パイプラインの拡充を行っております。

放射性医薬品事業

放射性医薬品事業として、がんや脳の異常蓄積等の病変を画像で検査する診断用放射性医薬品(SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)用診断薬、PET(Positron Emission Tomography)用診断薬)及びがん領域を中心としたアンメットメディカルニーズに対応する治療用放射性医薬品の研究開発、及び製造販売を行っております。

 

 

(2) セグメント収益及び業績

当社グループの報告セグメントによる収益及び業績は以下のとおりであります。なお、セグメント間の売上収益は、市場実勢価格に基づいております。

 

前連結会計年度(自 2022年1月1日  至 2022年12月31日

(単位:千円)

 

報告セグメント

 

調整額

(注1)

 

連結

 

創薬開発

事業

 

放射性
医薬品事業

 

 

 

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上収益

15,406,109

 

11,446,321

 

26,852,430

 

 

26,852,430

セグメント間収益

 

27,182

 

27,182

 

△27,182

 

合計

15,406,109

 

11,473,503

 

26,879,612

 

△27,182

 

26,852,430

セグメント利益

9,179,911

 

235,908

 

9,415,819

 

 

9,415,819

(調整項目)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

企業結合関連費用(注)1

 

 

 

 

 

 

 

 

435,622

営業利益

 

 

 

 

 

 

 

 

8,980,196

金融収益

 

 

 

 

 

 

 

 

189,047

金融費用

 

 

 

 

 

 

 

 

2,312,643

持分法による投資損失(△)

 

 

 

 

 

 

 

 

△203,275

税引前利益

 

 

 

 

 

 

 

 

6,653,325

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費(注)2

682,667

 

1,290,711

 

1,973,379

 

 

1,973,379

 

(注)1.企業結合関連費用には、企業結合による取得関連費用368,122千円及び企業結合により新たに取得した無形資産の償却費67,500千円が含まれております。

2.減価償却費及び償却費には買収無形資産の償却費を含めております。有形固定資産及び無形資産の減価償却費及び償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」に含まれております。売上原価として計上されている減価償却費及び償却費は、1,309,140千円、販売費及び一般管理費として計上されている減価償却費及び償却費は、298,716千円、研究開発費として計上されている減価償却費及び償却費は、365,523千円であります。

 

当連結会計年度(自 2023年1月1日  至 2023年12月31日

(単位:千円)

 

報告セグメント

 

調整額

(注1)

 

連結

 

創薬開発

事業

 

放射性
医薬品事業

 

 

 

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上収益

12,702,965

 

16,009,228

 

28,712,194

 

 

28,712,194

セグメント間収益

 

86,960

 

86,960

 

△86,960

 

合計

12,702,965

 

16,096,188

 

28,799,154

 

△86,960

 

28,712,194

セグメント利益

6,387,902

 

475,145

 

6,863,047

 

 

6,863,047

(調整項目)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

企業結合関連費用(注)1

 

 

 

 

 

 

 

 

90,000

営業利益

 

 

 

 

 

 

 

 

6,773,047

金融収益

 

 

 

 

 

 

 

 

190,981

金融費用

 

 

 

 

 

 

 

 

2,253,012

持分法による投資損失(△)

 

 

 

 

 

 

 

 

△357,547

税引前利益

 

 

 

 

 

 

 

 

4,353,469

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費(注)2

667,473

 

1,765,709

 

2,433,182

 

 

2,433,182

 

(注)1.企業結合関連費用には、企業結合により取得した無形資産の償却費90,000千円が含まれております。

2.減価償却費及び償却費には買収無形資産の償却費を含めております。有形固定資産及び無形資産の減価償却費及び償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」に含まれております。売上原価として計上されている減価償却費及び償却費は、1,689,079千円、販売費及び一般管理費として計上されている減価償却費及び償却費は、356,175千円、研究開発費として計上されている減価償却費及び償却費は、387,927千円であります。

 

(3) 製品及びサービスに関する情報

製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しております。

 

(4) 地域別に関する情報

売上収益及び非流動資産の地域別内訳は以下のとおりであります。

①  外部顧客からの売上収益

(単位:千円)

 

前連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日

 

 

 

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

日本

11,386,342

 

18,978,963

米国

13,812,709

 

7,952,217

欧州

1,442,184

 

1,471,712

その他

211,194

 

309,301

合計

26,852,430

 

28,712,194

 

 

 

 

 

(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

②  非流動資産

国内所在地に帰属する非流動資産の帳簿価額が、連結財政状態計算書の非流動資産の全てを占めているため、地域別の非流動資産の記載を省略しております。

 

 

(5) 主要な顧客に関する情報

前連結会計年度(自 2022年1月1日至 2022年12月31日

(単位:千円)

顧客名

売上収益

 

関連するセグメント名

公益社団法人日本アイソトープ協会

8,428,641

 

放射性医薬品事業

甲社 (注)1

7,757,559

 

創薬開発事業

乙社 (注)1、2

4,138,511

 

創薬開発事業、放射性医薬品事業

 

(注) 1.当社顧客との共同研究開発契約においては秘密保持条項が存在するため、社名の公表は控えさせて頂きます。

2.乙社について3,846,995千円は創薬開発事業、291,516千円は放射性医薬品事業にかかる売上収益であります。

 

当連結会計年度(自 2023年1月1日至 2023年12月31日

(単位:千円)

顧客名

売上収益

 

関連するセグメント名

公益社団法人日本アイソトープ協会

11,158,137

 

放射性医薬品事業

Genentech, Inc.

5,809,200

 

創薬開発事業

アステラス製薬株式会社

2,949,999

 

創薬開発事業